徴兵制 16 ~ 森喜朗内閣(387日)

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平成12年04月27日 衆議院 憲法調査会
[028]
民主党(民進党) 松沢成文
さて、そこで、憲法の見直しというか議論をしていく中で、おかしな条文を1つ1つ直していくというのも1つの方法だと思いますが、私は、新しい時代を迎える中で、日本がどのような国であるべきなのかということを議論した上で全面的に憲法を書きかえていく、新しい憲法を国民がつくるという作業を進めるべきだというふうに思います。

幾つかのポイントを挙げます。

(中略)

安全保障については、さまざまな議論がありますが、1つは侵略戦争の放棄をうたうこと。

2つ目は自衛権の保持を明記すること。当然、自衛隊を持ち、それは文民統制であるということを明記すること、そして徴兵制は行わないということもあわせて明記することが重要だと思います。

3つ目に、大量破壊兵器の廃絶に向けて日本は先頭に立って努力をするということも、あわせて明記するといいと思います。





平成13年02月06日 参議院 本会議
[002]
民主党(民進党) 久保亘
第16期中教審は、「新しい時代を拓く心を育てるために」と題する答申を行っています。その副題は「次世代を育てる心を失う危機」とされています。教育改革は大人社会のモラル低下を問うことから始めねばならぬと提言しているのです。

また、学校を強制と競争の場から、共生と共同によって生涯の友を得る場と考えるところから出発し、奉仕活動の義務化より農業の体験、自然との親しみを重視すべきであります。

特に、文部科学大臣の発言として伝えられる、奉仕活動を昔の軍隊や自衛隊体験入隊に結びつけて青少年を鍛える場として発想し、奉仕活動を終えた者に18歳選挙権を与えるという発言は、憲法44条に反する民主主義を理解しない教育の冒涜であって、奉仕の衣の下に改憲徴兵のよろいを見るのであります。総理も同じ認識をお持ちなのでしょうか。総理、このようなものを奉仕活動と言えるのでしょうか。

[003]
内閣総理大臣 森喜朗
奉仕活動についてお尋ねがありました。

子供の社会性をはぐくみ、自立を促し、人間性豊かな日本人を育成する教育を実現するためには、青少年が、教育現場や広く社会において、さまざまな体験的な活動を行うことを通じて、思いやりの心や社会の構成員として奉仕の心を養うことができるような仕組みを整えていくことが重要であります。

このため、教育改革国民会議の最終報告を踏まえ、青少年がその成長段階に応じて農業体験や社会奉仕体験を含めさまざまな分野での体験活動を行えるよう、学校教育法及び社会教育法の改正や必要な予算措置など各般の取り組みを行うとともに、将来的に満18歳後の青年が一定期間奉仕活動を行える社会的な仕組みについて、中央教育審議会等において専門的な検討を行ってまいります。

なお、御指摘の文部科学大臣の御発言についても、青少年が心と体を鍛えることができるような多様な活動が必要という認識に立ってのものと理解をいたしております。





平成13年03月22日 衆議院 憲法調査会
[043]
自由党 藤島正之
最後に、今先生、東アジアのことをちょっと触れられたのですけれども、これから国家としての我が国を考えていく場合は、大きくはやはり中国とか北朝鮮の問題、これを2、30年の次元を考えた場合は当然最も重要な分野になろうかと思うわけです。

先生は、軍事面だけの負担というのじゃなくて、さまざまな負担というような表現をされたのですけれども、例えばどういうものがあって、これからどういうふうな方向に行くだろうと想像をされているのか、最後にお伺いしたいと思います。

[044]
参考人(学習院大学法学部教授) 坂本多加雄
先ほど国防の議論のときのお話に、こういうことを言うと、直ちにまた徴兵制という話になってしまうのですね。私は、徴兵制をとるかとらないかということは、その時々の国防のさまざまな技術水準の問題があって、今の戦争で本当にそんな1人1人兵隊さんをとらなきゃいけないような体制かどうかということが1点ありますし、別に議論すべきことなんです。

ただ、国防の議論はもっと広くて、例えば、かつて自衛隊の戦闘機を1機つくるぐらいだったら小学校が1軒建つんだという議論があったのです。要するにそういう問題なんです。国防である以上、小学校も大事だけれども、戦闘機も大事かもしらぬ。国防の意識というのは、そういうようなバランスなんです。広くはそういう予算上のさまざまなことを考えるときの1つの良識でもありますし、実際には、有事立法なんかになったときは、例えばいざとなったときには、何か法に基づいて自分の庭に自衛隊員が入ってきてざんごうを掘るかもしらぬ。そういうことを甘受するとか、そういうことはいろいろあると思うのです。

それを常に徴兵制とか、自分が生きたり死んだりという極限状況ばかり考えるから議論が進まなくなるのであって、多くの国々の防衛義務というのは実はもっとそういう幅広いことを言っているので、その辺から議論すればいいのであって、何か極端なことばかり議論するから話がまたはかどらなくなってきて、そういうことを言うと、すぐ戦争になったときをまた考えてしまうのですね、実際に。

しかし、実は戦争にならないためにそういう防衛措置をするということですから、その辺はまたもうちょっと、さっきの同じことの繰り返しになりますけれども、ゆとりを持って考える必要があるんじゃないかなというように考えます。