徴兵制 17 ~ 小泉純一郎内閣(1980日)

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平成14年03月26日 衆議院 本会議
[024]
民主党(民進党) 大出彰
最後に、即応予備自衛官の員数の変更に関連して質問いたします。

今、日本の人口は、2006年の1億2774万人をピークとして減少し、回復することはないと言われております。2100年には、6000万人まで減ってしまいます。まさに少子化の問題です。このように減り続ける人口の中で、防衛庁はどのように自衛官の員数を確保しようと考えているのでしょうか。

また、ことし1月15日から予備自衛官補の募集が開始されました。武器や軍事訓練とは縁のなかった素人に、3年間で50日の軍事教練を受けさせて、防衛出動や災害派遣の際に招集する予備自衛官への道を開くものだといいます。

しかし、公募制度の検討が開始された96年当時、徴兵制の呼び水になると批判された経緯があります。将来は徴兵制を考えているのでしょうか。徴兵制との関係をお聞かせください。単に銃を撃ちたいだけの武器オタクばかりが集まるのではないでしょうか。

[027]
国務大臣(防衛庁長官) 中谷元
自衛官の員数確保についてのお尋ねがありました。

防衛庁では、これまでに、曹候補士制度の導入、婦人自衛官の活躍する分野の拡大、自衛官採用試験の受験資格の緩和、隊員に対する処遇改善、自衛官の定年延長などを逐次行ってきたところであります。今後とも、こうした努力を継続することにより、必要とする人材の確保に努めてまいりたいと思っております。

予備自衛官補と徴兵制との関係についてお尋ねがありました。

この制度では、自衛官未経験者を、志願に基づく試験または選考により、防衛招集応招義務のない予備自衛官補に採用し、所要の教育訓練終了後、予備自衛官に任用することとしており、あくまでも個人の志願、意志に基づく制度であることから、徴兵制の呼び水になるという御指摘は当たりません。

なお、平成14年度の予備自衛官補の採用予定数は、衛生、語学等の技能を持った方を含め300人のところ、現在、既に650人を超える志願の受け付けを行っており、志願者の中から適格者の採用に努めていきたいと考えております。





平成14年04月04日 衆議院 安全保障委員会
[010]
公明党 田端正広
自衛隊の合理化、効率化あるいはコンパクト化、こういう目標を掲げて整備されているということでありますけれども、即応予備自衛官をふやしていくという必要性はあるんですが、その場合に、予備自衛官が即応予備自衛官の方に流れてしまうんではないか、そうすると予備自衛官の充足率が低下するわけでありまして、そういった意味で矛盾は生じないんだろうか、こういう懸念をいたします。

予備自衛官補について、今回、本年から新たに募集を開始した、そういうふうに承っております。予備自衛官は民間で元自衛官、それで訓練は年間5日程度、そして、即応予備自衛官は民間で元自衛官で、年間30日の訓練。中身的には、そういう意味では、同じ民間の人であっても少し違うように思いますし、また日当等も違うようであります。今回採用される予備自衛官補、これをふやしていくということを議論するに際して、これは将来の徴兵制につながるんではないかとか、こういった危惧をする向きもなきにしもあらずであります。

そういう意味で、即応予備自衛官、予備自衛官、それから予備自衛官補と、自衛隊員を補足する意味でのこの仕組みというものがうまく動いていけば非常に効率的だと思いますけれども、そういう国民の誤解や懸念が広がれば、そこのところがうまくいかないんではないかという心配がありますけれども、この点は大丈夫でしょうか。

[027]
国務大臣(防衛庁長官) 中谷元
予備自衛官補という制度は今回新たに導入するわけでありますけれども、訓練期間も、一般は3年間に50日、技能は2年間に10日間という期間でございますし、また、制度自体の目的につきましては、防衛基盤の育成、拡大を図るとの観点から、予備自衛官の勢力の安定的確保と民間のすぐれた技能を有効に活用するという趣旨でございますし、あくまでも個人の志願、意思に基づく制度でございまして、強制的に徴用をするような、徴兵制の呼び水とか、強制的に招集するというふうなものになることはないというふうに思っております。





平成14年05月16日 衆議院 武力攻撃事態への対処に関する特別委員会
[192]
保守党 西川太一郎
安倍副長官、この問題は非常にナーバスなんですよ。

今まで、職業としての自衛官、こういう方々に国防の責務を負ってもらうということ、または、公安、治安、こういう観点で警察、警務職の方々にその仕事をしていただくということ、これは、一つの職業倫理というか、そういう観点から簡単に議論できたのですね。

しかし、国民の責務という、これは、いろいろな思想、信条を持ち、いろいろな立場のある方々に、国家の、攻撃を受けるという緊急事態の中で協力をいただくということは、ある意味じゃ非常に、適切な言葉でないかもしれないけれども、バーチャルイリュージョン的な世界も入ってきまして、想像力というものを豊かに使ってもらわないと、そういう事態にどう協力したらいいのか、短絡的な人はすぐ、徴兵制であるとか、何かそういう、危険だ、危ないよというような方向にばかり走っちゃうんですね、この問題は。そういうナーバスな面を非常に持っているんですね。

したがって、そこのところをもう一度よく、これは国民の皆さんに理解できるように丹念に、いろいろな方法を使って理解をしてもらうということが私は必要だと思います。

これは、防衛庁の20数万を超える諸君も、いろいろな意味で、例えば桜祭りとかまたはいろいろな音楽祭とか、所によってはその町の方々と野球の大会なんかしたり、いろいろソフトな面での、本来的なお仕事でない面での接触というのは、かなり、愛される防衛庁、自衛隊を目指してやってきましたよね。

しかし、こういう真っすぐな、国防という観点から国民の皆さんと議論をする機会というのはなかなか今までなかったはずなんですね。私は、そういうことも、恐れずに真っ正面からきちっとやっていく必要がある、こういうことも含めて国民に、これは責務じゃないんですから、協力をお願いするんですから、総動員法でも何でもないので、そこのところをきちっとやっていく必要があると思います。

先ほど安倍さんから御答弁いただきましたが、もう一度どうですか。

[193]
内閣官房副長官 安倍晋三
国民の協力がやはり不可欠でございますが、しかし、一部のテレビ等では、まるで国民が竹やりを持って立ち向かうのではないかという、デマゴーグのような、戦前に戻るといった、お決まりの批判を、間違った短絡的な批判を繰り返しているわけでございますが、これは全く違うわけでございまして、国民の皆様に戦っていただくということでは全くないわけでございまして、例えば地域においての住民の避難や被災者の搬送への協力など、国民の生命、身体等の保護のために地方公共団体が実施する措置への協力といった内容を今私どもは想定をしているということでございます。

いずれにいたしましても、これは国民の皆様の御理解がなければ成り立たないわけでございますから、国民の皆様と議論をしながら、広く議論をしながら整備をしていきたい、こう考えております。





平成14年05月23日 衆議院 憲法調査会基本的人権の保障に関する調査小委員会
[064]
自由民主党 石破茂
それから、最後に、徴兵制についてですが、徴兵制をとるかとらないかはその国の政策判断だと私は思っています。

フランスが徴兵制をやめました。私は、結構あれは驚きを持って観じまして、去年フランスに行ったときも、ことしフランスに行ったときも、どうしてということは随分聞いたのですが、結局のところは、徴兵制にしているとコストがかかって仕方がない、非常にコストがかかる。もう一つは、徴兵で集めた兵隊さんというのは、玉石混交というのか何というのか、とにかくプロ集団じゃないので、フランスも財政が厳しい、そうするとプロ集団でやった方が役に立つ。

ただ、フランスとしては、結局、近代市民社会を支えているのは国民皆兵という思想と、それから財政民主主義というものだと思っているのですよ。我々の民主主義国家というのは、国民みんなが守るんだということと、王様が税金を集めるのではなくて、政府が集め、それをどう使うかということは議会が決める、これが柱だったと私は思っているのですが、その徴兵制をフランスがやめるということもかなりショックなことではあった。でも、それは政策選択なのだと思うのです。

それで、日本の国において、徴兵制は憲法違反だと言ってはばからない人がいますが、そんな議論は世界じゅうどこにもないのだろうと私は思っています。徴兵制をとるとらないは別として、徴兵制は憲法違反、なぜですかと聞くと、意に反した奴隷的苦役だからだと。国を守ることが意に反した奴隷的な苦役だというような国は、私は、国家の名に値をしないのだろうと思っています。

少なくとも、日本以外のどの国に行っても、社会体制がどんなに違ったとしても、そのようなことは、あなた、本当に何を考えているんですか、そういう反応になるのだろうと思っています。徴兵制が憲法違反であるということには、私は、意に反した奴隷的な苦役だとは思いませんので、そのような議論にはどうしても賛成しかねるというふうに思っておりますが、御見解を承れれば幸いです。

[066]
参考人(日本政策研究センター所長) 伊藤哲夫
それから、徴兵制に関する考え方は、先生おっしゃるとおりで、あれはまさにフランス革命の精神なんですね。ですから、徴兵制を否定するということは、フランス革命の精神を否定したということなんです。ですから、フランス人にとって非常にショックが大きかったとも思うんですけれども、逆に言うと、現代の状況から来る計算というものに合わないということが言えるわけであって。

ですから、国防の義務と兵役の義務は違うので、私があくまでも主張しているのは国防の義務ですよというのは、そういうときに、ただ主体的な、自発的な協力ということだけでは解けない大変な問題が起こる。もちろん、そんな問題は起きないのが一番です。けれども、起きた場合は、やはり、ただ公共の福祉だけでも済まないだろう、もっと積極的に協力してもらわなくてはならぬ場合もあるだろう。そういう意味では、公共の福祉という考え方の中に国家の安全ということを入れると同時に、やはり国民の義務として、国防の義務というものはあってしかるべきだと私は考えている。

そう言うと、とにかくこれは危険なことを言ったと鬼の首とったみたいに言われるんですけれども、でも、そうじゃないんじゃないですか、もうそういう議論はやめて、もっと現実を見詰めようじゃありませんかと私はあえて言いたいということでございます。





平成14年06月28日  衆議院 武力攻撃事態への対処に関する特別委員会
[204]
生田幸広
今法案をめぐっては、自民党内でも御高齢の議員から慎重論が出ていることは御存じのとおりです。戦時というものを肌身で実感されているからだ、そう思っています。しかし、2世、3世議員の方からはこのような意見が出ないばかりか、積極的に進められている。福田官房長官の非核三原則見直し発言に至っては、まさに本音が出たのではないですか。次は徴兵制度が準備されているんではないですか。これらの危険な動きは、現在審議中のメディア規制三法と歩調を合わせていると言わざるを得ません。





平成15年07月24日 参議院 本会議
[020]
無所属 広中和歌子
さらに、石破長官は、海外メディアに対し、日本の憲法は攻撃されるのをただ待つだけということを想定していないとし、先制攻撃論があり得るかの発言もしていらっしゃいます。そして、徴兵制についても、本当は憲法に書きたい、少なくとも徴兵制を取ってはならないとだけは絶対に書いてはならないと申しております。このような考え方を保有する人が、現在の憲法解釈、政府見解、小泉内閣の施政方針と合致するのかと問われれば、明確に否と断ずるほかはございません。

以上申し上げましたことが本院が防衛庁長官石破茂君を問責する理由です。

議員諸氏が良識に立ち返り、満場一致、本決議案を採択されることを御要請し、また確信して、趣旨説明を終わります。(拍手)



[024]
民主党(民進党) 谷博之
すり替え答弁を繰り返し、対米追従に固執する小泉総理と、徴兵制を志向し、戦艦のプラモデル作製に興じ、現実と趣味の区別が付かなくなっている、はぐらかしと情報隠しの石破長官、この国民にとって極めて不幸な組合せの中で、民主主義が脅かされ、自衛隊のイラク派遣が行われようとしてきているのであり、一刻も早く石破防衛庁長官は自ら辞任をし、不幸なこの関係、組合せを解消すべきであります。



[026]
日本共産党 小泉親司
長官が無法、不当な戦争と占領を支援する憲法破りの政治を強硬に進める根底には、防衛庁長官の特異な憲法観があることも指摘せざるを得ません。

その最たる発言は徴兵制合憲発言であります。2002年5月23日、憲法調査会で、あなたは、徴兵制は憲法違反だと言ってはばからない人がいますが、そんな議論は世界じゅうどこにもないのだろうと私は思っていると述べました。

憲法が徴兵制を禁止したのは、徴兵制があの戦前の侵略戦争を進める道具になったという反省の上に立っての措置であることは今更言うまでもないことであります。それをあなたは国家の名に値しないと言って憲法を冒涜したのであります。また、集団的自衛権行使の問題でも、合憲であるとの立場を繰り返し表明しております。

ところが、私が内閣の見解と矛盾するではないかとただすと、あなたは、閣僚としてそのようなことに今お答えすべきだとは思っておりませんとごまかしに終始いたしました。笑止千万であります。長官は、政治家として徴兵制は合憲と豪語したのに、大臣のいすを得たらその保身に回る。これがあなたの政治信条なのですか。

続けて、あなたは、徴兵制が合憲ではないと言ったら国家としての正当性自体が疑われることは必定であり、私はそんな場面を想像しただけで、余りに恥ずかしくて日本人であることをすらやめたくなると言われました。あなたが日本人をやめるのは勝手でありますが、日本人をやめる前にまず防衛庁長官をやめることであります。





平成15年09月29日 衆議院 本会議
[026]
社会民主党 土井たか子
今、ここで、イラクへの派兵をやめなければ、必ず、次の派兵が準備されます。しかも、特措法や時限法ではなく、これはイラク特措法、テロ特措法が特措法や時限法であるわけですから、このような特措法や時限法ではなく、自衛隊をいつでも海外へ派遣できるようにと、自衛隊海外派遣のための恒久法を目指す動きが出てきているではありませんか。

自衛隊が殺し殺されるという状況が当たり前になれば、日本社会の変質もまた起こってまいります。今私たちが当然に享受している、平和的に生きる権利が奪われてしまうでしょう。そして、憲法第9条が消えてなくなるようなことにでもなれば、それこそ取り返しがつかないことになります。いつか必ず、私たちの息子たち、あなたたちの娘たちが徴兵され、戦地に追いやられる日が間違いなくやってきます。

そのような悲劇を二度と繰り返さないために、私たちは戦後、平和憲法を掲げ、守り通してきたのです。小泉政権が行おうとしているのは、反憲法そのものであって、この延長上に待っているのは奈落の底ではありませんか。

悲劇の芽は、双葉のときに刈り取らなければなりません。





平成16年03月18日 衆議院 憲法調査会
[075]
高橋昭博
第9条の見直しによって見えてくるのは、徴兵制の施行であり、核兵器の保有であります。もとより、非核三原則の見直しも視野に入っています。被爆者として絶対に黙視することはできません。





平成16年04月07日 参議院 憲法調査会
[012]
無所属 岩本荘太
また、一国がいかに不戦を誓っても、それはよその国の行動を規制するものではない。すなわち、一たび戦闘状態に陥れば、日本の平和憲法など何の役に立たないのではないかというふうに考えるものであります。とすれば、自国を規制するだけの憲法であれば今までどおり平和主義を貫いていいのではないか、理想として日本は不戦国家であることを高らかにうたい上げるべきであると私は考えております。

とはいえ、現下の世界情勢では他国からの侵略が危惧される気持ちも否定できません。自衛のための策も考慮しなければならないことは当然であります。その観点からすれば、50有余年にわたる日本人同士の切磋琢磨の上に成り立っている現在の自衛隊は認めるべきであります。そして、現在よりも行動領域を拡大しないよう留意し、努力すべきではないかと思っております。さらには、自衛のための認識を明確にするためには、領土内、領海内以外では行動を起こさない、また国家権力の暴走を歯止めするためには、徴兵令と言っては言い過ぎでございますが、強制的にそういう役に就かせるようなことはしないということをはっきりと規定すべきであると考えております。





平成16年04月22日 衆議院 武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会
[098]
民主党(民進党) 楢崎欣弥
有事については、これまでも陰に陽に研究されてきたわけですね。先日、図書館で興味ある書籍を見つけましたので、お借りしてきました。その名もずばり「国家緊急権」という本です。これは64年に陸上幕僚監部法務課の三等陸佐益田繁人さんの研究されたもので、当時の法務課長、一等陸佐の渡部さんもこの本を推奨しておりまして、それで、印刷配布するからとにかく執務上の参考にしていただきたいと、非常に高く買っておられる本です。

この中身が非常に興味を呼びまして、これは、平常時において現憲法上立法可能な人権制限事項として、自衛隊の作戦行動に必要な物資の強制調達、それから土地・建物等の強制収用、民防衛・防空そして秘密保護がこれに述べられております。

次に、平常時の立法としては違憲の疑いがあるが非常時には立法可能な人権制限事項として、徴兵・強制労働そして物資役務等の統制、次に報道の制限・運輸通信機関の統制、重要産業等の統制・労働運動の規制、そして国家総動員体制・戒厳令とあるわけですね。

当然、こういうことにならないように、今まさに人権にかかわる審議をしているところですけれども、この前に、56年に、防衛庁が調査委託された、当時の大西邦敏早稲田大学教授の報告書「列国憲法と軍事条項」の中でも、この大西教授は、新しい戒厳法の制定の必要性を訴えられておるわけですね。

私はやはり、こういう有事法が研究されてきたその下地に、こういう研究論文がなっていると思うわけです。

そこで、確認しますけれども、政府は将来的にも徴兵制度、新しい戒厳法の制定というものは想定してありませんですね。

[099]
国務大臣(防衛庁長官) 石破茂
そのような考えは現在持っておりません。





平成16年06月03日 参議院 イラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会
[147]
社会民主党 大田昌秀
防衛庁長官にお伺いいたします。

純軍事的な観点からして、軍事専門家のような長官でございますので、戒厳令とか徴兵制なしに外部からの攻撃に対して日本の国民の生命、財産を守れるとお考えですか。

[148]
国務大臣(防衛庁長官) 石破茂
それは戒厳令や徴兵制というものも設けなくても、国の独立と平和、国民の生命、財産、それを守ることを可能にするのが政府の責任であります。

そしてまた、それは可能なのかということでございますが、純軍事的に見た場合にそれは十分に可能なことだと思っております。それは戒厳令のようにいろいろな三権を集約をしてしまわなくても、それは十分できることでございますし、そしてまた世界の流れとして徴兵制よりも、志願制という言葉がいいのかどうか分かりませんが、一種のプロフェッショナル化した組織でなければこれからの事態には対応できないというのが世界の流れであるというふうに私は考えておるところでございます。

[149]
社会民主党 大田昌秀
私自身は、今の長官の御答弁のとおりではとても守れないと考えます。

と申しますのは、日本が無条件降伏したときに一体兵力はどれだけ残っていたか、御存じですか。

[150]
国務大臣(防衛庁長官) 石破茂
日本の降伏を無条件降伏と言うかどうかというのは、これはいろいろな議論があるところでございます、それはね。

[151]
社会民主党 大田昌秀
日本軍と言ってもいいです。

[152]
国務大臣(防衛庁長官) 石破茂
日本軍であれば、それはそういうような表現でも当てはまろうかと思います。

数については、私、済みません、正確な数字を持っておりませんが、陸軍においてはかなりの部隊というものが、国内の部隊というのが本土決戦用、これはかぎ括弧付きでございますけれども、それとして残っておった。ただ、海軍においては、ほとんどの船は喪失いたしておりましたし、航空機につきましても相当が失われておったというふうに記憶しております。

[153]
社会民主党 大田昌秀
数字については若干のずれがありますけれども、戦争を研究した人たちの説を紹介しますと、国内に434万人の軍隊がまだ残っていた、国外に355万人の軍隊が残っていた、それで無条件降伏したわけです、軍隊がですね。今自衛隊は25万足らずでしょう。そうすると、徴兵制をしかずに本当に有事に対応できるとお考えですか。

[154]
国務大臣(防衛庁長官) 石破茂
それは、例えて申し上げれば、フランスも長年徴兵制を取っておった国でございますが、徴兵制を廃止をいたしました。徴兵制を取っておらない国というものも現在たくさんございます。

要は、軍事力というもの、防衛力と言ってもよろしいのですが、これは数の多寡のみをもって決まるものではございません。

どれだけ早く情報を察知するかという能力であり、そしてまたどれだけ装備を近代化するかということであり、陸海空三つの組織をどのようにして統合的に運用するかということであり、諸外国との同盟関係をどのように築くかということでございます。

その前に外交努力、平和に対する努力があることは言うまでもございませんが、数の、今自衛隊の数を先生御指摘になりましたが、この数が少ないので日本の防衛ができないかといえば、私は全くそのようには考えておらないところでございます。





平成16年11月10日 参議院 憲法調査会
[011]
日本共産党 吉川春子
集団的自衛権の行使、自衛のための戦力の保持、国の防衛及び非常事態における国民の協力義務を設けるとの主張は、徴兵制の道につながるおそれがあります。

(中略)

徴兵制で若者を戦争に駆り立てる歴史を繰り返してはなりません。



[048]
参考人(元防衛研究所研究部長元ボン大学客員教授) 西岡朗
それで、ここのところに、例えば徴兵制の問題について、政府見解などを皆さんに事前にお配りしたと思いますけれども、要するに憲法の条項で、そういう例えば奴隷的拘束とは言わないにしても、過酷な労働はさしちゃいけない、多分17条だったですか、そういうことが日本国憲法が徴兵制を禁止する理由だというふうに言われたんでは自衛官はたまらない。これは当時問題提起をした竹田五郎さんの言うとおりだと思います。

だから、憲法、私の考えますのに、日本国憲法というものは、実は9条だけではなくて、そういうほかのところでもやはり自衛隊の自衛官のそのプライドにやっぱり傷付ける条文が、私はそれを条文として使う政府見解の方がおかしいとは思っておりますけれども、現実にそういうことがあった。今そういうことは言われておらないと思います。これは中曽根内閣の出る前、鈴木内閣のときにそういう政府見解が出ておりまして、その後多分なくなっていると思いますが、そういう時代があった。で、そういうものがやはり自衛官の中にうっせきしておるということはあると思います。しかし、これは私が防衛庁を退職して10何年かになりますので、もう今ではかなり皆さんの御理解が得られてこういう問題はないのかもしれませんが、そういうものが残っていると思います。





平成16年11月18日 衆議院 憲法調査会公聴会
[184]
公述人(法政大学法学部教授) 江橋崇
徴兵制の問題ですけれども、徴兵制が復活するのではないかというのは、戦後日本の憲法を論じる際に常に論点になっていた点だと思います。ただ、私は、イラク以降の、21世紀の戦争では、いささか様相が違うのかと思っております。

私が大変ショックを受けたのは、イラクのアブグレイブ刑務所でイラク人に対して拷問を加えていた人の中に雇われのガードマンがいたということでありまして、私は、拷問というのはとても許されない、特に戦時捕虜に対する拷問はさまざまな国際条約に違反すると思いますが、アメリカよ、やるならせめて自国の兵士にやらせよと思ったのでありまして、ああいうことをガードマンにやらせるというのは国家として基本的に堕落していると思っております。

でも、ラムズフェルド国防長官が言っている、アメリカ軍今後の4原則の4番目に、民でできることは民でと、何かどこかの国の首相みたいなことが書いてありまして、結局、アメリカの場合は、戦略的な攻撃を加えたりするときにはあの重装備の海兵隊を投入するわけですけれども、イラクには13万5000ですか8000ですかいるわけです。とてもあれでは占領地が管理できないからほかの国の軍隊を呼んでくるけれども、中には、ネパール人を呼んできて、グルカ兵の末裔で能力が高いと。まさにネパール人がイラクで人質になって殺されていましたけれども。要するに、アメリカから見たら、自衛隊もそれから海兵隊上がりの民間の人も、何かアブグレイブなら1日1000ドルだとかいうのが新聞に出ていました、給料が。

つまり、何かばたばた言っていますけれども、何かというと、徴兵制という形で市民を強制的に連れてくるより、もしかすると、外資系企業が日本人を雇用して、語学のできる人優先、それで、出張地イラクというような形で、実はどこかの副大統領の持っている会社とか言われているところの現場を守るガードマンとして、どんどんどんどん海外に連れていかれる時代というのが来たのではないか。

そういった意味で、私は、民活戦争というアメリカのラムズフェルドが言っていることは、日本の若者に対して非常に新しい危険をもたらしてきている。

徴兵によって連れていかれるということも問題かもしれないけれども、徴兵じゃなくて個別的契約で、外資系ということになって、東京外国語大学のアラビア語科を卒業したからあんたはいいよとか言って、気がついてみたらアブグレイブ刑務所に配置されていたというのでは、幾ら何でもひどいだろうという意味で、今後の世界における戦略の展開を見た場合、私は、徴兵制に対する危険性を考えると同時に、そういうふうに軍需系の会社に雇われちゃって戦場に配置される若者に対して、どうやってそれを防止するかということも考えなきゃいけないと思っております。

したがって、国防、国を守る義務を憲法に明定することで徴兵制が出てくる、だから国防の義務は憲法に書かないといって、書かなかったら問題が解決するかというと、そうじゃなくて、横道から、あるいは裏口から、するするすると日本の若者が戦場に派遣されてしまうという危険性はなおあると思っております。





平成17年02月24日 衆議院 憲法調査会
[053]
自由民主党 葉梨康弘
その中から私なりに、戦後教育を受けた世代として、さきの臨時国会で指摘した現行憲法の法的欠陥という論点とは別に、今なぜ改憲論議が必要かということを2点申し上げます。

第1は、現行憲法の持つあいまいさは、自民党政権の永続を前提とすれば使い勝手のよさに通じるが、安定的政権交代を望ましいとした場合、我が国を糸の切れた風船にしてしまう危険性をはらんでいるということです。

我が国は、独立回復後、ほんの一時期を除き、ずっと自民党及びその前身政党が政権を担ってきました。時の政権与党は、従来の政府解釈と矛盾を来さない範囲で憲法解釈を徐々に広げ、憲法の法的安定性、継続性と政治的柔軟性、戦略性を確保してきました。

このような状況下、政権をとることよりも護憲勢力として国会で3分の1を占めることに重きを置いていた第2党も、自衛隊・日米安保違憲といった現実と乖離した憲法解釈を維持することができました。もとより、現実の方が憲法と乖離しているという論もあります。ただ、この論には、村山政権下、時の社会党も自衛隊と日米安保という現実の合憲性を認めざるを得なかったことを指摘したいと思います。

しかし、21世紀において、自民党が未来永劫政権の座にいられる保証はどこにもありません。いつ何どき、従来の政府解釈、すなわち憲法の法的安定性、継続性を無視して、自衛隊の装備も徴兵も集団的自衛権も集団的安全保障も無制限で認められるという勢力が政権につき、一挙に憲法解釈を変えてしまう危険性も否定できません。

私は、戦後60年、日本国民は、日本人としての意識の中で、民主主義と平和主義という原理を既にしっかりとした内在的規範として持っていると思います。今こそ、我々の子孫のためにも私たちの進むべき方向性を具体的な合意を持って示していくことが必要です。

私は、国家に、近世中国北宋末期の新法党と旧法党の党争に見られたような対立による停滞でなく、前進と活力を生み出し得る安定的政権交代のためにも、殊に平和主義などの項で、何とでも読める現行憲法のあいまいさを払拭することが必須と考えています。そのため、本気で政権を担おうとする党は、国民のため腹を割って話し合いを行うべきで、このような話し合いの場として国会に常設の憲法委員会の設置を提唱します。





平成17年03月02日 参議院 憲法調査会
[016]
民主党(民進党) 那谷屋正義
次に、この憲法が自らの未来を規定する課題にもかかわらず投票権を与えられていない子供たちへの責任を全うするために、また教育に携わってきた者として、第9条について述べます。

もし憲法に集団的自衛権の行使や自衛隊を軍隊として位置付けるとしたなら、国土の防衛がやはり外交防衛の第一義的ですから、兵員の確保が重要になります。しかし、我が国は先進諸国でも例を見ない少子化が進んでいる国ですから、自衛軍のための要員の確保が大きな課題になると思います。兵員確保となれば、国家財政が厳しいことも考えれば徴兵制が選択肢の1つになる可能性も出てきます。現に自衛隊の定員が充足されていない現状から、教育を受ける権利を有している者の徴用が憲法改正、自衛軍の憲法上の位置付けにより具体化される可能性が出てくることを危惧するものです。



[044]
民主党(民進党) 富岡由紀夫
あと、集団安全保障、集団的自衛権の行使、これを議論するときに、私はやはり具体的にいろんなケースを想定する必要があると思っております。

例えば、日本が集団安全保障に参加できるようになって、国連軍なり多国籍軍に日本の軍隊が行きますと。そうしたときに、その行った軍隊の軍人が外国の人を殺す、若しくは日本の派遣された軍人が殺される、こういったことが想定されます。

そういったことが起きた場合に、これはあくまでも想定されるケースでございますけれども、その軍隊に派遣する人を募集したときに集まらなかった場合はどうするのか。国際貢献で日本の人を国連軍なり多国籍軍に出すんだけれども、人が集まらなかった。そのとき、政府として徴兵制ということを考える可能性はないのか。そういったことも私は十分国民の間で議論してもらって認識してもらう必要があると思います。

ありとあらゆるケースを想定してリスク管理を行ってやるのが我々、いろんな憲法を改正するに当たっての我々の責任でもありますし、国民の皆さんにそれを理解してもらうのも我々の責任であると思っております。

したがって、安易に多国籍軍の参加、国連軍の参加、本当にいいのか、国民に本当にそこまでの覚悟ができているのか、このことをしっかりと私は国民の間で議論していかなくてはならないと思っております。

徴兵制もいとわないのか、本当に自分たちの子供とか、若しくは我々自身が軍隊に派遣される、徴兵されて派遣される、そういった覚悟が本当できているのか、このことをしっかりと国民の間で私は議論するべきだと思っております。





平成17年04月06日 参議院 憲法調査会
[008]
民主党(民進党) 直嶋正行
さらに、その際に、シビリアンコントロールを明記するとともに、国民の心理的抵抗に配慮して徴兵制をとらないということをあえて明文化することも検討に値するというふうに思っております。

また、非常時にあっても憲法の機能を維持するため、緊急事態において首相が行使できる権限及び期限を明確にした上で、首相の緊急権行使を決めた上、それに対する国会による民主的統制の仕組みについても今後検討していくべきだというふうに思っております。