尖閣諸島中国漁船衝突事件 1/7 ~ 民主党代表選挙中の事件、中国人船長を釈放したのは検察

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平成22年09月07日 参議院 国土交通委員会
[124]
みんなの党 上野ひろし
今、大臣から御答弁いただきました広報体制の改善、非常に大事なことだと思うんですが、一方で、広報関係のみならず、海上保安庁の中で情報がきちんと上がってこなかった、これは組織の中の危機管理の問題として非常に問題ではないかというのが私の趣旨でございます。

まさに今この時点、この時点でも海上保安庁、どこかの場所で事故が起きて、それが大臣に情報が上がってこない、本庁に情報が上がってこない、現場の判断で情報がストップをされてしまう、そういう状況があるのではないかと思いますけれども、是非早急に組織の中の危機管理、情報管理の徹底をいただきたいと思いますけれども、その点について御答弁をお願いします。

[125]
国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 前原誠司
もう御趣旨のとおりでございまして、実際問題、今、尖閣の付近で哨戒活動をしていた海保の巡視船と中国の漁船が衝突をしたということも、委員会中ではございますけれども、私のところには情報が入っておりますし、それについて、今現実の問題として情報収集を徹底をし、そしてどのように対応するかということについては、その情報が集まり次第、対応しなくてはいけないというふうに思っております。

日々様々な形で起こり得る事態に対してどう適切に対応するかということは、まさにすべての海上保安庁職員あるいは国土交通省、我々政務三役、すべてにかかわる話でございますので、そういった緊張感を持って対応を今後もしていきたいと、このように考えております。





平成22年09月28日 参議院 外交防衛委員会
[026]
民主党(民進党) 斎藤嘉隆
今日は、まず、現在国民が大変関心を大きく寄せております尖閣諸島での問題について、幾つか与党の立場、確認をさせていただきたいというふうに思っています。

今回の事件は、明らかに日本領海内での中国漁船による衝突事件であります。我が国の法に基づいて厳正に対応をした、このことは私、当然のことであるというふうに思っております。また、中国側がややもすると一方的にヒートアップをしていく、そのような状況の中で、双方の冷静な対応、こういったことを訴えてきた当初の政府の姿勢については大変評価をしたいというふうに思っています。事件の初めの段階で中国人船長を送り返した方がよかったというような意見もあるようでございます。自民党の谷垣総裁もそのようなことをおっしゃられているというようでございますけれども、しかし、今回のことはこれまでの不法入国の事案と違いまして、明らかな公務執行妨害による逮捕であります。

今回のように、法に基づき定められた対応をするということは至極当然のことであるというふうに思っておりますけれども、当時、海保を所管をする国交大臣というお立場であられました前原大臣は、この初動段階での対応についてどのような判断、また指示をされたのか、御説明をいただきたいと思います。

[027]
外務大臣 前原誠司
斎藤委員にお答えをいたします。

東シナ海において領土問題は存在をしておりません。尖閣諸島は我が国固有の領土でございまして、主権をしっかり守っていく、今後もそれに邁進をしていくというのはもう当然のことでございます。

私は、議員になりましてから3回、時期は特定をいたしませんが、尖閣の上空を海保の固定翼で視察をしたことがございますけれども、常に、あの海域というのは漁場でもございまして、中国や台湾の漁船というものが操業をしていて、そして海保の船が、領海に入ってきたときには追い出しを図るということをやっているところでございます。

今年に入りましても、今日は海保の鈴木長官もおられますので、もし必要があれば具体的にお尋ねをいただければと思いますけれども、私が報告を受けているだけでも、今年に入ってからでも10回以上の立入検査を行っているということでございまして、日常茶飯事の海保の11管区の活動として、あの海域で領海に入ってきている漁船を追っ払い、そして立入検査も必要に応じてはやってきたということがございます。

今回の場合は、ある漁船が海保の巡視船に対して体当たりをしてきたということでありまして、ともすれば沈没をしたかもしれないという悪質な事案でございまして、公務執行妨害での逮捕というものは私は当然だというふうに考えております。

[028]
民主党(民進党) 斎藤嘉隆
私自身も、この事件の悪質性といいますか、そういったことを考えると逮捕はやむを得なかったというふうに思っております。



[054]
自由民主党 佐藤正久
さて、前原大臣、今回の尖閣諸島におけます中国漁船の海保に、巡視船に対する衝突事件、これは、公務執行妨害容疑のまま、処分保留のまま釈放されました。いかにも中国の圧力によって日本の主張がねじ曲げられた、ちょっと締め上げれば日本は圧力に屈してしまうような印象を世界に与えてしまったと、結果として。非常に私も残念に思います。

外務大臣、今回、検察が処分保留のまま釈放してしまった、そういう判断をした、これについての率直な見解を求めます。

[055]
外務大臣 前原誠司
先ほど同僚委員の斎藤委員にもお答えをいたしましたけれども、東シナ海において領土問題は存在をしておりません。尖閣諸島は我が国固有の領土でございまして、主権を守っていくというのは当然のことでございます。

その中で、今回、公務執行妨害、海保の船への体当たりという事案の中で公務執行妨害ということで逮捕され、そして検察に送られ、あとはその手続の中で決められたものでありますので、政府としては、それについて政府として従うということでございます。

[056]
自由民主党 佐藤正久
全然外務大臣としての発言とは思えませんよ。外務省の担当官からの説明によりますと、この検察の決定をニューヨークで大臣は報告を受けたと、その際には、検察の決定だから尊重すると淡々と言われたと。本当でしょうか。

[057]
外務大臣 前原誠司
そのとおりでございます。

[058]
自由民主党 佐藤正久
本当に外交的な影響がある事項を、検察が独自の判断でそれを行った。

外務大臣、そもそも検察がどういう根拠に基づいて外交的な理由で今回の処分保留、釈放ということを行ったか知っていますか。

[059]
外務大臣 前原誠司
この件は司法手続にのっとって行われたものでございまして、外務省として立ち入るべき問題ではございません。

[060]
自由民主党 佐藤正久
質問は、どういう検察の権限で、外交的な理由、今後の日中関係に与える影響ということを考慮して検察は決定したんですよ。外務大臣、どういう根拠でこれが行われたか知らないんですか、外務大臣。

[061]
委員長 田中直紀
いいですか。前原外務大臣。

[062]
外務大臣 前原誠司
いや、今の御質問を聞いておりますと、外務大臣ではなくて法務省に答弁を求めるお話じゃないでしょうか。

[063]
法務副大臣 小川敏夫
今回、那覇地検の方で釈放しましたその理由は既に次席検事の方から記者会見で公表されておるわけでありますが、その中で、国際関係、日中関係ということもその釈放の理由の1つとして述べられております。

これは、そもそも、刑事訴訟法248条によりまして検察官の処分は様々な状況を勘案して決定するということになっておりまして、これは検察が外交に関与したということではなくて、社会において起きている事象というものもすべて判断した上で検察が判断するということでございます。

特に、国際関係やあるいは日中関係といった点が発表されましたが、特に刑事訴訟法248条の趣旨は、すべての事柄を検察官としてはこれを判断の材料とすることができるというものでございまして、特に今、佐藤委員が指摘されたような点につきまして、これを排除する、除外するというような趣旨ではございません。

以上でございます。

[064]
自由民主党 佐藤正久
今回、これは問題が2つあると思うんですよ。

まず、外務大臣が自分でこれは外交問題だと明確に閣議でもほかのテレビ等でも言っておきながら、検察が外交的な判断をして釈放した、それについては検察の決定だから尊重する。しかも、その検察の判断の根拠すら分かっていない。そんないいかげんな外交でいいのか。1つ。

2つ。今、副大臣が言われましたけれども、であれば、検察は何でもできちゃうんですよ。この刑事訴訟法248条の規定というのは、それは「犯罪後の情況」というものはあります。それが全部の役所にかかわることをやっていい、だれも思いませんよ。検察というのは法と証拠に基づいて判断するんでしょう。それが基本でしょう。政治的な判断とかあるいは外交的な判断、これはこの248条の裁量権を越えている。そしたら何でもできますよ、検察は。暴走できますよ、本当に。それで本当にいいんですか。(発言する者あり)

[065]
委員長 田中直紀
不規則発言は慎んでください。

[066]
法務副大臣 小川敏夫
先ほども述べた趣旨をもう一度述べさせていただきますが、検察は外交を行ったのではありません。あくまでもこの刑事事件を処分するその判断の1つの資料として、社会に起きている事象というものをこの判断材料の1つとしたということでございます。

他省庁の行うべき権限を検察が行ったというものではございません。

[067]
自由民主党 佐藤正久
そんなの通るわけないじゃないですか。

検察は、じゃ、今回外交的な判断あるいは政治的な判断で釈放したんですよ。明確に書いていますからね。日本国民への影響及び今後の日中関係、これは政治的な判断であり、外交的な判断ですよ。でも、検察は、じゃ、その判断した結果について外交的な責任を負えますか。負える立場にありますか。ないでしょう。

前原大臣、今回の、じゃ、判断を受けて釈放されました。どういう影響が出ていますか。いい方向に転がっていますか、状況は。これについて検察は何にも責任を負えないんですよ。それは検察の判断だからいいですと、そういうもんではないでしょう。そんないいかげんな外交をやっていいんですか。

前原大臣、もう一度、本当に、自分の心の中は違うでしょう。今まで私は、前原大臣とは京都の安全保障シンポジウムとかテレビでまじめに安全保障の議論をしてきましたよ。本当に国を思った方だと思っていますよ。それが、今回、検察がのりを越えて外交的な判断をした。結果として、みんな外交的にしわ寄せが来ているじゃないですか。釈放される前のよりも高い要求が来た。謝罪と損害賠償、また東シナ海ガス田のところとか尖閣には多くの調査船とかあるいは監視船が来ている。より事態が悪くなっているじゃないですか。

小川副大臣、責任取れるんですか、検察は。

[068]
法務副大臣 小川敏夫
まず、検察官が行った処分、また同じことを何回も繰り返すようで恐縮でございますが、外交判断を検察官が行ったのではございません。社会に起きている事象のあらゆる点を勘案することが処分の行う点において考慮すべきその中の1つの社会的事象であるということを勘案して、検察官としては刑事処分を行ったわけでございます。

また、責任をという話がございましたが、これは個々の検察官が行った処分につきまして、法務省が直接責任を負うというものではございません。

[069]
自由民主党 佐藤正久
副大臣、政治的な責任を負えるのは法務大臣だけなんですよ。そうでしょう。

法務大臣は、だから、検察庁法第14条において個別の案件についても検事総長を指揮することができるとなっているんですよ。そうでしょう。

政治的責任を負えるのは法務大臣だけなんですよ。

検察は法と証拠に基づいて粛々と判断するんですよ。それが結果として外交的な影響とか政治的な影響があれば、そういうときに初めて法務大臣が指揮権を発動する、それが規定でしょう。

今回、外交的な理由というものを挙げて判断しました。検事総長は事前に法務大臣に説明したんですか。協議したんですか、決定の前に。

[070]
法務副大臣 小川敏夫
まず、後段の質問の、この決定の前に協議したかという点でございますが、それはしておりません。決定後に報告を受けたということでございます。

それから、前段の点でございまして、法務省が検察官の処分について責任を負わないのかという話がございました。ただ、一般的に検察の捜査というものは本来政治が主導するものではございませんで、司法の独立あるいは捜査というものが独立しておるわけでございまして、一般的には、逆に捜査に政治が介入すれば介入したこと自体が批判されるという性質のものでございます。やはり検察官の処分はあくまでも検察官の処分としてございまして、これが、例えば不起訴が不服であれば検察審査会に申し立てるといったような手続によって担保されているものでございます。検察官の個々の事件の処分につきまして法務省が責任を取るという性質のものではないと、このように考えております。

[071]
自由民主党 佐藤正久
全くずれていますよ。検察がのりを越えてしまったんですよ。法と証拠に基づいて判断すればいいのを、政治的な理由とか外交的な理由を挙げて判断しているんですよ。検察の方が政治、外交に寄ってきてしまったんですよ。そういうときはやはり政治が責任を取らないといけないんですよ。だから、この14条があるんですよ。これが本当に検察が自分でやったら大暴走ですよ。何でもできますよ、これだったら。検察が、政治的な理由あるいは外交的な理由、財政的な理由、だからこうしました、全部通っちゃいますよ。

だからこそ、そういう粛々とやって、それでもこれは政治的な影響があるとか外交で影響が高いというときに指揮権を発動できるようになっているわけですよ、これ。全く逆のことを検察からやっておいて、知りませんと。これは本当に、今大事な発言されましたけれども、法務大臣に全く事前に協議もせずに検察が外交的な理由というものを判断の1つとして決断を下したということが事実であれば、これは検察の暴走であり、また法務大臣の指揮監督不十分ですよ。

結果として、今国益にどれだけ迷惑を掛けていると思っているんですか。以前よりも要求は高くなった。しかも、多くの巡視船や監視船がガス田やあるいは尖閣の諸島で動いている。責任を負えるわけないじゃないですか。

だから、いろいろ外交的な配慮というものは、それは外務省がやるべきなんですよ。それを今回の釈放の理由にしている。全くおかしい。私は、これが本当であれば、やっぱり担当した那覇の地検の責任者あるいは法務大臣は罷免に値すると思いますよ。違いますか。

[072]
法務副大臣 小川敏夫
なかなか佐藤委員と私の答弁かみ合ってないんですが、その根本は、佐藤委員は、何か今回の検察の処分が法と証拠に基づいていないと、そして、本来検察がやるべきではない外交問題について判断したという前提に立って質問をされておるようにうかがえるんですが、先ほども繰り返し申し上げておりますように、検察官の処分は、刑事訴訟法248条に従った、法と証拠にのっとった手続によって処分を行ったものでございますし、また、先ほども繰り返し述べておりますように、検察官はその刑事訴訟法の規定に基づいて処分を行ったもので、外交問題を検察官が行ったというものではございません。(発言する者あり)

[073]
自由民主党 佐藤正久
邪魔しないでください、理事。

今、そういう、副大臣は言いますけれども、これ大問題なんですよ。

じゃ、聞きますけれども、過去に外交的な理由、政治的な理由に基づいてこのような判断をした事例ありますか。

[074]
法務副大臣 小川敏夫
過去の事例をすべてあるかないかと言われても客観的には分かりませんが、私の知る範囲ではございません。

ただ、1つ付け加えさせていただきますれば、また同じことを答えるようでありますが、検察官は外交判断によって今回の処分を行ったのではありません。

あくまでも個々の刑事事件を担当したその検察官の刑事事件の処理として行ったものでございますので、そこは佐藤委員と少し前提の見解が異なるのだろうというふうに思っております。

[075]
自由民主党 佐藤正久
今言われたように、ないんですよ、過去こういう例が。一生懸命法務省の官僚の方は探しているんですよ、ずっと、過去にこういう例がないか。ないんですよ。あるわけないです。のりを越えてしまったんですから、今回。これを許してしまったら何でもできちゃうんですよ。

外交的な配慮がなかった。じゃ、確認しますよ。22日ですか、法務省は外務省の方に、那覇地検への説明を求めていますよね。なぜこれを求めたんですか。

22日です。法務省が求めたのは22日です。

[076]
政府参考人(法務省刑事局長) 西川克行
確かに、那覇地方検察庁から外務省の方に対して、日中関係等について説明を求めた事実がございます。

実際に那覇地検に来ていただいたのは23日ということでございます。今回の事件の処分に当たって外交関係の知識が検察庁において必要であるということでございますので、参考にお呼びしたということでございます。

[077]
自由民主党 佐藤正久
22日に外務省の方に法務省が要請して、23日に行っているんですよ。外交的なことを知りたいという話でしょう、外交関係。だから、それが日中関係への影響になっているんですよ。

じゃ、そのときに、外務省は22日、その那覇地検への説明する前に官邸と協議していますよね。なぜ官邸と協議したんですか、外務大臣。

[078]
外務副大臣 松本剛明
省庁間の要請でもありますから、官邸と協議をした上で職員を派遣するかどうかを決定するのが適当だと、このように考えたからでございます。

[079]
自由民主党 佐藤正久
またそういう詭弁を言いますね。省庁間の説明なんか別に官邸に断らなくてもできるじゃないですか。やっているでしょう。じゃ、外務省がほかのところに説明するときに全部官邸に言っているんですか。副大臣、そんなうそはやめてくださいよ。

[080]
外務副大臣 松本剛明
省庁間のことであり、官邸と協議をするのが適当だと判断をいたしましたからそのようにさせていただいたというふうに申し上げたかと思います。

[081]
自由民主党 佐藤正久
なぜ今回の件について官邸と協議するのが適当だと思ったんですか。

[082]
外務副大臣 松本剛明
本件については、今もお話がありましたけれども、法務省を通じてのものでありますけれども、地検からの説明の御要請ということは御指摘のとおりそう例があるわけではありませんから、私が承知をする限り、官邸とも御相談をした上でそのようにさせていただいたというふうに理解をしております。

[083]
自由民主党 佐藤正久
違うんですよ。副大臣、知っていますか。今回、逮捕するとき、7日の日、官邸で何回会議が行われたか知っていますか。官房長官を交えて2回やっているんですよ、逮捕する前に。昼ごろに拘束をして、逮捕したのは夜中ですよ。それまでに、16時に官房長官の部屋で1回、それに外務省、海保も入っています。21時に今度は法務省まで入れてやっているんですよ。逮捕するときにはそれだけみんなで話し合いながら、慎重に事後の影響を考えながらやっているんですよ。何でそこを隠すんですか。

だから、そういうことを丁寧にやってきたんでしょう。地検の方から説明というだけじゃなくて、経過があるから行っているわけでしょう。今回の案件は関係省庁が連携をしながらやっているんでしょう。だから、事前に官邸に行ったんじゃないですか。だれのところに行ったんですか。

[084]
外務副大臣 松本剛明
外務省としては、内閣官房の方に御相談に行ったというふうに理解をしております。

[085]
自由民主党 佐藤正久
これは昨日、質問通告していますよ。何で答えられないんですか。もう一度お願いします。

[086]
外務副大臣 松本剛明
官邸との協議については、外務省から瀧野官房副長官と協議をしたというふうに理解をいたしております。

[087]
自由民主党 佐藤正久
どのような協議をしたんですか。

[088]
外務副大臣 松本剛明
法務省からの御要請にどのようにおこたえをするかということを協議をしたというふうに理解をしております。

[089]
自由民主党 佐藤正久
どのような協議結果ですか。

[090]
外務副大臣 松本剛明
私どもとしては、外務省として、今御指摘のとおり、23日に職員を派遣をしたという結論になったというふうに理解をしております。

[091]
自由民主党 佐藤正久
全然答えていないじゃないですか。中身ですよ。これが検察の判断に物すごく影響しているんですよ。瀧野官房副長官とどのような協議をしたんですか。責任持って説明したんでしょう、外務省は地検の方に。

[092]
外務副大臣 松本剛明
外務省としては、法務省の御要請に対してどうおこたえをするかということを官邸と協議をしたというふうに私は理解をいたしております。

[093]
自由民主党 佐藤正久
だから、そこを隠す必要ないんですよ。日中関係のことを言ったんでしょう。日中関係の関係で国民生活でどういう影響出るかとか、あるいは今後の日中関係にこれは影響出るかということを説明したんでしょう。そのための事前協議でしょう。実際、文言としてはそうなっているんですよ、結果、検察の発表の方で。

それで、23日に外務省の職員が那覇地検の方で説明しています。今回、その説明が23日なんですよ。いいですか。次の日、24日に、24日の朝10時から検察首脳会議が東京で行われているんです。これは間違いありませんね。

[094]
外務副大臣 松本剛明
私の方からお答えをできるのは、繰り返しになりますが、御要請を法務省の方からいただいて、官邸と協議をして、23日に外務省の職員を派遣をさせていただいたと、外務省として派遣をさせていただいたということでございます。

[095]
自由民主党 佐藤正久
法務副大臣、今、23日に説明を聴いて、24日に10時から検察首脳会議をやったと。その結果、結論として、政治的、外交的な理由を挙げて処分保留、釈放という結論に至ったと。その会議の時間は約1時間。間違いありませんね。

[096]
法務副大臣 小川敏夫
10時から検察首脳会議を行ったというのは事実でございます。

なお、先ほどのやり取りの質疑の中で法務省が外務省に要請したとありますが、地検の要請を法務省がつないだということで、要請したのはあくまでも地検でございます。

[097]
自由民主党 佐藤正久
要は、23日に、外務省の方が官邸と22日に協議をして、その協議結果を受けて23日に説明をし、24日に検察首脳会議があって、そこで判断が下ったということなんですよ。

要は、外務省の説明が物すごく大きいんですよ、だれが見ても。その前に官邸とも協議している。これは普通に見れば、しっかりと官邸と外務省が連携をして地検に説明しているんですよ。

その結果を受けて地検が24日に会議を開く。それが物すごくその説明内容が衝撃だったのか、よく分かりません。多分そうだったんでしょう。

説明内容が非常に衝撃だったから、10時に開いて、会議の時間もたった1時間でしょう。1時間でその大きな決断をした。しかも、発表がそれから約3時間後の2時半ですよ。何でこんなに大事な判断を1時間で、しかも発表にそんなに急いだんですか。副大臣、明確に答弁をお願いします。

[098]
法務副大臣 小川敏夫
まず、24日の検察首脳会議で協議して結論が出るわけでございますが、それは、23日に外務省から事情を聴いたそのことを受けて、それだけを受けて協議したということではなくて、逮捕、勾留以来捜査を行ってきたわけでございまして、その間の捜査して得られた様々な事実関係、情報というものを総合して、それに付け加えて外務省からの聴取した事情も踏まえて総合的に24日に協議して得られた結論ということでございまして、23日のその外務省の職員からの事情聴取のみを踏まえて協議したというものではございません。

捜査の総合的な、捜査によって得られた事実関係、それを総合的に協議して出した結論でございます。

[099]
外務副大臣 松本剛明
佐藤先生の前後の事実を踏まえての、何というんでしょうか、御賢察というか御推察というか組立てでいらっしゃるんだろうというふうに思いますが、私どもとしては、正確に申し上げれば、今、小川副大臣がおっしゃったように、法務省を通じての地検からの御要請で外務省として職員を派遣をして説明をいたさせたところだったというふうに承知をいたしております。今回の事件発生以降の日中関係の事実等を説明をしたものというふうに私どもとしては考えておるところでございますので、そのように御理解を賜りたいと思います。

官邸との協議等、官房副長官もお見えでございますけれども、私どもとしてはそのように理解をしておるところでございます。

[100]
自由民主党 佐藤正久
だから、キーパーソンは瀧野官房副長官なんですよ。官房副長官がいないじゃないですか、要請しても。当時は福山副長官はニューヨークに行っている。分かるわけないですよ。

もう答弁求めていないのに手を挙げるのやめてください、後で質問しますから、必要があれば。

だから、瀧野官房副長官がやっぱりここに来てしっかり整斉説明すればいいのに、それを来ないから、あたかも隠しているように見えちゃうんですよ。

だれが考えても、23日に説明を受けて、24日、そんな簡単に集まれますか。しかも、副大臣、何でこんなに急ぐんですか。さっき答弁に、答えていませんけど、何でこんなに急ぐ必要があるんですか。大事な判断を1時間、しかも発表は3時間後ですよ。考えられますか。

[101]
法務副大臣 小川敏夫
この処分を行ったのは那覇地検でございますが、那覇地検が事件を受理してからこの24日までの間、最高検を含めた上級庁と全く協議していないということではなくて、その捜査の過程の中でそうした情報交換、報告、あるいは協議というものは繰り返し行っておるわけでございます。そうした積み重ねの上に立っての協議でございますので、時間が1時間であるから余りに短過ぎるということはないかとも思います。

また、そのときに釈放したという処分でございますが、捜査を継続してまいりまして、そして捜査の必要性がなくなれば、むしろ拘束を継続することがこれは人権侵害で問題になるわけでございますから、捜査が処分の結論を出せる状態になればその時点で釈放して、処理をするというのは、これはむしろ刑事手続の進め方としてごく普通の適正な在り方だというふうに考えております。

[102]
自由民主党 佐藤正久
もうやっぱり不自然なんですよ。非常に急いでいる。

また聞きますけれども、普通、私も元公務員ですよ、自衛官であっても。外務省に出向したこともございます。やはりほかの役所の所掌事務に踏み込む、非常に慎重になりますよ、一般的に。今回は検察が外交的な理由を判断材料の1つにしたんですよ。だから外務省の人間を呼んで聴いたんでしょう。非常にその気持ち分かりますよ。だけど、23日にそれをやって、それも官邸との協議の上でやって、24日会議をやる。じゃ、なぜ会議が終わってから3時間後の2時半に発表しないといけなかったんですか。

[103]
法務副大臣 小川敏夫
まず、23日に外務省の職員から事情を聴いたというのは、それ以前に既に捜査を継続してまいりましたその事実の集積といいますか、捜査で得られたそうした集積があるわけでございます。そうした捜査が進展してかなり煮詰まった段階で、その当時起きている様々な社会的事象を外務省の職員から聴いたと。

ですから、順番とすれば、継続した捜査の中の一番最終的な手続がそこに、手続といいますか事情聴取がそこに来たという流れでございまして、その23日の事情聴取によってそれまでの捜査の進め方ががらりと変わったとか、そのことによって捜査がねじ曲げられたとか、そういうようなことは全くございません。あくまでも捜査の流れの中で、外務省の職員からの事情聴取は最終段階でそれを行ったと。それを踏まえて、捜査が処分できる状態になりましたので24日に協議して結論を出したと、このような流れでございます。

[104]
自由民主党 佐藤正久
なぜ2時半なんですかという質問に答えてないんです。何で答えないんですか。

[105]
法務副大臣 小川敏夫
時間のことは、済みません、逮捕から処分までのことだと思いましたので。

24日の時間のことでございますね。1時間という、その協議時間が短かったということですか。

[106]
自由民主党 佐藤正久
副大臣、しっかり聞いてください。何回も言っていますよ。3回目ですよ、これ。

なぜ処分決定からその発表まで3時間で、こんなに急がないといけないのかということですよ。なぜ2時半に発表なんですか。おかしいんですよ、急ぎ過ぎて。

[107]
法務副大臣 小川敏夫
2時半に発表したのが早過ぎるということですか。

[108]
自由民主党 佐藤正久
なぜ2時半なんですか。

[109]
法務副大臣 小川敏夫
なぜといいましても、検察首脳会議で結論が出たわけでございますから、そうした出た結論を発表したのがその時間になったということでございます。

[110]
自由民主党 佐藤正久
副大臣、悪いけど、全然危機管理能力ないと思いますよ。これは非常に大事なことなんですよ、外交上影響が出るかもしれない、何で3時間。

いいですか。御覧になりました、地検が発表した紙。極めて慌てて作っていますよ。普通、検察の方が作る文章とは思えないですよ。非常に慌てて作っているんですよ。何でこんなに急ぐ必要があるのか。おかしいんですよ。

しかも、総理はどこにいました。ニューヨークですよ。いいですか。これが11時過ぎでしょう、検察首脳会議の終わった時間が。外務省の方に一報をしたのは1時半ですよ、発表する1時間前。

外務大臣、この検察の決定、ニューヨークで、いつ、だれから報告を受けましたか。時間と、報告を受けた人の名前を教えてください。

[111]
外務大臣 前原誠司
時差が13時間ございます。寝ておりまして、秘書官の電話で聞かされました。1時前だったと思います。現地時間で午前1時前だったと思います。

[112]
自由民主党 佐藤正久
福山官房副長官、総理には何時に伝わりましたか。

[113]
内閣官房副長官 福山哲郎
今の前原外務大臣と同様でございまして、ニューヨーク時間の約午前1時前後に秘書官から総理に伝えさせていただきました。

[114]
自由民主党 佐藤正久
現地時間の1時というのは、発表の30分前なんですよ。じゃ、法務省、確認しますよ。地検でもいいです。実際に、外務大臣と総理に本件が伝わったということを確認しましたか。

[115]
法務副大臣 小川敏夫
まず、前提としまして、これはあくまでも検察庁における刑事事件の処分でございますので、総理大臣とかあるいはその他の役所とかあるいは行政の指示を受けるとか指揮を受けるとかいうことではございませんでして、あくまでも地検が担当する刑事事件について地検の判断で行ったということでございます。

ですから、発表が早過ぎるといっても、地検は決定が出たからそれを発表したわけでございまして、その地検の処分について、委員は、あるいは質問の前提として、政府なり何らかの関与があったから地検が処分をしたんではないかということが念頭にあっての質問のようにちょっと感じられたんですが、地検はあくまでもそうした政府の判断とは全く関係なく、独自に地検の判断として行ったわけでございますから、その時点で例えば総理大臣がどこにいたかとか、アメリカにおける時間が何時だとかいうこととは関係しないわけでございます。あくまでも地検が刑事事件の処分として行ったわけでございまして、政府の指示を受けたというものでは全くございません。

[116]
自由民主党 佐藤正久
それなら、全然法務大臣をサポートしてないことになるんですよ。政治的責任を負えるのは法務大臣だけなんです、さっき言ったように。今回の件は、逮捕のときからずっと関係省庁で集まってデリケートにやってきたんですよ。だから、法務省も実際に、今回、外務省とか海保の方に発表の前に説明してるじゃないですか。だから、説明してるんですよ。今回は外交的な影響も大きいかもしれない、場合によっては指揮権の発動もあるかもしれないんですよ。そういう大きな事件だという認識が全くないんですよ。もしもそれが本当であればね。

普通であれば、こういう大きな、大変なことが起きることが予想されると、であれば、当然外務省や官邸の方に報告をし、特に外務大臣、総理大臣が日本にいないんであれば、それが伝わったのを確認してから発表する、当たり前の話じゃないですか。民主党のこの外交的なもうセンスのなさというか危機管理能力のなさというのがここにも表れているような気がするんですよ。

何にも慌てる必要はないじゃないですか。30分遅らせてもいいわけでしょう。3時でもいいんでしょう。このペーパー1つ取っても、副大臣は検事だから分かると思いますよ、本当慌てて書いたという紙が、そう見えませんか。非常におかしいんですよ。慌てて慌てて、早く何かしないといけない。何か変なんですよ。何かの力が働いたとしか思えません。何でこんなに慌てて慌てて慌ててやらないといけないのか。本当おかしいですよ。

これが仮に、仮に外務大臣とか総理大臣が報告を受ける前に発表していたら、これは本当に後々大きな政治的責任を負わないといけない結果になったかもしれない。副大臣は政治家でしょう、そう思いませんか。

そんなに簡単な事案なんですか、これは。ほかの地検が担当しているほかの事件と一緒なんですか。違うでしょう。そういう認識はないんですか、法務省には。

それをサポートするのが政治家の大臣でしょう。違うんですか。

[117]
法務副大臣 小川敏夫
これは、事件を取り扱いました検察庁におきましても大変に重要な事件であるという認識は持って当然のことながら慎重に捜査したものというふうに理解いたしておりますが、ただ、委員が言われるように、法務省あるいは大臣がサポートすべきではないかというようなお話がありました。ちょっとサポートという意味がどういうふうにとらえたらというところがございますが、基本的には捜査、個別の捜査につきまして政治は関与しないというのが本来の姿でございます。ですから、サポートというのが、これは指揮ということであれば、それは個別の事件につきましては指揮しない。あるのは、それは最終的に法務大臣が検事総長に指揮権を発動するという場面がございますが、今回はそのような指揮権は発動しておりません。

それ以外に、法務大臣が検事総長に指揮権を発動するという以外に、法務省が個別の事件につきまして指示する、干渉するというような立場ではございません。あくまでも刑事事件の捜査、これは検察が独自に行うものでございます。

[118]
自由民主党 佐藤正久
何か言っていることが本当ちぐはぐなんです。あるときは官邸に行き、あるときはそれは検察の中の判断ですと。言ってることがもうめちゃくちゃなんですよ。だから、だれが見てもこれはやっぱり連携をしながらやっていると思えて仕方ないんですよ。

だから非常に、新聞報道にも何か菅総理が急いでいるとか、何かいろんな報道出ていますけれども、その真偽のほどは分かりませんが、極めて急いでいる、稚拙な対応としか思えないんですよ。普通、検察のような、あるいは官僚の方であれば、手順をしっかり追ってやるのが当たり前じゃないですか。極めて拙速ですよ、この文章一つ取っても。

それでは、法務省が官邸の方に今回の検察首脳会議の結果を伝えたのは、法務事務次官から瀧野官房副長官、これも瀧野官房副長官なんです、に報告をしたと。じゃ、そのとき、瀧野官房副長官はどういう指示あるいは反応だったんでしょうか。

[119]
政府参考人(法務省刑事局長) 西川克行
時系列で付け加えて説明しますが、委員御案内のとおり、午前11時ごろ検察当局において釈放方針の決定がなされます。当然のことながら、これは法務省の方に伝わりますので、私から法務大臣に午前11時55分ころに伝達をしております。この前後に、当然私から事務次官の方に報告をして、事務次官から午後0時30分ころに瀧野官房副長官の方に連絡をしたということですが、これは連絡をして伝達をしたということだけでございまして、分かりましたという反応であったと聞いております。

[120]
自由民主党 佐藤正久
じゃ、瀧野官房副長官はそれからだれに報告したんですか。

[121]
政府参考人(法務省刑事局長) 西川克行
法務省では当然分かりませんので、内部的にということでございます。

[122]
内閣官房副長官 福山哲郎
当然、瀧野官房副長官は官房長官に報告をしました。

[123]
自由民主党 佐藤正久
じゃ、それはいつ、何時に報告をされ、そして官房長官はどういう指示をされましたか。

[124]
内閣官房副長官 福山哲郎
当然、瀧野官房副長官は報告を受けてすぐに官房長官に連絡をされたというふうに承っております。そして、その後、総理に対しての、先ほど外務大臣や総理への報告もありましたが、そのように伝達をされたというふうに承知をしております。

[125]
自由民主党 佐藤正久
そのときの官房長官は何か報道では了としたと何か言っていましたけれども、全然分からないんですよ。その官房長官とあるいは瀧野副長官、その間のやり取り、これは副長官が来るか官房長官が来ないと分からないんですよ。それが今回の、これから事後の一番大きなポイントの2つがそこになっているんですよ。官房長官はそれを了としたと記者会見で言われています。どういうやり取りがあったんですか。

[126]
内閣官房副長官 福山哲郎
先ほどから委員のお話を承っていて若干私は違和感があるんですが、委員はこういった事案は重要だから政治が事前に何かを言うべきだという立場で発言をされているのか、事前に政治は介入するべきではないという立場で発言されているのか、それぞれに対して委員のまず立場が違うので非常にお答えにくいということです。

それから、当初から官邸と協議をして連携をしてやっていたというようなことを決め付けて発言をされていますが、尖閣で中国漁船と巡視船が衝突をしたと、また巡視船「みずき」と漁船が衝突をした、そして現実の問題として立入検査に入ったと、このことを官邸に海上保安庁が報告をすることが何が不自然なのか私には全く分かりません。

当たり前のように報告をする、その議論をしているときに、今度、委員は、報告をしたのが何時だと、どうだと、それが事前なのか事後なのかと。基本的には、じゃ、委員がおっしゃるのは、事前に何らかの形の報告をして、それに対して、この事案に対しては総理や官房長官が介入をするべきだという前提でお話をされているのかどうか、まずはっきりさせていただきたいと思います。

もちろん、冒頭、この事案が起こった当初、9月7日、委員が言われたとおり、2度我々は報告を官邸で受けました。これは当たり前の話だというふうに思っております。こういった事案が起こって海上保安庁が報告をしなかったら、今度は皆さんは危機管理がなっていないとおっしゃるはずです。当たり前のように報告を受けて、我々としてはその都度報告を受けながら、海上保安庁において我が国の国内法令に基づいて適切に判断されたのが最初の過程だと私は承っております。

[127]
自由民主党 佐藤正久
副長官、当たり前のことを長々と言わないでくださいよ。これは、今回は、前原大臣も言われたように、法に基づいて粛々と毅然とやると、それでいいはずだったんです。当たり前じゃないですか。それを途中で、あたかも、今回の地検の発表にあったように、公務執行妨害でしょう、容疑でしょう、それでずっとやればいいのに、途中で外務省の説明を官邸と協議の上、地検に行い、何か途中から方向が変わってしまったような印象を多くの国民が思っているんですよ。

しかも、検察の発表の文書見ましたか。こんな文章、普通ないですよ。言っていることが上段と中段で違っている。今回の発表、資料の要約ありますけれども、これは漁船が巡視船「みずき」に故意に衝突させたことは証拠上明白だと。公務執行妨害でやればいいだけじゃないですか。それを、なぜか我が国国民への影響とか今後の日中関係とか、今まで事例がないようなことを持ち出してきて検察が勝手にやっているんです。

そういうときに政治は判断できる余地を法律で残しているんです、今回は。そうでしょう。それが検察庁法14条ですよ。場合によっては、検察に対して政治が責任を負う覚悟で介入できるんですよ。そういうシステムになっているんですよ。本当に、検察がもしも公務執行妨害でずっとやればいいのを外交的な配慮で違う判断をした、政治が、これは違うと、やっぱり公務執行妨害というものに基づいて日本の主権や国益を守るために粛々とやればいいんだとなれば、できたんですよ、やろうと思えば。そうでしょう、やろうと思えば。それは政府の判断ですよ。それを、そういう余地がやっぱり必要なんです、今回の案件というのは。単に普通の小さな案件ではなくて、主権や領土や国益が関係した案件なんですよ。だから、場合によっては、それは政府の判断で介入する可能性というのはゼロじゃないんですよ。でしょう。それを今回は、法務省はそういう、法務大臣に事前にも相談せずにやっていると。しかも、外交的な影響、どうなっていますか。どんどん悪くなっているじゃないですか。

前原大臣、今回の責任は結果的に外務省がしりぬぐいしないといけなくなっちゃっているんですよ。現場の外交官やあるいは海上保安官あるいは警戒監視に当たる自衛官、今までよりも態勢を取ってやらないといけないという状況になっているじゃないですか。しかも、中国は損害賠償やあるいは謝罪を求めている。どんどんエスカレーションしているんですよ。これは、検察は結果責任を負えないし、負える立場ではないという答弁をするに決まっているんですよ。

本当に今回の検察の判断、よかったんでしょうか。法務大臣あるいは総理が場合によっては違う判断をできるという余地があった方がよかったかもしれません。それはいろんな、それは総理の判断だと思いますよ、法務大臣の判断だと思います。でも、今回のやり方はそういう余地すらないような形を取っているようにしか見えないんですよ。初めから粛々と公務執行妨害でやると言っていたじゃないですか。それが検察の判断で恐らく前原大臣の意図とは違う方向に行ってしまったと。違いますか、前原大臣。

[128]
外務副大臣 松本剛明
佐藤先生がおっしゃったとおり、国内法にのっとって粛々とやるということは、地検において手続を取られ、必要であれば必要な事情なりを聴取をされ、説明を受けた後に結論を下されるということだというふうに理解をいたしております。そのようなことで私どもとしてもその結果を、そのような結論をお聞きをしたところであります。おっしゃったように、法律上、14条の規定があることは承知をいたしておりますけれども、国内法にのっとって粛々とということはそういうことではないかと私は理解をしております。

また、佐藤先生におかれましては、是非、私も衆議院の役員を先般まで務めておりました。国会の委員会におきまして誠意を持って私ども、すべての同僚もそうだと思いますが、お答えをさせていただいていると思っておりますので、そのように御理解を賜りたいと、このように願います。

[129]
自由民主党 佐藤正久
今、副大臣、問題発言したと思いますよ。

今言われたのは、じゃ、国内法によって粛々と解放したということですか。今回の手続は国内法に基づいて粛々とやって、その結果が釈放だと言われたじゃないですか。それは前原大臣が言われていた元々の国内法に基づいて粛々というのとは違うと思いますよ。そんなばかにしたような話はないと思います。

私は別に皆さんを愚弄する、そんなつもりないですよ。まじめに今回のことを、手続がどうだったのかと。今回、検察が自分ののりを越えて、のりを越えてですよ、外交的な理由、政治的な理由というのを持ち出して判断した。これは自後のいろんな裁判や判例に大きな影響を及ぼすかもしれないんですよ。しかも、今回の事件というのは領土問題とか主権にかかわるような事項でしょう。その辺の認識が全然弱いと思いますよ。

なぜ中国は船長を解放したのにどんどん要求を高めてくるかという部分、どう考えているんですか。

[130]
内閣官房副長官 福山哲郎
先ほどから委員のお話を承ると、御自身の御判断は御自身の御判断で私は結構だと思いますが、事実はやはりしっかりと表明をしていただかなければいけないと思います。

前原大臣も、さらには法務副大臣も言われているように、粛々と事件を法務省は判断をしたと。

法務省の判断に対して、委員は、非常にこれが稚拙だとか、あっ、検察の判断について、急いでいるとかと言われていますが、現実の問題で公務執行妨害に対する地検の判断はこの文章の中にもあります。トロール漁船の一船長で、本件は、海上保安庁の巡視船「みずき」の追跡を免れるためとっさに取った行為と認められ、計画性等は認められず、かつ被疑者には我が国における前科等もないなどの事情も認められますということが、公務執行妨害の案件についての判断はしっかりとされています。

これは、先ほど副大臣が言われるように、引き続きの捜査の結果出てきた判断をした上で、加えて、引き続き被疑者の身柄を勾留したまま捜査を継続した場合の我が国云々という文章につながるわけでして、御自身の判断は御自由でございますが、一定の判断があることを詐称してこの場で議論されることは、私はいささか国民を間違った方向に誘導すると思います。

[131]
自由民主党 佐藤正久
何ですか、その詐称という言葉は。どういう意味ですか、詐称って。私は言ったじゃない、公務執行妨害についてはそれは当たり前だと言っているじゃないですか。何言っているんですか、詐称と。何ですか、それは。(発言する者あり)

[132]
外務副大臣 松本剛明
委員長の御指名をいただきましたので発言をさせていただきたいと思いますが……(発言する者あり)

[133]
委員長 田中直紀
ちょっと、ちょっと発言中、発言中ですから。

[134]
外務副大臣 松本剛明
まず、先ほどの佐藤先生のお話でございますが、外務省として当初の結論と違うことで処分保留になったのではないかと、このようなお話でありましたが、私どもとしては、国内法に基づいて逮捕をし、国内法に基づいて勾留をし、国内法に基づいて捜査をしということで、その当初の段階で捜査の結果の結論を持って臨んでいたというふうには理解をいたしておりません。

したがいまして、捜査が行われ、繰り返しになりますので申し上げませんが、検察として御判断を下されたというふうに理解をいたしておるということでございまして、当初の結論と違ったのではないかという御指摘は外務省として当たらないものと思っておりますので。

[135]
内閣官房副長官 福山哲郎
詐称という言葉が不適切だったことは、謝って訂正をさせていただきます。撤回をいたします。

[136]
自由民主党 佐藤正久
福山副長官、ここは委員会の場ですよ。何でそんなこと言うんですか。さっきから公務執行妨害はこれ認めていると言っているじゃないですか、にもかかわらず。公務執行妨害でやればいいんですよ、そう理由があれば。ただし、今回その検察の判断の理由に政治的な配慮とか外交的な配慮を入れた、これはおかしいと言っているんです。そんなことをやってしまったら検察は何でもできちゃうんですよ。本当にそれでいいのかということを言っているんです。

それについて、場合によっては、今回の案件は政治的な判断あるいは責任というものも考えないといけない分野じゃないかということも普通の国民は思っているんですよ。結果的に船長は帰る。事件と関係があるかどうかは分かりませんけれども、結果として日本人4人がまだ向こうに拘束されたままなんですよ。いろんな私は政治判断というのがやっぱり外交ではあると思いますよ。

今回、外務省としては私は非常に頭にきていると思いますよ。結果として検察がこういう判断をした、その責任は全部外務省が負わないといけない、現場の海上保安庁が負わないといけない、また自衛隊が負わないといけない。

さらに、一般国民は、見てください、さっき配付した資料。向こうの船長がVサインをした。行くときもVサイン、中国に戻ってからも両手でVサインですよ。これを見てどれだけ多くの国民が失望したか。

外務大臣、率直にお答えください。これからこの状況をどうやって解決していこうとお考えですか。

[137]
外務大臣 前原誠司
先ほどから委員のお話を伺っておりまして、私なりに整理をいたしますと、公務執行妨害で逮捕されたと、この手続は全く司法なわけですよね。しかし、その手続の中で、例えば勾留延長してから特に中国の対応が非常に厳しくなってきたと、そして様々な問題が出てきたと、そういう状況はそれは外交問題ですよ。ただ、この船長の事案については、これは公務執行妨害ですから日本の司法手続にのっとってしっかりやっていくと。しかし、それについて何か起こってくる問題については、それは外交問題であれば外務省がしっかりと対応していかなくてはいけないと、こういうことだと思います。

その中で、今後どうしていくのかということでありますが、まず我々は前提をしっかり押さえなきゃいけないと。つまりは、東シナ海における領土問題はないと。尖閣諸島というのは我々の固有の領土である、そして同様の事案が起これば、当然ながら国内法にのっとってしっかりとまた対応していくと、これは絶対崩しちゃいかぬことなんです、これについては。だから、これは我々として、これは政府全体としてやっていかなくてはならないわけです。

しかし、様々な起きている問題というのは、じゃ、どういうふうに解決をするのかということについては、それは様々な努力をしていかなきゃいけないと思います。だからこそ、先ほども斎藤委員に答弁をさせていただきましたけれども、4人の邦人の案件については北京の大使館を通じて、そしてまた、私も昨日、程永華大使を外務省に呼んで、そして身柄の安全確保、そして領事の毎日1回の面会、そしてこの円満かつ速やかな解決という、そして何でそもそもその居住監視みたいなものになっているんだということの説明を求めたわけですね。

そういうことの中で、原則は、外交ですからそれはいろんなことをやらなきゃいけない面もありますけれども、原則は絶対に曲げちゃいかぬと。そして、その事象については、それはいろいろ関連があるのではないかというふうな報道もありますけれども、我々としては、起きていることについてまずはしっかりと対応していくということが大事なことだというふうに思っております。

[138]
自由民主党 佐藤正久
その今言われた対応がどんどんエスカレーションしているんですよ、結果として、結果として。釈放した後の方が外交的な対応のレベルが上がっているんですよ、事実として。

法務副大臣、今回、だからその説明した判断の理由の1つとして、我が国国民への影響あるいは今後の日中関係、そういうものを判断をして釈放したんですよ。その結果が外交的な対応のレベルを上げているんですよ。全然、その対応した結果が、今後の日中関係を考慮したにもかかわらずうまく結果が出ていない。

今後の日中関係、これはどういう意味ですか。どういう意味で副大臣、こういう発表をしたんですか。

[139]
法務副大臣 小川敏夫
まず、佐藤委員のこれまでの質問で少し総合的に述べさせていただきますと、地検の方は、この事件を受理しましてから、まさに粛々と捜査を遂げたわけでございます。

佐藤委員の質問を聞いておりますと、何か粛々と捜査するということは、何か厳罰することを目的にして捜査をするというふうにとらえているんではないかとちょっと感じられるんでありますが、決して粛々という意味は厳罰するということではなくて、やはり事案をきちんと適正に調べて、そして適正に判断を、結論を出す、適正な処分を行うということを言っておるわけでございまして、決して粛々と捜査を遂げたということと今回の処分保留で釈放ということが矛盾するとか方針が違ったということではございません。あくまでも粛々とした捜査を遂げた結果、処分保留で釈放という結論に至ったということでございます。

また、今回のこの処分保留で、那覇地検の方で処分保留として釈放した理由につきまして何点か理由を述べておるわけでございますが、まずその前提として、まず公務執行妨害が認められるということは明白に認めておるわけでございます。

佐藤委員は、公務執行妨害が認められるんだから当然起訴すべきではないかと、起訴しなければならないという前提に立ったような質問の御趣旨に受け止められるんですが、事実が認められるということでございましても、検察官は刑事訴訟法248条を踏まえまして、事案によりまして起訴しないということもできる、まさに起訴便宜主義ということが刑事訴訟法の規定によって認められておるわけでございます。そして、そういう言わば起訴便宜主義のその検察官の1つの判断の材料の中で、偶発的な犯行であるとか前科がないとか、そのような事情も1つの処分に至った判断事由として述べておる。さらに、その中の1つとして日中関係というようなことがまさに処分理由の1つとして掲げられておるわけでございまして、その1つだけを全部というように何かとらえられたような質問の趣旨であるようにちょっと聞こえるようにも思いますが、まさに捜査を遂げて、様々な捜査上明らかになった事情を総合的に勘案して処分を行ったということでございます。

また、日中関係という点はどういうことかとございましたが、日中関係を踏まえた社会的な事象というものも検察官の判断の資料の一つとしたという趣旨でございます。

[140]
自由民主党 佐藤正久
やっぱりどう考えても、今の説明を聞いても、検察ののりを越えているんですよ。

じゃ、副大臣、今後の日中関係、これを判断理由の1つにしています。今起きている事象、これは予想した範囲ですか、今後の日中関係。

地検の話聞いているんですよ、副大臣関係ないんです。地検が言っている今後の日中関係、書いている部分、これは、今起きている事象、これは予測の範囲ですか。

[141]
法務副大臣 小川敏夫
例えば、一般論として、検察の判断をするときに、例えば起訴する、あるいは不起訴とした場合にそれが社会にどういう影響を与えるのか、そして、今後社会がそれによってどのような影響を受けるのかということも、これは、判断すること、判断する材料の1つとすることはこれは当然認められるわけでございます。そうした社会の事象の中で今後それがどういうふうに展開していくかということは、当然これをしてはいけないということではございません。その社会の事象の中の1つとして日中関係もあった、含めたということでございます。

[142]
外務副大臣 松本剛明
今、そういう事態の認識というお話でありました。

勾留が延長されたということで中国側の態度が変わったという認識を持たれる方がいらっしゃるということも私ども承知をしております。釈放の結果エスカレーションをしたんではないかという御認識を持っておられる方がおいでになっておるということも承知をしておるわけでありますけれども、外交、外務省の立場としては相手国を特定せず一般論で申し上げるということでお許しをいただきたいと思いますが、様々な事象の中で、文化等が違う中でいろんな反応が起こってくる、これに対して私どもは、日本国の外務省としてしかるべき対処をすべきものだというふうに思っております。

外務省は怒っているだろうと、大変ねぎらっていただいた、御心配をいただいたかというふうに思いますが、怒らずに冷静に対応しろというお言葉でもあろうと思って、激励と思って受け止めさせていただきたいと思います。

[143]
自由民主党 佐藤正久
繰り返しますけれども、やっぱり今回の検察の判断はどう考えても検察ののりを越えている。248条ではこれは絶対読めませんよ。今後の日中関係、今起きている事項を検察の方が予想してこういう文言を書いたというふうには到底思えません。

この件については引き続き当委員会でも追及していくということを最後に述べさせていただきまして、私の質問を終わります。

ありがとうございました。

[144]
自由民主党 岸信夫
まだお名前を覚えていただいていないのにショックを受けていますけれども、引き続き中国漁船の問題について、佐藤委員に引き続きまして御質問させていただきたいと思います。

今回の事件は、まさに我が国の主権が侵された大変重大な事件だと思っております。先ほど前原大臣もおっしゃっていましたように、この尖閣はまさに我が国固有の領土であると、疑う余地もない、こういう立場であります。

その上で、今回の事件が起こって、要は、領海内で漁船が違法操業をしていた、それで、さらにその船が海保の船にぶつかってきた、公務執行妨害、当たり前のことですね、その当たり前の犯罪に対して当たり前に逮捕をして勾留をしたと、こういうことだと思います。ですから、粛々と法と証拠に従って判断をしていく、それはまさに正しいんだと思うんですけれども、当然ながら、相手は中国の漁船である。ということは、これがあくまでも国内法で処理されるべき問題であるといいながらも、一方では間違いなく中国との間で外交問題に発展していくだろうと、何らかのことが起こってくるだろうということは、当然ながら最初の段階から予想されていたことですね。当然そういうことだと、私は、前原大臣のことですから、当時はまだ国交大臣だったんだと思いますけれども、そういう了解でおられたんだと思っております。

そして、まさに今その状況が起こってしまっている、中国との間でいろいろな様々な問題が起こってきているわけであります。しかも、この問題は、さっきも大臣おっしゃられたように、人命が脅かされかねないような悪質な事件であったわけです。だからこそ、何で釈放がされてしまったのか、この点についてみんなが疑問を持っているわけですね。そこの部分が果たして法と証拠に基づいて粛々となされた判断なのかどうか、このことが今議論されているわけです。

高度な政治判断が必要だった、そういうことであれば、それはそれで1つの判断です。その場合は政治家が責任を取るべきなんです。ところが、このことは沖縄の地検にすべてが任されておるわけですね。地検が行ったことである。そこで、このような政治的な判断、状況を判断したということがその釈放の理由に挙がっていることがおかしいんじゃないか、こういうことを議論をしてまいったわけでございます。

今、国内の法的なプロセスについては、いろいろ佐藤議員からもお話がございました。一方では、やはりこの事件が起こってから我が国の国益が失われてしまっている、このことがやはり国際社会の中での日本の立場を弱めておるわけですし、一方では大問題になっているんだと思っております。

こういうことが起こったからには、当然ながら、そういうことを予想して先に手を打っていくことが当然必要だったんだというふうに思っておるわけですけれども、実際、中国漁船のこの地域での違法操業の状況について、どれぐらいの漁船が今やられてきたのか、その辺のことは海保、ちょっと答弁いただきたいと思います。

[145]
政府参考人(海上保安庁長官) 鈴木久泰
尖閣諸島周辺海域での違法操業の状況につきましてお答えさせていただきます。

本年8月中旬以降、尖閣諸島周辺の我が国領海付近の海域で多数の中国漁船が操業しておりまして、そのうちの一部が領海内に侵入している事実も確認されておりました。このため、当庁としては、巡視船を派遣して退去警告等の措置を適切に実施したところでありますが、その中で今回のトロール漁船の衝突事案が発生したものでございます。

なお、本日朝現在、尖閣諸島周辺の領海内において操業している外国漁船は認められておりません。これは、23日以降、本日朝まで認められておらないということであります。