中核自衛隊 球根栽培法 栄養分析表 ~ 嘘と暴力の日本共産党史 4/4

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昭和27年06月17日 衆議院 行政監察特別委員会
[017]
委員長 内藤隆
一部大学におきまして、日共の細胞があつても大したことはないとか、きわめて楽観的な考えを持つておる者があるようであります。現に先般、愛知大学の学長本間喜一君の証言、あるいは東大の矢内原学長等の証言においても、甘く見ておるような感じがしてならないのでありますが、証人は、日本共産党の現状に照しまして、これでよいとお思いでありますか。いかがでありましようか。

[018]
証人(文部大臣) 天野貞祐
私は、先ほども申しましたことでございますが、これは非常に心配なことだと思つております。私はこれはとうてい甘く考えてはいけない、どうかして今のうちに対策を考えて行かなければならないと思いまして、絶えずそういうことに苦慮いたしております。

[019]
委員長 内藤隆
御参考までに申しますが、愛知大学の本間学長のごときは、当委員会におきましての証言中に、球根栽培法とか、あるいは中核自衛隊とか、そういつたものは全然私は知らぬ、もしさようなものがあつて、それが指導の方針であるならば、これはたいへん危険なものであると思うが、さようなものも文部当局からも指示してくれない、また国会の方面においてもさようなことをしてもらえないので、私は全然知りませんという証言をしている。

文部省としては、各大学に参考資料としてでも、こういうふうなものがあるということを通知したことがありますか。

[020]
証人(文部大臣) 天野貞祐
文部省としては、各大学のことは学長が責任を持つてやつておられることと考えております。

こちらで特別なことがわかつたときには、それをお知らせしますけれども、各大学のことをこちらで探し出して、一々学校に注意を促すというようなことはいたしておりません。

[021]
委員長 内藤隆
今委員長の申し上げたのは、球根栽培法なんというのは、これは天下周知のいわゆる共産党の特殊の戦術、戦略、武器の製造等を書いてある。

そういうものも、学校の責任者である学長が知らないという。そうして、もしさようなものがあるならば、なぜわれわれに知らさないのかと逆襲しておるような形なんです。

今大臣の御答弁を聞いておりますと、学校の自治にまかしてあるから、こうおつしやいますが、しかしながら、その学長がさようなことに興味を持たず、もしくは興味があつても、ことさらに学生をかばう立場から、さようなものがないと言つておるならば、これは重大な問題だと私は思いますが、その点いかがですか。

[022]
証人(文部大臣) 天野貞祐
愛知大学は私立大学でございまして、私どもは直接には監督をしておらないわけでございます。ただ国立大学の学長たちは絶えず会合をいたしまして、そうしてお互いにそういうことを相談し合つておられます。けれども、東京都におきましては、私は私立大学をも合せた会合をこれからたびたびやりたいと思つております。



[117]
自由党(自由民主党) 鍛冶良作
次に承りたいのは、過日愛知大学の学長が見えて、共産党というものは合法的に認められたる政党であるから、これに対して入ることを禁止したり、また共産党の思想をとやかく言うわけに行かぬ、こういう御議論でありました。この点まではわれわれも賛成でありまするが、現に日本共産党は昨年来「球根栽培法」その他の、いわゆる「アカハタ」後継紙といわれるものをもつて暴力革命の実行を使嗾し、しこうしてこれが実行の方法を教授しております。その一番大きなものは、中核自衛隊を結成し、これに武器を持たせることを教えて、そうして暴力革命の尖鋭隊になることをやつておることは、文部大臣も御承知だろうと思うのでありますが、御承知であるかどうか。もし御承知であるとすれば、かような実行行為に学生が移るということは許すべきことであるか。学校当局はこれを放任していいかどうか。文部当局として黙つておいていいものだとお考えになりますか、この点をひとつ……。

[118]
証人(文部大臣) 天野貞祐
私は非常に申訳ないのですが、その名前を聞いたことはあるのですが、それがどういう手続でどういうふうにやられるかということは研究したこともございません。ただ今学生がそういうふうに指導されて行くことに対しては、これは断然あつてはならないことと思います。

[119]
自由党(自由民主党) 鍛冶良作
文部大臣として御承知ないとすれば、これを責めるわけには行かぬかもしれませんが、近ごろの青年指導の任に当られる、また学生指導の任に当られる文部当局としては、私ははなはだ遺憾だと思います。今日あなたはそれを知らぬとおつしやるが、新聞にも載つておりまするし、それから法務委員会などで現物が出ておつたと思いまするが、御承知ないならばひとつさつそく調べてよく御認識願うように……。

そこで、私の今申し上げますることは間違いないのでありまするが、かようなことを学生に実行せしめるということになつたら、それは合法政党のやることであるからやむを得ないといつて放任せられまするか。それともこれは危険であるから何とかせねばならぬ、かようにお思いになりますかどうですか。

[120]
証人(文部大臣) 天野貞祐
それは当然危険なこととして、そういうことがあつてはならないと思います。ですから私はただいま鍛冶さんには相済みませんがと言つたのですが、球根というのは名前は聞いておりますけれども、それがどういうようにしてどうだということを私はつまびらかにしておりません。

[121]
自由党(自由民主党) 鍛冶良作
大臣自身は知らなくても、指導の任に当る者は知つておると思う。知つておつたらかような重大なことは大臣に御進言申し上げなければならない。私はあなたを責めるよりか、その任に当る局の者に遺憾の意を表します。

そこでこの間からだんだん調べて、まだ確定ではありませんが、愛知大学の中でいわゆる中核自衛隊が出ておるという証拠があがつておるのであります。

かようなことがあるにもかかわらず、愛知大学の学長は、合法政党でありまするから政党に入ることはできる、また政党の活動に対しては私は考えておりません、かようなことを言つておる。これが危険と思わぬか、こう言つたら、さようなことなら危険でございます、けれども、私にそういうものを教えた者もありませんし、文部当局からも何らの指導もありませんから、私はその点に対して一つも関心を持つておりません、かような証言をせられたのであります。

これはわれわれとして非常に重大なことでありますので、あなた方としてもこれらのことを指導せられるにあらざれば、いくら学生に、今の警察は特高じやないのだ、今破防法がかりに出るとしても治安維持法と違うのだと言うても、それは治安維持法と同じだ、同じどころか、もつと悪いものだ、こういうことを使嗾して、これはぶちこわさなければならぬ、それにはお前ら青年の力でなければならぬ、中核自衛隊となつて暴力をもつてやれ、武器を持つてやれかようなことを教えておつたのでは、これはどれだけたつても警察との衝突は免れません。ただに警察との衝突だけでありません。国家の前途に対してまことに暗澹たるものを予想できるのでありますが、この点に対して文部大臣の確固たる御確信をお聞きしたいと思うのであります。

[122]
証人(文部大臣) 天野貞祐
そういうことは事務当局はよく知つていると思いますが、一々私にそういうことを事務当局が話すことがなかなか――私は国会が始まるとしよつ中国会に来て、おりませんので、おちついて相談も何もできません。だから事務当局では知つているでしようが、事務当局が私に話さないということを、事務当局の手落ちというようには誤解なさらないように、彼らは彼らとしての職場を守つているのだと私は信じております。局長以下みなそういうことは心得てやつていることと思います。

ただ、今のようなことは非常に重大なことなので、私は鍛冶さんのおつしやつたことに同感です。警察と学生の問題というのは、それ自体は何も大した問題じやない。そうじやなくして、そういう破壊的な一つの思想にかぶれてしまう、そこに焦点があつて、これを一体どうしたらいいか。以前のように理論闘争なら理論をもつてやるべきですが、今はまつたく実践的になつている。といつてこれを警察力で一気にやつてしまうわけに行かぬ。

そこに私どもが非常に悩んでいるところがあるので、今日ここで御質問を受けるほかにも、あるいはこういう方法があるではないかということがあつたら、私どもに教えていただきたいと思います。私どもは全力をあげてやろうと思つているわけであります。





昭和27年06月17日 参議院 法務委員会
[064]
説明員(東京地方検察庁検事正) 馬場義續
次に扇動という規定がなかつた場合に取締上どういう不便があるかというお尋ねでございますが、最近のメーデー騒擾事件その他の類似の事件の取調を通じて見ますと、又私どもから見ますなら全く年端も行かない16歳くらいの少年までが、殆んど狂信的に共産主義運動に唆されると申しますか、狂信的な態度を以てああいう行動に移つておるのでございます。実障私どもの手にかかつて来る者は、そういう背後にあつて操る人たちではなくて、操られた人たちであるというふうに考えられるのであります。而もその操られておる人たちは白い生地に色を塗るようなことでございますから、殆んど無条件にこれを受入れてそれを直ちに行動に移すというのが今日多く見られる例でございます。取調の実際に当つて見ましても、例えば私どもは成るべく母親とか家族の人なんかの面会はできるだけ便宜を図ることにしておりますが、母親が来ても会わない、若し母親が自分の運動をとめるならば、母親も人民の敵であるというようなことを平然と言うところまで狂信的になつておる例があるのでございます。かようなことを見ますにつけましても、特に今日問題になつておる青少年に対しましては、無責任な宣伝、扇動の行為からこれを守るということが私どもの任務ではないかと、かように考えておるのであります。

そこで1、2の例を申上げますと、これもすでにきつと政府委員から御説明があつたと思いますが、急のお呼出しで材料を整える暇がなかつたのでありますが、例えば「中核自衛隊の組織と戦術」という球根栽培法の26号の文書でございますが、その中の一部は「中核自衛隊は武装した組織である。従つてこれを組織すると同時に、あらゆる努力を払つて武器を持ち、これを運用する技術を修得しなければならない。武装と武装行動に必要な軍事教育、軍事訓練は、中核自衛隊にとつて欠くことのできないものである。中核自衛隊の武器の主要な補給源は敵である。中核自衛隊はアメリカ占領軍を初め敵の武装機関から武器を奪い取るべきである。このことは可能である。すでに労働者がいろいろな形で敵の武器を持出しており、大衆斗争の中でもこれを意識的に計画すれば必ず取れることが明らかとなつておる。又札付の警察官等を襲い武器を奪うこともできる。我々はこれを行わなければならない。」云々というようなこと、これに類似のことを記載した文書があるのでございます。

これを見ましてすぐ私どもが思い起しますのは、例えば蒲田の事件でありますとか、矢口交番の事件でありますとか、或いは最近の岩之坂上襲撃事件というようなものを考えてみますると、やはりこれらの文書と因果関係があるというふうに考えられるのでございます。そこで成るべく言論の自由を守らなければならないことは、私どもも十分承知いたしておるのでありますが、こういうものを放置しておきますと、結局青少年或いは思慮未熟な自由労働者等が、無条件に無批判にこれを受入れて直接行動に出るという虞れが多分にあるのではないか、多分にあると私は信じておるのであります。さような意味合いから、決して望ましいことではありませんけれども、今日の案に出ておる程度の扇動等の取締規定は止むを得ざる措置ではなかろうかと、かように考えておるのであります。

[065]
無所属 宮城タマヨ
今馬場さんのお話から思い出しましたが、この間私が伺いました政府に対する質疑で、まだ御答弁がなかつたことで、この間のメーデー事件のときに16歳くらいの子供が11人、その当時は11人くらいでございましたが逆送されておりますが、今どのくらいになつておりますか。家庭裁判所につながりました子供がざつと70人くらいおりますはずでございます、メーデーの事件で。

この家庭裁判所と申しました意来はおわかりになりましようけれども、少年法で保護さるべき少年が70人近く家庭裁判所に参りまして、それが2週間ぐらい前の話で11、2人逆送されておるわけであつたのでございます。そのほかにございますか、又その子供たちはどういたしましたでしようか。

[066]
説明員(東京地方検察庁検事正) 馬場義續
今数字を持つて参りませんでしたので、私の記憶で申上げますと、多少の違いがあるかも知れませんが、16歳の少年を家庭裁判所から逆送して参つたのは、私の記憶では3人か4人でございます。それから18歳以上20歳までの少年はもう少し多いと思いますけれども、70人とか80人という数では断じてないと思います。と申しますのは、今までの起訴数は今のメーデー事件では180人であります。そのうち少年が80人にも上つておるはずはないと私は記憶いたしております。恐らく20人前後では……、今ここに表がありますが、16歳未満3人、6月16日現在で16歳未満が3人、19歳未満が13人、こういう数字でございます。

[067]
無所属 宮城タマヨ
それは逆送されて起訴された子供でございますね。私が家庭裁判所に参りました70人と申しましたのは、それは勿論その中から10何人かが起訴されて、家庭裁判所に送られておる子供はとにかくメーデー事件で70人近くあつたのでございます。それは私はちやんと調査してございます。

[068]
説明員(東京地方検察庁検事正) 馬場義續
送置したのは恐らくお話のように数あると思いますが、逆送されたものは法律上大体検事は起訴強制を受けておりますから、殆んど全部起訴しております。その起訴数が13人、かように考えております。





昭和27年06月30日 衆議院 本会議
[032]
自由党(自由民主党) 内藤隆
本委員会は、早急にメーデー騒擾事件の真相の調査に従い、これを中心議題とするほか、蒲田事件、長野事件その他もあわせて監察を行う委員会を開催しましたが、その結果は

1、前記各種事件は、いずれも日本共産党の新綱領と軍事方針に基くいわゆる軍事活動の一環として計画されたものであること。

2、日本共産党は、最近の国際情勢の変化に対応し、民族解放、民主統一戦線を当面のスローガンに掲げ、平和運動の名のもとに反米抗争を展開し、特に学生、婦人層に働きかけつつあること。

3、労働者、農民、特に自由労務者の経済的要求あるいは日常生活の不平不満を取上げて、たえずいわゆる大衆の自衛抵抗闘争の展開を広汎に企図していること。

4、右自衛抵抗闘争を強力ならしめるために、職場、学校、部落等にいわゆる中核自衛隊を結成し、さらにこれを人民軍パルチザンに発展せしめるため、府県、地区等に軍事委員会を組織しつつあること。

5、警察官、駐留軍の武器奪取を指令するとともに、栄養分析表等の秘密出版物により、広汎にわたつて催涙ガス、火炎弾等の製造法、使用法が指示され、すでに相当量が準備使用されていること。

6、陽動作戦並びに遊撃作戦の訓練が施され、かつその技術が巧妙になりつつあること。

7、民主的労働組合、団体等を内部から切りくずし、その指導権を握ろうとし、また集会、行進等の機会を利用して暴動化をはからんとしていること。

等でありますが、特に最近の事実として注目されるものは、北鮮系在日朝鮮人との間に日鮮共同闘争の態勢が確立し、在日朝鮮人が日本共産党の最も有力な尖兵となりつつあり、幾多の恐怖戦慄すべき事態を引起したことであります。(拍手)

すなわち、北鮮系在日朝鮮人の間に祖国防衛隊並びに祖国防衛委員会組織が急速に伸びつつあること、在日朝鮮人に対し、強制送還を歪曲して宣伝、煽動することによつて、北鮮系朝鮮人勢力の拡大と日共勢力の浸透を企図していること等の事実が指摘され、在日朝鮮人の問題は、新生日本の治安の警備の上の重大な問題として、その対策を講ずることが焦眉の急務であると痛感されたのであります。

以上のような事態に対しまして、治安担当の各機関の状況はどうかと申しますと、第1に、治安機関は一般に自己の権力を過信しやすく、日本共産党の非合法活動を過小に評価して楽観的観察をなす傾向があります。第2に、日共、中共その他の文献に現われた戦略戦術等の研究が不十分なため、ややともすると彼等の遊撃作戦、陽動作戦に乗せられる弱点を示したのであります。第3に、冶安当局の機動力の充実その他装備の点に一段の改善の余地があることが認められたのであります。





昭和28年03月05日 衆議院 地方行政委員会
[016]
政府委員(国家地方警察本部長官) 斎藤昇
それでは私からできるだけ詳細に申し上げたいと存じます。またそれにつきまして御質問等に応じましてお答えを申し上げたいと存じます。中には公開の席でははばかるというものがございますから、そういうものだけは別の機会に申し上げることにいたしたいと思います。あるいは横路さんは、そんなことは知つていることばかりだとおつしやいますかもしれませんが、一応前提としてお話申し上げます。

御承知のように、昨年の下半期の白鳥事件からメーデーあるいは吹田事件からこれまでの間に、全国的に起りましたあの火焔びん的街頭の集団暴力行為の様相は、これは一々申し上げるまでもございませんが、あの事態は共産党の第五回全国協議会で採択されました新方針にのつとつたものであることは申し上げるまでもありません。

この方針は、一言で申しまするならば今までの共産党の観念的な行動を清算して、共産党の最終目的は、武力闘争によつて政権を奪取しなければならないという、この実践に移るという宣言をしたわけであります。それに基きまして軍事方針を打ち出す、軍事組織、軍事活動というものに全面的な力を入れて参つたのであります。

その結果が、ただいまも申しまするように、昨年の下半期の様相を示したのであります。しかしこれらの行動に国民の政治的なバツクというものと必ずしも一致をしていなかつた、国民から遊離をしておつた。これではかえつてマイナスをとるものであるから、むしろこういつた革命的な気分に国民を持つて行く。その方の組織と運動を一層強化をいたすとともに、それによつて、できて参りました機運を、さらに彼らの軍事組織の強化、軍事行動の実践によつて目的を達成するというように変更になつたのは、昨年7月のいわゆる徳田論文以降の様相でございます。

御承知のように、昨年の10月東京都内で開催されました第22回の中央委員会の総会におきまして、われわれは4つの論文を採択していると考えるのであります。

その1は、軍国主義復活に反対し、吉田政府打倒に全国民の統一を強化せよという論文。これは結局反米闘争の強化の論述であります。

いま1つは、総選挙闘争を終つて、その教訓に学び、何ゆえに総選挙において共産党は敗北を喫したか、これを再検討し、次の参議院議員の選挙に備えることはもちろん、これを教訓として今後の共産党の合法活動をいかに強化するかという点を中心に論述をいたしておるのであります。

第3は、武装闘争の思想と行動の統一についてという論文でございますが、武装闘争というものにつきましては、先ほど申しますように、国民の政治的意欲、そしてこの武装闘争をやることにおいて、どういう結果を招来するか、単に武装闘争だけではいけない、政治と結びついた武装闘争を強化しなければならないということを詳細に論述をいたしております。この武装闘争の思想と行動の統一という点は、われわれ直接治安面といたしましては、特に関心を払わざるを得ない問題であります。

4番目は、党内教育の方針というのであります。党内教育を強化し、真に共産主義に身を投ずる真剣なる党員の養成ということを、ここで非常に強化をいたす、その方法等を詳細に教えておるのであります。これによつて党は当面の情勢と、その中にある革命的素因を分析し、また先ほど申しました新綱領の武力革命方針を効果的に発展させる実践方法をさし示し、また先ほども申しますように、党内教育の方針によつて、党の質的向上の必要を強調し、その方法等を教えておるのであります。

これらの決定事項は、ただわれわれ一片の情報によつて判断をしておるのではありませんので、党内の機関紙の「平和と独立のために」の号外、その他党発行の文書の中に、公然と書かれて頒布をされておるのであります。現在日本共産党は、この決定事項に基いていろいろな実践をやつておるのであります。その後最近までにおきましては、この第22回中央委員会の決定事項の党全体の討議が、末端細胞を含めて、ほほ終了したように認められるのであります。某方面におきましては、別に旧臘きめられました全国選挙対策会議の決定を中心といたしまして、各地方委員及び県委員の選挙対策会議が一応終了いたしました。

さらに組織的には、彼らの基本組織指導部、それから大衆団体指導部との二本建を建前とする新機構が、各府県ビューローにおきましても確立されまして、大衆団体の内面指導による統一行動組織化の態勢がほぼなつたと認められるのであります。一方党員の個々の能力を高めるための党内教育は、引続き強力に実施されております。特に各重要工業地帯におきまする経営工作学校、農山村における農民工作学校、その他基地工作学校、軍事工作学校、文化工作学校等を諸所に設けまして、彼らの実践と理論の相関的な効果をねらつた教育活動が、漸次各地において活発化いたして参つております。他方前月に引続きまして、自由労組のグループ指導、全医労グループ指導、私鉄グループ指導、教育、各大学学生自治会グループ指導、日農のグループ指導等が、こもごも中央グループ会議を開きまして、大衆団体の指導面の準備が、さらに強化をいたしているような次第でございます。

そこで日本共産党の軍事組織は、御承知のように軍事委員会によつて統轄をされておるのでありますが、その組織の行動的部面を受持ちまするいわゆる中核自衛隊は、現在われわれのところにわかつておりますのは約600隊でありまして、隊員数が5500名でございます。われわれのわかつている資料によるものはさようであります。

またこの中核自衛隊のほかに、遊撃隊組織というものを昨年から組織するようになつて参りました。われわれ当初は、この遊撃隊組織というのは、彼らの文書、レポ等の中に現われておつたのでありますが、これの実体をつかみ得なかつたのであります。しかし御承知の昨年8月埼玉県に発生しました横川事件を取調べて参りますと、これには西部遊撃隊及び武蔵野第一独立遊撃隊というものが存在し、これらの隊員によつて行われたということが明確になつて参つたのであります。この遊撃隊組織も全国にわたつて次第に進んでいるように見受けられるのであります。

この中核自衛隊及び遊撃隊組織のほかに、日本共産党では中核自衛隊などの今申しました軍事組織の補給源といたしまして、あらゆる闘争の中に反フアッショ委員会、青年行動隊、その他いろいろの名称で、いわゆる抵抗自衛組織というものの活動を強く推し進めている現状であります。

現在の共産党の組織と、その党員の数の概略を申し上げてみますと、公然組織、いわゆる合法組織の面におきましては、御存じのように中央、それから9つの地方、各県、及び県内の地区、それから郡市、その下の細胞というようにわかれておりますが、党員は約9万、シンパ数が約18万と推定をいたしております。

非公然の組織も公然組織に対応するものでありますが、この非公然組織のメンバーとして活動いたしております党員が、先ほど申しましたもののほかに3万8000、それから先ほど申しました中核自衛隊という特別な組織のものが約5500、これらの組織、並びに党員、シンパ等の数は、いろいろな資料からわれわれ推定をいたしておるのでありまするが、最近党の中央部におきましては、秘密指令をもつて、各府県内の政治地図を作成をするように命じておるのであります。

これらの求めておりまするところは、その細胞に至るまでの組織、その組織内の党員、シンパの数、これを町村郡市別に図面に入れまして、なお共産党の発行いたしておりまする秘密文書と申しまするか、冊子と申しますか、そういうものの購読者の数、種類、それから朝鮮人の数、朝鮮人のうちでいわゆる祖国防衛隊の隊員、あるいは民主愛国青年同盟の隊員の数、そういつたぐあいに、朝鮮人の中でいわゆる北鮮系と目される、われわれの治安対象になりまする、彼らの軍事的活動としてただちに立ち上れる組織内に入つておる者の数、あるいはそれが立つた場合に、同時に立つであろう者の数というぐあいに、共産党の彼らのほんとうの勢力、北鮮系の、彼らに呼応する真の勢力というものを、各図面に入れて報告をさせておるのであります。

その中には、重要工場、あるいは彼らの言葉をもつていたしまするならば、日本の防衛力といいますか、あるいは権力的なものといいまするか、具体的に申しますると、駐留軍の駐在地、そこの兵員の数、保安隊の駐在地、隊員の数、警察学校の所在地、その数というものを丹念に記入をさせて報告をいたさせております。

自分自身の勢力と、これに対抗するであろう日本側及びアメリカ駐留軍の勢力、並びに彼らの目標とする電源地、重要工場、その工場内における工場労働者の数、その中において彼らに呼応し得るであろう数、こういつたものを丹念に調査をしておるのであります。

そういつたものからも、われわれ先ほど申し上げましたような数字を推測をいたしておるのであります。もちろんわれわれの方で、そういつた中央に報告するもの一切を知つておるわけではございません。ところどころそういうものを入手し得たものから推測をいたしておるのであります。

ことに組織の面におきましても、訓練の面におきましても、いわゆる祖国防衛委員会に所属をいたしまする北鮮系の活動は、さらにとみに潜行的に活発化をいたしております。彼らの非合法面における各種の隊の組織の推進化、実際の訓練というものも、最近特に活発になつて来ておるように見受けられるのであります。祖国防衛隊の方には8000名の決死隊を結成をするということも聞いておるのであります。これはまだ私がはつきりその決死隊ができておるということを確言するには至つておりません。しかしこれは単なるうわさ、想像の程度ではないであろうと考えて、おるのであります。

かようにいたしまして、現在表面はそういつた警察対象になりまする暴力活動というものは、影をひそめたかに見えておりますが、しかし裏面においては、むしろ着々とその準備を進め、時の来るのを待つておるという現状だと考えております。

合法面において、各種の段階を通じてあらゆる運動を展開いたしておりますることは、これは御承知の通りであります。この点は取締りの対象になるものではございませんけれども、かようにいたしまして、いわゆる思想面、行動面の統一活発化を策しておるというのが、今日の現状のように考えるのであります。そうしてわれわれ警察面におきまして最も注目を要しまするのは、これらが一定方針のもとに立つという場合には、必ず同時多発ということが当然の帰結であります。

警察といたしましては、そういつた同時多発の事態に対処し得るように、ふだんからそういつたいわゆる革命勢力と申しますか、軍事行動に移り得るものの実態を完全に把握をいたしまするとともに、どういうやり方で、どういう方法でいわゆる革命的暴力行為をやるかということを調査をしながら、これに対処し得る方法、訓練もやつて行かなければならないのであります。

これが実際実施に移されるという場合には、それに対応し得る活動を、ただちに始めなければならないようなわけでありまするから、われわれといたしましては、さような場合に対処し得るのに遺憾のない警察の制度、あり方というものを、今のうちに確立をいたしておくことが何よりも肝要だと思うのであります。

私から進んで申しまするのはおかしいようでありまするが、さような場合には日本には保安隊があるではないか、それはもつぱら保安隊の責務であろうという考えを持たれる方々が多いのであります。しかしながら保安隊が出動いたしまするということは、何と申しまするか、最悪の場合でなければなりません。できるだけ普通の警察の方法でかような事態を防止をし、鎮圧するということが最も望ましいと考えておるのであります。





昭和28年09月09日 参議院 地方行政委員会
[056]
説明員(国家地方警察本部長官) 斎藤昇
我々こういつた未だ暴力的或いは法律的には表面取締りの対象にならないものをなぜさように注目をしているかということでありますが、先ほど申しましたように結局状況が熟すれば、或いは部分的に或いは地方的にこれを騒擾或いは武力行動というふうなものにでも持つて行こうという態勢が見られますために、我々或いは治安警備の観点からかような動向を見守つているような次第であるのであります。

特に地下活動といたしまして党の組織の拡大強化は勿論でありまするが、いわゆる軍事組織の強化拡大或いはこれの訓練という面は以前上よりも一層活発になつて参つたように思えるのであります。重要経営とか或いは基地周辺の農山村を中心といたしまする中核自衛隊或いは遊撃隊を中心にいたしまする軍事組織はいちじるしく進捗したと考えられるのであります。

現在では一部の府県を除きましては、殆んど大部分の府県には軍事組織の統一司令部というものが設けられたように見られるのであります。そうしてこの軍事組織は全く人民の軍隊であるという性格を明瞭に組織の上に、教育訓練の上に現わして来たように見えるのであります。この統一司令部は全国ひとまとめにした中央、それから地方府県、地区それぞれ各級に応じましてそれぞれの統一司令部が設けられて、そうして統一司令部命令というものには絶対服従の強い規律を持つているように見えるのであります。

従前の中核自衛隊、或いは遊撃隊というものがそれぞれ孤立した関係にあつたのと違いまして、全国的に一つの軍隊組織というものに作り上げて行こうという努力が著しく認められるのであります。なおこれらの軍事組織の教育訓練というものにつきましても非常に力を注いでいるように見られるのであります。

最近中央軍事委員会において編纂せられたという教育操典案というものが各地区の軍事委員会に流されまして、只今これを中心にしてなかば教育訓練の材料として又最終的な仕上への討議にかけているように見られるのであります。只今私のほうで入手をしておりまする材料等から判断いたしまして、これらの中核自衛隊、或いは遊撃隊という大衆層組織の隊員は恐らくまあ8000から1万ぐらいであろうかと、私のほうでつかんでおりますものにつきましては、さように考えられるのであります。又実際の山間その他における訓練等をやつたという実例も情報も相当あるのであります。そのうちの若干は実際に我々がこれを確認をいたしております。或いは武器等においても手榴弾的なものとか、或いは地雷火的なものとかの試作実験というようなものをやつたであろうと思える根拠が数ヶ所において現認をしているというような状況でございます。

大体以上のような状況でございまして、未だこういうものが軍事行動として表面には現われておりませんけれども、地下におきましてはこの組織と隊員の強化訓練というものの整備拡大というものが相当力をこめて進められておる、かように見受けるのであります。

併しながらこれらの実際活動がいつ如何なるときに表面化するかということはちよつと只今予断をいたしがたいと思うのであります。いろいろな政治経済或いはその他の情勢の何といいますか、動き方によつてこれらが表面化をする可能性がありはしないかという程度にしか我々只今のところでは判断がつきません。従つて或いは暴力革命があるのじやないかという説をなす者もございまするが、今日の状況下におきましてはそういう大きな意味における革命的な暴動というものは、只今の段階では私どもとしては考えられないと、かように考えます。





昭和29年10月04日 衆議院 内閣委員会
[002]
説明員(法務事務官(公安調査庁長官)) 藤井五一郎
それでは今委員長の申されました範囲内においてお答えいたします。まず第一に国際共産主義勢力の動きの特徴、それから第二に最近における日本共産党の動向、第三に日本共産党の党内の現状、それから在日朝鮮人の動向、最後にいわゆる右翼の動向について申し上げます。

(中略)

次に、党の現状と申しますか内部動向。日本共産党は昨年来全国的に総点検と学習運動を実施いたしまして、党風の刷新、理論的武装をはかり、あらゆる風雪に耐え勝ち抜く堅固な前衛党に鍛え上げようと努めております。また合法戦線の拡大をはかる一方依然として非合法体制を強化し、最近特に活発になつた大衆団体内の各種グループ活動のほか、将来の暴力革命に備えて軍事活動の合理的運営など党の活動は間断なく展開されておるようであります。また最近の地方選挙の結果を見ますと、昨年4月の総選挙に比べまして、党の得票は約2倍に増加し、さきの農業委員選挙においても約700名の党員が当選しております。中央、地方議会も原水爆禁止を決議しておるような状態であります。その署名運動は7月中に200万を越え、軍国主義復活、再軍備反対を中心とする平和独立の運動はますます国際的連繋を密にし、大衆化し拡大して来たことはいなめないのであります。このような情勢から見まして、日本共産党の勢力は最近上昇傾向にあると考えてよかろうと思います。しかし一面では、先ほど申し述べましたように国際的、国内的に党に有利な条件があり、また国民の統一行動も相当広汎に組織されておるにもかかわらず、その中核となるべき党の組織が労働組合内にはもとよりその他の大衆団体、文化団体の中でまだ非常に弱いということを党自身が繰返し繰返し述べておるところから見まして、党の組織の伸張がそれほど大きなものではないかと考えられるのであります。

次に在日朝鮮人の動向について申し上げます。在日朝鮮人の動向はいろいろな関係でわが国の治安上ゆるがせにできないものでありますが、特に大多数を占める北鮮系の中には、共産主義勢力が根強く浸透しておりまして、反米、反日本政府の意識がきわめて強いのであります。これら北鮮系朝鮮人在日朝鮮統一民主戦線、これを省略して民戦と申しますが、その民戦という公然団体に結集しております。民戦は10数個の単一団体が結合しておる結合体でありまして、いわゆる戦線体でありますが、その構成員は16万余となつております。また民戦の活動の中核となり、民戦を革命的に推進する組織といたしまして、在日朝鮮祖国防衛委員会、これを祖防委と申しておりますが、及びその指導下にある祖国防衛隊という非公然団体が組織されておりまして、北鮮系の最も精鋭分子がその構成員となつております。彼らは祖国の統一、独立、すなわち北鮮人民共和国による全朝鮮の完全なる統一、独立を第一のスローガンとして北鮮政府のもとに固く団結し、金日成に忠誠を誓うことを明らかにしておりますが、ただ日本に在住するという具体的条件のもとに日本共産党とともに日本の民族解放、民主革命を達成することが祖国の統一、独立を闘いとる近道であるとして各種の闘争を展開しておるのであります。

これに対して一方日本共産党は、彼らの強い独立意欲と粗暴な行動力を日本革命に利用せんとして在日朝鮮人を日本革命の有力な同盟軍であると規定いたしまして、民戦、祖防に対する指導を強化し、これを革命的に育成することに努力を傾けております。日本共産党は、昨年来特に民戦、祖防の中の多数の朝鮮人党員グループを通じてその党勢を強め、今日では完全に指導権を掌握しておる状態であります。従つて民戦、祖防の闘争はまつたく党の戦略、戦術に従つて行われており、当面党の三反統一戦線強化の政治方針にのつとつた活動が推進されております。平和擁護運動を最も重要な課題として、強く前面に押し出すとともに、政治的、経済的な各種の民族権利擁護の旗じるしのもとに朝鮮人大衆を民戦に結集いたしまして広汎な反ファッショ抵抗闘争を展開して、これを漸次革命化し、日本共産党のいわゆる民族解放、民主統一戦線の有力な一翼たらしめんと企図しておるようであります。平和擁護闘争におきましては、これを祖国朝鮮の平和的統一、独立の問題と結びつけて、昨年7月の朝鮮停戦の成立も一にソ同盟を中心とする世界平和勢力の平和政策による勝利であるとし、さらに平和擁護闘争を発展させることによつて、朝鮮の統一、独立を妨げているところのアジアにおけるアメリカ戦争勢力を一層孤立化させ、その闘いと祖国建設運動とが結合することによつて、朝鮮の完全な統一、独立が達成されるものと宣伝しております。

しこうして日本共産党はその指導のもとに、民戦を中心として、日本国民との統一行動を強調しながら原水爆禁止、軍事基地、再軍備反対、経済文化交流のための朝鮮への自由渡航、日本国民との親善、団結など、各種の運動を行つております。民族権利擁護闘争におきましては、現在朝鮮人のあらゆる無権利状態や生活の苦しみが米日反動政府の戦争政策に基くものであると宣伝いたしまして、生活保護の獲得、反税、濁酒密造取締り反対など、各種の闘争に大衆を動員して階級闘争意識をあおつておるようであります。

他面、この種の闘争の中で問題となるのは、民族教育防衛闘争と外国人登録切りかえ反対闘争であります。民族教育防衛闘争につきましては、東京都教育委員会が都下の公立朝鮮人学校14校でありましたか、14校の廃校処分を行うことを決定し、近く民戦にこれを通告する模様であります。現在日本共産党の指導方針から考えて、これに対する反対闘争がすぐる年のあの朝連学校禁止当時のように暴力化するとは必ずしも予想できませんが、かかる処置が全国的に波及することに対しては、地方自治体などを対象といたしまして相当の圧力をかけて来ることが考えられぬこともないと思います。

次に本年10月を中心として実施される外国人登録切りかえにあたりましては、これを吉田、李承晩の強制送還、強制徴兵等の朝鮮人弾圧のための陰謀であると宣伝して、教育闘争と同様、地方自治体に対して反対闘争を行うことが予想されまして、すでに各地の民戦機関がその闘争指令を発しておるのであります。

民戦は以上述べましたような運動を展開する一方、組織の強化に努力しております。党は本年の2月在日朝鮮人運動についてと題する論文を発表しまして、在日朝鮮人運動の当面の基本方針を示しておりますが、その中で、民戦はまだ真の意味で統一戦線と言うことはできないと述べて、その強化を指令し、祖防は民戦の行動の中核とならねばならぬとしておるのであります。

民戦はこの方針に従いまして学習と組織の点検を強化しております。また祖防は本来軍事組織として運営せられ、日本共産党の軍事委員会及び中核自衛隊と並立し、主として軍事活動を行つて来たのでありますが、今日では祖防隊の中の優秀分子だけを中核自衛隊に吸収しまして、その余の者は民戦の各組織内の行動部隊として、抵抗自衛闘争を通じて民戦を内部から強固な統一戦線に発展させる任務が与えられておるのであります。

しかし一般朝鮮人大衆について見まするに、意識の水準が低いため、日本共産党の指導について行けないこと、活動家を含めて朝鮮人の大多数が経済的に窮迫し、生活に追われていること、日本共産党の統制強化に伴い、民族感情からこれを決しとしないところの分子の反発があることなどの理由によりまして、党や民戦中央の方針が下部に徹底せず、朝鮮人運動全般に多少低調の傾向がありまして、特に民族感情に基き日本共産党の指導に納得しない一部の分子が、民戦の組織から脱退する現象がようやく著しくなつております。

山梨県民戦の分裂、札幌における民主愛国青年同盟からの集団脱退等がその例でありますが、なお各地で民戦の内部抗争があるように見受けられます。しかしながらこれは部分的現象にとどまりまして、民戦の各階級機関の幹部の大多数を朝鮮人党員が占めて、忠実に日本共産党の方針を実践しておりますので、民戦を中心とする北鮮系朝鮮人運動の革命的色彩が弱化するとは思われないようであります。





昭和29年10月07日 衆議院 内閣委員会
[066]
自由党(自由民主党) 大久保武雄
私は共産主義活動というものは、その理論体系の上から申しましても、大なり小なり必ず国際的な背景があると言わなければならないと思います。一国の共産主義ということが言われましても、これは必ず国際的な裏づけを持つておることは当然であります。

この点につきまして、私は日本における共産主義活動も、共産主義団体も、必ずこれは国際的な共産主義活動の指令を受け、その背景を持つて動いておるものと断定しなければならぬと思います。

この点につきまして、緒方副総理あるいは公安調査庁長官の御答弁を承りたいと思います。

[067]
北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理・外務大臣臨時代理 緒方竹虎
共産主義の活動は、お述べになりましたように国境がない、国際的な活動をしておることは申すまでもないと考えます。

特に1952年にスターリンが死にまする前の年に、モスクワで共産党大会を開きました。先ほども述べたのでありますけれども、共産党の戦術が一応行き詰まつた。そこで資本主義と共産主義とが両立し得るという見解を一応立てまして、スターリンとマレンコフとが相並んでこの考え方を展開いたし、それから以後、いわゆる共産主義国の平和攻勢というものが展開されて参つたものと私は思つております。その結果が、今日の各国内における共産主義者の活動になつておる。これは後ほど公安調査庁長官から申し述べまするが、各資本主義国内における歴然たる運動であることは、今日ほとんど常識になつておるのでございます。

[068]
説明員(法務事務官(公安調査庁長官)) 藤井五一郎
お答え申し上げます。今日各国の共産党がソ連中心主義に動いておるといいますか、ソ連から指導を受けて、あるいは中共から、ことに日本はある程度の具体的な指導を受けておるということは、間違いのないことと思います。

[069]
自由党(自由民主党) 大久保武雄
共産主義活動が国際的な指令を受けておつて、しかもこの間藤井長官のお話によりますと、共産党は公然たる党内に軍事委員会を持つておる、中核自衛隊を中心として軍事活動の組織化をやつておる、しかもこの軍事活動は階級防衛をいたして行くのだ、こういう意味にとれたのであります。

はたしてしからば軍事委員会をつくつて、一つの軍事組織を持つて軍事訓練をしてその隊員を整備し、しかも球根栽培法というパンフレットをつくつて軍事訓練を強化し、あるいはビタミンのつくり方というパンフレットを出して火薬のつくり方を訓練する、そういつたようなきわめて強力な組織的な軍事活動というものは、日本の社会革命を起し、日本の政府を転覆する、これは重大なる内乱の予備である、こういうふうにも考えられますが、この間御説明になりましたこの活動の現状からいたしまして、破防法をいかに御適用になるお考えでありますか。藤井長官にお聞きしたい。

[070]
説明員(法務事務官(公安調査庁長官)) 藤井五一郎
現在破壊活動防止法に基きまして、暴力主義的破壊活動をなす疑惑のある団体を調査しております。その一つは日本共産党であります。

今大久保委員がお述べになりましたようなある種の軍事方針に基いて共産党は動いておりますが、これに対していかなる処置をとるかということは、結局どういう規制処分をとるかということになるでございましようが、それはまだただちにここで申し上げることは差控えたいと思います。

[071]
自由党(自由民主党) 大久保武雄
朝鮮の北鮮共産党を中心とした祖防隊は朝鮮における社会革命を行い、北鮮の共産主義国の独立を達成しますためには、日本において共産革命を実行した方が早道である、すなわち日本における共産革命を実現して政府を転覆する、社会組織をひつくり返す、こういうことで共産党中核自衛隊の同盟国として日本において活動しておる、こういうことであります。

しからば外国のある種の軍事組織と日本のある種の軍事組織とが日本において同盟組織を形成して、黙々として――口でいかに平和闘争を言おうとも、いかに民主主義活動を言おうとも、その内面においては共産主義のデーゼによつて、その方針である社会革命の時期をねらつて、いまだ適当でないと思うならば延ばすだけの話である。その時期をねらつて黙々として準備をしておることは当然であります。

しからばこの破防法によつても今はつきり取締りの対象になるかならぬかわからないという御答弁でありますが、こういう活動に対しまして緒方副総理は、今後破防法を御改正になりますか。いかなる法的措置をもつてこれに対処されますか。御方針を承りたいと思います。





昭和32年03月22日 衆議院 法務委員会
[080]
政府委員(警視監(警察庁警備部長)) 山口喜雄
戸高君が村田という人のところにダイナマイトを受け取りに行ったかどうか、これは本人が公判廷においてはっきりすることと思います。従って、私は、その点についてはこの席ではお答えを差し控えたいと思います。ただ、この点は御了承を願いたい。それは、この前も申し上げましたように、全国的に当時日本共産党が軍事活動を盛んにやって、各地でいろいろな事件が起っております。大分県においても同様であります。しかも、大分県の中で、菅生付近を解放地区と指定して、有力な党員を続々とあの中に送り込んでおる。そして、その中核自衛隊員の1人が、27年の3月17日に不審尋問で尋問された際に、ダイナマイトに信管をつけたものを所持しておるのを現行犯で逮捕いたしております。

そこで、警察としてはこれは何か考えてやろうとしているんだということで、いろいろ情報を収集してみたが、どうもうまくいかない。そこで、やむを得ない事情のもとに、戸高君を当時の警備部長が党に接近させた。この点は、私は、いわゆる一般論としてでなしに、あの具体的な事情のもとにおいては、やむを得なかったものと考えております。そうして、戸高君は党に接近をして、党のいろいろの会議にも出席するようになったのであります。その間に得ましたいろいろの情報は、直接小林君の方に報告してある。





昭和33年04月02日 衆議院 法務委員会
[159]
日本共産党 志賀義雄
そういうように言われますけれども、実際にこちらが一つの軍とか艦隊とかいえば、これは大きいものでしょう。ドスやピストルとは違いますね。去る3月23日に日本共産党が人民艦隊を編成しておったということが警視庁公安一課から発表されました。これはどの新聞にも出ておりました。放送もされました。調べてみますと、公安一課では一々記者会見をしておるひまがないので文書で配って出したというのです。人民艦隊、一つの艦隊を持っておるということ、これは大へんなことであります。日本共産党はかって中核自衛隊という陸軍を持っておった、今度はそういうものを持っておるということを警察の方で言われ出した。そんなものは事実ありませんけれども、陸軍を持った、海軍を持った、これは選挙でもきてごらんなさい、今度は警視庁が、共産党は空軍を持っているということを言わないという保証はありませんよ。三軍そろえて共産党は持ってるという誹謗だってできます。

人民艦隊――艦隊というからにはこれは艦砲その他の兵器を持っておるものをいうのでしょう。どうして警視庁がそういう名前を出されたか。実は、こういう法案を通すために、選挙前に共産党にけちをつけるために、こういうことをすらやられているのです。そういうふうに竹内刑事局長が純真な意図を持っておいでになろうとも、もうこの法案の成立しない前からそういうことがやられているのですよ。それで、公安一課長の御答弁では、私どもは選挙妨害をやるとか共産党を誹謗するとか、主観的にそういうことは少しも考えておりません、こう言われましたけれども、客観的にはちゃんとそういうことになっているのですよ。

それと、今度は、船に乗った人が密出国の疑いがあるというのでつかまったのです。その中に1人小川原という共産党員がいます。これは長野県の共産党の組織の一役員であります。弁護人が面会して調べたところによりますと、自分は共産党の一地方組織の役員――これは唐澤法務大臣と同郷の長野県の人であります。それ以外に何の関係もないというのです。それを1人ぽこりと検挙しておいて、さあ共産党に関係がある、こういうふうなことを言われるのです。推定によって何でもできる。暴行・脅迫に至らないもの、ああいうようなものもやれるということになると、警察なり検察庁なりが推定すれば何でもやれるということになります。事件が起ったときに、ことに暴力行為を取り締るために、これは武器を持っているとあなた方が判定を下されれば、何でもできるということになるのですよ。そういう点の保証はこの法文ではちっともないじゃないですか。





昭和33年04月25日 衆議院 法務委員会
[085]
日本共産党 志賀義雄
最後に簡単に……。ただいま、日本では起訴が重大に考えれておるということですが、それは私も法務大臣と同意見でございます。国民が自分の権利について主張するという立場からすれば、そういう場合には堂々とやるべきであります。ただ、困ったことには、近く選挙がありますから申しますけれども、唐澤さんも町村さんも選挙にお立ちになるわけであります。その選挙を前にして、日本人は起訴されたとか容疑を受けたとかいうことを重大なことに考える国民層がまだ多い、そういう盲点を利用して、選挙前に、共産党にいろいろと、去年の下半期から、トラック部隊事件、それから最近の官庁スパイ事件、人民艦隊事件――今度なんかのは内乱予備罪ですよ。中核自衛隊という陸軍をくれたり、人民艦隊という海軍をくれたり、いよいよ選挙になったら空軍さえ共産党にくれかねないのです。

そういうことがありますから、検察当局を指揮なさる法務大臣としては、警察が選挙を前にこういうことをやらないようにしていただきたい。実は、これが警察だけの問題でなくて、自由民主党の反共政策との関係もあるのじゃなかろうかと思われますから、特にこの際これを要望しておきます。選挙前にこういうばかげた検挙をやって共産党にけちをつける。考えてもごらんなさい。自由民主党が290名衆議院では議席があるのです。共産党は私と川上君だけ。それがそんなにこわいのですか。よっぽどこわいらしい。(笑声)だから、そういう行き過ぎのないように御注意願いまして、きょうの私の質問を終ります。





昭和55年11月21日 衆議院 地方行政委員会
[047]
政府委員(警察庁警備局長) 鈴木貞敏
それから次の白鳥事件の関係でございますが、この事件は、ちょうちょう申し上げませんが、昭和27年1月21日、非常に古い事件でございまして、当時札幌市警察本部警備課長の白鳥一雄警部が勤務を終わりまして自転車で帰宅途中に、市内路上で背後から拳銃で射殺されたという事件でございまして、捜査の結果、犯人は当時日本共産党札幌委員会委員長あるいは同委員会軍事委員長であります村上及び同委員会所属の中核自衛隊員7人の計8名による犯行と判明いたしまして、27年に1人、28年に2人を逮捕いたしております。この3人につきましては、殺人罪あるいは殺人幇助ですでに有罪判決が確定しております。

その後52年に1人、53年に1人が中国から帰国いたしましたので、殺人幇助容疑で逮捕、取り調べの上検察庁に送致しておるというふうな状況でございます。残り3名につきましては外国に逃亡中と認められますので、引き続き捜査中でございますが、御質疑の中国に残っているかどうかということにつきましては、残り3人の被疑者は中国にいるもの、こう思っておるわけでございますが、詳細につきましては捜査中ということで御了承願いたいと思います。

またこのケースにつきまして、中国に捜査依頼をした事実があるかどうかということでございますが、この事件の経緯あるいは中国との捜査共助関係の経緯、そういったものを勘案いたしまして、現在までのところ中国に捜査を依頼したという事実はございません。が、将来につきましては、また進展を見ていろいろ考えてまいりたい、かように思っております。