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平成18年06月08日 衆議院 決算行政監視委員会
[160]
民主党(民進党) 前田雄吉
きょうは、まず初めに、証券市場の開放について伺いたいと思います。
日本の証券市場は、昨今、いろいろな問題点が指摘されています。私は、余りにも日本の証券市場が保守的で閉鎖的である、そういうように思います。
こうした問題点がいろいろ発覚してくるには、次のようなことがあるのではないか、そういうふうに思っています。スーパーリッチな一部の人間のみによって市場が荒らされる、村上ファンドのインサイダー取引が発覚する等々、こうした問題点がここにあるというふうに思っております。
現状として、私は考えますけれども、国民経済の中で大きな力を現実として持っている産業に対しては、市場は開放されるべきではないか、そのように考えております。新しい血が入ってこそ市場の活性化が望まれるわけで、例えば、私は一般論として申し上げますけれども、パチンコホールの上場、これもあっていいのではないか、そのように思います。
企業会計の透明性が公的に担保されればということは、もちろん投資家保護の観点から当然でありますけれども、これが担保された場合に、一大国民産業になっておりますこの産業が、年間30兆を超えて、遊技人口1500万人を超えているという現状でありますので、もう上場は考えられてもいいのではないか、そう思います。
現在、このホールの上場というのは認められておりません。しかし一方で、上場企業のダイエーあるいは西友、100%の子会社がホールを営業していた事実もあります。私はこれは不公平ではないかというように思います。
金融大臣はこのパチンコホールの上場問題に関してどのような御認識をお持ちなのか、伺いたいと思います。
[161]
内閣府特命担当大臣(金融・経済財政政策) 与謝野馨
特定の業種が東証上場から排除されるべきでないという先生のお考え方は、まさにそのとおりであると私は思っております。
しかしながら、東証というのはやはり、みずから規則を持ち、みずから上場の基準を持っているわけでございまして、ある会社が新たにそこに上場したいという場合は、東証が既に発表しております上場基準に照らして、その基準に該当するかどうかということは、東証自体がやはり御判断されることだろうと私は思っております。
その点はきちんと公平に審査をしなければならないというのは当然のことであると思いますけれども、特定の業種だからだめだという立場は東証もとるはずもないことだろうと私は確信をしております。
[162]
民主党(民進党) 前田雄吉
私も、企業会計の透明性が公的に担保されればという条件のもとで、多くの企業、いろいろな業種の企業の上場が望まれればいいというふうに思っております。
所轄の、今度は警察庁に伺いたいと思います。
一部のパチンコホール業が上場できない理由が、風俗営業法、風営法の中で管理されているからではないかという議論もありますけれども、この点について警察庁はどのようにお考えなんでしょうか。
[163]
政府参考人(警察庁生活安全局長) 竹花豊
お答え申し上げます。
私ども、パチンコ営業につきまして、風俗営業法で規制の対象といたしております理由は、パチンコ営業が遊技の結果に応じて客に商品を提供する営業であり、その営業の形態によっては客の射幸心を著しくそそるおそれがあるため、風営法において規制をしているところでございます。
私たちの知るところでは、さまざまな企業が多様な観点からさまざまな規制を受けているであろうと承知をしておりますけれども、こういうパチンコ営業に対する規制の趣旨自体で株式が上場されるかされないかというようなことについては、私ども警察の立場では判断をすることができない、判断を超える問題だというふうに考えております。
[164]
民主党(民進党) 前田雄吉
私の地元の名古屋はパチンコの発祥の地でありますので、多くの皆さんが楽しまれています。ですから私は、先ほど申し上げたように、企業会計の透明性が公的に担保されればという、投資家を保護する観点からはこれは当然の話だというふうに思っております。一大国民産業にも市場が開放されるべきであるというふうに私は考えます。
業界としても、有限責任中間法人としてパチンコ・トラスティ・ボードという組織をつくっております。これは、公認会計士あるいは弁護士も何人も集まられて、先ほど申し上げた企業会計の透明性を公的に担保できるような形にしておられます。私は、こうしたパチンコ・トラスティ・ボードのような企業会計の透明性を担保する組織というのは非常に有効ではないか。まずこれについて、パチンコ・トラスティ・ボードについてどのように金融大臣はお考えなのか、どういう御印象を持たれるのか。
そして、証券市場が直接、上場を認める認めないという判断を下すよりは、こうした新しい公的な機関を正式に公益法人として認定した上で、そこが上場の決定をしたらどうかというふうに私は思います。私は個人的に考えますけれども、第三者の機関に上場の認定をさせた方が、業界がよりディスクローズされるのではないか、脱税等なくなって健全に経営されるのではないかというふうに思っております。
より多くの業界の皆さんに対して市場への参加を開くべきではないかと私は思いますけれども、金融大臣、もう一度お考えをお聞かせください。
[165]
内閣府特命担当大臣(金融・経済財政政策) 与謝野馨
今の考え方は、財務内容をきちんと報告しているかどうかという点、これを第三者に見てもらったらどうかという考え方でございますが、この世の中には監査法人というものもあって、何もわざわざ第三者を特定の企業分野の審査に設立するということは、多分、屋上屋を重ねることであって、そのことをもってして東証の上場基準をクリアできるというふうには私は考えておりません。
[166]
民主党(民進党) 前田雄吉
でしたら、そうした監査法人にきちんと監査していただいた上で、こうした業態が上場にチャレンジされるというのは、私はいいことだと思います。ありがとうございました。
平成19年04月24日 参議院 農林水産委員会
[057]
民主党(民進党) 小川敏夫
最近、競馬、特に地方競馬の売上げが減少していると。それから、それ以外の公営競技、ボートとか競輪も非常に売上げが減少して苦しんでおるわけです。その私は1つの原因として、私はパチンコというものが結局競合するような営業状態になってきたために、言わば本来なら公営競技の方に行くようなファンの方がパチンコの方に流れてしまって、結果として公営競技の売上げ減少という、経営困難という状況を引き起こしているんじゃないかというふうに思うわけです。
私も若いころパチンコ好きな時期がありましたけれども、その当時は、一発一発玉を込めて打って、うまくいけばたばこが1カートンもらえるというぐらいの言わば庶民の娯楽だったように思うんですけれども、しかもそれを、景品をお金に換えるということはこれは御法度でして、できなかったことだしお店もやっていなかったと。しかし、その後、何か連発式だのチューリップだのといろんな歴史の変遷を経て、今はもう技術で一発一発打ったようなパチンコとは想像も付かない、もう本当に技術も関係ない、偶然性が強いような、玉もどんどん自動的に猛スピードで出ていって、しかも仕組みも何かいろいろ数字がそろえばぱっと玉がたくさん出るとかというふうに、まずパチンコの仕組みそのものが射幸性が高いものに非常に変化してきたと。
まあそれはそれで好みがあるんだけれども、さらに一番の問題は、これは刑法の賭博罪があるから、パチンコ屋さんが言わば出た玉をお金に換えることはできないわけです、当然のことながら。それを潜脱するために、何らかの景品を符牒に使って、それをお金に換えることができる換金システムというものもつくれば、これもうやはり賭博をただ潜脱するための方法ですから、やはりこれは処罰されるわけです。しかし、最近の傾向を見ると、もう何も言わなくても換金できる符牒となるものをくれて、すぐパチンコ屋さんの隣か前かにそれを買い取るところがあって、そこに行けばもうお金がもらえるという状況になっておるわけです。
ですから、そこら辺のパチンコに対する、今日は警察庁の方に来ていただいていますけれども、その射幸性の高まりに対する、これを言わば認容してきた警察庁のお考えと、それから、言わば賭博罪を潜脱するような景品買いといいますか、これに対する取締りが異様に緩くなっていると。今でも、パチンコ屋さんに行って、どこでお金に換えてもらえるのと聞けば、パチンコ屋さんの店員がすぐそこのあそこですよと教えてくれるほどもう野放しになっていると。結局それが、本来なら公営競技に行って売上げに協力してくれてというお金がパチンコ屋さんへ流れると。
公営競技の方は、言わば賭博ですけれども、その利益は、売上げはきちんと公の方に還元されるようになっていると。しかし、パチンコの方は、これ、そのパチンコのもうけは全然公に還元されないでその業者の利益になってしまうわけでして、だからここのところはしっかり対応していただかないと私は困ると思うんですが、そうした、ちょっと長い質問だったけれども、そういうことを踏まえて、警察庁の方、御答弁いただきたいんですが。
[058]
政府参考人(警察庁生活安全局長) 片桐裕
パチンコ営業につきましては、今お話もございましたけれども、代表的な大衆娯楽として一面で定着している面があると思います。ただ、他方で、今御指摘があったように、著しく射幸性の高い遊技機が出回っているということも事実でございまして、また、遊技機の不正改造が後を絶たないということもまた事実でございまして、こういったことが相まって、パチンコ営業全体の健全化を阻害する要因がまだ根深く、根強く存在しているということが言えると思います。
警察庁では、こうした状況に対処しますために、平成16年に風営法の施行規則を改正いたしまして、遊技機の射幸性の抑制、またもう一つには、不正改造防止対策の義務化を図ったところでございます。この改正は平成16年7月1日から施行されまして、本年9月末ごろまでに経過措置を過ぎることになりますが、これが過ぎますと、射幸性が適度に抑えられた遊技機が設置されまして、より手軽な娯楽に転換するということが期待されるというふうに考えております。
また、今お話があったパチンコの買取りでございますが、パチンコの景品、これをパチンコ従業員が買い取る等、パチンコ営業者が関与することは違法でございまして、また多くの県ではパチンコの景品を買い取らせることも禁止をしているということがございまして、こういった事案を私ども認知した場合には、事件送致を行ったり、また行政処分等の取締りを行ったりということでその適正化を図っているところでございます。
警察庁では、今後とも、改正規則を通じた射幸性の抑制でございますとか各種違反の取締りのほか、業界の自主的な取組を支援しながら、営業の一層の健全化に努めてまいりたいと考えております。
[059]
民主党(民進党) 小川敏夫
ですから、そういう違法を認知すれば対処すると言うけれども、だけれども、何か認知することを避けているんじゃないかというほど野放しの状況になっているので。
私の考えとしては、パチンコが今物すごく売上げが伸びている分、そのしわ寄せが公営競技に来ているというふうに私は思いますし、多分そういう現象が私は、それは実証的に証拠を出すことはできないけれども、だれでもが納得できる状況だと思いますので、そこのところを私はしっかり、違法は違法なんだから、違法であることはこれはもうだれしも間違いないことなんですから、その違法をきちんと対応していただく必要があるんではないかということを述べさせていただきます。
平成19年06月15日 衆議院 内閣委員会
[126]
民主党(民進党) 山田正彦
皆様方にお配りしました資料がございます。見ていただければと思いますが、今パチンコ業界は大変な状況でございまして、資料1、「東北最大チェーンのダイエーが民事再生法申請」とあります。これは業界で6番目とか聞いておりますが、かつて売上高が2221億7700万円、そういう会社が倒産したわけなんです。42、3店舗あったということですが、従業員にしてざっと1200人ぐらいの人が恐らくこれから路頭に迷うかもしれない。
それだけじゃないんですね。私の方で用意しました資料2というのを見ていただければわかるんですが、去年1年間でいわゆる遊技場数、491店、約500店舗が倒産しているわけです。かつて1万8000まであった遊技店が今1万4500店舗ぐらいになっている。恐らく1万店を切るんじゃないかと言われているぐらいです。
ところが、私が示しました資料2の下段の方を見ていただきたい。ことしに入って、1月から3月までの間に309店が既に倒産いたしました。このままでいくと1000店舗近い数のホールがことし倒産するであろう。そうなったら約4万から5万人の人がいわゆるリストラ、退職する。これは大変なことなんです。
このように急激にここに来てパチンコホールの倒産が起こってきたのは何が原因であると大臣は思われるか、所管大臣にお伺いしたい。
[127]
国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災) 溝手顕正
お答え申し上げます。
パチンコ営業者が倒産する理由については、各営業者の経営方針や営業状況、資金調達の状況等、個別の事情により異なると思いますので、一律に答えられるものではなかろうと思っております。
その上で、あえて申し上げるとすれば、警察庁による調査によりますと、全国のパチンコ営業所数は近年減少傾向にある一方、売り上げについてはほぼ横ばいで推移しており、パチンコ営業について、店舗の寡占化、大型化の傾向が見られる。また、パチンコの遊技人口については近年大きく減少しており、全体として他店との競争が激しくなってきたということが推察されるのではないかと思っております。こうした傾向に加え、最近では、金融機関における融資の審査の厳格化の事情もあるようであり、それにより資金調達が困難になる例もあると仄聞しております。こうしたいろいろな要因が相まって、倒産する営業者が出てきているのではないかと思っております。
[128]
民主党(民進党) 山田正彦
それは全く違うのではないですか。何でことしになってこれだけの件数が急激にふえたのか。これは、私の資料1を見ていただきたい。いいですか、後半です。パチスロ5号機の先行導入に伴い借入金が増加、さらに、ことし6月末までの5号機入れかえを控えて、取引金融機関、リース会社、ノンバンクなどの対応は消極的になった。
いわゆる5号機の入れかえというのはどういうことかというと、警察庁が、警察庁がとは言いません、国家公安委員会と言っていいんでしょう、パチンコ営業店の、いわゆる風営法を受けた施行規則、19年6月までの間に4号機をすべて総入れかえすると。前代未聞のこと。
この総入れかえというのは、数でいきますと、いいですか、国家公安委員長、大臣は、全くわからない答弁を繰り返しましたが、よく聞いてください、回胴式遊技機は、188万7239台、これを総入れかえなんです。金額にして7548億。今パチンコ店が1万4500ありますけれども、1店舗当たり5200万円の投資をこの6月までにやらなきゃいけなくなった、ただでさえ苦しいところに。
何でこのようなこと、総入れかえをさせなければいけなくなったのか、行政裁量の中で国家公安委員会は、あるいは警察庁と言っていいかもしれない。それを明確にお答えいただきたい。
[129]
国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災) 溝手顕正
平成16年の風営法施行規則等の改正に伴う経過措置期間の満了する期日は遊技機ごとに異なり、おおむね本年9月末までに順次到来することになると承知いたしております。
具体的には、5月15日現在、全国に114万台の旧規則機が設置されており、6月末までに約33万台、7月末までに47万台、8月末までに13万台、9月末までに21万台を撤去することが必要になると聞いております。
全国の遊技機設置台数が約494万台である中、年間の新台販売台数が過去3年の平均で569万台に達していることからすれば、平均すると、各営業所に設置されている遊技機は年1回かえられていることになり、毎月約47万台近くの遊技機が入れかえられることになっている、こういうように承知しております。
そもそも、平成16年に規則が改正されてから、3年以上の十分な経過措置期間が設けられてきたことであるが、業界における遊技機の通常の入れかえ状況を踏まえれば、現時点で営業所に設置されている遊技機の入れかえについても、営業者に過度の負担を課すとは必ずしも言えないと認識をいたしております。
[130]
民主党(民進党) 山田正彦
何のために施行規則を変えたのか、端的に答えていただきたい。
[131]
国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災) 溝手顕正
パチンコ営業については、著しく客の射幸心をそそるおそれのある遊技機が出回っていることや、遊技機の射幸性を高めようとする不正改造事犯が後を絶たないことなど、その健全化を阻害する要因が根強く存在していると認識をいたしております。
また、パチンコ遊技に熱中する余り、多額の借金を抱え、犯罪を犯してしまう例や、子供を車内に放置したまま親が遊技をして子供を死なせてしまう事案が後を絶たないなど、客がパチンコ遊技に過度にのめり込んでしまうことに対する弊害が依然として発生している。
国家公安委員会としては、こういう状況に的確に対処するため、平成16年1月、風営法施行規則等を改正し、同年7月からこれを実施しているところでございます。
[132]
民主党(民進党) 山田正彦
大臣、私の質問に端的に答えていただきたい、時間がないので。原稿を読み上げないで、大臣の思うところを答えていただきたい、レクは受けているはずだから。
それで、私が聞きたいのは、今言った、射幸心をそそるおそれがあるから、ここで、風営法を受けた施行規則を公安委員会で変えたというのは、今まで認めておったいわゆる200万台の機械には射幸心をそそるおそれがあったから変えた、いわゆる違法機であったということを公安委員会は放置しておったということにならないんですか。わからなかったら、もうそれは答えられなくても結構。
[133]
国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災) 溝手顕正
我々はそういう受けとめ方をしておりません。平成14年、15年ごろの短期間に極めて大量のメダルを獲得できる回胴式遊技機が出回るなど、その健全性を阻害する要因がいろいろあらわれてきた、このように認識しております。
[134]
民主党(民進党) 山田正彦
大臣、施行規則を読まれたと思うけれども、施行規則の中には、出玉を例えば1分間に何発とか、そういう細かい規則がある。そういう細かい規則の中で、今までパチスロ機にしても認められてきておった。いわゆる公安委員会がそれを認可してきた、認めてきておった。それが、違法、著しく射幸心をそそるおそれがあったから、ここに来てすべてを取りかえる。
ところが、これまではそうではなかった。私が調べてみると、今までの施行規則が大幅な改正になったのは平成2年、それから14年から16年、そのままかなり細かい規則の中でやってきておったものが、ここに来て、今になって、射幸心をそそるから入れかえる。
いいですか、大臣、聞いていますか。それまでは、3年に1回、保通協において、車の車検と同じように、いわゆる再認定という形でパチンコの入れかえをやってきておった。違法機であったというんだったら、もっと事前にそれについて、当然のことながら、いわば改めなければいけなかった。それを改めなかった責任、これは国家公安委員会にあると思わないですか、大臣。
[135]
国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災) 溝手顕正
御指摘の中身については、国家公安委員会としましては、そういった形で型式試験、検定の手続をやってまいったわけでございます。それをまとめた形で、平成16年に射幸性の抑制を内容とする規則の改正を行ったわけで、それは、法律とか規則というのは絶えず目こぼしがあるということを理由に法律の不当性を訴えられたとしても、これは我々としてそうだと言うわけにはいかないと思います。あらゆる法律というのは、やはり善意に遵守していこうということが前提であります。そういったさまざまな世論を含めて、世の中の情勢を判断したあげくの16年の改正であったと私は考えております。
[136]
民主党(民進党) 山田正彦
パチンコの問題というのは、16年に限らず、もう10年、それ以上も前から、いわゆる熱中してサラ金に走ったり、破産したり、それはいろいろな問題があって、私も弁護士をやっているから、それによって倒産、破産した者の弁護をしたこともある。そういった中で、急にここに来て、今までは保通協の再認定だけで終わったものがこうなるのはおかしい。
国家公安委員会の施行規則というのは、警察庁だと思うんですが、警察庁の事務局で準備して、射幸性があるかないか、それに基づいて公安委員会が規則を定めるというふうに、私が調べましたら警察庁でも答えられた。警察庁は、まさにさっき大臣が言った、取り締まりに目こぼしがあったとしたらとか、まさに射幸心をそそるおそれがあるとか、あった機械とかという、いわゆる許認可を警察庁、公安委員会が与えながら、実際の違反かどうかの取り締まりも警察庁がやっている。これはおかしいんじゃないのか。
法制局長官、きょう来ていただいておりますが、法制局は、いわゆる憲法解釈から法解釈はすべてやるわけですが、許認可を与えるところと取り締まるところが一緒というのは、これは、法律的に違法だとか不当だとか適切じゃなくて、おかしい、不適切だ、そう思われませんか。
[137]
政府特別補佐人(内閣法制局長官) 宮崎礼壹
風営法におきましては、遊技機の基準等につきまして何にゆだねておるかといえば、国家公安委員会規則だと思います。
国家公安委員会は、各都道府県の警察を直接ではなくて間接的に管理をしているということは言えましても、直接の取り締まりに当たっているのは警察でありまして、国家公安委員会ではないというふうに思いますので、直接、御指摘は当たらないのではないかというふうに思います。
[138]
民主党(民進党) 山田正彦
法制局長官としては歯切れの悪い答弁ですが、直接には当たらない、間接には当たる、そうとっていいのではないか。
いずれにしても、不適切であるということは、だれしもが法律家であったら考えることで、いや、法律家でなくたって考えることなので、ここは本来ならば、パチンコ行政については経済産業省が所管をやるべきだ、30兆円産業ですから。そう私は考えておりますが、これは、きょう私の質問時間も限られていますので。
問題は、いわゆる保通協、保安電子通信技術協会、ここの理事長をきょう参考人で呼んであったんですが、来なかった。いつか河村先生にひとつ徹底して調べていただきたいと思っている。きょうは来ていただけなかった。
それで、この私の資料3、これを見ていただきたいが、これは、フリー百科事典という、パソコンの中で調べたものです。この中に、線を引いたところ、「役員に警察出身者が多く見られること(いわゆる天下り)、競合する機関がなく」、競合する機関がない。保通協は何をやっているか。この資料を見ていただければわかりますとおり、パチンコの機械が国家公安委員会の施行規則に沿って適正であるか何かの認証、検定をしている。結構高い検定料をとっていると言われておりますが、「競合する機関がなく非常に高コスト体質であること、検査の時間が異常にかかる」、「型式試験の手数料は都道府県警察関係手数料条例で定められており、1機種につきパチンコでは約152万円、パチスロでは約181万円(いずれも内税)である。」と。
いわゆるメーカー、パチスロだけで50社ぐらいあるようですが、その50社ぐらいの中で何種類も型式の認定を出されるわけですが、今回、200万台の入れかえで、実際に保通協そのものがこの検査でパンク状態になっていて、受け付けをくじ引きでしている。機械が間に合わない。業者によっては、機械を買いたいけれども、保通協の検査が通らないから、保通協が、少人数というか、5、60人らしいんですが、しかもくじ引きで検査を受けている、そこでこういう問題が起こってきて業界は非常に混乱し、倒産に拍車をかけている。単にこれを保通協1社だけにしているというのは、これはけしからぬのじゃないか。
特に、この資料3を見ていただければいいんですが、この中にこういうことまで書いている。「特に型式試験試験員と製造メーカーとの癒着問題疑惑まで発展している。」。私の調べたところでは、独禁法違反、いわゆる優越的地位の濫用からいろいろな問題が生じていると思われます。
きょうはもっと詳しいことも質問事項にありましたが、時間がないので、ひとつ、高市大臣、この保通協の問題そのものについて、このような形ではおかしいんじゃないのか、大臣としての見解をお聞きできればと思います。
[139]
国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災) 溝手顕正
まず、私から答えたいと思います。
今御指摘の、保通協以外に認めないのか、認めるのかという問題が1点あったと思います。これは、もちろん、そういう条件を満たせば、そうした団体を指定することは当然あり得るわけでございます。試験事務の公正中立性を確保するため、公益法人であることを要件にしておるわけで、そういう機会があれば、それは認めていくことにはなると思います。
それからもう1点の、今、天下りとかなんとかということがありました。これはまた別の種類の問題でございます。今回の16年の規則改正とは別次元の話であろうと思います。それはそれなりにしっかり調査をして、正すべきところは正していかないといけないだろう、このように考えております。
[140]
民主党(民進党) 山田正彦
法制局長官にお聞きしたい。
こういう従来の施行規則そのものに射幸心をそそるものがあったから、施行規則を変えた。そうすると、従来の施行規則は、いわゆる違法とまで言わなくても適正ではなかった。これによって、多くの者が倒産その他の大変な損害を受けた。
ということになると、国家賠償法の第1条、国または公共団体の公権力の行使に当たる公務員が、その職務を行うについて、故意または過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国または公共団体がこれを賠償する責任がある、そういう規定があるわけですが、その中で、大臣、国がそういうことをしなかったことのいわゆる不作為によってそういう違法行為がなされた、早く施行規則を変えなきゃならないときに変えなかったからそうなったという場合には、当然、このような規定の適用があると思うのだけれども、解釈としてどう思われますか。
[141]
政府特別補佐人(内閣法制局長官) 宮崎礼壹
まず、一般論として、不作為の違法というものが国家賠償法1条1項の対象になるかという問題につきましては、そこは昨年、判例も出ておりまして、国家賠償法1条1項の規定は、行政機関の不作為の違法による損害を国による損害賠償の適用対象から排除しているものではないということは間違いございません。
他方、御指摘の規則の改正をしなかったことについてどうかという問題につきましては、具体的な状況、内容等について法制局が審査する立場でございませんので、基本的にはお答えを差し控えさせていただきたいと思いますけれども、風営法が全部法律で書き切れるわけではなくて、施行規則等にゆだねておりますのは、やはり専門的、技術的な細目につきましては、機動性を重んじる立場から、国家公安委員会の判断にゆだねるということを国会が御判断になって、そういう委任をしているものだと思いますので、その機動性の観点から、必要な改正というものは当然予想されているものではないか、かように考えております。
[142]
民主党(民進党) 山田正彦
いずれにしても、きょう大臣の方で、これまで落ちこぼしもあったとか、これまでの機械が射幸心をそそる問題があったとかということであったら、当然、これから国賠法の問題に移ってくるんじゃないかと思われます。
時間がなくなってまいりましたが、もっと大事な、いわゆるパチンコ、風営店の三店方式の問題、これをちょっとお聞きしたいと思っています。
配られた資料の中身を皆さん見ていただければわかると思うんですが、三店方式の資料を配っております。いわゆる景品買いがどうやって行われているかということなんですが、少なくとも、風営法23条に言う、営業している者がパチンコの景品を買い取りする行為には当たらない、そう思うのですが、どうでしょう、担当大臣。その三店方式の問題です。
では、担当大臣じゃなくて、法制局長官、どう思われますか。
[143]
政府特別補佐人(内閣法制局長官) 宮崎礼壹
風俗営業法23条1項の規定は、いわゆるパチンコ営業者が客に提供した賞品を買い取ることを禁止しているわけですけれども、規範としてはそういうことでございますが、御指摘の三店方式がこの条文に照らしてどう当てはめられ、解されるべきかにつきましては、当局としては、その三店方式なるものの実態を必ずしも承知しているわけではございませんので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
[144]
民主党(民進党) 山田正彦
きのう法制局から見えた方に、三店方式というのをるる説明いたしました。資料も渡しました。その上で、十分、1日の余裕もあるわけだから、憲法解釈から法の解釈をやるのは法制局の立場ですから、法制局として、風営法23条に言う景品の買い取りに今の三店方式は当たるのか当たらないのか、まず事実を聞いているのです。
だれが見たって、私は、パチンコをやって、景品をもらって、その場で、ホールで景品を買い取ってもらったことはないです。そうなれば、この23条の景品買い取りには当たらないのでしょうと聞いている。事実について聞いているだけなんですよ。
長官、いかがですか。
[145]
政府特別補佐人(内閣法制局長官) 宮崎礼壹
重ねてのお尋ねでございますが、昨日のレクのときも、具体的な事実関係によりますというふうに、お答えはなかなか難しいということを申し上げたというふうに聞いております。
23条の1項の1号は、現金または有価証券を賞品として提供することは営業者としては禁じられている、2号で、他方、客に提供した賞品を買い取ることを禁止されているということでありますので、規範としてはそういうことで明確だと思いますけれども、具体的に、複雑な仕掛けをつくった事実関係がこれに当たるかということにつきましては、法制局は各個の法律の解釈、運用につきまして責任を持つという任にはございませんので、そこのところは、その事実の直接の把握とそれに対する運用の責任を持っております省庁のところで御判断をいただきたいと思いますし、また、そちらの方にお問い合わせをいただきたいと存ずる次第でございます。
[146]
民主党(民進党) 山田正彦
きょうはちょっと質問時間がないので、端的に、最後に私からお話をするにとどめたいと思いますが、資料6を見ていただきたいと思います。
現在、いわゆる景品取引が、ああいう三店方式という、景品を買ってそれを現金にかえていくというような複雑な仕組みであるがために、強盗の犯罪件数はパチンコ店と金融機関の件数は一緒。これはひとつ行政として、国家公安委員長、担当大臣もしっかり考えていただきたい。金融機関とパチンコ店の強盗件数は一緒なんです。
ここは、今の三店方式をそのまま認めるなら認める、あるいは、これはおかしいというのなら法律の改正をする、新しい法律をつくる、これがもう10年、20年、30年と必要とされてきながら、放置されてきている。
私もいろいろ調べてみました、違法であるか、違法でないか。法制局長官も聞いていただきたい。刑法第35条は、法令または正当な業務による行為は罰されない、仮に形式的にいろいろなものがあっても罰されない、そうなっております。いわゆる正当な業務行為は罰されない。正当な業務行為とは何かというと、社会的に確立した業務行為を刑法上、正当業務行為とみなすということ。法制局長官はもうよく御存じなんですが、社会的に確立した今の業法、いわゆる三店方式なり、あるいはパチンコの景品をホール内でやれると一番犯罪は防げる、そういったものが認められるとしたら、正当な業務行為として違法性が阻却される、違法状態ではない。
パチンコ業界は、今非常に苦しくて、上場もできない。そんな中で、ひとつどうかこういった問題を、さらに大臣、それぞれお聞きになって、警察庁長官もきょうはよくお聞きになっているかと思いますが、長官としても、ぜひこういったものの改正、今後の行政について、最後にどう考えられるか、一言お聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
[147]
政府参考人(警察庁長官) 漆間巌
今までの質疑の様子は聞いておりましたが、これで風営法を変えるかどうかというのは、またこれはいろいろ検討しなきゃならない事項がたくさんあると思いますので、今の質疑の様子を、私も私なりに踏まえまして、今後どうするか検討していきたいと考えております。
平成21年01月08日 衆議院 予算委員会
[073]
自由民主党 葉梨康弘
これは、ある週刊誌、平成20年の11月27日号に出た記事をもとにちょっと調べてみたんですが、そのときに出てきた議員というのは、質問をした議員というのは、D議員とそれからB議員、E議員の名前が出ているんですが、実は、C議員、民主党を離党したC議員もこの議員連盟の中身でいいますと、パチンコの上場に関する質問、それから穴あき、いわゆる教材に関する質問で業界寄りと言われるような質問をされております。
[075]
自由民主党 葉梨康弘
次に、民主党のE議員なんです、先ほどの表にも出ておりましたが。これが、遊技機の施行規則を改正したおかげでパチンコ店がつぶれる結果となったことは、かつて、射幸性というか、たくさん玉が出るパチンコの機械、これを容認していた行政の不作為の問題だ、だからこれは国家賠償の要件に該当すると。
平成16年の遊技機の型式検定に関する規則の改正で、確かにパチンコ店は今不況にあえいでいます。相当厳しい改正であったことも事実ですし、私もいろいろな相談を受けているんです。ただ、国家賠償というのは、これはちょっと相当物騒な話だと思いますね。
平成16年の規則改正によってパチンコ店がつぶれるということ、これはあったかもわかりません。ただ、これを国家賠償法による国家賠償の対象とすべきかどうか、国家公安委員長から御見解を伺います。
[076]
国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・防災) 佐藤勉
お答えを申し上げたいと思います。
パチンコの営業につきましては、善良の風俗と清浄な風俗環境を保持するなどの観点から、風営法に基づきまして必要な規制が行われてきたところでございます。
しかしながら、平成14年、15年のころに、短時間に極めて大量のメダルを獲得できる回胴式遊技機が出回るなど、その健全化を阻害する要因があらわれてまいりました。
国家公安委員会においては、こうした問題に的確に対処するために、所要の手続を経て、翌平成16年の1月には遊技の射幸性の抑制等を内容とする風営法施行規制等の改正を行いまして、そうした遊技機器がパチンコ店に設置されることがないよう、必要な措置を講じたところでございます。
したがいまして、国家公安委員会及び警察庁においてでありますが、国家賠償法上、違法性が認められているような不作為はなかったものと考えております。
なお、規則改正におきましては、事前に業界団体に改正案を説明して意見を聴取するとともに、パブリックコメントの手続を実施し、さらに施行に当たっては業界関係者に対する激変緩和にも十分配慮いたしまして、施行日からおおむね3年間の経過措置期間を設けるなどして、その影響にも十分配慮させていただきました。
[077]
自由民主党 葉梨康弘
ちなみに、E議員の質問は、平成19年の6月でございます。
昨年10月の当予算委員会で、私は、民主党関係とそれから労働組合、それとの関係について質疑をさせていただきました。
民主党の方々は、我々の自民党政治のことを政官業の癒着、あるいは族議員に支配されているというふうに主張しておりますが、そんな事実はございませんし、我々は、そう主張されても、やじることなく霞が関改革を徹底的に進めているところでございます。(発言する者あり)
時々やじっていますね。ごめんなさいね、時々やじっているね。
まあ、それはそれでいいですけれども、民主党のこの疑惑について私が調べるのも、そんな私も個人的に得意じゃないものですから、余りこういうところでこれ以上やろうとは思いません。まあ必要があればやりますけれども。
民主党が、ただ、こんなような形で自民党を非難されている以上、やはり自分たちと労働組合との関係だとか、自分たちと特定業界との関係というのをやはり私はみずから明らかにしていただくことが、選挙前にしっかり明らかにしていただくことが、公党としての、あるいは政権を担おうとする党としての責任じゃないかなというふうに考えます。
平成23年10月28日 参議院 消費者問題に関する特別委員会
[137]
日本共産党 大門実紀史
今日は、マルチ業界よりも際どいパチンコ業界の問題をちょっと話をしたいと思いますが、このパチンコ業界の問題は若干タブーになっておりまして、国会ではなかなか取り上げられてこなかったんですけれども、私も国会でサラ金とか多重債務問題をやってまいりまして、多重債務をなくすというのも消費者庁の重要な仕事の1つでございます。
そういう点で取り上げるわけですけれども、多重債務に陥った理由のほとんどは生活の資金が足りないというのがあるんですが、それでも2割、3割はギャンブルにはまってサラ金、やみ金に手を出したというのがあるわけですね。その大半が実はパチンコです。パチンコ、ギャンブルです。
今のパチンコというのは、昔と違って射幸性、いわゆるギャンブル性が大変高いものになっておりまして、意図的にお客さんをのめり込ませるというところで、いわゆるギャンブル依存症を大量に生んでいるわけでございます。
その依存症の数字というのもいろいろあるんですけれども、パチンコ業界そのものをといいますか、参加人口が1200万人と言われておりまして、依存症になっている人は100万人から200万人とも言われております。
その中で、家庭崩壊とか自殺とか、あるいは中毒になって駐車場に子供を置いて死なせるとか、あるいはいろんな犯罪事件の裏にパチンコによる借金があったとか、様々な社会問題を生んでいるところでございます。
率直に言って在日の方が多いわけですけれども、経営者には、隣の韓国では余りにもこの社会問題、被害が多いので2006年にパチンコを全廃いたしました。これは政治家が決断してやったわけでございます。
ところが、日本では、何とかしてほしいという市民集会は開かれておるんですけれども、そういうものを自粛するどころか、パチンコ業界今何を考えているかというと、更なるギャンブル化、つまり現金化、換金を合法化したいというのがパチンコ業界の、資料がありますが、最大の目的になっております。
ちなみに、娯楽とか遊技とギャンブル、賭博の違いは何かというと、先ほど言いました射幸性、ギャンブル性の問題はあるわけですけれども、もう1つは現金化できるかどうかというのが大きな分かれ目になります。したがって、風俗営業法では、今パチンコはその範囲に入っておりますが、現金化を禁じております、しちゃいけないと。ただし、商品を買い取ってもらうという形で現実には今でも換金はできるんですけれども、それを堂々と出玉をすぐお金に換えてあげるというふうな、それを合法化したいというのがパチンコ業界の今の最大の目標、目的になっております。
もしそんなことが実際にやられたらどんなことになるかというと、全国で1万2000のパチンコ店が駅前とか国道沿いにあるわけですが、そこがもう公認のギャンブル場になってしまうという、大変なことになるわけでございまして、子供の教育、地域環境から計り知れない影響が出るわけです。
ちなみに、なぜパチンコ業界が換金を合法化したいかというと、実は株式の上場をやりたい、株の上場をしたいと思っているわけですね。ところが、ジャスダックの証券取引所は、今のパチンコ業界の換金のやり方は合法かどうか疑わしいというふうに言われて上場を認めてくれないわけでございます。上場するにはどうしても合法にしてもらわなきゃ上場できないと。上場すれば何がメリットかというと、莫大な創業者利益がそういう企業に入るということで、パチンコ業界の悲願になっているわけですね。
そこで、まず警察庁に聞きますけれども、今風俗営業法の範囲なんで警察の統括下にありますので、警察庁は、この換金の合法化について、すぐ現金化できるということについて、今までの経過もありますのでちょっと参考人の方で、どういう見解を持たれているか、お答えください。
[138]
政府参考人(警察庁長官官房審議官) 田中法昌
パチンコ営業につきましては、その営業態様によりまして客の射幸心を著しくそそることになりますし、また賭博罪に該当するおそれもありますので、現金を商品として提供することを禁止をいたしております。このように、風営法に基づいて必要な規制を行っているところであります。
もし、パチンコ営業において換金を認め、これを合法化するということがございますと、全国の1万2000を超えるパチンコ店において客が現金目当てに遊技をすることとなります。著しく射幸心をそそり、善良の風俗を害するおそれがあるということから、問題が多いものだと、こう認識をしております。
なお、警察といたしましては、現在、パチンコ遊技への過度ののめり込みによって多大の借金を負って重大事件につながったり、あるいは乳幼児の車両放置事件を引き起こしたりする、こういう例が後を絶ちませんので、パチンコ営業における射幸性の抑制などの健全化に向けた取組を引き続き進めてまいる所存であります。
[139]
日本共産党 大門実紀史
今、警察庁からお話しいただきました。換金の合法化は反対といいますか好ましくないという見解でございます。
山岡さんは国家公安委員長でもありますから全く同じ見解だと思いますが、いかがですか。
[140]
国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全) 山岡賢次
このことですか、多重債務のことですか。それはもう見解は今担当が述べたとおりでございますし、今最初に委員が御指摘の俗に言うマルチと言われておるところについても、違法があればこれは厳正に対処をいたします。
今何言っても後ろ向きにしか取られないから言うつもりはありませんが、会長になってくれと言われたときも、そういう、よく分かりませんでしたけど、健全にしていくために一肌脱いでよというような話だったんで、そういうことならと思っただけであって、私はいずれにしても一生懸命やって、正しいものは正しいと、不正は不正と。もうこうやってお話をさせていただければ大体私の性格お分かりになると思うので、そういうものはびしっとやるし、しかしそういういわれなき中傷誹謗はしてはならないと、こういうふうに思っています。
[141]
日本共産党 大門実紀史
マルチの話は集中審議でもっと勉強してもらいたいと思いますけれども。
パチンコの話なんですけれども、しかしパチンコ業界にとってこの株式上場というのは悲願でございまして、この間、国会議員工作をずっとやってきております。特に民主党に対しての働きかけが物すごいものがございまして、今日は時間の関係で全部資料を配るとか何かいたしませんが、簡単に言いますと、パチンコ企業というのはもう巨大企業なんですよね。三共とかダイナム、ニラクなんかは何千億という巨大企業でございます。
したがって、民主党の政治資金パーティー調べましたけれども、100万、150万単位でパーティー券を購入しておりますし、民主党本部、あるいは各地のパチンコ企業もいろいろパーティー券購入をやっているということでございます。例えば、海江田前大臣はパーティー券だけじゃなくて直接献金も受けております。今日はちょっとその話はあれしますが。とにかく相当のお金が民主党に流れております。これは御存じだというふうに思います。
ただ、パチンコ業界というのはマルチに比べたら洗練されているといいますか、パーティー券中心にやっております。20万以上でないと名前が出ませんから、ほとんど名前の出ない形と。マルチ企業はよく分からないでぼんぼんぼんぼん献金しちゃって、この間名前出ているんですけれども。そういうようなことでやっていますが、その分、逆に言えば、民主党の中にかなり浸透していると、これは指摘しておかなきゃいけないと思います。
隣の韓国では政治家が決断してパチンコを全廃したのに、日本は政治家が先頭に立ってさっきの換金の合法化とかそういうものに協力しているというのは大変情けない話でございまして、消費者団体等から、依存症に取り組む団体等から日本の政治家は何やっているんだという声が出ております。
その上で、更に驚いたのは、これは堂々とパチンコ・チェーンストア協会のホームページに出ておりますけれども、政治アドバイザーに53人もの国会議員が名前を連ねております。民主党は37人、ほかの党の方もいらっしゃいますし、この委員会で今日座っていらっしゃる方の名前もあります。今日はそこは武士の情けで言いませんけれども。
山岡大臣もここに名前を連ねておられます。この政治アドバイザーというのは何をするんでしょうか、パチンコ・チェーンストア協会政治アドバイザー。
[142]
国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全) 山岡賢次
いつから、それ。
[143]
日本共産党 大門実紀史
いつからって私が聞きたいんですけれども、10月20日現在の名簿に載っておりますが。
[144]
国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全) 山岡賢次
本当にそれは知りませんでしたけど、そういう事実がもしあるなら、私は誤解を受けないように直ちにそこも辞めさせていただきます。
[145]
日本共産党 大門実紀史
それを最後に言ってもらおうかと思ったんですが、先に言われましたので。
若干言っておきますと、この政治アドバイザーというのは何をやるのかというと、多分そうすると大臣も何をやるのか御存じないと思うんですけれども、これは明確に、協会に僕聞いたんです、パチンコ・チェーンストア協会に。そうしたら、これは議員の皆さんにさっき言ったパチンコの合法化とか換金の合法化、株式上場の力になってもらいたいと、それを支援するのが政治アドバイザーでございますというふうにパチンコ・チェーンストア協会が言っております。
僕は、アドバイザー料というのは支払っているのかと聞いたら、それはやばいから払ってはおりませんと。ただ、関係者によると、ここに名前を出すと、ここに53人ありますけれども、名前を出すとパチンコ企業の支援が受けやすいと。つまり、パーティー券とかそういうのを買ってもらいやすいという仕組みになっているということは関係者の方から聞きました。
そういうものでございますし、もう既に辞めますとおっしゃってもらいましたけど、指摘したかったのは、消費者庁担当大臣としても国家公安委員長としても、その方針とこのパチンコの業界が求めている換金の合法化というのは全く違う、矛盾することでございますので、政治アドバイザーをお辞めになるべきじゃないかということをお聞きしようと思ったら、その前にもう辞めるということですので、それはそれで結構でございます。
申し上げたいのは、民主党の議員の方に、たくさん名前連ねておられますけど、これは世界的には大変恥ずかしいことでございますので、こういうことに応援するような政治アドバイザーからは是非早く辞められて、もっと世界標準といいますか世界スタンダードで、ギャンブルを広げるんではなくてなくしていくという方向で頑張ってもらいたいというふうに思います。
もう答弁いただきましたので、今日はこれで終わります。
平成27年04月06日 参議院 地方・消費者問題に関する特別委員会
[033]
日本共産党 大門実紀史
今日は、パチンコのATM設置問題を取り上げます。
パチンコ店の中にATMを設置するという問題ですけれども、最初にちょっとお配りしましたけれども、なぜこの問題を取り上げるかなんですけれども、2006年にサラ金の高金利が大問題になりまして、全会一致で貸金業法、高金利の引下げを含んだ貸金業法の改正をしたわけでありますけれども、そのときに多重債務対策本部というのが設けられて、これ消費者担当大臣、国家公安委員長、すなわち警察庁も含めて、多重債務をなくす、サラ金の多重債務の原因の1つはギャンブル依存もあるわけですから、ギャンブル依存もなくすということを含めて、こういう多重債務対策本部が設置されてきているわけでありまして、ギャンブル依存は、この間も、厚生労働省の資料によりますと、536万人も依存に陥っているということと、その原因の主なものがパチンコであるというふうなショッキングな報告がありましたけれども、したがって、そういう問題でありますので、この消費者問題特別委員会でのテーマでもあるということで取り上げさせていただくわけであります。
若干経過を申し上げますと、2006年の今申し上げた貸金業法改正の議論のときに、サラ金がパチンコ店にATM、引き出し機を置くということが大問題になりまして、社会的な批判を受けたということがあります。それはやめろということになったんですけれども、その後、このパチンコ店に今度は銀行が、サラ金じゃなくて銀行がATMを設置しようという動きがありまして、具体的には群馬の東和銀行でありますけれども、2009年にそういう動きがあったんですが、これも社会的批判を浴びて一旦取りやめになったんです。
ところが、その後、この間パチンコ店へのATM設置が進んできておりまして、今、全国にパチンコ店が1万1000あるんですけれども、もうその1割近く、950店のパチンコ屋にATMが設置されてきていると。特に、東和銀行が絡んでおりますので、北関東、東日本のパチンコ店に急速に増えているということであります。
問題は、2009年の段階では、そんなパチンコ店にATMなんか置くのをやめろと、モラルハザードだということで批判されたのが、なぜこの間増えてきたのかということなんですけれども、これは2枚目に資料を付けてありますけれども、要するに東和銀行とこのシステムを開発したトラストネットワークスが顧客ののめり込み防止対策を取りました、それで設置を進めてまいりましたということなんですね。
顧客ののめり込み対策というのは、この資料に書いてありますとおり、1日に上限3万円しか引き出せない、下ろせない、月額は15万円しか下ろせないという、そういう限度を設定したのでのめり込み対策になりますと。あとは、借りてまで出金しないためにローンやクレジットカードは使えませんというふうなことで、これがのめり込み対策ですと。こののめり込み防止対策を取ったので設置を進めておりますということなんですけれども、これは貸金業法、サラ金問題をやってきた議員の皆さんには分かる話でございますが、日額1回3万円、これがのめり込み対策防止になっているのかと。1日1回3万円も下ろすということが後々何につながるかということは、この問題に取り組んできた議員にしろ、関係者はみんな分かるわけでありまして、こんなものがのめり込み対策にはなりません。
あと、このパチンコ店の中にある、中につくる必要があるのかということなんですけれども、そもそもはですね。誰がそこからお金引き出すかといったら、勝っている人は引き出しません。負けて悔しくってもう1回やりたいという人が引き出すわけですから、当然のめり込みに手を貸すということになりますし、借りてまで出金しない、ローン、クレジット、お金を貸すのではないということですけれども、多重債務の始まりは、まず自分の貯金を使い果たすことです。次に借金に行くわけですから、そういう点でいきますと、その入口に手を貸すということになるわけでありまして、こんなものはのめり込み対策にならないと思うわけですね。
ところが、こういう対策を取ったからどんどんどんどん設置を進めていますということなんですけれども、これは関係者に聞きますと、パチンコ店を監督する警察にお伺いを立てて了解をいただいたのでこうやって設置を進めているというふうなことを言うわけですけれども、これは本当なんでしょうか、警察庁。
[034]
政府参考人(警察庁長官官房審議官) 島根悟
パチンコ営業所内において銀行ATMを客に利用させるサービスの利用上限額につきましては、パチンコ営業者の業界団体の自主規制に基づきまして、パチンコ営業者の業界団体と銀行ATM設置運営会社との合意の下、運用されていると承知しておりますが、試験運用開始時におきまして、パチンコ営業者の業界団体から、のめり込みの防止等の観点から当面試験的な運用として各種報道等世論の動向を注視しながら慎重に進めていくと、そういった説明を受けたものでございます。
[035]
日本共産党 大門実紀史
もう聞いたことだけ答えてくださいね。
業界は自主規制という形を取っても、必ず監督するところにいろいろ聞くものですよ、これでいいかどうか。当然、警察にも聞いているわけですけれども、了解したかどうかを聞いているんですけれども、これは了解されたんですか、これがのめり込み対策になるということを。それだけ聞いているんですけれども。
[036]
政府参考人(警察庁長官官房審議官) 島根悟
お答えいたします。
ただいま答弁させていただきましたように、のめり込み防止等の観点から試験的な運用として慎重に進めていくと、そういった説明をその当時受けたということでございます。
[037]
日本共産党 大門実紀史
ちゃんと答えさせてください。
[038]
委員長 西田昌司
島根審議官、了解したのかどうかということを聞いておられますので、答えてください。
[039]
政府参考人(警察庁長官官房審議官) 島根悟
利用上限額につきましては、いわゆる風営適正化法におきまして直接に規制するものではありませんので、私どもとしては、そういった運用実態について説明を受けまして、必要であれば所要の助言をしてまいるということで対応していたところでございます。
[040]
日本共産党 大門実紀史
そうすると、説明は受けたけれども、それでいいですよというふうなお墨付きを与えてはいないということでよろしいですか。そこだけ確認させてください。
[041]
政府参考人(警察庁長官官房審議官) 島根悟
お答えいたします。
利用上限額につきましては、法律その他の法令によりまして直接規制されているものではございませんので、私どもとしてはそのような運用を始めるということを聞きおいたということでございます。
[042]
日本共産党 大門実紀史
じゃ、もう正式に認めたわけではないということで理解させていただきます。
じゃ、多重債務対策本部の一員として、あるいは監督官庁として、どうなんですか、この3万円、15万円、これがのめり防止対策になるという、警察庁の判断としてはどうなんですか、これ、のめり込み防止対策になるんですか、ならないんですか。
[043]
政府参考人(警察庁長官官房審議官) 島根悟
のめり込み防止対策として有効かどうかということにつきましては、現在のところ特段の問題が生じているということの説明は受けておりませんけれども、客の利用実態あるいは社会的な認識、そういった全般につきまして私どもとしても注視してまいりたいと考えております。
[044]
日本共産党 大門実紀史
業界団体から問題が起きていますって報告なんか来るわけないですよね。
警察庁が、何度も言いますが、多重債務対策本部として、こういう、特にパチンコが問題になってきていますから、ギャンブル依存を減らす対策を取る一員であると、そういう責務があるという上で、今ちょっと最後申されましたけど、独自にやっぱりこのパチンコ、私申し上げたのは、パチンコ店内に置くことのモラルハザードね、貧すれば鈍するといいますか、ここまでやるのかと。東和銀行というのは、公的資金を受けている銀行ですよね。公的資金を受けて、こんなことやるのかと。パチンコ店の外にあるコンビニのATMに本人が行って下ろす、これはもう自己責任で、ちょっと何とも言いようがありませんね。パチンコ店内に置くことの、長い経過でいきますとね、この情けなさといいますか、こんなことやるのかと。このことを問うているわけですね。
その点でいくと、警察庁はこんなことは見過ごしていいのかと私そもそも思うんですけれど、少なくとも、何の影響も出ていないわけないわけですから、これだけ広がっているというのは、それだけ利用していると。すなわち、下ろさなくていいお金を下ろしている、借金につながっていっているということになるわけだから、警察庁としてきちっともうちょっと調べられるべきじゃないですか、独自に。いかがですか。
[045]
政府参考人(警察庁長官官房審議官) 島根悟
お答えいたします。
銀行ATMのパチンコ営業所内における利用におきましては、パチンコ営業者の業界団体とそれから銀行ATM設置運営会社との間におきまして、いろいろな問題が生じ得るかどうかということにつきまして、利用者の利用実態でありますとかあるいは簡易な世論調査等を実施して、その結果、問題があるかないかということについて相互に認識を深めていこうと。それを、私ども警察庁としても、説明等を聞いて実態をきちんと把握してまいりたいと、このように考えております。
[046]
日本共産党 大門実紀史
これは東和銀行ですから、金融庁を通じても、私の方で財政金融委員会等でやりますけれど、警察庁としてもちゃんとどうなっているかきちっと調べておかないと、これ警察庁が認可したというふうに業界は受け止めておりますので、責任が来ますよ、この問題。受け止めてほしいと思います。
山口大臣にはもう細かいことお聞きしません。この多重債務対策も消費者庁の大変重要な任務だというふうに思いますので、今後とも、これだけではなくて、大きな意味で多重債務対策を取り組んでいただきたいと。一言その決意だけお聞きしたいと思います。
[047]
内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・科学技術政策・宇宙政策) 山口俊一
私も40年以上パチンコやっておりませんので。今拝聴いたしておりましたが、いずれにしても、大変重要な問題であろうと思っておりますので、私の方としては、金融経済教育の推進とか、地方自治体における多重債務相談対応の強化支援等、関係省庁と連携をしながらしっかり取り組んでまいります。
平成27年04月22日 参議院 地方・消費者問題に関する特別委員会
[107]
日本共産党 大門実紀史
前回、パチンコ店への銀行ATMの設置問題を取り上げましたけれど、ちょっと重要な問題なのでもう一度取り上げておきたいと思いますけど、パチンコがギャンブル依存を招いて、それが多重債務の1つの原因になっているということで、多重債務対策は消費者庁、消費者特のテーマでもあるということで、前回、山口大臣からも重要な問題だという点で答弁をいただいている問題でありますけれど、同じく政府の多重債務対策本部のメンバーであります金融庁、警察庁がこの問題を放置してきたために、既に全国のパチンコ店の1割を超えているんじゃないかと思いますけれど、この銀行ATMの設置がもう進んできてしまっていると。
資料をお配りいたしましたけれど、こういうおぞましい光景が、このまま放っておきますと全国のパチンコ店に銀行ATMが置かれるということになりかねないという問題でありますので、今ストップを掛けて撤去しろという方向に、かつて撤去したこともあるわけですから、切り替えていく必要があるというふうに思っております。
もちろん、前提として、ギャンブル依存は自己責任の部分も大きいわけですし、人間の弱さが現れるという部分でもあるわけですが、だからといって、そういう人の弱みに付け込んで、更にギャンブルに引き入れて、依存症にしてもうけようというのは、まあ普通の企業はやるべきことではないと思いますけれど、これに関係しているのがIT関連企業の大手のその子会社でありますトラストネットワークと、何と公的資金を受けた東和銀行だということで、公共性もへったくれもないなと思いますけれども、ひどいことが進んできていると思います。
このパチンコ店の中に置くという意味の問題点は、パチンコを私もずっとしばらく、もう大分やっていないんですけど、山口大臣と同じぐらいやっていないんですけど、負けた人は悔しいからまたやりたいと、そのときに外のコンビニのATMまで行ってお金を下ろそうと、その間に頭を冷やして、ああばかだったな、やめようといって家に帰るかも分からないですよね。ところが、パチンコ店の中にありますと、もう夢中ですから、頭がもうかっかなっていますから、ぱっと下ろして、またパチンコ台の前にぱっと座ってしまうということを狙っているわけですね、この仕組みというのはですね。
だから、ほかのATMと同じようには考えられないということであります。
そういうふうにさせて、もうかるのは誰かというと、パチンコ店とこのシステムを開発したさっき言ったトラストネットワークという会社とIT企業と、そして手数料を稼ぐ銀行、東和銀行と、こうなるわけですね。こういう何か人の弱みに付け込んでハイエナのように、何と、悪徳企業のやり方と、それほど悪徳商法と変わらないというふうに思って、情けないことが進んでいるなと思います。
前回そのことを警察庁に指摘をして対応を考えてほしいと言いましたけれど、その後どういう対応をされるんでしょうか。
[108]
政府参考人(警察庁長官官房審議官) 島根悟
お答えいたします。
現在、銀行ATM設置運営会社におきまして、銀行ATMに関するアンケート調査や利用客の利用実態に関する調査を進めておりまして、5月をめどにその結果がパチンコ営業者の業界団体に報告されるものと承知をしております。
警察庁といたしましては、その結果報告を参考にいたしまして、業界団体に対し所要の助言をしてまいりたいと考えております。
[109]
日本共産党 大門実紀史
今おっしゃったのは、さっき言った運営会社ですが、今私が指摘したトラストネットワーク社に自分たちがやっていることのアンケートを取れと、どこかのパチンコ店へ行って抽出的にアンケートをやるのか知りませんけれども、そんな調査、信用できるものなのかということですよね。
元々、このトラストネットワークは、お客様の利便性を向上するためにATMを置くんだというようなばかなことを言っているわけですね、最初から。だから、どんなアンケート結果が出てくるか分かりませんけれども、大体知れたものでありまして、まあ何か分からないけれども、お客さんの60何%は便利になったと。それはそうですよね。負けてすぐ下ろしたいという人には便利ですよね。
そうしちゃいけないということを申し上げているわけだけれども、例えばそんな結果が返ってくるとか、あるいは1か月15万円という制限を掛けていますけれども、別に15万といったって、ほかで下ろしたら幾らでも下ろせるわけですよね。その場で下ろしてしまうというところがのめり込み、依存症につながるということなんですよね。まず、自分の手持ちのお金がなくなってから借金をするわけですからね。
そういう点でいきますと、例えば15万利用する人が少なかったと、だから警察庁として10万円に下げることを指導したとかね。何かもう目に見えているんですね、皆さんのやることは。そういう何かお茶を濁すような対応で今回の話は済むわけではないというふうに、もうやる前からですけれども、指摘しておきたいと思いますし、そうはいっても、せっかく私の質問をきっかけにそういうことをやられるんだったらば、5月中ですか、結果が出て、本当にどう警察庁が対応されるのか見守りたいと思いますけれども、そう甘い話で済まないということは申し上げておきたいというふうに思います。
もう1つは、金融庁なんですけれども、この東和銀行には2009年12月に公的資金が注入されております。実は、このパチンコ店にATMを置く戦略も同じときにスタートをしております。つまり、この東和銀行が起死回生の次の再生戦略の目玉の1つに据えたのがこのパチンコ店にATMを置くということでありまして、これ大変重要なことだと思っておりまして、公的資金を入れるときは金融庁として経営計画をチェックされる。当然それは、いろんなチェック項目に入っているかどうかは別として、どういう企業戦略を立てるのかということは見ておられるはずなんですね。さっき言った多重債務対策本部の一番柱の官庁が金融庁であります。その金融庁がこんな戦略を立てた東和銀行の経営計画、経営戦略に何もアドバイスしなかったのかと、見て見ぬふりをしたのかと、その辺はどうなっているんでしょうか。
[110]
政府参考人(金融庁総務企画局審議官) 西田直樹
お答えいたします。
御案内のとおり、東和銀行には金融機能強化法に基づく資本参加を行っております。金融機能強化法に基づく資本参加といいますのは、金融機関の金融機能を高めることによって地域経済、中小企業を支援するということを目的としたものでございます。
ATMの設置等の業務運営について特に特別な対応はその中では求められていないわけですけれども、私自身もそう思うんですが、そもそもやっぱり金融機関においては、公的資金による資本増強の有無にかかわらず、高い公共性を有していますし、健全かつ適切な業務運営というのは求められていると思っております。
そうした観点から、各金融機関においては、やはり自らの社会的信用でありますとか、あるいは金融機関の利用者からの信認ということも十分勘案した上で、業務運営に係る検討なり適切な判断というのが行われることが重要であると認識しているところでございます。
[111]
日本共産党 大門実紀史
西田審議官とは被災者の金融問題とかいろいろ一緒にやってきましたから、是非、信頼していますので、ちょっとこの方向は、東和銀行としてこれからもやり続けるのか、どう考えているのか。
それと、これはネットワークシステムですから、全銀協のネットワークシステムともつながるというようなことがありますし、銀行によってはこれには参加しないというところもあるわけですから、とにかく銀行業界全体のモラルとしてしかるべき、まず聞き取りなり調査してもらって対応も考えてもらいたいというふうに思います。金融庁もいろいろやってくれそうなので、ちょっと対応を見守りたいと思っております。
問題は、このトラストネットワークというのは、次の資料でちょっと、見てもよく分からない資料なんですけれども、このトラストネットワーク社が特許を取ったその資料ですけど、何をやろうとしているかが分かると思うんですけれど、今、パチンコというのは、三店方式といいまして、直接お客さんの出玉をホールが現金に換えますと、これは賭博罪になります。したがって、迂回するといいますか、一旦それを景品に交換してもらって、景品を景品交換所に持っていって、そこで景品を買い取ってもらって現金をもらうと。これも本当にこれが合法的なのかといつも問われるグレーゾーンの問題でありますけれども、しかし、仮にも一応それで賭博罪の適用を免れていると。
ただ、この合法性には疑義がいろいろ挟まれておりまして、証券取引所は、この三店方式の合法性が曖昧だということでパチンコホールの上場を認めないということになっているわけで、非常にグレーゾーンな問題なんですけれども。
ところが、このトラスト社はもっとすごいことを考えておりまして、もう景品を交換所に持っていって現金にしてもらうというのをやめて、景品交換所で金券を発行してもらうと。その金券をまたパチンコホールに戻ってさっきのATMに今度入れると、それが銀行の残高にカウントされるというシステムの特許を取ったわけですね。
つまり、何がしたいかというと、まず、景品交換所に現金があるとよくこの間狙われていますから、現金を置かなくて済みますよと。これは景品交換所、まあホールといいますか、一体ですから事実上、にとってはメリットがあると。今度は、現金をもらえないで金券しかもらえないと、またホールに行ってそれをATMで入れて自分の口座を増やすと。それを今度は、パチンコどうしてもやりたいですから現金で引き下ろすと、手数料また払わなきゃならないというようなことを考えているわけですね。
つまり、この銀行ATMを置くというのは、単に取りあえずの問題ではなくて、そこまで考えられている戦略だということなんですね。
これは、今までの三店方式、辛うじて警察が、これ元々警察官が考えたんですよね、大阪の、もうパチンコ業界と癒着しているわけですよ、そもそも。それで一生懸命やってきた三店方式さえも乗り越えて、もう違法ビジネスそのものを考えているようなIT企業が展開しているのがこの銀行ATMだということなんですよね。
そこまでの認識は警察庁は持って今までこれ見て見ぬふりしてきたんでしょうか。
[112]
政府参考人(警察庁長官官房審議官) 島根悟
お答えいたします。
企業が一定の特許権の設定登録をすることにつきましては当庁はコメントする立場にございませんし、また、特許の内容や当該装置を用いて提供されるサービスの内容につきまして、ただいま資料の御提示いただきましたけれども、その詳細を把握していないのでコメントは差し控えさせていただきたいと存じますが、御指摘のとおり、風営適正化法におきましては、営業者の商品買取り行為の禁止規定というものがございますので、営業者の関与の対応いかんによりましては、その関係で問題となるおそれがあるのではないかと考えております。
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日本共産党 大門実紀史
とにかく、そういう根の深い、これに、この企業は投資家に対して、こういう戦略を持っていますからといって投資を相当集めているんですよね。そういうことも含めて考えると、社会的に影響の大きいことが進んでいるわけですので、きちっとした対応をしてもらいたいというふうに思います。
大臣に一言いただこうと思いましたけど、前回お答えいただいたとおり、この問題をきちっと消費者庁としても、多重債務対策本部の一員でありますので、ウオッチングしていっていただきたいということをお願いだけ申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。