吉田清治 吉田証言 ~ 持ち上げて騒ぎ立てた政治家は訂正も謝罪もしていない 1/2

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昭和60年02月14日 衆議院 予算委員会
[325]
日本社会党(社会民主党) 佐藤観樹
そんなことを思いながら一つのことをお伺いをしたいのでありますが、ここに吉田清治さんという方、71歳、今品川区の上大崎に住んでいらっしゃいますが、吉田清治さんという方がいらっしゃいます。現在は強制連行犠牲者遺骨祭祀送還協会の会長というのをやっていらっしゃるわけであります。つまり朝鮮半島から強制連行をしてきた方々の日本に残っている遺骨を祖国へ返したい、そういうことを調査をし、そしてその運動をやっていらっしゃる方であります。

この方は元山口県の労務報国会の動員部長をやられていた方であります。戦後、サラリーマンあるいは団体の役員として過ごされてきたわけでありますけれども、従来ならその過去のことに目をつぶって生きていこうとしたわけでありますけれども、しかしどうしても脳裏に焼きついております記憶を消すことができないということで、若い朝鮮人の男女を泣き叫ぶ中を連れてきたこと、あるいはその泣き叫ぶ声というのが夢の中にも繰り返し出てくる、このままではいけないということで、この吉田さんは過日、一昨年の12月でございますけれども、韓国に渡りまして、天安市にいわば謝罪の碑を建ててきたわけであります。これは新聞では「たった一人の謝罪」というふうに報道され、ここに吉田さんが地べたに手をついて謝っている写真があるわけでありますけれども、天安市に韓国の国立墓地がある、その入り口に日本人の謝罪の碑というのをみずから日本語とハングル文字でつくってきたわけであります。

「あなたは日本の侵略戦争のために徴用され強制連行されて、強制労働の屈辱と苦難の中で、家族を思い、望郷の念も空しく、貴い命を奪われました。私は徴用・強制連行を実行した日本人の一人として死後もあなたの霊の前に拝跪謝罪を続けます 元労務報国会徴用隊長吉田清治」こういう碑をつくってきたわけであります。

(中略)


総理、一体こういった問題というのを日本政府は何にもタッチをしなくていいんだろうか、日本人としてこれは大変恥ずかしいことではないか。確かに法律的には、日韓基本条約なりその他の法律によって、金銭的にはあるいは政治的には解決をしたかもしれないけれども、しかし、戦後政治の総決算を言う前に、戦前に我々の先輩たちが起こしたこういう間違いというものについて、できることがあればやるべきではないか。

法律的な、行政的ないろいろな難しさはあるかもしれませんけれども、何らかの形でこういった強制労働をされた朝鮮人の方々、北も南もありません、そういった方々の遺骨収集ということについて、私は政府が関与すべきであると思いますが、総理はいかがでございますか。

[326]
内閣総理大臣 中曽根康弘
朝鮮半島で日本が行ったことに対する日本人自体の反省につきましては、全く同感であります。

それから、吉田清治さんがおやりになっていることは非常にとうといことであると思います。今初めてお聞きいたしましたので、よく調べてみたいと思います。





昭和60年03月08日 衆議院 予算委員会第一分科会
[276]
公明党 大橋敏雄
きょう私がお尋ねしたいことは、実は去る2月14日の衆議院の予算委員会で社会党の佐藤観樹先生が取り上げられた問題でございますが、私はその問題をもう一歩掘り下げながらお尋ねをしたいと考えておるものでございます。

まず、戦後処理問題の一環といたしまして、道義的といいますか、人道的な立場から極めて重要な課題でありながら、意外といいますか、案外といいますか、取り残されている問題があったのだなと、私は初めてその重要な事柄に気づいたわけでございますが、きょう申し上げます問題の解決というものは、そのまま日本と韓国、いわゆる日韓、あるいはまた日朝両国の友好親善の促進に直結する重要な役割を果たす事柄だろう、このように確信しているものでございます。真剣に取り組みたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

そこで、簡単にその佐藤先生の質問を要約して申し上げてみたいと思うのですが、日本に強制連行された朝鮮半島の人々が炭鉱やトンネル、あるいはまたダム工事等に就労し、過酷な労働を強いられて、過労で死亡したりあるいは事故死などで亡くなった人々が非常に多い、その遺骨がそのまままだ日本国内の各所に散在した形で葬られている、こういうのが一つの質問でございます。

もう一つは、現在東京の品川区に居住しておられます吉田清治という方、この方は元山口県の労務報国会の動員部長を務めた方でございまして、現在は強制連行犠牲者遺骨祭祀送還協会の会長としまして、送還事業の第一線に立たれて苦労なさっている人である。また、この方は一昨年韓国に渡られまして、私費を投じて天安市に謝罪の碑というものをお建てになった。いかに任務とはいえ、自分の責任で当時約6000人という朝鮮半島の方々を強制連行して、おのれのこの戦争犯罪といいますか、そういう思いに対する自責の念から謝罪の碑を建てられた。さらに、在日本大韓民国婦人会中央本部とも覚書を交わされまして、送還事業の協力を求めて、現在真剣に取り組んでおられる方だということであります。

いろいろずっと佐藤先生は述べられたわけでございますが、要するに質問の第1回目は、これほどの重要な問題、事業というものを一民間人にゆだねられているだけでよいのだろうか、政府として責任ある措置をとるべきではないのですか、これが質問の第1だったと思うわけであります。

これに対しまして中曽根総理大臣は、「朝鮮半島で日本が行ったことに対する日本人自体の反省につきましては、全く同感であります。それから、吉田清治さんがおやりになっていることは非常にとうといことであると思います。今初めてお聞きいたしましたので、よく調べてみたいと思います。」非常に吉田清治さんの行為を高く評価した上で、重大な関心を持たれたというのが最初の御答弁であると思うのでありますが、この問題について官房長官はどのように受けとめられているか、初めにお尋ねしたいと思います。

[277]
内閣官房長官 藤波孝生
お話を承りまして、関係省庁でよく連絡をとり合って実情がどうなっておるか、また、この問題にどのように対処をしていったらいいかということにつきましてよく相談することがまず大事である、こういうふうにお答えを申し上げてきたところでございます。

現在、事務当局に命じまして、関係省庁にその旨を連絡をして、政府としてこの問題の実情の把握と、どう対処するかということの相談を進めるということについて、関係省庁でよく協議をして進まなければならぬ、このように指示をしてきておるところでございまして、現在、実情の把握なり、これにどう対処するかということについての相談を進めておる、これが今の政府の実情でございます。





平成04年02月19日 衆議院 予算委員会
[259]
日本社会党(社会民主党) 伊東秀子
次に、なぜ彼女たちが、どういう形で連行されてきたかということでございますが、ここに大変重要な証言をなさっている方がございまして、吉田清治さんという方でございますが、彼は戦時中、山口県の労務報国会下関支部の動員部長であった方でございます。彼自身が約1000人近くの女性を下関から、朝鮮人の女性を従軍慰安婦に強制連行した。

そのときの実態としては、10人か15人がまず、吉田さんの部下ですね、10人か15人が朝鮮半島に出張する。総督府の50人あるいは100人の警官と一緒になって村を包囲し、女性を道路に追い出す。木剣を振るって若い女性を殴り、けり、トラックに詰め込む。1つの村から3人、10人と運行して警察の留置所に入れておき、予定の100人、200人になれば下関に運び、下関からその必要とされる中国やあるいは仏印と言われるようなところ、あるいはフィリピン、あらゆるところに送ったということを証言しているわけでございます。そのときには、小さな子供を抱える母親もいた。子供たちが泣き叫ぶ、お母さんと言って泣きつくのをけ散らかして女性を連行していったということを証言しておられますし、これは今裁判になっておる原告の方々も同じことを言っているんですね。

この原告のAさんの場合は、お嬢さん、お金を稼ぎに日本に行かないか、倉敷の軍服をつくる工場へ行けばお金を稼げるし、ミシンも買うことができるよと言われて、そして半強制的に埠頭に連れていかれた。そして船に乗せられた。それからもう自由はなくなった。で、数日後に軍の輸送船に乗せられてラバウルに到着した。ラバウルから教会に連れていかれて、そういった女性が20人ぐらいいるところに連れていかれ、性行為を強いられた。嫌だというふうに拒否したところ殴られた。もう逃げることはできなかった。そういうことをこの原告の方も訴えておられます。

さらには、1月の14、15、16、大変日韓問題にまじめに取り組んでおられる市民団体の方が従軍慰安婦1110番というものを設置されたところ、3日間に230件、3台の電話は鳴りっ放しだったと言われておりますが、そこに寄せられた言葉の中にも同じようなことはいっぱい出てきまして、例えば旧朝鮮国民学校の元教員だったという方の中には、昭和18年ごろ6年女子のクラスを受け持っていたとき、校長に命じられて女生徒8人を挺身隊員として選別し送り出した。依頼には特に、できるだけ体格がよくて家が比較的貧しい者を選ぶようにと指示があった。当初は飛行機部品作業員の募集と聞いていた。後にそれが慰安婦だということを聞かされて、本当に申しわけないことをしたと思うというようなことが寄せられております。

さらには旧海軍の元少年飛行士という人の証言の中には、昭和19年4月中旬、南方への移動の途中で仲間と下関の旅館に泊まった。朝鮮人の若い娘さん3、40人が泣いていたので事情を聞いたら、挺身隊として飛行機をつくったり鉄砲の弾をつくって日本人と一体となって働けるという、喜んで日本に来たのに、これから南方に連れていかれて慰安婦にさせられると泣いていたという、そういう証言も寄せられております。

これについて首相はどういうふうに、連行の事実についてはどういうふうに認識しておられるのでしょうか。

[260]
政府委員(内閣官房内閣外政審議室長兼内閣総理大臣官房外政審議室長) 有馬龍夫
御指摘になりました吉田氏の著書の存在でありますとか、今の御紹介になりました一部の方々が話しておられるというようなこと、全部ではありませんけれども私ども捕捉いたしております。

いずれにいたしましても、従前から御要請に応じて政府としては内閣官房が調整しながら、我が国政府がいわゆる朝鮮半島出身の従軍慰安婦の方々の問題にいかように関与してきたかは調査しているわけで、それを続けているわけであります。

それから、今最後に御指摘になっておられますようなことは私どもが今調査しているこの段階ではこれを示唆するものはございません。

[261]
日本社会党(社会民主党) 伊東秀子
強制連行の実態、慰安婦をどういうふうにして連れ出してきたかはまだ資料は見つかっていないということでございましたが、ここに日本の中にも、あるいは韓国に慰安婦と名のり出ている方々がもう10数人になっているというわけでございますが、ぜひその調査をすべきではなかろうか。韓国政府に対して宮澤総理は誠実なる調査ということを約束なさいました。

そこで私は、どのような形で慰安婦の方々が戦地に送られたかということを明らかにするために、今紹介いたしました吉田清治さん、この方をこの国会において参考人としてお呼びすることを申請いたします。





平成04年03月21日 参議院 予算委員会
[092]
日本社会党(社会民主党) 清水澄子
そしてまた、きょう参考人としてお願いをした元山口県労務報国会動員部長の吉田清治さんなどは、本当に非常に具体的な体験を持っていらっしゃるわけです。

それからまた、今名のり出ている元従軍慰安婦の方々からの事実関係というのは参考になります。その方々の話を聞きますと、まるで私どもは慰安婦という仕事だけかなと思っていましたけれども、お伺いしますと看護婦の仕事もさせられた、しかも赤十字の帽子をつけて、それをかぶらされて1カ月間いろんな訓練を受けて看護婦もやらされたという報告も聞いております。ですから、そういう実際に体験した方から事実関係のヒアリングを私は積極的に行っていく、そういう姿勢がなければ本当の実態は解明できないと思うわけです。





平成04年04月01日 参議院 予算委員会
[312]
日本共産党 吉川春子
私、ひきょうだと思うんですよね。労働省が私にこの本を教えてくれたんじゃないですか。「消された朝鮮人強制連行の記録」という本があります。この中に元山口県労務報国会動員部長吉田清治さんという方の記録が載っているわけですけれども、その中にこういうふうに書いてあります。

朝鮮人への迫害の歴史的記録は残っていない。公式記録や関係文書は、敗戦直後に内務次官通牒に基づいて、全国都道府県知事の極秘緊急命令書が、各警察署長あてに送達されてきた。私が関係した山口県労務報国会下関支部の場合は、当時の下関警察署特高係の署員を指揮して、完全に焼却した。その中にはもちろんすべての徴用関係書類と、朝鮮人勤労報国隊出陣記念写真もあった。

こういうふうに言っているんですけれども、こういうことも御存じないですか。

[313]
政府委員(労働省職業安定局長) 若林之矩
そういった書籍がございまして、そういった記述があることは私ども承知いたしております。

[314]
日本共産党 吉川春子
この通牒は戦後なんですね。戦後の文書も残っていないというのはどうしてでしょう。

[315]
政府委員(労働省職業安定局長) 若林之矩
御承知のとおり、労働省は昭和22年に発足いたしたわけでございまして、こういったような徴用関係の事務所掌というものは労働省に引き継がれていないわけでございます。もとより私どもこれまでもいろいろな形で倉庫その他の文書を調査もいたしましたけれども、そこにございませんし、また所掌上もそういったようなことになっているわけでございまして、御理解を賜りたいと存じます。

[316]
日本共産党 吉川春子
政府は、現在はそれでは自分に都合悪い公文書でもきちんと保管して後世に引き継ぐようにしているんですか。間違っても証拠隠滅で焼却してしまうようなことは法律で禁止しているんですね。

[317]
内閣官房長官 加藤紘一
政府は公文書はきっちり保存してございますし、それで機密の保持の観点から公表してないものもあります。しかし、それを廃棄するとかということは現在の仕組みの中ではないと理解いたしております。

[318]
日本共産党 吉川春子
防衛庁、外務省、こういう書類をきちっと保護して、焼却してはいけないというような禁止する法律などありますか。

[319]
防衛庁長官 宮下創平
防衛庁におきます公文書の保存、管理についてのお尋ねでございますが、これにつきましては、これは訓令を設けて整理しておりますけれども、重要なものは永久、その他のものについてもそれぞれの文書の重要性を勘案しまして、5年、3年、1年と期限を定めて保存することといたしております。有期限の保存文書につきましては、保存期間を経過してもなお保存する必要があるというように認められた場合にはその期間を延長ができますし、その必要がないと認めたときは廃棄を命ずることができるようになっております。

防衛庁におきましては、法律、政令等の制定改廃に関するものや、一般命令、通達で特に重要なもの、その他特に永久保存の必要があると認めるもの等は永久保存することといたしておりまして、恣意的に文書を焼却とか廃棄するようなことは現在いたしておりません。

[320]
内閣官房長官 加藤紘一
先ほどの私の答弁がちょっと足りなかったと思いますが、防衛庁長官のおっしゃいますように、それぞれの各省庁で書類の性格により保存期間が定められて、その期間は保存されるということだと思います。

[321]
日本共産党 吉川春子
永久保存の極秘文書は全部焼却されたんですね。そして、今もうこれを各省に任されていて、それを禁止するような法律的な措置は何もないんです。

この問題は別の委員会で引き続き取り上げていきたいと思いますが、強制運行によって従軍慰安婦にさせられたことは否定しようもない。そして、しかも自分で書類を全部焼却しておいて、証拠が出るまで認めないということはもうけしからぬことだと思うんです。

とりあえず、日本政府がこの問題の関与を認めたのならば、次の質問に移りますが、何らかの補償をすべきではありませんか。

[322]
政府委員(外務省条約局長) 柳井俊二
日本国政府が当時関与したという前提に立つ場合におきましてその補償の問題はどうかということでございますが、これは御承知のことと存じますので長くは申しませんけれども、韓国との関係につきましては、昭和40年の日韓請求権・経済協力協定におきましてこの請求権の問題を処理したわけでございます。これも御承知のとおりでございますが、結論的にはその第2条におきまして、このような請求権あるいは財産、権利、利益というような問題は日韓間では完全かつ最終的に解決されたということが規定されているわけでございます。

[323]
日本共産党 吉川春子
外務大臣、今の論議はちょっときょうは時間がないのでしませんが、何らかの償いをすべきだと思いますが、いかがですか。

[324]
外務大臣 渡辺美智雄
これは私はかねて答弁をしておるんですが、日韓両国の間では、国家間においてはこれはもう論争をすることはないんです。完全かつ最終的に解決がすべてついております。しかしながら、政治問題として、人道問題として騒ぎが起きておるわけでございますから、これについては政治的な配慮のもとで解決するための何らかのことを考えなければなるまいな、そう考えております。

[325]
日本共産党 吉川春子
官房長官、政府は関与を認めておられますが、総理は補償については裁判の経緯を見るとおっしゃっています。

そしてその後、渡辺外相が政治的な配慮を行うという答弁を衆議院の予算委員会でもされておりますが、これは政府として裁判待ちでなく何らかの政治的な判断を、配慮をする、こういうふうに受け取ってよろしゅうございますか。

[326]
外務大臣 渡辺美智雄
私は、具体的にどうするこうすると言っているんじゃなくして、要するに政府間政府はそれはすべて解決済みと。しかしながら個人が日本の裁判所に訴え出ることまで拒否するということはできません。それは個人の補償を求めて裁判に出ているわけですから、その個人の補償問題というのは裁判で決着をつけてもらわなけりゃなるまい、さように考えております。

しかし問題は、それじゃ裁判に出ている人だけが慰安婦だったのかということになりますと、その数は非常に少ない数でございまして、こういうような者が他にあっても訴えて出るような性質の方は私は少ないんじゃないか。例えば遺族とか何かが残っておっても、うちの係累のだれだれがこうだったというようなことで裁判に出てくるケースというものは、私は皆は出てこないと。また、政府が仮に名のりを上げてくれと言ったからといって、名のり出るというケースは実際問題として私はそう多いとは思っておりません。したがって、なかなか個人の補償というのは難しいだろう、しかしながら何らかのことはやはりする必要があるんじゃなかろうか、そういうことを言っておるのであって、これは総理の答弁と少しも食い違いはありません。

[327]
日本共産党 吉川春子
そういたしますと、政府として裁判の経緯待ちではなくて、今のようなことも含めて何らかの政治的な配慮をする、これが内閣の方針である、このように受け取ってよろしゅうございますか。

[328]
外務大臣 渡辺美智雄
内閣としてそういうことを閣議決定したわけではありませんから内閣の方針とは言えないかもしれませんが、しかし、調査をもう少しやってみて、どれくらいの規模でどんなふうな形態であったのかということについては、これは私は韓国だけではないんじゃないかと。もちろん内地からも、日本からもたくさん行っているわけですから、そこらのところをどうするかですね。

しかし、今問題が表面化しているのは、裁判に出ている方、または一部韓国の世論も日本の世論もありましょうが、どういうふうにするかについてもう少し実態がわからぬとなかなか結論が出ない。したがって、鋭意その実態を正確に調べているというのが現状であります。

[329]
内閣官房長官 加藤紘一
総理大臣もただいま渡辺外相がおっしゃられたとおりの気持ちでおります。





平成09年03月18日 参議院 予算委員会
[060]
自由民主党 板垣正
いろいろ言われましたけれども、一番の問題点は、そもそもこのいわゆる慰安婦問題、これに火をつけたのは、吉田清治と称する全く無責任な男が、済州島で200人も文字どおりの強制連行をやったという本を書いて、これがマスコミにも載る、韓国でも出されるという中で大きな問題になる。あるいは、人権運動家と称する人たちが韓国に乗り込んでいって、訴訟しなさい、訴訟費用は持ってあげますよというような形で始まったわけですね。つまり、あの厳しかった日韓基本条約を結んだときの論議のやりとりの中にもこの問題は出てきておりませんよ。

いずれにしましても、そうしたことで初めて軍、政府がこれに関与をして、謝罪をいたしますと言って認めましたのが平成4年1月、宮澤内閣のときの官房長官、このときは加藤官房長官ですね。いろいろ調べた第一次の調査を発表されたのが平成4年7月6日。このときの加藤官房長官は、強制連行を裏づける資料はなかった、広い意味における関与はありましたが、強制連行はありませんと。裏づける資料はなかった。

ところが、その1年後、これが問題の平成5年8月4日、河野官房長官談話によって強制連行を事実上認めると。なぜ変わったかという点ですよ。ここがポイントなんですね。この決め手になったのが、これをめぐって最近本院における小山議員、片山議員等の論議、やりとりもございましたし、また産経新聞の石原元官房副長官とのやりとり、あるいは櫻井よしこさんがこれまたインタビュー記事で綿密にこの問題点を言うなれば追跡して明らかになってくる。つまり、慰安婦の強制連行を証明する客観的な資料はない。あるいは平成5年7月に行われた元慰安婦16人への聞き取り調査、その裏づけ資料もない。にもかかわらず、なぜ強制連行が認められたか。

これについて、当時の資料によりますと、つまりは強制連行を日本側が認めてくれれば元慰安婦たちの名誉は回復されるんだと。当時の韓国駐在日本大使も、元慰安婦の名誉回復のため、強制連行だったと日本政府が認めることが第一条件だと。さらには、石原さんが産経のインタビューに答えて、外政審議室には連日、慰安婦訴訟の原告団や支援団体のメンバーが詰めかけ、関与を認めただけでは決着しないと自分も思った、韓国側も納得しなかったと。つまり、16人の聞き取り調査を取っかかりにして、その証言だけで結論に持っていったことへの議論があることは知っておるし、その批判は覚悟し決断をしたのだから弁解しないと、こう石原前副長官が言っておると。つまりは、名誉を守るために、ここで、相手の名誉を守ると言われるその要求に対して、それを認めるならばこれがおさまるだろう、何とかこの問題はおさまるだろうと。これがいろいろ経緯があってこの発言となった。平林室長、そういうことじゃないですか。

[061]
政府委員(内閣外政審議室長) 平林博
ただいま先生の引用なさったインタビューというんでしょうか御発言については、政府としては御本人に正確に確認しているところではないのでございますが、当時韓国側に対しまして、その後の韓国側の反応がポジティブな、積極的なものである方がいいという配慮のもとに事前に当方の意図するところを通報したということは直前にあったと聞いておりますが、韓国側と協議をする性格のものではもとよりございませんし、また韓国側の反応によって基本的な事実関係をゆがめたり政府としての見解の根本を変える、そういうことはなかったというふうに考えております。一言で申し上げれば、韓国側と協議をしたり交渉したりといったぐいの性格のものではなく、事前に通報してできるだけポジティブな反応が出るようにという働きかけをやったものというふうに伺っております。





平成09年05月27日 衆議院 決算委員会第二分科会
[098]
自由民主党 安倍晋三
先ほど申し上げましたように、特にことし、中学の教科書、7社の教科書すべてにいわゆる従軍慰安婦の記述が載るわけであります。この問題に絞って幾つか質問させていただきたいと思うわけであります。

私も従来から我が国の歴史教科書の記述については問題点が多いな、こう思っておりました。しかし、この従軍慰安婦の記述については余りにも大きな問題をはらんでいるのではないかと私は思います。これは私だけではなくて、そういう問題意識を持っている議員はたくさんいるのですね。ことしになって、特にこの記述に疑問を持つ若い議員が集まって、日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会というのを発足いたしました。当選5回以下に絞っているにもかかわらず、自民党だけで60名近い議員が集まって、勉強会を既に8回、文部省からも説明要員として御出席をいただいたわけでございますが、勉強会を重ねてきました。それぐらいたくさんの議員が問題意識を持っているということであります。

それはなぜかといえば、この記述そのもの、いわゆる従軍慰安婦というもの、この強制という側面がなければ特記する必要はないわけでありますが、この強制性については全くそれを検証する文書が出てきていないというのは、既に予算委員会、先ほど私が申し上げました小山議員、片山議員の質問の中で、外政審議室長の答弁等々から明らかであります。唯一のよりどころは、16名の元慰安婦の人たちの証言ということでありますが、これはやはり私どもの勉強会におきまして、石原元副長官に講師としてお越しをいただきまして証言をしていただいたわけでございますが、もう既に、これは16名の人たちから聴取をするというときに強制性を認めるということで大体方針が決まっていた。それを否定するというのは、とてもそういう雰囲気ではなかった。これは実際の話としてお話があったわけであります。明らかにこれは外交的配慮から強制性があったということになってこの官房長官談話につながったのだ、私はこういうふうに思います。

そもそも、この従軍慰安婦につきましては、吉田清治なる詐欺師に近い人物が本を出した。この内容がもう既にめちゃくちゃであるということは、従軍慰安婦の記述をすべきだという中央大学の吉見教授すら、その内容は全く根拠がないということを認めております。しかし、この彼の本あるいは証言、テレビでも彼は証言しました。テレビ朝日あるいはTBSにおいてたびたび登場してきて証言をいたしました。また、朝日新聞は大々的に彼の証言を取り上げて、勇気ある発言だということを新聞紙上で扱って、その訂正はいまだかつて一回もしていない。テレビ局も新聞もそうであります。

しかし、今は全くそれがうそであったということがはっきりとしているわけであります。この彼の証言によって、クマラスワミは国連の人権委員会に報告書を出した。ほとんどの根拠は、この吉田清治なる人物の本あるいは証言によっているということであります。その根拠が既に崩れているにもかかわらず、官房長官談話は生き、そしてさらに教科書に記述が載ってしまった。これは大変大きな問題である、こういうふうに思っております。

ただ、それならたくさん教科書があるのだからそういう教科書ばかりにはならないだろうと思っていたら、すべての教科書にこの記述が載ったということであります。当然、中等段階でありますから教科書は無償でありまして、国の予算も教科書全体として435億円ついております。歴史の部分については10億円がついているということであります。

7社それぞれ記述が若干違うわけであります。慰安婦と書いてあったり、従軍慰安婦と書いてあったり、あるいは慰安施設をつくったということでありますが、実態は、最も多く売れている、10億円のうち4億円は東京書籍株式会社であります。この東京書籍に至っては4億円、10分の4ですね。「従軍慰安婦として強制的に戦場に送りだされた若い女性も多数いた。」強制性を堂々と書いております。

そしてまた、次は大阪書籍、1.9億円であります。「慰安婦として戦場に連行しています。」という形で書いてありますが、これは強制性をかなり疑っている、強く示唆しているということではないかと思います。

そしてさらに教育出版社、これは1億8000万円でありますが、「従軍慰安婦として戦地に送り出された。」と書いてあります。

1社だけ、慰安施設をつくったということでありますが、これは清水書院であります。強制性については余り言及をしていないわけでありますが、これは結局3000万円だけであります。10億円のうち3000万円でしかないということであります。

ということは、予算的には多くの、ほとんどの教科書が強制性を疑わせる記述になっているのだ、こういうふうに思います。

問題は、私はこれは採択の現場にもあるのではないかと思うわけであります。我々は、この東京書籍の社長も含めて、教科書会社の人たちを呼んで話を伺いました。彼らが言うには、本音ベースで言えば、こういう教科書をつくらないと教科書を採択してもらえないということでありました。

そのときに、大阪の現場の先生、大阪府の桜丘中学校教諭の長谷川先生にもお越しをいただいたわけであります。彼の証言でありますが、「採択権は現場の教師に実質的には握られている。枚方市では教師が投票し、その投票の上位となった教科書が教育委員会に報告され、それが採択される。」「教科書会社は教育委員会よりも現場教員、その思想傾向におもねるようになる。」ということであります。

日教組の組織率は、今極めて低下をしているわけでありますが、残った先生方は大変先鋭化をしております。そして、思想的な傾向も強まっているわけでありまして、教科書会社は営利を上げるためにみずから内容を社会主義化することによって利益を上げているという大変皮肉な結果になっているということであります。

さらに、この教科書の採択に大きな影響を持っているのが、労働組合、出版労連であります。共産党系の労働組合の出版労連というグループ、これは教科書執筆者がつくっている労働組合でありますが、それが極めて大きな影響力を持っております。そしてもう一つ、大阪の場合は大同協、つまり同和教育研究協議会という部落解放同盟系の組織であります。これらがいわゆる事前チェックを行いながら、こういう傾向でなければ採択はさせないという大きな圧力をかけているというお話が現場の先生から、そういう生々しい証言があったわけであります。

この現場の採択の状況について、文部省は問題点を把握しておられるのでしょうか。

[099]
政府委員(文部省初等中等教育局長) 辻村哲夫
まず、採択についてでございますけれども、若干採択の基本的なルールを申し上げさせていただきたいと思うのでございます。

現在の我が国の教科書の採択制度は、市、郡単位のいわゆる共同採択制度をとっております。これは各県が決めるわけでございますけれども、全国で478カ所ございます。責任はそれぞれの市、郡の教育委員会にございます。

その採択に当たりまして、教育委員会がただ一方的に決めるということではなくて、その中での指導主事さんでありますとか、現場の先生でありますとか、さらにケースによりましては保護者なども加えているケースもあるわけでございますけれども、そういう採択地区協議会というものを設けて、そこでそれぞれの地域の教科書としてどれが一番ふさわしいかということを検討する仕組みになってございます。さらに、専門的な立場から、各教科ごとに専門員、これは現場の先生でございますけれども、置いて、共同の調査研究を実施するというような仕組みになっているわけでございます。

その際に、学校現場の意向等を聴取しつつ、全体として自由に意見を交換し合いながら、最終的には、先ほど申し上げましたように市、郡単位の教育委員会が責任を持って行うというようになっておるわけでございます。

そこで、ただいまの御指摘でございますけれども、私どもといたしましては、そのルールは、それぞれの地域地域に合った教科書が、真に教育的な観点に立ってどれが一番ふさわしいかという形で決定されるということが大切なわけでございまして、そのやり方の逐一につきましては私ども承知していないわけでございますけれども、ただいま申し上げましたような共同採択の趣旨が十分生かされるように、これからも教育委員会に指導をしてまいりたいというふうに思っております。

[100]
自由民主党 安倍晋三
結果として、この従軍慰安婦の記述につきましても、強制性をにおわせ、日本の残虐性を強くにおわしている東京書籍が一番多く採択をされる、慰安所というような緩やかな表現を使ったところは3000万円しか売れないというのが結果であります。結果が実態を証明しているのではないか、私はこのように思うわけであります。

出版労連は、教科書レポートというのを出すわけでありますが、その中に「最新日本史」採択校一覧表というのを載せるわけであります。その中で、自分たちの思想的傾向に合わない教科書を採用した学校には、これはもうみんなで押しかけるわけでありまして、こんな教科書を使う学校には生徒を送らないぞという圧力をかけているということであります。特に、私立学校等は、こういう圧力をかけられますと大変弱いわけでありますから、次々と採択する教科書を変えているというのが現状だと思うわけであります。しっかりその点を文部省もよく認識をしておいていただきたい、こういうふうに思うわけであります。





平成17年03月31日 参議院 文教科学委員会
[008]
民主党(民進党) 神本美恵子
下村政務官は、去る3月6日の都内での講演の中で、歴史教科書から従軍慰安婦や強制連行という言葉が減って良かったという昨年11月の中山大臣の御発言を支持するということをおっしゃったというふうに新聞報道や政務官御自身のサイトの中でも、私も読ませていただきました。

この11月29日の「政務官報告」というサイトの中で、従軍慰安婦、強制連行などの記述が少なくなってきたというのは正しい歴史認識を日本国内できっちりと行うということであるというふうに韓国の国会議員の皆さんに説明したというふうに書かれてございます。

これはどういう意味なのか、その正しい歴史認識というのをどういうふうにとらえていらっしゃるのか、また大臣発言を支持するとおっしゃったことは事実なのか。もう時間ありませんので、簡潔に御答弁お願いします。

[009]
文部科学大臣政務官 下村博文
お答えしたいと思います。

簡潔にそれではお答えさせていただきたいと思いますが、当時、強制連行あるいは従軍慰安婦という言葉が使われておりません。ですから、今でも政府・外務省は、韓国やあるいは中国に対しても強制連行という言葉ではなく、募集、官あっせん、徴用という言葉を使っているわけでございます。

それがあったことは事実でございまして、強制連行というそういう当時使われていなかった言葉を教科書の中で使うのは適切ではないというふうに申し上げました。

同様に、従軍慰安婦というのも、当時、慰安婦は存在していたというふうに思います。それ自体否定しているわけではございません。しかし、従軍慰安婦というのは、これは当時使われておりませんでしたし、また、なかったという認識でございます。そういう中で、その記述が減ってきて良かったと。

もう一点は、そもそも歴史教科書の中で、子供たちの成長発達段階、中学生の歴史教科書の中で慰安婦という言葉自体を入れることは私は適切ではないというふうに思っておりまして、そういう意味で、減ったことは良かったという意味で、昨年11月に中山大臣が発言をされたことに対してそういう視点から支持したわけでございます。

[010]
民主党(民進党) 神本美恵子
慰安婦や強制連行といいますか、官あっせんとか徴用とか、そういう事実があったことは認識しているけれども、認めているけれども、用語が適切ではないという御発言でしたけれども、従軍慰安婦という言葉は、確かに当時そういう言葉ではなくて、ただ、慰安婦という言葉は政府の当時の外電の中にも何度も出てきておりますし、その言葉が使われていなかったというのは、私はこれは間違いだと御指摘したいと思います。

それから、同じサイトの中で、従軍慰安婦、強制連行などの当時からあった言葉ではなく、後でマルクス・レーニン主義の学者たちが作った用語であるというふうなことが述べられているその根拠が何なのか。このことについて、ということをまず、そのマルクス・レーニン主義の学者が作ったという根拠はどこなんですか。

[011]
文部科学大臣政務官 下村博文
最初の御指摘ですが、私自身も慰安婦という言葉を否定しているわけではございません。事実、慰安婦は当時存在していたというふうに思います。しかし、強制、従軍慰安婦という用語はなかったということを、従軍慰安婦という言葉がなかったということを御指摘したわけでございます。

そして、この強制連行あるいは従軍慰安婦というのは、その後にマルクス・レーニン主義用語として、これは60年代になってから学説として出てきているというのが定説だというふうに認識しております。

[012]
民主党(民進党) 神本美恵子
今おっしゃったことはまた、ちょっと今日はやり取りする時間がございませんので、是非後できっちり訂正をさせていただきたいと思います。こちらも論拠はございますので。

それから、中山大臣と下村政務官に改めてお伺いしたいと思いますけれども、慰安婦の強制の事実が政務官はあったというふうにおっしゃいましたけれども、中山大臣はそのことについてはどうお考えですか。

[013]
文部科学大臣 中山成彬
私の11月のあれは別府におけるタウンミーティングでの発言でございますが、あのとき、質疑応答の時間になりましてあるお母さんが立ち上がりまして、自分は転勤族の妻だけれども、大分県に入ってきて、大分県というのは日教組が強いせいか、平和教育の名の下に極めて自虐的な教育が行われていると、これは子供たちのためにならないんではないかと、こういうふうな実は質問があったわけでございます。

私はその前に、今日はひとつ率直な意見交換をやりましょうというふうなことを申し上げておりましたので、どういうふうに答えたらいいのかなと、答え方によっては問題になるなと思いましたけれども、この際率直にお答えすべきだと、こういう立場から、自分は大臣になる前に日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会の座長とかそういうのもやっていたと、その立場からは、自虐的な教科書記述が減ってきたのは良かったと、こう思っていたと、どこの国の歴史にも光の部分と影の部分があると、余りその影の部分だけを強調して教えるのは子供たちのために良くないんじゃないかと、21世紀の世界を生きていく子供たちには日本という国に自信と誇りを持って歩んでもらいたいと、こういう発言をしたわけでございまして、前段というのは、正に私がまだ大臣になる前の考えを申し上げたわけでございまして、大臣になりましたらそういうことは言えないと、公平な立場で私はやっていくべきだと、こういうふうなことを考えてそのような発言をしたわけでございまして、そのことについて下村政務官がいろいろ発言をされているということもお伺いしておるわけでございまして。

私も国会議員になりましてすぐから、やはり日本のいろんな歴史の問題とかあるいは教科書の問題等にも取り組んでまいりまして、今政務官も申し上げましたが、慰安婦という言葉はあったのは事実でございますが、従軍慰安婦という言葉は私は、私の知る限りは、あれは1983年でしたか、吉田清治という方が、自分は済州島で従軍慰安婦狩りをしたというそういう本を出された、それが大きくキャンペーンで取り上げられたわけでございますが、その後その吉田清治さんという方は、あの本はうそだったというふうに言われたということも聞いておるところでございます。

[014]
民主党(民進党) 神本美恵子
慰安婦問題や強制連行の問題を取り上げるのは自虐的な、自虐史観だという認識を私は本当に疑うんですね。

文部行政にかかわる大臣、トップですよね、それから政務官といえばナンバースリーですかね、の方たちがそういう認識で、例えば教科書行政、教科書検定や採択のこの今時期にそういう認識を改めて示されるということについて、私は時間があれば本当にやり取りをしたいと思うんですけれども。

これは歴史の事実であるという、事実であるということは先ほどから認めていらっしゃるんですよね。そのことをきっちりと子供たちに伝えて、これからのアジアの中の日本、世界の中の日本として、きっちり反省すべきは反省して、和解をし、友好関係を深めていくという、そのために近隣諸国条項が教科書検定基準の中に設けられてここ20年やってきたはずなのに、今になってトップに立つ方がそういう認識を示されたということについて、私は非常に憤りに近いものを感じるんですけれども。





平成17年07月20日 衆議院 文部科学委員会
[152]
文部科学大臣 中山成彬
そういう方々がいらっしゃったということは認めているわけですが、そういう言葉がなかったということを言っているわけですね。

詳しく申し上げますと、この従軍慰安婦という言葉が最初に出てまいりましたのは、1983年に吉田清治さんという方が、私は済州島で従軍慰安婦狩りをしました、こういう本が出まして、これをある新聞が大キャンペーンしたわけでございまして、しかし、その後でこの吉田清治さんという方は、あれはうそだったと言って取り消されたんですけれども、既にそのときにはこの言葉はひとり歩きをしていた、こういうことでございます。

この従軍慰安婦の問題につきましては、当時の軍の関与のもとに多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけたものであり、これまで、従軍慰安婦として心身にわたりいやしがたい傷を負われたすべての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを繰り返し申し述べているところでございまして、私としても、このような政府の認識と同様な立場でございます。





平成18年02月24日 衆議院 外務委員会
[108]
民主党(民進党) 松原仁
もう一点、従軍慰安婦の問題で、先ほど河野官房長官の談話の話がありました。非常にこれは、難しい問題というよりは、まさに自虐的な問題と言わざるを得ないと思っております。

この強制連行に関しては、吉田清治という者の「私の戦争犯罪 朝鮮人強制連行」という本等に書かれておりますが、既に御承知のとおり、このことは、現地に行った秦教授が済州島に渡り、全くのでっち上げであったことを突きとめた。そして、1996年、平成8年の5月の週刊新潮で、吉田自身がつくり話であることを語っている。本に真実を書いても何の利益もない、新聞だってやっていることじゃないか、こういう開き直りの発言までしている全くのにせものであったというふうなことであります。

こういったことで火をつけて、実際、日本のさまざまなところが調べて、例えば、当時の石原官房副長官が、文書による証拠はなかった、本人を強制的に徴用したと言うが、文書はどうしても存在しない、手を尽くしたけれども国内では本人の意思に反して強制という点で確認されなかったと。

実際、そういうふうな状況の中で、河野洋平当時の官房長官が、客観的証拠はなかった、しかしながら、ここに書いてありますね、これはその河野さんが1997年朝日新聞で語った内容というふうなことで記されておりますが、直接強制連行の話はなかった、しかし、総合的に考えると、文書や軍人軍属の証言がなかったからといって強制連行はなかった、集まった人たちはみんな公娼だったということは正しくない、正しい論理の展開ではないという、これまた極めて意味不明な、この本に書いてあるのは、万引きしたという証拠がない、証拠がないからといって万引きしなかったとは言えない、だから総合的に考えると万引きをしたみたいな話だ、これは著者が極めて批判しております。

こういう河野談話も含め、我々はきちっと、我々の先人の誇りを検証するためにも、物ははっきりしていかなきゃいかぬと思うんですが、この辺について、総合的に、やはり日本の外交というのは誇りの問題とも絡んでいますので、麻生大臣の見解と御所見をいただきたい。





平成18年06月07日 衆議院 外務委員会
[032]
民主党(民進党) 松原仁
結局、日本政府のロビイスト活動が極めて不十分だということになると思うんですよね。彼らは、一方的な中国側もしくは中国側ロビイストによるプロパガンダによって、完全に考え方を支配されてしまっている。

これは、日本側の方の資料は、御案内のとおり、石原信雄元官房副長官が、この慰安婦問題があったのかということを探したときに、本人を強制的に徴用したと言うが、文書はどうしても存在しない、そう言った。手を尽くしたけれども国内では本人の意思に反して強制されたという点で確認されなかったとか、例えば、慰安婦問題があるというふうに主張した吉田清治、これも私、この外務委員会で主張しているわけでありますが、これは、済州島に渡って、この話がでっち上げであるということを、秦教授が「正論」に発表しております、1992年の「正論」でありますが。1996年の5月の週刊新潮で、従軍慰安婦問題を書いた吉田清治が語っているのが、本に真実を書いても何の利益もない、新聞だってやっていることじゃないですかと。うそを書くことですね。こう言っているんですよ。

つまり、こういった問題というのは、国家が関与したかどうかという点において、国家がそういったものを強制的に連れていって慰安婦として使ったという事実は日本はなかったわけであって、それをあったかのようにうそを言う吉田何がしは、週刊新潮で、本当のことを言ってもしようがないじゃないですか、こう言っている。

今度は、アメリカの下院でこういうものが出てきた。今、塩崎副大臣が、日本の大使館を通して、事実と違うところがあるということですが、そこら辺の、こういった事実は、国がやったという事実はない。民間が営業している人間が行ったというのは、それはあったでしょう。過去だってあるでしょう、今だってあるでしょう、そんなものは。国がやっていないというところが一番大事であって、そういったところをきちっと、エバンスさんは大分間違った認識をしているようでありますから、これを伝えていただきたいと思いますが、御所見をお伺いしたい。





平成19年02月19日 衆議院 予算委員会
[008]
自由民主党 稲田朋美
こういった問題について、麻生大臣は、この決議案に書かれているような破廉恥な、つまり、日本帝国軍隊が若い女性を強制的に性奴隷にして、あげくの果てに殺したり自殺に追いやったなどという事実があったという御認識なのか、また、そういった事実がないというのであれば、この決議案について政府としてどのように対応されていかれるつもりなのかについてお伺いいたしたいと思います。

[009]
外務大臣 麻生太郎
基本的に、全くそのような事実を認めておる立場にはありません。





平成19年02月21日 衆議院 内閣委員会
[176]
民主党(民進党) 松原仁
その他の資料がないわけであって、このことについて吉田清治という詐話師が著書を書いている。これも私、何回もこの質疑で言っております。その著書を書いた吉田何がしが、これは週刊新潮か何かに問い詰められて、おかしいじゃないかと言ったら、事実を書いて何がおもしろいか、事実を書いたって本は売れない、こう言っているわけでありまして、そういうふうな状況の中でつくり上げた虚構を、いいですよ、それは吉田何がしの詐話師のことはもう皆さん知っていることですからいいですが、河野元官房長官が、全く文書がなかった、文書がなかったら普通はないというんですよ。文書がなかった、証拠はなかった、ないですよ。

恐らく、私は慰安婦の方々は被害者だと思います。しかし、それはいわゆる軍によってではなくて、当時の公娼制度という中における被害者だと私は思っているんです。それは日本の中にもいたんです。吉原に当時そういった被害者はたくさんいたと思います。冷害で米が売れなくなったら、東北の方々、ほかの地域もそうです、娘を女衒に安く売って、そういったことはあったかもしれない。被害者ですよ、彼女たちは。

しかし、それと従軍、軍がそれに関与したかというのは全く別の議論だというのは当たり前でありまして、そういった文書が全くないのに、いや、強制連行だったというふうに言う方が正しいというのは、明らかに、だれが考えたって非論理的な展開だと思います。これは論理的な展開だと思いますか。官房長官、もう一回答弁をお願いします。





平成19年03月05日 参議院 予算委員会
[072]
民主党(民進党) 小川敏夫
この3月1日に強制はなかったというような趣旨の発言をされたんじゃないですか、総理。

[073]
内閣総理大臣 安倍晋三
ですから、この強制性ということについて、何をもって強制性ということを議論しているかということでございますが、言わば、官憲が家に押し入っていって人を人さらいのごとく連れていくという、そういう強制性はなかったということではないかと、こういうことでございます。

そもそも、この問題の発端として、これはたしか朝日新聞だったと思いますが、吉田清治という人が慰安婦狩りをしたという証言をしたわけでありますが、この証言は全く、後にでっち上げだったことが分かったわけでございます。つまり、発端はこの人がそういう証言をしたわけでございますが、今申し上げましたようなてんまつになったということについて、その後、言わば、このように慰安婦狩りのような強制性、官憲による強制連行的なものがあったということを証明する証言はないということでございます。

[074]
民主党(民進党) 小川敏夫
今証言はないと言いましたね。しかし、実際にアメリカの下院において、アメリカ合衆国の下院において慰安婦をされていた方がそういう強制があったという証言をしている、だから下院で決議案が採択されるかどうかということになっているんじゃないですか。

今証言がないとおっしゃいましたね。実際にそういう体験をしたというふうに証言している慰安婦が現にいるわけですよ。そういう人たちの発言は証言じゃないんですか。

[075]
内閣総理大臣 安倍晋三
言わば裏付けのある証言はないということでございます。

証言といえば、先ほど申し上げましたように、吉田清治氏の証言も証言じゃないんですか。全くこの人の証言はでっち上げだったということでございます。

[076]
民主党(民進党) 小川敏夫
一度確認しますが、そうすると、家に乗り込んで無理やり連れてきてしまったような強制はなかったと。じゃ、どういう強制はあったと総理は認識されているんですか。

[077]
内閣総理大臣 安倍晋三
この国会の場でこういう議論を延々とするのが私は余り生産的だとは思いませんけれども、あえて申し上げますが、言わば、これは昨年の国会でも申し上げましたように、そのときの経済状況というものがあったわけでございます。御本人が進んでそういう道に進もうと思った方は恐らくおられなかったんだろうと、このように思います。また、間に入った業者が事実上強制をしていたというケースもあったということでございます。そういう意味において、広義の解釈においての強制性があったということではないでしょうか。

[078]
民主党(民進党) 小川敏夫
それは、業者が強制したんであって国が強制したんではないという総理の御認識ですか。

[079]
内閣総理大臣 安倍晋三
これについては、先ほど申し上げましたように、言わば、乗り込んでいって人を人さらいのように連れてくるというような強制はなかったということではないかと、このように思います。





平成19年04月20日 衆議院 教育再生に関する特別委員会
[020]
自由民主党 中山成彬
そもそも、この従軍慰安婦という言葉が、もともとなかったんですけれども、初めて出てまいりましたのは、1983年に吉田清治という人が、自分は済州島において慰安婦狩りをした、強制連行した、こういう本を書かれたんですね。それで、ある新聞が大々的なキャンペーンをいたしました。そして、それがひとり歩きしたんですけれども。

不審に思った韓国の女性の、これは記者でございますけれども、済州島に行って実際調査したら、そういう事実はなかったということがはっきりしたわけです。

それで、後には、この吉田清治さんという方も、実はあれはうそだったということを告白されたわけですけれども、これがひとり歩きをしている。これはまさに国際的な大きな問題になっているということを私たちは知らなければいけない。

そしてまた、日本の弁護士が韓国に行きまして、だれか従軍慰安婦の訴訟をしませんか、こういう募集をしたんですね。

ですから、この問題というのは、日本人がまいた種なんですよ、はっきり言って、日本人がまいた種。

(中略)

しかし一方で、そうでないところというのもあるわけでございまして、これはまさにアメリカの資料にあるわけですけれども、第二次世界大戦中、日本が占領したところを次々にアメリカが取り返していきました、奪い返していった。ビルマの戦線でアメリカの情報部が調べた記録が残っている。

それによりますと、慰安婦の1カ月売り上げが1500円、これを経営者と慰安婦で半々、五分五分で取っていた。だから、750円、慰安婦の手取りだったと。当時、日本の一般の兵隊さんたちの給料というのは7円50銭、軍曹が30円だったそうでございます。7円50銭と750円、100倍の違いがあるわけですね。私たちの給料が今30万とすると、3000万ですよ。やはり、こういうもうかる商売であったということも実は事実でございます。

先ほど、日本の弁護士が韓国に行って、従軍慰安婦の訴訟をだれかしませんかと言って、手を挙げた方がいらっしゃいます。その女性の方は、実はもう一つの訴訟も起こしていました。これは何かというと、戦後、預金封鎖された、これを返してくれ、そういう訴訟でございました。その金額は、何と2万6000円でございます。2万6000円、当時の貨幣価値からいいますと、1000円あると豪邸が建ったそうであります。だから、2万6000円というのはいかに大きな金額であったか。





平成19年04月25日 衆議院 外務委員会
[031]
民主党(民進党) 渡辺周
問題は、アメリカ議会においてさまざまな議論がされております。こうした中で、我々は、そのもとになっているのが河野談話であり、これまでの日本の中では信憑性を疑われる吉田清治なる人物の著書であったりするわけですけれども、慰安婦については、いつも主語が欠けているんです。いわゆる、銃剣で駆り立てて、女性を強制的に家からつつき出して、おまえ、慰安婦になれということはなかった。しかし、実際、戦場において慰安所を設けるに当たっては、当然、軍の管理なり軍の関与なりがあって当たり前だ。

その問題について、狭義だとか広義だとか言うものですから、アメリカ人にわかるのかな。広義の強制と狭義の強制の話をしても、これは非常に難しい、日本人でも特にわからないと思うんです。

だから、これはもう一回整理をして、日本として、慰安婦制度というものはあったし、そういう業者が慰安婦を募集して軍の関係者のところに実際そういうものを設けていた。それに対しては、例えば、いわゆる性病検査のようなことは軍がやったし、そのときは軍票が発行されていたという事実で認められているものは出せばいいし、ただ、言われているような済州島で強制的に連れ出したというのは、あれは吉田清治なる人物が書いた捏造の話である。これは中国の記者ですら否定をしているんだ。

そのことを、もう少し日本としてちゃんとしないと、すべてがなかったとは言わないけれども、これはあったけれどもこれはないみたいな、狭義と広義なんと言っているとわけがわかりませんので、ぜひ、これについては、アメリカの人間にも、議会関係者にもわかるように、ちゃんとした資料、アメリカの議会で資料を出されたのを私も日本語で読みましたけれども、この問題について、ちゃんとやはり日本は出さなきゃいけない。

いわゆる、下院で証言をした人たち、元慰安婦とされる人たちに対して反論をする機会もなかった。中立的な立場で述べる人もいなかった。つまり、初めから結論ありきの公聴会であったというのはもう御存じのとおりだと思います。