日韓通貨スワップ 2/2

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平成25年06月19日 衆議院 財務金融委員会
[017]
自由民主党 山田賢司
次に、また別の各論なんですけれども、今ちょっと話題になっております日韓通貨スワップ協定に関して御質問させていただきたいと思います。

これは昨年の参議院予算委員会なんかでも、当時、野田総理とか安住財務大臣がお答えになられているんですが、あくまで韓国側の要請を受けて、韓国経済、金融状況を安定させるため配慮したというものでございます。

とはいえ、現在、アジア通貨危機も落ちついてまいりまして、3枚目にクレジット・デフォルト・スワップ、CDSのグラフをちょっとつけさせていただいておるんですけれども、これは信用状況をはかる一つの指標でございまして、これを見る限りにおいて、韓国経済は非常にもう落ちついてきているということでございますので、あえて日本が信用補完をしなくてもいい状態にあると考えております。

7月3日に期限が来ます30億ドルについては、新たな通貨危機が発生する等の、よほどのことがない限り、延長の必要はないというふうに理解してよろしいでしょうか。

[018]
財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 麻生太郎
今回の、期限を迎えております分は30億ドルに当たりますが、これは日韓通貨スワップにおきましては、2005年に取り決めを締結して以来、2007年、2010年と更新して、今日に至っております。先ほどお示しいただいた、あのグラフの高いところに当たるときですが。

この取り決めの更新の可否というものにつきましては、御指摘のありましたように、最近の韓国の状況というのは、少なくとも、クレジットデフォルトというような状況とは違うと思っておりますし、また、金融情勢等々を踏まえて、韓国の御意見も聞いた上で結論を得たいと思いますが、今、この段階で、韓国から要請があっているということはありません。

[019]
自由民主党 山田賢司
それでは、最後の質問で、30億ドルの通貨スワップ終了後は、チェンマイ・イニシアチブに基づく100億ドルというのが残るんですけれども、これは外為特会による運用なので、特に国会の承認が不要であるというふうに聞いておるんです。

外為特会の運用目的というのは、安全性及び流動性に最大限留意した運用を行うことというのが運用目的となっておるはずなんですけれども、通貨危機が生じるような国の通貨で運用するということは、この方針に矛盾するんではないかと思うわけでございまして、そういう目的で使うのであれば、これは一度、別途、国会の場で承認をとるべきではないかと考えるんですが、いかがでございましょうか。

[020]
財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 麻生太郎
今御指摘のありましたように、今話題になっております30億ドル、これは日銀の分で、日銀が表に立っているという分ですが、残りの100につきましては今御指摘のあったとおりであります。

それで、外為特会が保有しておりますいわゆる外貨資産は、これは日本の通貨の安定を実現するための施策であるために、為替の介入や通貨スワップ取り決めを行う場合に備えておく、いわゆる常日ごろ保有しているというものでありまして、そうした施策を行うまでの間、安全性とか流動性とか、そういったものを最大限に留意して運用しているところも、間違いなくそのとおりであります。

一方で、御指摘の日韓通貨スワップの取り決めは、これはチェンマイ・イニシアチブというものに代表されております通貨のスワップ取り決めと同様に、いわゆる日本の通貨というものを安定的に実現する、そういった施策そのものとして、通常の運用として行っていないというのはこの100億ドルの方の話です。

したがって、日韓通貨スワップの取り決めを全額実施するのはいわゆるIMFプログラムが必要となるなど、安全性にも可能な限り配慮しております。あの97年のIMFのときの、あの御記憶のあるとおりだと思います。したがいまして、IMFのプログラムを受けるため、経済調整プログラムというのがかかってきますので、そういった意味で、安全性のあるものだと思っております。

いずれにいたしましても、外為法に規定しております通貨の安定を実現するための施策というのは、予算総則によって、国会で議決された政府短期証券発行など、限度額の範囲内で政府の権限として行われているものでありまして、これはきちんとした運用がなされておりまして、この施策について適時対外公表などもいたしておりますので、一定の説明責任はきちんと果たしておるものだと考えております。





平成25年06月20日 参議院 外交防衛委員会
[058]
自由民主党 宇都隆史
まず、日韓の通貨スワップについて、これ7月上旬で総枠130億ドルの融通枠のうち30億ドル分が期限切れになると。これ今政府として、外務省としてはどのようにする方針であるかということを御説明ください。

[059]
外務大臣 岸田文雄
御指摘の日韓通貨スワップですが、7月3日に30億ドル、期限が来ると承知をしております。この日韓通貨スワップですが、そもそも日韓金融協力強化の観点から、金融市場の安定を図り、そして日韓両国経済が共に安定的に成長することを目的に行われてきたものであります。

こうしたこの日韓通貨スワップにつきましては、金融市場の情勢等も踏まえ、現在、財務当局を中心に韓国との間で検討が続けられていると承知をしております。こうした検討も踏まえた上での対応ということになるものと認識をしております。

[060]
自由民主党 宇都隆史
今御答弁いただいたんですけれども、官房長官あるいは財務大臣の発言等を見ると、韓国側から延長要請があった場合については大局的観点に立って検討したいと、現在のところ具体的な要請行動はないという話ですけれども。

今、外務大臣に御答弁をいただいたんですけれども、これは、目的、建前上は、お互いの金融市場、これを安定化させようと、それが双方の経済の発展につながるんだという建前ですけれども、よくよく中身を見ていくと、常に為替として非常に脆弱性のある韓国のウォン、これに信用を与えるために、非常に片務的といいますか、我が方にとってのメリットよりも韓国側にとってのメリットが非常に強いんではないかなという部分があると思います。

そういう中で、例えば領土の問題、歴史認識の問題、あるいは漁業水域の問題、これは一概にすぐ解決するような問題ではないですけれども、そういうお互いの問題を踏まえながら、片や片務的な、韓国にとって非常にメリットの多いものを結ぶに当たっては、これ、我が方も国民に対してよくよくいろんな理解をしていただきながら進めていかなければ、ともすると、本当は真剣にいろんな調整があるにもかかわらず弱腰の外交であったりとか、あるいは逆に、言うべきことはきっちりまた言わなければ、韓国側に対してもお互いの未来志向的な関係になり切れない部分があると思うんです。

そこで、菅官房長官が、やっぱり、隣国であり、大局的な観点に立って検討しなければならないという御発言をされました。これは菅官房長官の発言ではありますけれども、外務大臣からも、大局的な観点に立ったというのはどういうふうに認識すべきなのか、是非国民の皆さんにメッセージを伝えるつもりで御答弁をいただけませんか。

[061]
外務大臣 岸田文雄
日韓関係につきましては、我が国にとりましても、この韓国という国、基本的な価値ですとか基本的な利益を共有する大切な隣国でありパートナーだと認識をしております。隣国同士、個別の問題は生じているわけですが、そうした中にあっても、この大切な二国間関係全体に影響を及ぼしてはならない、大局的な見地から対応していかなければならない、これは外交において大切な姿勢だと思っています。

日韓両国共に未来志向であるべき隣国関係、しっかりと進めていかなければいけないと強く考えております。是非そうした思いで様々な課題についても対応していきたいと考えます。





平成26年04月16日 衆議院 財務金融委員会
[072]
日本維新の会 三木圭恵
ことしの2月18日に、韓国の方の新聞なんでございますけれども、財務省の山崎達雄国際局長が、日韓スワップを検討するよ、向こうから要請があれば前向きに検討してもいいよというような記事が載っておりましたので、ちょっと日韓スワップのことについてお伺いしておきたいなと思って、きょうは質問をさせていただきます。

日韓スワップの時限的な増額部分というのは2012年10月31日に、またチェンマイ・イニシアチブの100億ドル分以外の30億ドル分についても、昨年、2013年7月3日をもって失効されました。

日韓スワップの所期の目的についてお伺いすると同時に、当時、協定が延長されなかったことについて、当時の政府なんでございますけれども、韓国からの要請がなかったためとされていますが、具体的にどのような理由により判断、決定が行われたのか。そのことについて、2点、お伺いをいたします。

[073]
財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 麻生太郎
まず、最初の通貨スワップの取り決めは、2011年の10月に、これは1年間限りで、総額130億ドルから700億ドルに拡充したと記憶します。

これは、当時、欧州情勢というのが甚だしく不透明という状況にありまして、韓国政府の要請がありましたので、私どもとしては、為替市場を含めて金融市場の安定化のためにということで、これで韓国経済が安定しませんと、あそこはいわゆる長期資金というのは余り使われなくて短期で金を回しておられますので、そういったことを考えてやらせていただいたのがそのときの経緯であります。

それが延長されなかったのは、1年後の2012年に予定どおりこれは全部終了したんですが、金融市場が安定して、日韓両国で日韓スワップの増額部分の延長は必要ないということに至ったんですが、2013年の7月3日を期限とする30億ドル相当の通貨スワップにつきましては、日韓両国でお話をさせていただいて、本当に大丈夫ですかということも私どもの方の山崎なりほかのところからも先方に確認をしておりますけれども、借りてくれと言ったら借りてやらぬこともないみたいな言い方をされると、そんな義理はない、当然そういった雰囲気にもなりますので、期限を延長する必要はないという結論に達しております。

[074]
日本維新の会 三木圭恵
まさにおっしゃるとおりでございまして、私は、日韓スワップというのは、韓国市場の安定のために日本が手を差し伸べた支援策ではなかったかなというふうに思っております。

そこで、一つ。

今、外交上の問題とかいろいろ韓国と日本は難しい間にあるというふうに言われておりますけれども、韓国からの要請がなければ延長しないという、判断基準がそれだけでいいのかな。協定が発動された場合は、まさに外為特会からの支出であり国民の税金が使われるわけでございますし、国民に対しても説明責任というのがやはり日本側としても生まれてくるというふうに思っております。

要請されれば貸すけれども、要請されなかったら貸さないよというのでは、なかなか一筋縄ではいかない、ある意味善意の通じにくい国ですので、外交的な配慮等を見ても、それだけではちょっと外交的戦略として欠けるのではないかなというふうに思っているんですけれども、経済政策と外交政策をリンクさせて行うことについて、麻生大臣はどのようにお考えでしょうか。

[075]
財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 麻生太郎
中央銀行とか財務省という間のレベルの話ですと、今言われましたように、この種の話は、韓国の場合、短期で回している部分が非常に多い経済でもありますので、こういったスワップみたいなものをきちんと持っておかないとということで、私どもは外から見ていてそう思って話をするんですけれども、これに政治が入ってきますと、なかなか話が込み入ります。

今回、マクロ経済の状況というのは健全だということで、日韓両国は、スワップの増額分の延長は必要ないという結論にあのときは至ったんです。今後とも、この種の話は、外貨準備が極端に払底した1997年のときとかああいったようなことが起きないようにしてみたり、また2008年も似たような状況が起きつつあったんですけれども、そういったようなことが起きたときのことを考えてある程度手を打っていくべきものなんだ、国際金融というものはそういうものなんだと思っておかなきゃいかぬと思います。

韓国中央銀行と韓国の財務省と話が合わなかったり、財務大臣と財務省と話が合わなかったり、いろいろIMFやG20でしゃべっていても、個別に話していても、話が通じるところと通じないところが極端なので、同じ国の人かよと言いたくなるほど話が通じなくなりますので、なかなか難しい交渉だとは正直思いました。

[076]
日本維新の会 三木圭恵
確かにそういう面は多々ある国なんじゃないかなというのは、本当にいろいろな面で私もそういうふうに思っております。隣国として、非常に大変な対応をいろいろな面で迫られている。

余りに地理的に近いのでどうしようもないんですけれども、仲よくやっていかなければいけないということはわかるんですけれども、余りにも、報道を見ておりますと、何でここまで言われなくちゃいけないのかというような報道も目立ちますし、私としては、日韓スワップはこれ以上本当にやらなくてもいいんじゃないかなというふうに感じておりますし、多くの国民がそのような感情を今持ってきているんじゃないかなというふうに考えております。

あと、近年、韓国の方は大幅な通貨安定策をとってきておりまして、ゴールドマン・サックスの2012年の調査によれば、ウォンの対円相場の下落というのは、その下落率以上に日本の電機産業や鉄鋼などの株価を押し下げる結果につながるという分析結果が示されています。

また、電機産業においては、韓国製品の品質が向上しており、日韓間での品質に大きな違いがなくなってきておりますので、そうした中で、国際競争の優劣の重要なファクターは、消費者の購買意欲というのは価格に絞られてきます。すなわち、ウォンの対円相場は、株価と業界の業績に大きな影響を与えると思われます。

また、日韓スワップは、豊富な外貨準備を持つ日本によって、外貨準備高が少なくて、先ほど麻生大臣がおっしゃった満期1年未満の短期対外債務が多い韓国通貨の暴落リスクを低減させて、欧米の資金が韓国経済へと流入することの後押しになっているのではないかという観測も見られております。

すなわち、我が国との厳しい競合関係にある韓国のファイナンスに対して日本政府が円で信用を供与することにより、日本の電機産業等のビハインドになっているのではないか、一部、そういうふうに言われる経済人もいらっしゃるんですけれども、麻生大臣はその点についてはどのようにお考えでしょうか。

[077]
政府参考人(財務省国際局長) 山崎達雄
日韓通貨スワップを初めとする地域の金融協力は、為替市場を含む金融市場の安定を通じまして、相手国、日韓の場合は韓国だけじゃなくて、日本にとってもメリットはあります。

というのも、日本と韓国との間の貿易・投資、あるいは日本企業も多数韓国に進出して活動しているわけでありまして、その国の経済の安定というのは双方にメリットがある面、それからまた通貨という面でいうと、むしろ通貨を安定させるという面、ウォンを安定させるという面もあるわけであります。

そういうことで、私どもとしては、当時、日韓通貨スワップを拡大したのは、むしろ、韓国のためだけというよりも、日本のため、地域の経済の安定のためということがあったということだけ申し上げたいと思います。

[078]
日本維新の会 三木圭恵
今、山崎国際局長がお答えいただいたことはある意味そうかもしれませんけれども、日本の経済、市場というのはそういうものじゃなくて、やはり韓国に対する輸出であるとかそういうものは、韓国が輸出している分よりも非常に小さい割合で、ウォンがたとえ暴落したとしても、日本の経済に与える影響というのはそんなに大きくないという分析結果も出ているんですね。

もちろん、日本がアジアの中の経済大国としてその役割を担うためにアジアの経済的安定を図るというのは大きな一つの目的であるとは思うんですけれども、やはり日本の企業のことも今後考えていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っております。

通貨危機に陥る可能性というのは我が国よりも韓国の方が圧倒的に大きいわけでございまして、与党の中にも、日韓通貨スワップの実態は日本による韓国への信用供与だとの指摘も多かったというふうに私は思っております。

もう一度お伺いいたしますけれども、日韓スワップは、我が国から韓国への片務的な支援策であったと私は考えておりますけれども、いかがでしょうか。

[079]
財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 麻生太郎
これは韓国に限りませんけれども、日本と貿易とか投資が深い関係で、地域の経済に裨益するという意味からいきますと、為替市場を含めた金融市場の安定というのは非常に大きい、私どもはそう思っております。

日本としては、昨年来、インド、インドネシア、フィリピン、ほかにもアジアの諸国とスワップの拡大をずっとこのところやってきておりますが、こうした経済関係の深い国との金融協力というものを通じまして、日本の成長戦略というものの重要な柱でありますアジアの成長というのを取り込んでいこうと思っておるんです。

今言われますように、片務的な慈善的な支援として行っているというだけではなくて、基本的には、そういったマーケットが確実に成長してくるということは日本の国益にもつながっていくんだと思って私どもとしては実施をさせていただいておりますが、国によって、政権がかわったり、また人がかわったりすると、今まで通じていた話がなかなか通じなくなったりするところもおっしゃるとおり確かにあるんです。

日本として、今の電気製品の面でいきますと、やはり技術の移転が行われたりすることによって韓国製品が多くのし上がってきている、その分だけ日本の製品が売れなくなってきているという部分もありますが、それらをつくる機械をつくる機械、通称マザーマシンというものですけれども、こういったものは圧倒的に日本なものですから、これだけ韓国製品が売れても、多分韓国は日本との貿易でいえば赤字。日本の分は赤字なんですが、他国で売って黒字になって、その分で日本との赤字を埋めているという形の経済になっておりますので、いろいろな意味で、みんなで少しずつ回していかないかぬとは思います。

何となく、このところ感情的な話がいろいろ出てきておりますので、話が難しく、妙にぎらぎらしたというか、いらいらした関係になっていることも確かですけれども、この1年か1年半ぐらいの間にも、昨年の2月ぐらいとことしの4月ぐらいとでは対応も少し変わってきたかなという感じがしないわけでもありません。

総理の言葉をかりれば、戦略的忍耐と言われましたので、最も向かないと私は思いますのでと申し上げたんですけれども、長期的な面から考えて、日本の実力をきちっと保持した上で対応していくというのが必要だと思っております。

[080]
日本維新の会 三木圭恵
今、麻生大臣がおっしゃっていただいたとおり、日本の実力というものを本当にきっちり示していただきたいなというふうに私も思っておりますし、恐らく日本の国民も、多くの方がそういうふうに思っていると思います。

今御答弁にもあったとおり、隣国同士で大切な二国間関係全体に影響を及ぼしてはならない、大局的な見地から対応していかなければならないというような趣旨であったと思うんです。経済と政治的な問題である領土や歴史などの問題とを切り離して、できるだけ未来志向的な互恵関係を構築するため一生懸命日本政府は取り組んできたというのは本当によくわかっているので、また、支援策を露骨な形で外交上の駆け引きに使うというのはやはりちょっと日本人の徳とは合わない部分もございますけれども、ぜひ今後、お人よし外交とやゆされないように頑張っていただきたいなと思っております。

それで、本年2月18日にソウルで開催されたアジア経済・金融協力国際会議において、先ほど御答弁いただきました山崎国際局長が記者団に対して、韓国が望めば日韓スワップ協定の締結を前向きに検討するというふうに述べられたという報道が韓国の新聞でなされているわけでございますけれども、その事実関係についてお伺いをいたします。

というのは、日本の新聞には一切載っておりませんので、そちらの方をちょっと。

[081]
財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 麻生太郎
私、その2月18日のソウルで行われたセミナーにパネリストとして出席いたしまして、そのセミナーで10分程度、私から、アベノミクスがアジア近隣諸国にも利益をもたらしている、具体的には、日本からの投資とかあるいは融資がふえている、あるいは、先ほどお話があった、インドとかインドネシア、シンガポール等とのスワップの拡大等を行っているというお話をしましたが、そのセミナーでは、日韓スワップについては全く触れられておりません。

セミナーが終わった後、私が場外に出て別のところに行きかけたところ、そのセミナーの出席者の1人が追っかけてきて、時間がなかったので質問し切れなかった2つ3つを質問していいかということで聞かれた中の質問の1つが、スワップの話があったけれども、日韓のスワップについてはどう考えているのかというお話がありました。

私は、その場で、個別の件についてのコメントは控えます、ただ、一般論として言えば、昨年来、インド、シンガポール等々とスワップを拡大したわけですが、そのときの考え方は、アジアの国から要請があって、必要があれば、検討することについてはオープンですというふうにお答え申し上げました。

[082]
日本維新の会 三木圭恵
そういう経緯であったんだろうなというのは私も想像にかたくないのでございますけれども、そこの新聞記事が、日本語で、ネットで、どんどんと日本人の目にも触れるような形で韓国の方は報道を実はしておりまして、韓国企画財政部の関係者は、儀礼的な発言をしたものと見ているとした上で、日本との通貨スワップは検討もしていないし、推進もしていないと話した、韓国と日本は昨年、期限を迎えようとしていた30億ドル、現在のレートで約3073億円分の通貨スワップ協定を延長しなかった、当時日本は、韓国の要請がない限り延長しないとの立場を表明し、韓国側は、要請があれば延長するとの表現は適切ではないと不快感を示したというふうに書かれております。

一事が万事、全部この調子で書かれておりますので、日本としても、こういうことを言われたら遺憾だぐらいの強い意思はやはり表明していただきたいなというふうに私は思います。

また、2014年1月2日現在の韓国との通貨スワップの総額でございますけれども、先ほど麻生大臣から御説明がありました、チェンマイ・イニシアチブのもとでの100億ドル。ただし、基本的にIMF融資とリンクしており、IMF融資とのリンクなしに発動できるのは、スワップ総額の20%までということである。

報道によると、昨年の日韓スワップの期限時に、韓国銀行の柳相大国際局長は、日韓通貨スワップ延長は既に議論すべき問題ではない、金融協力のレベルで見れば重要だが、危機に対するレベルでは意味は大きくない、有効期限が1カ月しか残っていない状況ではあるが、真剣に考えていなかった、状況を見て決めると、真剣に考えるにも値しない協定である旨の発言をされております。

確かにその額は、危機という意味では、どの程度の保険となるか不明ではございますけれども、我が国の通貨協定信用力としては、国際市場において大きな担保になると見ておりますが、韓国側はもう必要としていないようでございます。

そこで、ほぼ我が国にメリットのない韓国との二国間通貨スワップについては、今後、いっそ、韓国側から要請があってもなくても、その取り決めの締結はすべきではないんじゃないかと国民の多くが考えていると思われますが、麻生大臣、いかがでしょうか。

[083]
財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 麻生太郎
現時点でその取り扱いは全く決まっていないんですが、今、ウォンが、1ドル12ウォンぐらいになっていますかね、ウォンが下がって結構なっていますので、日本とのあれでいきますと、2割ぐらいウォンの方が高くなった形になったのがこの1年間ぐらいだと思います。輸出としてはかなりきついことになってきておられますので、いろいろな意味で、今の発言の当時と今とは随分状況は変わってきている、さあどうなるかなというのを私どもの方で見ておりますけれども。

引っ越してもらうわけにもいかぬ国なので、隣でずっと今後ともつき合わねばならぬところですから、そういった意味では、私どもとしては、きちんとした形での関係というのを続けていく努力はせねばならぬなと思っております。

[084]
日本維新の会 三木圭恵
おっしゃるとおりだと思います、引っ越してもらうわけにはいかないので。朴大統領の告げ口外交とかいろいろなことがあって、日本人の感情というのは非常に今悪くなっていると思うんですね。

それで、今のお話、答弁のやりとりとかを全部勘案すると、やはり日韓スワップというのは、韓国の通貨危機を乗り越えるために日本が韓国に対して善意で手を差し伸べた支援策であったと多くの経済人も思っているし、政府も思っているし、私も思っていますし、国民の皆さんもそう思っている。実際、そういう書物もいっぱい出ております。

日本人は困っている国を助けることについては理解を示す国民性であると私は思っているんですけれども、しかしながら、それがどう外交上生かされて、当事国からどのように評価されているかというのはやはり政府から説明があってもいいじゃないかというふうに感じておりまして、それをもっと外交に生かしてほしいというのが大枠の意見であると思います。





平成26年10月29日 衆議院 財務金融委員会
[010]
自由民主党 山田賢司
ここでちょっと金融一般の質問についてもさせていただきたいと思います。

今、韓国とオーストラリアの話が出ましたけれども、韓国といいますと、今ちょっと問題になっております、来年の2月に、日韓通貨スワップ協定、チェンマイ・イニシアチブに基づく100億の期限が参りますけれども、これについて延長の予定はあるかどうか、麻生大臣、お聞かせいただけますでしょうか。

[011]
財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 麻生太郎
おもしろく答えると問題になりますので、つまらなく答えさせていただきます。

これは野田内閣のときに700までふやしたんだと記憶していますよ。それが野田内閣の間に130まで減ったのかな、何かそんな記憶があるのです、他党がやっておられたので余り記憶はないんですが。

そうなって、私のときに130まで減っていて、内閣を引き継ぎましたときには、130残っていたうち、日本銀行の分が30ありましたものはもう既に切れておりますので、残りがあと100になっております。この分につきましては来年の2月23日に期限が参りますので、この問題につきましては、今の段階では、我々としては、向こうから申し出がないのであればこれを継続する意味も余りありませんので、向こうから申し出があれば、その段階で検討させていただきたいと存じます。

前回の30の日銀のときには、借りておかれた方がよろしいんじゃないんですかと申し上げましたけれども、いや、要らないという御返事でしたので、何もお願いして借りていただくような話じゃありませんから、そのままにさせていただきました。





平成28年01月19日 参議院 予算委員会
[149]
新党改革 荒井広幸
総理に端的にお尋ねしたいと思います。

世界経済の新しい成長軌道をつくっていくと、このリーダーシップに私は大変共鳴をいたします。

そこで、日韓のスワップを復活してはいかがかと。これによって経済の安定と成長が図られるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

[150]
内閣総理大臣 安倍晋三
我が国と韓国との間ではこれまで短期内に外貨等を融通し合えるよう累次の通貨スワップ取決めを結んできたところであります。

日韓通貨スワップ取決めのうち昨年2月に最後の1つが終了したのは、当時の両国の金融市場及びマクロ経済の状況を踏まえて、両国が延長の必要がないとの見解を共有したためであります。

日韓通貨スワップ取決めの再締結については、もう一度締結をしてはという御提案でありますが、まずは日韓両国及び世界経済の状況をよく注視してまいりたいと思います。

[151]
新党改革 荒井広幸
麻生内閣総理大臣のときに、福岡で、いわゆるシャトル外交で日中韓のスワップを、これを決めて、非常にそれから円滑にいったということがあったと思います。

どうぞ必要に応じて検討していただきたいというふうに考えております。