八ツ場ダムと別荘と補償金

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昭和60年05月29日 衆議院 決算委員会
[127]
公明党 斉藤節
そこでお聞きしたいのですが、先ほども問題にしました八ツ場ダムでありますけれども、このダムは今非常に別荘ブームになっている、そういう現況があるようですが、知っておられるかどうか、知っておられたら詳しく教えていただきたいと思います。

[128]
説明員(建設省河川局開発課長) 志水茂明
八ツ場ダムにつきましては、先ほど来お話に出ておりますとおり、現在までにダム建設につきましての地元の了解が得られておりませんために、地元の立入調査ができない現状でございます。このため、御指摘の別荘につきましては詳細は把握しておりませんが、現在までにダムの水没予定地及び関連事業予定用地に約50戸の別荘が建設済みもしくは建設中であるということを、県を通じて聞いております。

[129]
公明党 斉藤節
そこで、先ほどもちょっと聞きましたけれども、補償金支給対象、これにはいろいろあると思うのですが、いわゆる単なる物件だけじゃない。物件であっても、そこへ人が住んでいていわゆる生活している、あるいはバラックを建てただけで生活はしてないとか、あるいは土地は所有しているけれども居住地は非常に離れていて遠くにいる、あるいは現在のように八ツ場ダムは非常に時間がかかっているわけですから、そういうことで、ダムが建設されるんじゃないかということを知ってから、5年前からか10年前からか移り住んだ者あるいは買った者、そういったようなものがいわゆる補償金支給対象になると思うのですけれども、その辺は現況はどうなっておりますか。把握しておられますか。

[130]
説明員(建設省河川局開発課長) 志水茂明
先ほど申し上げましたように、補償につきましては、公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱に基づいてやるわけでございまして、土地のその実態を適正に評価することといたしております。したがいまして、補償に当たりましては、土地の利用状況、立地の条件、周辺環境などによりまして、その評価は当然異なったものになってまいります。特に土地の評価に際しましては、投資の目的等でなされました取引事例というものは考慮しない方針でございます。

[131]
公明党 斉藤節
ついこの間、5月24日の日に私どもが行って撮ってきた写真を本日持ってまいりました。これは先ほど申し上げましたいわゆる別荘ブームということですけれども、その別荘なるものが極めて貧弱なものが多いわけです。建物は平均50平米ですから、2DK以下、単なるバラック建てといったものがかなり多いのです。これは回しますから、見ていただきたいと思います。

今報告がありましたように、こういったものが50戸建っているということですけれども、この建築依頼主の確認だとか、それから登記簿、建築許可証などについてはどうなんですか、やっていますか。

[132]
説明員(建設省河川局開発課長) 志水茂明
御指摘の別荘は、現在までに建物に係ります登記は行っておりませんので、その建築依頼主、それからその現住所は登記簿で確認をすることができませんが、今後極力確認をしていくように努力したいと思っております。

[133]
公明党 斉藤節
50平米以下ならば建築許可証は要らないらしいのですけれども、いわゆる登記はするはずでありますから、これはできるだけ確認していただきたいと思っているわけです。しかし、現在はこの八ツ場ダム予定地はどういう地目、どういうことになっているのですか。これは予定地としてなっているわけじゃないわけですね。その辺はどうなんですか。

[134]
説明員(建設省河川局開発課長) 志水茂明
私どもも、先生御指摘のとおり、このような事態は非常に遺憾なことでございますので、極力河川予定地の指定を早期にかけるべく努力をしておるわけでございますが、先ほど来のお話にありますように、地元に対しての調査ができないということから、ダムの建設の基本になります基本計画がまだできないということで、現在の段階では河川予定地の指定もできない状況になっております。

[135]
公明党 斉藤節
そういうことでうまく法を逃れて、どんどん建てているのだと思うのであります。





昭和61年02月14日 参議院 建設委員会
[053]
建設大臣 江藤隆美
群馬県の八ツ場ダム、あそこへ何か別荘をつくっておるという話がありまして、テレビにも出ましたから、これも近く私が一回現地に行ってしかと目で確かめて、こういうものによって不当な利益を公共事業のそでに隠れてむさぼるような者が出ないように最大の努力を私はいたしたいと思います。

せっかくの目的がこういうことでけちをつけられるということは極めて遺憾なことですからこれは厳に戒めてまいりたい、こう思っております。





昭和61年02月20日 衆議院 予算委員会
[116]
建設大臣 江藤隆美
それから、おっしゃいましたように雨の多いところでやはり地下水を大事にするということは大事なことでありまして、農水省がやっておる宮古島を初めその他のところもありまして、実は各地で今調査をいたしておるところです。

そこで、私も、せっかくのお尋ねですから、調査箇所を建設省一回発表したらどうかなという話をしましたところが、近ごろはこういうことを発表しますと、すぐに土地の買い占めに走る不逞なやからが実はおりまして、大変こうした公共事業の執行が困る。実は来月初めに、この前申し上げましたように八ッ場ダムに行ってこようと思うのですが、八ッ場ダムが10何年かかってやっと地元の合意を得たと思ったら、不動産業者がそこに別荘を建ててそして補償金目当てにやる。そういうふうなことをやる者がたくさんおるものですから、なかなかやはり今の段階で公表するということは差し控えた方がいいんじゃないか。今回みたいに既に計画がもう具体的になりまして予算執行の段階になったときにやった方がこれからいいんじゃないかというような考え方で実は臨んでおる、こういうふうに御理解をいただきたいと思う。これは積極的にやりたいと思っております。





昭和61年04月11日 衆議院 建設委員会
[015]
建設大臣 江藤隆美
それからもう一つ、そういう買い占めが行われるということでありますが、私は大変日本人というものの業の強さを感じるのです。この前から、群馬県の八ッ場ダムが10年も20年もかかってやっと解決したと思ったら、その水没地点の中に62戸も実は別荘地を至るところにつくって、そして補償金をふんだくろうという不届き者どもがおるということで大変残念に思っておるのです。ですから、公共事業の執行に当たって、これらの補償金目当ての行いあるいは土地の買い占めというのが行われるということはよからぬことでありまして、できることであるならばこれらが行うことのできないような何か規制措置ができればいいなと思うのですけれども、しかし何もかも法律でもって縛り上げて行政がうまくいくとも思いませんし、そこいらが非常に今悩みの種である、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。