北朝鮮による麻薬の密輸

検索語「北朝鮮 麻薬 密輸」国会会議録検索システムで検索





昭和51年10月20日 衆議院 外務委員会
[059]
外務省アジア局長 中江要介
新聞報道その他で私どもが承知しております情報につきましては、その確認方をわが方の在外公館を通じていま調査しておりますが、ほぼ間違いなかろうと思われますのは、最近デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、この北ヨーロッパの3国に駐在しております北朝鮮の外交官が、デンマークに関しましては10月15日に、麻薬及び酒、たばこの密売ということで、デンマークの国内法に重大な侵犯があったということで、全員国外退去を要求したということをデンマーク政府が発表しております。これには密輸麻薬の売りさばき、そのほかに無税の酒、たばこの横流しということもあったということでございますが、大使ほか2名はとりあえず15日、その日の夜コペンハーゲンを出発して帰国の途についた。これがデンマークのケースでございます。

ノルウェーにつきましては、10月18日にペルソナ・ノン・グラータということで、大使館の館員が6日以内に国外退去をしてもらいたいということの要請を受けているということでございます。そのペルソナ・ノン・グラータは通常理由を公開いたさないことになっておりますが、伝えられているところによりますと、やはり同じような免税の酒、たばこのやみ取引とか麻薬の取り扱いというようなことではないか、これは未確認として報道されておるわけでございます。

スウェーデンにつきましては、ストックホルムの警察当局がやはり10月18日に免税の酒、たばこ類の密輸入の疑いで、これは大使館がやったというんではなくて、北鮮の大使館を通じてそういうことをしていたスウェーデン人を逮捕したという発表があった。こういうことで、どうも北欧における北朝鮮の大使並びに大使館員についてそういった情報が急に目立ってきている、こういうことでございます。





平成09年06月11日 衆議院 外務委員会
[235]
外務大臣 池田行彦
それからさらに、例の北朝鮮の船舶による大量の麻薬密輸なんということもあったというようなこともございまして、日本の政府といたしましても、我が国国民の気持ちを考えますと、直接リンクするわけじゃないけれども、なかなかこれは踏み切れないなという状況があるわけでございます、そのほかにもいろいろ考えなくてはいけないことがございますけれども。





平成10年03月19日 衆議院 予算委員会第三分科会
[154]
新党平和(公明党) 田端正広
実は、そういうすき間といいますか間に、外国人の密売人といいますか販売組織といいますか、そういうものが入ってきている。覚せい剤で検挙された外国人を見てみますと、1091人が平成8年に検挙されているようでありますが、1番が韓国で452人、2番がフィリピンで256人、3番がイランで229人、こういう状況のようであります。こういう国際的な犯罪に対して、あるいは犯罪組織、そういうことに本格的に日本も取り組まないと、これは放置しているとは言いませんが、一生懸命やっていただいているとは思いますが、なお一層やっていかないと、これはますます複雑な組織になっていくんだろうと。

例えば、今月の4日に報道されたあれによりますと、中国から一たん北朝鮮へ行って、北朝鮮から日本へ密輸ルートがある、こういう手だてをとっているようであります。したがって、国際機関、例えば国際麻薬統制委員会、INCBというのがありますけれども、こういうところと連携をとるとか、あるいは、例えば日本と中国とか、そういった国と連携をとって共同に捜査を進めるとか、いろいろなことがこれから必要になっていくかと思いますが、警察庁及び厚生省の方で、今後こういう国際犯罪に対してどういうふうに対応されていくのか、その辺のところ、お考えをお伺いしたいと思います。





平成11年03月03日 衆議院 安全保障委員会
[071]
民主党(民進党) 島聡
次に、北朝鮮問題等々について質問をさせていただきたいと思います。

まず、アメリカ国務省の報告で、1999年版の国際麻薬戦略報告を発表しました。それによりますと、朝鮮民主主義人民共和国が、国家主導で麻薬の製造や密輸などの国際犯罪に関与している疑いがある。ここに原本がありますけれども。覚せい剤の製造能力を急速に高めておりますし、日本への流入が激増しているとも警告しております。

これをどのように認識し、対応をどのように考えているか、お聞きいたします。

[072]
外務省アジア局長 阿南惟茂
国務省の国際麻薬規制戦略報告、ここに、北朝鮮が外貨獲得のために薬物に関する活動に関与している可能性がある、また、確証はないけれども、諸般の状況から判断して、国家機関が関与している可能性があるという記載がございます。先生御指摘のとおりでございます。

また、この報告の中には、我が国の違法な覚せい剤市場において北朝鮮の覚せい剤が大きなシェアを占めるに至った、そういう報道があるということにも言及しております。

外務省といたしましては、この北朝鮮による薬物等に関する犯罪への関与、また薬物をめぐる活動の全貌について確たる情報を有しているという状況にはございませんけれども、非常に重要な問題でございます。重大な関心を持って、関係省庁とも連携しつつ、情報収集に一層努力してまいる考えでございます。





平成11年04月15日 衆議院 日米防衛協力のための指針に関する特別委員会
[531]
福井県立大学経済学部助教授 島田洋一
また、麻薬の製造、密輸、外貨の偽造等も組織的に行っておる疑いが濃厚である。北朝鮮における食糧危機の原因の一つが、実は優良な農地を麻薬用のケシ等の栽培に転用した結果である、理由の一つがそれであるということも最近明らかになってきておるわけです。そうして、麻薬の売買等でもうけた金は、また大量破壊兵器の開発・蓄積に回されておる。

こういう集団と我々は直面しておるのだ。すなわち、日本も、今やはっきり危険地帯の内部に我々はおる、こういう現実を直視して、そこから安全保障政策を立てる必要があると考えるわけです。





平成11年07月01日 衆議院 決算行政監視委員会
[116]
自由党 米津等史
ぜひ、今後の予算等で、麻薬取締官の増員を含めて再度強力な取り締まりの体制を整えていただくことを希望しておきます。

続きまして、法務省の方にお伺いをしたいんですが、アメリカの国務省は、国際麻薬対策戦略の1998年度の年次報告において、北朝鮮の麻薬密売のターゲットの中心が日本であるという強い警告を出しております。





平成12年02月28日 衆議院 予算委員会第一分科会
[161]
自由党 三沢淳
昨年押収されました覚せい剤のうちで、今言われていますのは、北朝鮮から積み出されたと見られる覚せい剤が全体の43%に急増していて、48%の中国に次ぐ第2位との報道がありました。これからは日本は、国交のない北朝鮮ルートといいますか、薬物に関して、麻薬、覚せい剤に関しまして、どのようにこれから対応されていくのか。まして、今、北朝鮮ルートはどのように認識されているのか。

私は島根県の出身でして、鳥取、島根は、あそこは海岸沿いなものですから、太平洋と違いまして、もうすぐばっと深くなっていますので、船が近くまで来て、漁船なんかに、陸揚げできるようなところが、たくさん個々に着けられるところがあります。国交があれば、向こうの政府と麻薬の防犯に関していろいろ話ができますが、こういう国に対してはどういうふうにこれから対処されるのか。

せっかく国内でいろいろやられても、どんどん北朝鮮の方から入ってきたら、これは幾ら国内でGメンの方や警察の方や海上保安庁の方がいっぱい頑張っても、ここらがしっかりしないとなかなか減らないんじゃないか。それが今の末端価格が下がっている、そういうところじゃないかと思われますが、どのようにこれから認識されていくんでしょうか。





平成14年04月05日 衆議院 外務委員会
[022]
民主党(民進党) 松原仁
我々の日本にとっては、古くは、よど号ハイジャック犯の受け入れに始まり、そして、八尾恵元ハイジャック犯の妻が有本さん拉致事件を裁判所で証言したということで、また日本の国民の怒りを大変に大きくしておりますいわゆる拉致事件、この拉致事件に関しては、日本の警察が認定しているだけで8件11一人、恐らく70人、80人がいるのではないかと言われております。また、いわゆる不正送金の問題、さらにはテポドン、これは衛星だと言っていますが、ミサイルだった可能性が極めて高いわけであります。核兵器開発疑惑、さらには麻薬、武器の密輸売却疑惑、そして先般においては金正男と思われる男の不法入国、そして昨年末の不審船による銃撃事件と、大変に、一つ一つをとっても大問題でありますが、そういう問題で北朝鮮と密接に絡んでいると思われる事件が、もう長い時間においてずっと起こり続けているわけであります。

こういう国家、この国家は、拉致をする国家、犯罪国家ではないかというふうに私は思うわけでありますが、北朝鮮、これは拉致をする国家、犯罪国家ではないかということに対しての大臣の見解をお伺いいたします。





平成14年09月11日 参議院 決算委員会
[089]
民主党(民進党) 池口修次
9月の17日に日朝首脳会談があるということで、そこでどういう話が議論がされるのかという、これはもう可能性の話になると思いますけれども、外務省が作った資料の中に、主な議題ということで、1つは過去に起因する問題で、これは向こう、朝鮮が、北朝鮮が言う過去の清算のことだと思いますけれども、2つ目が日朝間の諸懸案ということで、その①が拉致問題、②がミサイル問題、③がよど号犯引渡し問題、④に、その他で、括弧して、工作船、麻薬密輸問題、債務不履行問題等を含むということになっております。





平成14年09月26日 参議院 決算委員会
[026]
自由民主党 三浦一水
工作船の問題について金総書記は、軍の一部が行ったものと思われる、最後に、今後更にそれを調査したい、このような問題が一切生じないような適切な処理を取るという表明をされたと伺っております。

工作船の出没は、北朝鮮によるスパイ活動や我が国に対する活動であります。拉致事件あるいは麻薬、覚せい剤の密輸事件など様々な犯罪のもととなっているんではないかと言われております。現に、昨年末の奄美大島不審船事件につきましては、勇敢に職責を果たした海上保安庁の3名が負傷をし巡視艦が損害を受けたという重大な犯罪であります。

政府は、今回の金総書記の発言で事件を終結したものとすることなく、引揚げに、工作船の調査を厳格に行うとともに、犯罪捜査、再発防止の観点から北朝鮮側に毅然とした対応を取るべきだと思います。





平成14年10月10日 参議院 外交防衛委員会
[197]
公明党 遠山清彦
最後の質問になるかと思いますけれども、再び安倍長官にお伺いをしたいと思います。実は日朝の首相協議ではほとんど話題にならなかった個別の案件で、しかし日朝間の中で特に日本側にとって深刻な問題として、これは今防衛庁長官が言及をしました工作船とも関係ありますけれども、麻薬の密輸問題が私はあるというふうに思っております。

専門家によりますと、90年代後半から北朝鮮製の麻薬、覚せい剤、薬物の密輸が、日本向けが増えているというふうに指摘されているんですけれども、実際それを裏付ける事件も数多く起こっております。私が簡単に重立ったやつだけ言うと、1997年4月15日のチソン2号事件で、日本国内で初めて北朝鮮から密輸された覚せい剤58.6キロが押収される事件がございました。98年の8月23日には東シナ海の公海上で日本の暴力団員が北朝鮮船籍の漁船から202.6キロ、末端価格で100億円以上の覚せい剤を、これは北朝鮮製と後で分かりましたけれども、受け取った事件が起こる。99年にも幾つか事件があったんですが、特に10月3日には何と史上最高の565キロの覚せい剤が台湾漁船によって北朝鮮から密輸をされて日本に運ばれたものが押収をされたわけでございます。

このような大量な覚せい剤の薬物の密貿易、日本向けの密貿易をだれが一体やっているのかという点でありますけれども、実は今年7月に、だれがやっているかということについて非常に示唆をする事件が国外でございました、台湾と韓国でありますけれども。

この2つの事件によって、もう時間がないので詳しく申し上げませんが、1つは台湾の方は、北朝鮮の海軍の船から麻薬を台湾の漁船が受け取ったというようなことが発覚したわけであります。つまり、国家が直接関与して薬物の密貿易をやっていたと。それから、韓国で書類送検された人の話によれば、民間の密売組織も北朝鮮にあるということが分かったわけでございます。

今、日本は第三次薬物乱用期でございまして、未成年者に対する薬物の浸透が非常に心配をされている時期なわけでございます。北朝鮮からこのように大量の、何100キロという、一遍で何100キロという覚せい剤が北朝鮮から来ているという、それで、しかも国家がかかわっているということが今年に入って分かってきたわけでありますから、是非、この日朝交渉の過程の中でも、北朝鮮が国家ぐるみで日本に麻薬を密輸をするようなことがないように、この点についても具体的に毅然とした態度で臨んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

[198]
内閣官房副長官 安倍晋三
北朝鮮を仕出し地とする薬物の大量密輸事件が発生していることにつきましては、政府としても重大に受け止めております。8月に開催をされました日朝局長級協議等の場においても取り上げてきたところでございます。

いずれにしろ、本問題については今後とも関係当局と緊密に連携をしつつ日朝国交正常化交渉等の場においてしかるべく取り上げていきたいと、このように考えております。また、北朝鮮側の誠実な対応を強く求めてまいりたいと思います。





平成15年05月13日 参議院 外交防衛委員会
[008]
月原茂皓
さて、次に、最近の我が国への覚せい剤の密輸等、そういうものが北朝鮮から行われているわけであります。麻薬等についても同じようなことが言えると思います。

この間、オーストラリアの港で、港というか海域で北朝鮮の船が摘発された。新聞によれば、それは労働党の幹部が乗っておったと、こういうことまで言われておるわけですね。

そういうことで、今申し上げたように、諸外国も、我が特に同盟国の米国辺りもこの点については非常に関心を持っておる。この点については今どのようなことであるか、お答え願いたいと思います。

[009]
財務大臣官房審議官  藤原啓司
税関におきましては、平成9年以降、北朝鮮を仕出し地とする覚せい剤の密輸入事件、6件摘発をいたしております。その押収量でございますけれども、合計約1.3トンに上っておりまして、この押収量は、平成9年以降、税関が摘発いたしました覚せい剤の全押収量の約4割を占めております。国の中では、北朝鮮が中国に次ぐ覚せい剤の主要仕出し地となっております。

こうした状況の下におきまして、税関におきましては、覚せい剤等の密輸入を水際で阻止するという観点から、密輸情報の収集あるいは分析の強化、それから麻薬探知犬、エックス線検査装置など取締り機器の積極的活用、それから警察、海上保安庁など関係取締り機関との連携強化等の対策を推進いたしまして、積極的な水際での取締りを実施しているところでございます。

今後とも厳重な取締りに努めてまいる所存でございます。

[122]
自由党 田村秀昭
今日の読売新聞の朝刊、朝日新聞の朝刊に出ておりますけれども、在韓米軍の関係者が語ったということで、射程130キロのノドンミサイルが175基から200基、日本を標的として配備されていると。それから、北朝鮮は麻薬の密輸や偽造ドル等の不法行為を数字を挙げて報道しておりますが、これは大臣もごらんになったと思いますが、外務大臣として、この事実はこのとおりだというふうにお考えなのかどうなのか。





平成15年05月19日 衆議院 決算行政監視委員会第一分科会
[293]
国務大臣(国家公安委員会委員長) 谷垣禎一
覚せい剤を初め我が国の乱用薬物のほとんどすべてが、海外で密造されて、いわば国際犯罪組織によって密輸入されているという形ではないかと思います。それで、日本側では暴力団などの組織が受け手となっているわけで、暴力団やあるいはイラン人といった来日外国人の犯罪組織によって日本国内で売られているという状況ではないかと思っております。

(中略)

それから、海外からの供給ルートということを考えますと、中国それから北朝鮮、これが覚せい剤の二大密輸入ルートになっているわけですが、国内関係機関との連携、それから警察庁が主催しておりますアジア太平洋薬物取締会議、こういったものを通じて諸外国の機関との協力、こういった取り組みをさらに強化していく必要があると考えております。





平成15年05月23日 参議院 武力攻撃事態への対処に関する特別委員会
[049]
外務省アジア大洋州局長 薮中三十二
今、委員が御質問の件でございますけれども、5月20日に開催されました、これは米国の上院政府問題委員会の財政・予算・国際安全保障小委員会、この公聴会の場でございました。ここで、この公聴会に出席しました元北朝鮮のミサイル技術者という方が、北朝鮮で製造されるミサイルの部品の90%、これは3か月ごとに日本と北朝鮮を往復する万景峰号を利用して日本から密輸されたものであるとの証言をしたということは私どもも承知しております。

(中略)

そして、特に我が国の製品が北朝鮮の大量破壊兵器、ミサイルの開発に転用されることがあってはならないというのは非常に強く認識しているところでございまして、現在、これはもう既に昨年から非常な努力がなされておりまして、こうした問題についての厳しい、関係当局との連携によっての厳しい取締りを行うということをやっておりますし、また麻薬の関係でございますけれども、これにつきましても、北朝鮮の違法行為というのは、これは絶対に許されてはならないということで、関係当局と緊密に連携しながらこうした問題に取り組んでいるというのが現状でございます。





平成15年05月28日 衆議院 予算委員会
[031]
内閣総理大臣 小泉純一郎
覚せい剤等麻薬の密輸等につきましては、北朝鮮当局が関与しているのではないかと見られる事案がかなり起こっております。こういう点に関して、非常に深刻な問題だと認識しておりますし、外国におきましても、現にいろいろな情報交換をしており、日本だけでなくて、日本以外の国にもそのような不正行為が行われるという情報も寄せられております。

今後、日本独自として厳正に対処すると同時に、外国当局とも情報交換を密にしまして、国際的な協力のもとに、このような不正防止に日本としても厳正に対処していきたいと思っております。





平成15年06月05日 衆議院 本会議
[031]
民主党(民進党) 伊藤英成
北朝鮮問題については、私は、拉致事件及び大量破壊兵器問題等の全面解決を見るまで国交正常化はすべきではなく、経済援助はあり得ない、また、北朝鮮の核保有・拡散は認められない、こういう姿勢を堅持すべきだと思います。

(中略)

さきに米国議会でも疑惑が指摘された万景峰号の入港が目前であります。ミサイル等の部品だけでなく、麻薬や覚せい剤等の密輸の疑いも指摘されていることから、安全保障上または犯罪防止の観点から、我が国の主体的な判断に基づき適切に対処できるよう、外為法、出入国管理法、港湾法、関税法、海上保安庁法、国連海洋法条約など関係法令の見直しも含め、新たな規制のあり方も検討すべきであると考えますが、万景峰号等の入港問題も含め、総理の考えを伺いたい。





平成15年07月16日 衆議院 内閣委員会
[196]
民主党(民進党) 中沢健次
さて、もう一問、麻薬問題、覚せい剤問題について幾つか質問もしたいと思います。それで、私は前の委員会でもこの問題を取り上げました。きょうは少し新しい事実がありますから、少しく議論をしたいと思うんですよ。

まず、政府参考人にお尋ねをしますが、最近の我が国における麻薬の密輸の実態、しかも北朝鮮ルートが残念ながら年々拡大をしている、そして、その中でも日本の暴力団の関与が具体的な事実を含めて明確になっている。毎年発行される国民向けのこういうしおりにも、ポイントのそういう紹介があります。

麻薬というのは、暴力団でいえば伝統的な資金源なんですよ。やみ金融というのは新しい資金源、簡単に言えば。伝統的な資金源、しかも、日本に限らず、世界各国は共通の国家的な、国民的な不安と悩みを持っている。そうなってくると、まずは、今申し上げましたように、麻薬の密輸の北朝鮮ルートの実態がどうなっているか、暴力団の関与がどうなっているか、まとめて結構ですから、簡単にお答えください。

[197]
政府参考人(警察庁生活安全局長) 瀬川勝久
お答えいたします。

我が国で乱用されております薬物といいますのは、そのほとんどが海外から密輸入されたものでございます。特に覚せい剤につきましては、最近では中国と北朝鮮を仕出し地とするものがその大部分を占めているという状況になっております。

お尋ねの北朝鮮ルートでございますが、平成9年以降、北朝鮮ルートの覚せい剤というものが出てまいりまして、最近5カ年間を見ますと、大量押収事件について見ただけでも、北朝鮮を仕出し地とする覚せい剤の押収量は1466.8キログラムということになっておりまして、大量押収事案の34.6%をこのルートが占めているということでございます。

この北朝鮮を仕出し地とする覚せい剤の特徴として3つございますが、1つは、1回の押収量が非常に大量であるということであります。それから2つ目には、その押収した覚せい剤の純度が高い。それから3つ目には包装ですね。そのパッケージが非常に整っているというようなことがありまして、私どもとしましては、これは北朝鮮が国家として密輸あるいは製造に関与しているかどうかということは、証拠としてはまだ把握をいたしておりませんけれども、相当高度の技術水準や相当の資金を有する組織が関与しているのではないか、こういうふうに見ているところでございます。

それから、暴力団の関係でございますけれども、今申し上げました北朝鮮を仕出し地とする覚せい剤の大量密輸入事件、今まで私ども、6件検挙をしております。このうち、暴力団構成員がこういった事件に関連して検挙をされたというものが3件ございます。

簡単に申し上げますと、1つは、平成9年の4月、宮崎県の細島港に入港しました北朝鮮船籍の貨物船に積んでありましたハチみつ缶の中から58.6キログラムの覚せい剤が発見された事件、それから2つ目は、平成10年の8月、高知県沖の海上で、覚せい剤202.6キログラムが海上を漂流しているところを発見された事件、それから、平成11年の4月、鳥取県の境港に入港した貨物船に積み込まれていたシジミ入りの麻袋の中から覚せい剤100キログラムが発見された事件、この3件の事件につきまして日本の暴力団の幹部を検挙している、こういう関係が今まで事件検挙で裏づけられております。

[198]
民主党(民進党) 中沢健次
今のお答えはポイントでした。私の方も、いろいろな情報もあるいは資料もいただいています。

そこで、国家公安委員長、恐らくテレビのビデオは見ていないと思うんですが、これはぜひ、後でもいいですから見てください。今月の10日、NHKの報道で「クローズアップ現代」、「北朝鮮と暴力団 覚せい剤密輸の実態」という30分物、私は別に逓信委員長をやったからNHK、NHK言っているんじゃないんですが、やはり新聞のタイトルを見て、これはちょっと後々いろいろな意味で利用できるなと思ってビデオに撮りました。きのう全部見ました。大変衝撃的ですよ。相当リアルに、しかも海上保安庁の幹部も登場して、間違いなく一昨年の12月の例の工作船、疑惑は濃厚だと、しかし物的証拠は残っていない、こういう報道でした。それ以外にもいろいろな報道がありました。これはぜひ見てほしいんですよ。

そこで、もう言うまでもありませんが、先ほど言いましたように、麻薬というのは暴力団の伝統的な資金源である、これはもう否めない事実。そうすると、前にも言いましたけれども、暴力団新法とはいいながら、確かにもうつくって10年も過ぎている。やみ金融の問題これあり、暴力団も、北朝鮮のルートがどんどん大量に暴力団の資金源になっている、その被害は一般の弱い国民に及んでいる、これは本当にゆゆしき事態だと思いますね。やみ金融と別な観点で、そこのところは今までも随分、水際作戦あるいは他省庁との連携をとって警察力を十分に発揮をして、しかし結果的に、大量押収したケースも幾つかしかない。恐らく事件になっている、隠れたそういう事実というのは物すごくあるのではないか、こう思うんですよ。





平成15年10月01日 衆議院 予算委員会
[195]
民主党(民進党) 原口一博
その中で、今現在、中川大臣として、この拉致問題に関し、北朝鮮のさまざまな、例えば麻薬の問題あるいは密輸の問題、いろいろな措置が考えられると思っていますが、どういうことをお考えなのか、まずお伺いしたいと思います。





平成16年06月01日 衆議院 国土交通委員会
[013]
民主党(民進党) 中川正春
次に、それは表に出た金額ということでありますが、本来私たちが問題にしなきゃいけないのは、アメリカから名指しでテロ国家という異名をとった、そうした中身のある国でありますから、非合法の取引、特に、外貨を稼ぐために、国家を背景にしながら、麻薬の製造であるとか、あるいは非合法な生産といいますか、そうしたものを北朝鮮の中でやって、それを密輸という形で日本に持ち込む、あるいは世界じゅうにばらまいているということ、このことがよく指摘をされます。





平成17年01月24日 衆議院 本会議
[014]
自由民主党 武部勤
北朝鮮は、テロ組織への武器密輸、麻薬取引等を大きな外貨獲得手段としているとの報道もなされております。6カ国協議についても、一向に進展がなく、次の開催時期をずるずると引き延ばし、時間稼ぎを繰り返しております。国際社会全体の関心をもっと北朝鮮に対して向けさせなければなりません。そのような啓発行動や拉致問題解決の国際世論を高める外交努力をもっともっとすべきなのであります。





平成18年03月23日 参議院 予算委員会
[011]
自由民主党 藤井基之
その前にちょっと言い掛けた話、じゃこちらから申し上げますと、そのブッシュ・レポートの中で言われているのは、実は2003年の4月に北朝鮮企業が所有するポンス号という船が、実は大量の、非常に純度の高いヘロインをオーストラリアに密輸出しようとして摘発されている。そして、その船長とか、いわゆるこれは北朝鮮政治局員と読むべきだと思うんですが、DPRKポリティカルセクレタリーを含む高官が拿捕されている。そして、裁判がこの春、行われようとしているという、そういった記事でございました。

で、北朝鮮国籍のこういった覚せい剤問題等、実は日本国においても経験がありまして、1998年に北朝鮮船籍の工作船による覚せい剤の密輸事件が摘発を既にされているわけでございます。

そして、2003年、つまり5年後にこのオーストラリアでそのような同様な事件が起こっているということでございまして、そして今、中国の件についても御報告ちょうだいしましたとおりですが、併せまして申し上げますと、国連の麻薬委員会が今年まとめております麻薬取引に関する世界の状況、このレポートによりますと、2004年に中国で押収されたヘロイン、最も作用が強いと言われている薬物ですが、これは10.6トンが押収されている。これは世界最大、世界の押収量の18%という報告がされている。また、その後、1999年から2003年まで、メタンフェタミン、覚せい剤ですが、覚せい剤の中国での押収量、これはタイやアメリカ、最も多いと言われたタイやアメリカよりも、それよりも多いんだと。2004年だけでも2.8トン押収されていると。こういった報告が、実はこれ国連の麻薬委員会からされております。

今、諸外国の状況を申し述べましたけれども、これにつきまして、いわゆる対策推進本部の副本部長をお務めの官房長官、どのような御感想をお持ちでしょうか。

[012]
国務大臣(内閣官房長官) 安倍晋三
ただいま委員が御指摘になられましたように、北朝鮮から、あるいは中国からのいわゆる覚せい剤の麻薬についてはしっかりと水際で阻止をしていかなければならないと、こう考えております。

特に、北朝鮮に対しましては、厳格な法執行、法の適用ということで厳しく取締りを続けている次第でありますが、しっかりと政府としてこの覚せい剤の問題については全体として取り組んでいく、そして水際でしっかりとこれは防いでいくという考えで取り組んでいきたいと、こう考えております。





平成18年04月10日 参議院 本会議
[008]
国務大臣(国家公安委員会委員長) 沓掛哲男
初めに、我が国の薬物水際対策と北朝鮮からの薬物についてお答えいたします。

警察としては、平成15年7月に政府として定めた薬物密輸入阻止のための緊急水際対策を踏まえ、国内外の関係機関と緊密に連携し、情報収集と取締りを推進しているところであります。

また、北朝鮮を仕出し地とする覚せい剤大量密輸入等事件については、9年から14年にかけて検挙されており、15年以降は確認されておりませんが、今後とも引き続き北朝鮮ルートの密輸入に対する警戒が必要と確認しております。





平成19年11月02日 衆議院 経済産業委員会
[027]
民主党(民進党) 牧義夫
決して十分な御答弁ではないと思いますけれども、要するに、結局、北朝鮮という国家が、国家として、テロ支援国家どころか、テロ国家ですよね。拉致に始まり、麻薬あるいは武器の密輸だとか人権の弾圧、もう紛れもなくテロ国家であると私は思うのです。





平成20年04月10日 衆議院 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会
[043]
参考人(早稲田大学国際教養学部教授) 重村智計
拉致問題について北朝鮮の立場から御説明しますと、北朝鮮の立場からすれば、日本は一度として北朝鮮に拉致被害者を返せと公式に言ったことがないというのが北朝鮮の立場ですね。

これはどういうことかといいますと、北朝鮮は、御存じのように、これまで何回も工作員を日本に送って主権侵害をしてきたんですが、そのたびに、日本政府は一度として主権侵害だと言ったことはない、工作員を送るなと言ったことがないんです。しかも、麻薬の密輸をやめろと言ったことはなかったんです、横田めぐみさんの拉致問題が大きくなるまでは。さらに、日朝首脳会談のときに、小泉総理は、拉致被害者についての安否情報を教えてくれと言った、拉致被害者を返せとは言わなかったんです。

ですから、これは、北朝鮮の立場からすれば、外交のルールからすると、日本は返せと要求しなかったんだ、ただ、後でうるさくなったから、国民が騒いだから、しようがないから、では、日本が頼むと言うから応じてあげただけだというのが北朝鮮の見解、立場ですね。