平成14年04月02日 衆議院 安全保障委員会
[010]
保守党 小池百合子
続きまして、せんだってのこの安保委員会の中でも取り上げられております、また私も、随分長くこの問題を追いかけておりますけれども、朝銀問題について伺わせていただきたいと思います。
せんだって、超党派の議員の方々、私も含めてでございますけれども、今回、公的資金注入に至ります中で、さまざまな問題が積み残しをされた中で、これまでと総計いたしますと約1兆円以上がつぎ込まれる計算になっていくわけでございますが、日本の金融機関であることには変わりがないわけでございますから、金融の法律にのっとった形で今それが進められているということでございます。
さて、この場は安保委員会でございます。私は、安全保障の面からこの面をとらえるべきではないかということを延々と訴えてきているわけでございますが、まず金融の方から伺わせていただきたいんですが、超党派議連の方で、これまで多くが見つけられている架空口座について、イヤマークをつけて精査をすべきだということで、それをひとつ横へずらしておくということをお願いしたところでございます。
聞くところによりますと、この朝銀は、仮名、架空、借名口座のたまり場でございまして、全体の6割ぐらいはいくんじゃないかというようなことまでうわさもされたことがございます。
その後、精査もされたことと思いますけれども、現時点でこのいわゆる架空口座なるものにはどれほどのお金が関係してくるのか、数字でお答えをいただきたいと思います。
[011]
内閣府副大臣 村田吉隆
朝銀への公的資金投入に関しましては、超党派の先生方から、例えば架空名義預金の真相解明について努めるべきだ、こういう御指摘を初めとしてさまざまな御指摘をちょうだいいたしまして、私どもといたしましては、破綻朝銀におきます架空名義等の真正権利者が把握されていない預金については実態把握に努めるべき、そういうことでございまして、現在、金融整理管財人におきまして実態解明に努めている、こういうことでございます。
ただ、先生今、数字を教えてください、こういうことでございましたが、金融整理管財人におきましては、事業譲渡まで引き続き架空預金口座の実態解明に努めていくわけでございまして、現時点で確たる数字は申し上げることはできないということでございます。
すなわち、新たな真正権利者、真正でない権利者と思われる口座が出てくると同時に解明が進んでいきますものですから、そういう意味で増減があるわけでございまして、数字のお答えは差し控えさせていただきたいと思っております。
[012]
保守党 小池百合子
最後の部分のお答えだけでよかったんですけれどもね。
ただ、100億程度だろうというようなこともうわさをされているわけでございまして、1兆円の中の100億円の話で、全く微々たるものでこの架空口座という形での仕分けをしようとしているというふうに承知をしているところでございます。
この架空口座ということの中には、仮名、借名、それからこの利用者、組合の方々は、通称ということで日本名と、そしてもともとのお名前と両方持っておられるわけですね。どこからどこまで含んで調査をされているのか、お答えください。
[013]
内閣府副大臣 村田吉隆
その前に、超党派の議員連盟の会合がありましたときに、朝銀東京の金融整理管財人から数字をその時点で申し上げまして、真正権利者がわからない預金というのは166先、177口座、4億8200万円でございますというふうにお答えした経緯があることだけ、冒頭、申し上げさせていただきたいと思います。
真正権利者が把握されていない預金というその定義でございますが、仮名預金と借名預金と架空預金ということでございます。
架空預金というのは、預金の事実がないという預金でございまして、この架空預金については、これまでのところ、把握がないという報告を受けております。仮名預金につきましては、本人が他人の名義、存在しないそういう名前を言っている場合でございまして、今おっしゃったようなものは借名預金、それが本人と確認されれば、何といいますか、朝鮮の名前であろうと、それから日本名であろうと、それは証拠によって確認されるわけですから、正直言いまして、それが借名預金になるのかどうかというのは私は即断できませんが、いずれそういうものにつきましては、証拠があれば解明されていくたぐいのものではないかというふうに思います。
[014]
保守党 小池百合子
4億何がしということをおっしゃったのは私も記憶しておりますけれども、実際にこの信用組合をずっと使っている方々が、そんなはずはない、我々だってこんなに使ってきたんだというような証言は、もう山ほどあるんですね。4億しかないなんというのは、これは調査していないということに私は等しくなるのではないか。実際にその現場で御苦労されている方々の話も聞いておりますけれどもね。何かどうも違うというのが、前回の委員会からの引き続き多くの人が抱いている疑問ではないかと思います。
けさほどの安保委の理事会で、それぞれ前回の積み残しの御報告をちょうだいいたしました。幾つかございましたけれども、要は、朝鮮総連とは何の関係もない人たちを新設の受け皿の金融機関の役員にする、それに当たっての調査が不十分ではないか、ましてやそれは単なる自己申告で、結果的に、はいそうですかという形で受けたのではないかということの質問に対して、「金融庁は、新設組合から既に、組合役員が学習組に属している事実はない、との回答を得ている。しかしながら、新設組合に対し、改めて法令に基づく報告徴求を行うとのことである。」、これは銀行法24条に従ってということでございます。それで、その調査、報告徴求、いつ行われるんですか。
[015]
内閣府副大臣 村田吉隆
お答えがちょっと前後して申しわけありませんが、真正権利者が把握できない預金の実態、その数字につきましては、今後の手続になりますが、最終的に預金保険機構運営委員会によります資金援助の決定がなされる、その時点でははっきりと御報告ができることになろうかと思います。
今の問題に対してのお答えでございますが、当委員会での御審議の過程を踏まえまして、私ども、改めまして銀行法24条に基づく報告を徴求したい、こういうふうに考えておりまして、本日、改めて新設組合に対してこの報告を徴求したい、こういうふうに考えております。
[016]
保守党 小池百合子
その上でまた答えが返ってくるわけでございますけれども、先方にその調査を任せて、また同じ答えが返ってくるだけにすぎないのではないか、そして、それは金融庁が認可したことをまた正当化するだけのものではないのか。
どんな調査を期待しておられるのか、また、金融庁側とすればどのような調査をされるのか。
[017]
内閣府副大臣 村田吉隆
私ども、既に新設組合から、新設組合の役員が学習組に属していない、そういう回答を得ているわけでございますけれども、今回、協同組織金融業にかかわる法律に基づきます報告を徴するわけでございますが、それに基づきまして、私どもは改めて書面による報告を徴求する、こういうことでございます。ただ、先生からも御指摘のように、私ども金融庁といたしましては捜査権限を有するものではございませんので、私どもの手続といたしましては、報告を徴して再確認をする、こういうことであります。
審査手続のそれ以上の具体的なやり方については御答弁を差し控えさせていただきますが、いずれにいたしましても、私どもは、協同組織金融にかかわる法律に基づきます報告徴求、あるいは立入検査まで及ぶわけでございますが、今後とも、監督という手続を経て本件の確実な実行というものを求めていきたい、こういうふうに考えているわけであります。
いずれにしましても、これに違反する場合には1年未満の懲役それから罰金が300万円ということになりますので、そういうことも申し述べさせていただきたいというふうに思っております。
[018]
保守党 小池百合子
これは霞が関の縦割りではなくて、やはりそれぞれの得意の、得意といいましょうか、そういったことをずっと仕事としてやっておられる例えば警察、公安関係、そういったことに協力を仰ぐべきではないかと思うんですけれども、警備局長、この点での協力体制はいかがでございましょうか。
[019]
政府参考人(警察庁警備局長) 漆間巌
学習組というのは、何度も申し上げていますが、非公然組織でございまして、情報収集活動によって我々は実態を把握しているわけでございます。
金融庁から協力の依頼がある場合には、私どもの警察活動に支障が出ない範囲内で協力させていただきます。
[020]
保守党 小池百合子
ぜひともこれ、協力体制をとってやっていただきたいと思うんですが、それに対してのお答えは。
[021]
内閣府副大臣 村田吉隆
前回の委員会の後でも、私から改めて事務方に対して、協力体制をとるようにということを指示したところでございます。
[022]
保守党 小池百合子
これを申し上げているのは、前回といいますか、最初に破綻したのが朝銀大阪なんですね。その破綻した朝銀大阪の受け皿となったのが新しくできた朝銀近畿でございまして、最初に破綻をしてそういったことに経営責任のある朝銀大阪の役員をそのまま横滑りで朝銀近畿の方の役員として迎えたという前例があるんですね。つまり、審査は十分せずに、ただただやっているのではないか。
今回の新しいメンバーを見ましても、そういった破綻した銀行、信組にかかわっていた方々がそのまま横滑りしている例も見られるわけでございまして、これは学習組に関係しているかしていないかの問題ではなくて、前の破綻した経営責任を持っている、有している人がそのまま新しいところに入っていることは問題だということを指摘させていただいているわけでございます。つまり、もう審査は甘いという前例があるということでございますので、また引き続きこの問題はやらせていただきます。
平成14年04月18日 衆議院 安全保障委員会
[120]
保守党 小池百合子
次のポイント、時間の関係もございますので次のテーマでございますが、この安保委員会で、なぜか金融に関しての、朝銀が定番となってしまいましたが、総合的に安全保障にかかわるという観点で、さらにこの問題はこの安保委員会の得意分野としていきたいというふうに思っているところでございます。
これまで、朝銀の中で新しく4信組が認可をされたわけでございますけれども、その際の定款の中に、朝鮮総連の役員の経験者、これは、朝鮮総連をどこまで含むのか、役員はどこまで含むのか、経験者は何年から何年だったら経験者というのか、そういった定義がないままにばっと進んじゃっているので、ある意味ではすごく幅広いんですね、今、現時点において。
そうなってくると、この安全保障委員会で何度もそれぞれの議員がこの問題を追及してまいりました。我々なりのさまざまな情報をもとにして、いわゆる非公然組織の学習組のメンバーではないかというような観点から追及があったわけでございまして、そしてまた、担当の漆間局長でしたか、経験者がいるという御答弁をちょうだいしたかと記憶をいたしております。
ということになると、その段階でもう定款に触れてしまうという話でございまして、そういったことから、せんだって、中山先生を会長とする私どもの議連におきましていろいろ御説明を受けました。どうもこれはどういう意味なのか、既に役員として決まっておられる方が辞意を漏らしておられる、そういった御説明も受けたのでございますけれども、村田副大臣、その点をもう一度確認させていただきたいと思います。
[121]
内閣府副大臣 村田吉隆
新設組合の役員等の総連との関係等につきまして、あるいは非公然組織との関係につきまして、いろいろな委員の先生方から御指摘を受けました。
私どもは、4月の2日に、銀行法第24条に基づきまして、新設の組合に対しまして報告の徴求を行ったところでございまして、その間、その報告の具体的な、どう進んでいるかについては具体的な御答弁は差し控えさせていただきたいと思いますが、その中で、一部の組合の理事長には、経営の独立性、透明性を確保するという観点から、みずからの進退を含めまして、役員体制の見直しの必要がある、そういうふうな考えがあるところもあるというふうに言われておりまして、私どもといたしましては、そうした動きというものについては注意深く注視している、こういうところであります。
[122]
保守党 小池百合子
それは、金融庁の方からのいわゆる行政指導というものなんでしょうか、それとも彼らの自発的な考えなんでしょうか。なぜそこを自発的に変えることにつながっていくのか、その辺を教えてください。
[123]
内閣府副大臣 村田吉隆
ただいま申し上げましたように、銀行法に基づきます報告を徴求する、そういう機会に、事務方の方からさまざまなコンタクトを相手方ととってきた、そういう中でそういう意向が、そういう動きがあるということを把握しているようでございますが、私は、今、小池委員の御質問に対しまして、そうした動きが出てきたということは、経営者の、役員の中に、巷間言われるようなそういう問題につきまして、みずから透明性を高める、そのことを放置した場合には、せっかくスタートした新組合の経営の先行きについて問題が生ずるのではないかということをみずから懸念したのではないかと思料しているわけであります。
[124]
保守党 小池百合子
大体、多くの場合は、そんなことはないと言って、もう門前払いをする方々がこれまで多かったのが、随分、従順じゃないけれども、ああ、そうですかという形で交代をされるというのは、一体どういうことなのかなと私は感じざるを得ないわけでございます。
先ほど、定款の付記で、総連の役員経験者ということを申し上げたんですけれども、これはそれぞれ、警察、公安の方とすれば、例えば総連があります、各地も含めて商工会があります、朝鮮大学があります、それから学習組、これは私、位置づけはできても、それの証明はなかなか難しいと思います。家族にも自分は学習組だと言わないというようなことでございます。そして、これまで朝信協なんというのも、これは朝銀の一連のネットワークの部分であったということです。
つまり、商工会、大学、これは一体どのような位置づけになっているのか、これまでの御判断をいただきたいと思います。警察、公安それぞれ伺わせてください。
[125]
政府参考人(警察庁警備局長) 漆間巌
いわゆる商工会、在日本朝鮮人商工連合会については、朝鮮総連の傘下団体であると承知しております。
それから、朝鮮大学校につきましては、総連の公刊資料で、「海外僑胞教育の歴史上、1つの海外僑胞組織が大学を直接創立し、自主的に運営している例は、朝鮮総連以外には見られない。」という記述がございまして、朝鮮総連がみずから創立し運営していると称している教育機関の1つであると承知しております。
[126]
政府参考人(公安調査庁次長) 栃木庄太郎
商工会は、在日本朝鮮人商工連合会の通称でございまして、朝信協というのは、在日本朝鮮信用組合連合会の略称でございます。商工会と朝信協は、いずれも朝鮮総連の傘下団体でございますが、朝信協につきましては、ことしの3月末をもちまして解散したというふうに承知しております。
それから、朝鮮大学校につきましては、学校法人東京朝鮮学園の傘下団体でございまして、朝鮮総連におきましては、みずからが創立、運営している教育機関であるというふうに言っているということを承知しております。
それとあと、学習組につきましては、朝鮮総連とその傘下団体や事業体の中央組織、地方組織、朝鮮人学校などに設置されている非公然組織であるというふうに承知しております。
[127]
保守党 小池百合子
要は、朝鮮総連の傘下団体であるということが明確になったというふうに思います。よって、今回の、4信組みずからでつくった定款にみずからが触れるというようなことからそういった役員の交代をするということは、私は、そのロジックからいって明確なのではないかというふうに思います。
朝信協は、既にその役目を果たしたということで、今後変わるということでございますけれども、実は、もう既にそれにかわるものができておりまして、商工連内に民族金融問題対策協議会というのができているわけでございますけれども、これは、もう既にこれまでの朝信協の代替組織ではないのか、それはまた結局総連からの指示を受けて、もしくは総連との連携でやっていこうというものではないのか、イエスかノーかでお答えください。では、公安の方で結構です。
[128]
政府参考人(公安調査庁次長) 栃木庄太郎
御指摘の協議会は、在日本朝鮮人商工連合会が、いわゆる朝銀信用組合の再編を支援する活動を行うために設けた組織であるというふうに承知しております。
[129]
保守党 小池百合子
では、同じく警察の方にも。
[130]
政府参考人(警察庁警備局長) 漆間巌
民族金融問題対策協議会が朝信協にかわるものかどうかについては、まだ我々としてお答えできる立場にございませんが、民族金融機関の再生と正常運営のための活動を行うとして、在日本朝鮮人商工連合会が設けた組織であるというふうに承知しております。
[131]
保守党 小池百合子
機能的には同じようなものではないかと思うわけでございます。
4月2日付の朝鮮商工新聞というのが届きました。ずっと日本語の部分と、あとハングルで書かれた部分があるんですが、わざわざハングルで書かれた部分というのは一種挑戦的な部分もございまして、簡単にその翻訳部分をお伝えいたしますと、
われわれの愛国的同胞商工人たちは状態がいくら困難で複雑であっても、敬愛する将軍さまのもとに全人民が固く団結する祖国があり、総聯組織に一心団結して闘争すれば必ず勝つという固い信念と意志の下に、あらゆる障害と難関を克服していきました。
ちょっと飛ばしますけれども、
いま日本当局はわれわれの信用組合と総聯の間にくさびを打ち込もうとして干渉し圧力を加えてきています。新組合の「定款付記」は言うまでもなくその産物です。同胞社会の実態、そして商工団体が歩んできた半世紀の歴史を冷静に見れば、総聯組織と切り離して考えることはできず、
もう一度言います。
同胞社会の実態、そして商工団体が歩んできた半世紀の歴史を冷静に見れば、総聯組織と切り離して考えることはできず、総聯組織のもとに団結してはじめて同胞社会を守ることができ商工団体を強化発展させ企業権も固守していける、ということは明確です。新信用組合も総聯の大衆的地盤と同胞商工人の愛国的情熱に固く依拠してはじめて発展できるのです
ということで、わざわざこのハングルで書いた部分は日本人には読ませたくなかったのではないかという、逆の心理が働いているものではないかと考えることもできます。
また、「総連への融資200億円」ということで、きょうの新聞でございますけれども、朝銀東京の元理事長、これが破綻への大きな原因となったということで、例の朝銀東京信用組合をめぐる資金流用事件で業務上横領罪などに問われた元理事長鄭京生被告が、この問題で、朝銀東京から朝鮮総連側への融資総額は約200億円に上っていたと供述し、破綻原因の大きな比重を占めているというふうに話しているわけでございまして、いろいろなことがこういう司法の場でも明確になってきている。
実は、これが今度、来週ですか、発売される、「わが朝鮮総連の罪と罰」ということで、まさに今の問題に絡んでいた朝鮮総連中央本部の財政局副局長であった韓光熙さんが書かれた本でございます。その中に、朝鮮総連と送金疑惑について書いているんですけれども、
送金疑惑報道に対して朝鮮総連は激しく抗議したが、日本から北朝鮮に毎年巨額のカネが流れていたことは、間違いのない事実である。
日本から非合法的に送られる資金は、そのほとんどが新潟港と北朝鮮の元山港を結ぶ準定期航路を通じて、現金のかたちで運ばれる。
それから、
朝鮮総連は毎年、金日成・正日父子の誕生日、9月9日の建国記念日、10月10日の党創建記念日など、北朝鮮で祝い事があるたび、祖国に対する忠誠のしるしとして相応の付け届けをしていた。これが組織的な事業の体をなしてきたのは79年に短期祖国訪問団がはじまってからである。
この本は、今回の朝銀問題も含め、拉致疑惑にもつながってくる、まさにそれをやっていた当事者の人の書でございます。それから飛んで、
「次の首領様の誕生日までに何億集めよ」といった類の指令が、姜周一から許宗萬に、直接口頭で伝えられる。指令を受け取った許宗萬はこれを東京の総連中央本部に持ち帰る。ここで、献金の割り当てが決定されるのである。カネがどこにあるかといえば、全国の信用組合、つまり朝銀の裏口座のなかに貯えられている。
長くなりますけれども、ここには、本当にさまざまな疑惑、我々が抱いているさまざまな疑惑に当事者がそのままこたえている。この方は、今大変な村八分に遭っていることは想像するに簡単なわけでございまして、むしろ、彼を守る必要もあるかと思っております。
いずれにいたしましても、ここでさまざまな議員が提起しているのは、単なる疑惑ではなくて、これはまさに組織ぐるみであり、そして、なおかつ北朝鮮という本国が司令塔になって動いてきた。よって、我が国の公的資金の流入ということに対し、それの受け皿を必死になってつくってきたけれども、しかしながらその定款の部分で経験者ということを一言入れたがために、にっちもさっちもいかない状況、例えば、これまた人がかわっても同じことだと私は思いますよ。
というようなことから考えますと、この問題については、我が国の安全保障から考えた政治的判断が必要になるかと思いますけれども、副大臣、政治家として、この問題はどのように対処されていかれるのか、一言最後に伺いたいと思います。
内閣府副大臣 村田吉隆
朝銀につきましては、二次破綻も含めますと16の信用組合が破綻をし、そして国民の血税を、多額な血税を資金贈与として使う。一方において、在日朝鮮の方々の資金仲介機能を、万全にこうした信用組合が果たし得ない状況というものを、これを私どもは真剣に考えているわけでございます。
かつて、その経営者等の問題がございまして、大きな破綻に結びついたことも考え合わせれば、今後の将来の朝銀の経営を考えたときにも、私どもは、かつてとは違った新しい、総連等に影響をさせない、そういうような組織であってほしいということでございまして、私どもは、その目的を実現するために、現在、新設4信組につきまして真剣な努力を重ねている、こういうことでございます。
保守党 小池百合子
今のは金融庁副大臣としての御答弁でしかなかったと思います。私は、やはり日本の国益をオーバーオールで考えるのが政治であって、それを決断するのを政治家だというふうに思います。
これまで拉致疑惑が、いろいろな人が逮捕されたりして、起訴されたりしているけれども、肝心なときになると、すっと、それ、もうほったらかしになっているじゃないですか。それは70年代、80年代にしっかりやらなかったからこそ、有本さんや、これまでの横田めぐみさんのケースなどが出てきちゃったわけでしょう。ですから、私は、最初にやるべきことを政治が決断しなかったから、結局こういう形になっているというふうに思います。
日経の記者が書いた非常に衝撃的な内容も、むしろ国家の体をなしていない部分が暴露されてしまったようなところがあって、私は、そういったことは国家として全体的に毅然とした態度を今後とっていかなければならないということを断固として申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
平成14年05月29日 衆議院 武力攻撃事態への対処に関する特別委員会
[085]
保守党 小池百合子
最後に、そもそものこの瀋陽事件、先ほどもございましたけれども、日本は亡命者をどのように扱うのかという一番大きなスタンスを決めなくてはならないと同時に、今後の北朝鮮をどのようにするのかというのは、同じくG7等で日本もイニシアチブをとって、これを解決というかまとめていく方向をすべきだと思いますが、我が国において、人、物、情報、金、私は、この4点において北朝鮮との間で日本は大きな問題がある。
人、拉致問題です。それから、今回の亡命の問題だってそうであります。国民さえ守らない国というのは一体何なんだということ。国民さえ守らない国というのは日本のことを言っているんです、拉致問題で。
それから物については、不審船にしても、今回、どこかの会社がまた北朝鮮に船を売っていたんですね。きょうの新聞か何かで出ていました。
それからお金、これが問題ですけれども、朝銀信用組合系統のお金について、公的資金でこれまで約6000億、これから約4000億突っ込むというようなばかばかしい話。
それから情報、これについては、この間の日経新聞の方が、2年ほど向こうで拘束されていた方、内調、公安情報を北側が持っていたということで、よく考えたら、人、物、情報、金というのはいつも四元素と言われますけれども、いずれにしても、私は、北朝鮮にやられっ放しではないかと思うわけでございます。
特に朝銀問題でございますけれども、金融庁、お待たせをいたしました。4つの新しい信組に、受け皿にあと約4000億の公的資金の投入ということが言われていますが、4つの信組とはいえ、朝鮮総連との関係のあった者、過去に経験した者というのもその理事長等々そういった役員から外すということをみずからの定款でうたって、そしてそういう人物を並べたはずでございますが、さまざまな調査によって、朝鮮総連との過去のつながりのあった人たちがその中にずらっと並んでいたということで、人選の見直しということが行われておりますが、現状はどうなっているのか。
また、その選んだ方と朝鮮総連との過去というのはそもそも消すことはできない、どの人を持ってきても同じですよということを私は申し上げているんですが、そういった現状について、金融庁、よろしくお願いします。
内閣府副大臣 村田吉隆
委員の御質問でございますが、ただいま、定款に定めたことが各新設の信用組合において、その役員人事において守られるように洗い直しを求めているところでございまして、もう少し時間がかかろうかと思いますが、国会等の論議を踏まえまして、確実にその人選が新しい組織の独立性を害するものでないように、その実現を求めていきたい、こういうふうに考えております。
[087]
保守党 小池百合子
この問題は、人選をかえたとはいえ、かえたとしても、私今申し上げましたように、新しい受け皿の役員になる方々、通りすがりの人の名前でもかりない限り、私はなかなか難しいと思いますよ。
また、これまで金融庁が先方から出してきた書類審査だけで認可をしてきたということは、これは重大な問題であるというふうにも認識をいたします。
平成14年07月25日 衆議院 安全保障委員会
[089]
保守党 小池百合子
まず冒頭、本日の参考人意見聴取がこのような形で実現いたしましたこと、また、私の発言の機会をお与えいただきましたことに関しまして、委員長そして委員の皆様方に深く感謝したいと思います。ありがとうございます。
さて、きょうの参考人の皆様方からいろいろと御意見を聴取させていただいているわけでございますが、私は基本的に、北朝鮮という国が現実に日本から近い距離にあって、そしてその国が、いわゆる組織でも企業でも国でも何でもそうなんですが、四元素、人、物、金、情報、この4つすべてにわたって、日本との関係において不正常な状況にあるということを認識いたしております。
冒頭に挙げました人でございますが、まさに拉致でございます。
物につきましては、あの不審船等々に、船の船体そのもの、それから各種ミサイル等々に使われている部品、そしてそのノウハウ、これをひっくるめて物。
それから、朝銀問題に関係いたしましてお金。
さらには、きょうは杉嶋さんが、文芸春秋に大変衝撃的な手記でお述べになられましたけれども、日本の情報が筒抜けになっているということ。
このすべてにおいて、私ども、国家そして国民を守る立場にある政治にいる人間といたしまして、これは真剣に考えなければならないということで、当事者である皆様方に本日はお越しをいただいたわけでございます。
まず有本さんにお伺いをいたしたいと思いますけれども、今回このように、衆議院の方でも、また先駆けて参議院の方でも、国会という公の場にお越しをいただいたということでございますけれども、これは多分、つい数カ月前まではこのような状況は考える由もなかったのではないか、もうあきらめかけていらしたのではないかというふうにも思います。八尾恵さんのさまざまな発言の中からいろいろなことが証拠として明確になってきたということもございますでしょうが、政治に対して憤りをお持ちになった時期もございましょうが、このように、政治の場として責任を持ってきょうのこの会が開かれたということは、これまで非常におつらい時間が圧倒的に長かった、そういう中で、大きな変化が出てきているということをお感じになっていただいているんじゃないかと思いますので、そのあたりの所感から伺わせていただきたいと思います。
[090]
参考人 有本明弘
子供からの手紙を政府に持っていって救済をお願いしてから、この9月で丸14年になります。それで、やっと今のような、この今の現場の状況が、最近、参議院と衆議院とで生まれてまいりました。私は、政治の方もやっと認識をしていただいたんだと感謝しております。それでよろしいですか。
[091]
保守党 小池百合子
何か無理やり言わせているような結果になってしまいましたけれども、いずれにいたしましても、どのような形でお嬢さんが戻ってくればいいのかとか、それから日朝間の国交の問題というのは、拉致をされている御両親にとってはどちらでもいいことで、とにかく早く戻していただきたい、もうその一点に尽きるのではないかと思っておりますので、そういった作業、そしてまたそういった交渉事については、政治そしてまた政府の方で今後もきっちりと進むように、我々も責任を持って今後とも進めていきたいということの決意をまず申し上げておきたいと思います。
一方で、本当に国際政治に翻弄されるような状況がお続きになったということ、これは現実でございます。日朝交渉というのはほど遠い話で、いまだに続いているわけでございますし、ましてや米朝交渉も、特使派遣等々も目前までいってそれがだめになるということでございますけれども、どうやら最近の情報では、これは西岡参考人に伺いたいんですけれども、市場経済への移行をやるとか、ウォンの切り下げとか、60分の1とか、かなり激しい状況が続いてきていると思うんですが、今の北朝鮮の現状についてどういう分析を西岡さんされておられるのか、伺わせてください。
[092]
参考人(現代コリア編集長/東京基督教大学教授) 西岡力
韓国の新聞とロシアの新聞が相次いで報道し、そして、拉致された漁船員の寺越武志さんが実はお母さんのところに電話をしてきて確認されたんですけれども、北朝鮮では全面的に配給制度が廃止になりました。主食の配給制度が、この7月の1日からのようですけれども、廃止になったという大変化が起きたということです。それにかわって、給料を10倍から20倍ぐらいに上げたということです。
どういうことかといいますと、先ほど李さんの方から具体的に話がありましたけれども、実は、主食の配給は95年からほとんど機能していなかったということですけれども、ピョンヤンに住んでいる人たちは主食があったわけです。寺越さんは、拉致された、拉致されたとマスコミが騒ぎ、我々が騒いだものですから、いや、自分でいたくていたんだということで、ピョンヤンに引っ越ししたんですね。職業総同盟の副委員長という偉い地位に立った。配給がよくなったんです。拉致だというふうに向こうは認めていませんけれども、我々は、それは彼の待遇をよくした運動の成果だと思っています。
しかし、その人も今配給がなくなって、つまり、職業総同盟の副委員長という立場にいる人でも配給がなくなって、お母さん、お金を持ってきてくれなければ飢え死にしてしまうというような悲痛な電話があったという状況でありまして、ピョンヤンに住んでいるかなり上層の人たちが今生活に困り始めているということが起きています。
つまり、やみ市で買えということなんですね、給料を10倍、20倍に上げると。しかし、それはお札を刷るということですから、やみ市の値段が今幾らなのか、じゃ、それに合わせて給料をといっても、お札を刷るだけですから急にインフレになる。当然、それは経済学の初歩ですよね。まさに、ゴルバチョフ政権の末期にソ連で起きたことが起きているということで、ロシアのメディアは、これは崩壊の初めではないかという解説を書いていました。
ピョンヤンで今大混乱が起きているということで、地方はもうないわけですから、ない中で300万人ぐらいの餓死者が出たと思います。そして、その後、今生きている人たちは何らかの形でやみで食べられる人以外は、残念なことながらもう死んでいる。横流しとかいろいろなことができる人だけが生きているという状況ですから、ピョンヤン以外の都市ではほとんど今のことは影響がない。
しかし、ピョンヤンの中層のエリート、最高層は別ですけれども、その人たちが離反をし始めるということが起き、そしてやみ市の価格がどんどん上がるということは、今度はやみで生活している人たちももうちょっとすると不満が高まってくる、そういう状況だと思います。
[093]
保守党 小池百合子
引き続き西岡参考人に伺いたいと思うんですが、せんだって、赤軍のよど号乗っ取り犯が帰国希望というのか、帰ってあげるというのか、そういった記者会見なども行っておりましたけれども、その背景にはどういうことがあるんでしょうか。
[094]
参考人(現代コリア編集長/東京基督教大学教授) 西岡力
アメリカが北朝鮮をテロ支援国家として、この1月、ブッシュ大統領の一般教書演説でも、厳しい対応をするというふうに言っています。そして、その根拠の1つは、ハイジャッカーをかくまっているということなんですね。ですから、北朝鮮にとっては邪魔になるということがあると思います。
それと同時に、もう1つ、彼らは労働党の党員ですから、洗脳されているのではなくて、本人たちが革命をしたいと思って党員になっているわけですね。日本革命をするといって、八尾恵さんなども、横須賀で日本の自衛隊員にスパイをつくるために活動していたわけですから。そういう人たちが帰ってくる、日本国内でいろいろな活動をするということは、北にとってそれほどマイナスでもないという判断で帰すということを命令したのであって、労働党から切れるとかそういうことはする自由はないし、彼らもそういうつもりはないと思います。
[095]
保守党 小池百合子
また西岡参考人に伺います。
先ほど、人、物、金、情報のところで、お金の点で、朝銀問題、朝銀信用組合の大再編成が行われ、そしてまた、合計いたしますと1兆4000億を超える金額が、間接的、直接的、この辺がなかなか不透明ではありますけれども、北朝鮮に関係の深い流れでもってお金が動いてくる、そこに1兆4000億円もの私どものお金がつぎ込まれる。ちなみに、ODAの年額は年度、1年で約9500億円でございますから、それを上回るお金が北朝鮮に関連していると言われている金融機関につぎ込まれるというような状況が今起こっているわけでございます。
現在、それをもっと明確にしなければ納税者に説明がつかないということで私ども運動しておりますけれども、これに関連しての北朝鮮の動き、何らか御存じのことがあれば教えてください。
[096]
参考人(現代コリア編集長/東京基督教大学教授) 西岡力
北朝鮮は、北京で行われた日本の外務省との間の非公式会談で、朝銀信用組合に公的資金を早く出してくれというふうに要請をしています。つまり、朝鮮総連は、あれは日本の法律でつくられたそれぞれ個々の信用組合であって、北とは関係ないんだと言っていますけれども、なぜ、外交交渉で預金の埋め合わせをしてくれということを北が言ってくるのかということがあると思います。
そして、日本側は、今常務理事とか副理事長に日本人が入っていたのをただ理事長にチェンジするということをしておりますけれども、どうも最近入手した情報によりますと、金正日から、それをのんでもいいから早くお金を取れという指示が来たようです。東京はちょっと、理事長だった本人が頑張っているようですけれども、総連や北朝鮮は日本の干渉をけしからぬと表で言っていますけれども、裏で指示は、差しかえてもいいから取れという指示が来ているという情報を最近入手しました。
[097]
保守党 小池百合子
本当に、今もう瀬戸際のところにまで差しかかってきておりまして、私ども仲間で運動もし、この件については世論にも訴え、なかなかそれについて御存じない方がまだたくさんおられるということから、そういったアピールもさせていただいております。
また、民族差別だということをおっしゃる抗議もあるようでございますけれども、信用組合に対しての金融再生法による公的資金の注入ということについては、南関係の信用組合も同じようにいろいろな問題を抱えているわけですが、私どもはそれに対して一言も文句を言った――文句を言いたい部分もありますけれども、それは邦銀でも同じことですけれども、そういったことで区別をした覚えは一切ないということでございまして、北朝鮮、そして総連との関係が疑わしいということを常々主張の柱にさせていただいているわけであります。
また、これは金融の法律でいきますと、それは幾らでもかわすことができるわけでございまして、私は、基本的にこれは国家の安全保障にかかわる問題であるから、政治の意思としてこれについては見直すべきである、その判断を政治がしないで一体何なんだということを訴えさせていただいてきていることをこの場でも改めてお訴えをさせていただきたいと思っております。
さて、もう一度有本さん御夫妻の方に伺いたいんですけれども、私も朝銀問題をずっと扱ってやろうとしても、なかなかマスコミも書きにくいんだ、いろいろな事情もあろうかと思います。しかしながら、なかなか真っ向から取り上げるところが少ないということで、いろいろな苦労もございました。
そういった意味で、この拉致問題に対して、自分のお嬢さんを取り戻すということでさえ、なかなかマスコミの扱いも困難があったと伺っておりますけれども、それに対してのお考え、そしてこれまでの御経験はいかがでしたでしょうか。
[098]
参考人 有本明弘
マスコミのことに関しましては、子供たちから来た手紙を政府に要請して、それから2年後に、1991年の初めに私たちの問題がマスコミの知るところとなって、大きく報道されました。それは、今委員の方にお配りしたビラではっきりおわかりになられたことと思います。そして、マスコミが大きく報道して、私たちは記者会見をする予定で、NHKさんに幹事社になってもらって、外務省に救済を要請して記者会見をする予定でした。
その前夜に遠藤という極左の人があらわれて、それもNHKを通じてあらわれて、NHKさんは、会いたい人がおるので会ってみてはどうですかという話で、記者会見の日に外務省の近くで会いました。
その人が言うには、私たちは1年有半、金丸さんの訪朝のために水面下でいろいろな苦労をやってきた、警察からこんな話が出てきたら自分たちのやったことが何もかも水の泡になってしまうので、記者会見のときには住所、姓名を言わぬようにしてほしい、そういう要請がありました。そういう要請に、私たちは金丸の訪朝のいきさつもほぼ知っておりましたので、その人の要請を受け入れました。
それで、その人たちは、金日成につながるルートがあるので、1、2カ月待っていただいたら必ずええ返事を持ってきますという話を、そのときはNHKの記者2人が立ち会って、了解して別れました。それでも、その人は約束を守れませんでした。
その記者会見も大きな問題にならず、以後、マスコミ各社はこの問題を全然取り扱わなくなりました。そこで、私としては、もう取りつく島もなくなってしまった、協力をしてくれと言うても協力をしてくれる人もおらない、どこへこの話を持っていっても協力してくれるところはありませんでした、当時は。
それで、思い余って、ビラを作成してマスコミ各社にそれを配り、また、自分から返信用の手紙を出して救済をお願いしました。あのビラのとおりなんです。一応、私たちの思いも込めて送りました。それでも電話一本の取材もなかった。これが10年前の現実なんです。僕はこの時点で、もう愕然としていました。これは、日本の国はどういうことなんだと。
それともう1人、きょうお見えになる予定だった石高さん、この方が、警察庁クラブへ送ったあのビラの中の1枚をだれかが石高さんにファクスしたので、石高さんが私に取材に来ました。それが多分震災の年の1月の初めごろだったんです。
それで、外務省に要請に行くのも、それなら私もついていってあげようと石高さんがおっしゃって、ちょうど外務省に連絡をとって外務省へ救済の要請に行くその日に神戸の大震災が起きまして、それが行けなくなって、3月に外務省へ救済の要請に行きました。それで徐々にこの問題が、石高さんの協力を得て、ちびりちびりと世の中に知られるようになりました。
そういう中で、私は、もう行くところがない、この問題をどこへ持っていっても取り上げてくれない。だけれども、今委員にお渡しした資料の中に、88年に共産党の橋本議員さんが質問した議事録を秘書からもらっていたので、それしか私どももよりどころがなかったんです、当時は。それで、共産党の橋本議員のところへ行きました。
それも、1人で行ってもだめだと思うので、外務省で記者会見して取り上げてくれた産経さんと共同さんと、それと毎日新聞さん、この3人の記者に同行してもらって橋本議員の事務所へ行って、とにかく田口八重子さんのことは捜査当局が実在を明らかにしていながら、先生が以前にもこれを質問しておられるので、再度これを質問してほしいとお願いしました。
すると、もう2、3日たって橋本議員から手紙が入って、私でよければ協力させていただくという返事が来ました。私たちはこれを期待して、5月の連休を利用して橋本さんのところに行ったんですが、秋の臨時国会でやるかと言ったのが、年明けの国会になりました、2月ごろ。それで、家族はみんな傍聴に来てくれと言うて、橋本さんの秘書がそういうふうに……
[099]
委員長 玉置一弥
有本参考人に、ちょっと時間を短くしていただけますか。済みません。
[100]
参考人 有本明弘
はい。それで、橋本議員さんにお願いしました。それで、家族の方は皆期待をしていましたが、その直前になって、それもキャンセルになりました。その秘書の方が、いろいろ石高さんらとともに努力して、この拉致家族連絡会ができました。そういういきさつをこの問題はたどっております。
[101]
保守党 小池百合子
ありがとうございました。
これまで、どちらかというと、この拉致の問題にしろ朝銀の問題にしろ、なぜか日本はタブーとして腰が引けてきたがために、かの国を増長させてしまったという責任もあろうかなということを痛切に感じつつ、一刻も早くお嬢様が日本に帰れるように私たちも努力をしてまいりたいと思っております。
ほかの参考人の方々にはお話を伺えませんでしたけれども、本日はありがとうございました。
平成14年10月22日 衆議院 本会議
[015]
保守党 小池百合子
私は、保守党を代表し、さきの総理所信表明演説に対し、質問をいたします。(拍手)
総理、まずは、訪朝御苦労さまでした。
せめてもう10年早かったら、これは、北朝鮮による拉致被害家族の1人で、今回帰国されました地村保志さんのお父さん、地村保さんが、9月17日の記者会見の場で、ため息とともに漏らされた言葉です。もう10年早ければ。我が国の政治、経済について失われた10年という表現がしばしば使われますが、拉致問題にも失われた10年があったかと思うと、拉致や工作船問題という国家主権の侵害に我が国がいかに鈍感であったか、北朝鮮の言いなりであったか、政治の責任、国家としての責任を痛感するところであります。
女子中学生を拉致し、工作員を送り込み、兵器の部品などの物が日本から流れ、朝銀疑惑に不正送金疑惑、情報は筒抜け。北朝鮮は我が国から、人、物、金、情報、すべての面で奪取し続けてきたのです。
総理、日朝国交正常化交渉の前に、余りにも危険な隣人、北朝鮮の正常化こそが必要であります。ましてや、みずから核兵器開発の継続をも認めた今、我が国の責務は、二国間のみならず、北東アジア、ひいては世界の平和と安定に寄与するものでなければならず、それだけに、さきの平壌宣言のような、あいまいな言葉の羅列では大きな禍根を残すこととなるのです。
今やイラクよりも危険との声もある北朝鮮であります。核兵器開発の即時中止と査察を強力に申し入れ、これらに対する北朝鮮側の明確な回答なくしては、さらなる交渉を進めるべきではありません。拉致問題の安否情報に見られるような、ずさんで、到底納得、うのみにできない回答を平気で寄せる北朝鮮を相手に、どこまで毅然と、断固とした外交が貫けるのか、これまでの我が国の外交姿勢を考えると不安も募ります。
拉致問題も、帰国された5人の原状回復と、死亡と伝えられる8名の本当の安否を含め、政府認定の拉致被害者13人、推定70人とも言われます拉致被害者の方々の徹底調査を求めるべきです。それができて初めて、拉致問題の全容解明と言えます。そもそも、帰国された5名をとにかく早く北朝鮮へ送り返そうとする政府の姿勢は理解ができません。総理の御本意を伺います。
総理は、対北朝鮮への経済支援は、拉致問題が全面解決を見、国交を正常化した後の話だと繰り返し述べておられます。しかし、間接的ながら、北朝鮮への経済支援は既に1兆円規模を超えているのです。総理は御存じなんでしょうか。
国内の金融機関とはいえ、ずさんきわまりない経理や伝票操作、架空・借名口座は当たり前、金融機関とは名ばかりの朝銀に対し、1兆円の公的資金が使われたのです。北朝鮮の財布がわりとも呼ばれます朝銀をベースに集められた現金は、何と段ボールに詰められて、万景峰号などの船で堂々と北朝鮮に送られていたという証言もあります。その金を原資に核兵器開発などが進められていたとすれば、日本の納税者、国民が怒らない方がおかしい。
もしくは、拉致問題同様、これまで国民には余り知らされていなかっただけなのかもしれません。
問題は、これまでの1兆円に加えて、さらに4300億円もの巨額な公的資金が、破綻した朝銀東京の受け皿、ハナ信組に今にも注入されようとしていることであります。国内の先行減税規模が1兆円だ、1兆5000億円だとかまびすしい中で、テロ国家を支える朝銀には1兆円を超えるお金をあっさりとつぎ込む。
総理、ここは政治決断が必要であります。まじめな在日商工業者を守る方法を打ち出すとともに、テロ組織アルカーイダ関連資金を凍結したように、拉致に加担し、テロ国家北朝鮮への不正送金にもかかわってきたとされる朝鮮総連と深いかかわりを有する朝銀への安易な公的資金注入は中止すべきではありませんか。きょうも、朝銀東京と総連とのかかわりで有罪判決が出たばかりであります。これは、明らかに金融問題を超えて、安全保障の問題であります。総理並びに金融担当大臣の見解をお伺いいたします。
もう一度繰り返します。既に北朝鮮への経済支援はこの形で行われていると言っていいのです。
私は、北朝鮮の脅威とは、何をしでかすかわからないという脅威だと感じております。アメリカ国務省の担当者も、北朝鮮との交渉は極めてロジカルではある、しかし、暴発の危険性については否定をしておりません。100基ものノドンミサイルが日本を射程にとらえている現実を踏まえて、真に安全保障、危機管理の観点から、今こそ有事法制の整備が必要であります。
通常国会からの積み残しでもあります有事関連法案の国会審議に真剣に取り組むための体制をしっかり整えて臨まれるよう、希望いたしております。また、難民対策も早急に具体化すべきと考えておりますが、総理の御所見をお聞かせください。
そもそも、北朝鮮との国交正常化、その後の朝鮮半島情勢と日本の関係、21世紀の北東アジアの姿と日本の役割について、総理はどのような青図を描かれておられるのか、この際、ぜひ伺っておきたいと思います。総理の御答弁を求めます。
ちなみに、国民の生命と安全を守るためにも必要な有事法制ですが、昭和52年の有事法制の研究から既に四半世紀以上、放置されてきました。拉致問題の空白の期間にほぼ匹敵する長さであります。
興味深いことは、当時から有事法制の整備をかたくなに反対し、今回も有事法制の法案に対して反対してこられた政党に限りまして、北朝鮮の言われるままでありました。百万言を費やしてエクスキューズはされますけれども、家族会の皆さん方の社民党、共産党に対する憤りはすさまじいものがあるのであります。(拍手)
平和、人権を訴えてこられた皆様方には、北朝鮮こそ人権無視の独裁、軍国主義、全体主義国家と映らなかったのでありましょうか。
同じ議会人として猛省を促すとともに、この際、これまでの北朝鮮に関する各政党、政府の言動についての検証の必要性を感じております。(拍手)
その意味で、民主主義のかけらも、個人としての人民の姿もない金王朝をわざわざ朝鮮民主主義人民共和国と唯一正式名称で伝え、プロパガンダの浸透に加担してきた我が国メディアによる事なかれ主義の責任も問われるべきと考えます。(拍手)
平成14年10月29日 衆議院 財務金融委員会
[051]
保守党 小池百合子
まず、きょうから日朝交渉が始まりますので、北朝鮮とお金の問題で2、3押さえさせていただきたいと思っております。よろしいでしょうか。
最近、この日朝関係、大変注目もされているわけですが、私は、以前から、朝銀の問題を通じまして間接的に既に対北朝鮮に対しての経済支援は始まっているということを主張させていただいているわけでございます。そしてまた、昨今の国内におけるこの北朝鮮関連の動きからも、いろいろな新たな、何というんでしょうか、情報等々も出回るようになっております。
そこで、大変心配と申しましょうか、これまでもうわさされていたようなことに対しての裏づけのようなことも聞こえてくるわけでございますが、そもそも、北朝鮮への最近の送金事情、これは一体どうなっているのか。数字で押さえさせてください。
[052]
政府参考人(財務省国際局長) 溝口善兵衛
海外への送金は原則自由になっておりますが、北朝鮮への送金につきましては、北朝鮮とコルレスの関係を持っている銀行が、大体そこを通じて大部分が行われているということもございまして、その銀行から私どもが聴取したところでは、13年度に大体13億円でございます。
それから、もう1つのものは、現金を持ち出す場合は……(小池委員「まだそれは聞いてないんですけれども」と呼ぶ)
よろしゅうございますか。
[053]
保守党 小池百合子
引き続きお答えいただいてもよろしかったんですけれども。
送金の方法が、いろいろなことを、修学旅行生のかばんに潜ませて云々かんぬんという話もありますけれども、もっと大胆な話で、段ボールでそのまま荷積みされているという話もあるんですね。これはまさに船積みの際の関税のチェックということ、私はこの点も指摘して、何年か前に関税局の方にもこの場で問わせていただいたら、厳密にやっているという話でありますが、全然厳密でないようであります。
ですから、そのあたり、一体どういう検査をされておられるのか、また、そういった指摘に対してどのように答えられるのか。これは、それぞれ港があるところの府県の担当の長、つまり知事になるんでしょうか、そういったところの監督も必要だとは思いますけれども、その辺、今の2番目のお答え、今お答えください。よろしく。
[054]
政府参考人(財務省大臣官房審議官) 藤原啓司
お答え申し上げます。
先生御承知のように、現金等の支払い手段の携帯輸出につきましては、外為法令によりまして、輸出しようとする支払い手段の合計額が100万円相当額を超える場合におきましては、その輸出者はあらかじめ財務大臣に届け出なければならないとされておりまして、この届け出書の受理権限は財務大臣から税関長に委任されているところでございます。
税関におきましては、旅客の出国に際しまして、この届け出義務の履行を確保するために、旅客に対して適切な指導を行うなど法令の適正な運用に努めているところでございます。
先ほど話題にも出たと思いますけれども、新潟港に万景峰92号というのが、定期的貨客船が入港しておりますけれども、それに対しましては、新潟税関支署におきましては、警察等の関係取り締まり機関との連携によりまして、船を訪れる訪船者が入港中のこの船舶に対しまして現金等を不正に持ち込むことのないように、厳重に警戒いたしておりますし、また、北朝鮮向けに出国する旅客の携帯品につきましても、開披検査あるいはエックス線検査を行うなど厳重な取り締まりを実施しているところでございます。
[055]
保守党 小池百合子
非常にお役人答弁だと思います。そもそも人を拉致する国がちゃんと届け出をしてお金を送るなどということは考えられないわけでございまして、そういったさまざまな指摘が、先ほど私が申し上げましたような指摘が実際あるわけですから、ここは、今の日朝関係も考えまして、むしろやはり厳しく取り扱うべきではないかということを私から要望させていただいて、この質問はまず終わりたいと思っております。
平成15年06月04日 衆議院 経済産業委員会
[016]
保守党 小池百合子
さて、下請といいますと、こういった物づくりの分野のみならず、私などは、建設業界なども下請、孫請、ひ孫請みたいなことで想像するわけなんですけれども、そもそも公共事業の総額そのものが削られている中で、仕事の奪い合いはますます激しくなってきている。
これまで談合ということがよく指摘されてきましたけれども、むしろ今は奪い合いのためのダンピング、これは何をもってダンピングとするのかということは、またこれは問題でありましょうけれども、非常にそのところ、仁義なき戦いが今行われているのではないかと思うのですけれども、この実態について、数字などがあれば、国土交通省の方から伝えてください。
[017]
政府参考人(国土交通省大臣官房審議官) 松原文雄
お答えを申し上げます。
先生御指摘のとおり、建設業、今市場規模が大きく縮小しておりまして、まさに低入札によって工事をとり合うという状況になっております。
私どもの方で調査をいたしておりまして、それによりますと、例えば私ども国土交通省の直轄工事でございますが、直轄工事の場合には比較的、ダンピングといいますか、仕事の奪い合い、過度の低入札というのはそれほど多くはないというふうに言われておりますが、それでも13年度は全国ベースで350件と、前年度に比べまして3割ふえております。
それから地方公共団体でございますが、これの方がむしろひどうございまして、もちろん地域によってあるいは公共団体によってかなり差がございますが、なべて申し上げますと、13年度、全国で大体3000数百件ということで、前年に比べますと倍の数字になってきておるということでございますことも心配をして、いろいろな対策を講じておるところでございます。
[018]
保守党 小池百合子
明らかにそういった過度の低価格入札がふえてきているという実態を今お伝えいただいたわけでございます。
もちろん、日本の公共事業はそもそも高いのじゃないかというような指摘は以前からあるわけで、それがある種、競争によって価格が下がっていくというのは、これは納税者にとっては利益であろうかと思いますが、しかしながら、仕事をとろうとする余りに採算を度外視して、まず採算を度外視して仕事をとるというのは私よくわからないのですけれども、そういう形で、余りにも低価格でもってほかの企業をなぎ倒してしまうというような例も実際には散見されるところであります。
中には、これは企業によって、日本企業、それ以外の企業、なかなか分けにくいところがあろうかと思うのですけれども、例えば在日の関係の方で、特に北の方なんですけれども、とにかく低価格で入札をとってしまう。そんな安い値段でよくとれたなというのは、ほかのことを考えると、要は下請にお金を払わないと言うんですね。それは安くできる。仕事だけさせて払わなければ、それは安くできます。その間に日本の同業他社は仕事そのものが来ないわけですから、それで下請の方は仕事をしたけれどもお金が払われない、もしくは本当に約束違反の価格になってしまって赤が出てしまうというようなことで、結構現場は惨たんたる状況になってきていると思います。
私は、ここでもう1つ指摘しておきたいのは、そういった仁義なき戦いの中で、公共事業は何のためにやるのかといったら、社会の将来的な整備をする、インフラの整備ということもありますけれども、やはり景気を刺激するという効果はいつの時代もあるわけでございまして、刺激度がどれぐらいかというのは問題ですけれども、日本の経済をよくしようと思って税金等を使っての公共事業が行われているのに、そういった余りのダンピングで、結局それが仕事につながらないで、むしろほかの会社をつぶして、そしてまた、あげくの果てに、例えば総連を通じて北の方に献金がされるとなったら、何のことはない、日本の税金は結局、朝銀問題と同じように、マネーロンダリング的に結局北に行ってしまうというのは、これは安全保障の問題ではないかというふうに私は思うのです。
そういうふうな調査を国土交通省はされたことはあるのでしょうか、そもそもできないのでしょうか、お答えください。
[019]
政府参考人(国土交通省大臣官房審議官) 松原文雄
お答えを申し上げます。
そのような調査をいたしたことはございません。建設業におきまして、私ども、経営者の方々がどういう国籍の方々であるのか、あるいはどういった方々であるのかというような色分けはいたしておりません。
ダンピングにつきましては、先生今御指摘のありました、まず私ども、公共工事を中心といたしまして、品質の問題が非常に心配でございます。あわせまして、下請へのしわ寄せというような問題がございまして、そういった観点から、例の入札契約を通じまして、各発注者それから地方公共団体を含めまして、そういったところに指導を徹底いたしているところでございます。
それから、私どもの工事につきましては、低入札でとりました工事につきましては、工事のできばえ等につきましてかなり懸念があるということで、事前の審査を厳密にやる、工事期間中の監督を重点的に行うとか、それからさらに加えまして、いわゆる履行保証制度、その会社が途中でおかしくなったときの保証制度がございますけれども、そういったものの保証もほかより手厚くとらせるというような対策を講じておるところでございます。
そういった形を通じまして、ダンピングの防止を図っていきたい、このように考えているところでございます。
[020]
保守党 小池百合子
私が指摘している、ダンピングの問題だけではございませんで、お金の流れが一体どうなっているのかというのは、私は、これは安全保障の観点から調べるべきだということを申し上げておきたいと思います。
その関係で、お金をえいやと運んでいたのが万景峰号でございますけれども、6月9日に入港予定と聞いておりますけれども、今回これだけ注目されている中で、核兵器を製造するための部品であるとか段ボールに入れたお金をどんと積み上げるなどということは、絶対するはずがないと私はむしろ思うのです。それで抑止力があるか、あるといえばあるのでしょうけれども。
ですから、今回の船を徹底して調査される、各役所の方でその体制をとっておられるようでございますけれども、それは結果的には、万景峰号には何もなかったんだということの証明をしてあげる、正当化してあげることになってしまうのではないか。何でこれまでやっていなかったんだということを福田官房長官も記者会見で言っておられます。
(中略)
そしてまた、今回の万景峰号については、平沼大臣、これもキャッチオールの対象になるのかどうか。そしてまた、同時に、万景峰号はシンボル化しておりまして、実際の持ち出し等は、年間1300隻に及ぶ北朝鮮船籍の貨物船等々で地方の港に入っているということでございまして、これは今後も徹底して行うべきだと思っております。
[024]
保守党 小池百合子
これまでちゃんとやってきたんですよというお話だったんですが、北朝鮮の工作員の人は、日本に来たりいろいろなものを工作するのは、レストランに入ったりトイレに入ったりするほど簡単だというようなことを生々しく証言しています。
万景峰号でミサイルなどの部品が日本から9割運ばれたというアメリカ上院での、下院ですか、の証言もございます。
一生懸命やってこられたんでしょうけれども、結果として、不作為の行為ということで、我が国の安全保障が脅かされているという現実を申し上げ、入港そのものを阻止せよということを最後に申し上げて終わりたいと思います。ありがとうございました。
平成24年02月01日 衆議院 予算委員会
[166]
自由民主党 小池百合子
それから、北朝鮮情勢につきまして一言申し上げておきますと、ことしは北朝鮮にとりましても極めて重要な年であります。もちろん、昨年末に金正日体制から若き正恩にかわったということもありますが、2月16日に金正日生誕70周年、4月15日、日成の生誕100周年、そして10月10日が労働党の建党67周年、年を越えて、4月25日には朝鮮人民軍の創建記念80周年ということでございます。
若き後継者がそこで非常にチャレンジングなことをするかもしれないという危険性と、もう1つは、御存じのように、北朝鮮では、このいろいろな周年行事のために、国を挙げてというか、国民は飢えているのにもかかわらず、平壌の一部で、これをある種、舞台のように大々的なパレードなどを仕掛けるわけですよ。
そこで必要になるのがお金なんですよ、お金。お金はいろいろなところから、これまでもいろいろありますけれども、麻薬であるとか、にせ札、にせたばこなど、北朝鮮が関与したと言われている問題も多々ございます。
そして、我が国は制裁もかけてきているわけですね、これまでも。お金の大部分、私はかつて朝銀の問題を国会でも取り上げました。中身は金融機関とは言えないような状況にあって、今大きく変わっているというか、その部分にメスを入れたところであります。
要は、接点を複数持つところに必ず向こうが言ってくるのはお金の話なんですよ。特に、日本におられる方々の上納金を言ってくると思います。
そこで松原大臣にお伺いしたいんですが、今制裁の対象になっている6、7名の在日の方で、そしてまた最高人民会議ですかの代議員をやっておられる方がおられるんですが、この再入国に対しての不許可。ちなみに、弔問団を送るか否かのときに、野田総理はそのことを不許可であるということで、万景峰号の話もそうであります。そして、向こうの報道では無知蒙昧とかといってめちゃくちゃ言われていましたけれども、あれは正しい判断だったと思います。
先ほどから申し上げているような北朝鮮のこれからの事情を考えれば、在日の方からの上納金をもっとという話になってくる。そして、それに対して、その方々の、日本を離れて北京までいらしたら後はどこへ行くかわからないですけれども、しかしながら再入国の不許可ということ、これを徹底すべきだ、このように思うんですが、松原大臣の御見解をお聞かせください。
[167]
国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全) 松原仁
再入国禁止の話も含めての議論でありますが、基本的に私のスタンスとしては、こういった状況の中において、制裁圧力は時間軸とともに高まるというのが基本的な認識であります。
ただし、その一方、この放送も北朝鮮の人も見ているでしょうから、あえて言わせてもらうならば、我々は、彼らが対話をするという意思を持つような材料も検討していく必要があろうかと思っております。
基本的には、制裁はこれから高める方向を検討しながら、さまざまな接触を目指して、解決を目指すということであります。
[168]
自由民主党 小池百合子
その接触の際に、今申し上げたような北朝鮮側からの要請には応えないようによろしくお願いを申し上げて、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
平成25年03月04日 衆議院 本会議
[023]
自由民主党 小池百合子
我が国と、中国、韓国、ロシアの近隣諸国の共通の悩み、それは北朝鮮問題であります。
ミサイル発射や核実験の実施など、北朝鮮の数々の行動は断固として許されません。北朝鮮の暴挙を国際社会に訴え、米国を初め、中国、韓国、ロシアとの連携強化が不可欠であります。
これまでも、我が国は、人、物、金の独自制裁を実施してまいりました。
私は、国会の場で初めて朝銀問題にメスを入れ、アメリカ政府によるバンコ・デルタ・アジアへの制裁とあわせ、金の分野の制裁強化に努めてまいりました。
北朝鮮への制裁を有効なものとするためには、実際の金や物の運び屋と言われております地方幹部の再入国制限も含めるべきではないでしょうか。
独自制裁措置の強化について、政府の方針をお伺いいたします。
北朝鮮には、これからも、核への野望を抱き、拉致を含め人権を無視して国際世界から孤立の道を続ける平壌スタイルのままでいくのか、それとも、民主化を決意し、世界へ門戸を開いたミャンマー・スタイルへと大転換するのか、後者の道を選ぶよう、中国を含め、世界が歩調を合わせて進めるべきでありましょう。