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平成26年10月01日 衆議院 本会議
[008]
次世代の党(日本のこころを大切にする党) 平沼赳夫
慰安婦強制連行説のもととなった吉田清治氏の話は全く根拠のない虚偽であったことは、朝日新聞が認めました。
また、政府の調査によると、強制性を客観的に裏づける証拠がないまま河野談話が公表されたことが、2月20日の石原信雄元官房副長官の参考人発言により明らかとなりました。
ところが、河野談話はいまだに政府の正式見解として扱われ、慰安婦イコール性奴隷説は是正されず、在外邦人は、今もいわれなき非難にさらされています。河野談話は、歴史的真実に基づき、直ちに否定されなければなりません。
平成26年10月03日 衆議院 予算委員会
[037]
自由民主党 稲田朋美
ことしの8月5日、慰安婦問題について、朝日新聞が32年たって誤りを認め、謝罪をいたしました。これにより、慰安婦を奴隷狩りのように強制連行したという吉田清治氏の証言が虚偽であって、さらには、慰安婦と挺身隊を混同したということは誤りだったということが認められたわけであります。
もちろん、慰安婦制度そのものは、女性の人権に対する侵害であって、悲しい出来事であったと思っております。総理が国連演説でおっしゃったように、今も存在する、紛争時の女性の人権の侵害は絶対に認められませんし、21世紀を女性の人権侵害のない世界にするために、日本が国際社会でリーダー的な役割を果たしていかなければならないというふうに思っております。
しかし、現在、国際的に慰安婦問題は非常に憂慮すべき事態になっております。国連勧告やらアメリカの非難決議、そして、慰安婦の碑、慰安婦の像が建てられています。そこで何が言われているかといいますと、戦時中の日本が20万人の若い女性を強制連行して、性奴隷にして監禁をした。さらには、あげくの果てに殺害までしたという、あたかも日本が誘拐監禁、強姦致死の犯罪集団であるという汚名を広められているわけですが、それは全くの虚偽であるということであります。この吉田証言の虚偽を根拠として、日本の名誉は地に落ちていると言ってもいいと思います。
国連からは、性奴隷国家として名指しで批判されて、アメリカの下院では平成19年に、日本に対して、謝罪をしろ、そして、教科書で未来永劫子供たちに教えろと言われ、それと同じ内容の決議が、台湾、オランダでもされております。アメリカの各地で非難決議がされて、慰安婦の碑、慰安婦の像が設立されて、あたかも日本が性犯罪国家のようにみなされている現状があります。
このように世界じゅうで広まっている、日本に対するいわれなき不名誉な汚名を不作為によってそのままにしておくことは、私は、将来に禍根を残すというふうに思っております。
総理は、若手議員のころから、教科書から慰安婦の記載を削除して日本の名誉を回復するために尽力をされていたわけですけれども、今回の慰安婦問題をめぐる状況、そして、世界じゅうで地に落ちているこの日本の名誉を回復するために、政府としてどのように取り組まれるのか、お伺いをいたします。
[038]
内閣総理大臣 安倍晋三
本来、個別の報道についてコメントすべきでないと思っておりますが、しかし、慰安婦問題については、この誤報によって多くの人々が傷つき、悲しみ、苦しみ、そして怒りを覚えたのは事実でありますし、ただいま委員が指摘をされたように、日本のイメージは大きく傷ついたわけであります。日本が国ぐるみで性奴隷にした、いわれなき中傷が今世界で行われているのも事実であります。この誤報によってそういう状況がつくり出された、生み出されたのも事実である、このように言えますし、かつては、こうした報道に疑義を差し挟むことで大変なバッシングを受けました。
かつて、まさに、日本が性奴隷にしたということの判決をクローズアップした番組をNHKがつくったわけでありますが、これに中川昭一さんと私が事前に介入して番組を変えさせたという朝日の報道があったわけでありますが、これも、中川昭一さんは事前には会っていないということがその後明らかになり、朝日新聞が認めていますし、私が呼び出したということも、そうではないということが明らかになっているわけでございます。
しかし、今回、これが誤報であったということが明らかになったわけでございます。政府としては、客観的な事実に基づく正しい歴史認識が形成され、日本の取り組みに対して国際社会から正当な評価を受けることを求めていく考えでありますし、そのため、これまで以上に戦略的な対外発信を強化していかなければならないと思っております。
もちろん、現在でも、紛争下において女性の人権が侵害される、これに対して、日本は積極的に、そうした状況において女性の人権が侵害されることのないように貢献していく、その貢献策について先般国連で演説をしてきたところでございます。
他方、こうしたいわれなき中傷については、そうではないという発信をしっかりとしていくことが大切ではないか、このように思っております。
[039]
自由民主党 稲田朋美
河野談話に関しては、政府の検証がなされて、検証結果が出されました。そこで、河野談話作成過程において強制連行を示す事実はなかったんだ、そして、事前に韓国と日本との間ですり合わせが行われて、最終的に日本が韓国に譲歩、配慮するような形で作成されたということが明らかになったわけであります。
ただ、今世界じゅうで広められているこの慰安婦の問題というのは、もう河野談話を大きくかけ離れた全く異質なものになっているわけであります。そういった状況を前提として、日本に謝罪と補償を勧告している国連人権委員会報告、また、アメリカ下院決議、その他の国々の非難決議、アメリカ各地での決議、慰安婦の碑の建立、像の設置について、一体どういった対応をとっておられ、またどういった対応をとられるのか、外務大臣にお伺いをいたします。
[040]
外務大臣 岸田文雄
まず、日本政府としましては、正しい事実認識に基づき、日本の考え方や取り組みについて国際社会から正当な評価を得るよう、しっかりと求めていかなければならないと考えます。
そして、御指摘いただきました諸点の中で、まず、国連の委員会からの勧告につきましては、7月に、自由権規約委員会におきます審査におきまして書面及び口頭で我が国の立場を説明させていただきました。しかし、残念ながら、その勧告について、我が国の説明が十分に理解されなかった、この点については遺憾に思っています。
同勧告は法的拘束力を有するものではありませんが、引き続き、我が国の立場が正しく理解されるよう、しっかり説明する努力を続けなければならない、このように考えます。
また、米国におきます慰安婦像あるいは碑等の動きにつきましては、我が国政府の立場と相入れない、これは極めて残念なことだと考えます。このような動きは、慰安婦問題を政治問題あるいは外交問題化し、状況を複雑化させるものであり、さまざまな民族系から成る地域コミュニティーを分断させることになる、こういった点を憂慮しております。
日本政府としましては、慰安婦問題を政治問題あるいは外交問題化させるべきではなく、また、諸外国において、各民族系が平和と調和の中で共生することを希望しており、出身国間の意見の違いが持ち込まれること、こうしたことは適切でないと考えます。
こういった考え方に基づいて、従来からも、さまざまな地域の地方議員ですとかあるいは地方自治体、さらにはメディア、有識者、こういった関係者に対しまして、現地の大使館あるいは総領事館の館員、これはもう当然のことですが、さまざまなロビイスト等を動員しまして、我が国の立場を説明し、この理解を得るべく努力を続けてきました。
今回の誤報問題等も含めまして、我が国としましては、引き続き、さまざまな関係者を動員し、そして、説明の仕方等も工夫しながら、我が国の立場について説明する努力をしっかりと続けなければならない、このように認識をしております。
[041]
自由民主党 稲田朋美
外交問題にしない、政治問題にしないということなんですが、いわれなき非難に関しては事実をきちんと示して反論をすべきだというふうに思っています。
ことしの8月、福井市の姉妹都市のフラトン市で慰安婦の非難決議がなされ、現在フラトン市の博物館で慰安婦像が建てられようとしております。フラトン市の決議の後、福井市長が反対の親書を送り、また9月24日に福井市議会で慰安婦像を建てることについての反対の決議をしたわけです。これは私は日本で初の取り組みだと思います。
フラトン市の問題は、吉田証言の虚偽が明らかになった後、初めてのケースでありますので、どうしても慰安婦像の設置を阻止する必要があり、外務省も頑張っていただいているわけですが、予断を許さない状況でもあります。
私は、日本の名誉を回復するためには、こういった一つ一つの反論、それから、いわれなき非難についてきちんと反論していく事実を積み重ねていくということが必要だと思いますが、総理、いかがでしょうか。
[042]
内閣総理大臣 安倍晋三
基本的には、事実は強いわけでありまして、吉田清治証言が、これはでたらめであるということがかなり早い段階からわかっていたわけであります。
だからこそ、きょうは中川昭一さんの命日でもありますが、中川昭一さんを中心に、それが教科書に、事実であるかのごとくの前提に強制連行を書かれるのはおかしいという運動を展開してきました。
しかし、なかなかそれは成果を生むことができなかったのでありますが、随分時間はかかったのでありますが、しかし、だんだん強制連行の記述はなくなっていったわけであります。そして、さすがに朝日新聞も、この段階においては認めざるを得なくなった、こういうことであろうと思います。
我々も、粘り強く事実は事実として発信していかなければならない、このように思っております。
[043]
自由民主党 稲田朋美
私は、この問題は与党も野党もないと思っています。朝日新聞も産経新聞もないと思っています。党も政府も政治家も言論人も経済人も、日本の名誉のために国民運動として私は邁進をすべきだと思っています。
かつて、平成19年、米国下院で非難決議がなされようとしていたときに、作曲家のすぎやまこういちさんが私財を2000万投じてワシントン・ポストにFACTという意見広告をされて、そこに言論人やら政治家が賛成署名をしたわけでありますけれども、本来政府がやるべきことを民間人がかわってやってきたわけであります。私は、やはりこういう国民運動として展開することが重要だというふうに思っております。
また、朝日の誤報に関しては、報道の自由、それから表現の自由が憲法上優越的な地位を認められているのは、それが国民の知る権利に資して、民主主義の基盤であるからこそ優越的地位を与えられているわけですから、その優越的地位にふさわしい責任、報道機関としての責任、真実に対して謙虚に向き合うべきだというふうに思っておりまして、今、検証委員会を立ち上げておられますが、朝日新聞には、みずからの責任を認識して真摯に検証した上で、全力を挙げて日本の名誉の回復に邁進をしていただきたいというふうに思います。
ただ、我が党としましては、吉田証言の虚偽が我が国の外交政策などに与えた影響や国際社会に与えた影響、それに対して政府はどのような対応をとってきたのかという検証と、また現状の把握、そして今後どのようにして日本の名誉回復を図っていくのか、その具体策を真剣に検討する場を党の中に新たに設けたいというふうに考えております。
ところで、この吉田清治さんは、戦後補償の裁判で証人として出廷されたことがあるんですね。この慰安婦訴訟では、吉田さんのうそということがわかった本が証拠として採用されているわけです。
日本の国が被告として訴えられた、戦時中の日本がこんなことをしたという訴訟の日本の国の代理人は、法務省の訟務検事がされているわけです。
吉田清治さんは、その戦後補償裁判に出てきて、そして、朝鮮人女性を暴力で奴隷狩りのように狩って慰安婦にした、それから挺身隊といっても実態は日本軍将兵の性的奴隷だったということを裁判で証言しているんです。しかし、法務省は、このうその証言に対して一問の反対尋問もなさっていないんですね。私は、法務省のその訴訟の方向は間違っていると思うんですが、法務省の政府参考人にお伺いをいたします。
戦後補償裁判を争うとき、またいわれなきうそがそこで主張されたときには、きちんと事実の反論をし、また反対尋問もすべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
[044]
政府参考人(法務省大臣官房訟務総括審議官) 都築政則
戦時中の責任を問う外国人原告らの請求は、日韓請求権協定や日華平和条約等によって解決済みで、いずれも棄却されるべきことが明らかです。
そのため、事実関係について認否や反対尋問を行う必要がないというふうに考えております。
[045]
自由民主党 稲田朋美
それがおかしいんですよ。法律論で勝てるから、事実でうそを言われようが何を言われようが反論しないと。
裁判において争わないということは認めたことになってしまうわけです。そして、裁判の中で吉田清治が証言した奴隷狩りだとか性奴隷、強制連行、全てそれが真実として判決の中に書き込まれているわけです。そういった名誉を毀損することがどんどん日本の判決に書き込まれるということが繰り返されるんです。強制連行の裁判もそうですし、731部隊に関する裁判もそうですし、毒ガス訴訟に関する裁判もそうですし、もう全て、そういう戦後補償裁判で、法務省の役人は、それは条約でけりがついているとか時効だとか法律論だけを言って、全く事実を個々に争わないわけであります。
そして、うそが書き込まれた判決書が海外で雑誌で紹介をされると、それが全部あったことになってしまって、海外の人たちは、本当に日本はこんなひどいことをした、性奴隷をつくった、そんな犯罪国家なんだというふうに思うわけです。なぜなら、権威のある日本の裁判所の判決書に書き込まれちゃっているわけですから。
私は、事実に反して、証拠もないのに、日本の戦時中の加害事実がどんどん書かれることは、非常に日本の名誉を毀損することだと思います。ちゃんと争っていただきたい。そうしないと、判決がひとり歩きをするんです。そのことをずっと言ってきたんですが、今の答弁のように、法律論で勝っているから大丈夫なんだという答弁であったわけですが、今はもうそれで済まないんです。
なぜなら、日本で負けた原告が、今度は韓国それから中国で同じ裁判を起こして、例えば韓国だと日本の企業が負けております。そして、さらに中国では、日本の国を相手に、日中戦争の被害を訴える裁判の準備がされているということであります。
平成26年10月06日 衆議院 予算委員会
[196]
次世代の党(日本のこころを大切にする党) 山田宏
今回の予算委員会は、この8月5日、6日の検証記事から初めての予算委員会となりまして、我が党としては、予算委員会の理事会において、河野元官房長官とそれから朝日新聞社の木村伊量社長の参考人での招致をお願いいたしましたけれども、残念ながら、今回は招致に至りませんでした。
真相を解明していく上でも、そしてまた、今総理がお話しになった国際社会への誤解を解く上でも、やはり、加害者の証言を、慰安婦を狩り出した、強制連行したというのは、最初に報道したのは朝日新聞ですから。それから、被害者の報道、私はそうやられましたということを報道したのも、これも朝日新聞なんですね。
つまり、加害者も被害者の記事も全部朝日新聞からスタートしておりまして、そういった意味からも、ただ、朝日新聞の社長は、その後、謝罪は読者に対してなさっておられるんです。国民に対してでしょう。もっと言えば、韓国国民に対してでしょう。さらに、全世界の誤解している人たちに対して説明と謝罪をしなければいけないのは、国会でしかできませんよ。自分の紙面だけだったら読者になってしまいますから。
私は、そういった意味で、ぜひ参考人として来ていただいてお話を伺いたかったわけでございますが、そこまで至りませんでした。
実は、朝日新聞は、この吉田証言、つまり、自分たちが強制連行して慰安婦にしたという最初に証言をしてきたものは、これはうそでしたと32年たって認めました。
それから、慰安婦と、当時、日本国民全員が負っていた徴用、労働奉仕、こういったものと混同して、これを女子勤労挺身隊というのと混同した形で報道し続けたのも朝日新聞で、ここにも強制性だということを印象づけるための大きなやはり影響を与えました。
16本の、16カ所の記載、つまり、吉田証言のミスを取り消します、こう言ったんですが、いまだに朝日新聞はどの記事なのかということをみずから発表していないのであります。それを他の新聞社が求めても、それをみずから出さないのです。
何でも欠陥の商品が出たら、この商品のこの場所が欠陥ですよとちゃんとそれを言わないと、かつての朝日新聞は、何でだ、おかしいじゃないか、こうやって経営者を追及していたわけですから、自分のところの欠陥も、一体どの記事のどの部分というのをちゃんと出さないと、言論の場でこれを検証してくださいといっても検証しようがないんです。
まずこれが朝日新聞の不誠実な対応の第一なんですが、総理、この点についてどう御感想を持たれますでしょうか。
[197]
内閣官房長官 菅義偉
委員の御指摘の記事、その部分も含めて、今、今後、朝日新聞社が第三者委員会において徹底した検証を行うということを表明しております。
いずれにしろ、この慰安婦問題について、誤報によって多くの皆さんが悩み、悲しみ、また、日韓関係には大きな影響を与え、国際社会にも日本の名誉が傷つけられたということは事実でありますので、朝日新聞はそうしたことの誤報によってそうしたことを生み出したわけですから、その自覚と責任のもとに、まず検証していくということが必要だろうというふうに考えます。
[198]
次世代の党(日本のこころを大切にする党) 山田宏
国会での審議の場はなかなかないわけでありまして、今報道される状況を聞きますと、社内での報告を最後に社長が退任されるかのような報道もございます。退任されてから国会にお呼びしても、相当期間がたちます。
もちろん、当然、社内ではやりますよ、どこの会社も。しかし、この問題は、今総理がお話ししたように、国の名誉にかかわってきた問題なんですよ。国会でやってくれという声が、かなりの国民の世論調査でもあらわれています。この検証記事では足らない、こう言ってきたことを、例えば日本テレビの世論調査では、朝日新聞社は「訂正・謝罪は評価するが遅すぎる」「評価しない」で87%。謝罪したけれども信頼を回復することができるか、「思わない」というものが60%。産経新聞では、検証は十分だと思わないという回答が70%。
国民のほとんどは、朝日新聞みずからの検証も大事だけれども、国または国際関係に大きな影響を及ぼしたこれまでの32年間について、国会の立場できちっとこれを検証していくということがやはり絶対必要だと私は思うんです。
そこで、ちょっとおさらいをしておきたいと思いますが、まず、このいわゆる慰安婦問題に火をつけたと申し上げましたけれども、これは朝日新聞なんです。世界のどこを見回しても、朝日新聞が最初。
1982年、昭和57年9月2日の記事を、皆さんのところにも資料として提出しております。「元動員指揮者が証言」ということで、この吉田清治さんなる人が、済州島で昭和18年の初夏に、1週間に200人の若い朝鮮人女性を狩り出した、こういう証言を加害者側がしたということでニュースにしました。
しかし、これはおかしいなと思った人たちもたくさんいまして、済州島では済州新聞というのがあるんですけれども、この済州新聞で1989年8月14日に、韓国の新聞が調べまして、こういった報道に大きな衝撃を受けているが、ここでいろいろ調べたけれども、皆、島民たちはでたらめだと一蹴し、ある住民は、そんなことはなかった、250余りの家しか中にないこの村で15人も徴用したとすれば大事件であるが、当時そんな事実はなかった、このように韓国の新聞自体も報道し、それをもとに、秦郁彦先生が1992年に、こういった事実はなかったのではないかと。
その後、日本の各報道機関もこの報道を自重し始めたわけですけれども、朝日新聞だけが相変わらずこの報道を続けました。
そして、1997年、皆さんのところに資料を置いてありますけれども、一度検証してみようということで、97年の3月31日に朝日新聞は、「従軍慰安婦 消せない事実」、政府や軍の深い関与明白と書いて、その中の記事に、済州島の人たちも、この吉田氏の著述を裏づける証言は出ておらず、真偽は確認できていないと。真偽は確認できないと朝日新聞はここで認めたにもかかわらず、取り消さなかったわけですね。
普通、真偽が確認できない事実は書かないというのが普通じゃないですか。真偽が確認できないのに書くというのは、これは偏向報道でしょう。誤報じゃないですよ、偏向しているんですよ。真偽の確認をしていないと自分で認めながら、確認していないものを取り消さないなんて、こんな報道機関がありますか。誰だって、それはおかしいと思いますよ。だから、私は、誤報、誤報とおっしゃるけれども、これは誤報じゃない、偏向だ、偏向報道だ、こう思うんですね。
偏向とは何か。ウィキによりますと、「偏向報道とは、例えばある特定の事象について複数の意見が対立する状況下で、特定の立場からの主張を否定もしくは肯定する意図をもって、直接的・間接的な情報操作を行うといった報道のことである。」まさにこれじゃないですか。ちゃんとした、意見がいろいろ分かれているにもかかわらず、一方の側に立って報道し続けたんです。みずからも、事実かどうか確認できないと言いながら、さらにそれをずっとそのままにしておいたんですね。
私は、これだけの、報道機関の資格があるのか、こう思いますけれども、この点、総理、いかがお感じでしょうか。
[199]
内閣総理大臣 安倍晋三
この山田委員とのやりとりが果たして朝日新聞で報道されるかどうかということがまあ注目されるんだろう、このように思います。つまり、報道機関である以上、正しく報道する、正確に報道することが求められているんだろう、このように思います。
真偽が明らかでない。かつて、故中川昭一議員と私がNHKの報道に対して圧力をかけたという報道があったわけでありますが、その後、中川昭一さんはその番組の前に会った事実がないということが明らかになり、そして、私も呼びつけたと言われていたんですが、そういう呼びつけた事実はないということが明らかになったわけでございます。あのときも朝日新聞は検証記事を書いたんですが、事実は明らかにならなかったという結論であります。そういう意味におきまして、やはり報道機関として信頼性というのは大切ではないだろうか、このように思うわけであります。
民主主義がしっかりと健全に機能する上においては、報道の自由、極めて重要であろうと思います。であるからこそ報道機関の責任は重たいのではないか、このように思うところでございます。
[200]
次世代の党(日本のこころを大切にする党) 山田宏
まず、この総理と私のやりとりを朝日新聞が報道するかどうか、そこがやはり一番ポイントだろうと思います。テレビを見ておられる方も、よくあしたの新聞を見ていただきたいというふうに思います。
官房長官は、まず新聞社の方で、第三者機関でとお話ありましたけれども、こういう新聞ですから、やはり一方で国会でやっておかないと担保にはならない、私はこういうふうに思うんですよ。
そこで次の、今、吉田証言というのは、私が強制連行したという加害者側の初証言を報道したものでした。次に、被害者側も出てきたぞというのを出したのが、1991年8月11日のこの記事です。これも朝日新聞が世界で初めてです。
この中で、読むのは大変ですけれども、ある慰安婦の方がやっと重い口を開いたということで、その記事を書いているわけですが、ここの中で、最初の1行目、女子挺身隊の名で戦場に連行され、日本軍相手に売春行為を強いられた朝鮮人従軍慰安婦のうち、一人がソウル市内に生存していることがわかり云々、こうなっているんですが、女子挺身隊の一人、こう書いてあるんです。ここの女性は、後で金学順さんということがわかります。韓国語で言うとキム・ハクスンさんですね。わかるんですけれども、この方は、その後裁判を起こす、または、その後韓国の報道機関のインタビューにも答えていますが、一度も女子挺身隊の一人などということを言ったことがないんです。
朝日新聞は、なぜこれを女子挺身隊の一人と断定したのか。本人が何も言っていないんですよ。女子挺身隊の一人などと断定する理由があったのか。これを朝日新聞は、誤用と、慰安婦と挺身隊は当時混同されていたところもあるというふうに言っておりますけれども、誰でも、日本人だったら、こんなもの混同している日本人なんか、まともな人はおりません、当時は。そうにもかかわらず混同したと言いわけをしているわけですけれども、私はこれこそ記事の捏造ではないかというふうに思っているわけですね。
これも、本人が言ってもいないことを書くというのは、これは捏造以外何物でもないというふうに思うんですけれども、そういった事態をもたらしてきたということについても触れておきたいと思います。
そして、この挺身隊という捏造記事、91年の8月11日の後、92年1月11日に朝日新聞は、慰安所、軍関与を示す資料が出たなどという大きな記事を書きましたが、これは、軍の名前をかたって違法な募集をしている、またはだまして連れていくという事件が朝鮮半島では横行していましたから、それを、そんなことをやったらだめだということを、ちゃんと取り締まれということを言った文書ですが、問題は、この内容よりも、その下に朝日新聞が記入した従軍慰安婦の解説なんです。「多くは朝鮮人女性」と書いてありまして、最後の方、「太平洋戦争に入ると、主として朝鮮人女性を挺身隊の名で強制連行した。その人数は8万とも20万ともいわれる。」ここで初めてこの20万という数字を出しました。
さて、この20万という数字、強制連行、そして性の相手、それは、さっきの慰安婦の銅像を見てください、ここに書かれていることと同じですよ。
なぜ20万なの。いや、朝日新聞が言ったからです。それから、なぜ強制連行なの。朝日新聞がこの記事を出したからです。そして、性奴隷状態、こういうふうに。ここに至るまで、この銅像に至るまで、全部朝日新聞の記事なんですよ。
ですから、やはり、取り消すというだけで、誤報でした、読者の皆さんにおわびしますだけでは、とてもではないけれども、国会の責務を果たしたことにはならないのではないか、こういうふうに考えております。
ちょっとお話ばかりで申しわけないんですが、この朝日新聞の、彼らが言う誤報、私に言わせれば偏向報道であり捏造記事というのはどういうことをもたらしたかということを、93年3月の文芸春秋で、盧泰愚大統領の対談記事を出しています。そこの記事を読みます。
盧泰愚大統領が、これは浅利慶太さんからの質問に対して、「先般からの挺身隊問題についても、」というふうに書いていますが、これは慮泰愚大統領ですよ、当時の韓国大統領のインタビューです。
実際は日本の言論機関の方がこの問題を提起し、我が国の国民の反日感情を焚きつけ、国民を憤激させてしまいました。そうなると韓国の言論も、日本は反省していないと叫び、日本に対して強い態度に出ない政府の対応はひどいとさらに感情論で煽ってきます。
とにかく、もっと両国の言論に携わる識者の人々が冷静になり、反省し、悟らねばならないと私は強く思います。
これは韓国大統領の言葉なんですよ。日本の言論機関が韓国の国民に火をつけた、たきつけたと言っているわけですね。
私は、そういったことを見ておりますと、この結果、結局、河野談話を出さざるを得なくなった。
いや、河野談話には吉田証言は根拠になっていないじゃないかと朝日新聞は書いておりますけれども、根拠にはなっていません。大体、河野談話の根拠なんかないんですから、そもそも。河野談話のもとになる強制性を示すような証拠は見つからなかった。しかも、被害者の証言についても裏づけもとっていない。そして、さらに、加害者もこういった状況。
河野談話は関係ないですよ。ただ、河野談話はそういう根拠なく書かれた政治文書ではあるけれども、河野談話を出さざるを得なくしたのは主に朝日新聞の責任だというふうに考えるんですね。
そういった意味で、私は、河野談話は、当然ながら、吉田証言なんかは根拠にしていません。根拠になっているものは何もない。何もない中で、日韓関係を何とかしようと思った方々の中で、善意ではあっても、石原信雄さんがおっしゃったように、何とかしたいという思いでつくった作文でしたよ。しかし、結局、今、裏切られる形になりました。
今まで、私は、そういった意味で、朝日新聞の木村社長をぜひ、検証されたことはよかったと思うが、しかし、まだまだ不十分、ぜひ国会に出てきて、盧泰愚大統領がお話しになったこともあり、日本国民、そして韓国国民にも、そして誤解をされている世界じゅうの人々にこの国会の場でお話しをする以外、朝日新聞の新聞の紙面でやったってしようがないんですよ。国会に出てきてやっていただくということが大事と考えますが、総理の御所見を伺います。
[201]
内閣官房長官 菅義偉
この件については、やはり国会で判断をしていただくことだろうというふうに思います。
平成26年10月17日 衆議院 文部科学委員会
[014]
自由民主党 義家弘介
まず、ことし8月5日朝日新聞、昭和57年にスクープとして報道した、戦時中動員部長だったと自称する吉田清治氏の講演内容として、済州島で200人の若い女性を狩り出した、いわゆる慰安婦狩りが報道されました。以後16回にわたって報道してきた証言を虚偽として取り消しました。吉田氏自身は平成8年にフィクションだったと認めているわけですけれども、それについて、ことし、ようやく虚偽であったと認めた。
しかし、この報道の大きさははかり知れないものでありまして、例えば、朝日新聞、平成3年、植村隆元記者のスクープ記事として、戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられていた朝鮮人慰安婦のうち一人がソウル市内に生存していることがわかったなどのスクープ記事も含めて、さまざまこの報道を重ねてきたわけです。
このいわゆる慰安婦問題は、河野談話、村山談話、そして国連人権委員会で、今一部の変更を求めているクマラスワミ報告が採択され、米国の下院では対日批判決議がされ、韓国との不幸な関係だけではなく、性奴隷、慰安婦強制連行というのが世界じゅうに拡散してしまっている状況であります。
官邸、政府も、来年度、国際広報予算をさらにふやして正しい情報発信に努めていくという議論が行われているようですが、当然、世界に対してはしっかりと発信しなければなりません。
しかし、国内、とりわけ教育現場で早急に正さねばならないものがあります。その一部の副教材並びに子供たち必須の辞書における記述について質問いたします。
資料1をごらんになってください。
この本は、去年の3月、明石書店から出版された、広島県教職員組合、これはさまざまな問題のあった教職員組合で、歴代文部科学省も行って、正常化に向けた努力をしてきているところであります。そして、この広島県の高等学校の組合の教師と韓国の全国教職員労働組合大邱支部の教師たちが共同で作成した歴史の副教材であります。
この前書きには、国家と民族を背負わず、事実をもとに客観的な歴史を記述することを原則としてつくられたものであるというふうに前書きにも書かれておりますが、この中で慰安婦の問題も取り上げているので、抜粋して読み上げます。
日本軍は、朝鮮の女性たちを日本軍慰安婦として戦場に連れていき、性奴隷としての生活を強要しました。中略。皇軍慰安婦、皇軍将兵への贈り物として望ましいのは朝鮮女で、しかも若いほどよい(15歳以下が望ましい)という軍医の報告により、朝鮮人女性が軍事物資として犠牲になったのです。慰安婦の証言によれば、役人や警察、軍人が暴力的に拉致していく場合もあったそうです。その対象になったのは、ほとんどが10代の若い女性たちで、中には11歳の女性もいました。
これが、日本の先生方と韓国の先生方とが共同研究を繰り返して出された副教材なんです。後書きにも書いてありますが、多くの先生に読んでもらい、多くの生徒たちにも学んでもらう。これは、慰安婦の問題だけではなく、さまざまな大変な記述が書かれている副教材であります。
こういったものが学校に持ち込まれ、そして子供たちが犠牲になっていると私は思います。
未来は、日本の子供たちと韓国の子供たちが真に信頼関係に結ばれて、友好関係に結ばれてアジアの発展をともにつくっていかなければならないのに、一部の偏向したイデオロギーを持つ者がこのようなものをつくり、子供たちに持ち込み、その未来をも壊してしまうようなこういうイデオロギー活動をしていることが、私は許せない思いでいっぱいであります。これも、具体的に広島から私に届けられてきた声であります。
同じく、子供たちと学生に欠かせない辞書について、社会科の教科書だけで論じているとここまでなかなか議論がいかないわけですが、大変重要な問題です。
国会図書館に依頼しまして、最新の国語辞典における慰安婦及び従軍慰安婦についての記述について調べました。幾つか抜粋して報告します。
日本国語大辞典第2版、小学館。慰安婦、第二次世界大戦中、戦地で将兵の慰安を目的に売春させられた女性。強制的に連れていかれた者が多かった。従軍慰安婦、日中戦争、太平洋戦争中、戦地で将兵の性的欲求に応ずることに従事した女性。
世界では、慰安婦は、第二次世界大戦中に慰安を目的として売春していた者と言われています。従軍慰安婦というのは日本だけの言葉であります。もともと従軍看護師とか従軍医師とか従軍記者がありましたが、従軍慰安婦というものはないんですね。これは戦後つくられた造語でありまして、従軍慰安婦を引けば、これは日本だけがヒットする。これが辞書の実態であります。つまり、コンフォートウーマンとセックススレーブの違いになっているわけです。これは国内の辞書の問題です。
さらに、大辞林第3版、三省堂。慰安婦、日中戦争や太平洋戦争中、朝鮮などアジアから集められ、戦地で日本軍将兵の相手になることを強要された女性たち。従軍慰安婦。
続いて、辞林21、三省堂。従軍慰安婦、日中戦争や太平洋戦争中、日本軍によって強制的に連行され、日本軍人を相手に売春行為を強いられた女性。大半は朝鮮人女性であるが、そのほか、中国、日本、台湾、フィリピン、インドからも動員された。
さらに、朝日とともに、戦後、進歩的文化人なる者にもてはやされた、辞書といえば広辞苑。岩波書店広辞苑の第6版。従軍慰安婦、日中戦争、太平洋戦争期、日本軍によって将兵の性の対象となることを強いられた女性。日本軍により強制連行されたというのが広辞苑に、今最新版に書いてあるわけですよ。
ちなみに、この広辞苑の60年の慰安婦、従軍慰安婦の記述の歴史をひもとくと、朝日新聞の記述がいかに関係があったのかということが非常にわかりやすく見えます。
広辞苑の第1版が出たのが昭和30年5月25日でありますけれども、第1版では、慰安という索引で慰安婦があります。元戦地の部隊に随行、将兵を慰安した女、のみが書いてあります。
続いて、昭和44年に第2版が改訂されています。記述は同じです。
続いて、昭和51年、第2版の補訂版が提出されています。以前は、将兵を慰安した女という表現でしたが、補訂版では、将兵の慰安をする女性に変わりました。
そして、昭和57年、まさに朝日新聞の慰安婦狩り報道があったわけですけれども、第3版についても変わりませんでした。
しかし、この間、次から次へと従軍慰安婦、強制連行の報道がなされていった結果、第4版、平成3年11月5日に初めて従軍という言葉と従軍慰安婦という言葉が広辞苑に登場いたしました。日中戦争、太平洋戦争期、日本軍によって将兵の性の対象となることを強いられた女性。多くは強制連行された朝鮮人女性。
このような動きの中で、平成3年12月10日、韓国が日本政府に対し真相究明を求め、河野談話、村山談話、そして国連の決議等々へと続いていったわけです。
広辞苑の第5版、平成10年も同様の記述です。
ちなみに、平成19年、第一次安倍内閣によって、政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を示すような記述も見当たらなかったという答弁書が閣議決定されておりますけれども、その閣議決定された後の広辞苑第6版、平成20年1月11日版。従軍慰安婦、日中戦争、太平洋戦争期、日本軍によって将兵の性の対象になることを強いられた女性。軍による強制連行ということが辞書の索引の中に出ています。
辞典、辞書は子供たちの学習にとって必須の学習教材でありまして、仮に、日本の子供たちだけではなくて、ようやく平仮名を覚えた外国人が日本を調べるためにも必須の教材であります。対外的な発信だけではなく、このような子供たちが必ず使う教材においての間違った記述というのも我々は目を配っていかなければなりません。特定の、先ほど言ったような教職員組合の人たちが、政府はそんなことを言う、朝日新聞はそんなことを言うけれども、おまえ辞書を引いてみろ、ほら辞書に載っているだろうなんということになってしまっては、これはまさに本末転倒であります。
ですから、こういう副教材に対して、より文部科学省が目を向けて、実態がどうなっているのか。例えば私が言ったこのようなのは、そこまで調べ切れないと言うかもしれない、教室で配ったプリントだけでは調べ切れないと言うかもしれません。しかし、少なくとも辞書、これは全ての子供が使うものですから、こういうものに対しての記述についてのしっかりとした目配り、そして出版各社の努力、これを求めたいと思います。
平成27年01月29日 衆議院 予算委員会
[031]
自由民主党 稲田朋美
御承知のとおり、朝日新聞が虚偽と認めた吉田証言があるわけでありますけれども、この吉田さんは国の法廷にも出てきておられたわけであります。そして、国の法廷で証言台に立ったんですが、全く国の代理人は反対尋問もしない、事実関係も争わないんです。戦後補償裁判について、戦後補償裁判というのは、戦時中の日本の非道な行為によって損害を受けた、そういう裁判ですけれども、そういう事実について全く争わないどころか認否すらしない、証人に対して反対尋問の一問もしない。
事実はどちらでもいいんだ、法的に勝てさえすればいいというのがずっと今までの訴訟の方針で、そして、裁判では争わないことは事実なんです。弁論主義、当事者主義がありますから、裁判では、争わなければ、それが事実として判決の理由中に書き込まれてしまうということが、非常に日本の名誉を毀損してきたわけであります。
その結果、今大変懸念すべき事態がアメリカで起こっておりまして、党の中の、中曽根委員長のもとで、日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会でも取り上げたんですけれども、アメリカのマグロウヒル社の教科書。
これはアメリカのカリフォルニア州の公立の高校で使われているわけでありますが、慰安婦に関して、軍用売春宿で働かせるために、最大で20万人にも及ぶ14歳から20歳までの女性を強制的に募集をしたんだ、そして、それらは天皇からの贈り物だということで軍隊に供用したんだと。
そして、この売春サービスに強制的に組み込まれた慰安婦の方々は、多くが殺害をされて、そして、戦争の終結に当たっては、慰安婦活動をもみ消すために多数の慰安婦が殺害されたという、全く事実に反する、虚偽の、日本の名誉を毀損する、私たちの先人が強姦、殺人、誘拐犯の集まりだということをアメリカで教えられております。
南京事件についても、日本軍は2カ月以上にわたって、7000人の女性を強姦して、数10万人の非武装兵士と民間人を殺害して、40万人の中国人を殺したという、東京裁判にすら書かれていないことがアメリカの教科書で教えられているわけであります。
これは決して過去の問題ではなくて、私は、現在進行形の、例えばアメリカにいる日本の子供たちの人権が侵害されているものだというふうに思っております。
こういう事態に立ち至った一つの原因が、やはり、繰り返される戦後補償裁判で、国が全く事実関係を争わず、それが全部判決の中に書き込まれ、そして、それが権威のある日本の裁判所の判決の中の事実認定だというところに大きな原因があると思います。
しかも、法律論で日本では勝っても、今や韓国の最高裁判所が、日本の植民地支配を正当化するようなことを前提とした日本の裁判はもう無効だということで、新たに韓国で、日本の、今度は企業が訴えられて敗訴するといった事態が韓国でも中国でもあり、それが、日本の裁判所の判決の理由中に書かれたその事実認定を全く争わないがために、虚偽の事実が書かれている判決が重要な証拠になっているということを私は見過ごすことができないんです。
法務大臣にお伺いをいたしますが、今回、この訟務局をつくることによって、そういった対応が是正されるのかどうか、そして国の名誉を守るための訴訟活動ができるのかどうかについて、お伺いをいたします。
[032]
法務大臣 上川陽子
御指摘のいわゆる戦後補償に係る訴訟に関してでございますが、日韓請求権協定や日華平和条約等によって解決済みで、原告らの請求に理由がないことが法的に明らかであるということが大変多いということもございまして、これまでは御指摘のような訴訟方針をとってきたものというふうに理解をしておるところでございます。
もっとも、今般の訟務局の新設によりまして、みずからの体制を整備して、その能力をより一層向上させるとともに、先ほど御指摘ございましたとおり、関係行政庁を強力に指導、統率しながら訴訟対応することを目指していかなければならないというふうに考えております。
そこで、今後、従軍慰安婦訴訟などの我が国の名誉と信頼にかかわる戦後補償に係る訴訟が提起された場合におきましては、戦前の事実でありますので、種々の困難が伴うものとは思いますけれども、事実調査をし、その結果を踏まえ、認否、反対尋問することも含めまして、より主体的、積極的な姿勢で訴訟に臨むことができるように努めてまいりたいというふうに考えております。
[033]
自由民主党 稲田朋美
大変前向きな答弁をありがとうございます。
最後に、総理にお伺いをいたしますが、こういったいわれのなき日本に対する名誉毀損というのは、私はこれを正していくことも国益だというふうに考えておりますし、政治の責務だと思っております。訟務局が設置されることもあり、また外交を通じて日本の正しい姿を発信していく必要があると思いますが、お考えをお伺いいたします。
[034]
内閣総理大臣 安倍晋三
先ほど、この資料、マグロウヒル社の教科書を拝見いたしまして、私も本当に愕然といたしました。主張すべき点をしっかりと主張してこなかった、あるいは訂正すべき点を国際社会に向かって訂正してこなかった結果、このような教科書が米国で使われているという結果になってきた。
国際社会においては、決してつつましくしていることによって評価されることはないわけでありまして、主張すべき点はしっかりと主張していくべきであり、また、現在、日本の名誉に重大な影響を与える訴訟も増加しているのも事実であります。そうした訴訟に対応していくためにも、訟務局を新設し、戦略的にしっかりと取り組んでいきたいと思います。
また同時に、外務省におきましても、外交におきましても、国際社会の正しい理解を得るべく、今後とも我が国の国益の実現に資するよう、戦略的かつ効果的な発信に努めていきたい、このように思います。