柳田稔法務大臣「法務大臣とはいいですね、2つ覚えておけばいいですから。個別の事案についてはお答えを差し控えます。法と証拠に基づいて適切にやっております」

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民主党の歴代法務大臣
2009年09月16日~ 千葉景子
2010年09月17日~ 柳田稔
2010年11月22日~ 仙谷由人
2011年01月14日~ 江田五月
2011年09月02日~ 平岡秀夫
2012年01月13日~ 小川敏夫
2012年06月04日~ 滝実
2012年10月01日~ 田中慶秋
2012年10月23日~ 小平忠正(法務大臣臨時代理)
2012年10月24日~ 滝実





平成22年11月16日 衆議院 法務委員会
[103]
自由民主党 河井克行
それで、今の答弁を、いろいろと質疑を皆さんも聞きながら、これは野党だけではなくて与党の先生方も同じです、どうも柳田大臣とは議論がかみ合わないことが多い。そして、何か困ったことがあれば、すぐお得意のフレーズが飛び出してくる。個別の事案がどうのこうのとか、法と証拠に基づいてどうのこうのというふうな言葉がしばしば、私自身も受けたし、野党の先生方もしょっちゅう受けたし、私が調べたら、与党の議員に対してもそのような答弁をしている。

先週末、広島の地元のある会合で、大臣、今私が申し上げたような事柄について発言をされていますね。そのことについてお答えをいただきたいんです。

11月14日日曜日、広島市中区で、大臣の就任をお祝いし、報告を聞く会が開かれました。その席上で大臣がどういう発言をされたのか、お示しをいただきたい。

全部かというと長いですから。最初は、こういう言い出しから始まっています。

皆さん、こんにちは。きょうはこういうふうに、まあ報告というか、祝っていただくというか、こういう会を催していただきました。そして、多くの方に御出席をいただきました。本当にありがとうございます。思い返しますとですね、私は、というところから、大臣が政治の世界にお入りになってから、ずっといろいろな出来事をおっしゃっている。

そのあいさつの中盤あたりで、今私が申し上げた事柄について触れています。大臣の口からお話をいただきたいと思います。

[104]
法務大臣 柳田稔
大臣に就任してから2月近くたつわけでありますけれども、広島の地元の仲間が、帰ってこいや、顔を見せろよということで帰らせていただきまして、その場にいたのは、従来、選挙から応援してくれた仲間だ、そういう思いで出席をさせていただきました。その際にそういうことを申し上げました。

と申しますのは、この国会の場の質問の中でも、捜査の機微に触れることとか、証拠になっていないじゃないかとかいうお話の質問が細部にわたってあるときは、そう言ってお答えをするのが普通でございますと。捜査の内容についてとか、そういうことをこういう場でお話しすることはできないんです、そういう場合にはこういうことを言っておりますというふうなことを申し上げました。

[105]
自由民主党 河井克行
正確さを期すために、14日日曜日、何時から、場所はどこでやりましたか。覚えていらっしゃったらお答えをください。

[106]
法務大臣 柳田稔
何時でしたか、多分12時だったと思います。御飯が出ていましたから。広島市内のホテルです。

[107]
自由民主党 河井克行
12時から、リーガロイヤルホテルの4階のクリスタルホールで開かれた会合であります。

大臣、先ほど私が申し上げた、個別の事案という言葉と法と証拠に基づいてという言葉をお使いになったとおっしゃいましたが、もう少し詳しく、当日、その場でおっしゃったことをお答えいただけませんでしょうか。

[108]
法務大臣 柳田稔
仲間内で楽しくやろうということで、大分愚痴も入ったのかもしれませんが、細かく覚えてはおりません。

[109]
自由民主党 河井克行
公開された祝賀会だというふうに私は聞いております。決して閉鎖的な会合ではない。

それで、個別の事案法と証拠ということについてはおっしゃったわけですね。それをもう一度、はっきりとお答えをいただきたい。

[110]
法務大臣 柳田稔
事件の捜査の詳細等いろいろあったり、証拠がどうのこうのとか、いろいろと機微に触れる質問があったときには、こういうことでお答えをさせてもらっておりますというふうにお話をしたというふうに覚えております。

[111]
自由民主党 河井克行
重ねて伺います。こういうこととはどういうことですか。

[112]
法務大臣 柳田稔
捜査の具体的な中身とか証拠は何かとか、いろいろ聞かれた場合は、お答えができないので、こういうふうなことでお答えをしていますというふうに話したというふうに私は記憶をいたしております。

[113]
自由民主党 河井克行
結構記憶していらっしゃるじゃないですか。

私は、そこにいた人から記録を手に入れました。公開の席でありますので。このような大事な発言であります、大臣として。この場で紹介をさせていただきます。

法務大臣とはいいですね、2つ覚えておけばいいですから。個別の事案についてはお答えを差し控えますとね、これはいい文句ですよ、これを使う。これがいいんです。わからなかったらこれを言う。これで大分切り抜けてまいりましたけれども、これ実際の話で、しゃべれないもん。あとは、法と証拠に基づいて適切にやっております、この2つなんです。まあ何回使ったことか。

これはあなたの発言に間違いないですね。

[114]
法務大臣 柳田稔
公開したというか、それは主催者に聞いてください。私は、主催した仲間は、みんな、仲間内で集まって、仲間内で祝ってあげようということで行きました。

ちなみに、そういった発言はしたというふうに記憶はしております。

[115]
自由民主党 河井克行
ここに記録もありますし、録音したテープも持っております。もう一度言います。

法務大臣とはいいですね、2つ覚えておけばいいですから。個別の事案についてはお答えを差し控えますとね、これはいい文句ですよ、これを使う。これがいいんです。わからなかったらこれを言う。これで大分切り抜けてまいりましたけれども、これ実際の話で、しゃべれないもん。あとは、法と証拠に基づいて適切にやっております、この2つなんです。まあ何回使ったことか。

これは、与党の皆さん、あなたたちも含めた国会軽視なんですよ。野党議員だけじゃないんだよ。その辺でやじっている連中、わかっていないんだよ。これは与党議員の質問に対してもそのように答えている。野党議員だけじゃない。与党議員も含めた、国会軽視甚だしいじゃないですか。歴代の法務大臣に対する冒涜ですよ、あなた、これは。何ですか、この言い方は。

大分切り抜けてまいりましたけれども、何をどう切り抜けてきたんですか、お答えをください。発言認めたんだから、答えてください。(発言する者あり)

[116]
委員長 奥田建
御静粛に。

[117]
法務大臣 柳田稔
先ほどから申し上げていますとおり、私が最初選挙に出た20年前からおつき合いをしてくれている人、応援をしてくれている人、そういう方々が集まって、祝う会をしてやろうということで出席をさせていただきました。その際に、仲間の皆さんにいろいろとお話をさせてもらったわけでありますけれども、その際にそのフレーズは使わせていただきました。

ただ、国会の場でもそうですけれども、捜査の詳細にわたること、そして証拠についてとか、いろいろと質問が出てまいりましたので、その際は、お答えができないわけですから、そういうフレーズを使わせてもらいましたよと言ったわけであります。

なお、そういうものが外に出ると、私は仲間内の会合で、本当に考えられないことだなと、今、個人的には思っています。

[118]
自由民主党 河井克行
あなた、何言っているんですか。国務大臣は、365日、24時間、1分1秒のすき間もなく国務大臣ですよ。いつでも国務大臣、そして法務大臣ですよ、あなたの仕事は。国の司法、そして治安、検察行政、さまざまな重責を担っているのがあなたですよ。何10年前から友達だからとか、そんなことは関係ないんですよ。

しかも、繰り返すけれども、これは公開の場です。決して、友達、親戚、家族の中の話じゃないんです。公開の、あなたの就任をお祝いし、報告を聞く会。とんだ報告じゃないですか、こんな報告は。

大分切り抜けてきた、質問に答えてほしい、どのように、何を切り抜けてきたんですか。あなたが言った発言なんですから。

しかも、大臣、一般時でもこの発言は大問題だ。しかも、今は尖閣問題で、あなたの法務大臣としての判断、それに国民の関心が集まっているときなんですよ。そのときに及んで、この法務委員会、そして予算委員会、すべての衆参の委員会におけるあなたの答弁、全く国民をばかにしている。繰り返すけれども、与党も含めた国会議員に対する答弁をばかにしているということは、国民をばかにしているということであり、国民に対してきちんと説明することからあなたは大臣として逃げている。

大分切り抜けてまいりましたけれども、まあ何回使ったことか。ごまかしていいということですか。逃げてばかりということですか。

もう一度、大臣、これはあなたの国務大臣としての資質にかかわる問題です。この発言についての認識、お示しをいただきたい。(発言する者あり)

[119]
委員長 奥田建
御静粛にお願いをいたします。

[120]
法務大臣 柳田稔
ですから、私が昔からおつき合いをしてきた仲間が集まって、お祝いの会をしてもらいました。その会でそういうふうにしゃべった記憶はあります。

ただ、現実的に、捜査の詳細とか証拠はどうなのかということをいろいろとたくさん聞かれています、その際にこの言葉を使うしかないんだということを、そういうことでそういうふうな言い回しになったと私は思っておりまして、あくまでも仲間内でやった会合であります。

[121]
自由民主党 河井克行
引用した冒頭、もう1回言いますよ。法務大臣とはいいですね、2つ覚えておけばいいですからと。何ですか、これは一体。歴代の法務大臣みんな冒涜する、そしてあなた自身が法務大臣としての職を汚している発言ですよ、これは。しかも、繰り返すけれども、これは公開された場ですよ。閉鎖的な、親戚会とか同級生の会じゃないんですよ。公開の場です。

あなたの大臣としての資質、そして、委員長、きょうは、裁判官の報酬と検察官の俸給の法律の一部改正案、この審議をするために開かれた。でも、あなたが、これまでも、そしてこれからもしていく答弁、全部、個別の事案についてはお答えを差し控えます、法と証拠に基づいて適切にやっています、これさえ使えれば、うるさい国会を切り抜けることができる、あいつらを黙らせることができるということじゃないですか、これは結局。これは、委員会として、法案の審議、彼が、あの大臣が何を言ってきても全く信用することができない。みずから自白したわけですよ、この日曜日に。これ以上この法案の審議を続けることはできない。

まず初めに、大臣、この発言についての謝罪と撤回を求めます。

[122]
法務大臣 柳田稔
何回も言いますけれども、昔からつき合ってきた多くの仲間が集まってお祝いをしてくれた会でございまして、多くの皆さんは私の知り合いでございますし、そういう中で、少々茶化したかもしれませんけれども、現実的には、法律の……(発言する者あり)

[123]
委員長 奥田建
御静粛にお願いいたします。

[124]
法務大臣 柳田稔
捜査の中身とか細かい点を聞かれたら答えられないんです、それはこういうふうなフレーズを使って答えておりますというふうに申し上げている次第であります。

ですから、私は、間違って言ったこととは思って……(発言する者あり)

いや、だから、仲間内でお話ししているという雰囲気で、少々茶化したかもしれませんけれども、現実的には、答えられないことを聞かれるとこういうフレーズでお答えするしかないんですというふうな考えで、そういうふうなお話をしたところでございます。(発言する者あり)

[125]
委員長 奥田建
速記をとめてください。

〔速記中止〕

[126]
委員長 奥田建
速記を起こしてください。

柳田法務大臣。

[127]
法務大臣 柳田稔
いかに身内の中の会合とはいえども、誤解を与えるような発言をしたことについては、おわびを申し上げます。そして、ああいう発言を二度としないようにいたしたいと思いますし、委員会の審議におきましては真摯な答弁を心がけたい、そういうふうに考えております。大変御迷惑、誤解を与えまして、済みませんでした。

[128]
自由民主党 河井克行
この場には、森法務大臣経験者いらっしゃいますし、民主党の方には滝実元法務副大臣もいらっしゃいます。私も副大臣を務めさせていただきました。自民党には、きょうお見えじゃないですけれども、高村先生も法務大臣をお務めになった。それぞれの大臣が、法務大臣という重い職、最終的には死刑も判断しなきゃいけない、人の命も法によって奪わなくちゃいけない、そういうぎりぎりのところで、重圧で悩み苦しみ、もがきながら、それでも国の安定と国民福祉の向上のために仕事をしようとしてきている。

あなたは、その中で、茶化したとかそういうふうな発言をされた。私は、法務大臣において、茶化すというふうな表現は最もふさわしくない。謝罪、そして発言の撤回、今そのようにおっしゃったけれども、私は、あなたが法務大臣として、国務大臣としての資質、やる気もなければ能力もない、そういうことが如実にあらわれた。だって、仲間内だから、何10年来の仲間内だから、まさにあなたの本音があらわれた、あなたの日ごろ法務大臣として仕事を遂行する上での一番核心の部分があらわれたんだ、私はそのように解釈をしております。

こういう法務大臣を抱きながら、この委員会で質問を続けなきゃいけない。もう本当に悔しい、情けない思いでいっぱいでありますけれども、少し時間が残っておりますので、きょうの法案、2つございます。





平成22年11月17日 参議院 本会議
[013]
自由民主党 浜田和幸
しかし、その前に、何ですか、柳田法務大臣のあの無責任な発言。どんな質問があっても、個別の事案には答弁を差し控えさせていただきたい、すべては法と証拠に基づいて対応しています、この2つだけ頭に入れておけば何でもかんでも乗り越えられる。そんな法務大臣、どういう理由で、菅総理、指名されたんですか。

実際、柳田大臣は、この2つの言葉を各種委員会で39回も連発しています。こんな無責任な法務大臣、一日も早く罷免されるべきだと思いますが、総理、いかがですか。





平成22年11月17日 参議院 予算委員会
[094]
自由民主党 衛藤晟一
じゃ、次に行きます。

私もちょっとここだけで質問というわけいきませんので。それから、柳田法務大臣の就任祝賀会についても、御自分のことにつきましてちょっとお尋ねをしたいという具合に思います。

報道によれば、法務大臣が地元の会合において、法務大臣は2つの言葉を覚えておけばいいと、個別の事案については答えを差し控えると、法と証拠に基づいて適切に対応する、この2つだけ覚えておけばいいんだということを言っています。

そして、今、このことについて柳田大臣は何と言ったかと。軽率であったと言っている。軽率で済む中身じゃないんです。

そして、仙谷官房長官は、誤解を与える内容だと言っている。誤解を与えるということは、受ける我々が誤って理解したんだと。悪いのは我々なの、一般の国民の方が悪いの。

この言葉は大変なことなんですよ。いいですか。こんなとんでもないことを言って、国会軽視も甚だしい。2つだけ覚えておけばいいんだと。もっと丁寧にこれ読みましょうか。

法相だとはいい、2つ覚えていればいい、個別の案件についてはお答えを差し控えますとね、これはいい文句ですよ、これを使う、これがいい、分からなかったらこれを言う。ひどいですね。実際問題しゃべれない、もう1つ、法と証拠に基づいて適切にやっております。この2つ、何回使ったことか、使うたびに野党から責められ、政治家として答えじゃないとさんざん怒られている。まあ云々ですけど、これが単に軽率ということですか。軽率ということだから謝るんですか。そして官房長官は誤解だと、受け取る方が悪いと言うんですか。両方ともおかしいよ、狂っているよ、これ。明確な答弁を求めます。

[095]
法務大臣 柳田稔
先ほども御答弁を申し上げましたけれども、先日の日曜日に広島におきまして、県連の皆様並びに20年間支援をしてくれた皆様が就任のお祝いをしてやろうということで、そういう会を催してもらいました。従来からいろいろとお付き合いもあり、仲の良かった仲間が集まった集会でありました。10数分間お話をさせてもらいました。その中の1フレーズだというふうに私も認識をいたしております。

ただ、先ほども申し上げましたように思慮が足りなかったと。従来からも国会の場においては真摯に答弁をさせていただいたところでありますけれども、この発言については、いかに仲間内であれども思慮が足りなかったと真摯に反省をさせていただきまして、昨日の衆議院の法務委員会でも言葉を撤回し、そして陳謝をしたところでございます。この場でも、こういった思慮の足りなかった発言を申し上げたことを心からおわびを申し上げ、そして今後とも真摯に国会で答弁をしていく、そういうふうに考えているところでございます。

[096]
自由民主党 衛藤晟一
あのね、つい身内だから、長いからと言いますけどね、この会には、我々の得た情報では広島市内のリーガロイヤルホテル、約600人参加、すごいところですね、大変多い。ここでここまでの軽率な発言ができるというか、まあ本当にむちゃくちゃだという具合に思いますね。国会軽視もとにかく甚だしいと思いますから、これは問責決議に値するという具合に私は思います。

ですから、こんな発言をするようであれば、法務大臣に私の方からお勧めします。自ら出処進退を明らかにした方がいいと思いますから、ここでアドバイスします。

次に行きます。──じゃ、法務大臣、はい。じゃ、法務大臣にそのことを求めて。(発言する者あり)

[097]
委員長 前田武志
審議の妨げになります。御静粛にお願いします。

[098]
法務大臣 柳田稔
先ほども申し上げましたように、いかに仲間内の会合といえども思慮の足りない発言をいたしました。この場でおわびを申し上げるとともに、今後とも真摯な国会答弁に努める所存でございます。

[099]
自由民主党 衛藤晟一
謝って、そういうことで済むような話じゃありません。先ほど申し上げましたように、国会軽視も本当に甚だしいと思います。個別の事案について答えを差し控えると、法と証拠に基づいて適切に対応するということだけ言っておけばいいんだと、これは大変なおごりであり、傲慢であり、本当に、まあ現実にそういうことばっかりしか言っていないんで問題なんですけれども、これやっぱり国会軽視も甚だしいし、私は問責に値すると思いますけどね。改めて自ら出処進退を明らかにするようにお勧めをいたします。



[105]
自由民主党 山谷えり子
北澤防衛大臣の民間人への言論弾圧に対する恐ろしさを全く認識していない答弁、非常に驚きました。

また、柳田法務大臣の、国会では2つの言葉で対応すればいいんだと、法と証拠に基づいて適切に、あるいは個別事案については答えるのを差し控えたいという、本当に国会軽視であります。

そしてまた、仙谷官房長官の密室的、強権的なやり方、国益を損なう内閣、本当に聞いていて悲しくて情けなくて、御先祖様からお預かりしておりますこの日本国、どうなってしまうんだろうかと多くの国民が思っていると思います。





平成22年11月18日 参議院 予算委員会
[020]
自由民主党 世耕弘成
もう詭弁の答弁が繰り返されておりますけれども、詭弁答弁のその最たるものがこの間明らかになりました。柳田法務大臣の答弁であります。

法務大臣は、2つ覚えておけばいいんだと。個別の事案にはお答えできないと、法と証拠に基づいて適切にやっている、この2つだけ言っておけばいいんだと御自身の広島、地元におけるパーティーで放言をされました。深刻な問題だというふうに思っています。

大体、柳田大臣、今地元へ帰ってパーティーやっている場合ですか。今何が起こっているんですか。大阪地検の検事、幹部も含めて3名逮捕されて事件が進んでいる。これ、あなたの部下ですよ。そして、那覇地検の判断が、今、日本の国難ともいうべき問題を引き起こしている。これもあなたの判断ですよ。こんな時期に何で就任披露パーティー、国政報告会、選挙区へ帰ってやるんですか。自粛すべきじゃないですか。お答えください。

[021]
法務大臣 柳田稔
就任いたしまして約2か月経過をいたしました。初めて地元に帰らせていただきました。この政治活動始まって以来20年間、いろんな皆様に御支援をいただきまして、皆様の方から、一回顔を見せろと、お祝いをしてあげるという声も届きましたので、こういう時期ではございますけれども、まあ2か月帰っていませんでしたので、皆さんの声を、こたえて帰らせていただいた次第でありますけれども、この時期を考えたときに、世耕委員がおっしゃるように、もう少し熟慮すべきではなかったのかとおっしゃられれば、そのとおりだったというふうに考えないわけでもありません。

これから国会審議に当たりましては、より一層真摯かつ誠実に対応していく所存であります。



[032]
自由民主党 世耕弘成
柳田法務大臣は、問題となっている就任披露パーティーでのごあいさつを全部取り寄せて調べてみましたけれども、その中で、ただ2つのことだけ言っておけばいいだけではなくて、もっとほかのことも言っておられます。

そのあいさつの中でこう言っています。私はこの20年近い間、ということは国会議員になってからずっとということですね、この20年近い間、実は法務関係は1回も触れたことがないとおっしゃっています。

こんなど素人をなぜ法務大臣にしたんですか。今おっしゃった国家の基軸にかかわる法務行政になぜ、御自身で全く自分が素人だと告白している人をなぜ任命されたんでしょうか。

[033]
委員長 前田武志
まず、柳田法務大臣。

[034]
法務大臣 柳田稔
20年近い政治活動の中で1回も法務委員会に所属したことがないと、そういう趣旨で申し上げた次第でございます。

[035]
内閣総理大臣 菅直人
私なども、例えば大蔵委員会とか財務委員会とかには委員会としては属したことはありませんでしたが、今年の初め、財務大臣を拝命いたしました。

皆さんもそれぞれ、もちろん委員会所属などで専門的な知識がだんだん積み重なるということはそれはそれでいいと思いますけれども、一方で、先ほども申し上げましたように、全体の判断をする上で必ずしもそういうところの経験がある人でなければならないというふうには、私は必ずしも思いません。

例えば、それに加えて副大臣、政務官もおられるわけでありますから、専門的な知識のある副大臣、政務官を含めて政務三役は1つのチームでありますので、そういう中で私は適任だと考えて任命をいたしました。

[036]
自由民主党 世耕弘成
適任でないから、実際の法務委員会の議論とかで、個別の事案にはお答えできない、法と証拠に基づいて適切にやっていると、2つだけ言っておけばいいんだということをうそぶくような状況にあるわけじゃないですか。

で、いいですよ、私は別に弁護士である必要はないと思います。司法行政に関して関心を持ってきた、いろんな問題ありますよ、行政訴訟の問題とか法曹養成の問題とか、そういう問題に取り組んできたという人ならいいですけれども、それもやっておられない、全然。そして、まだ一万歩譲って、それでも分かったと、法務大臣として頑張ろうと、自分もいろいろこれから関心持っていることあったからやるぞというふうに思うような熱意のある人ならいいんですよ。

ところが、この広島でのパーティーのあいさつの中で柳田法務大臣は、菅総理から任命の電話をもらったとき新幹線の中にいたんだけどと言ってエピソードを披露されています。そのときに柳田大臣はどう反応されたか。電話が掛かってきて、何をやるんですかと聞いたら法務大臣と言われて、えっと言って、何でおれがと思ったんですと言っているんです。

任命されて驚くような人を何で任命するんですか。お答えください。

[037]
内閣総理大臣 菅直人
本当に、柳田大臣就任されてすぐにああした、大阪でしたか、検察のデータ改ざんの問題とか、本当に大きな問題が次々に起きました。私は、100点とまでは言えるかどうかは別として、非常にそういった問題に対して努力をされ、あるいはしっかりされて、私は十分に法務大臣としてしっかりした仕事をされていると。

余りまた言うと怒られるので言いにくいんですが、私も、歴代の法務大臣、ずっと頭に浮かべておりますけれども、私は、そういう中でいえば柳田大臣はかなり頑張っておられる方ではないかなと、そのように思います。

[038]
自由民主党 世耕弘成
想定どおり、歴代の、過去は、前政権はというトーンでおっしゃいましたけれども、少なくとも2つ答えておけばいいなんてことを言った法務大臣は自民党政権にはおりません。



[048]
自由民主党 世耕弘成
それでは、今回の国会の答弁についてちょっと追及をしていきたいと思います。

我々、議事録を精査いたしました。大臣がおっしゃっていた2つのマジックワード、個別の事案についてはお答えを差し控えます、これが大体16回おっしゃっています。法と証拠に基づいて適切にやっております、これが17回ありました。合計33回の答弁。2つだけ覚えておけばいいんだといった答弁を33回も国会でやりました。

これは明らかに国会を侮辱していると思いますが、どうお考えでしょうか。

[049]
法務大臣 柳田稔
法務大臣になりまして2か月近くたったわけでありますが、その間、臨時国会も開かれまして、答弁回数、何回立ったか、私は覚えておりません。

ただ、必要に応じてこういうふうな答弁をさせていただいたというふうに思っています。質問が事件の捜査の状況について話せということになりますと、これは話せませんと。また、法と証拠に基づいてというのも、必要であるからそういうふうに答弁をしてきたものと私は思っていまして、そのことで何かを隠すとか、そういった意図でやったことは1回もございません。

[050]
自由民主党 世耕弘成
そうではなくて、2つだけ覚えておけばいいと広島でおっしゃっているじゃないですか。この発言との関係はどうなるんですか。

[051]
法務大臣 柳田稔
昨日もそうでございましたように、答えるべきことは真摯に答えてきたと、そう思っております。質問の中に、先ほども触れましたように、個別的な、具体的な内容を質問された場合には、これはお答えはできないというふうな答弁をしたところであります。ただ、広島におきまして思慮の足りなかった私の発言については、先日もここでおわびをしたところであります。しっかり心から反省をして、ここでも再度おわびを申し上げたいと思います。

繰り返しますが、これからも真摯に、そして誠実に答弁をしていきたいと考えております。

[052]
自由民主党 世耕弘成
今、答えられないときはこういう形で答えたということをおっしゃいました。捜査中のことはそういうふうに答えたとおっしゃいました。でも、広島ではそうは言っていませんよ。特にひどいのは、個別の……(発言する者あり)

森理事、ちょっと静かにしてください。与党の筆頭理事がやじるというのは大変問題ですよ。森ゆうこ議員、静かにしてください。

よろしいですか。柳田大臣、特にひどいのは、個別の事案についてはお答えを差し控えます、これはいい文句ですよ、これを使う、これがいい、分からなかったらこれを言うとおっしゃっています。分からなかったら使うんだとおっしゃっているじゃないですか。捜査上の問題じゃないじゃないですか。お答えください。

[053]
法務大臣 柳田稔
私も詳細に自分がしゃべったことを記憶しているわけではないのでございますが、今朝の新聞にその部分が載っていまして思い出しましたけれども、しっかりとその後のフレーズで触れているんではないのかと私は思っております。

[054]
自由民主党 世耕弘成
では、何を触れているのかお答えください。

[055]
法務大臣 柳田稔
個別の事案について答えられないものは答えられないんですというふうな感じで一言何かしゃべったように記憶しています。

[056]
自由民主党 世耕弘成
全くそういうしゃべり方にはなっていません。明らかに、少なくとも個別の事案についてはお答えを控えますというフレーズについては、これはいい文句ですよ、これを使う、これがいい、分からなかったらこれを使う、言うと言っているんです。にたにたしながらおっしゃっているんですよ、これははっきり言って。

それでは、私も議事録を全部ピックアップをしました。その中で、いろいろ問題がありましたよ。いろいろ問題がありましたよ。その中で……(発言する者あり)

森ゆうこ議員、ちょっと静かにしてください。

森まさこ議員が、刑訴法248条、起訴便宜主義について大臣にお聞きになった。そして、起訴、不起訴の判断を保留している尖閣事件でこれを適用するのかと、これ全然捜査そのものと関係がない、起訴便宜主義の適用、法律上の議論ですよ、これを聞いたときも、個別の案件かどうか言われると、これは答弁いたしかねますとおっしゃいました。これは分からないからおっしゃったんですよね。どうでしょう。

[057]
法務大臣 柳田稔
その質問は、248条の解釈についてということだったと記憶しております。その248条をなぜ適用したんだ、今回の事件にということでございまして、最終的にはこの事件の詳細にわたった質問に至ったのでそういうふうな答弁をしたというふうに記憶しております。

[058]
自由民主党 世耕弘成
全然詳細にわたっていませんよ。刑訴法の解釈論の議論で聞いているんですよ。分からなかったからこれをお使いになったんでしょう。どうですか。

[059]
法務大臣 柳田稔
法律の、この248条をなぜ使ったのだということで、いろいろとこの法律についての議論をしたことは記憶があります。そのことについては誠実にお答えをさせていただいたと私は考えております。

[060]
自由民主党 世耕弘成
誠実にお答えになっていないじゃないですか。例のマジックワード、個別の事案にはお答えできない、分からなかったらこれを言うというせりふを使っておられるのに、どこが誠実なんでしょうか。

[061]
法務大臣 柳田稔
繰り返しになりますけれども、この248条をなぜ使ったのか、いろいろ議論した記憶はあります。そのときに、私の立場として、こういうふうなことでというお話は誠実に答弁をさせていただいたと、そう思っております。それが詳細にわたってきたときに捜査にかかわることになってきたので、個別の事案というふうにお答えをしたと記憶をいたしております。

[062]
自由民主党 世耕弘成
これ、33回分の答弁があるんですね。これ、それぞれ質問している、まじめに聞いている議員がそれぞれいらっしゃるんです。その議員に対してどういうふうに説明される御予定ですか。

[063]
法務大臣 柳田稔
これまでも質問に対しては私は誠実にお答えをしてきたと、そう思っております。その質問の中に個別の事案についていろいろと質問された場合には捜査上お話ができないというものも含まれておりましたので、そういう場合にはお答えができないというふうにお答えをしてきた次第でございます。

[064]
自由民主党 世耕弘成
委員長ね、これ33回分の答弁、まあ予算委員会の仕事ではないかもしれませんけれども、こういう不誠実な答弁33回分1個ずつ精査する必要があると思いますよ。本当に個別の事案で答えられなかったのか。本当に法と証拠に基づいて適正に処理しているという答弁が適正だったのか。そういうことを少し資料をちゃんと提出してくださいよ、大臣。33回分の答弁の真意。

[065]
委員長 前田武志
法務大臣に御質疑ですか。

[066]
自由民主党 世耕弘成
法務大臣、それでは、これ33回も聞いて、相手がいるんですよ。相手に対してちゃんと回って説明する必要があると思いませんか。この答弁はこういう趣旨でしたということをおっしゃる必要があると思いませんか。

[067]
法務大臣 柳田稔
これまでの国会の答弁は誠実にやってきた、そういうふうに私は思っております。その際、いろいろと更に追及されたこともあったかと思いますが、その際もお答えできないものについてはそういうふうな答弁をさせていただいた次第であります。

[068]
自由民主党 世耕弘成
大臣が、少なくとも何100人か人が集まっている場で、自分の答弁は2つだけ覚えておけばいいんだ、それを繰り返し言っておけばいいんだ、分からないときはこれを使えばいいんだ、そういうことをおっしゃってこれだけニュースになっているんですよ。国会で答弁したことがそうやっていいかげんだったと御自身の会合で告白をされているんですよ。

そのことについて、やっぱり質問者に対して誠実にまず対応する。謝罪に回って、あなたに答弁したこれはこうこうこういう趣旨で言いましたと、パーティーで言ってしまいましたけれども、これはこうでしたという説明をすべきじゃないですか。お答えください。

[069]
法務大臣 柳田稔
今までもそうでございますけれども、答えるべきことは答えてまいりましたし、答えられない問題については、先ほどから申し上げているとおり、答弁を差し控えさせていただきました。捜査の内容についての答弁については、これは答弁することのいろんな影響を考えたときに答弁できないこともあるわけですから、その辺の問題については御理解をいただければと思っております。

ただ、広島でああいう発言をしたということについては、軽率であり思慮が足りなかったと心から反省をしている次第であります。今後、従来以上に誠意を持ちまして国会答弁をさせていただきたい、そういうふうに考えております。

[070]
自由民主党 世耕弘成
結局、国会で33回もいいかげんな答弁をしておきながら、そしてそれについて自分で広島で解説をしておきながら、そのことについてきっちりと質問した人に対して誠実にお答えする意思がないということがはっきりしたと思います。

総理、全くこの人は法律の知識がない。拉致の経験もない。拉致の基本的なことも分かっていない。そして、国会でいいかげんな答弁を繰り返した上でその答弁の後のフォローもしようとしない、質問者に対して。

こういう大臣は私は全く資質に欠けると思います。口頭注意で済む問題ではありません。罷免すべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。

[071]
委員長 前田武志
最初に、柳田法務大臣。

[072]
法務大臣 柳田稔
拉致問題につきまして全くの素人だとおっしゃられたんで、答弁をさせていただきたいと思います。

20年前に初めて衆議院に当選をし、国会に出てまいりました。当時は民社党に所属をいたしておりました。仲間に皆さん御存じの荒木君とかいました。その人たちとそのころから拉致問題についてはいろいろと議論をし、どうすべきかと、いろんなことを検討してまいりましたので、ずぶのど素人というわけではないと、20年前から携わってきたと、このことは家族会の皆様もしっかりと御理解をしていただいたと、そういうふうに感じております。

[073]
内閣総理大臣 菅直人
私は、今の柳田さんあるいは世耕さんの話を聞きながら、2つのことが少しごっちゃといいますか、2つのことが一緒になっていると思うんです。

つまり、広島で柳田大臣が話をされたことは、御本人も認めておられるように、私も思慮に欠けた発言だったと思います。ですから、それは御本人も反省して、謝罪をされているわけです。

ただ、そのことと国会における答弁一つ一つがどうであったかというのは、それは必ずしも、私でも事案によっては同じような言葉を使って答える場合もありますから、ですから、それをすべて国会の答弁そのものがおかしかったということに100%つなげるのは少し私は論理が違っていると、このように思っております。(発言する者あり)

[074]
委員長 前田武志
傍聴議員はお静かに願います。

[075]
内閣総理大臣 菅直人
そういう意味で、私もいろんな場面を経験しておりますが、ついつい身内的な人がいると多少口が滑ることもあるかもしれませんけれども、それについてはしっかり反省をしてもらって今後それがないようにすると同時に、もちろん、本来の仕事である法務大臣としてやるべきことはやり、国会での答弁もしっかり答弁をすると、そういうことで本人には強く注意をいたしたわけでありまして、それを受け止めて今後更に頑張っていただけるものと、このように思っております。

[076]
自由民主党 世耕弘成
広島での発言と国会答弁、関係なくないですよ。国会答弁そのものをダイレクトに広島で解説をされているわけですよ。これ、絶対に密接にリンクをしている、許される話じゃない。自分の答弁のコンメンタールを広島でおっしゃったのと同じことなんですよ。

厳重注意では済まない、罷免すべきだと思いますけれども、もう一度お答えください、総理。

[077]
内閣総理大臣 菅直人
今も申し上げましたけれども、何度も御本人も言われていますけれども、確かに広島での発言が大変問題な発言であったということは私もそういうふうに承知をしております。

ただ、その国会での答弁が全部何かおかしかったということではなくて、そういう言葉を使った答弁があったことについて、御本人が今も言われていますように、それはそのときの質問に対してそういう答え方が大臣として適切あるいはそういう答弁が必要だという判断の下でされたわけでありますから、そのことは、関連が全くないとは言いませんけれども、それは一つの国会の答弁としては答弁としてしっかりされていると、このように思っております。

今後については、しっかり更に努力をいただきたいと思っておりますけれども、私がそういう立場で罷免すべきというふうには思ってはおりません。

[078]
自由民主党 世耕弘成
国会で33回にわたって使っておられた言葉、法務大臣が使っておられた言葉が、これさえ言っておけばいいといういいかげんな言葉だったということが判明しているのに罷免もされない。今幾ら法務大臣からこれから誠実に答弁すると言われたって、それも多分本心ではまた、これだけ言っておけばいいんだろうと我々は思ってしまいますよ。

こういう大臣を総理が罷免されないのなら、我々は認めるわけにいきません。我々としては、これはもう問責決議も出していくと、問責に十分値します。これ、私のところへ昨日からもメールとかツイッターでもいろんな反応が来ています。こういう事態起こったときには、中には擁護のメールもあるんですけれども、ありませんよ、今回は。国会議員辞めろという声も多かったですよ。もう問責決議案を我々はしっかり出させていただくということを申し上げて。





平成22年11月19日 参議院 予算委員会
[145]
公明党 荒木清寛
まず私は、柳田法務大臣の発言問題につきましてただします。

法相だとはいえ、2つ覚えていればいい、この旨の発言は本当に言語道断、許し難い発言でございます。しかも、発言をされたのは今月の14日でありまして、衆議院予算委員会の採決の前日でありまして、予算審議をお願いをする閣僚の立場として全く緊張感がない、本当にもうこれは野党を挑発しているとしか思えないようなタイミングであります。

しかも、その発言の内容も最悪でございまして、我々野党議員は一体何のために調査をし、勉強し、国会で質疑をするのか。個別の事案については答えは差し控えます、法と証拠に基づいて適切にやっております、こういう答弁を求めるだけに我々野党は質問をするとしたら、こんな茶番はありません。

柳田大臣は長年野党議員であったわけでありまして、もう国会質疑の重要性はだれよりも分かっているはずでありますし、現に野党時代は厳しく対応してきたと思います。もし野党の柳田議員であったら、こんなことは絶対に許さないと思います。ところが、大臣になった途端にどうしてこう豹変をしてしまうんですか。どうしてこういう国会をなめ切った、特に野党議員をなめ切った態度になってしまうのか、もし釈明ができるのであればしてください。

[146]
法務大臣 柳田稔
御指摘の広島での私の発言に関しましては、仲間内の会合とはいえども思慮が足りなかったと、心から反省をいたしております。この場を借りまして再び陳謝申し上げたいと思います。

今日まで、国会の審議におきましては、私は真摯に対応してきたつもりでございます。委員も以前、法務委員会の委員長をされたというふうに思いますけれども、質問によっては捜査の内容に及ぶこともあり、捜査の影響等を考えますと、個別具体的事件の内容は答弁を差し控えさせていただきますと答弁せざるを得ない場面もあったと。そしてまた、質問によっては、検察当局が法と証拠に基づいて適切に対応されると答弁せざるを得ない、そういう場面もあったと。私は、質問に対しては真摯に答えてきたつもりでございます。

また、今回の尖閣における公務執行妨害の事件につきましては、事案の性質性も考えて、従来の答弁よりは踏み込んだ答弁もさせていただいたつもりでございます。例えば、外務省の職員を呼んで話を聞いたとか、そして、ビデオの件についても、公判前ではありますけれども国会に提出をさせていただいたとか、そういうふうにこの尖閣の問題についても踏み込んで従来以上に答弁をしたつもりでおります。

決して国会における答弁を軽視して、質問を軽視して答弁をしたつもりはございません。今後とも、従来に引き続き真摯に対応してまいる所存であります。

冒頭申し上げましたけれども、広島における私の発言については、軽率であったし、そして思慮が足りなかった、そういうことを心から反省しているところであります。本当に申し訳ありませんでした。

[147]
公明党 荒木清寛
2つ覚えていればいい、これほど国会をなめ切った発言はないわけでありまして、今の説明はなっておりませんが、しかも、この日はその前に、私はこの20年近い間、実は法務関係は1回も触れたことはないとまでおっしゃっているわけであります。もうこれは自ら法務大臣に向いていないということを認めたと同じであります。

今日、午前中の記者のインタビューで、検察改革に取り組むんだとおっしゃっていたようでありますが、国会議員になって1度も法務に触れていない人に検察関係をやってもらわなくて結構であります。大臣、これは御自身のためにも、もうこの際自ら身をお引きになる以外ないわけでありますが、いかがでしょうか。

[148]
法務大臣 柳田稔
今日まで20年間、20年近い間、法務委員会に所属したことは1回もないと、そういうふうに正直に最初就任したときにも申し上げました。ただ、今回、法務大臣に就任した際、今日までのいろんな活動なり経験なりを生かして取り組んでいこうと。その際、私以外にも副大臣、政務官、いらっしゃいます、この2人と一緒になって法務行政を適切に運営していこうと、そういうふうに思っていたところでございます。

ただ、先ほども申し上げましたけれども、広島の発言は私の思慮が足りなかった、そのことは反省をいたしておるところであります。朝の記者会見でも申し上げましたけれども、検察の今後を考えますと、私の下にいろいろこの予算委員会でも批判を浴びておりますけれども、千葉座長の下に検察に批判的な方々を集めまして検察改革を抜本的にやろうということで始まったばっかりでございますので、このことを始めとして今後とも任務に誠実に取り組んでまいる所存でございます。どうぞ御理解のほどよろしくお願いいたします。

[149]
公明党 荒木清寛
大臣は、先ほどの発言の後に、触れたことがない私が法相なので多くの皆さんから激励と心配をいただいたと、このように率直に言われております。

総理、菅総理の大臣の任命基準は一体何ですか。適材適所どころか、国会議員になって1回も法務関係に触れたことのない人を法相に任命する、これが菅総理の政治主導ですか。しかも、これほど国会をなめ切った発言はないわけでありまして、総理の任命責任は免れません。どうこれを感じ、どうけじめを付けていくのか、総理の覚悟をお尋ねします。

[150]
内閣総理大臣 菅直人
柳田現大臣に関して、昨日も申し上げましたが、私、私の方が少し当選は早いわけですけれども、社会労働委員会にいたときに柳田さんが当選されてこられまして、当時は民社党の柳田さんと私が社民連の立場で、比較的小さな党でありましたので、いつも質疑は柳田さんの後私がやっておりまして、個人的にもそのころから親しくさせていただいておりました。

そういう中で、20年間が経緯をして、柳田議員もいろいろな国会議員としての経験を積んでこられたわけでありますし、またそうした中でいろいろ政治家としての判断能力を高められたと、このように理解をしておりました。確かに、御本人言われるように、法務委員会等に所属をされたということはないわけでありますけれども、必ずしもその関係の専門的な仕事をしていたかどうかということだけではなくて、やはり全体のある意味での、何といいましょうか、バランスのある判断ができ、また他の政務三役の皆さんとしっかりチームを組んで、そういう中でリーダーシップといいましょうか、そういうものを発揮していただける人材であると、このように判断して任命をいたしました。

[151]
公明党 荒木清寛
総理の友情は友情として、泣いて馬謖を切る、こうしたことをしないと政治家不信は解消しませんよ。





平成22年11月25日 参議院 法務委員会
[010]
自由民主党 森まさこ
仙谷大臣の所信のあいさつがございましたけれども、そこには大臣が替わった理由について何も触れられておりませんでした。冒頭、委員長からも、大臣が替わった経緯を踏まえて仙谷大臣の方に言葉があったかと思います。

そこで、仙谷法務大臣に、柳田法務大臣がお辞めになって仙谷法務大臣に替わった、この理由と経緯をお伺いしたいと思います。

[011]
内閣官房長官・法務大臣 仙谷由人
これは任命権者の内閣総理大臣にお聞きいただきませんと、私では分かりません。

推察するところ、これはもうあくまでも私の憶測でございますが、この時期のピンチヒッターということでありますから、多少、法務省の守備範囲に人生経験の上でまあまあ経験があるのかなと、そういう判断ではないかと推察をいたしております。

[012]
自由民主党 森まさこ
あきれました。

柳田法務大臣が辞任した、このことは、国民だれもが知っているとおり、国会軽視の発言があったからなんです。この法務委員会においても発言がありました。衆参の法務委員会、本会議、記者会見、全部で合わせて39回のあの発言があったわけです。

1つは、個別の案件ですのでお答えできません。もう1つは、法と証拠に基づいて判断いたしますと。それだけ言ってればいいんだという国会軽視の発言があったから辞任したのではないですか。

それに対する全く今、仙谷新大臣からの何の説明もない、意見もないということに私は大変驚きましたけれども、もう一度、柳田前大臣がお辞めになった理由を述べてください。

[013]
内閣官房長官・法務大臣 仙谷由人
柳田大臣がお辞めになったのは彼自身の御判断で、とりわけ国会運営に迷惑を掛けるのは心苦しいという思いだったのではないかと推測をいたしております。

[014]
自由民主党 森まさこ
それでは、仙谷大臣、今のお言葉を聞きますと、柳田大臣が辞めたのは、あの国会軽視の発言が理由ではなくて、国会運営に迷惑を掛けるからということなんですか。

[015]
内閣官房長官・法務大臣 仙谷由人
自主的な辞任でございますので、私は彼の心中を推し量るわけにまいりませんが、私の推測ではそういうことになると申し上げているんであります。

[016]
自由民主党 森まさこ
今日も北朝鮮の砲撃事件について予算委員会が朝から開かれて、今終わったばかりでございますが、仙谷大臣は官房長官でもございます。そのような国会軽視の発言について他人事のような御答弁をなさるから国民がすべての国政、すべての外交問題について不安を持つんじゃありませんか。

柳田大臣はお辞めになったときにこう言ったんですよ、補正予算を通すために辞めたと。補正予算を通すために辞めたんですか。あの国会軽視の発言の責任を取ったのではないですか。もう一度お尋ねします。

[017]
内閣官房長官・法務大臣 仙谷由人
先ほどから申し上げておりますように、彼の辞任のその真意が那辺にあるのか、あくまでも私からすれば推測、憶測のたぐいを出ませんので、これ以上私がそのことをコメントしても、何というんですか、余り意味がないんではないかと思いますが、私は、先ほどから申し上げておりますように、補正予算なのか、あるいはもうちょっと広い国会運営なのか、彼は多分そういうことで国会の皆さん方に迷惑掛けるのは忍びないと、こういうことでお辞めになったのではないかと推測をいたしておるわけであります。





平成23年03月09日 衆議院 法務委員会
[006]
自由民主党 平沢勝栄
法務大臣の前の前になるんでしょうか、柳田元法務大臣は辞任に追い込まれたわけですけれども、柳田元法務大臣が言われたのは、法務大臣は2つだけ覚えていればいい。1つは、個別の事案についてはお答えできない、もう1つは、法と証拠に基づいて適切にやっております、この2つだけ覚えていれば法務大臣は務まると。

すべてを知っていて、しかし、どうしても答弁はその2つになってしまう、これならわかるんです。

ところが、柳田元法務大臣がスピーチの中で言われたのは、わからなかったらこれを使えばいい、こういうふうに言われたわけですよ。ですから、確かにいろいろ質問していても、柳田元法務大臣は余り知っておられるとは思わない、勉強しておられるとも思わない。ただその2つだけ知っていれば答弁は切り抜けられると言うから、余りにもそれは国会軽視じゃないかということで辞任に追い込まれたわけです。

あの柳田元法務大臣のコメントについて、法務大臣はどう考えられますか。

[007]
法務大臣 江田五月
私の前々任者でございますから、後を引き受けております私が、余り口幅ったいことを言うのもどうかと思います。

私は、個別の事案と法と証拠、その2つだけで済むとも思っておりませんし、また、わからなければその2つを言えばいいとももちろん思っておりません。しかし、私にも、もちろん、すべてわかっているとか知っているとか、思い上がっているつもりもありませんし、いろいろと委員各位から御指導いただくことは謙虚に耳を傾けたいと思っております。

[008]
自由民主党 平沢勝栄
答弁をその2つだけで切り抜けないで、ぜひ正直に答えていただきたいなと思います。





平成23年08月11日 参議院 予算委員会
[097]
自由民主党 小坂憲次
7つの大罪の4つ目は、不適切な組閣人事でありました。

菅総理が任命した閣僚はこれまで数々の問題を引き起こして、特に国家の安全保障にかかわる重大ミスを犯した閣僚が数多いことは深刻な問題だと思っております。

幾つか挙げてみましょう。

3月に女性とのスキャンダルが発覚した中井国家公安委員長、防災担当大臣。SPも付けないで、本来セキュリティーを最も重視すべき国家公安委員長が女性と路上でキスをする、言いにくいんですけどね。そしてその女性に宿舎のキーを貸してしまうと。また、防災担当大臣が地震のときもデートを続行したと報道される。誠に残念なことであります。

尖閣諸島の中国漁船の衝突事件で中国の圧力に屈して船長を釈放し、弱腰外交と世界に恥をさらし、さらには自衛隊は暴力装置と発言して辞任した仙谷官房長官。

外国人からの献金を受け取っていたことが判明し辞任した前原外務大臣。この同じ問題は菅総理自身にもあり、お金を返したから済むというような問題ではありません。これは後に西田議員がしっかりと明らかにしてくれると思います。

被災地で知恵を出さないやつは助けないなどと発言して僅か9日で辞任した松本復興担当大臣。

国会答弁は2つ覚えておけばいいと、法と証拠に基づいて適切にと個別の事案については答弁を差し控えます、これでいいと言って国会軽視、2か月で辞任した柳田法務大臣。

そのほかにも、海上保安庁職員のビデオ流出によって問責、馬淵国交大臣。

選挙で落選したのに続投させた千葉法務大臣。

北朝鮮の延坪島への砲撃時に登庁もしないで宿舎にずっといた岡崎国家公安委員長。

総理との信頼関係を欠いて数々の閣内不一致を引き起こしている海江田大臣はまだ辞めてはいらっしゃいませんけれども、こういった大臣の総理としての任命責任は重大であります。

菅総理、これらの数々の問題閣僚の任命責任を考えれば、あなたは今までに何度も辞任していても足りないくらいであります。更に言うならば、民主党に人材が払底しているということなんでしょうけれども、野党議員を引き抜いて閣僚に据える、与野党の関係を不必要に悪化させる必要がなぜあるんですか。民主党は、片方では与野党協力を呼びかけながら、それを裏切るようなことをわざわざして、その関係を毀損していく、こういうことの繰り返しであったと思います。





平成24年06月15日 衆議院 法務委員会
[313]
自由民主党 稲田朋美
大臣、法務大臣就任おめでとうございます。大臣は、昨年の9月からは法務副大臣でいらっしゃいましたし、その前は、法務委員長そして法務委員会の筆頭理事を歴任されておられます。その意味で、政権交代以降、この法務委員会にとても関係が深かった大臣でいらっしゃいます。

さて、大臣、大臣は政権交代してこの3年弱の間の何人目の法務大臣でしょうか。

[314]
法務大臣 滝実
数えたことはありませんけれども、7人目と言われておりますので、7人目で間違いないと思います。

[315]
自由民主党 稲田朋美
そういたしましたら、政権交代後の7人の大臣のお名前と、そして、なぜおやめになったか、大臣の記憶と認識で結構でございますので、教えていただけますでしょうか。

[316]
法務大臣 滝実
メモを見ずに言うのはなかなか難しいと思うんですね、ほんの短期間だけやった大臣もおいでになりますから。少なくても、最初の千葉景子法務大臣だけは覚えていますけれども、あとは、どういう順序でというのはなかなか難しいところがあると思います。

[317]
自由民主党 稲田朋美
大臣、御記憶にあるだけ、お名前を教えていただけますでしょうか。

[318]
法務大臣 滝実
千葉景子大臣の後は、順序は不同でございますけれども、江田大臣もいますし、それから柳田大臣もおいでになりますし、もちろん、直前は小川大臣ですし、平岡大臣もいますし、あと、短期間だけおいでになった大臣もいますので。(発言する者あり)

仙谷大臣がほんのリリーフという格好でおいでになりました。

そんなことでございますから、順序も少し乱れておりますけれども、なかなか正しく申し上げるのは難しいんじゃないのかと思います。

[319]
自由民主党 稲田朋美
私もなかなか7人、思い出せなかったんです、私もずっとこの委員会におりますけれども。そして、それぞれの大臣、仙谷大臣には質問しませんでしたが、全てほかの大臣には質問いたしましたけれども、お名前を思い出すのが大変だったんです。

なぜおやめになったか。まず、千葉景子大臣は、なぜおやめになったんですか。

[320]
法務大臣 滝実
千葉景子大臣は選挙の関係でじゃなかったかなと思うんですけれども、どういう理由かというのは、今ちょっと思い出せません。

[321]
自由民主党 稲田朋美
千葉景子大臣は、平成22年の参議院選で、大臣でいらっしゃいましたけれども、落選をされまして、その後、民間のままでまだ大臣になられたんですけれども、国会議員資格を失った民間人閣僚ということで批判もあり、民間閣僚となられてから49日間在任をされて、次の内閣改造ではおかわりになりました。

次の柳田法務大臣は、なぜおやめになったんですか。

[322]
法務大臣 滝実
具体的な理由はわかりませんけれども、この法務委員会でも問題になったことも関係しているかなと思っております。

[323]
自由民主党 稲田朋美
この法務委員会、そして予算委員会でもそうですけれども、大問題になったことと今大臣が指摘されましたが、それはどういうことだったんでしょうか。

[324]
法務大臣 滝実
広島県の地元における御発言をめぐってということに記憶をいたしております。

[325]
自由民主党 稲田朋美
その具体的な内容は覚えていらっしゃらないですか。

[326]
法務大臣 滝実
法務大臣は個別の問題には答えられないと言っていれば気楽なものだというような感じの発言を地元でおやりになったということが尾を引いたんだろうというふうには推測をいたしております。

[327]
自由民主党 稲田朋美
柳田大臣は、法務大臣とはよいですね、2つだけ覚えておけばいいんですから、個別の事案についてはお答えを差し控えます、これがいいんです、わからなかったらこれを言う、あとは、法と証拠に基づいて適切にやっております、この2つなんです、何回使ったことかなどと発言をされて、これが余りにも法務大臣としてふさわしくないということで、辞表を提出されました。

仙谷大臣は、なぜやめられたんですか。

[328]
法務大臣 滝実
仙谷大臣の場合にも背景があったと思いますけれども、もともとショートリリーフというように私は受けとめておりました。

[329]
自由民主党 稲田朋美
仙谷大臣は、中国漁船問題や、また、自衛隊は暴力装置などという暴言を理由に、自民党、みんなの党とともに参議院で提出した問責決議案が可決をされて、その後、法的拘束力のない問責決議でやめる必要はないと言って辞任は否定されたんですが、その次の内閣改造で平岡大臣にかわられました。

江田大臣は、なぜやめられたんでしょうか。

[330]
法務大臣 滝実
江田大臣は、やはり内閣改造ということでおやめになったと思いますね。もともと菅内閣のいわば参謀格だというふうに位置づけられていたというふうには記憶しておりますけれども。

[331]
自由民主党 稲田朋美
江田大臣にも私もこの委員会で質問いたしましたけれども、国会の参議院の議長という、本当に行政をチェックする立場の長でありながら、今度は前代未聞の行政府の大臣に、まさしく天下りのような人事で入られたわけです。それも大変不適切だということで私は指摘をさせていただきましたけれども、その後、死刑というのはいろいろな欠陥を抱えた刑罰だというような発言や、在任期間中一度も死刑の執行をされなかったこともございます。そして、野田内閣発足に従って退任をされました。

次の大臣が平岡大臣でございます。平岡大臣は、なぜおやめになったんですか。

[332]
法務大臣 滝実
政策秘書の任命の問題が当初の問題点として挙がったという記憶はございます。

[333]
自由民主党 稲田朋美
前科を有する人物を大臣秘書官に起用されていた問題ですとか、あと、少年法との関係で、被害者のお母さんに対して、加害者の人に死の恐怖を味わわせるということで本当に幸せかなどという暴言を吐かれたことなど、さまざまな問題でここでも追及し切れないぐらい追及をしておりましたが、途中で内閣改造で小川大臣にかわられたわけで、もしあのままいらっしゃれば、また内閣不信任案の対象になったことは間違いないと思うんですが。

では、小川大臣は、なぜかわられたんですか。

[334]
法務大臣 滝実
小川大臣は前任の大臣でございますから、我々の補佐が少し足りなかったかなという反省はいたしております。

[335]
自由民主党 稲田朋美
小川大臣も、競馬サイトを第一委員会室で見ておられたり、それから、8800万という法外な弁護士費用を公正証書に巻いて、正当に勝った原告からの強制執行に入っていくような、まさしく強制執行妨害罪に該当するのではないかというような行為等、さまざまな問題でやはりこの委員会で追及をしていたわけであります。そして、この追及の後には問責を出そうということで、不適格大臣の1人にリストアップされていたわけですが、今回の内閣改造で、また問責逃れと私は思っておりますけれども、かわられたわけであります。

このように、法務大臣7人目ということですけれども、次々と不適格な大臣を据えては、またその後任者がまたまた不適格大臣という、こういう連鎖をいたしておりまして、本当にこれは日本の法務行政にとって非常に不幸なことでありますので、ぜひこの連鎖を断ち切っていただいて、滝大臣には頑張っていただきたいと私は思っております。





平成24年06月19日 参議院 法務委員会
[067]
自由民主党 森まさこ
さて、滝大臣、御就任おめでとうございます。私はこの言葉を一体何回言ったでしょうか。自民党の筆頭理事、そして野党の筆頭理事として、民主党政権の初代の千葉景子大臣のときから大臣は7人目の大臣でございます。7回大臣におめでとうございますと言い続けてきて、もう言うのむなしいです。



[089]
自由民主党 森まさこ
それでは、次の質問に移りますけれども、滝大臣は衆議院の法務委員会で我が同僚の稲田朋美衆議院議員の質問に対して、今までの法務大臣のお名前を答えることができませんでした。今度は2回目ですからお答えになれると思います。

初代から7人目の滝大臣まで、紙を渡さないでください、今後ろの官僚が紙を渡しました。何と恥ずかしいことなんでしょう。先ほども指摘したじゃないですか、大臣所信を官僚が作った文章のまま読むようなことをしないでくださいと言ったじゃないですか。大臣の名前ぐらい言ってくださいよ。お願いします。

[090]
法務大臣 滝実
千葉大臣、柳田大臣、仙谷大臣、江田大臣、平岡大臣、小川大臣、それから私でございます。

[091]
自由民主党 森まさこ
紙を渡さなくても言えるじゃないですか。後ろの方、反省してくださいよ。子供じゃないんですから、子供扱いしてそうやって一言一句書いてあげるから仕事をしないんです。政治主導ってどういうことなんですか。書かれた大臣所信そのまま一言一句読んで、福島県に出張所がないことも知らない、しかも今まで副大臣だった、私には信じられませんが。

それでは、それぞれの大臣が何でお辞めになったか、稲田さんが聞いたときに答えられませんでした。千葉大臣は何でお辞めになったんですか。

[092]
法務大臣 滝実
辞めた理由を私の口から申し上げるのはいかがかということもございまして、それなりに私の思っていることだけを申し上げたわけでございますけれども、千葉大臣は参議院選挙で当選できなかった、これがそもそもお辞めになった理由だろうと、私はそういうふうに思っております。

[093]
自由民主党 森まさこ
千葉景子大臣は、平成22年の参議院選で大臣でいらっしゃいましたけれども落選をされました。当選、落選の問題ではないと思います。その落選をした後、民間大臣と指摘されながら49日間在任をされましたけれども、次の内閣改造でお替わりになりました。

私が問題だと思っているのは、そのお替わりになるつい直前に死刑を執行なさったことです。今まで死刑を執行しないというようなことを表明されておられた千葉景子大臣が突然2名の死刑を執行し、死刑場を公開されました。しかし、そのときにもう国会が開かれておりませんで、私たちは、次の国会が開かれたとき、もう千葉景子法務大臣ではございませんでしたから、このことに対して質問ができませんでした。これは大変重要な問題だと思っております。

次の柳田大臣は何でお辞めになりましたか。

[094]
法務大臣 滝実
私の口から申し上げるのは差し控えたいと思いますけれども、不適切な発言があったというようには理解をいたしております。

[095]
自由民主党 森まさこ
不適切な発言とは何ですか。

[096]
法務大臣 滝実
法務大臣の国会における答弁の在り方というかパターンを自分の選挙区で発言をしたと、こういうようなことがあったというふうには理解をいたしております。

[097]
自由民主党 森まさこ
柳田大臣が何と言ったかというと、法務大臣とは2つだけ覚えておけばいいんです、個別の事案についてはお答えを差し控えます、分からなかったらこれを言う。あとは、法と証拠に基づいて適切にやっております、この2つなんですというふうにおっしゃったと。そのことを指摘されまして、これが余りにも法務大臣としてふさわしくないということで辞表を出されました。67日間の在任期間でございました。

次の仙谷大臣は何でお辞めになられましたか。

[098]
法務大臣 滝実
私は、仙谷大臣は言わばショートリリーフとして大臣に就任したというような理解をいたしておるところでございます。

[099]
自由民主党 森まさこ
ショートリリーフにしては長いですね。54日間、2か月間いらっしゃいました。仙谷大臣は、あの尖閣諸島の問題で我が同僚の丸山和也議員との電話のやり取りも指摘をされました。自衛隊は暴力装置という御発言もございました。そこで、自民党、みんなの党とともに参議院で問責決議案が可決をされまして、その後の内閣改造で辞められたということになっています。

その次の平岡大臣は何でお辞めになられましたか。あっ、次は江田大臣です。江田大臣から指摘を受けました。江田大臣は何でお辞めになられましたか。

[100]
法務大臣 滝実
江田大臣がお辞めになった理由は私も思い当たるところがございません。

[101]
自由民主党 森まさこ
江田大臣は辞める理由もなく、次の内閣発足に従って次の大臣に替わったということなんでしょうか。人材をころころころころ替えて、何かたくさんの人に大臣やらせてあげよう、そういうことなんでしょうか。

[102]
法務大臣 滝実
私はそういうふうには思いません。やはり江田大臣は、江田大臣としての大変貴重な経験を生かした法務大臣であったというふうに思っておりますから、特別お辞めになる理由はなかった。したがって、今仰せのように、できるだけたくさんの議員に大臣職を譲るというつもりは私には感じられないところでございます。

[103]
自由民主党 森まさこ
江田大臣がなられたときに震災がありまして、私、その盗難の問題を指摘させていただいたんですけれども、当初、そのようなことはございませんという答弁でありまして、その次の委員会があったときにお認めになったんですけれども、それほど問題にしたものを次の平岡大臣には引継ぎをされておりませんでした。平岡大臣に、私、所信のときに質問したら全く分かっていらっしゃいませんでした。

江田大臣については、国会の参議院議長までなされて行政をチェックする立場の方でいらっしゃったんですが、そこからまた天下りのような人事で行政機関の長になられたということが指摘をされていたということを申し上げたいと思います。

次の平岡大臣は何でお辞めになったんですか。

[104]
法務大臣 滝実
私も平岡大臣の副大臣を務めまして大変残念に思ったわけでございますけれども、最初のときの言わば秘書官の任用とか、そんな問題があったように記憶をいたしております。

[105]
自由民主党 森まさこ
平岡大臣は、前科を有する人物を大臣秘書官に起用をしていたという問題が指摘されておりました。また、さらには少年法との関係でテレビ出演した際に、殺された被害者のお母さんに対して、加害者を死刑にして死の恐怖を味わわせて幸せですかというような発言をして、それが暴言だということが指摘をされておりました。

私たち、問題閣僚追及チームというのを構成しておりまして、やはり平岡大臣については大変問題があるだろうということで問題閣僚の1人にリストアップしていたわけでございますが、内閣改造でお替わりになられて、やはり問責逃れではないかと私たちは思っているわけでございます。

次に、小川大臣です。小川大臣はなぜ替わられたんですか。

[106]
法務大臣 滝実
小川大臣におかれましても、私が副大臣としてお仕えを、支えさせていただきました。そういう立場から考えると、小川大臣がなぜお辞めになったかというのも私は心当たりがございません。

[107]
自由民主党 森まさこ
御本人を目の前にして心当たりがございませんと言うしかないのかもしれませんけれども、法務委員会の議事録を見ていただければ、インターネットで見ていただいている方もお分かりになると思いますけれども、競馬サイトを第一委員会室で見ておられたという問題が指摘されておりましたり、それから8800万円という法外な弁護士費用を公正証書に巻いて、正当に勝った原告からの強制執行に入っていくというようなことが指摘をされておりました。もちろん、御本人はそれが法的な問題になるということについては否定をしておりましたことを申し添えたいと思います。

私たちは、やはり問責を出そうということで不適格大臣追及チームの中にリストアップをしておいたわけですけれども、また内閣改造でお替わりになられたということです。

ここまでずっと見てこられて、傍聴をされている方もいかにもあきれてしまったと思うんですけれども、ころころころころと替わった法務大臣でございます。法務委員会として大変残念でございます。7人の在職期間を私も全部これで数えてみましたけれども、前任の小川大臣は144日、約4か月でございます。その前の平岡大臣、134日、やはり約4か月でございます。全員で平均して166日、5.3か月ということで、私、小川大臣の大臣所信に対する質問のときに申し上げたんです。前の平岡大臣が4か月ですから、小川大臣も4か月だと思って質問しますけど、大臣に就任してから2か月たってから大臣所信に対する質問をして、それに対して答弁しても残り2か月では大したことできないんじゃないですかと。そうしたら、その予言どおりに4か月で終わってしまいました。

そのことが恥ずかしいとか恥ずかしくないとかいうことでなくて、法務行政、司法行政にとって大変不幸だということです。そこで質問していることが全く行政に生かされないまま次の人になってしまう。次の人は質問したこととその答弁も覚えていない。役人が書いてきた大臣所信を直すことさえしない。前からの課題について解決するように指示も出していない。そんなことで、ずっと被災地と国民はほうっておかれているわけです。

私は、毎回毎回このことを指摘するのは本当に疲れました。しかし、そんなに難しい問題ではないと思うんです。出張所をつくるのに地域の弁護士会がもめているとか何だとか、そんなことで1年何か月も掛かる問題じゃないじゃないですか。国がどうしてリーダーシップを発揮してつくらないんですか。相談をしたい、その中で苦しんで自殺していく人のことを考えたら、自分がちょっとぐらい文句言われたり批判されても無理無理つくってくださいよ。

滝大臣、この7回も替わった法務大臣の人事とそれに伴う法務行政の遅れ、これに対して滝大臣は御自身でどのように改革していかれるのか、お答えください。

[108]
法務大臣 滝実
ただいまの法テラスの出張所につきましては、6月4日にも地元で関係者が集まって協議をいたしたというふうに聞いております。

大変長く時間が掛かりましたけれども、とにかく今先生の御提案のように、まとまらなくても法務省のリーダーシップでどうだと、こういうようなこともございました。しかし、法テラスを実際に運用していただくのは、やはり地元の弁護士会の先生方に大きな力を貸していただかなければなかなかうまくいかないと、こういう事情もこれあり、円満に場所が決まるまで協議をしてきたというのが実態だろうと思います。

しかし、物事には限界がありますから、やはりなるべく速やかに、少なくとも立地場所、設置場所については、ここまで長く時間が掛かったのを取り返す、そんな努力をしていかなければいけない、私もそういうふうに感じております。