韓国の密漁

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昭和55年03月06日 衆議院 予算委員会第四分科会
[411]
公明党 吉井光照
まず、去る2月15日に鹿島沖でソ連船が領海侵犯で拿捕されております。その他台湾漁船によるところのサンゴの密漁事件、またソ連のトロール船団が銚子沖にあらわれてきた、また韓国船が北海道方面、中国の漁船団が対馬南西にと、いわゆる隣接各国の侵犯問題を初めとするこうした事例がきわめて顕著になりつつあるわけでございますが、最近のこうしたトラブルの傾向性また内容について、ここ1年間ぐらいの統計で結構ですからお教え願いたいと思います。

[412]
政府委員(水産庁長官) 今村宣夫
現在、日本の周辺海域におきましては、御指摘のように韓国、ソ連、台湾等の漁船が操業いたしておるわけでございますが、その中で特に問題とされますのは、一つは韓国漁船でございます。

北海道周辺において韓国の大型トロール船が21隻、常時21隻おるわけではございませんけれども、21隻がわが国の国内規制を遵守せずに操業いたしておりますために、沿岸漁業の漁具被害が増加いたしておると同時に、スケトウダラ等の底魚類の資源に悪影響を及ぼしておるということが懸念されておるわけでございます。

また、韓国トロール船が山陰沖、京都、福井沖等においても操業いたしておりまして、シイラづけ等の漁具に被害を与えております。54年度の被害額で見ますと、県報告によりますれば、約7000万円に達しておるわけでございますが、同時にまた日本の底びき漁業との漁場競合問題が生じておるわけでございます。

それから最近、台湾のサンゴ漁船が、53年までは沖縄、奄美諸島周辺で操業いたしておったのでございますけれども、九州の南部あるいは男女群島、高知沖、小笠原諸島周辺でも操業するようになりまして、資源に対する悪影響あるいはまたわが国の沿岸漁業との漁場競合が生じておるわけでございます。台湾のサンゴ漁業によりまして直ちに漁具被害がどうだこうだということはございませんが、わが国の領海内での不法操業を生ずることが多いわけでございます。

また、中国漁船、ソ連漁船については、現在特段の問題を生じていることはございませんが、これらの点につきましても、トラブルが生じないようになお十分努力をする必要があるというふうに考えております。





昭和56年02月28日 衆議院 予算委員会第四分科会
[108]
日本社会党(社会民主党) 中村重光
それから、密漁船対策ですね。国内の密漁船と韓国の密漁船、これで対馬なんかではシイラづけであるとか、あるいは根つき漁業が根こそぎやられてしまう、これは海上保安庁も監視船、巡視船といったようなことでいろいろやっておるようですけれども、何せ夜のことですからどうにもならないんですね。特に力を入れてほしいと思います。

それから、できるだけゆっくりまとめて言いますけれども、韓国の漁船は集魚灯の規制がないのです。大きい集魚灯をたくのですね。魚が集まるのです。日本の場合は集魚灯に規制をするといったようなことで魚が集まらないというので太刀打ちができないというような状態にあるわけです。これを少し緩和する必要があるのではないか。それらの弊害も、問題点もいろいろまた出てくるんだろうと思うのですけれども、考えないと、これは本当に漁民としてはたまらないのですよ。韓国の集魚灯が大きいものだから、何とかしてくれという悲鳴を上げたいというような気持ちです。

それから、油の値上がりでこれまた韓国と太刀打ちできないんですね。韓国は助成措置を講じておりまして、油の値段が日本の半分ぐらいで、漁民に対して供給しているんです。だからこれまた何とか助成措置を講じてくれというのも無理からぬことだと私は思っています。





昭和58年02月22日 衆議院 予算委員会
[185]
日本社会党(社会民主党) 岡田利春
時間がありませんから余り私、説明しなくてもいいと思うのですが、ことしに入ってから韓国漁船の操業で違反操業がすでに起きているわけです。同時にまた卵だけを抜き出して魚体を捨てる、80数トンのものが逆に日本の漁船の網にかかってくる、こういう事態も発生いたしているわけです。これはゆゆしき問題だと思いますね。前にも私が指摘をしましたように、スケトウ以外のイカ漁業等については大型の漁船でやっておる。しかも、これはイカの流し網だけでも33社、66隻が来ている。イカ一本釣りでは14社、34隻だ。こういう状況なんですね。こういう状況が放置をされておったのでは日本の資源というものは枯渇する一方だと、こう思うのです。

そういう意味で、こういう違反事実が起きた場合にどう対応されているのか。同時に、やはり韓国漁船の操業には従来の協定ではもはや対処できない段階に来ている、こう思うのですね。西日本の方も、長崎漁組とかあるいは熊本の漁組、これらの漁組は、200海里をしけという声が南の方からも出ているわけです。石川県の漁組はまだ反対だそうでありますけれども、いずれにしても合意が形成されつつあるのではないかという感じがするわけですね。したがって、11月の期限が来た場合には、南北問題と、こう言われておりましたけれども、沿岸漁民という立場から見ればこれはもう捨てておけない問題だ。そういう意味では、200海里施行の方向でやはり問題の解決に当たらなければならぬのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

[186]
農林水産大臣 金子岩三
襟裳以西、それから長崎、九州に至るまで、最近韓国の底びき網漁船は大変密漁をやって、みんな関係の漁民が困っておるわけでございます。最近の取り締まりの状況、その後のそれに対する対応等について、長官からちょっと内容を御説明申し上げます。

[187]
政府委員(水産庁長官) 松浦昭
お答えをいたします。

北海道の沖におきます韓国漁船の操業につきましては、昭和55年の11月に、両国の政府間の話し合いの結果、一定の自主規制を行うようにいたしたことは先生御承知のとおりでございます。この規制は比較的よく守られておったわけでございますが、昨年末から本年1月にかけまして、韓国漁船が襟裳岬以西の海域の禁止区域内で違反操業を行う、あるいはわが国の取り締まり船に対しまして毎日正午の位置通報をすることになっておりましたけれども、昨年12月26日から本年1月18日までこれを行わないといったような事態、あるいは両国民間団体間の取り決めに基づきまして、わが国からの沿岸漁業の漁具設置通報を受け取ることになっておりましたが、昨年12月26日から本年1月13日までこれを受信しようとしないといったような事態がございました。

また、取り決めにはございませんが、ただいま先生御指摘のような、いわゆるスケトウダラの子だけをとって身の方は海中に投棄するといったような事態があったやに聞いております。

水産庁といたしましては、このような問題につきまして、外交ルートを通じまして繰り返し韓国水産庁に対しまして規制の徹底、遵守方を指導するように強く申し入れまして、韓国政府の方もこれを受けまして向こうの業界を指導いたしました結果、現在はこのような違反がなくなっているという状況でございます。現時点におきましても、なお問題が起こらないように、水産庁としましては3隻の監視船をこの水域に張りつけておりますし、また海上保安庁の巡視船あるいは北海道庁の監視船といったような船もお願いをいたしまして、合計8隻でこの水域の紛争の防止ということに当たっておりまして、現在は静穏に推移しております。

それから、西日本における韓国漁船の違反操業の実態でございますが、この点につきましては、御案内のように、西日本周辺水域におきまして、日韓漁業協定の合意議事録に基づきまして、韓国政府は韓国の底びき網漁船がわが国の底びき網漁業禁止区域で操業しないように必要な措置をとるということになっておるわけでございますが、長崎県の北部、特にここがひどいわけでございますけれども、そのほか山陰その他におきまして沖合い底びき網の禁止区域で違反操業を繰り返しているという状況でございます。

水産庁といたしましては、海上保安庁とも協力いたしまして取り締まり船を重点配置するといったようなこともやってまいりましたが、同時に、韓国政府に対しまして繰り返し外交ルートを通じまして違反防止方をお願いをするといったようなことのみならず、韓国の監視船を派遣してもらうということをやりまして適切な措置をとりました結果、依然として違反がときどきございますけれども、現在は比較的静穏に推移しているという状況でございます。私どもといたしましては、韓国政府と十分にこの点について話し合いをいたしまして、特に自主規制につきましては本年10月に切れるということになっておりますので、この北海道周辺海域の漁業資源の適正な保護あるいはわが国漁船との操業上のトラブル防止といったようなことで、韓国政府と十分話し合っていくという態勢をとってまいりたいというように考えている次第でございます。





昭和58年03月04日 衆議院 予算委員会第五分科会
[241]
日本社会党(社会民主党) 池端清一
大臣、この問題は実に長い歴史的な経過を経て今日に至っておるわけであります。先ほどもお話がありましたように、昭和55年11月から日韓政府間暫定措置が実施されたわけでありますが、これまでに至る間、漁民の皆さんの血のにじむような御苦労があったわけであります。昭和46年以来、韓国漁船の無謀操業によって実に7億5000万円にも及ぶ漁具被害がございました。そういう塗炭の苦しみの中からこの措置が生まれてきたわけでありますが、それにしても、10年間という長い年月を要してようやく55年11月から実施された、こういうことになっておるわけであります。しかし、現実はどうか。ただいまも御答弁がありましたように、依然として無謀、無秩序、協定違反の操業が続出している、こういう現状でございます。そればかりではなく、先ほど長官も言われましたように、国内124トン型オッタートロール規制ラインの内側において、一部海域においては操業している、そして漁業資源に甚大な影響を与えておりますし、特に日本海武蔵堆海域には周年、集中的に韓国漁船が張りついておって、このために資源は全く枯渇、漁場は荒廃をする、こういう状況が出ております。したがって、タラ漁船が全船休漁で、ホッケ刺し網、スケソウ刺し網もほとんど漁業としては成り立たない。減船や再編整備をせざるを得ないという状況に追い込まれているというのが今日の実情でございます。

さらに新たな問題としては、国内漁船は、イカ流し網漁業が禁止されております太平洋沿岸海域に、韓国のイカ流し網等漁船がこれまた集団操業を続け、そのための漁具被害も大きくなっておる、多発しておるという状況でございます。わが国が禁止している漁法によって韓国漁船が操業をする、そして漁具を荒らし、資源を荒らしても、現状では何らの規制がない、これが今日の状況です。

このように例を挙げれば切りがございませんが、こんなことを許しておいていいはずはないのであります。したがって、私は大臣の決断を求めたいわけでありますが、本年10月暫定措置の期限切れ、こういう機会を迎えます。この機会に、韓国漁船に対しても200海里を適用し、資源の保護と操業の安全確保に努めるべきだ、こういうふうに私は思うのでありますが、大臣の率直な見解を承りたいと思うのであります。

[242]
農林水産大臣 金子岩三
ただいまの池端委員の御意見は私もよく承っておることでございます。韓国のやり方がむちゃくちゃなんでございまして、そういうことでもしなければどうにもならないなという感じでおりますけれども、この国の漁民の意欲と申しますか、そのむちゃくちゃな態度は、仮に200海里を日本が実施しても、一方的に200海里を侵して、こちらの方は向こうの方には入っていかないということで、全く日本が不利な状態になるのではないかという心配もあるわけですね。

したがって、いまのところはやはり強力な外交交渉によって、韓国政府にひとつ十分反省をしてもらい、強い漁民の指導をしていただく方が賢明ではなかろうか。大体向こうでも、日本が強く出ると、多少その時点では西の方の違反船は非常に少なくなるわけですね。少しこちらが手元を緩めた状態になりますと、わっと押しかけてくるというような状態でございますから、外務省は当然のことですが、水産庁も海上保安庁も、関係の省庁がここ当分は全力を挙げて、この韓国の密漁船をひとつ厳しく取り締まる、こういう態度に出て、そして様子を見ることがいいのではないか、このように考えております。





昭和58年03月23日 参議院 農林水産委員会
[127]
日本社会党(社会民主党) 川村清一
そこで、金子大臣、大臣は実際に長崎県でよく御承知されておると思うんですが、どうしてこれ200海里法を適用することはまずいんですかね。まあ日韓のいま漁業条約があります。これが失効すると思うんですが、向こうも200海里引きますから。国益上そんなに日本は損害がありますか。その点ひとつ大臣あなた専門家ですから、あなたの御意見をひとつ聞かしてください。

[128]
農林水産大臣 金子岩三
いろいろ韓国船の日本沿岸における密漁の影響によって、わが国の国内でいろいろ大変な意見が出ておるということをよく承知いたしております。長崎県の漁連、ここでも200海里を引くべきだという決議をしておるようでございます。それで北海道だけじゃなくして、韓国漁船が日本の領海内まで入り込んで荒らしておることは、これは西の方にも大変顕著な事例がありまして、私の郷里の島なんか韓国に近いものですから、3海里のところまで入ってきて全部タコつぼというのを皆ひったくって、底びきが持っていく、手荒いことをやっておりますので、その都度水産庁、海上保安庁に私もいろいろお話しをして取り締まりをやっていただいておるんでございますけれども、最近長崎港口いわゆる長崎港の入り口まで来ておりました底びきは、ずいぶん一ころからすると非常におとなしくなって、昨年の春ごろ見たような厳しい密漁はないようでございます。その都度やはり抗議を申し入れて、水産庁でそれぞれ韓国の方にも話をしてもらっておるのでございますが、私はこの状態が永遠に続くものであるならば、日本の置かれた立場、わが国は海洋国いわゆる漁業国でございますので、わが国自体が200海里を周辺に持つことが、果たして日本の世界一の漁業国が得策であろうかというような点を考えますと、いろいろこれは大変意味深長でございまして、慎重に検討していかなきゃならないことでございますので、これは将来、しかしそういう場合、日本のいわゆる国益がどうなるかということは絶えず検討を続けていかなければならないと思います。

いま現時点では、やはりこの間松浦長官が出かけていっていろいろお話をしてくると、すぐその折り返しに直ちにやはり向こうは自粛をして厳しく取り締まりをやるようになってきておりますので、やはり日韓の関係がこれによって悪くなってはまずいということは韓国国民も十分承知しておりますので、韓国の政府の指導もある程度私は浸透して徹底するのではないか、こういう期待をいたしております。しばらくはやはり厳重な取り締まり、当然日本の監視船によっても取り締まりはしていかなければなりませんけれども、韓国自体でやっぱり厳しい姿勢で臨んでもらわなければ、これがまず先決でございますから、絶えず外交交渉によって韓国の自重を求めていく、日本側では厳しい規制を設けて取り締まっていく、こういうことでしばらくひとつ様子を見るということがいいのではないか、このように考えております。





昭和61年03月07日 衆議院 予算委員会第五分科会
[139]
公明党 宮崎角治
今回、分科会での質問の時間を与えていただきまして、私は101国会よりずっとシリーズ的に今回まで、長崎県の水産関係、漁業振興問題について取り上げ、大きな問題を抱えております長崎県周辺海域における外国漁船の取り締まり強化及び国内漁船の安全操業の確保について、毎回水産庁、海上保安庁には私の質問に御答弁を煩わしておりますが、ひしひしと死活問題として迫ってまいっております外国漁船による侵犯操業等の取り締まり強化とともに、国内漁船の安全操業の確保を図るために、長崎、佐世保両海上保安部に30メートル型高速巡視艇の常駐配備といいますか、さらに、水産庁監視船の長崎県周辺海域への増隻配備とその充実を図るために、水産行政に関する要望というのは日増しに漁民の大きなうねりとなってきていることは、もう水産庁並びに海上保安庁におきましては御認識のことだと思うわけであります。

表題に申し上げましたこういった本県の周辺海域における外国漁船のいわゆる領海侵犯等々と相まって、どれくらい事案を認識されているのか、またその検挙については今日までどういった歩みで来られたのか。さらに、私はこのデータをもとにして、海上保安庁の皆様方の御労苦と相まって、安全操業への大きな一里塚としていきたいがために、今回また、本日御質問をするわけであります。まず、その点から答弁を求める次第であります。

[140]
説明員(海上保安庁警備救難部警備第一課長) 垂水正大
長崎県周辺海域におきます外国漁船の取り締まりについてでございますが、海上保安庁といたしましては、違反のおそれのある海域、虞犯海域と称しておるのですが、そういうところに常時巡視船艇を配備いたしますとともに、状況に応じまして航空機を哨戒させましてその違反防止に努めますほか、特に悪質な違反外国漁船に対しましては検挙という方針で現在まで行っているわけでございます。

この結果、特に韓国漁船でございますが、昭和52年の海洋2法施行以来、本年2月末までの累計でございますが、長崎県周辺の領海内操業違反ということで71隻、また対馬周辺にございます漁業専管水域内での違反操業ということで136隻を検挙しております。

また一部、長崎県の男女群島及び五島列島周辺海域でございますが、ここで台湾漁船の、特にサンゴを中心とした密漁がございまして、この関係で、領海内操業違反ということでやはりこれも本年2月末までの累計でございますが、51隻を検挙しております。

我々としましても、今後ともこのような外国漁船の違反に対する監視、取り締まりにつきましては、万全を期すように努力してまいりたいと考えております。

[141]
公明党 宮崎角治
今トータルで258隻になるのかと思いますが、私の方も、これはこの管区の海上保安本部調べになりますか、韓国漁船の日本専管水域侵犯状況で、58年1年間を通しまして196隻というのがあろうかと思います。このうち30隻が検挙ということになりますと15.3%。昭和59年でいきますと171隻、それで検挙が36隻、21.1%。60年は249隻の検挙32隻で12.9%、ことしに入って57隻が現認されて4隻が検挙、7.0%ということに相なるわけであります。年を追うに従って多くなっているといいますか、あるいは月別に見てもかなりいろいろな変動があるわけであります。

今御答弁をいただきました中で、常駐配備している、また空からとかそういったことで違反防止に努めていらっしゃるその姿に対しては敬意を表するわけでありますが、今日まで、52年から258隻という数字を今挙げられたわけでありますが、今私が申し上げました皆さん方のこの検挙については、なぜ1割ぐらいしか検挙ができないか。非常にスローモーというのか、あるいはそういった違反船団に対するこちら側の対応が不備というのか、あるいは向こうがスピードアップして追い越し切らないというのか、さらには旗国主義といった原則にのっとった隘路があるのか。この点について、長崎県周辺、対馬周辺の人たちの死活問題となって、無人島になるのではないか、もっと極端に言うと我々の生活はどうなっていくのか、そういったことが国に対する強い要望となって噴出しているのじゃないかと思いますがゆえに、今、58年から61年の先々月までのデータを申し上げたわけでありますが、この辺についての解明をひとつしかと承っておきたいのであります。

[142]
説明員(海上保安庁警備救難部警備第一課長) 垂水正大
うちの巡視船艇等で、特に漁業専管水域で韓国漁船を相当の数確認しておるわけでございますが、基本的に検挙に結びつくものは、相当悪質な違反を行って、それも違反状態を現認できているものについて検挙に結びつくということでございます。確認できたものについては、巡視船艇等を派遣しまして立入検査等を行うわけでございますが、最終的に悪質な違反ということで検挙に結びついた数は先ほどのような少ない数になるわけですが、その他のものにつきましては誓約書をとったり、それから警告退去と我々称しておりますけれども、水域外に追い出すというような処置を講じております。



[145]
公明党 宮崎角治
大臣、今私の質問に対する答弁がございましたが、いろいろと漁業協定が存続しておりますし、また恒例のこういった外交ルートと相まって、大臣としての今後の対応策についての御見解、御所見をひとつ承っておきたいと思います。

[146]
農林水産大臣 羽田孜
先ほど来お話があったわけでありますけれども、日韓の漁業関係につきましては、近年、韓国漁業の進展に伴いまして韓国漁船の不法操業が我が国の漁業者との間にトラブルを起こしておる現実がございます。そういう問題につきましては、農林水産省としまして、海上保安庁と連絡をとりながら韓国にその都度善処方を厳しく要請しておるところであります。そういうものが、韓国側の方でも割合とこの問題につきましてはまじめに受けとめてくれまして、ある程度の成果は上がっておると思います。

しかし、つい先ごろ私のところにも、先生の地元の皆さんだと思いますけれども、漁民の皆さん方がお見えになりまして、実際に現実にまだトラブルがあるんだという話で、もう本当に我々としてはこれからの操業というものが続けられるんだろうか、ここの漁業は大丈夫なんだろうかという現実の悩みというものを訴えられております。

そういうことで、私どもはそういった現実というものを踏まえまして、円滑な日韓の漁業関係というものを構築するために、これからもその折々に韓国に対して申し入れすると同時に、これからも日韓の話し合いの場がありますからここできちんと申し上げ、双方のいい関係をつくり上げていくために努力していきたいというふうに考えております。





昭和61年05月08日 衆議院 農林水産委員会
[109]
自由民主党 松田九郎
次に、外務省見えておるかな。それから海上保安庁だれか来ておるかな。――海上保安庁と外務省にお聞きをしたいのだが、韓国密漁船問題について、これまた最近盛んに関係漁民の方から実は全国的な問題点として大きく取り上げられ、その非が鳴らされておる。

先般も我々長崎県選出国会議員は、関係漁民、漁協長の大会に呼び寄せられて、おまえたち地元の国会議員がぐずたれだから何にもできぬじゃないか、一つも拿捕しに行かぬじゃないか、こういうことでつるし上げを食らった。そこで私は、その意見というものは意見として聞きおくけれども、少なくともそんなことを国会議員レベルだけで言っても始まらぬから、これはひとつ海上保安庁長官も水産庁長官も外務省アジア局も来てもらわなければいかぬ、それで大会やり直したといって、大会をやり直させてまたこれを翌日にやらせた。その結果どうなったか。

取り締まりの海上保安庁長官も大変反省をされたというかやる気を出したというか知らぬが、その翌日まず1隻を初めて野母崎で捕まえたわけだ、199トン。4月18日に三重県沖で徳成号というのを捕まえた。私がそういう問題をやったのはたしか3月27日ではなかったかな。ところが海上保安庁がやる気を出したおかげで、3月28日に第七十七徳洋号、約200トンというのを長崎県の野母崎沖で捕まえた。続いて4月1日には春ぼう号、19トンをまた捕まえた。4月21日は野母崎沖で第五十一硼淋丸、119トンを捕まえた。やろうと思えばどんどんこうして捕まえられるわけだけれども、何で今まで1隻も捕まえなかったのか。

少なくとも海上保安庁は、やる気がないというか、トラブルを避けようというか、外交交渉上問題が起こったらいかぬというか、そういうことはかり先に考えて、後生大事、我が身大事にやっているから、捕まえられるようなこういう密漁船も今まで野放しで捕まえておらぬのじゃと思うのだけれども、やろうと思えば直ちに――この問題があって私が海上保安庁長官に、あなたは捕まえる意思があるのかないのか、捕まえぬのならおれが委員会のたびに呼び出して、おまえさんらまずどうするかということからかからなければいかぬぞ、こう言うたら、やりますと言うた途端に実効が上がりました。効果歴然たるものだよ。

そこで、この問題について、海上保安庁長官はどうしてもきょう来れぬということで、警備救難部長、あなたはこれをいまからまだ捕まえる意思があるのかどうか。もう4隻捕まえたけん、またこれでしばらくよかばいと思って安心しておるのじゃないか。そこら辺、ひとつ今後の取り組みの姿勢。それからまた、韓国船が三重県の方に行っていることは知っておるな。三重県の方はどないすっとか。その辺はどういうふうなことをやっておるか。韓国密漁船を取り締まることについての海上保安庁の今後の取り組みの姿勢、これをきょうはひとつ明確に聞いておきたい。

それから、ニューリーダーの一角である外務省、ニューリーダーばかりでは困る。ぴしゃっと外交ルートの問題はけじめをつけて、権威を持ってやってくれなければ。韓国が誠意を持って密漁船退治を、自国の問題だからやろうとすればこれは絶対取り締まれるんだ。かつて全斗煥大統領が来日をされた折には、前後3カ月にわたって1件も韓国密漁船の事犯というものは、日本近海、いわゆる対馬海峡、五島灘、三重県はもちろん日本海においても起こっていない。それは、厳重に処断をするという韓国水産部の強硬な取り締まりの姿勢があったから、韓国の密漁船は1隻もはびこらなかった。そういう事例からして、外務省はひとつ強硬な日本側の取り締まりというものを大使の訓令を通じて実はやるべきだが、外務省はどういうふうにしておるか。そこについて外務省が今取り組んでおること、そのことについてお聞かせを願いたい。

以上2点、てきぱきとやってくれ。

[110]
説明員(海上保安庁警備救難部長) 邊見正和
お答えいたします。

ただいま先生が申された点につきまして、海上保安庁が従来韓国漁船を検挙しました事例をちょっと申し上げますと、55年は14隻、56年25隻、57年16隻、58年22隻、59年38隻、60年は44隻検挙してございます。

(松田委員「あなたは長崎県近海のゼロを言っておらぬ、それはよそのところだ、詭弁を言うな」と呼ぶ)

そして、今後の韓国漁船の取り締まりにつきましても、海上保安庁といたしましては、近隣部署の巡視艇等を派遣いたしまして、早朝あるいは夜間そういったところを重点に特別警戒をやるつもりでおりまして、今後外国漁船の侵犯操業等については万全の体制で臨むつもりでおります。

[111]
自由民主党 松田九郎
あなた大抵捕まえた数字を挙げたばってん、それはどこで捕まえたか。北海道で捕まえたか、あるいは千葉県沖で捕まえたか三重県沖で捕まえたか知らぬが、おれの関知する限り、いわゆる五島灘沖とか橘沖とか長崎沖とか、一番韓国に一衣帯水の近距離にあるところの領海侵犯の漁船は1隻も捕まえていないことはおれがよく知っている。あなたの今の発言は普遍的な問題だろう。どうか。

[112]
説明員(海上保安庁警備救難部長) 邊見正和
これは、先ほど申し上げた数字は韓国漁船の日本周辺海域における侵犯操業でございまして……

[113]
自由民主党 松田九郎
そういう答弁をしなければ非常に間違った印象を受ける。それであなたはいい。今からどしどし取り締まれよ。





平成02年06月01日 参議院 運輸委員会
[157]
公明党 片上公人
次に、最近の外国船による不法操業並びに国内における密漁の取り締まり状況を伺いたいと思います。

[158]
政府委員(海上保安庁次長) 野尻豊
外国人による不法操業は、我が国周辺の領海及び漁業水域においてソ連、韓国、中国、台湾漁船によるものが見られます。このような状況にかんがみまして海上保安庁では、外国漁船の操業が多い海域に巡視船艇を重点的に配備するとともに、航空機も投入し、積極的な監視、取り締まりを実施しております。平成元年中にソ連漁船3隻、韓国漁船32隻、台湾漁船4隻、中国漁船1隻をそれぞれ検挙しております。

次に、国内密漁の取り締まりにつきましては、全国の海上保安部署において積極的な情報収集活動や巡視船艇、航空機による沿岸部の監視、取り締まりを実施しておりまして、平成元年には2559件、2420人を漁業関係法令違反で検挙しております。





平成07年03月17日 参議院 農林水産委員会
[052]
日本共産党 林紀子
私は3月上旬、長崎県の対馬に参りまして、県の支庁、海上保安部、上対馬町、そして各漁協をお訪ねいたしまして、組合長さんや漁民の方々と懇談してまいりました。

韓国漁船による不法操業、そして密漁、本当に深刻な状態です。水産庁長官も昨年の秋おいでになったということですから、御認識は同じことだと思いますけれども、灯をともした19トンのイカ釣り船の下にはたくさんの魚やイカが集まってくる。そこにねらいをつけて50トンから100トンという大きな韓国漁船がまき網で根こそぎ持っていってしまう。その上漁具にも被害を受ける。取り締まり船が近づくと、竹や鉄パイプ、乾電池を投げて襲いかかる。船名はグリスで隠ぺいする。実際、美津島の三浦湾漁協の組合長さんは、韓国の釜山に行ったところ、こうしたグリスで汚れた船をたくさん見てきたとおっしゃっておりました。

アワビやサザエ、せっかく栽培センターで稚魚を放流して禁漁にするなど資源管理を進めましても、韓国から50キロしか離れていない、夜高速の小型船で近づいて密漁する、漁協の監視船が追いかけたが、船長が今もって行方不明になったままだという痛ましいお話も平成3年に起きているということを伺ってきたわけです。こうした調査と地元の要望に基づいて質問をさせていただきます。

2月の27日に日韓漁業実務者協議で結論が得られた中で、不法操業の取り締まり、特に韓国国内法違反の小型トロール漁船及び船名隠べい漁船対策の強化、こういう項目があるわけですが、具体的にどのような取り締まり強化対策をとろうとしているのか、水産庁長官から御説明いただきたいと思います。

[053]
政府委員(水産庁長官) 鎭西迪雄
日本と韓国との間には、委員御承知のとおり昭和40年に締結されました日韓漁業協定、その後それを補完する意味で昭和55年からいわゆる自主規制措置、この2つを柱にいたしまして両国が責任を持ってそれぞれの漁民を指導、取り締まると、こういう体制でまいっているところでございます。

ところが、ただいまお話しのように、最近と申しますか、韓国側の違法操業の形態が非常に悪質かつ件数も多くなってまいりまして、おっしゃるようなそういう船名隠ぺいあるいは操業障害といったようなことがたびたび起こってまいったわけでございます。

そのために、昨年の暮れに期限切れになりますいわゆる日韓の自主規制の見直しのための協議におきまして、私どもは日韓首脳会談の場を初め、ありとあらゆる機会をつかまえまして、まず現実に起こっているそういう違反操業について徹底した取り締まり強化ということをやっていただきたいということを強く日本の総理から韓国の大統領へ申し入れをしていただくというようなことをやってまいりました。その結果、一昨年まで1000件強でずっと来ておりました違反件数というものが、昨年は200件強ということに全体では減っているわけでございます。

しかしながら、それは韓国側の大変な取り締まり努力の結果でございますし、そういう努力がまたもとに戻りますと、かつてのように違反件数あるいは悪質な違反というのが頻発する、そういうことでは繰り返しになるということで、現在の日韓の漁業の枠組み自体についてそういう違反操業が起きないような制度的なインプットが必要なんじゃないか、こういうことで私どもとしては前回の実務者協議に臨んだところでございます。

その合意につきましてはあるいは御承知かと思いますので、直接ただいまの答弁からは省略いたしますけれども、その一環といたしまして、自主規制措置につきましても幾つかの補強強化措置というものについて合意ができました。それがただいまお話のございました、韓国の漁業制度でも存在してはいけない無許可漁船でございます小型トロール漁船につきまして今回取り締まり対策の対象にするということで合意ができましたし、それから船名隠ぺい船につきましては、現場で把握いたしますと、そこで注意を喚起して漁場から離脱していただくとかいろんな指導、あるいは韓国の指導船の派遣を要請するというようなことができるわけでございますが、船名隠ぺいということでなかなか事後的には船が固定できない、特定できないという問題がございますので、そういうものについては写真等がございますれば、それを取り締まり担当官会議の場等で提示いたしまして、韓国側で船名の特定、それに基づくしかるべく厳正な処分の要請ということをやってまいっているわけでございます。今回もこの船名隠ぺい船対策につきましても、いろいろ話し合われた中で取り締まり担当者会議の議題として取り上げて、積極的に韓国側が指導対策を行うということになっているところでございます。

[054]
日本共産党 林紀子
確かに件数は減ったんですけれども、今までも、例えば韓国の大統領が来日したときとか、ソウル・オリンピックがあったときとか、何か外交的な問題があるときには件数が減って、その後またふえるという状況を繰り返してきたということなので、そういうことには絶対にならないようにというのが大変強い御希望です。



[149]
日本共産党 林紀子
私は、午前中の続きのような質問になりまして申しわけありませんが、まず長崎県の対馬の問題をお聞きしたいと思います。きょうは海上保安庁にも来ていただいておりますので、早速で申しわけありませんが、お願いいたします。

長崎県の対馬の上対馬漁協管内を中心に、韓国漁船によるアワビやサザエの密漁が後を絶たないわけですね。場所としても、博多よりも韓国の方が近いというような場所ですから、夜高速の小型船で近づいて密漁をする。領海を侵犯して、密漁を繰り返しているわけです。私は、厳原にあります保安部に参りまして、いろいろお話を聞きました。取り締まりのビデオも見せていただきまして、領海を侵犯して密漁を繰り返しているその韓国漁船の取り締まりに、まさに保安庁の方々が命がけでお仕事をなさっているというのがよくわかりまして、大変頭の下がる思いがしたわけですが、同時に漁民の方たちもみずからを守らなければいけないということで監視を行っているわけですね。

上対馬漁協では、独自のレーダーシステム、独自の監視船、専従の職員も配置して24時間の監視に当たっています。この監視のために年間1500万円の経費がかかっているわけです。国境侵犯を取り締まるのはまず国の責任だ、これが基本だと思うわけで、漁民任せ、漁協任せにしていていいという話ではないと思うわけです。





平成07年11月08日 衆議院 農林水産委員会
[195]
新進党 山田正彦
海上保安庁の方で大変立派に取り締まりをやっていただいているようで、検挙率も高いようですが、現実に私ども漁民に接していますと、事故があったり、違法操業とか、外国船との間の大きな漁具被害が発生したときに、海上保安庁の船がすぐ来てくれるとか、なかなか来てくれないとか、いろいろな不満はあるようでございますが、今のお話を聞いた限りでは大変よく頑張っていただいておる、そう思われます。

実は、長崎県の上対馬、ここは韓国から密漁と申しますか、上対馬の沿岸というところは根つき資源、アワビ、サザエ、これを大変大事にして漁業を営んでいるところですが、そこに随分前から韓国からの潜水器具を使った密漁船が多発している。そこで、やむなく上対馬漁協が、昭和60年ごろから漁獲量が激減したということもありまして、その後、漁場監視レーダーシステム、こういったものを2基用意いたしまして、さらにまた、みずから密漁取り締まりのための自警船をつくり、そして夜、まあほとんど夜間に韓国の船が密漁に入るわけですが、そういった取り締まりをしてきておる。

そして、その取り締まりは63年から始めたと聞いておりますが、実は平成3年の7月24日、これは新聞等でも随分騒がれましたのでよく知っているかと思いますが、扇勇美さんという自警船の船長さんが行方不明になって、そのまま死亡認定になるという大変不幸な事件が起きたわけであります。

この件に関してお聞きしたいのですが、当時の状況を話しますと、平成3年の7月24日午後11時半ごろ、レーダーの映像に、3マイル付近にて数隻確認した、これはまき網漁船ではないかと判断されたので、宿直の犬束さんに地元のまき網漁船の出漁の有無を確かめた。ところが、地元のまき網漁船が出漁していないことが判明したので、これは領海侵犯船の韓国の密漁船だと断定した。そして、再び船長は1人で乗り込んで、11時半ごろ西泊港を出た。そして、7月25日午前0時ごろ、韓国底びき船の領海侵犯船ということを確認、そして船長より保安部に通報せよとの指示があって、レーダーの宿直者山原というのが保安部に電話連絡するも、比田勝(ひたかつ)は出動できないとのこと。比田勝というのは上対馬のすぐそばなんですね。結局、豆酘(つつ)沖にあった巡視艇を急行させる。豆酘沖から比田勝、いわゆる上対馬と豆酘沖といいますと、日本で3番目に大きい対馬列島の一番北と南で、南の方から北の方に派遣してくるということなんです。

ひとつ海上保安庁に聞きたいのですが、なぜそのとき比田勝の巡視船が出動できなかったのか、まずそれをお聞きしたいと思います。

[196]
説明員(海上保安庁警備救難部警備第一課長) 淡路均
先生御指摘の件でございますが、対馬周辺海域における海上保安庁の外国漁船の違法操業の取り締まりをどうやっているかということをまず御説明申し上げたいと思います。

厳原海上保安部というのがございます。その厳原海上保安部の部長の指揮のもと、他部署から派遣を受けた巡視船1隻、それから対馬の厳原の海上保安部所属の巡視艇5隻、それと比田勝海上保安署の巡視艇2隻でいわゆる取り締まりを行っているということでございます。厳原の5隻と比田勝の2隻につきましては、この中から2隻の巡視艇を常時配備するという方法をとっております。これは夜間も含めまして24時間体制で監視取り締まりを行うということでございます。

事件の当日は、たまたまこの2隻が、具体的には「たつぐも」「むらくも」という2隻の巡視艇でございますけれども、いずれも厳原海上保安部所属艇であったということでございます。

この事件のときに、一番近くにいたのが巡視艇「たつぐも」でございまして、対馬の鴨居瀬漁港で前進配備をしてございました。平成3年7月25日の午前1時10分ごろ厳原海上保安部から出動の指示を受けて直ちに同漁港を出港し、通報があった現場海域に急行したというところでございます。

[197]
新進党 山田正彦
そうすると、比田勝にいる2隻は、随分厳原と比田勝は遠いですよね、我々の一般の島の感覚でいくと随分遠いのですが、その辺は、たまたま2隻ともその夜は出動していなかった、休んでおったということですか。

[198]
説明員(海上保安庁警備救難部警備第一課長) 淡路均
24時間体制で監視、取り締まりを行うということでございますので、7隻すべて24時間配備するというのは非常に困難でございます。そういう意味で、7隻の中から2隻をローテーションとして組んでいきまして、当日はたまたま厳原保安部所属の船であったということでございまして、その厳原保安部の船がまさに比田勝の方も監視、取り締まりを行うということでございます。

[199]
新進党 山田正彦
当時の行方不明となって亡くなった自警船の船長の奥さんの調書がありましたので、これの最後の部分読ませていただきますと、「そして、現場に着き監視所のレーダーに映っていた不審船影が数隻の韓国大型トロール密漁船であることを確認した夫は、北方に逃走するトロール漁船群の一番後方の船を追跡し日本の領海外に出てからも巡視船が到着するまではと考えてか追跡を続行していたそうです。」そういう調書になっております。

ところで、当時の状況を申し上げますと、出動中の巡視艇豆酘沖の「たつぐも」は現場の方に急行したわけですが、7月25日の午前2時、保安部現場に到着するも「はやて」は既に15マイル付近を追跡中、「はやて」というのは自警船、いわゆる亡くなった扇船長が乗っている船ですが、「はやて」は15マイル付近を追跡中、したがって保安部は公海上を理由に「はやて」がいる現場には行かないとのことで、第一発見地に行くとの連絡ありと。

これは、言ってみれば、自警船がまだ追っかけているわけなんですが、その5隻いる大型の底びき密漁船、それをたった小さな船1杯で1人の船長が追っかけていっている。それに対して、現場まで行って、ではもう追跡をやめた、行くのをやめた。領海内の侵犯であったら、相手方の旗国籍の領海に逃げられればやむを得ませんが、公海上ではまだ捜査の義務があると思うのですが、その点、海上保安庁はどういう判断だったのでしょうか。

[200]
説明員(海上保安庁警備救難部警備第一課長) 淡路均
先ほども申し上げましたように、当日、巡視艇「たつぐも」が通報があった現場海域に向けて急行したわけでございますけれども、現場に着いた段階で当該追尾中の韓国漁船が既に領海外にあるということが判明いたしましたので、その時点で海上保安部としては漁業協同組合が運用しております西泊レーダー所に対しまして、既に領海外なので「はやて」に対して追跡を中止するように通報しております。

ただ、その後、レーダーから「はやて」の映像が消えたため巡視艇「たつぐも」は付近海域を捜索しておりますけれども、「はやて」を発見することができなかったという事実関係でございます。

[201]
新進党 山田正彦
日本の領海内での密漁だということがはっきりしていて、まだ公海に逃げたところというのは、法律的に日本の海上保安庁の捜査権は及ばないのでしょうか。もし及んだとしたら、なぜ追っかけなかったのでしょうか。

[202]
説明員(海上保安庁警備救難部警備第一課長) 淡路均
今先生御指摘の点につきましては、例えば海上保安庁の船が領海内において違法操業等を現認して、それをそのまま領海外で追尾をするということは可能かと思いますが、今回のこのケースにつきましては、海上保安庁の船が領海内で違法操業を現認していないということでございますので、そのように判断をしたということでございます。

[203]
新進党 山田正彦
これは大変大事なことなんですが、第一発見地というのは、通報を受けた時点で場所は北緯何度とか東経何度とかいうのではっきりわかったと思うのです。そこに急行した。それで実際にその場所から密漁船が逃げていくので、それを追跡していっている。それがわかっていたら、日本の領海内での密漁の場所である。これを実際に海上保安庁の船が確認できなかったから追跡しなかった、これは一体理屈になるのかどうか。確認しなかったとしても、その場所で犯罪がなされたとしたら、当然捜査権が及ぶのだったら公海上まで追跡するのが捜査の義務なんじゃないか、そう考えますが、もう一度、しつこいようですがそれについて。それによって人が1人亡くなったという大変な事件であります。

[204]
説明員(海上保安庁警備救難部警備第一課長) 淡路均
とうとい生命を失ったということについては厳しく受けとめておりますが、先ほども申し上げた件は、海上保安庁の捜査といたしまして、領海内で現認をしない、つまり領海内で違法行為が行われたということを現認しないで領海外で追跡をするというのは困難かと理解しております。





平成08年05月24日 衆議院 外務委員会,農林水産委員会,運輸委員会,科学技術委員会連合審査会
[081]
新進党 高木義明
水産庁長官にお尋ねいたしますが、水産の各業界においても、ある意味では利害が異なる場合があるのです。

しかし、沿岸漁業にとりましては、私ども、我が国の今後の沿岸漁業はいわゆる栽培型漁業を中心にしてますます振興を図らなきゃならぬという一つの基本方針もありますが、この沿岸漁業にとりましては、この条約批准によって200海里の全面設定、全面適用、これはもう長年の悲願であります。なぜなら、いわゆる外国漁船による不法操業、密漁あるいは漁具の被害が後を絶たない状況であります。

例えば、長崎県の五島、壱岐、対馬などの離島の近海では、平成6年度では、被害件数、韓国漁船によるものが338件、5600万円の損害、中国漁船による被害は103件、2200万円、こういう状況が示されております。韓国、中国のまき網、底びき網漁船によってシイラ漬け、タコつぼ漁、はえ縄漁、こういったロープが引きちぎられるという事件が後を絶たない。また、対馬におきましても漁業被害として、イカ釣り船が集魚した魚群を、韓国底びき船が根こそぎそれをとっていく、こういうことで、現地では非常に死活の問題だという悲鳴が、これはもう既に承知のとおりなんです。こういった状況の中にあります。

しかし、これは運輸省が発表しておりますが、これらの監視、取り締まり状況の推移を見ますと、漁業水域における韓国の漁船の検挙、警告、退去の件数は減少しておるんですが、領海内では警告、退去の件数は年々ふえ続けておる。平成7年は188件、前年の2.7倍にもなっている。そういう状況が間々あるわけでありますが、外務省として、これらの事実について厳重な抗議をしておるんですか、いかがですか。

[082]
政府委員(外務省アジア局長) 加藤良三
我が国の周辺水域での韓国漁船の操業実態につきましては、地元の関係者の皆様からも我々も連絡をいただいて、これを承知しておりまして、この問題の重要性を強く認識しております。

それで、これまでも、首脳の間あるいは外務大臣のレベル、それらを初めとする日韓間の協議の際にも、韓国政府に対して、韓国漁船に対する指導、取り締まりの強化をずっと一貫して粘り強く働きかけてきております。また、中国につきましても、近年周辺海域において中国漁船による我が国漁船の操業妨害、漁具の損傷などのトラブルが発生しているために、日中漁業共同委員会などの場において中国側にその改善を申し入れておりまして、中国側も、監視船を派遣し、操業秩序の維持に当たるというような措置を講じているところでございます。

最近では、5月の9日、10日、東京で第1回の日韓漁業実務者協議が、4月30日の日韓外務大臣会談を受けて行われたわけでございますが、この際にも、韓国側から、取り締まりや違反防止の努力によって韓国漁船の漁業協定自主規制措置違反の件数は減少しているという説明がなされたのに対しまして、日本側からは、西日本水域では違反操業、件数は減少しているけれども、北海道水域においては増加しているということを指摘して、また無許可の小型トロール漁船の操業が増加していて、そのほとんどが船名を隠ぺいするなど悪質なものがあるという点も指摘いたしておりまして、さらには大型機船底びき網漁船の違反操業などへの厳正な対処を要請した、そういう経過もございます。





平成10年04月17日 衆議院 外務委員会
[138]
日本共産党 古堅実吉
韓国漁船の違反操業はひどいものがあるというふうにたびたび聞かされます。

例えば、対馬北東海域にはタチウオ、アマダイの好漁場がありますけれども、大量の韓国漁船がこの2種類を一度にとる立ち底流しはえ縄漁を行っているため日本漁船が操業できないという、こういうような事態にも今追い込まれたりしております。韓国政府も認めていない無許可小型船による違法操業から、大型、中型のトロール船も、禁止区域、禁止期間破りの違反操業も多発しておるというのです。日本政府は毅然としてそういうものを取り締まる体制をとっているのかどうか、こうも現地の人たちは大変不満を言っておられるのですね。そこらあたり、お答えください。

[139]
政府委員(外務省アジア局長) 南惟茂
今先生がおっしゃいましたような状況が長いこと続いているのが日韓漁業の現実でございまして、そういう現実もあるがゆえに日韓漁業協定もなかなかスムーズに妥結に至らないという側面もございます。

先生御指摘になりましたように、この水域で操業している韓国漁船はほとんど密漁ということになりますか、韓国の国内法違反で操業しているわけでございますので、これは一義的に韓国側がきちんと取り締まるべき筋の話でございますけれども、現実にはそういう船が日本近海で操業している。ただ、協定上の扱いといたしましては、先ほど条約局審議官の方から御答弁いたしましたように、現行日韓漁業協定等では、この韓国船を日本側として取り締まる権限がないという形になっております。

それで、そういう事情があるがゆえに、私どもも、日韓の新しい漁業協定の締結を急いで、鋭意交渉して、現状の非常に不合理と申しますか、漁民の皆様方が迷惑をこうむっておられるような状況を早く解消しなくてはいけない、こういうふうに考えているところでございます。





平成23年03月09日 衆議院 農林水産委員会
[048]
自由民主党 谷公一
水産の関係で、日韓の問題もございます。資料の4ページを見ていただきたいと思います。「カニ密漁 日韓攻防」という、昨年の11月に出ました朝日新聞であります。

日韓については、竹島の問題がございますので、暫定水域というのを設けて、その暫定水域とは別にEEZがあり、お互いのEEZ内では、両国が協定を結んで、条件を決めて漁業をしているという状況がございますけれども、EEZ内で密漁をしたり不法な漁業をやっているということで、大分前から地元山陰の地方は、漁業の方々は大変困っているわけであります。何度も水産庁なり外務省にこの問題について要望をしておりますけれども、なかなかこれといった改善がなされていない。

韓国の漁具の回収も、つまるところ、日本の税金で毎年やっている。平成21年は、このために30億使いました。韓国の漁具を回収するために、魚をとるのをやめて清掃活動をやっている。そして、その補てんを国がしている。平成11年から21年までであれば、100億もかけてこの事業をやっているわけです。





平成25年06月18日 参議院 外交防衛委員会
[044]
自由民主党 末松信介
200海里時代に入りまして、遠洋漁業が随分後退をしました。やはり公海における日本の漁業資源というのは大切でありますから、各国とも協議をしていかなきゃいけないと。

私は、隣国韓国についてお尋ねしたいんですね、次は。隣国、友好国として韓国とはしっかり仲よくやっていかなきゃいけないことは当然なことなんです。

実は、私は兵庫県におります。島根県と鳥取県と兵庫県で、3県で山陰漁業対策議員連盟というのを設けておりまして、会議を年に1回やるんですよね。ここで、毎年2月ですけれども、3県の知事、そして柄澤部長も御存じのとおり、水産庁の関係者の方、漁業組合の関係者の方が来られて、日本海における日本と韓国の漁業実態について話合いをするわけなんです。

1999年1月に新日韓漁業協定が実は締結をされました。この会議でいつも言われることは、韓国の漁業者の乱行ぶり、違法操業と思えるような実態がよく言われます。これ1つ。2つ目は、操業の秩序の管理に関する事項については政府間で協議すべき事項と考えられるが、具体的には、結局、操業の実態を踏まえる必要があるということで民間に任せているんですよ。漁業協同組合の担当者に任すとかいった、こういった実態があるんです。しかし、過去13年間、何の進展も見られないという話ばっかりが返ってくるんです。

信頼性はともかくとしましても、ウィキペディアを見ていただいてもよく分かるんですけれども、新日韓漁業協定についてこういう切り口で論じていますよね。新協定発効後の韓国漁船による暫定水域での乱獲と事実上の占拠、そして次には、韓国漁船のズワイガニ漁やアナゴ漁の実態、その次は、韓国漁船の悪質化と日本側の対応と。これ、ウィキペディアに書いていますからね。ほとんどこれ、新日韓漁業協定、引っ張り出しましたら、ホームページから、このこと全部書いていますから。

山陰の漁協と全国底曳網漁業連合会とが1990年からEEZの海底の清掃を行っているわけなんです。水産庁の発表では、これ柄澤部長も御存じだと思います、2000年から2007年の8年間で漁具が5228トン回収されたんですよ。ズワイガニ漁などに使われる刺し網が2015トン、カニを捕獲するバイかごが902トンあったそうなんです。日本の漁船は刺し網漁は行いませんし、バイかごも日本の規格とは全く違うんで、これは韓国の漁船が来て密漁して慌てて逃走するときに不法投棄をしていった、そういった漁具であるということがほぼ明らかなわけなんです。日本は、私、比較的ルールを守っていると思っているんですよね。

この実態について、一体、常に抗議をされ続けているのかということ。平成25年度予算では漁場機能維持管理事業の中で29億円、韓国とか中国や外国漁船の投棄漁具の回収・処分費用に充てておられますけれども、こういう点も踏まえて、どういう対処をしているのか、私は、柄澤部長にお聞きをしたいと、水産庁を代表してお聞きをしたいと思います。

[045]
政府参考人(水産庁漁政部長) 柄澤彰
今御指摘がございましたとおり、日韓の暫定水域の主要な漁場が韓国漁船によって占拠されている、あるいは我が国EEZ内におきまして韓国漁船の違法操業が続いているという問題がございますことは事実でございます。

暫定水域につきましては、日韓の協定上、日韓双方が話し合う必要のある資源管理事項が明記されているわけでございますが、この中で、韓国漁船が漁場を占拠する、あるいは漁具を投棄するということで資源に悪影響が出ているにもかかわらず、韓国側は一貫して政府間の協議を拒否しているということでございます。

一方、暫定水域周辺の我が国のEEZ内におきましては韓国漁船の取締りを厳格に実施しておりまして、例えばズワイガニを狙った操業が活発化いたします11月から翌年5月にかけましては、水産庁の漁業取締り船を集中的に派遣する、あるいは海上保安庁とも連携をするというようなことで重点的な取締りを実施しております。

実は、本日から日韓漁業共同委員会の小委員会が開催されておりますが、こういった場なども通じまして、政府間による暫定水域の資源管理の協議あるいは違法操業の再発防止を今後とも粘り強く韓国側に求めていく所存でございます。

[046]
自由民主党 末松信介
柄澤部長はよく私も知る仲でありますから。ただ、進展がやっぱりそれでも見られないんですよね。毎年同じことを13年間会議で言い続けてきていると。

関係の組合員の方もこうおっしゃっていますね。韓国に対して操業秩序を守ることを求めると、日本が違法操業の証拠を突き付けるがはっきり認めない、しかし平身低頭である、今後こうしていこうという前向きな話がないと。日本はEEZすら守れない、取締りがまだできていないと。韓国側の漁法はアンカーを打って固定漁具を使う、だから海域を占拠した状況である、こういったことですね。日本側は底引き、韓国側は航路を遮って威嚇をする、昔は石を投げてきたりしたと。海上ではやっぱりいろんなことがなされているわけなんですよね。

それで、今日はもう時間がないので細かいことを申し上げませんけれども、1999年1月のこの新日韓漁業協定発効以来、先ほども述べましたように、日本海の暫定水域は韓国漁船が主な漁場を独占している状況であります。暫定水域を隠れみのとした韓国漁船の日本のEEZ内での違法操業は、近年、巧妙化、恒常化、さっきよりもはっきり申し上げたら、悪質化しているということであります。山陰の漁業経営というのは、兵庫、鳥取、島根の漁業者にとってはもう大きな不安を抱かざるを得ない状況であります。

そこで、先ほど申し上げました現在の漁場機能維持管理事業のように、単年度で予算を付けるのではなくて、協定発効当時、補正予算で250億円を予算計上した新日韓漁業協定関連対策特別基金のように、むしろ基金措置をすべきじゃないかと思うんです。この声は多いんです。

これについて、最後に水産庁にお聞きをしたいと思います。

[047]
政府参考人(水産庁漁政部長) 柄澤彰
今御指摘がございました韓国・中国等外国漁船操業対策事業というこの事業につきましては、日韓関係につきましては平成10年度から、日中関係につきましては平成12年度から基金の方式で事業を実施してまいりましたが、平成22年度から単年度の補助事業ということになっております。この事業の基金化をしてほしいということにつきましては、今ございましたように、山陰の関係漁業者などからも是非という御要望をいただいているところでございます。

私どもとしましては、基金とする理由について検証を進めながら、26年度の予算編成に向けてどのような対応ができるか検討してまいりたいと存じます。

[048]
自由民主党 末松信介
是非前向きに御検討いただきたいと思います。

私は、やはり韓国の漁業というのは日本に比べて少し道徳観に欠けると思いますので、この条約における事務局は是非日本に設置をしていただく努力を最大限していただきたいということを要望して、終わります。





平成28年05月10日 衆議院 農林水産委員会
[086]
民進党 岸本周平
我が国の周辺水域、特に東シナ海、ここでは、皆さん御存じのとおり、中国の漁船、台湾の漁船、違法な操業を行っているケースが後を絶ちません。当然、遠洋水域の漁業の取り締まりについても、水産庁の皆さんが御努力をされているわけであります。

そういう意味で、政務官にお聞きしたいんですが、最近の外国漁船による違法操業の関係で、外国漁船の拿捕件数ですとか、あるいは外国漁船によるものと見られる密漁漁具の押収件数など、実態について数字をお聞かせ願いたいと思います。

[087]
農林水産大臣政務官 加藤寛治
岸本委員の御質問にお答えをいたします。

水産庁によります平成27年の外国漁船の年間拿捕件数は12件でございます。内訳は、韓国が6件、中国が3件、台湾が3件となっておるところでございます。

また、外国漁船に対する立入検査の件数は、平成27年で111件でございます。

我が国の排他的経済水域に違法に設置された外国船によるものと見られる密漁漁具の押収件数は、平成27年は21件で、内容は、刺し網が約40キロメートル、かご漁具が1783個となっておるところでございます。