日韓通貨スワップ 1/2

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平成20年12月10日 参議院 予算委員会
[174]
改革クラブ(新党改革) 荒井広幸
端的に総理にお尋ねをいたします。

12月13日の日韓中の首脳会談、これは全く初めてです。ASEANプラス3はありましたけれども、これは非常に有意義だと評価をいたします。

そこで、一番の問題であります日本が世界の経済、金融市場の安定をもたらすためには、まず隣同士である、しかもお互いに3割から4割のお互いの経済交流をしている、世界への影響も大きい、この日中韓でのいわゆる中央銀行を含めた通貨スワップ、この増額をこの13日前までに、あるいは13日に増額妥結することを期待したいと思いますが、いかがでしょう。

[175]
財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 中川昭一
先月のG20の中で、我々日中韓の財務大臣で増額をしようということを約束いたしました。少なくとも日中韓の首脳会議までに増額ということで今交渉をしている、その決められた約束に基づいて交渉をしている最中でございます。

[176]
改革クラブ(新党改革) 荒井広幸
総理、できますね。

[177]
内閣総理大臣 麻生太郎
御指摘のとおり、日中韓三国首脳会議、単体はこれが初めてです。何となく、麻生になったら日中、日韓うまくいかなくなる予定と随分書かれたんですけれども、現実問題として、日中韓、単独でやるのはこれが過去30年で初めてということになります。それを御指摘いただきまして、ありがとうございました。

スワップの件につきましては、過日、ASEM、アジア・ヨーロッパ会議で1回、それからAPECで2回、いずれも李明博と話をしておりますので、今の線でまとめさせていただこうと思っております。





平成20年12月11日 参議院 財政金融委員会
[049]
民主党(民進党) 尾立源幸
まず、私、院のお許しをいただきまして先週末、韓国に行ってまいりました。

ウォン安、驚きました。今まで1万円で大体8万ウォンぐらいのウォンがいただけたものが何と15万5000ウォンということで、ほぼ半値になっておったと。ちょっと時間があったのでデパートに行きまして買物をしましたら、クリスマス前ということで3割、4割引きということなんで、どんなに安く物が買えるかということを、有り難い思いはしてきたんですけれども、一方、韓国政府にとっては大変厳しい話だと思います。

特に外貨準備が不足するということ、昨日の予算委員会でもお話がございましたが、11月の14日、G20で日韓のスワップ、通貨交換の枠を広げるというお約束を前向きに検討するということを決めてこられたと思うんですが、13日土曜日ですか、首脳会議では多分そのことが発表されると思うんですが、どの程度用意されるのか、現状130億ドル相当の枠を日韓で持っているということでございますが、どの程度広げられるのか、隣国としてできることは最大限やってさしあげたいというのが思いでございますので、お答えいただけますか。

[050]
財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 中川昭一
今、尾立委員のウォンが半分になっちゃったという話を聞いて大変びっくりいたしましたけれども、とにかく韓国、中国は日本の隣国であり、また非常に関係が深いわけでございます、経済的にも。

そういう意味で、G20のときに日中韓の財務大臣3人集まりまして会議をいたしまして、この世界的な金融危機の中で東アジアでも困っている国があるので、このASEANプラス3という意識の中で日中韓が協力して東アジアの中で貢献していこう、その一環として日中韓の、それぞれ通貨スワップを持っているわけでありますけれども、それを拡大をしようじゃないかということが合意されたわけであります。

現在、それを交渉中でございまして、今日、新聞にどんと出ておりますけれども、とにかく13日の日中韓の首脳会合ではいい成果が出るように、拡大した形で日中韓が、特に日韓が合意ができるように今一生懸命交渉をやっている最中でございます。

[051]
民主党(民進党) 尾立源幸
その件は新聞に先走りで出ておりますけれども、2倍規模の300億ドル相当と。これはアメリカと韓国が結んだのと同程度だと思うんですが、その程度ぐらいと認識していてよろしいですか。

[052]
財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 中川昭一
中韓のことは分かりません。それからもう一つ、これは尾立議員も御存じのように、日銀分と財務省分とございます。財務省についても日中でやっております。日銀についてもやっておりますけれども、日銀のことは私からはコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

いずれにしても、お互いが合意できるような形で、13日ですか、迎えられるように今交渉を一生懸命やっているところでございます。

[053]
民主党(民進党) 尾立源幸
是非よろしくお願いいたします。





平成23年10月27日 参議院 外交防衛委員会
[096]
自由民主党 山本一太
何でここから入ったかというと、今申し上げた、特にどの国に対してもそうなんですけれども、同盟国であろうと何だろうと、外交はまさに国益を懸けたぎりぎりのせめぎ合いですからね。ギブ・アンド・テークだし、やっぱり何か譲ったら何かしっかりこっちも成果を取らなきゃいけないということだと思うんですね。

日韓首脳会談がありました。玄葉大臣、国際会議以外で初めてバイの国としての訪問先を韓国にしました。野田大臣も初めてのマルチの訪問先を韓国にしました。(発言する者あり)あっ、バイの、ごめんなさい、バイの訪問先を韓国にしたと。これは恐らく、中曽根元総理から始まって、宮澤元総理もやっていたし、鳩山前総理も行きましたかね、だから4人目だと思いますが、総理と外務大臣が両方ともやっぱり最初のバイの訪問国として韓国を選んだということは多分ないと思いますよ。そのくらいラブコールするんだったら、それだけの戦略がなきゃいけないわけでしょう。

一つお聞きしますが、この日韓首脳会談で、例の通貨スワップ、この枠が大体日本円にすると1兆円から5兆3000億から4000億ぐらいまで広がりました。これはどういう目的でやったんでしょうか。

[097]
外務大臣 玄葉光一郎
ちょっと今手元に資料ありませんけれども、枠のたしか5倍にしたということだと思います。あれは、いわゆる金融危機のときなどの急激なウォン安、そういったものに対する言わば保険のようなものだということだと思います。それは、韓国でたしか過去2回そういうことがあって、それが結果として、結果として韓国のみならず日本に対してもやはり不利益になっていくだろうと、そういう意味ではお互いのためになるのではないかということでこのスワップの話が出てきたと。しかも、もっと言えば、かねてから、かねてから財政当局間同士でずっと議論されてきていたというふうに承知をしております。

[098]
自由民主党 山本一太
これはどちらが持ちかけたんでしょうか、どっちの政府から。

いや、大事なことですよ、外務大臣なんだから。

[099]
外務大臣 玄葉光一郎
これ、首脳会談での話ですよね。実は外相会談では出ておりません、この話はですね。

率直に申し上げると、財政当局間でずっと進んできた話が仕上がってきたということが一つ大きかったということであります。ですから、そういう意味では、どちらか一方というよりは両国間でこれが仕上がってきたので、やはりひとつここで、このタイミングで合意していくのがよいのではないかという判断をしたというふうに認識をしております。

[100]
自由民主党 山本一太
それは、私が財務当局とかいろんなところから、誰にどうのということは言いませんけれども、お聞きしているところで言うと、韓国側からやっぱり持ちかけてきたというふうにお聞きしています。8月ぐらいにやっぱり欧州の債務危機があってウォンが落ち始めて、そこら辺から多分かなり水面下で議論をして9月ぐらいに提案がまとまってきたというふうに聞いていますが、今大臣がおっしゃったように、確かに日韓の経済、すごく関係深いし、もちろん韓国経済、ウォンが暴落したりしておかしくなったらもちろん日本の不利益になると思うんですよ。

ただ、この今回のスワップは、やはり一番の目的は、大臣もちょっと言っていましたけれども、やはり新興国から、あの97年のあの金融危機のときのように新興国から短期とか中期のお金がばんばんと流れちゃって、ウォン安になるところを日本がある意味でいうと支援したということだと思うんですね。

これ、もちろん韓国は日本にとってとても大事だと思いますが、これについては、例えば外務当局とかそこら辺から日本に対する感謝みたいなお話は聞いたことありますか。

[101]
外務大臣 玄葉光一郎
その後、首脳会談の後、私自身が直接韓国の方と、韓国の外務当局と直接接触しているわけではありません。ただ、言わば今回のその合意が、それはお互いこれは良い合意であったというふうに認識しているというふうに思います。

[102]
自由民主党 山本一太
財務当局の辺りに聞くと、財務関係の人たちはとてもやはりこの件については感謝をしているということをおっしゃったそうです、韓国側からね。つまり、やはり韓国にとって今このスワップの枠を広げるということはすごく大事だったと。実際、この協定というか通貨交換枠が広がった当日、翌日、たしか前日に比べてウォン高へ、ドル安になっていますからね。基本的に、やっぱり何か緊急事態があったときに日本からドルを供給できる仕組みをつくるというのがメーンだったんですよね。

これは、もう一回言いますが、もちろん日本のためにもなると思いますけれども、韓国側から言ってきて、私の理解では、やっぱり韓国側に大きなメリットがあったんです。だから、これについて、もちろん韓国に対してこういう提案をして、韓国当局は金融市場の安定のために有り難いと。李明博大統領もそれは外には、いや、日本の協力に感謝しているとは言わずに、いや、日韓両国の経済発展のために金融市場が安定すればいいですというふうに言ったんですけど、でも内情はやっぱり日本が手を差し伸べたんですよ。そうだとすると、ほかの分野の交渉でもある程度日本が思っていることをきちっとして成果として出さなきゃいけない。こういうことがやっぱりずっと民主党政権の外交でできないんです。

これ、EPAについて何か進展はあったんでしょうか。

[103]
外務大臣 玄葉光一郎
EPAについては、もう御存じのように、発表そのものについては事務レベルの協議を加速化させるということになっています。

それで、韓国にとって、山本議員はもうずっと外交をやっているんで今回のこともよく御存じでしょうけれども、韓国にとっては、米国がまずFTAの相手先としてこの間ずっと集中して米国とのFTAをやってきたと。さあ、これから、アメリカと終わりましたから、締結交渉自体が、批准も含めて。だから、例えば中国とやるのか、日本とやるのかとか、様々な、今ある意味選択肢を持っているという状況の中で、やはり今回外相会談や首脳会談を重ねる中で、やはり日韓の重要性というものは、私は韓国はかつてよりもかなり重要視するようになってきたというふうに思います。

それは、ただ、現実にEPAは、御存じだと思いますけれども、金星煥外交通商部代表というよりは、むしろ、その方も大事ですけれども、外務大臣も大事ですが、むしろ外交通商部の本部長の方が非常に、これも金さんという方でありますけれども、実権を握っています。その方がこれからどういうふうに外交等含めて判断していくかという状況にあるわけですけれども、そういうその重要性というのはかなり増してきていると思います。

[104]
自由民主党 山本一太
そんな、相手国の政府の誰が実権握っているとかいう茶飲み話じゃないんですよ、外務大臣。

要は、日韓のこの通貨のスワップ、これはもちろん両国のためになるけれども、日本が協力したわけでしょう。日本は韓国とのEPAについて前向きなわけでしょう。これについて韓国は、昨日もちょっと韓国の関係者と電話で話しましたけれども、やっぱり慎重だったじゃないですか。李明博大統領も会見でウイン・ウインの関係にならなきゃいけないと。これ、ニューヨークの首脳会談のときとほとんど変わっていませんよ。

それはもう、大臣がおっしゃったように背景分かっていますよ。ヨーロッパとはもう発効したし、アメリカとの話も、多分来年の1月か2月に批准を目指して奔走しているわけですから、韓国政府は。要は、はっきり言ってEPAについてはつれなくされた。だって、本交渉始まっていないじゃないですか、これ。これ何か、実務者協議を加速するって、実務者協議を加速するって、別に本交渉のめども何も立っていないでしょう。

つまり、スワップ協定で、もちろん両国のためになるとは思いますが、スワップ協定でかなり日本が、ある意味でいうと韓国をサポートする側に回ったのに、このEPAについてはほとんど色よい返事がもらえなかったということですよ。それは、もちろん背景は分かりますけれども、このぐらいのところ、ちゃんともっと私は決めていただきたかったんですね。

じゃ、日本がずっと求めている李明博大統領の国賓としての訪日、これについての日程、決まったんでしょうか。

[105]
外務大臣 玄葉光一郎
具体的に今問いがあったわけでありますけれども、正式に何かが決まったということではございません。

[106]
自由民主党 山本一太
これも李明博大統領に冷たくあしらわれたということですよ、もう随分前から求めているんですから。

シャトル外交でいえば、今回、野田総理と外務大臣が韓国を最初の訪問先に選んだということについては私、異論はありません。それはそれで、ある程度戦略的な判断があったんだと思うけれども、シャトル外交からいけば今度は向こうが来る番なんだから、その日本側が求めていた訪日の日程さえ決められないわけじゃないですか。EPAについては本交渉のめども立たない。





平成23年10月27日 参議院 財政金融委員会
[017]
自由民主党 佐藤ゆかり
そこで、今お話が出ました通貨スワップの件についてお伺いしたいと思いますが、日韓首脳会談で野田総理が通貨スワップの枠組みの拡充を合意してまいりました。これは、実際には10月19日の日韓首脳会談で2つ通貨スワップの協定というのは日本は結んでいるわけでありますが、1つは日銀と韓国銀行との間の円・ウォンの通貨スワップの協定、これを、限度額を現行30億ドル相当から300億ドル相当へ増額するという合意。

そしてもう一つは、財務省がやっております外為特会を使ったドル・ウォン通貨スワップでありまして、これを現行の100億ドルから、今回新設すると合意した部分も含めまして400億ドルに拡大することを合意したということであります。

実は、この通貨スワップの拡充につきましては、私ども自民党の円高対策PTで、9月の初旬の第一弾の策定中に財務省や金融庁、日銀とも政策の練り合わせをしていたわけであります。当然、事務方で私もこの通貨スワップの、特に円高対策の一環として円・ウォンなどの通貨スワップの枠組み拡充というのは提言をしておりました。しかしながら、当時はまだ、今から1か月ぐらい前の話なわけですけれども、関係当局がこの通貨スワップの枠組みの拡大には大反対をされたわけであります。僅か1か月経過した今、日韓首脳会談でこれは合意になったと。

この1か月の間に、政府側のこの大反対から合意に至るまで全く姿勢が反転したわけでありますけれども、これは何が反転の理由としてあったのか。そしてまた、当時反対した理由を伺いますと、外交交渉カードをむやみに使いたくないんだと、そういうお話があったわけでございますが、今回、日韓首脳会談でこの外交カードを使うということで通貨スワップ拡充の合意に至ったということであるならばどのような、外交カードによって何を韓国政府から日本政府が取り付けたのか、その点、何を取り付けてきたのかについて、安住財務大臣、お願いいたします。

[018]
財務大臣 安住淳
確かに、9月の時点で自民党の方から要請があったということは私も聞いておりました。どういう変化かというと、ウォン安が一段とあのときからはかなり進んだということは事実だと思います。

それで、実は、何を我々として利益を得るのかということですけれども、それは、何か担保を取ったのかと言われれば、私は、一言で言えば、やっぱり通貨の安定であろうというふうに思っております、広い意味でですね。

御指摘がありましたように、今回のこの枠組みというのは、日銀から韓国銀行への30億ドルを300億ドル、それから我が方から新たに300億ドル、財務省からですね、そしてチェンマイ・イニシアチブのこの100を足すとちょうど700になるわけであります。これぐらいの資金を言わばスワップして韓国に渡せば、外為、韓国としてはもう十分対応できるというふうなことを私たちとしては考えておりますし、それが通貨の安定になっていって、現に市場を見ていましても、韓国市場についてはその後の動きは非常に安定をしております。

しかし、それは広い意味で具体的に何か日本にどうかという話であることは、事実、そういう指摘もあるんです。例えば、統計上、日本から韓国への輸出額というのは5.5兆なんですね、2010年。これは全体に占める、我が国にとっては世界貿易の中の8%にも及んでおります。ですから、そういう点では私たちにとっては非常に重要な取引先でございますので、そこの過度なウォン安について今、韓国政府は非常に厳しい戦いを逆に強いられているわけでございますが、為替の安定というものは、結果的には日本の安定に資するという判断でこういう政策決定をさせていただきました。

[019]
自由民主党 佐藤ゆかり
外為特会を使ってこういう通貨スワップの枠組みを拡充するということは、日本の国民の税金を使うという話なんですね。ですから、やはり国益にかなった何か取決めをして、利益が日本にとってもあるという前提でやはり拡充をしていただくべきであると思いますし、であるからこそ、私の理解では、9月の段階で自民党PTとしてこの通貨スワップの拡充を一旦提言をしかけたときに、外交カードを使いたくない、極めて外交カードのメリットというものを意識した反対であったと、そういう認識でいるわけであります。ですから、今回、あえてそれを撤回して外交カードを使ったわけでありますから、じゃ何を求めて、何を取り付けたのかということですね。

実際にこの財務省の報道発表、今回のこの通貨スワップ協定の拡充という報道発表によりますと、日韓における金融協力の強化の観点から行うものというふうに記されております。また同時に、外務省の方の報道でも、金融市場の安定のためというような表現がなされているわけでありますが、この金融市場の安定とかそういう表現は、これはある意味、どの国もその金融市場が安定すれば便益を受ける公共財のようなものなんですね。金融市場が安定するということは公共財のようなもので、誰もコストを払わないけれども誰もが便益を受ける。要するに、日本が通貨スワップでこのような直接的な便益を韓国に対して供与しても、その通貨スワップの合意の中に全くかかわっていないほかの国々もその結果得られる金融市場の安定には便益を受けるわけであります。そういう意味で公共財のようなものなんですね。

公共財に対して外交カードというのは切らないんですよ。外交カードというのは、あくまで日本国としてどういうメリットがあるかという観点で個別のメリットを引き出すために外交カードというのは切るんですね。公共財のためには外交カードって切らないんですよ。

その点はいかがですか、もう一度お伺いします。個別の利益というのは何でしょうか。

[020]
財務大臣 安住淳
そうはいっても、8%もの輸出を受けてもらっている国であるということはやっぱり非常に大きなわけで、今般、聞くところによりますと、中国政府も日韓に倣って韓中でこのスワップ協定を昨日までに結ぶことになったと。

一言で言えば、やっぱりウォン安に歯止めを掛けて為替レートの安定をする努力をしている韓国の中で、現実に外貨がどんどんと、もしなくなっていくということになれば、先生も御指摘のように、90年代後半のやはりアジア危機と同じような構図になりかねないこともあるのかもしれないので、そういう点では本当に、これは通貨安定のためというのは、大きな意味で申し上げていると同時に、日本にとって、やはり貿易相手国として、また隣国として様々な面でこうしたスワップというものは価値のあるものであるというふうに私は認識をしております。

[021]
自由民主党 佐藤ゆかり
金融市場の安定とか為替の安定の目的、これは当然大事なことでありまして、それは進めなければいけないことです。

ただ、であるからこそ、それに対して協力をする上で何を日本政府として引き出すんですかと、そこを聞いているわけですね。何も要するに引き出していないということだと思いますが、こういうところ、こういうやり方では駄目なんですよ。

大切な国民財産ですよ、外為特会を使ってやるわけですから。それで外交カードを切るのであれば、何か韓国政府から日本に対しての協力を具体的に取り付けるとか、そういうことをきちっと交渉でやっていただかないといけないと思います。そのことを厳重に申し上げておきたいと思います。





平成23年10月27日 参議院 内閣委員会
[189]
みんなの党 江口克彦
私の話も長いんですけど、古川大臣の話も長いので、簡潔にひとつお答えをいただきたいと思うんですけど。

野田総理は、先日の訪韓のときに、日韓通貨スワップについて130億ドル相当から700億ドル相当に大幅に拡大し、皇室に保管されていた朝鮮王室儀軌を引き渡すなど、韓国に一方的に有利な外交政策を展開されたように私には感じられる。その見返りに我が国が得たものは何なのか。

それから、特に韓国は大幅な通貨安定政策を取り、我が国が韓国に対する国際競争力を失う中で、そのような経済政策を行う理由は何なのか。

しかも、通貨危機に陥るのはいつも韓国側であり我が国ではない。これは一方的な支援策にすぎないと考えるんですけれども、古川大臣の見解をお伺いしたいと思います。

[190]
内閣府担当特命大臣(経済財政政策・科学技術政策) 古川元久
今日もEUの方の欧州情勢は大変まだ揺れておりますけれども、グローバル経済の不透明感が高まる中で、その影響が韓国の金融市場にも伝播することが懸念されております。こうした中で、為替市場を含めた金融市場の安定化のために日韓両国間の金融協力は、これは日本にとっても大変重要な問題だというふうに考えています。

委員も御承知のように、韓国が一時期は意図的にウォン安を誘導していた部分はありますが、ここのところのウォン安は、これは韓国の方も逆に介入して何とかウォンを支えなきゃいけないというような状況になっているわけでございますが、しかし、この状況によって日本は非常に産業の競争力の点でも韓国との間で不利な状況を生み出しているわけでありますから、やはり日本にとってもこうした韓国が、理由のいかんは何であれ、ウォン安の方へずるずるずるずると行ってしまうのは日本にとって好ましくないわけでございます。

そういった意味では、これは日本の立場から考えても、この通貨の、為替市場を含めた金融市場の安定化は非常に重要だということで、今回、政府及び日本銀行が金融市場の安定化を目的として、日韓間の通貨スワップを1年間の時限的措置として総額700億ドルに拡充することといたしました。

これによりまして、円・ウォンレートを含む為替市場の安定を通じた金融市場の安定化が図られ、貿易を始めとして緊密な経済関係にある日韓の両国経済が共に安定的に成長していく、そういう状況をつくっていけるように私どもとしては努力してまいりたいというふうに思っております。

[191]
みんなの党 江口克彦
いずれにしても、韓国のみならずロシアに対しても、あるいはまた中国、北朝鮮、あるいはまたアメリカに対しても、いわゆるおじぎ外交だけはやっぱり、ある程度、度が過ぎれば卑屈になるということは心に秘めて、日本の国というものを意識して展開をしていただきたいと思います。





平成24年08月24日 参議院 予算委員会
[037]
自由民主党 山本一太
何で今私がこのスワップ協定のことを安住大臣に聞いたかというと、私は昨年の予算委員会で総理にこのことを質問しました。日韓首脳会談でどういう成果があったのかと。総理の方から日韓スワップ協定という話があったので、これは韓国側に対して日本が手を差し伸べたのかという話をしたら、総理の答えは物すごく曖昧で、こういう厳しい経済状況の中で何が起こるのか分からないので、日韓の通貨スワップについての取決めを行わさせていただきましたと、韓国との関係においては、こうやって経済的な連携を大いに深めていこうということでございますとしか言っていないんです。その日韓首脳会談では例の朝鮮王朝儀軌を返し、このスワップ協定を、さっき安住大臣の言葉を借りれば、韓国側に手を差し伸べる形で締結をし、しかし日本側はほとんど何も得なかったんです。だから私は今ここでそう言っているんです。

その玄葉大臣にお聞きしたいんですが、玄葉大臣の発言に至っては、私、去年の外交防衛委員会で通貨スワップはどういう目的でやったんでしょうかと玄葉大臣にお聞きしました。玄葉大臣の答えは、お互いのためになるのではないかということでこのスワップの話が出てきたと、しかも、もっと言えば、かねてから財務当局間同士でずっと議論されてきたというふうにおっしゃったので、私がどちらが持ちかけたんですかとお聞きしたところ、外務大臣がこう言ったんですよ。いや、財務当局間でずっと進んできた話が仕上がってきたということが一つ大きかったと、ですから、そういう意味では、どちらか一方というよりは両国間で仕上がってきたと。

言っていること違うじゃないですか。虚偽答弁ですから、ちょっと答えてください。訂正してくださいよ、発言を。

外務大臣ですよ、外務大臣ですよ。いや、外務大臣。(発言する者あり)関連じゃない。外務大臣ですよ。

[038]
外務大臣 玄葉光一郎
いや、まさに財政当局間で議論してきたのは、先ほど来から総理も、また財務大臣も答弁をしているとおりだというふうに思います。

そして、たしかあのとき申し上げたんですけれども、もちろんどちらかといえば韓国側にとってプラスなんでしょうけれども、そのことも含めてまさに韓国経済そのものが発展をしていく、これだけ相互依存関係が、日韓関係、経済で進んでいる中で、その通貨の安定というのは必要である、そういう観点で私はそのときそういう合意がなされたものと、そういうふうに理解しています。

[039]
自由民主党 山本一太
いや、もう安住財務大臣の言っていることと違うと思いますよね。

今日、テレビで国民の皆さん御覧になっていますけれども、これが玄葉大臣の正体なんですよ。どちらから持ちかけたかということをお聞きして、はっきり答えなかったんですよ、玄葉大臣は。そういう感覚だから常に韓国に間違ったメッセージが行くんです。

安住大臣にもう釈迦に説法だと思いますが、スワップ協定については、韓国側は何度も日本側が言い出したものであって、なくても困らないというふうに言っています。まあこれは報道ベースですけれども、韓国の高官は、日本との通貨スワップがなくても韓国ウォンの価値が不安定になる状況ではないと、こう言っていますし、両国の相互利益のためであって、スワップ枠を拡充した際も日本側が先に提案したと、こう言っています。さらに、朝鮮日報、これも御覧になっていると思いますが、通貨スワップの拡充措置は、韓国側にも必要だったが、日本の輸出競争力に決定的に打撃を与えていた円高を解消するために日本政府にとっても必要だったと、にもかかわらず、安住財務相は通貨スワップ拡充について、あたかも日本が外貨不足に陥った韓国を支援するためにとった措置であるかのように歪曲したというふうに言っています。

これを受けて、財務大臣にもう一回お聞きします。

危機に備えて今700億ドル拡充していますが、これ、130億ドルに戻すということを、期限が切れるわけですから一旦やったらいかがでしょうか。どうですか。

[040]
財務大臣 安住淳
そういう報道があったものですから、かなり高いレベルで直接こちらから問合せをいたしました。韓国の関係省は、その中では、そういうことは一切申し上げておりませんと、大変そういうことであれば、そういう報道があったことは残念ですとは言っているものの、我が国の国民や私どもの受け止め方としては極めて遺憾であり、これは明らかに事実と違いますので、訂正を求めたわけであります。

そこで、チェンマイ・イニシアチブの問題がまずありますから、通貨が不安定になることは日本経済にとっても好ましいことではございません。日韓の関係は、金融の部門でいえば、やはり日本の金融機関をメーンバンクにしている企業も結構ありますので、韓国には、そういうこともいろいろありますから、私どもとしては冷静に対応しないといけないと思っています。日本の企業がそれで打撃を受けたら、これは元のもくあみになりますので。

そういうことは勘案しながらも、先ほど申し上げましたように、こうした、外為で苦しんでいたのは事実ですから、韓国はウォン安でドルがなくなっていくわけですから、そういう中で、我が国としてはそうした経済的な関係を含めて配慮をした上で総理の御決断もあってスワップをやったことで、韓国のウォンも韓国経済全体も昨年の秋以降私は安定したということはあるし、そういうことに対しては事実ですからしっかり私は韓国に認めていただきたいと思いますが、

10月末に、先ほど申し上げましたように、上限を上げた部分は切れますから、期限が、そこに対してどういうふうに臨むかは、現時点ではですよ、何もなければもしかしたらそのまま延長ということもあると思いますけれども、今の時点では全くこれは白紙として、白紙に戻して考えさせていただかないといけないと思っています。

[041]
自由民主党 山本一太
総理に改めてお聞きします。

今の財務大臣の御答弁、もうそのまま総理も同じお考えですね。つまり、この通貨スワップの見直し、これは今決めろということじゃありませんが、これは見直しの具体的な対応策の一つとしてこの通貨スワップの見直しというものは政策の選択肢にきちっと上がっていると、こういうことでよろしいでしょうか。

[042]
内閣総理大臣 野田佳彦
基本的には、日韓関係というのは未来志向でいきたいというのは、去年首脳会談で確認をしたことだったんです。その一環で出てきたことが、一つは経済面でいうとこの通貨スワップ、要は欧州の危機がアジアに伝わってこないためにチェンマイ・イニシアチブを強化する、そして日韓スワップをつくるということの一環だったんですね。あるいは、安全保障、防衛面ではGSOMIAをちゃんとやろうとか等々、具体的、実践的にやっていこうという、元々根っことしてはある話です。

私は、これからもそういうものは模索したいと思いますけれども、非常に今の関係の中で、このスワップに対する評価等々、今の、これ報道だけでは判断してはいけないと思いますが、そういうものはよく見ながら、10月に期限が切れますので、それまでは今白紙で臨んでいくという財務大臣の姿勢で結構だというふうに思います。





平成24年09月03日 参議院 決算委員会
[108]
自由民主党 佐藤正久
次に、財務大臣は、日韓の通貨スワップ協定に関して日本から韓国にお願いしたことはないと、韓国の事実歪曲に抗議をいたしました。

ただ、今度は、韓国政府は、防衛大臣、9月7日から軍を投入して竹島で訓練を行うということを発表しています。我が国の領土で軍事訓練を行う。

防衛大臣、これは防衛チャンネルでも韓国の国防部長官に訓練を中止するよう抗議すべきだと思います。財務省はしっかりやりました。防衛省もしっかり防衛チャンネルで言うべきことは言う、まだやっていないのであれば、これから速やかにやっていただきたいと思います。いかがですか。

[109]
防衛大臣 森本敏
韓国が竹島周辺でこの種の訓練をやるというのは、誠に我が国にとって遺憾であり、先生の御指摘のとおりであります。外交ルートで従来やっておりますけれども、我が方もいろいろな交流がありますから、その交流の場できちんと日本として抗議をする、当然のことだと思います。