AIIB アジアインフラ投資銀行 3/3

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平成27年04月20日 参議院 決算委員会
[226]
無所属 中西健治
まず、外務大臣にアジアインフラ投資銀行についてお伺いしたいと思います。

中国からの回答についてなんですが、日本は、我が国は、公正なガバナンスが確立できるのか、債務の持続性を無視した貸付けにより他の債権者を害さないか、環境、社会に対する影響への配慮が確保されているかという点について問題提起を行ったものの、中国側からは明確な回答は得られなかったとして、3月末の設立メンバー、申請期限は見送ったというふうに理解しておりますけど、明確な回答が得られなかったということは、何らかの回答は得られたということでしょうか。

[227]
政府参考人(外務大臣官房参事官) 滝崎成樹
お答えいたします。

日中間の具体的なやり取りの詳細については御説明を差し控えさせていただきたいと思いますけれども、我が国のAIIBに関する基本的な考え方については、これまで中国に対して様々なレベルで様々なタイミングを捉えて問題提起をしてきております。

しかしながら、現時点で中国側からはまだ具体的な説明というのは得られていないという状況にあります。

[228]
無所属 中西健治
差し控えるということでありますけど、初期の交渉の段階では不明確な部分があるのはある意味当然なんじゃないかと思うんですが、そこら辺は全く許容しないということでしょうか。これは外務大臣にお伺いしたいと思います。

[229]
外務大臣 岸田文雄
AIIBにつきましては、まず日中間で様々なレベルで意思疎通を図り、意見交換は行ってきました。その中にあって、今委員から御指摘がありましたように、我が国の立場、我が国として、ガバナンスの確立ですとか債務の持続可能性ですとか、こういった点について問題意識を申し、中国側に説明を求めてきたわけですが、明確な答えを今も得ていない、こういった状況にあります。

引き続きまして、関係各国ともこうした問題意識は共有しながら中国側に働きかけを続けていく、こういった対応は重要であると認識をしております。

[230]
無所属 中西健治
申し上げましたとおり、これ設立されるところでありますから、ある意味軟らかいところもあって仕方ないのかなというふうにも思うわけですけれども、ADBですとか世銀並みのガバナンス、これがなければ参加する余地はないのか、それとも、やはり初期段階なのでそうしたものはある程度許容する余地があるのか、それについてのお考えをお伺いしたいと思います。

[231]
外務大臣 岸田文雄
まず、我が国としましては、このAIIBにつきましては、既存の国際金融機関と比較した場合に遜色のない基準が求められるというように考えております。

この点につきましては、このAIIBの交渉に参加を表明した国においても、また、米国や我が国のように交渉参加については慎重な立場にある国においても認識は共有をしております。

そして、これを満たしたならば参加の余地があるのかという御質問がありました。今現状においては、まずはこうした問題意識をしっかりと提起し、中国側に働きかけていきたいと存じます。これは、参加するということになれば大きな出資が求められます。国民の税金を使う以上は、これは当然の責任ある立場であると思っています。

ただ、基準を満たしたならば等、仮定の話に対して今の時点で予断を持ってお答えするのは、これは控えなければならない、我が国の責任ある立場として控えるべきではないかと考えます。

[232]
無所属 中西健治
お話の中で、関係各国とは緊密に連携ということがありましたけれども、4月13日付けの読売新聞だったと思いますけれども、AIIBへの参加判断に当たってG7が統一基準の作成を進めていたという記事が掲載されておりました。G7諸国との間でこの統一基準の作成は行われたのでしょうか。

[233]
外務大臣 岸田文雄
AIIBに関しましては、こうした構想が発表されてから後、関係各国とは緊密に意思疎通、連携を図ってきました。3月末の交渉参加の締切り前において英国等が交渉参加を表明したわけですが、私の知っている限りにおいても、英国あるいはフランス、ドイツ、又はオーストラリア、こういった国々は従来から意思疎通を図ってきましたし、交渉参加に当たって事前に我が国に対して通報を行う等、意思疎通を図ってきました。

このように緊密に連携、意思疎通を図ってきたわけですが、具体的に基準を作ったのかとか、これを中国に提示したのか、具体的なやり取りについては、これは相手国との関係もありますのでここで申し上げることは控えますが、ただ、今申し上げましたように、様々な意思疎通、そして情報交換は行ってきました。そして、その上で関係各国との間においては、このAIIBにつきまして、既存の国際金融機関と比べて遜色のない基準が求められる、確かなガバナンスと債務の持続性等、こういった点について明らかにされなければならない、こういった点について共通の認識を持ち、交渉の中、外という立場の違いがあっても中国側には引き続き連携して働きかけをしていかなければならない、こういったことを確認しております。

先日行われましたG7外相会談におきましても、このAIIBの議論において各国の連携は重要であると、引き続き連携して働きかけていこう、こういったことを確認いたした次第であります。

[234]
無所属 中西健治
先ほど出資金、大きな金額求められる、参加するならば求められることになると、こんなような御発言がありましたけれども、委員会でも1000億円単位という言葉をお示しになられたかと思いますが、1000億円単位といっても、ADBですとか世銀への出資金と比較した場合には特に大きいということにはならないということでよろしいでしょうか。単に、1000億単位というのは、客観的にこうなるだろうということをおっしゃられたと思いますけれども、他の国際機関への出資と比較した場合に大きいという価値判断ではないと、こういうことでよろしいでしょうか。

[235]
外務大臣 岸田文雄
AIIBにつきましては、構想が発表されてから後、具体的な状況につきましては十分把握されていない中にあっても様々な議論が行われ、また推定が行われてきました。AIIBのこの出資金につきましても様々な推定が行われ、私自身、様々な関係者が様々な場で行った推定を見る中にあって、委員会の答弁の中で少なくとも1000億円単位の出資金が求められる、このように説明をさせていただきました。それ以後を見ましても、例えば、中国の方からアジアからの参加国の出資金は70%程度だというような公式的な発表が行われた、こういった動きもありました。

ですので、こうした出資金のありようにつきましては、まだまだ不透明ではあるとは思いますが、いずれにせよ、これはある程度大きなお金が、出資が求められる、国民の税金が使われることになります。こうした国民の税金の使い道についてしっかりとした責任を負う政府の立場から、引き続き中国側に、ガバナンスの確立等、実態面について説明を求めていく、こういった態度は続けていかなければならないと考えます。





平成27年04月23日 参議院 財政金融委員会
[115]
日本共産党 大門実紀史
午前中少し西田さんからありましたが、AIIB、アジアインフラ投資銀行について質問いたします。

これは2013年の10月に中国が呼びかけて、アジアのインフラ整備に資金を提供するということで、今年の3月に参加国が締切りされて、日本、アメリカを除いて、ヨーロッパを含めて57か国が参加をすると。この6月に正式な設立協定の調印がされるということですけれども、日本が参加しなかったことについて賛否両論が今起きているところであります。与党の中でも議論があるというふうに聞いておりますけれども。

まず、財務省に、なぜこのAIIB、アジアインフラ投資銀行に参加しなかったのか。麻生大臣にはちゃんとお聞きしますけれども、麻生さんに聞くといろんなことをおっしゃりますので、まず、事務方として、答弁書を書くのは事務方でしょうから、簡潔なきちっとした答弁を聞きたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

[116]
政府参考人(財務省国際局次長) 武内良樹
アジアインフラ投資銀行については、アジアのインフラ資金需要を背景にその構想が出されていると承知してございます。他方、国際金融機関による融資につきましては、既存の国際金融機関と遜色のない公正なガバナンスの確保、理事会の役割、環境社会配慮が必要だと考えてございます。

日本は、AIIBに関しましては、域内国として中国に次ぐGDPの規模があることから、日本の加盟はAIIBにとっても大きな意味を有すると考えられます。中国も日本の意向に関心を示しているところでございます。

そうした中で、日本といたしましては、ほかの国々とともに交渉に参加するよりも、交渉の外から直接中国に働きかける方がAIIBが責任ある国際機関となるために有効であるとの判断により、交渉に参加していないものでございます。

[117]
日本共産党 大門実紀史
交渉の外からって分からぬ。外からの方が、何ですか、要するにずっと入らないということですか、そうしたら。入るんですか。入ることを前提に、今のところは入らないで外から意見言った方がいいということなのか。

入らないつもりだったら何の交渉力もないじゃないですか、関係ないんだから。どっちなんですか。

入るつもりで、いずれ入るんだけれども、今は入らないでいろいろ外側で意見言った方がいいんだということなんですか。

[118]
政府参考人(財務省国際局次長) 武内良樹
お答え申し上げます。

入るか入らないか、いずれ入るか入らないかにつきましては、まずはAIIBがどのような機関になるのか、それを見極めた上でなければ判断が付かないことと考えてございます。

AIIBがどのような機関になるかを、その責任のある機関として社会環境配慮などをする、理事会の役割をきちんとする、そういったことができるかどうかについてまずは見極める必要があろうかと思います。

その上で、その見極めるに際して日本側の意見を伝える伝え方でございますけれども、外から直接中国側に申し上げる方が有効ではないかと考えているところでございます。

[119]
日本共産党 大門実紀史
それは、だから、入ってみんなでこれから作ろうとしているわけですよ。何で入らないでやるのか分からないですね。

何かいろんな審査基準がどうのとか、貸した金が返ってこないとか、いろんなけちを付けられることばかりおっしゃっているんだけれども、それはほかの国だって危惧があるわけですよね。入ってルールを作るのに参加するということで入っているわけですよね。

だから、財務省の言う理屈って何かちょっとよく分からないんだけれども、何かただけちを付けているみたいな、こう思うところがあるんですけれども。

もう端的な話、これは、あれですか、アメリカが参加していてもそんな理屈で入らなかったんですか。

[120]
政府参考人(財務省国際局次長) 武内良樹
お答え申し上げます。

AIIBがまともな機関になるためにどのような形で働きかけをするのかということでございますけれども、交渉のメンバーとして中に入らなかったとしましても、中国側とは日本側は直接会話ができるわけでございます、働きかけはできるわけでございます。

そういった中で、中国に対して日本が外からきちんと日本側の懸念を伝えるということでやることの方が有効ではないかと考えた次第でございます。

[121]
日本共産党 大門実紀史
答えにくいですか。

いや、これ僕思うんですけれども、アメリカなんか日本を裏切りますよ、平気で。平気で裏切りますから、アメリカの顔色を見て、最初はそうですよね、G7そのものにアメリカが働きかけて、G7は今回ちょっと見送ろうかと思っていたのが、イギリスが抜け駆けしたものだからみんなわっと入っちゃったと。で、日本が残っちゃっているわけですね。

だから、これは流れでいくとそうなっているわけですから、日本の場合はアメリカの顔色を見てやっぱり踏みとどまったと。意見交換もされてきたという話は聞きましたから、そうだと思うんです。それはまあ別に、いいと思いませんけれども、ありのままだとしてですよ、それならそれでもうちょっと何かちゃんとした理屈で入らないとか入るとか組み立てるべきで、何かごちゃごちゃごちゃごちゃいちゃもん付けて、これからでも話ができるとか何だとか、そんな甘いものじゃないですよね。やっぱり、最初に参加して、参加した中でどういう形か組織ルールも作るわけだから、そこで物を言わないと、何か変えられるということにならないと思うんですよね。

それはあれですか、それじゃ、今後、仮にアメリカが、アメリカなんか日本を無視して入るときは入りますからね、アメリカが入ってもまだ同じことを言い続けるんですか。どういう観点ですか、今の理由は。

[122]
政府参考人(財務省国際局次長) 武内良樹
米国がAIIBに入ったならば日本はどうするのかという御質問かと思いますけれども、そういう仮定に基づく答弁はちょっと差し控えさせていただきたいと思っています。

ただ、いずれにせよ、AIIBの参加の是非は、AIIBが責任のある機関となるかどうかということをまず見極めた上で、その上で議論をする必要があろうかと思っております。

[123]
日本共産党 大門実紀史
だから、財務省としてもその程度のことしか今言えないといいますかね。こんなの、今そんな一生懸命おっしゃいますけれども、急に政治的に判断が変わったらどうするんですか。今言ったような答弁、何にも残らないですよ。意味がなくなりますよ。だから、何というのか、もっとどっしり、入らないなら入らないと、それはこういう日本の戦略があるからだというようなことがあればまだ聞こうと思うんだけれども、何かけちばっかり付けているんですよね。

ちょっと情けないなと思っておりますし、流れからいきますと、IMF改革というのがこの委員会でも議論になったことがあります。あれは亡くなられました中川財務大臣の頃だったかなと思いますけれども、そのときにはやっぱりそういう新興国が今のIMFの在り方とか、世銀もそうですけれども、いろいろかなり要望が出た。ところが、アメリカがそのIMF改革を拒否するといいますか、ちゃんとやってこなかったと。そんないろんな流れがあってこう来ていると。

なおかつ、今、参加したアジアの国々は、日本が実際に懸念しているような、中国主導になるんじゃないかとか、中国がいろんなことを勝手にやるんじゃないかとか、そういうことが思われるからこそ日本に入ってほしいというふうにアジアの国は思っていたりするわけですよね。だから、もっと何かもうちょっと大局的に捉えた方がいいんじゃないかなと私は思いますし、この前のG20の声明にそのもの、IMFの改革そのものの要望が入っているぐらいですので、もうちょっと大きく捉えた方がいいんじゃないかなと思うんですけれども、あとは麻生さんに聞きます。

このAIIB参加の賛否について黒田総裁に聞いてもこれは答える立場じゃないということになるのは分かっておりますので、ちょっとこの情勢を踏まえて大きな話をお聞きしたいと思うんですけれども、アジアの経済あるいは金融の連携というのはこの委員会でもよく議論になってまいりまして、私もアジアの経済金融連携は進めるべきだという立場から、さっき言ったように、もうとにかく今までアメリカの顔色ばっかり見てやるんじゃなくて、日本がもうちょっと自分の頭で考えて、アジア全体のためにイニシアチブを発揮して、中国とも対等に渡り合う、あるいは中国とも協力すると。

ただアメリカじゃなくて自分で考えてやるべきだということは何度も議論したことがありますし、谷垣財務大臣の頃、あるいはさっき申し上げた中川大臣の頃に、このアジアの連携でいいますと、かつて97年の通貨危機のときに日本がアジア通貨基金構想を出したらアメリカに潰されたわけですよね。ただ、当時の政府はなかなかでして、その後、新宮澤構想とかチェンマイ・イニシアチブとか、これはいざというときの通貨スワップですけれども、アジア債券市場とか、アメリカの顔色は見ていたかも分かりませんけれども、日本独自でやることはやろうというような流れがあって、私はそれを非常に評価して、更にその点頑張って、もっとアジアでの共同を日本がイニシアチブを取ってやるべきだと言ったら、本当に谷垣さんとか中川さんとはもう意気投合したというのを覚えておりますけれども、この委員会でですね。

ところが、その後、それはその狭い範囲でやっぱりアメリカの顔色ばっかり見ているからTPPのことが出てきたりしてきて、その間に中国は経済力も発言力も増してきて、そしてとうとうこういうふうに、自分たち主導、中国主導でこういうものを始めたというふうな流れになってくることを思うと、日本は何していたのかと。本当にアメリカのことばっかり思っているから立ち遅れてきているなというのをつくづく思うわけであります。

私は、そういう面で、このAIIB見ると、もちろん中国の思惑はありますし、堂々と言っていますよね。自分たちの過剰生産能力の問題とかシルクロード構想とか、もう隠さないですよね、中国は、自分の思惑を。しかし、57か国も参加して規模がこれだけの規模になって、なおかつアジアの人たちは、いろいろ中国の思惑はあるけど、やっぱりこれは使える枠組みだということで参加すると。だから、規模のメリットとかはありますから、いろいろありますけれども、やっぱり日本も参加していい共同の投資銀行にしていくことに力を尽くすべきだというふうに思うわけですけど、まあそういうことを思いますが、それを聞いても黒田さんとしてはどうかということにならないと思いますので。

その中の1つなんですけれども、これは金融問題が、私、背景にあると思っていまして、中国も、インフラだけではなくて、過剰生産能力を処理するだけではなくて、人民元の国際化というのを掲げているんですよね、これ。私は、円の国際化をもっときちっと進めるべきだという立場で質問をしてきました。その点でいくと、今回のこのAIIBの中国が始めた意図の1つは人民元の国際化と。これについて、駄目という意味じゃなくて、やっぱり円の国際化ということと対峙する上でもきちっと見ておく必要があると思うんですね。

一言言えば、イギリスがなぜ急にAIIBに入ったかというと、私は大きな理由として金融問題があると思っております。やっぱりイギリスのロンドンを金融センターのままで維持するためにはこれに参加しておいた方が得だというようなことがあったように思いますので、やっぱり金融面で考える必要もあるかと思うんですけれども、特に中国の人民元の国際化ということについて、黒田総裁のお考えをちょっと聞かせてもらえればと思います。

[124]
参考人(日本銀行総裁) 黒田東彦
御指摘のとおり、中国は人民元の国際化ということを目標に掲げて、様々なことを既に始めております。

具体的に申し上げますと、人民元が完全に国際通貨として、ドルやユーロ、あるいは円などと同様に自由に使えるようになるためには、幾つかの要件があると思いますが、

1つは資本規制の廃止と。資本勘定がまだ規制されたままですので、人民元がありましても、それをほかの通貨に自由に替えられない、あるいはほかの通貨から人民元に自由に替えられないということですと、なかなか人民元の国際化というのは進まないということになりますので、中国人民銀行は既に資本規制の緩和ということをかなり明確に打ち出しておりまして、それが今後どのように進むのかというのは非常に関心のあるところであります。

2番目が、金利の自由化を含めて金融自体をある程度自由化しないと、人民元を使うということになりますと、結局は銀行を通じて決済あるいは資金の運用ということが行われますので、金融の自由化ということも必要であろうと思います。

更に言いますと、様々な決済が国際的に行われる仕組みができてこないといけないということでありまして、これらも全て実は人民銀行が金融の自由化も着実に進めておりますし、決済についてはまだ資本規制が残っておりますので自由ではありませんけれども、そちらの方向にも進んでいるということで、そういうことでは、政府あるいは中央銀行が行うこととしてはかなり着実に進めていると。ですから、そういうことが進んでいけば、将来人民元が国際化し、国際的な通貨として広く使われるようになるだろうと思います。

日本円につきましても、今申し上げた資本規制の、これはもう完全に廃止されていますし、金利等の金融の自由化も進められておりますし、また、決済の国際的なものについても次々に進めておりますので、そういった意味では、規制の緩和というか、そういう政府、中央銀行の対応としては日本の方がはるかに進んでいるわけですが、中国もかなり急速に進めておりますので、これが具体的に円と同様に、あるいは円以上に人民元が広く国際的に使われるかどうかということになってきますと、やはり民間の投資家、金融機関等がどの程度本気になってやるかということにも懸かってきまして、日本の場合は、政府、中央銀行としては全て国際的に使えるようにしたわけですけれども、ドルのようには国際化していないと。あるいは、ユーロと比べてもやや劣るということでありますので、最終的には民間の投資家、金融機関がどこまで対応するかということに懸かっていると思いますが、中国の人民元が国際化していくこと自体は私は大変結構なことであると、好ましいというふうに思っております。





平成27年05月21日 衆議院 総務委員会
[153]
社会民主党 吉川元
最初にお聞きしたいんですけれども、アジア地域のインフラ整備に今後年間ベースでどの程度の需要が発生すると想定しているのか。

そのうち、通信、放送、郵便事業はどの程度の割合を占めると考えているのか、説明をお願いします。

[154]
政府参考人(総務省情報通信国際戦略局長) 鈴木茂樹
お答え申し上げます。

アジア地域におきますインフラ整備の需要は、2020年までに年平均で80兆円程度というのが見込まれてございます。

そのうち、情報通信インフラにつきましては、年平均10兆円程度が見込まれておりまして、今回、本機構によります支援を通じまして、こうした膨大なアジアのインフラ需要といったものを取り込んでまいりたいと考えてございます。

[155]
社会民主党 吉川元
今御答弁いただいたとおり、あと、新聞等によれば、アジア地域だけでも8000億ドル、96兆円というようなことも一部報道されております。

まず、問題にしなければならないのは、それらの需要を満たす資金がどのように供給をされるのかという点だろうと思います。国際金融機関としては、IMFや世銀、それから、日本が最大の出資国であり総裁を務めているアジア開発銀行があります。

先般のアジア開発銀行の総会では、17年度にアジア開発銀行の融資枠を現行の1.5倍に引き上げ、年間200億ドルの融資を可能にするということが合意をされたと報じられております。

しかし、年間200億ドル、アジアのインフラ需要は今ほど新聞報道等の8000億ドルということを基準に見ますと、その40分の1にすぎず、今のアジア開発銀行の融資枠ではアジアのインフラ需要を満たすことはできないというのは明白であります。

そこで、きょうは財務省に来ていただいておりますけれども、現時点で57カ国が参加表明をしているアジアインフラ投資銀行、AIIBに、日本は創設メンバーとしての参加を見送りました。

表向き、AIIBのガバナンスの不透明さなども指摘をされておりますけれども、イギリスの参加を皮切りに、日本、アメリカ、カナダを除くG7諸国も参加をしております。また、恐らく日本の大きな投資先と想定されるであろうASEAN諸国も、南シナ海等々での安全保障問題では中国と厳しく対立をしているにもかかわらず、加盟国の全てが参加をし、AIIBに強い期待感を表明しております。

途上国は、IMFやアジア開発銀行の運営のあり方、融資の審査期間の長さに強い不満を持っておりますから、AIIBがアジアのインフラとして今後大きな力を持つということは否定できないというふうに思います。事実、先日、AIIBを主導する中国とインドの首脳会談でも、AIIBの運用をめぐって南アジアの発展に向けて協力し合うことで合意をし、中印両国で総額1兆9000億円の事業協力を行うことも合意されたと伝えられております。

アジア諸国のみならず、ヨーロッパの先進国も強い期待感を持つAIIBになぜ日本が最初から参加をしないのか、私は非常に理解に苦しむのですが、その創設メンバーとしての参加を見送った理由をお聞かせください。

[156]
財務大臣政務官 大家敏志
お答えいたします。

これまで、先生御指摘のように、AIIBについてはいろいろな議論があった、御指摘があったことは承知をしております。

その上で、このアジアインフラ投資銀行、いわゆるAIIBについては、日本として、これもずっと言い続けてきていることでありますけれども、公正なガバナンスの確保。特に、加盟国を代表する理事会が、きちんと個別の案件を審査、承認することができるかどうか、事務局任せであったり、事務局が勝手にやるというようなことではなくて。これがまず1点目。

次に、債務の持続可能性、多重債務にならないか等々や、環境、社会に対する影響の配慮が確保されているか。これは、住民との対話がなされているか、環境事前評価がされているかという点であります。これが重要というふうに考えています。

現在に至るまでに、この点についてきちんとした内容が明確になっていないということがあります。

このような中で、日本は、域内国として中国に次ぐGDPを有しています。及び、中国が日本の動向に強い関心を示しているという状況があります。このために、今先生も言われました57カ国が既に参加しているという状況がありますけれども、このような国と一緒に交渉に参加するという方法よりは、交渉の外から直接中国に働きかけるという方法の方が、先ほどから申し上げているガバナンスやさまざまな配慮等の確保に向けて影響力が行使できるというふうに判断をして、議論の結果として、現時点、交渉に参加をしていないというふうに申し上げます。



[172]
社会民主党 吉川元
社会民主党・市民連合を代表し、株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構法案について、反対の立場から討論を行います。

アジア地域を中心に、世界でインフラ整備のための需要が大変大きくなっていることは事実です。しかしながら、民間企業によるインフラ事業獲得競争を政府が直接に支援する、あるいは債務保証を行うことは賛成できません。

投資や融資、債務保証の対象となる民間事業者が、単独で海外のインフラ事業に着手することが困難な中小事業者であれば、理解できないこともありません。しかし、法案には、支援対象となる民間事業者の規模等に特段の制限がないことから、大手企業の海外進出まで政府が支援し、そのリスクを負うことにもなりかねません。

海外に進出する企業を支援する機関としては、国際協力機構、国際協力銀行、日本貿易保険などが既に存在しています。本来企業の自己責任で行うべき海外のインフラ事業参加を、あえて新たな官民ファンドを設立して支援する理由も明確ではありません。この点が、本法案に反対する第1の理由です。

法案に反対する第2の理由は、設立が予定されているアジアインフラ投資銀行、AIIBの設立メンバーに日本政府が加わらなかったことに関連します。膨大なアジア地域のインフラ整備需要に対応し、今後、多額の資金需要も発生します。

ガバナンスのあり方などで不透明な部分が存在するにせよ、AIIBに対する強い期待感がASEAN諸国を初めとしたアジア各国から表明される中、日本政府が現時点までAIIBへの参加を見送っている理由が理解できません。

AIIBがアジアのインフラ事業投資の中心的な存在になった場合、本法案で新たに機構を設立しても、融資を行うAIIB参加国の事業者がアジアのインフラ事業を受注していく可能性は非常に高いと言わざるを得ません。その結果、本機構が果たすとした役割が果たせない環境になりかねません。

以上、本法案に反対する主な理由を挙げ、討論を終わります。





平成27年05月22日 衆議院 外務委員会
[098]
公明党 岡本三成
私は、AIIBの参加の是非については、今、日本の政府がとっていらっしゃるスタンスは適当だというふうに思いますし、これから6月末の、次のデッドラインと言われているようなところに関しても、本日の報道ですと、基本的に参加しない方向性で考えていらっしゃるというふうな報道もなされていましたけれども、そのようなことに関しましても、今懸念を持っているような、ガバナンス等に対する懸念、また同盟国であるアメリカとの協調的なスタンス等を十分に吟味しながら、スタンスはとっていただければいいというふうに思うんです。

ただ、個人的に思っておりますのは、3月の時点までは、こんなに多くの国が参加するはずではなかったというふうに思っていたのではないかなというふうに思っています。これは、日本もアメリカも両方ともですけれども。





平成27年08月28日 衆議院 外務委員会
[106]
維新の党 木内孝胤
この委員会におきましても何回か質問させていただいておりますけれども、アジアインフラ投資銀行についてお伺いいたします。

その後、さまざまな参加国からの情報等も追加で入っているかと思いますが、幾つか既に指摘されている問題、すなわち、ガバナンスあるいは審査体制、中国の出資比率とその拒否権の問題等、あるいはアジア開銀も含めた利益相反の問題、あるいは米国ときちんと共同歩調を合わせる、こうした問題が解決しなければ、私は、当然参加するべきでないと思いますし、こうした原則は貫き通すべきだろうと思っております。

一方で、やはりアジアのインフラを取り込むということは大切なことですし、日本の企業も、できれば入ってほしいと思っている企業も、一方で、あるというのも事実でございます。

その後、ガバナンス等あるいは出資比率等、そこら辺の追加の情報、あるいは日本の検討状況について進捗がございましたら、ぜひお聞かせいただければと思います。

[107]
政府参考人(外務省大臣官房参事官) 大菅岳史
お答え申し上げます。

御指摘のアジアインフラ投資銀行でございますが、6月29日に北京におきまして、設立協定の、AOAと申しますが、署名式が行われました。50カ国が署名をいたしました。本年末の運営開始を目指しまして、現在、創設メンバー候補国の間でAOAの細則等について交渉が行われていると承知しております。

さらに、8月の24日、25日、第6回の首席交渉官会合というのが行われまして、ここで、AIIB多国間暫定事務局長の金立群、この方が初代のAIIB総裁候補に選出されたと承知しております。

6月に署名されましたAOAにつきましては公表されておりますが、AIIBの暫定事務局の発表によりますと、AIIBは、本部を北京に置いて、総務会、理事会、事務局から構成される、このうち理事会は、理事12名によって構成されるということになっております。

今後の新規の加盟国の受け入れにつきましては、AOAが発効しました後に、この協定の規定に基づき、総務会の決定で新規加盟国を受け入れることができる、そのように定められていると承知しております。

我が国としての検討状況でございますが、我が国としては、AIIBが、ガバナンスを含め国際金融機関にふさわしい機関となる、それによってアジア地域の持続的な発展に資する役割を果たすようになることを期待しております。

こうした観点から、引き続き、AIIBの外部から、実際のその運用も含めて、今後の動きを注視してまいりたいと考えております。

[108]
維新の党 木内孝胤
一連の参加検討の期間というのが、主に言えば、3月10日、イギリスが参加表明をしてから、3月末あるいは6月末とありました。この期間は、振り返りますと、ちょうど1年前の8月29日、上海の総合指数というのは2193、そこから今月の8月26日、1年かけて約2.3倍に上海の総合指数が上がり、その一番上がりつつある状態の中で、要するに飛ぶ鳥を落とす勢いの中国の経済状況の中で、こうしたアジアインフラ投資銀行の交渉があった。

しかしながら、6月12日にピークをつけましてから、御案内のとおり、きょう現在で約45%、上海の総合指数は落ちております。30%以上落ちると恐慌という定義にも該当する状況でございますので、非常に中国の経済状況は厳しくなっているというのが認識でございます。

中国の経済状況を語るときになかなか難しいのは、さまざまな経済指標の統計がどこまで信頼性があるのかわからないと言われているところです。

李克強指数というのがございまして、御存じかもしれませんが、なかなか指標は信頼がないんだけれども、実は信頼できるのが3つあるんだと。それは、電力消費、貨物の輸送量、銀行融資、この3つだけが信頼できるんだというようなことを李克強首相みずからが語ったというのがウィキリークスで言われております。ただ、実はこの数字と中国の成長率の相関性は意外と一致しているので。中国の成長率は必ずしも事実でないという見方があります。

もう一つ大切な経済指標は、輸出入の統計数字でございます。ことし1月から7月に入って、約14%中国の輸入は減っております。14%減っているということは、ことしの中国の経済成長率が引き続き6とか7で成長するというのは相当考えづらい。今後、中国というのは、必死の思いでこうしたインフラ投資の需要を取り込まなければならない。

AIIBの重要性が、今まで以上に重要になってくる。相手の足元を見て交渉しろというつもりは全くございませんが、やはり中国にとりましても、交渉している前提条件が大きく異なってきているという、まあ、劇的な経済状況の変化がある。

今までは、私は、米国の議会がAIIBに参加することに非常に否定的でありますし、そういう意味でいうと、米国も参加する可能性が低いのかなと。米国は参加しない、あるいは協調した方がいいであろう状況の中で、日本だけが参加するということはないとは思うんですが、できれば、今は私は仕掛けの時期ではないかと思っておりまして、今も虎視たんたんと、もしかしたら参加検討をなさっているかもしれませんけれども、1回ぜひ、米国とも共同歩調をとりながら、AIIBの参加状況、きちんと拒否権等々さえ確保できるのであれば、私は参加する必要は十分あると思っております。

繰り返しになりますけれども、幾つかの問題点があり過ぎて現状では厳しいのは、昨今の大臣答弁、皆様の答弁からそのとおりだとは思っているものの、ガバナンスは、向こうが譲歩さえすれば、拒否権の比率に達する出資比率になれば、私は、これは十分に検討に値する話だと思っております。

その45%の上海指数の下落、これで方針が変わるとか、株価あるいは為替で一喜一憂する話ではございませんが、これは相当深刻な状況と思っておりますので、今後、AIIBに対する方針、まあ、検討は引き続きなさるということでしょうけれども、ちょっとギアを、今、多分1ぐらいな状態だと思っておりますので、2か3ぐらいに上げていただくことが可能なのかどうか、ぜひ御検討いただければと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

[109]
外務大臣 岸田文雄
まず、中国は世界第2の経済大国ですし、我が国にとっても緊密な経済関係を有する隣国であります。その中国の経済指数についての委員のお話、大変興味深く聞かせていただきました。

経済指標に関しましては、私の立場から何か申し上げるのは適切ではないとは思いますが、注視はしていかなければならないと思います。

その上で、AIIBとの関係でありますが、まず、AIIBというのは、アジアのインフラ整備あるいはインフラ需要にしっかりと応えるという点において、一つの取り組みであると思っています。そして、そのガバナンス、国際金融機関にふさわしいガバナンスを備えているのか、そしてアジアの持続的な経済発展に資するものであるか、ぜひそうした役割をしっかり果たしてもらうこと、これは期待したいと思います。

ただ、現状においては、このガバナンスにつきましても、今まだ実際の運用が行われておりません。実際の貸し出しも行われておりません。我が国の立場としては、こうした実際の貸し出し等をしっかりと見きわめる、しっかりと確認をしていく、外部からこういったものをしっかりと見ていく、これが今、現状の立場であります。

ガバナンス等においてふさわしいものであるかどうか、まずは外部からしっかり確認をする、運用をしっかり確認する、こうした立場であることには今現在は変わりはありません。ただ、引き続き、こうしたものをしっかり注視していく必要はあると考えております。

また、一方で、我が国もこうしたインフラ需要にしっかりと応えるべく努力をしていかなければなりません。そういった点においては、我が国の取り組みを進めると同時に、中国との対話、これは継続していかなければならないと考えます。

[110]
維新の党 木内孝胤
現時点ではどちらかというと後ろ向きな検討状況かなというふうに、印象論でございますけれども、見えますので、ぜひ、せめてニュートラルか、できれば前向きな検討ということも御検討いただければと思います。





平成27年09月02日 衆議院 財務金融委員会
[019]
民主党(民進党) 古川元久
民主党の古川元久でございます。

本日は、お2人の参考人におかれましては、大変御多用の中、貴重な御意見をお聞かせいただき、また、こうしたお時間をいただいたこと、心より感謝を申し上げます。

まず、私の基本的なAIIBに対する考え方を申し上げたいと思います。

私は、設立当初の段階からルールメーキングとか、そういうところにかかわっていって、日本にとって好ましいような状況をきちんとつくるというような段階であれば参加することを検討してもいいんじゃないかと思いますが、今のように大枠が決まってしまったような段階において参加を検討する必要は現時点ではないと思っていますし、将来についても、これは極めて慎重に参加するかどうかを検討するべきだ。むしろ、これから日本がやらなきゃいけないことは、ADBとかあるいはJBIC、そういったものをどううまく活用していくか。そういった意味では、今政府がやっている方針で、私は基本的な方向性としては正しいんじゃないかというふうに考えております。

その前提で、お2人の参考人にちょっと御質問させていただきたいと思うんです。

今、津島委員の方からあった話にもちょっと絡むんですが、齋藤参考人の方は内側に入ってというお話でありました。中国の思いもあるでしょうけれども、かなり基本的な枠組みというものをここまで決めている段階でこれから入っていって、そもそもルール的にいっても、そういうものを変える余地というのが本当にあり得るのか。例えば、今さら本部を別の場所に移すとかいうようなことが、一度決めたことをひっくり返すようなことがそもそもできるのか、そういうふうに思うんですが、その辺のところは齋藤参考人の方はどのように考えられるでしょうか。

[020]
参考人(株式会社大和総研主席研究員・経済調査部担当部長) 齋藤尚登
御指摘のとおりに、枠組み自体が決まってしまっている以上、それを早急に変えるということは極めて難しいというのは御指摘のとおりかと思います。

ただ、例えば案件の決め方であるとか具体的な業務、そうした中で日本の経験を反映させていく。こういった言い方が正しいかどうかはわからないですけれども、中国国内でいろいろな腐敗、汚職問題があって、それを中国が輸出してしまうんじゃないかという懸念さえある中で、どういう日常業務のガバナンスをしっかりとさせていくのか、そういった点だけをとっても、実は日本から学ぶべきところというのは非常に大きいのではないかというふうに考えています。

古川先生の御指摘は、そのとおりであるというふうに思います。

[021]
民主党(民進党) 古川元久
ありがとうございます。

私は、そういう形でのかかわり方というのは、内部に入るというよりも、むしろ外側にいて、例えばADBか何かが関与する形でやっていくということで対応ができるんじゃないかと。

私が知る限りで、今見ておりますと、ではAIIBは実際に単独できちんと案件の審査とかをできる能力が本当にあるのかどうか、そういうかなりの懸念が私は専門家の間で示されているんじゃないかと思います。

ですから、実際にやるときには、やはり世銀であるとかADBであるとか、そういうところのアドバイスや、あるいはそれと一緒になってということをやっていかざるを得なくなるのではないかと思うんです。そういうところで日本が積極的にコミットしていって、誤った方向に行かないように導いていくということは十分可能ではないかと思うんですが、その点はいかが考えられますでしょうか。

[022]
参考人(株式会社大和総研主席研究員・経済調査部担当部長) 齋藤尚登
お答えいたします。

AIIBの参加国からの日本に入ってほしいという声は非常に大きいものがあります。

御指摘の点、既存の国際金融機関を有効に活用してそれをAIIBへの牽制となす、この点は当然やるべきであります。どちらか一方の選択肢ではなくて、両にらみという戦略もあるのではないかというふうに私は考えております。



[060]
日本共産党 宮本徹
日本共産党の宮本徹です。

きょうは、お忙しい中、2人の参考人には本当にありがとうございます。

慎重派からの質疑が続きましたけれども、私たち日本共産党は、AIIBについては参加すべきであるということを考えております。

アジアは、経済成長率が世界で最も高い、そして貧困人口も最も多い地域で、先ほど来お話がありますように、膨大なインフラ整備が必要になっております。これに対して世銀でも応えられない、ADBだけでも応え切れない、そういう中でAIIBが設立されたわけです。これについては、IMFもADBも歓迎の公式の声明を出しております。

ですから、客観的に言えば、インフラ整備の需要に応えるための国際金融機関が必要だというのは言えると思うんですね。ならば、国際金融機関にふさわしく公正、民主的な運営がなされるように、日本は参加していかなきゃいけないんじゃないかというふうに私たちは考えております。

今回、AIIB設立の背景にあるのは、IMF、世銀体制に対する新興国、途上国の批判だというふうに指摘されております。

IMF、世銀でいえば、重要事項の議決は投票権の85%の賛成が必要だ。それに対してアメリカはIMFでいえば17.14%、世銀では15.02%の投票権を持っていて、世銀、IMFでいえばアメリカだけが拒否権を一国で持つということになっています。そして、融資に当たって構造改革の名でアメリカ流の新自由主義的なやり方を押しつけて、批判されてきたのは御存じのとおりです。この路線は若干修正が始まっておりますが、米国主導の仕組みというのはいまだ変わっていないわけです。途上国の議決権は若干この間ふえましたが、アメリカの抵抗でIMF、世銀の改革は進んでいないというのが今の現状です。

そういう中でAIIBは生まれたわけですが、先ほどお話があったとおり、ではAIIBはどうなったかというと、重要事項の議決は75%の賛成だけれども、中国が26%以上の議決権を持って、今度は中国が拒否権を持つということになります。IMF、世銀体制の反発で生まれながら、世銀などをモデルにしたために、同じように一国だけが拒否権を持つ。先ほどいびつな形だという御指摘もありましたけれども、私も非常にいびつな形になっているというふうに思います。

一国だけが拒否権を持つというのは、国際金融機関のあり方として公平、民主的と言えるんだろうかということがあると思います。

ですから、私は、AIIBにしても、そして世銀にしても公正、民主的な国際金融機関への改革、改善が求められていると思いますが、その点、お2人の参考人に御意見をお伺いしたいと思います。

[061]
参考人(株式会社大和総研主席研究員・経済調査部担当部長) 齋藤尚登
私自身、やはり国としての信頼感の問題というのは非常に大きな点だと思うんです。政治体制も経済体制も異なる中国が一票否決という拒否権を持つことに対する、少なくともそこはかとない不安感というものが当然あるわけでありますので、そうした不安感あるいはリスクに対して、それが違うのであれば違うんだということをきっちりとさまざまな場所で説明する責任が中国にはあるかと思います。

その点で、私自身、大変不勉強で申しわけないんですけれども、世銀なりIMFの拒否権ということが問題であるという認識を持ったことはありません。

私からは以上です。

[062]
参考人(平和外交研究所代表) 美根慶樹
国際金融機関についていろいろ意見があり不満があるというようなことはよく知られていることでありますし、先ほど委員も御指摘になりましたように、出資比率、議決権のところが非常に大きな問題であるわけですけれども、IMFと世銀については、そういう今のような形になるにはいろいろな歴史を経てきておるわけであります。

中国としては、議決権とか出資比率について一国だけが拒否権を持つということは問題であるというふうに考えるのであれば、新しい機関をつくるというときにおいてはそういう問題がないものを提案する、つくるというのが当然であって、悪いところを引き継ぐというのは、新しい提案としていいか悪いか、ちょっと考えさせられます。





平成28年02月12日 衆議院 財務金融委員会
[095]
民主党(民進党) 鈴木克昌
そこで、国際金融についてさらにお伺いをしていきたいんですが、AIIBであります。

AIIB、1月16日に開業をいたしました。これは、AIIBが57カ国の加盟によって開業したということであります。当然、主要メンバーは中国なんですが、その中国の経済が減速をしておる中で開業したということであります。

このことについて、とりあえず大臣の御所見、御感想をいただきたいというふうに思います。

[096]
財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 麻生太郎
アジアには、御存じのように、膨大な社会資本、いわゆるインフラストラクチャーというものに対する需要があるというのははっきりしておりますので、それに応えていかねばならぬというのは、これはアジアの経済をさらに促進していくためには重要な課題だと。需要がある、それに応えていかねばならぬということが私どもとしては大事なので。

その意味では、アジアン・インフラストラクチャー・インベストメント・バンクでしたかいうのができるという話なので、国際金融をやっていかれる新しい機関ができるということは、これはスタンダードがあります、基準がある程度ありますので。

こういったインベストバンクというのは世界じゅうに今幾つありますか、20、21ぐらいあるんだと思いますが、有名なところで世銀とかIMFとかアジア開発銀行、先ほどの黒田総裁のおられたADBとか、ヨーロッパとか、いろいろあるんだと思いますが、こういったようなものというのは、それぞれのスタンダードをきちんとしておりますものですから、信用が高い。結果として、金利も物すごく安く抑えられるという形になっているんだと思いますので、そういったものをきちんとクリアしていくということがすごく、この新しい開発銀行というのは、もう世界にいっぱいありますので、そういったレベルから、きちんとそういったスタンダードをクリアされるような銀行になっていけるということを私どもとしては期待いたしております。

[097]
民主党(民進党) 鈴木克昌
基本的なお考えはよくわかりました。

それで、またちょっと視点を変えてお伺いをしたいんです。

AIIBとそれからADB、アジア開発銀行と協調融資ということが検討されておる、また、案件によってはそうせざるを得ないのもあるというのはわかるわけですけれども、要するに、AIIBのガバナンスが非常に心配だ、確立されていないんじゃないかという中でADBと協調融資をしていくということは、やはりそこにリスクが出てくるのではないのかなというふうに思うわけですよ。

したがって、ADBの主要国である我が国として、AIIBとの協調融資についてどのように基本的に考えていかれるのか、お聞きしたいと思います。

[098]
財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 麻生太郎
アジア開発銀行、これは日本とアメリカが株主としては大きいんですけれども、長い実績もありまして、少なくとも、融資に当たっての審査能力というものはかなり高いと思っております。事実、我々は、黒田さんの前には千野さん等々、大蔵省財務官等々の経験者をずっと送り続けてきて、ここまで、アジア開発銀行というものをあれだけ信用できる開発銀行に育て上げたんだと思っております。

新しく出てくるところとの間で、例えばスタンダードでいきますと、一番話が込み入るのは、審査能力がありますかと。金を貸す、日本の国内においても同じことです。鈴木克昌という人間、その国の、国家の代表、その人の信用、プラスその国の何とかというと、それは蒲郡ではあるかもしれぬけれども、どこかではわからぬですからね。

だから、そういったところをきちんと見ておかないと、勝手に貸しておいて、ほかの国も、ちょっと待て、そんなに貸したってあそこは返せないぞと言って、ADBとかIMFとか世銀がとめているのに、AIIBだけがフライングぎみにわあんといって、結果として、向こう側はそれに対応ができなくて破産したということになりますと、自分たちだけでそれをかぶってくれればいいですが、一緒に出していたこっちも被害をこうむるというのは、何を言っているんだ、あのときとめておけばこんなことにならなかったじゃないかということになりかねません。

そういった意味では、協調融資をするに当たっても、アジア開銀が審査して、これならというのと一緒に、よく話ができ上がった上で協調融資をするというのであれば、それは不足した分を、もう少しあれば、あと数億ドルあればもっとこれもできてやれるのにというようなところもありますでしょうから、そういったことを考えますと、今言われたように、AIIBとADBがうまいこといって協調融資をできるということになるというのは、私どもとしては望ましいことではないか。

問題は、1人だけぱっと走られると話が込み入っちゃうというところが後々出てきますので、そこのところが、ほかの国も、大丈夫ですかというのが、一番心配しておるところであります。





平成28年02月23日 衆議院 財務金融委員会
[164]
民主党(民進党) 木内孝胤
ちょっと中国に関連して、これは質問通告にないのでお答えいただけるかわかりませんが、AIIB、去年の3月にイギリスが急遽参加を表明して、しばらく右往左往した事案だと思います。その後、日本は参加することを決定していませんし、私は、現状のガバナンスの状態で、参加をしないという政府の判断というのは正しいものだと考えております。

ただ、一方で、日本と米国が参加すれば、日本が満足できるようなガバナンスになる可能性が十分あると思っています。

すなわち、日本と米国が参加すれば、あるいは日本だけが参加したとしても、いわゆる拒否権を持つという、日本が満足し得るガバナンスが生まれるかと思っているんですが、AIIB、その点についてかたくなに参加をしないと日本政府として決めているのか、あるいは、米国とやはり協調姿勢のもと、一緒でないと入れないということなのか、そのガバナンスの問題がクリアできるのか否か、この点についてお伺いいたします。

[165]
財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 麻生太郎
大分長い話になりますけれども、これはいろいろ御意見の分かれたところだったと記憶をします。私どもは、少なくともこのAIIBというアジア投資銀行というものが、まともなものができ上がるということは歓迎します。アジアにおいてインフラストラクチャーの絶対量が足りていませんから、そういったものを新たにやろうという意欲が出てくるのは、これは歓迎すべきことだと基本的には思っております。

問題は、融資とか審査とかいうものをやる能力、これが問題だと思っています。

少なくとも、銀行におられたので審査とか融資の意味はわかっておられると思いますので、ADBとか世銀とか、またIMFとか、いろいろなところが仮に1つのプロジェクトに融資をしたとします。後からAIIBが出てきて、いきなりどおんとそれの倍だけ融資しますと言われて、返済能力がありません、はい焦げつきましたといったときには、その焦げついた金は、AIIBの分だけ自分たちで持って、こちらの分だけはきちんと払ってもらえるかといえば、比率でみんなで割ろうなんて話になりかねぬ、そういう世界ですから、そういったような無責任なものに税金は突っ込めぬというのが私どもの基本的な姿勢です。

そこのところのガバナンスがしっかりしていただくというのがまず第1です。

[166]
民主党(民進党) 木内孝胤
私も同様の部分のガバナンスを心配しておりましたが、かなり体制が改善して、日本が十分参加できる程度のガバナンスに今大きく改善をしていると考えておりまして、日本が出おくれたから、米国が参加をしないから、何かかたくなになって参加をしないというふうに決めているように見えているものですから、いずれにしましても、そうしたガバナンスの問題は大部分解決されていると思いますので、いま一度、参加の再検討というのをお願いしたいと思います。





平成28年03月08日 参議院 予算委員会
[207]
民主党(民進党) 風間直樹
麻生財務大臣に伺います。日本政府のAIIB加入の是非をめぐる方針について伺います。

現時点で日本政府が加入をしないという方針に変化はないでしょうか。

[208]
財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 麻生太郎
ありません。

[209]
民主党(民進党) 風間直樹
加入に慎重な理由について御認識を伺います。

[210]
財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 麻生太郎
仮にも日本の税金投入するんですから、その税金を投入した金をどうやって使われるかに関してはガバナンスがしっかりしておいてもらわないかぬ。そのガバナンスを説明してくださいって、今に至るも説明はありません。





平成28年03月25日 衆議院 内閣委員会
[161]
公明党 濱村進
開発銀行といえば、昨今でいえば、中国を中心としたAIIBがあるというわけでございます。このAIIB、政府としてはこれを注視するというスタンスであるというふうに理解しておるわけでございますが、現在のAIIBの状況について、政府の現状認識をお伺いいたします。

[162]
政府参考人(外務省大臣官房審議官) 垂秀夫
お答えさせていただきます。

膨大なアジアのインフラ需要に効果的に応えていくことは非常に重要な課題でございます。AIIBは、アジアのインフラ需要にしっかりと応えようとしているという意味では一つの取り組みであるというふうに考えております。そうした観点から、日本政府としても、中国が中心となって立ち上げたAIIBの今後の発展には関心を持っております。

ただし、AIIBが公正なガバナンスを確立しているのかどうか、借入国の債務の持続可能性や、環境、社会に対する影響への配慮を確保していくかどうか、これは非常に重要な点でございます。その実際の運用を含め、注視していく必要があると考えております。

日本は、AIIBがこうした国際金融機関にふさわしいスタンダードを備えることにより、アジア地域の持続的な発展に寄与する機関として役割を果たすことを期待しております。

[163]
公明党 濱村進
公正なガバナンスが保たれるのかどうかというところでもやはり懸念があるということで、私はそれは非常に重視するべきことであるというふうにも思います。

また、これはさまざま各国が出資金を出すわけでございますけれども、それに対する払込金額の状況についても、これも正確な情報なのかどうかというのはわかりませんけれども、払い込みがいまいち進んでいないというような情報もあるわけでございます。そうした趣旨からいいますと、日本はADB、アジア開発銀行を中心として、このインフラ投資あるいは開発についてはリーダーシップをしっかりととっていくべきなのであろうというふうに考えるわけでございます。





平成28年04月19日 衆議院 財務金融委員会
[018]
民主党(民進党) 木内孝胤
少し関連する質問として、AIIBについてお聞きかせをいただければと思います。

昨年の3月に英国がある意味非常にサプライズ的な形で参加表明をしてから、1年1カ月ほど時間が経過しております。

その後、AIIBに関する問題点というのがいろいろございますけれども、大きく言うと3つの点が指摘されているところです。1つはガバナンス、2つ目は環境、社会への影響、そして3つ目が審査能力、この3点だと思っております。

ガバナンスにつきましては、いわゆる中国の拒否権、出資比率、こうした問題等から、今の状況で日本政府としてこのAIIBに参加するというのは、当然、国民の税金を使って参加するということになるでしょうから、私は到底認められるようなガバナンスではないというふうに思っております。

そして、環境、社会への影響とか、これも、AIIBの総裁と理事会の役割分担とか権限とか、ここら辺もまだ不明確な部分がございますので、この点からも、なかなかまだ問題点はクリアされていないのではないかと。

一方で審査能力については、かなり経験豊富な方が、固有名詞でこういう方が入っているというのも聞いていますし、ヨーロッパ系の金融機関から経験豊富な方がきちっと働き始めているというような報告もありますので、一定程度進展はあるのではないかというふうに思っております。

こうした中で私が一つ思っておりますのは、今入れないという判断をしていることは支持しているものの、より深く見るために、例えば、国際協力銀行さんの持っているノウハウ、職員の方を、先方が受け入れてくれるか否かという問題はございますけれども、これをむしろ送り込んで、日本も参加できるようないい国際金融機関にするという努力、あるいは、入るか入らないかというのは結局外からではどうしても限界があると思いますので、何とか人を派遣する努力というか、もう少し前向き姿勢で加入の可否の検討をしていただけないか、そのように思っておりますけれども、人を派遣するということに関して質問したいと思います。

[019]
財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 麻生太郎
AIIBというのはまだ業務をスタートさせておりません。まだ審査も何も、どの物件を何をするという話は、うわさにはこの半年ぐらい聞いておりますけれども、まだ1つも物は進んでおりませんので、今の段階で私どもとしては、今既にあります、例えば世銀とかアジア開銀とか、既に既存の国際機関がありますので、そういった機関と一緒にいろいろやられるというような取り組みからスタートされるべきなんだろうなとは思っておりますし、向こうの総裁という人も知らないわけじゃありませんから話をしますけれども、まだそこまでとてもじゃない、具体的な段階に行っておるとはとても思えないと正直思っております。

しかし、傍ら、インフラの需要というのはアジアにおいて極めて大きな需要がありますし、それに対する資金というものをどうやってということになりますと、さっき言われましたように、貸し出しのガバナンスの程度によって、そこに貸すことによってその金が返ってくるという保証というものを考えてリスクをとるわけですから、それを私どもとしては、この国にはこれ以上は無理と世銀なりADBなりその他がそう思っているところに後から来てぽんと貸して、結果的にその国が運営が難しくなって返せなくなった。それは、後から貸してきたAIIBだけが取りっぱぐれるならいいですよ。こっちが、まともに貸している我々の方まで取りっぱぐれの巻き添えを食ったら、ばからしくてやっておられぬ。

私は基本的にそう思いますから、だからそういった意味では、その種のところに関しましては、一緒にやっていくということを最初から考えられないと、もともと審査能力があるとはとても思えませんから、協力の仕方としては、そういったところをまずはやって、その上での話だと思いますが、それを向こうがまずやる気があるかないかもよくわかりませんから、今の段階でまだお答えできる段階にはないと存じます。





平成28年05月18日 衆議院 外務委員会
[032]
民進党 小熊慎司
次に移りますけれども、アジア開発銀行とアジアインフラ投資銀行、ADB、AIIB、これは協調融資がパキスタンの道路で決まりました。この件については、麻生財務大臣も前向きなコメントを寄せていただいておりますけれども、やはりAIIBについては、中国主導ということでいろいろな緊張感もあるところであります。

この協調融資について、また、今後のこのあり方も含めて見解をお伺いいたします。

[033]
外務副大臣 木原誠二
お答えを申し上げます。

今、委員御指摘いただきましたように、AIIBとアジア開発銀行との間で覚書が署名をされまして、協調融資を含めた協力を強化していくということで合意をしたと私どもも承知をいたしております。

御案内のとおり、膨大なインフラ需要がアジアにございますので、それに効果的に応えていくという意味においては重要なワンステップかなというふうに思います。

また同時に、AIIBが国際金融機関にふさわしいスタンダードを備えることによって、アジア地域の持続的な発展に資する機関として役割を果たしていくという上においても、ADBを含む既存の国際金融機関との協調はこのような趣旨と合致するものではないか、このように理解をしているところであります。

[034]
民進党 小熊慎司
日本はAIIBに参加をしないという判断、アメリカもそうでしたけれども、そういう中で、やはり私は、日本がさまざまな開発については一日の長がありますし、また、ほかの先進国の中でも、日本が国際的に果たしてきた役割というのは決して間違っているものではないというふうに思っています。

そういう中で、中国もこれから頑張ろうとしているんですけれども、やはり、その地域のためということではなくて、自国の利益に走らないように、暴走しないようにしていかなければいけないというふうに思っています。

また、AIIBのチェック体制も、これは透明化も図られていないということで日本も入らないという判断が一つにあったわけでありますけれども、では、ADBだけでやっていけるかといえば、それはほかの国々は、やはりAIIBに期待する部分もあるわけでありますので。日本がAIIBに入ってそれをコントロールするという手段をとっていないわけでもありますから、このADBを通じて、私は、逆にこの協調融資というのをいろいろとふやしていく中で、しっかりとこの国際社会の中で日本がそこのリードを保っていく、先頭を走っていく、この中国中心のAIIBの暴走を許さない、要らぬ開発をさせないというためにも、この協調融資はこれからもふやしていって、ある意味、AIIBをまともなものにしていくということが必要だというふうに思います。

今後の取り組みとしてはどうでしょうか。

[035]
外務副大臣 木原誠二
今、委員の方から、AIIBについての課題についてもるる御指摘をいただきました。

私どもも、公正なガバナンスが本当に確立ができるのか、また、借入国の債務の持続可能性であるとか、環境、社会に対する影響への配慮はしっかり確保されるのかといったことについて、これからの実際の運用をしっかり注視していきたい、こう思っております。

その中で、ADBと協調融資をしていくということが、こういった点も含めて、AIIBの国際的なスタンダードにのっとった貸し出しがしっかり行われるかどうかという意味において役立つものであるというふうに思っておりますので、しっかりとこの点も注視をしてまいりたい、このように思っております。