武生事件等、裁判所・検察庁・警察署放火事件と刑務所放火集団脱獄未遂事件 ※たけふじけん

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昭和24年10月31日 衆議院 法務委員会
[012]
民主党(自由民主党) 大西正男
実は休会中の9月20日に、福井県の武生というところにおきまして、裁判所並びに検察庁の庁舎が焼けたという事件が発生をいたしました。

この事件が新聞に報道されたのでありますが、その新聞の報道によりますと、その出火の原因をさつそく検察庁におきまして調査をいたしましたが、これが失火であるという証拠が出て来なくて、むしろ放火ではないかという疑いが濃厚であるようであります。しかもこの放火は、その武生の町におけるところの暴力団が計画的に放火をしたのではないかという疑いが濃厚であるようであります。

と申しますのは、ちようど火の出ました9月20日の翌日、9月21日にこの土地の暴力団の団員と認められますところの伊原という人間と、そのほかもう1人の人間が、あるいは恐喝あるいは公務執行妨害によつて起訴されまして、その公判が9月21日に開かれることになつておつたようであります。

その前日に、その公判を開くべき裁判所の庁舎が焼けてしまつたという事件でありまして、その間に、新聞の報道によりますと、出火をいたしました9月20日の前日であります9月19日に、そこの自治体警察の重屋という刑事課長そのほか5名の警察官が料亭に呼ばれまして、そうして暴力団の一味と見られる者たちと飲食を共にいたしておるのであります。しかも翌日の午後2時まで飲食を続けたという事実があるようであります。

そうしてまたその出火をいたしました4、5日後におきまして、そこの自治体警察の当時の署長であるところの野邊という署長が、先ほど申し上げました被告人であるところの伊原と一緒に飲食をいたしまして、町を歩いておつたというふうな事実もあるようであります。

それからまた新聞の報道でありますが、今月の7日ごろらしいのでありますが、先ほど申し上げました重屋という刑事課長そのほか5名の者とやはり飲食を共にしておる。

さらに出火の数日後であります9月23日に、先ほど申し上げました伊原という被告人が自治体警察ヘビールを運び込んで、そうして署内において刑事課長その他に対してこれをふるまつておるというふうな事実が存在をいたしておるようであります。

そこでこういうことのために、この出火の原因の捜査についても非常な齟齬を来しておるのではないかというふうなことも想像されるのであります。また当時の新聞に出ました福井地方の検事正の談話によりますと、思いのほかに警察が腐敗をいたしておる。徹底的に摘発し、洗いたいということが出ておるのでありますが、警察の腐敗がどの程度に達しておるものかどうかわかりませんが、これによりまして警察とそうしてまた検察側との間の連絡というものが、本件においてたまたま出たわけでありますが、その間に捜査上全国的に考えまして、警察と検察庁との関係などというようなことにつきましても、相当問題を含んでおるのではないかと想像されるのであります。

従いましてこの事件につきまして、当委員会として現地に出張いたしまして、事案を調査する必要があるのではないかと考えるのでありまして、この点もお諮りを願いたいと、かように存ずる次第であります。

[013]
委員長代理 角田幸吉
お諮りいたします。ただいまの大西君の御発言に対して、理事会に諮って適当な措置をいたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

[014]
委員長代理 角田幸吉
異議なければさよう決定いたします。他に御発言がありませんか━━本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもってお知らせいたします。





昭和24年11月17日 衆議院 議院運営委員会
[002]
事務総長 大池眞
11月7日付になつておりますが、法務委員長の方から武生の裁判所及び検察庁の怪火事件調査のために田嶋好文君、田万廣文君、大西正男君の3名を、7日間にわたつて調査のために派遣をいたしたいという申出がありますので、いかが取扱いますか。日はここで御許可になり次第、日程をつくりたいと言つております。

[003]
委員長 大村清一
それでは法務委員長代理田嶋理事の御説明を願います。

[004]
民主自由党 田嶋好文
私から説明いたします。この武生市の怪火というのは、昭和24年の9月20日に、裁判所が何者かの手によつて焼かれてしまつた。こういう事件なのであります。

この事件につきましては新聞で報道されておりますように、現在検察機関の発動となりまして、検挙されております。いずれ裁判にかかることでございますから、私たちはこの事件の内容とか、その裁判の運行に対する問題とは離しました意味においての調査を目的としておるのであります。

そもそもこの武生に起りました怪火事件というのは、新聞紙上の報道その他の情報を総合いたして見ますと、よつて来るところの原因が深いのでありまして、おそらくこの怪火の後には、警察の綱紀弛緩、検察当局の綱紀弛緩という大きな問題がはらまれていたと考えられているのであります。

なおこの怪火前に裁判所において8冊の記録が紛失をいたしております。それらを総合いたして見ますと、警察、検祭ばかりではなくして、裁判所においても相当にその事件処理におきまして、綱紀の弛緩が見られるでありまして、これらの点を追究することが私たちの調査の目的であります。

なおこの期間の点でありますが、これは向うへ参りまして、そうした意味の調査の関係上、50名になんなんとするたくさんの証人を調べなければならぬことになつております。従いまして3日、4日というような短期間では参りませんので、特に会期中1週間をお願いしなければならないことになつたのであります。

なお法務委員会では、現在法案が4件提出されておりまして、いずれも審議は終了いたしました。あとの法案の提出を待つておるような状態でございますので、委員の派遣によつて委員会の活動が渋滞を来すというようなことはないわけであります。よろしくお願いいたします。

[005]
民主自由党 石田博英
この事件については、ただいま田嶋君から御説明がありましたが、新聞社関係も非常に関心を持つて、この調査団の一行には各社みなついて行くというような話でほかはどうか知りませんが、私どものところには、そういう事情を見た記者も言つて来ておる事情があります。ただこの委員会のこの種の申請の取扱いをする基準としては、会期中はなるべく行かないという建前であつたと思う。時期その他についてはこの運営委員会の今までとつて来た原則を動かさない範囲において、議長の手元で調整をしていただくということで、承認するのが適当であろうと思われるのであります。時期を狭めると同時に、審議に直接影響を及ぼさないように、議長のお手元でおとりはからいを願うということを前提として、承認をするということに御決定を願いたいと思います。

[006]
委員長 大村清一
ただいまの法務委員会の委員派遣の件につきましては、石田君から発言のありました通り、議長において適当に御処置を願うという条件付でこれを承認すべきものと答申するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

[007]
委員長 大村清一
御異議がなければさように決しました。





昭和24年11月29日 衆議院 法務委員会
[050]
委員長 花村四郎
この際武生裁判所及び検察庁怪火事件に関する委員派遣の報告を求めます。田嶋好文君。

[051]
民主自由党 田嶋好文
先般国会の承認を得まして、われわれ国会議員は武生の裁判所並びに検察庁に起りました放火事件の調査に参つたのであります。その調査につきまして、ただいまから報告をさせていただきます。

福井地方裁判所並びに同検察庁武生支部庁舍の火災及び公判記録等重要書類の焼失は、武田太平及び伊原忠成こと伊聖熙等10数名の暴力破壊を好む分子、及びもと朝鮮連盟構成員が、審理処罰を免がれんがためになしたと認められますところの大胆不敵な集団的、計画的放火であつたのであります。これはわが国司法史上まつたく前代未聞の事件であります。

今その遠因をたどつてみますと、元来福井県人は、北陸の他県人に比べまして気が荒いと言われております。そうして名古屋高等裁判所管内におきましても、従来難事件の一番多い県とされているのでありまして、終戦後においては特にこうしたことがひどくなつたようであります。博徒、的屋等の暴力団の数もたいへん多いのでありまして、17個団体を数えることができます。そうして人員は500名になんなんといたしておるのでありまして、そのうちの半数以上は子分30名以上を持つた有力な暴力団体ということになつております。なかんずく津一家は子分32名、坂本組は子分170名、橘一家、子分44名等は、県下におきましてもその名をうたわれました朝鮮連盟であつたのでありますが、武生市におきましては、木下繁という的屋の親分がありまして、これは子分を40人以上も持つておるということであります。現在市会議員をいたしております。その輩下におる和田善次こと和田吉春というのは博徒の親分でありまして、子分を30名くらい持つておるのであります。木下は相撲勧進元である府中山5代目というのを自分は退いて、この和田善次こと和田吉春に6代目を襲名さしておるのであります。

また武生市会においては――まことに遺憾なことでありますが、武生市会の定員30名の中で、半数以上が前科者である。また市内の不良暴力分子は、これらの市会議員と緊密な接触を保つており、市制について常に関与いたした状態があるのでありまして、まことに武生市は暴力の町とも言つていい町となつているのであります。

これに対して警察の整備状況はどうかと申しますと、国警の地区署が8つあります。そうして自治警が17あつて、自治警、国警あわせて25になるのでありますが、その定員がわずかに832名という少数の状態であります。また警察のこの状態に対して、朝鮮人の県内居住者は何人かと申しますと、福井県内に男2734名、女4369名おるのでありまして、これらの朝鮮人はほとんどやみ買いやみ商売ということで生活を営んでおるようであります。福井においては、朝鮮人は男が678名、女が522名、合計1200名、居住いたしております。今回問題の起りました武生市には、3万の都市に208名の朝鮮人が居住いたしておりまして、この数は男が136名、女が72名ということになつておるのであります。

こういう状態からいたしまして、これらの分子がどういう活動をしておつたかということを申し上げみますと、まず市政関係は、現在民主自由党の系統と称するところの人が市長に就任をいたしておるのでありまして、この市長の派に対する反市長派というのは、現在民主党の立場に属する方々によつて、構成をせられておるようであります。なおそこには、共産党の支部、社会党の支部等もあるようでありますが、市政は主として市長派、反市長派によつて運営をされているようであります。市会の分野は、先ほども申し上げたように、30名の構成員であるのでありますが、この中で半数がほとんど前科者であるというような形であり、反市長派は現在民主倶楽部というものを構成いたしておるのであります。

この反市長派を牛耳つておりますところの高木政二という者は、民主党系でありますが、前科数犯を持ち、なお市会議員として選任せられる直前には、前科の裁判をのがれるために遂に逃走いたしまして、その犯罪を時効によつて消滅させ、帰つて来て市会に当選したというような閲歴を持つた親分であります。

なお、市長派といたしましては、先ほど申し上げましたように、賭博の的屋の親分でありますところの、子分を40名も持つ木下繁というのが市長派の大幹部として牛耳つておるのでありまして、その下には、木下繁の府中山6代目を襲名いたしました和田善次というのが、院外団的存在といたしまして、やはり市政に関与しておるようであります。こういうような状態が市庁内に見られるのであります。

次に市の警察、つまり市警でありますが、これは前市長時代と現市長時代を区分して考えなければならぬと思います。前市長である野邊という人は、武生市の放火がありました前の日に辞表を提出いたしました。20日に放火があつて、19日に辞表を提出いたしまして、暴力団一行とともに飲食までしておる市長でありますが、この前市長の野邊という人は、常に暴力団であるところの和田善次につながりを持つております。野邊市長に和田との関係を聞きますと、親から和田のめんどうを頼まれておるのだから、和田をかわいがつておるのだと陳述しておりますが、この野邊前市長と和田の親分とは密接な関係で、まだその関係が切れないというような、まことにいまわしい関係にあるのであります。

現在放火犯人としてあげられておりまして、元朝鮮連盟におりまして、最もきつい主張をしておつたと申します伊原忠成事伊聖熙は、野邊市長とは数回にわたつて飲食を共にいたしまして、相当関係も濃いものとわれわれは認めて参つたのであります。こういうような関係から、市におきましては暴力団を検挙する意思が全然なかつた。市の公安委員会において、暴力団検挙を数次にわたつて市の警察に勧告をいたしておるのでありますが、公安委員会の言を市長は聞こうともせず、依然として、この暴力団を武生市にのさばらすことに協力しておつたような感じが見受けられるのであります。

次に遺憾なことでありますが、検察庁の武生支部においても、市警同様とは申しませんが、まことに遺憾な点が多々あつたのであります。まず第1としましては、今年の5月ごろから10月に至る間において、公金が50万円なくなつておるのであります。そのうちの38万の金は、検察庁の庶務会計をやつておりました久野登志雄というのが、横領して、これは現在刑が確定いたしておるのでありますが、内部の者が横領しておるにかかわらず、6月にわたりまして、しかも回数においては数10回にわたつてその金を横領したと本人は言つておりますが、その数10回にわたる横領を気づかず、しかも外部から入つた林好視というのが、13万3000円の公金を窃取いたしたのであります。この窃取につきましては、探究すれば相当深いものがあるのじやないかと思つておりますが、この林好視が入つて来て金をとつた。とられて探してみて、とられた金よりもなおかつたくさんの金が足りないということがわかつて、びつくりして捜査を開始したところ、自分の内部の久野登志雄が横領しておるという事実がわかつたのであります。まことに間の抜けたと申しますか、実に緊張度の足らない遺憾な点がここに見出されるのであります。なおこの久野登志雄の公金横領が遺憾なばかりでなく、第1に今年の5月に久野登志雄が2万5000円の検察庁の公金を横領いたしておるのであります。この横領金に対して、金がないというので相当あわてたようでありましたが、金がなくなつたことを上司に報告して措置を仰ぐというような、検察庁の官吏らしい態度をとることなく、公金横領という事実に対して、臭いものにふたをしようという態度を検察庁がとつたのであります。その臭いものにふたをしようという態度をとつた結果はどうなつたかと申しますと、遂に現在の庶務課長の服部というのが、市長の派である一方の暴力団を牛耳ると称せられる木下の上にある大澤清に借金を申し込みまして、2万5000円の金を大澤清から服部が借りております。そうして2万5000円の穴埋めをいたしております。大澤清はそのつながりを持つところの前市長の加藤勝安に頼みまして、この金を出して検察庁の穴埋めをいたしました。それからさきの検察庁と市長派とのつながりは、どういうふうになつておつたかということは、皆さんの御想像におまかせいたしたいと思います。なおこの反市長派の高木政二というのはひんぴんと検察庁に出入りをして、副検事の中田氏が病気入院の場合には、その入院のあつせんまでしたと言われております。こういうように、検察庁においても遺憾ながら暴力団とのつながりを肯定しなければならないような状態があるのであります。まことに暴力団の武生市を中心として、国家機関への浸透は恐ろしいものがあつたことをわれわれは想像しなければなりません。

次に裁判所の関係でありますが、裁判所に対しては、幸いにしてそこに駐在する伊藤という判事が温厚篤実な方であり、そうした面に対してまことにりつぱな態度をとつておるかのごとくわれわれは想像せられるのであります。この人の人柄は、裁判所関係からは、そうした暴力団とのつながりを見受けることができませんでしたが、暴力団は裁判所にもその足を延ばしまして、伊聖煕と和田は、伊藤判事を脅迫いたした事実が証言せられておるのであります。自分の言うことを聞かなければ、このままではおかぬからということを伊藤判事に申しておる事実があります。

以上が武生市を中心として見た状態でありますが、こうした状態にあつたものが、どうして今回のような放火にまで発展したかと申しますと、これは先ほども申し上げましたが、林好視というのが元地方事務所の職員でございまして、なかなか頭がいいようでありますが、窃盗的習癖がありまして、数次にわたつて窃盗いたしておるようであります。この林好視が窃盗によつて裁判にかけられると、彼は何とかして自分の罪をのがれたいとあせり、常に裁判所においても否認を続けておつたようでありますが、だれ言うともなく、裁判所の記録をなくしてしまえば裁判ができなくなつて、結局無罪になるということを耳にしまして、自己の犯罪に対する裁判記録の窃取を企てたのであります。遂に7月20日には、記録6冊を裁判所の内部から盗み出して――その裁判所の内部の当時の設備はあとで申しますが、まことに不完全であつた関係上、林好視がそのすきに乗じまして、7月20日記録6册を盗んでおります。8月11日にはまた記録を盗むべく入つたのでありますが、これは未遂に終り、遂に8月13日には林好視は裁判所でなくして、検察庁まで侵入して、検察庁の公金13万3000円を窃取いたしておるのであります。9月の4日には、同じく公金の窃取か記録の窃取か知りませんが、検察庁に侵入いたしておるのであります。これは未遂に終つております。

これが本件の放火犯の被疑者である林のやり方なんでありますが、この林につながるものに、やはり被疑者の武田太平というのがあります。これは三枚新聞の社長でありまして、今恐喝罪で裁判中であります。この恐喝罪で裁判を受けている途中、本人非常に検察庁や裁判所に反感を抱いておつた。そうしたきらいが見られるのでありまして、この武田は林といとこという関係から、放火に対しては武田と林が連絡をとつたものと認められます。

なお先ほど申し上げました伊原忠成こと伊聖煕という、元朝鮮連盟員の有力な方でありますが、これはやはり公務執行妨害罪で現在裁判中でありまして、同じく検察庁や裁判所に相当な反感を抱いておつたかに見えます。武田太平と伊原とは、武田が恐喝罪で市警にあげられ、伊原が公務執行妨害罪であげられた当時、市警間において知合いの関係ができ、その後密接な交際が生まれたようでありますが、この武田太平を通じまして、伊原と林との連絡がついたようであります。

また和田善次、先ほど申し上げました暴力団の親方でありますが、これと伊原とのつながりは、市会の分野において、政治的な折衝をする場合に、いろいろな問題を通じまして知合いになつたきらいがあるのでありますが、この和田善次の子分が裁判にかけられるに至りまして、和田も子分の関係から裁判所や検察庁に相当な反感を持つて、和田、伊原、そうして武田、林の関連性がここに生れたように思います。

以上の人間は裁判所、検察庁に反感を持つ関係から、時期があれば放火をしようと計画をいたし、いかに放火し、いかにしてその結末をつけるかを協議したように思われますが、協議の結果、裁判所、検察庁、市警察、こうした国家機関の無能であることを彼らは認めたようでありまして、この無能な国家機関がある以上、自分たちが放火しても、決して検挙せられることはないだろうという結論を生み、遂に今回の放火事件に到達したのではないかということが、各証人の証言によつて、私どもは裏づけをされました。こうした関係で放火が10月(※9月)の20日に決行されましたが、内容につきましては、こういうような内容を持つております。

昭和24年の9月20日午前5時ごろ、あらかじめ山口龍男、武田勉、これはいずれも和田の子分でありますが、この2人及び佐藤勇を擁して、同市吾妻町武生市消防署の自動車車庫に在庫中の消防自動車2台の配線をとりはずしまして、そうして消防自動車の消火活動を妨害した上で、武田太平、山住鎭亮、澤田仁美、渡邊廣、坂井正作その他におきまして、右裁判所附近で見張りをいたしました。こうして伊聖熙と林好視、李喜雨、車東宋等におきまして、同裁判所事務所室内で所定の軽油を床の上に撒布いたしまして、持ち合せのライターで点火いたし、放火いたして同裁判所並びに福井検察庁武生支部、法務府武生支局の共同庁舍でありますところの、同時に裁判官伊藤泰藏の住居に使用せる建物を全焼してしまつたのであります。林好視はこの場合に誘導役、それから軽油をまく役等をいたしておるようでありますが、この軽油につきましても、普通の軽油ではなく、非常に点火が早く、一旦つけた以上必ず燃え上るという性質を持つた油、特殊の知能と、特殊の方面から入手したのではないかと認められるところの油が用いられているとも承つておるのであります。こういうような状態におきまして本件の事件は発生し、結末を告げたわけであります。

私たち派遣委員といたしましては、この事情、状態を総合いたしました結果、こうした結論を生み出すに至りましたので、委員会の御承認を得るに至れば、まことにけつこうだと思います。

第1に国政の面でありますが、国政の面におきましては、武生市を中心といたしまして、あらゆる機関の内部に暴力的手段を好む分子が侵入いたしまして、国政は極度に腐敗紊乱していて、その運用がまつたく阻害せられておつたものと認められます。

第2に治安の問題でありますが、国家機関が左のような状態でありますから、機能が麻痺いたしまして、その能力を発揮することができず、治安維持上も憂慮すべきものがあつたのでありますが、幸いこの点は放火後の福井地方検察庁、国警等の努力と、武生市警の人事の交替等により、漸次回復するものと認められるのであります。

第3、国家機関に欠陥がなかつたかどうかという点でありますが、遺憾ながら国家機関にも人員の配置、有能人の欠乏、設備の不十分等、幾多の欠陥を認めざるを得ないのでありまして、この点におきましては、政府といたしましても十分な施策が必要であると認めるのであります。

なお本件は、暴力的行為を好む分子と、元朝鮮連盟員の共同行為より発生した事件であるということは確認せられるのでありますが、その背後関係につきましては、単純なものとは認められないのであります。その背後勢力関係は、裏日本に最近続いて起りました裁判所、検察庁等の放火、同未遂事件等と照し合せまして、徹底的にこれを調査し、国民の前にこれが真相を明らかにする必要があるものと認めるものであります。以上報告いたします。

[052]
委員長 花村四郎
ただいま委員派遣に関する報告に基いて、委員派遣の報告書を議長に提出いたしたいと存じます。報告書の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

[053]
委員長 花村四郎
御異議なければ、さようとりはからいます。





昭和24年12月22日 衆議院 議院運営委員会
[005]
委員長 大村清一
次に法務及び地方行政委員会の委員派遣承認申請の件について議長から諮問されております。事務総長の御説明を願います。

[006]
事務総長 大池眞
法務委員会から委員派遣の承認申請が参つております。これは裏日本におきまする福井、武生、米子各市及び福井県の今立町の裁判所または検察庁怪火事件調査のためということになつております。派遣の期間は10日間休会中を利用して行きたい。行かれる方の氏名は田嶋好文さん、武藤嘉一さん、田万廣文さん、大西正男さん、この4名を10日間福井、武生、米子及び今立の検察庁並びに裁判所の怪火事件調査のためにやりたいということであります。

なほ地方行政委員会からも委員派遣の申請が参つております。派遣の目的は地方自治、地方財政、警察及び消防に関する実情調査をいたしたい、派遣の期間は1月10日から10日間くらいをねらつておるようでございます。派遣場所は1班ないし4班ございまして、1班は東海北陸地方、2班は近畿地方、3班は中国四国地方、4班は九州地方、この4地方にわたつて約10日間、休会中を利用して地方自治、地方財政、警察並びに消防に関する実情調査をやりたい。行かれれば、人員は1班、2班、3班、4班とも、ほぼ3、4名づつの予定ということでありますが、これは相当人数も多くなります関係上、当委員会の御希望といいますか、御意見等を徴して、人繰りについては再調をいたすようでございます。大体4人ぐらいの希望者が申出ておりますけれども、まだ確定いたしておりませんので、当委員会のお申出によりまして、適当に取捨選択したいということであります。各委員会から理事が来ておられますので、説明をお願いしたいと思います。

[007]
民主自由党 田渕光一
4名ですと4班で16名、10日間で160、相当な費用だと思います。前回水産委員会の公聴会の問題で、費用がないから人員は整理をしていただいたことがあります。来年度もまたいろいろなことも起ると思いますから、そういうような意味において来年度に費用がないという事態の起らないように願いたいと思います。そのところをよく議長においてお考えを願います。

[008]
日本共産党 神山茂夫
今の田渕君の見解に賛成いたします。それからさらに裏日本の派遣の問題ですが、今聞くところによりますと、福井、武生、米子となつておりますが、武生にはこの前、きようこの候補者になつておる委員の中の大部分が行かれたのであります。こういう事情もあるので、ここでも人員、派遣日数その他の点を考えて、2度も3度もダブつて行くということは、やはり十分考える必要があると思います。問題の真相がはつきりしなかつたということになれば、この前行つた委員が無能、無責任だということになります。

ここはやはり田渕君の言われる全体としての費用の点、その他の関係から研究をしてもらうことは、今さらいうまでもありませんが、派遣委員については各党の関係を十分にらみ合して、片寄つたことのないように、議長において考慮を願いたいと思います。

[009]
委員長 大村清一
ただいまの委員派遣の申請の件の中で、地方行政委員会の分につきましては、当委員会に川本理事も御出席になつておりますが、ただいま田渕君の御意見あるいはまた神山君の御意見もありまして、大体皆さんの御意向がまとまつた方が、議長においての御処理が都合がよいと思います。

[010]
労働者農民党 岡田春夫
先ほど田渕君のお話の趣旨で、具体的には大体半分くらいの程度で、せいぜい7名ないし8名でいかがですか。

[011]
社会革新党 佐竹晴記
具体的に事件が起きた場合はこれは当然と思います。具体的の問題を検討するために委員を派遣することは当然と思いますが、その委員の方で国務を全体として調べるために派遣するということであつたならば、各委員会とも全部がそうなると思います。従つて地方行政委員会が4班にわけてやるということであつたならば、大蔵委員会も全般にわたり税務の関係を調べる、法務委員会も全般にわたつて調べる、そうなると各委員会全部が、全国的に相当人数を派遣するということになりますので、これは前例にもないことでありますからして、この際十分御検討をなさつておかれる必要があるのではないかと私は思います。これは具体的な事件が起きて、その具体的な問題を調査させるためには必要であるかもしれませんが、全般的に調査をやるということになると各委員会とも全部そうなると思いますので、この委員会を許して他の委員会を許さぬということになると困りますし、その基準をなすことでありますから、これは十分研究を願いたいと思います。

[012]
民主自由党 川本末治
ちよつと地方行政の方からお願いしたいと思います。ただいまごもつともな御意見を拝聴いたしておりまするが、実は地方行政は御承知のように、本国会では非常に税制の問題などやかましい問題がたくさんあります。特に具体的に申し上げますれば、今各方面から陳情が来ております鉱産税の問題とか、また消防制度の問題などにつきましては、どうしても私どもとしてはよく調査しておかなければならぬ問題であります。自治体警察の定員の問題などは、すでに御承知のように、相当広島、尼ケ崎あたりの問題で陳情等が来ておりますので、まことに恐縮に存じますが、できましたならば10名ぐらいはお認めをいただきいたいと思います。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

[013]
委員長 大村清一
それでは地方行政委員会の委員派遣の件につきましては、大体10名程度で4方面に派遣する、その派遣する人については、かねて当委員会におきまして取扱いの方式が申合せになつておりますから、その線に沿うて議長において処理せられるように答申することにいたしたらいかがかと思います。御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

[014]
委員長 大村清一
それではそのように決しました。

それから法務委員会の委員派遣申請の件を御協議願います。

[015]
民主自由党 田嶋好文
それでは私からちよつと御説明いたします。実はこちらの御了解を得まして、福井県の武生市に委員を派遣して調査をいたしたわけであります。結果は国会の方に御報告いたしました通りでありますが、この事件は実は福井県の武生市のみの事件とは考えられないのでありまして、そのほかに調査の結果福井市に起つたと同種の事件、それから福井県の今立町に起つた同種の事件、それから鳥取県の米子市に起つた同種の事件、こうした事件が連続的に起つておるのであります。そこで今回の調査は武生市の再調査ということでなくして、こうした関連性を持つた福井市、今立町、米子市の事件を、こういう関係において調査を進めたいと思つておるのであります。

なほこの武生市におきましても委員会の調査に対する報告はいたしてありますが、最終的結論といたしましては、いまだ出ていない。4地区を総合いたしまして、初めてわれわれ委員会といたしましても、最終的な意見がまとまるものと考えておるのであります。よろしく御審議を願いたいと思います。

[016]
日本共産党 神山茂夫
今の田嶋君の報告を兼ねた意見を聞きまして、私たち趣旨としては心から賛成したいのです。ことに裏日本全体のこの事件については、いろいろとりざたもありますけれども、先般行かれた委員諸君の調査によつて、大体事件の一斑と、根底にあるものがわかつて来たと思うのです。従つてこれを全体として究明されることは、法務委員会としてぜひやつていただきたといと思います。武生の問題は全体の関連としてとらえるというのであつたならば、あえて反対するものではありませんが、人員の点や期間の点で、できるだけ人員を少くして能率を上げていただきたいということは、運営委員会として現在の予算の関係から共通の希望だろうと思います。その点がいれられれば、趣旨にはまつたく賛成でありますから、この点について他の各派の御意見をお聞きの上で御決定を願いたいと思います。

[017]
法務委員長 花村四郎
ただいまの田嶋委員のお話につけ加えておきたいと思うのであります。すでに議長に報告をいたしてありますので御承知だろうと思いますけれども、この事件はわが法政史上前代未聞の事件でございます。しかもその裏面につらなつておりますところの幾多の複雑した問題があるのでございます。

これは要するに武生事件の調査から生れたので、従つてこの一連の事件を調べるということは、武生事件を調査した結果として当然なさなければならぬということで、私の方でも相当資料が集まつております。その資料の真偽のほどが明確ではありませんので、従つて委員を派遣して、つぶさに調査をしようというのでありまするが、もし諸君がその資料が必要であり、なほかつ詳細に述べろということでありまするならば、資料を取寄せて、詳細に申し上げてもよかろうと思います。ただ時間の関係もありますので、簡単にかいつまんで田嶋委員から御報告した次第でありまするが、これは議会の国政調査によらずんば、この重大なる問題はとうてい究明し得ないことは、きわめて明瞭でありまするので、この点御了承の上委員だとか費用とか、そういうことはあまり論ぜずに、この暗いところの事件を明らかにして、わが法務関係並びに検察行政の上に、明瞭なる光明を見出すことができるように、御配慮を願いたいと思います。

[018]
委員長 大村清一
いかがでしよう。神山君から御意見もありましたが、関連的に調べるとするならば、武生も認めてよかろうという御意向でありますし、大分広範囲でもありますから、この程度でいかがでありますか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

[019]
委員長 大村清一
それではこの委員派遣の件は、議長において承認するように答申いたしまして御異議はございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

[020]
委員長 大村清一
それではそのように決しました。





昭和25年01月26日 衆議院 法務委員会
[034]
民主自由党 田嶋好文
法務総裁は過日西下の車中談にいたしまして、これも私は新聞で見たところでありますが、とにかく団体等規正令は昨年の4月に判定されたが、その後着々と整備をいたして、今年は本格的にこれを実施するつもりであるというようなことが書かれておつたのでありますが、これによるかどうか、その後、私たち法務委員会で取調べました武生の暴力団とされておるところの和田一家に対して、確かに団体等規正令に抵触するということで解散を命じたと思います。この和田一家は焼打ちをしたということによつて、現在福井の地方裁判所におきまして、検事局が認定のもとにおいて起訴して審理中のものであります。これがはたして焼打ちしたものであるかどうかということは、裁判の結果を見なければわからないのでありまして、和田を解散したという理由は、裁判の結果以外にどこかに材料があるものと認定をしなければなりません。私たちの想像するところでは、おそらく和田をこうして解散したところの理由となつたものは、現在福井地方裁判所に係属中の焼打ち事件をもつてして、和田一家を解散せしめたものではないかと解釈できるのであります。もしそうだといたしますならば、今私が申しました三鷹、平、松川、月鋼等の事件は、同一種類に属して、同一筋の処断を下すべきものだと考えられるのであります。この点に対する法務総裁の御意見を承りたいと思います。

[035]
法務総裁 殖田俊吉
和田一家の解散でありますが、お話のごとく武生裁判所の放火事件そのものを取上げているわけではないのであります。従来より数々の事実がたくさん上つておりますために、これが累積いたしまして処断を必要とすると考えたのであります。武生の放火事件だけを取上げたのでは決してございません。





昭和25年02月07日 参議院 地方行政委員会
[073]
委員長 岡本愛祐
次に警察に関する審議に移りまして、最近武生事件、福井の刑務所事件、米子の裁判所及び警察所の事件、それから弘前の裁判所の事件、いずれも放火又は放火か失火か分らない事件でありまして、これらにつきまして国警本部で調べられておる点の説明を願いたいと思います。

[074]
政府委員(国家地方警察本部部長(刑事部長)) 武藤文雄
先ず武生の裁判所放火事件から御説明申上げます。

昨年の9月20日に、武生市にございますところの福井地方裁判所武生支部、福井地方検察庁武生支部、この調査において、宿直員の小倉事務官補が宿直中に午前5時頃パチパチという音がして、それで目を覚ましまして庁内を見廻りましたところ、その地方裁判支部の事務所内が一面に真赤に燃えておつた。そこで驚きまして火事だ火事だと騒いで、続いて起きて来ましたところの加藤、高田両宿直員、それから伊藤判事、これらと一緒に消火に努めましたが、庁舎全部に火が拡がりまして、約1時間で庁舎100坪余、判事の住宅16坪半、これを焼き、裁判所、検察庁において保管中の事件記録、証拠品類等を殆んど焼失してしまつたという事件でございます。

又発火と同時に現場に急行しようとしました消防自動車は、何者かが途中配電線を切断して妨害してあつた。そのために現場に着くのが遅れて防火活動ができなかつたという事実がございます。

この調査は、国家警察と自治体警察の共同管轄区域であるというような点、又建物の方で検察庁も関係しておるというので、国警、自警、検察庁の三者の共同調査を実施することになつて、いろいろ原因の調査に当つて見ましたところが、失火の疑いは極めて薄い。そこで放火事件としての捜査を進めて参つたわけであります。遂に暴力団伊原一派及び和田組の子分の犯行と判明するに至り、これを検挙するに至つたわけであります。

放火の動機といたしましては、この事件の首謀者の伊原こと伊聖煕、これは元朝鮮人連盟の支部員であります。又暴力団の親分でありまして、昨春来傷害、公務執行妨害等で4回検挙されておりますが、検挙後は毎回直ちに保釈で出ております。保釈で出ては又犯罪をやつて検挙されておるというようなことをやつておつたわけで、審理未済のものが3件も残つておる。この記録がその裁判所で保管されている関係から、これを焼いてしまつて罪を逃がれようと考えまして、又昨年9月に朝連が解散になつたについての反感もあるというような点から、裁判所はその報告の出先機関であるというふうに考えまして、裁判所に放火してこれを焼こうということを考えたのであります。

そこで同じく新福井新聞という新聞を経営している者で、やはり恐喝で、保釈になつておりますところの武田太平という者に相談をして、武田もこれに賛成をし、更に遠縁に当るところの林好視というものに加盟を求めて、これらで事犯を進めて行つたわけでございます。この林も当時窃盗容疑で、保釈中でありました。自分の裁判記録を盗みに裁判所に侵入したこともあるというようなことでありましたので、直ちにこれに賛成をしてこれに加わつたわけであります。そこで親分の伊原は更に子分約8名を計画に参加させ、更にその子分であるところの卓東守という者でありますが、これは仲間の暴力団の和田一家の子分の山口外3名を加入さしてやりました。

犯行は9月20日午前5時と定めて、そして当日は被疑者が裁判所附近にあるところの伊原方に全員集合して、放火執行班、連絡班、見張班など担当を決めまして、一方消防自動車の妨害班を作つて人を配置する。そうして裁判所に侵入しまして、伊原方から持つて行つたところの缶と一升瓶に入れたところの軽油を裁判所の事務室内一面に撒布しました。それが伊原が火のついたものを室内に投げ入れて放火した事犯というわけであります。

又その直後でございます、確か10月の初旬であつたと思いますが、今立市の警察地区につきましても同じような事件がありました。この犯人は今申上げました林好視でありまして、放火の動機といたしましては、林が今立警察地区署に窃盗容疑で再三検挙されておるその怨み。それから窃盗事件に対する証拠を湮滅しようという同機で、この林らが今立地区署に又放火をやつております。

更に10月15日に福井刑務所の集団逃走計画があるという件が起りましたが、これは未遂に終つております。いろいろ集団して逃走する計画が進められておつたのですが、密告がありましてこれを防止したのであります。当時はこの事犯も前の放火事件と関係があるというふうにいろいろ取沙汰されたのでありますが、真相は直接関係はありませんし、又やや誇大にいろいろ伝わつた状況もありますし、そこで事犯は、かような状況で現在12名検挙して起訴になつておりまして、4名だけ逃走中で、引続き捜査を続けております。

この放火事件に関連していろいろ暴力団のことが言われておるのでありますが、その間の事情を若干申上げて見ますと、そこの武生の市警が和田一家の暴力団と非常に腐れ縁があるというようなことが取沙汰されておるのでありますが、その間の事情を申上げますと、前署長の野邊警視、これは人柄は非常にいい人だつた、併し酒が好きで職務に熱心とは言えなかつたと言われております。市当局とは余り関係が円満でなく、警察費の関係なんかでとかく衝突をしておつた事情があるようであります。こういつた衝突もあるということでつい段々と職務に対する熱意を失つて、常に辞意を漏らすというような事情にあつたようであります。現に放火事件のありました翌日に本人は辞職しております。かような署長でありますので、和田一家の暴力団の横行に対しては、やや熱意を欠き知らん振りをしておるという状況があつたようでありますが、さればと言つて特に親交が深かつたということはないようであります。

かような原因もありましたが、むしろ積極的な原因といたしましては、同市警の刑事課の方に刑事課長の重屋警部補という者がおります。この人は比較的刑事経験も浅いということで、その次席の巡査部長の言を容れて、犯罪捜査に和田一家の暴力団を利用しておつたということがあつたようであります。そういつた関係で自由に警察に和田組が出入りするというようなことがあつたようであります。例えて見れば和田一家の者が無銭飲食をしたと言つて、或いは飲食店組合の幹部に暴行傷害を加えた、金を喝取したというような事件もあつたようでありますが、署長としてこういう事件を積極的に取上げておらなかつたというようなこともあつたようであります。かようなことがありましたところにこの放火事件が起つたわけであります。

そこで合同捜査本部において積極的に調べ上げたのでありますが、そうすると調べておりますところの被疑者の中から、いろいろ漏した中に、事件当夜は警察の者と一緒に飲んでおつた。そうして酔つぱらつて帰つたから、放火できる筈がないというようなことを被疑者の1人が言を漏したのであります。併しその間の事情を調べて見たのでありますが、武生市警が、その前に県下で盗難検挙競争をやつたところが、それで二等賞になつておるのであります。そこで署長は部下の労を犒つて金一封を与え祝宴を開き、更に二次会をしておつたところが、和田親分、その子分らがその席上に現われて一緒に酒を飲んだというような事実はあつたようであります。又放火事件の捜査中に、捜査会議の内容がどうも洩れるというようなことがあつた。調べて見たところが、市警の或る者がいろいろ事情を通報しておつたという状況があつたというようなことであります。その間において警察として余り好ましくないようなことが潜在しておるように窺えます。以上が武生事件の概要であります。

米子の事件でありますが、昨年の9月13日午前3時頃米子市の米子検察庁表玄関から発火いたしまして、鳥取地方裁判所米子支部、米子簡易裁判所、米子家庭裁判所、鳥取法務局鳥取支部、高坂地方検察庁米子支部、米子検察庁、これが全部焼けてしまつた事件が起つたのであります。そこで火災発生と共に、米子市の自治体警察では、直ちに現場に赴きまして現場検証をすると共に、捜査本部をその支部に置いて捜査を開始いたしました。一方鳥取地検検事正以下検察庁の方々も見えて、検証に当つておつたのであります。すると出火点、発火点は鳥取地検米子支部庶務課附近、こういうことに認められましたので、そこを調べますと、電気コンロ2箇、すき焼鍋1箇、弁当3食分を発見した。又発見者の言を総合しますと、火は内の方から出て来た、内部から出て来て、相当広範囲に一斉に火になつたというような事情から、どうも失火の疑いが濃厚でありますから、これについて捜査を始めたのであります。ただ若干疑わしい点といたしましては、発見人の1人が、初め建物の外部、庇或いは芝生なんかが焼けていたというふうに言つておるものもあります。又火の気のないところから起つたんではないかと思われる節もある、それから火の廻りが非常に早かつたという点から、放火の疑いも考えられまするので、この方面からも調べている状況であります。現在引き続き捜査中で、これに関しては未だ結論が出ておりません。

次に弘前裁判所の放火事件であります。これは昨年の暮の12月31日の午前3時、青森地方裁判所弘前支部から発火をいたしまして、同支部を全焼し、続いて検察庁の、青森地方検察庁弘前支部に類焼して、午前4時30分に鎮火しました。これの原因についての捜査を始めたわけであります。当日の宿直員、それから火の発見者等についていろいろ取調べをしたのであります。当日の宿直員の同裁判所の雇葛西安治という者の当夜の行動について見ますると、宿直員でありながら積極的に消火に努めなかつた、方々うろついたり、又言動の上なんかにおいて不審の点がある、又この葛西という者は、以前業務上横領が発覚して、上司から非常に叱られておつたという事実もある、又本人は会計事務を担当しておつたが、その後こういうような横領事件があつてから左遷されておつたというので、反感を持つておつたという事実もありますので、これを逮捕して調べましたところ、犯行を自供しております。で、本人の自供によりますと、只今申上げたように、業務上横領事件が発覚して上司から非常に叱られた、そうして左遷をされたということに反感を持つて、裁判所を焼こうということを考えて、事務室の書類を集めて自分の机の引出しに詰めて、マツチで火をつけて現場を燃やしたということが分つたわけであります。

その次は滋賀県の森山町警察署の出火事件であります。これは本年の1月7日午前2時20分の事件でありまして、滋賀県の森山町警察署、これは昨年の8月に新築落成したばかであります。それが焼けました。書類等も皆焼いてしまつた事件であります。これは、当日宿直の責任者であるところの巡査部長大田定三、これは午後7時頃からかねて知り合いの料理屋に風呂を貰いに行つておつた、そうすると、やはり同じ署に勤務しておる今井巡査も来ておつたので、その巡査に対して、宿直の責任は自分が持つから、今夜は泊まるだけ泊つて呉れと頼んで、そこで今井巡査は一緒に風呂に入つて、それから宿直室に帰つて寝たのであります。ところがその後太田部長、さきに宿直を頼んだ巡査部長でありますが、大田部長は自分の家に帰る途中、食糧公団森山支部長に会つて、新年宴会に誘われた、そこで一緒にその土地のカフエーに行つて、先程宿直を頼んだ今井巡査、もう1人の宿直員の藤岡巡査、これを呼びまして、公団側の人と、それから女給らと一緒にそこで飲んだわけであります。ところが今井巡査は、大田部長から宿直を引受けているということを思い出しましたので、一旦署に帰りまして炬燵にあたつた。ところが馴染の女を思い出しましたわけで、炬燵をそのままにして出掛けて行つて一夜を明かして、その間に焼けてしまつた、こういうわけであります。失火罪を以て起訴いたしております。今井巡査その他署長以下の署員の処分はまだ決まつていないようであります。公安委員は全部辞職し、後任者が新らしく任務についておる、こういう状況であります。





昭和25年02月10日 衆議院 法務委員会
[001]
委員長 花村四郎
これより会議を開きます。

本日の日程は派遣委員より報告聴取の件であります。まず派遣委員より裏日本における福井、武生、米子各市及び福井県今立署等の裁判所または検察庁怪火事件調査の報告を願います。田嶋好文君。

[002]
民主自由党 田嶋好文
それでは私より、ただいま委員長からお話がありましたように、金沢刑務所、福井刑務支所集団逃走事件並びに福井県今立国家警察署の放火事件並びに福井地方裁判所、同地方検察庁武生支部の放火事件、鳥取地方裁判所、同地方検察庁の米子両支部の怪火事件等につきまして、先般法務委員会より田嶋好文、武藤嘉一、猪俣浩三、大西正男の4委員が調査のために派遣せられたのであります。この調査の結果をここに報告申し上げます。

まず調査団は1月の28日から翌月の2月の4日の間にわたりまして、今御報告を申し上げましたような地区の事件についてそれぞれ取調べをいたしました。福井県におきましては、証人といたしまして検事正以下15名、その他実地の検証等をいたしたのであります。米子におきましても検事正、裁判所長、市長等17名の証人を調べますと同時に、これも同様に現地につきまして実地の検証をいたしました。

まずその結果現われました事実については、鳥取米子支部の件から御報告を申し上げます。この米子支部の事件と申しますのは、いまだ捜査の継続中の事件でありまして、放火といたしましても犯人の検挙を見ておりませんし、検察当局におきましても、まだはつきりした結論を生み出し得ていないのであります。この事件は昭和24年の9月13日午前3時、鳥取検察庁米子支部の検事事務官室付近より出火いたしまして、裁判所と検察庁が全焼をいたした事件であります。当時出火現場の状況といたしましては、出火付近には検察庁の証拠品倉庫がありまして、その証拠品倉庫の中には、密輸入によりましてあがりました生ゴムが6、700貫と、その他の押収品、現金20万円が入つておつたそうであります。ちようど米子方面におきましては、夏期の終りでありました関係上、水道が渇水のために夜間は断水をしておつた。こういう状況になつております。その後これを中心といたしまして捜査が進められているのでありますが、捜査の方針は、検察庁と自治警察、国家警察が合議の上で、もつぱら検察庁に起つた火事であるからというので、米子自治警察が中心となつてやることに合議がまとまつておるそうであります。この合議のもとに警察は捜査方針を立てて今進めておるのでありますが、この捜査につきましては、当時から現在まで失火説と放火説が相わかれておるようであります。失火説を唱えておつたものは、自治警察の3分の1のものであり、放火説を唱えておつたものは、自治警察の3分の2のものだそうであります。

特に失火説を唱えましたのは、後に報告いたすのでありますが、不正事件であげられました永富部長というのが中心となりまして、盛んに失火説を唱え、部下を指揮して失火の材料拾集に当つておつたということであります。まず失火説の根拠となる点は、当時現場検証をいたしましたところが、出火の地点と思われる場所から、電気のこんろと鉄の鍋が出た。この電気のこんろと鉄のなべは、当時吉岡という雇が御飯を炊いておつたという事実がありますので、その電気こんろに鉄なべをかけ、御飯を炊いておつたとき、漏電のために出火を来たしたのだという意味にこれが解釈されて、失火説が立てられまして捜査が始まつたようであります。しかしその後の出火の捜査に対しましては、当時い合せました検察事務官の証言、その他電気こんろの実地検証、鉄なべの実地検証等によりまして、そこにおいて飯を炊いておつた事実がないということが、ほぼ明確になつて参りまして、失火としてもこの器具によつて出火したものではないということが確実視せられて来たようでありまして、漸次失火説は下火になつたばかりでなく、ほとんど失火説がなしになつておるというのが、現在の状況ではないかと報告できると思うのであります。

次に放火説でありますが、この放火説に対しましては相当な根拠があるようでありまして、放火説を立てるにつきましての資料を調べましたところが、こうした資料がわれわれの手元に集められたのであります。

先ほど申し上げましたように、火事が起りましたのは昭和24年9月13日でありますが、9月8日に、当時日本で騒がれましたあの朝鮮連盟の解散が行われております。その解散が行われるについて、この地区におきましては、相当に混乱が巻き起りまして、朝鮮連盟の解散に対しては、警察、県庁、検察庁、協力いたしましたが、解決に苦慮いたしておつたようであります。特に、苦慮したばかりでなく、警察並びに県庁は検察庁の梶川検事に応援を求められまして、当時検察庁の米子支部の支部長でありますところの梶川検事が、応援のために解散現場に乗りつけております。

ところがこの梶川検事に対しましては、日ごろ非常にこの人がやり手だというようなことで、朝鮮連盟も相当に反感を持つておつたらしく、梶川検事の顔を見るやいなや、朝鮮連盟の事実上の支配者であるところの某氏は梶川検事をにらみつけまして、いろいろと放言しておつた。こういう事実があがつているばかりでなく、委員長や副委員長は、必ずこのかたきはとつてやる、いまにこのかたきはとつてやると盛んにそこで豪語しておつたという事実があがつております。またこれがために裁判所、検察庁の焼打ちがあるといううわさが、米子にはもつぱら流布されまして、米子検察庁、裁判所はこの焼打ちに対処するために留守番を増しまして、これが監督を厳重にするというような手段もとつたようであります。

この手段がとられまして、もうこれでいいだろうということになりまして、解除いたしましたのが9月12日でありますが、監視の解除をいたしましたあくる日の13日にこの怪火が発生をいたしているわけであります。

また朝鮮連盟の解散とこの放火とにらみ合せて、こういう事実が言われているのでありますが、またその前後に、日本共産党の米子支部と朝鮮連盟との会合が市内の各所で頻々と行われております。特に先ほど申しましたところの朝鮮連盟の事実上の支配者であるところの某氏が、常にこの会合に顔を出しまして、いろいろとこの会合のあつせんをしているという事実がわかつております。なお、当時は共産党の事件がこの裁判所に2件繋属しておりまして、いずれもこの事件は相当もめて難航を来しておつた事実もわかつております。

また先ほど申しました朝鮮連盟の事実上の支配者であるところの某氏と最も懇意な間柄にありますところの朝鮮連盟の某氏は、梶川検事のために前後4回暴力行為であげられまして、この人の事件も相当むずかしい事件として、裁判所が手を焼いておつたようでありますが、遂に事実審理を終了いたしまして、放火のその日、13日に判決の言渡しがきまつておつたような事情も現われております。そうしてまたこの某氏の公判の日には、その某氏が朝鮮連盟の事実上の支配者であるところの某氏と連れだつて参りまして、公判に出席いたしまして、廊下におきまして梶川検事をにらみつけ、このうらみははらしてやるから覚えておれというような暴言を吐いたという事実も現われております。なお、この朝鮮連盟の事実上の支配者であるところの某氏の火災当日の行動として、捜査当局の言うところを聞きますと、相当に疑わしい、事件と関連があるとにらまれるところの行動が2、3あがつているのでありまして、これ等も放火の非常に重要な資料として捜査当局が握つているようであります。

[003]
委員長 花村四郎
運輸大臣が見えられておりますので、田嶋委員の報告は一時中止をいたしまして、鉄道公安官に関する問題につき、田嶋君より発言を求められておりますので、これを許します。田嶋好文君。



[033]
委員長 花村四郎
次に先ほどの田嶋委員の報告を続いてお願いいたします。

[034]
民主自由党 田嶋好文
それでは先ほどの続きを申し上げます。先ほど火災当日の行動は、非常にその放火と関係があるような事実があがつておるどいうところで打切つておきましたが、これに関連いたしまして、まことにいまわしいことでありますが、米子市警察におけるところの捜査の第一線に立つておりました刑事部長に、先ほどもちよつと名前を申し上げました永富というのがおりますが、この永富というのは、実に腐敗した警察官でありまして、常に市内の暴力団、窃盗団、博徒、朝鮮連盟の方々等と内通をいたして、検察庁なり警察が犯罪を検挙しようとした場合、この検挙に妨害を与えておつたという事実が現われておるのであります。この永富は遂にこうした事実が判明いたしまして、捜査の途中でありますところの10月の14日には人権蹂躙の容疑で検挙せられまして、現在人権蹂躙事件といたしまして、裁判に係属をいたしておるのであります。こういうようなことがありましたために、先ほどから申し上げましたところの事実がありながら、なかなか検挙するに困難を来し、捜査上も捜査の線が非常にむずかしかつたということがわかるのであります。

次にこの永富を検挙いたしました結果、暴力団や窃盜団や博徒、朝鮮連盟等の活動状況が、妨害者がいなくなつたのでわかりやすくなりまして、市の警察、検察当局では、協力の上、遂にこれらの分子に対する一斉検挙を行使いたしたのでありますが、その中に元市の刑事をしておりました某というのがおりまして、これが窃盜の親分格となつて、臓物の一手引受けをやつておつたという行動があがつたのでありますが、この某が、先ほどから申し上げおりますところの朝鮮連盟の実質上の支配者である某氏が、自分の知る範囲においては火をつけたのであるという証言を、はつきりいたしておるのでありますが、それ以上追究いたしますと、どうも自分の生命があぶなくなるから、これ以上は追究してもらつては困るということで、ただつけたという事実だけを証言いたしまして、こまかい事実は証言を拒んでおるそうであります。これらも、この事件を放火とする上において非常に有力な資料となつておるものと考えます。

また米子地区には、御存じのように朝鮮人がたくさん居住いたしまして、鳥取県下には朝鮮人が3000名いるのでありますが、この3000名のうち3分の2が米子を中心として生活しておる。しかも米子市にはそのうちの600名が居住しておるというような分布状況になり、またこの米子地区を中心といたしまして、ほとんど手放しといつてもよいくらいの状況におきまして、朝鮮と日本との間に密貿易、密入国が行われておるという事実も現われております。

次にこの米子地方におきましては、裁判所、検察庁の火災ということばかりではなく、本年1月8日に米子の保健所が全焼いたしておりますし、またわれわれの調査に向いましたところの前の日、本年1月30日には、食糧公団の米子支所から出火いたしまして全焼いたし、これもまだ犯人がわからない。こういうふうに公共建物の火災という、ものが継続的に起つておりまして、この公共建物の火災というのは、失火と見るよりも、継続的に起つておる関係上放火ということを裏づける証拠になるものと存ずるのであります。右の事実のほかに、たまたま鳥取の検察庁の米子支部の庶務課長に正木というのがおるのでありますが、これは昭和23年12月26日に、公金20数万円を窃盜して、現金公金1万円を横領したというかどで裁判になりまして、この裁判が火災当時の裁判所に係属いたしております。またこの正木庶務課長と先ほどから申しておりますところの朝鮮連盟の実質上の支配者であるところの某氏とは、日ごろから非常に懇意につき合つておつたのであります。このように放火と認めるところの資料につきましては、事実があがつておりまして、われわれといたしましても、この事実等を総合いたしますと、この事件は失火でなくして、どうしても放火と見なければならないような気がいたすのであります。

それではこの事件が多数の日月を費しながら、なぜ検挙されないかと申しますと、まことに遺憾なのでありますが、米子地方におきますところの警察と検察庁の問題、保安庁の問題等も一応調査団といたしましては報告する義務があるかのように考えられます。米子の自治警察は、先ほども少し触れたのでありますが、刑事部長に永富という男がありまして、これが地方の窃盜団、暴力団、博徒、朝鮮連盟等々と内通しておりました事実をもつてもわかりますように、まことに一部の人間には腐敗があるのでありまして、遺憾ながら放火当時には、この腐敗が是正されてなかつた。だからして公安委員会の威令等も必然的に行われず、公安委員、自治警察を通じまして、まことに遺憾な状態が見受けられるのであります。

しからば国家警察はどうであるかと申しますと、国家警察は内部的には腐敗の事実はなかつたようでありますが、国家警察と自治警察がわかれました当初から、どうも人員の配置問題、設備の利用問題等から感情に齟齬を来しまして、以後自治警察と国家警察との間に協力態勢というものが確立されていなかつたという事実が認められるのであります。

検察庁はどうであつたかと申しますと、検察庁は前支部長でありますところの角田検事当時には、とかくその個人的行動に対しまして市民の批評があり、芳ばしからざるうわさも立つたようでありますが、新しく赴任されました梶川検事は非常に明朗にして手腕家で、事務をよく遂行する方とだれにも言われておりまして、私どもお会いいたしましたが、その点が認められるのであります。梶川検事の赴任以来相当検挙件数もあり、相当に事務的な方面も整理されたようでありますが、やはりこれにも遺憾ながら自治警察等の内部と同じように、事務官の一部に、先ほど申し上げましたように不正が現われておりまして、いまだその関係が全面的に是正されたかどうかということに対しましては、一応の疑問がなければならないのであります。そういうような関係からいたしまして、事件当時におきましては、検察庁と自治警察、国家警察の密接なる協力態勢というものが確立をされていなかつた、これも欠いていると認めざるを得ません。

海上保安に至りましては、まつたく手放しで密貿易を許しておるような状態でありまして、協力しなければならない海上保安と自治警察、国家警察との間の協力も全然できておりません。こういうような協力態勢を欠いておるという大きな事実があるために、前述いたしました放火と認められるところの証拠がありながら、いまだ検挙に至らないという遺憾な状態があるものとわれわれは考えなければならないのであります。以上が米子地方を調査いたしましたところの調査団の報告の事実であります。

次に金沢刑務所、福井刑務所の集団逃走事件につきまして、御報告を申し上げます。この集団逃走事件は、当時福井市におきましては、相当やかましく言われまして、人心を撹乱したところの事件でありますが、その事件の内容として当時言われた事柄はこういうようなことであります。福井の刑務所に収容せられております男に窪田暹というのがおりますが、この窪田暹という男は前科数犯、しかもこの前科は傷害、恐喝というような前科が数犯あるのでありまして、現在も恐喝のために1年半の懲役刑を受けまして服罪いたしております。この男の身分関係はと申しますと、今福井県下で一番大きな暴力団の親分として言われておる団体に津一家というのがありまして、これは津原某が主宰しておるようでありますが、窪田はその津原の兄弟分に当つております。この窪田が主謀者となりまして、当時福井刑務所に収容をせられておりました、既決囚ではございません被告を中心といたしまして、集団逃走の計画が樹立されたということであります。

集団逃走の計画をいたしました連中は、常に刑務所内の休憩遊戯場を利用し、また書信場を利用いたしまして、放火につきましての打合せを行つておつたようであります。この放火についての打合せが一応完了いたしますや、彼らは昨年の10月16日を期しまして、窪田が外部の団体と連絡をいたし、外部からはピストルをもつてこれが応援に当つた。内部の者はこれに呼応して房を破壊いたしまして、集団行動をもつて、監視等に暴力を加えてその抵抗をはばみ、刑務所に放火をいたしますと同時に、全員が火の中をくぐつて逃走するという計画があるものといわれておつたのであります。

この事実を確めるがために、私たちは窪田を中心にいたしましていろいろと調査いたしましたが、その調査の結果こういうような事実が判明いたしました。窪田は刑務所に入つております共産党員であるところの千震昊、新田某という連中と、運動場におきましてしばしば面接をして、何か話をしていたばかりでなく、窪田は共産党入党を勧められたような事実もあるばかりでなく、共産党入党の決意をいたしまして、これが手続をする必要も考えられるのでありますが、共産党の福井地区委員でありますところの小林義親という者に刑務所から書面を出しまして、小林義親を呼びまして、9月の12日に小林と窪田が面接をいたしておるのであります。面接の問答はあとで御報告申し上げます。

なお窪田は先ほど申し上げましたように、津一家の兄弟分であります関係上、その16日を中心といたしまして、津一家の連中とひんぴんとして面接が行われております。まず津の親分でありますところの津原が窪田のところに今まで来ていなかつたのに、その日を中心といたしまして2回面会をいたしております。津原の妻も面会をいたしております。また先ほど法務総裁から団体等規正令に触れるものとして解散を受けた和田組というのが武生にあるのでありますが、この和田組の主宰者和田が同様窪田に面会をいたしまして、いろいろと話をいたしておる事実も上つております。和田ばかりでなく、津の一家に伊加賀その他暴力団の一方の親分があるのでありますが、これらも放火の日を中心にして窪田に面接しておる。今まで面接の少かつた窪田が、その日を中心にして津一家の暴力団とひんぴんとして連絡がとられておつた。どういう話が行われたかわかりませんが、連絡話合いが行われておつた。こういう事実が現われておるのであります。

また窪田は朝鮮連盟に属しておりますところの共産党員である千震昊、それからこれは共産党員でないのでありますが、洪成杓、それから林銀洙というような人間とは、この刑務所の中においてしばしば交渉が行われ、連絡がとられておつた事実が調査の結果わかりました。この事実のみによりましては、やはり先ほど言われましたところの集団放火逃走というような、まだ裁判となるべき資料は現われておりませんので、検察当局といたしましても、放火等の嫌疑に対する起訴はできなかつたものと見えまして、一応はつきりした事実のもとに、これらの事件は福井刑務所の集団逃走未遂事件といたしまして起訴をされておるようであります。その人たちは窪田の指図に従つたというところの茂住金太郎、森川國夫、朝鮮人の林銀洙、岩本政一、橋本稔、正木安夫、藤井澄太というような人間になつております。

起訴状の事実は、その被告人等はいずれも福井刑務所に勾留中の未決または既決の囚人であるが、共謀の上昭和24年10月14日夜12時を期し、同所から逃走することを企て、被告人茂住金太郎が竹製のはし、または帯皮の金具、金属破片等を使用して、第1舎未決房第14房の表壁の一部を破損したのが発覚し、その目的を遂げなかつたものであるという事実になつております。こういうようなはつきりした事実で現在裁判が係属いたしておりますが、その他の事実につきましては、いまだ捜査当局において捜査中とわれわれは報告を受けました。以上が福井刑務所の集団逃走事件の報告すべき事実であります。

次に福井県の今立国家警察署の放火事件でありますが、これは先般武生裁判所、検察庁の放火事件で検挙せられまして、唯一の自白者であり、有力なる放火の被告人の1人に林好視というのがおりましたことは、この前報告した通りであります。この林好視が武生同様に今立国家警察署にも放火をしたという自白をいたしておりまして、これ1人が放火犯人として現在裁判になつております。だが今立国家警察署の放火は、事務室の廊下に火をつけておりまして、この廊下の火つけは1箇所でなく、2箇所に同時に火をつけております。しかもこの火つけはまきを持つて参りまして、そのまきにガソリン様の液体をぶつかけてそうして火をつけておりまして、しかもこの事務所は1階でなく、2階の事務所に火をつけておるのでありますから、これを運搬するためには、はたして1人で可能なりやいなやという疑問が起つて参ります。また2階でございますから、どうしても上つて行くためにははしごをかけなければなりません。はしごをかけて行くとすれば、はしごを上つて行くのに、火つけのまきの束を持つて、ガソリンを入れた一升ビンを下げて、はたして2箇所に放火ができるかどうかという、常識では判断することのできない事実がありますので、この事実と、林1人でやつたという林の言い分とはくつつかない点が多分に出て参りまして、林1人というので現在林1人が裁判になつておりますが、これも捜査当局におきましては、林1人じやないのじやないかというような疑いを持ちまして、いまだ捜査は継続中であると承つております。これが今立国家警察署における放火事件の簡単な報告でございます。

最後に武生の問題でありますが、これは先般詳しく御報告申し上げましたので、詳しい報告は今回は一応省略させていただきますが、われわれ調査団が武生に乗り込みました当時、武生においては青年団、婦人会が中心になりまして、市長、市会議員に対するリコール問題が持ち上つておりました。私たちはこれを非常に興味深く眺めますと同時に、その真相をただしたのでありますが、このリコールは非常にまじめな分子がまじめに行われたということを確認するに至りました。しかもこのリコールは、われわれ国会の調査員が武生に参りまして、その調査をいたしました結果がこの国会で報告されると同時に、新聞社の御協力を得まして武生市民、日本全国に伝えられ、ためにここに籍を持つところの青年男女はこのボス政治を退治いたしますと同時に、武生から暴力団的勢力を駆逐して、明朗な民主政治を確立するために蹶起したという事実も現われて参りました。調査団の調査の結論がここまで生れましたことを、われわれは喜んだ次第であります。これもひとえに調査団のみでなく、新しい国をつくるがために、日本全国に盛り上つております民主政治実現のための国民の熱意の現われとして、われわれは日本が徐々ながら明るい面に向いつつあることを感じまして、この国民の傾向に対して敬意を表しますと同時に、こうした国政調査に国会が乗り出して、検察当局や警察の手の届かない点に対して、乱れたるところの治安を回復する意味において、大いに努めなければならぬという確信を深めた次第でございます。

以上が調査をいたしました事実の内容でございます。調査団としてはこれを要するに今の報告で皆さんにも御了解を得たかと思いますが、この4つの事件は切り離して考えられる点もあるが――地域的には切り離されておるにかかわらず、内容的には切り離して考えられないところの相関性があるという点を重視するものであります。その相関性と申しますのは、まことに遺憾なことで言いにくいことでありますが、こうした事件の捜査にあたりましては、事件に関係があるかないかは別問題として、いつも捜査線上に某政党某解散団体が浮んで参るということであります。

またこれは相当重大視されなければならぬことでありますが、この事件を追究して参りますと、副産物として、第2にはその地区の自治警察の腐敗ということが正面に出て参る。また私たち相接関係のある官庁でありまして、非常に言いにくいことであり、まことに遺憾なことでありますが、それに付随して、その地区に駐在するところの検察事務官の腐敗ということが、その前後に現われて来る。また自治警察と暴力団のつながり、自治警察と不良分子のつながりといういうことがどの事件にも現われて来る。こうしたことは地域的に離れておりながら、この事件全体を通じて類似的なものとして見なければならないところの一つの関連性を持つ事件であるということであります。こういうような調査団の結論的なものからいたしまして、私はここにまた政府の方も御出席でございますから、政府に一言を申し上げたいのでありますが、どうしてもこうした事件を断たなければ、日本の民主化ははかれないのでありまして、こうした事件を断つための方法を真剣に検討しなければならないのであります。

その検討をするにつきまして、第1に考えていただかなければならないことは、検察庁と国家警察と自治警察の三者の協力関係というものができてない。従つてこれらの事件をなくするためには、検察庁と国家警察と自治警察の三者の協力態勢を強化しなければならぬ。もし必要があるなれば、この協力態勢に対する立法的な処置も考慮する必要があるんじやないかということが考えられます。

第2は小都市におきますところの自治警察というものは、いまだ民主的な態勢がととのえられておらないきらいがあるのでありまして、常にボスや暴力団との悪因縁が断ち切られておりません。常に悪因縁がありまして、いまだこの関係が断ち切られておりませんので、どうしても検察力、警察力強化のためには、特に小都市における自治警察のボスと暴力団との悪因縁を断つという何らか強い方途を講じなければならないということが考えられます。

第3は、どこにもあることでありますが、警察が国家警察と自治警察に分離いたしまして、そのときの人員の配置とか、設備の利用問題で両者の感情の行き違いが生れておつたのでありますが、この感情の行き違いというものはいまだ直りきれない。いまだ国家警察と自治警察との間には感情の行き違いが介在をいたしまして、これがために非常に治安の確保に憂慮すべき点がありますので、この感情の行き違いを一日も早く是正すると同時に、装備におきましても、厚生施設におきましても、待遇の問題にいたしましても、人事の交流にいたしましても、私は双方を平等の立場に立たして、不均衡を是正するという方面に、国家としては思い切つた態度をとらなければならぬじやないか、こういうように第3の点として言つてみたいのであります。

第4は、裏日本の問題でありますが、裏日本におきましては、こうした調査で事実がわかりましたように、常に事件の主謀者というものに、遺憾でありますが朝鮮人が含まれております。事件の主謀者に朝鮮人が含まれるということは、朝鮮人問題に対する対策というものが、治安にとりまして大事であるということが言われると思うのであります。つきましては、この問題を解決するためには、日本国家として不法入国、密貿易の取締りを今よりもつと強化する必要がある。今のままの手放し的な不法入国に対する方途、密貿易に対する方途では、とうてい裏日本の治安は確保されない。裏日本の治安を確保するためには、ぜひともこの点を強く政府がお取上げになられまして、これに対する十分なる対策を必要とする、こう考えるのであります。

以上が調査団の調査いたしました結論から生れまするところの、政府当局に対する私たちの主張であります。以上をもちまして今回の調査の報告といたします。

[035]
委員長 花村四郎
この問題に対して何か御発言がありませんか。――なければ武生等の派遣委員の報告はこれをもつて打切ります。





昭和25年02月16日 衆議院 法務委員会
[038]
民主自由党 田嶋好文
外国人の登録問題はそれくらいにいたしまして、これも私たちが先般調査をいたしたことについての質問でありますが、先般法務委員会から武生検察庁、裁判所の放火事件の調査をいたしまして、住民諸君、県民諸君の反響を相当呼んだようでありますが、その後この放火事件に対する裁判が進行するにつれまして、いろいろと裁判の進行に妨害を与えておる事実があるかのように承つております。

実は2月11日付の朝日新聞の記事を読んで見ますと、こういう記事が出ております。「武生放火事件については既に2回にわたる衆院法務委員会調査団の現地調査で背後に暴力団があるとの結論に達しているが最近同公判が進むにつれ、背後から直接、間接に審理を妨害する傾向が現われて来た、その1、2の例として今年に入つてから公判廷でただ1人集団放火を認めている林好視の実家(福井県今立郡河和田村)にマスクで顔を隠した3人の男が別々に訪れ、家族に「金に困つていないか、相談ごとがあれば遠慮なく申出てほしい」ともちかけ、一方林が留置されている今立地区署へは何者かが差入屋を通じて連日ぜいたくな食事の差入れをしている、また召喚されている証人宅へは検察事務官と称するものが現われ、暗に威嚇する態度に出ている、このため最近証人の欠席が目立ち、9日の第14回公判にも召喚した証人8名のうち4名が欠席した、しかも証人の証言のほとんどが起訴前の判事尋問をくつがえしており、9日一部傍聴人が福井地検須賀検事に「傍聴席から証人を監視しているものがいる、あれでは証人が気の毒だ、検察庁が保護すべきだ」と申入れた」こういうようなまことに驚くべき記事まで載つておるのでありますが、その後この事件を中心とした事柄につきまして、法務府で御調査をなさつたことがありますか、またこうした新聞記事の内容につきまして御調査なさつたことがありましようか。われわれといたしましても現地調査をいたしました関係上、こういうことがあるとすれば十分な対策も考えなければならないと思つたことがありますので、一応これらの点について質問を申し上げたいと思います。

[039]
政府委員(刑政長官) 佐藤藤佐
裏日本の暴力団の動向につきまして、法務委員会の方で特別に御調査になりましたので、法務当局といたしましても重大な関心を持つて調査いたしておるのであります。お尋ねの武生の放火事件の公判進行につきましては、新聞に報道されておるような事実についてはまだ何らの報告もございませんので、至急紹介いたして調べてみたいと思つております。

[040]
民主自由党 田嶋好文
やはりこれと関係いたすのでありますが、武生の暴力団といたしまして、和田一家というものを法務庁が解散させております。そのほか私たちの調査によりますと、福井県を中心にして幾多の和田と同種類の暴力を用いる分子があると思うのでありますが、この分子に対する調査というものは法務府では進んでおりましようか、また調査の上その事実が現われておりますれば、これに対していかような対策をお考えになつておるか、お伺いいたしたいと思います。

[041]
政府委員(刑政長官) 佐藤藤佐
和田一家の解散のほかに、ほかの団体においても団体等規正令の適用を受くべきものがあるかどうか、目下特別審査局の方で調べておりますけれども、ここでお話申し上げる程度にまだ到達いたしておらぬ状態であります。





昭和25年02月21日 参議院 地方行政委員会
[040]
委員長 岡本愛祐
外に御質問ございませんか――じや、もう1点、両大臣がおられますから伺いますが、先程私から吉田総理大臣にも質問したのですが、今警察で癌といいますのは、何としても縦の連絡、横の連絡が取れないこと、殊に自治体警察の中の弱小のもの、小さい市町村に置かれた自治体警察、これが実力もなければ、又宿命的に非常に堕落し易いのであります。新聞に毎日のように現われておりますが、それを私の方の委員会で調査をいたしてみますると、誠に情ない有様で、武生の裁判所の放火事件、これなんかは朝鮮人やテキ屋の親方やら、そういうものと自治警察の方の署長以下とも関係がありますし、又法務府といいますか、検察庁の方とも関係があるのです。

それから又滋賀県の守山町の自治体警察が焼けた、これなんか実にひどいのでありまして、この書類にも詳しく書いて置きましたが、当番の巡査部長が情婦の所へ入り込んでいるところに火事が起つて焼けてしまつた。

そういうような事件、それから高知県の安芸郡の室戸町の警察署の汚職事件、これは統制物資の販売者と自治体警察の署長以下が醜関係があつた。それを署員から告発されたという事件であります。

それと同じようなのが、やはり広島県の上蒲刈島村という所にも同じような事件があります。

又最近栃木県の塩谷郡喜連川町の警察署に紛争事件が起りました。これもそこのボスと署長の馴合の事件であります。

こういうような、問題が非常に発生しております。これはどうしても私は弱小自治体警察というものは廃止しなければいけないというふうに思うのです。それで自治体警察全部を廃止するのでなくて、3万以下とか5万以下とかは廃止をして、人員の半分は大きな自治体で大阪とか、神戸とか、或いは北九州の町とか、人口が急激に殖えて行きつつある所に、半分は廻してやる。その半分は国家警察の要員に入れるというようなことは、これは何も国際情勢を顧慮するとかそういうことでなくて、日本の自主性においてできる問題でなかろうか、こういうふうに考えるのですが、こういうようなことについての御意見と、それから裁判所や検察庁はこの頃随分焼けます。方々で焼けまして、それは今言つた武生のみならず、米子の裁判所、検察庁が焼けてしまう。これは昨年でしたか、それから今立地区の警察署も焼けてしまつた。それから福井県の刑務所が放火未遂で終りましたが逃走した。弘前の裁判所に放火があつて焼けてまつた。こういうような裁判所、検察庁の火災というものは頻々と起つている、こういうことについてどういうふうに法務総裁はお考えになつておられるか、そういうようなことについて伺いたいと思います。

[041]
法務総裁 殖田俊吉
警察に関しましては、樋貝国務大臣から具体的なお話があると思います。大体におきまして私は先程総理の答弁されました線で行くよりいたし方がないと思います。只今お話の各地に、殊に裁判所、検察庁に火事が頻々に起りますことは誠に遺憾であります。私もどうしてこれを防御するかということについて実は肝胆を砕いておるのでありまして、皆んなと相談いたしておりますが、これを泊り場も増しまして夜警を厳命にするということも限度のあることでありまして、要は外部から来るものはこれは社会全体の情勢でいたし方ありませんが、内部のいろいろな問題から起りますものも可なりあります。これは私は綱紀が緩んでおるとこう考えております。これは私の責任でありますから、何とかして綱紀も粛正いたしたい、しきりに実は訓令を発し、手を尽しておるような次第であります。然るに拘わらず幾つもああいう事態が起りますことは誠に申訳ないことと思います。併し今一層緊張いたしまして、十分に綱紀を正しまして、そうしてかような不祥事件のないように努力をいたしたいと考えております。若し具体的に何かいい方法があればそれを採用いたすつもりであります。