平成09年10月30日 衆議院 予算委員会
[147]
新進党 西村眞悟
中国というものは、なぜ我々日本に敵意を抱いているのか。これはプロパガンダによるのです。中国共産党の、共産党政権を樹立する、またそれを維持する戦略というものは大衆動員、大躍進であれ文化大革命であれ、国内に少数の人民の敵をこしらえて、それを攻撃することによって統合を図ろうとする。
葉剣英氏は、文化大革命の終わった後で、文化大革命は大惨害であったと。1億2000万が被害を受け、2500万人が命を失った。文化大革命までの間で、大躍進であれ文化大革命であれ、中国共産党政権によって、学者の推計によれば、8000万人が命を失っている。
みずからの国民に対して世界人類史上最大の加害者である政権が、なぜ急に日本に対して反日、日本軍国主義、日本に対する被害と言い募っているのか、この戦略を見破らねばならないんです。国内の反対分子は死に絶えてしまった、後は、反日というキャンペーンをもって統合するしかない。
あなたは、こういう戦略を持つ国家に対して第三次円借款の再開には非常に熱意を示されたというし、このたび訪問されたときにも、第四次円借款2000億円の約束をされている。
それで、あなたは、領土についても、人権についても、急速な軍備増強についても、ミサイル、核弾頭のミサイル、これについても、9月に北京で何も言われなかった。アメリカは、言うべきことは江沢民氏に今言っている。
なぜ国益の観点からあなたは言わなかったのか。弱みを握られておるのか、私はこのように疑問を抱かざるを得ない。
昭和54年にレフチェンコ事件というのがありまして、KGBのスパイ、工作員が我が国国会議員またマスコミ関係者200人をエージェントとして操作したというふうにマスコミで言った。そのとき何と言っているか。日本ほどスパイをやりやすい国はない、日本はスパイ天国だ、多くの協力者が、協力しているという意識なしに協力してくれたとアメリカで語っている。やはり日本はスパイ天国なんだろう。
片や、日本以外の普通の民主主義国家はどうかといえば、昭和38年、これはイギリスのプロヒューモ事件、陸軍大臣が辞任された。この辞任は、議会でうそを言ったから辞任したんです。プライバシーのことで辞任したんじゃない。そのことで議会でうそを言ったから辞任したんです。そして、もう1つの辞任の理由は、キーラー嬢がソ連大使館幹部と交際していた人物だったからです。
それともう1つ、時間がないので、象徴的な一例を挙げます。
ブラント西ドイツ首相が辞任したのは、ギョーム事件という、これは、個人秘書ギョームが東側のスパイであったことが判明して、東方外交の輝かしい業績の中で彼は辞任したんです。どういう情報がギョームに行ったかということは問題ではなくて、スパイが身辺におったことがわかり、疑惑が生じる、国家の機密が流れるのではないかという疑惑の中で、普通の民主主義国家の公人は潔く辞任しなければならない。
スパイは日本にもいます。私は、橋本総理のプライバシーを問題にするわけではありません。このことはお断りしておきます。しかし、あなたが総理に御就任になる前後から、あなたに関する中国人との親密な交際の記事は出ておりました。その次元で、時点で、私は何も申し上げることはない。それはプライバシーの問題である。しかし、ことしに入って3回連続、あなたが交際していた中国の方は中国の情報部員であったという記事が3回連続出ている。
したがって、私は、この民主主義国家における対外的な信頼、そして民主主義国家における国家機密というものの管理の仕方から、これは、この週刊文春が聞いている言葉どおりにあなたに聞かざるを得ない。
小誌という、この雑誌はみずからを小誌と呼んでおりますけれども、橋本総理にただしたいのは、くだんの中国人女性との男女の関係といった話ではない。第1に、彼女が情報部員だったことを知った上で接触していたのか。第2に、もし知らなかったとしたら何を彼女に話したのか、あるいは何かを依頼されたのか。そして第3に、情報部員と交際していた場合、どういう責任を感じているのかという点である。これは、既に国民が9月に3回連続読んだことでございます。
火のないところに煙が立っているならば、国家の威信としてその煙に対処しなければならない。これは放置しておいてはならない。もし交際されておったならば、正直にお答えください。情報部員であるということを知らなかったのであれば、正直にお答えください。そして、何をしゃべったかをこの場でお答えいただきたい。
[148]
内閣総理大臣 橋本龍太郎
前段、「以和為貴」と揮毫したことについての議員の御意見は、確かに承りました。そして、私は、とっさに、一番あの場にふさわしい文句としてこれを選んだということであります。
次に、特定の女性と云々というお話をいただきました。
確かに、中国に参りましたとき、衛生部の通訳として会議に列席をし、その出張もともに動き、会合すべてに同席をしておりましたから、何を話したかではなく、その席上の議論は彼女がすべてを通訳いたしております。そして、それは、日本に中国衛生部の関係者が参りましたときにも通訳として同行しておりますから、そして私は確かに、本当に苦労をかけましたから、自分で御飯をごちそうしたこともありますので、そういうときに話したこと、これはむしろ通訳という職分からすべてを聞いております。そして当時、ベチューン医科大学の日本語教育の問題あるいは中国医科大学の日本語教育の問題が衛生部との間で議論になっておったと私は記憶をしております。
それから、情報部員であったかどうか、知っていてつき合ったか、あるいは接したかと。私にとりましては、中国衛生部の通訳としての存在でありました。情報部員というような思いを持って接してはおりません。むしろ、情報部員だなんて思っていたら、通訳として使えないでしょう。ですから、完全に通訳として、衛生部関係のすべての会議にその人は存在をいたしました。
以上です。
[149]
新進党 西村眞悟
レフチェンコ氏の証言を冒頭に申し上げた意味をおわかりいただけていない。情報部員というものは、情報部員であるということで接触してくるはずがない。だから、私は、火のないところに煙が立っているのならば、今の答弁では不十分で、彼女がどういう者であって、あなたが彼女の素性を調べたのか否かまで御発表をいただかねばならない。
そして、これは既に国民が知っていることだ。国民が、国家の国益の観点からあなたに答弁を求めているということである。情報部員であるということを知らずに、つき合うはずがないでしょうという次元では答弁にはならないのです。どうか……
(橋本内閣総理大臣「といいますよりも、委員、大変恐縮でありますが、ひとつこれはお許しいただきたい」と呼ぶ)
委員長、私の発言ですか。
[150]
委員長 松永光
いやいや、ちょっと待ってください。
橋本総理大臣。
[151]
内閣総理大臣 橋本龍太郎
会議に通訳として出席する人間を、事前に身元を調査しろと言われても無理であります。
[152]
新進党 西村眞悟
それはわかるけれども、プライベートでつき合ったその人のことを聞いておるのだ。通訳はすべてある。だから、どうか国益のために、このことで週刊誌というものを軽視してはなりません。週刊誌というものを軽視してはならない。必ず根拠を持って書いているはずだ。そして、これは世界が見ている以上、あなたはやはりもう少し調査の上御答弁をいただきたい。これをお願いして、私の質問を終わります。
[153]
内閣総理大臣 橋本龍太郎
私は、今の議員のお話は承りました。そして、最初通訳として、そして最後まで通訳の立場で、その間、日本に来たときに、確かに私は慰労をいたしました。そして、最後に彼女が来られたのは、結婚されて、その御主人と一緒に事務所を訪ねてくれた。そのときは通訳ではありません。結婚して御主人と来られた。そして、任地に出ていかれた。
私は、情報部員であったかどうか、全く知りません。知りませんし、調べるといったって、それは私、調べようがありませんけれども、通訳という仕事の性格上、初めから終わりまで、会議のその場にいるわけでありますから、すべてを知るという意味ではすべてを知る立場に、私は中国語はできませんから、その場におったことは全くそのとおりであります。
[154]
新進党 西村眞悟
最後に申し上げます。
総理大臣の御意見は承りました。しかし、今、御交際なさっていた、通訳として始めて、お食事もということは述べられた。そして、私が具体的なことで、尖閣であれ靖国問題であれ、申し上げたあなたの、タフネゴシエーターと言われるあなたの対中国萎縮、この事態を総合すれば、国民の1人として、また議員として、危惧の念を持ってこれをたださざるを得なかったのです。
したがって、わかりませんということよりも、日本の警察機構は非常に優秀でございまして、あなたが通訳としてあいさつに来られたと言う方がどういう方であるか、つかんでいると私は思う。したがって、確かめてください。それをお願いいたします。
質問を終わります。
平成09年11月05日 衆議院 法務委員会
[064]
新進党 西村眞悟
例えば、20年前に、レフチェンコというKGBのスパイがアメリカに亡命して、社会党を初め、社会党の政策はソビエトのいわゆるコピーであった、マスコミと社会党の議員200名をエージェントとして操作したんだということを言っておる。これを言っておるわけです。
また、クレムリン秘密文書がソビエトが崩壊してあらわれたら、やはり共産党と社会党にクレムリンから、あそこの文書がですよ、文書の内容が、金が、選挙資金が行っていたんだ、こういうことが「クレムリン秘密文書は語る」という中公新書に書いてある。
また、翻って、公平のために申し上げますが、CIAの文書は、昭和40年代に自民党の選挙資金としてCIAよりの資金が自民党に渡されたというふうに向こうの公文書が書いてあると。
また、一昨年の米支援、考えてみますと、吉田猛なる、日本のマスコミで北のエージェントだと言われている人物がそこに介在しておる。また、日本人が拉致されたという事実一つとっても、あれは国外から来た人間が拉致したんじゃなくて、日本国内に拉致を支援する組織があって初めて可能なんだ、その拉致を支援する組織に関与した人物が、文芸春秋に、私はその組織によって日本人を拉致したんだと言っておるわけです。
こういうふうなもの、実態が何もわからない。普通の民主主義国家なら、こういう報道が真実であるか否かというよりも、こういう報道が出て弁明しなければ、社会党なり共産党なり自民党なりが弁明しなければ、党本部が焼き討ちを受けても不思議じゃない。こういう前提をちょっと置いておきますので。前提です。
橋本総理の報道が今あれば、普通の民主主義国家ならば弁明しなければならない。例えば、橋本総理が中国の情報部員とプライベートにつき合っているという疑惑の報道が流れるならば、それを放置しておれば、ロシアのエリツィンさんも果たして橋本総理に本音を言われるのか、国益上にかかわることだと。
これで私は質問を橋本総理に申し上げた。申し上げたら、情報部員であるかどうかわからないと。それで、質問が終わった後で新聞記者さんに、情報部員であるかどうか、そんなの調べられるか、調べてわかるのなら情報部員とは言えないだろう、こういうふうに語っておる。
私は、こういうことを語られなかったら、この場で法務大臣に質問する必要を感じなかった。
しかし、果たして我が国の公人、昭和40年以来一貫してスパイ天国だと言われている我が国の政界、そして総理大臣自身が、調べて情報部員だとわかるのなら情報部員とは言えない、調べてわかるか、こういうふうに言っている。私の質問に対して、情けない質問を受けるものだ、こういうふうに言っておる。私に対して委員会で答えられるのならともかく、私が知らないところで言っておるから、日本の治安の責任者である法務大臣にお伺いしなければなりません。
我が国において、先ほどから御紹介したいろいろな情報が昭和40年代以後ある。占領されていた当時はともかく、独立してからもある。我が国においては、治安の責任者である法務大臣、本当に公人に接近してくる外国の人物がいわゆるスパイ、情報部員であるかどうか調べようがないのですか。法務大臣、お答えいただきたいと思います。
[065]
法務大臣 下稲葉耕吉
法務大臣の仕事は、一言で申し上げますと、法秩序の維持と国民の権利の保全ということになるのじゃないかと思いますし、そこからすべてのことが出発しなければならない、このように認識いたしております。
今御質問の件につきましては、これは具体的なお話でもございますので、調べておるとか調べておらぬとかというふうなことは答弁を差し控えさせていただきたいと思いますが、一般的に申し上げますれば、今御質問のことも踏まえまして、それは法令に違反するようなことがあれば厳然として検察では処置するものだ、こういうふうに認識いたしております。
[066]
新進党 西村眞悟
今、調べられるかというふうな総理の意見ではあるけれども、調べられるという御答弁でよろしいのですか。
[067]
法務大臣 下稲葉耕吉
調べる調べぬという問題の前に、まず具体的な事件についての答弁は差し控えさせていただきます。
ただ、法令に違反するようなことがあれば、これはもう検察において当然処置するものだ、このように認識いたしております。
[072]
新進党 西村眞悟
再度法務大臣に、我が国のいわゆる捜査当局の能力というものは、総理大臣が言うように調べてわかるものじゃないというものじゃなくて、調べればわかる、そういう能力を持っておるというふうにお聞きしてよろしいですね、先ほどの御答弁は。
[073]
法務大臣 下稲葉耕吉
一般論として申し上げますならば、犯罪があれば検察が事件として適切に処理するという答弁以上に出ないわけでございます。
平成09年12月04日 衆議院 内閣委員会
[016]
新進党 西村眞悟
私の質問は、行政改革等々でも関連するのですけれども、この点は大丈夫なのか、つまり、我が国の国家機関は、外国人の日本における諜報活動に対する対処能力は大丈夫なのか。
なぜなら、橋本総理自身が、10月30日の予算委員会で、自分が交際していた中国人の身元が諜報部員であるかどうか、調べるのか否かの質問に答えて、そんなのわかるか、調べてわかるなら諜報部員、スパイとは言えないだろうと、我が国の国家機関があたかもその点で無能力である、全く対処能力がないのだという発言を行い、それが今や海外のマスコミの注目するところとなっておるから、これはどうしても調べねばならないという問題意識から出発しているのです。
また、今、委員長のお許しを得て、私が提出した質問主意書とそれに対する回答書を委員の皆さんにお配りしておりますが、なぜお配りするかといえば、この回答書こそは、内閣が内閣総理大臣の名前で衆議院議長に書いた、空前絶後の虚偽の文書であるからです。
なぜ虚偽かといえば、この橋本総理が交際を認めた中国人は、現在日本に帰化しております、平成8年に。それも異様な速さで、申請から数カ月で帰化が認められておる。私も弁護士時代に帰化に携わったことがありますけれども、日本国の国家機関は、帰化するに際しては徹底的に調査するのだ。サッカーで有名な呂比須選手でさえ、帰化は申請から1年を要している。この中国人の帰化申請は数カ月だ。政府としては、帰化においては徹底的に調査する。しかし、この内閣の文書では調査したことはないと断言しておる。したがって虚偽だという、この前提からお聞きいたします。
調査能力は大丈夫なのか。20年前にはレフチェンコ事件というのがあって、彼がKGBのスパイで、日本では政党、マスコミを操作して情報を得たと。そして、アメリカではインタビューに答えて、日本はスパイ天国だと言っている。
また、ソビエト崩壊後に出てきたクレムリンの文書では、中公新書に「クレムリン秘密文書は語る」という本が出版されておりますけれども、我が国の政党、複数の政党は、クレムリンの指示どおりの政策を流すように工作して、それは成功したと書いておる。
ソビエトが崩壊して、冷戦が終わったと言われている。しかし、アジアには3つの共産主義独裁国家がある、これは事実ですね。
北朝鮮の在日秘密工作機関の元機関員が、文芸春秋に「「洛東江」の二十年」、我々は日本人を拉致したんだと書いておる。学習組という、いわゆる北朝鮮の方々の在日の組織が、3000名から5000名の党員を擁して、学習組とある。それで、今、日本のラジオの短波に入る乱数表による暗号を受ける者は、工作員ですね、日本国内に200名ほどいるだろう。このターゲットは在日アメリカ軍基地と日本の原発である、こういうふうに言われておるわけです。
したがって、日本人があれほど速やかに北朝鮮に拉致されるのは、外から来て連れていくのではなくて、日本国内に拉致をする組織があるから、それと連動して、あれほど速やかに連れていかれた。
では、中国ではどうか。天安門事件の際、日本でも中国のデモがあった。それを公然と、中国の官憲らしき私服を着た人物が、写真撮影、ビデオ撮影している。それは我々のテレビで流れて、国民公知の事実となっておる。
これが、大丈夫かと言う私の前提の事実の概略なんです。大丈夫かという疑問を持たざるを得ない。
もしレフチェンコの言うように日本がスパイ天国なら、我が国は国家の体をなしていないだろう。橋本総理が言うように、自分のつき合っていた中国人の人物の身元が我が国では調査できない、内閣総理大臣自体が調査してわかるはずがないだろうと言うなら、国家の体をなしていない。同盟国は、我が国に重要な情報ほど提供しなくなる。
しかし私は、我が国国家機関は、地味な仕事でありますけれども、日本が国家の体をなしていないという、対外的信頼が全くないという状態に陥るのを回避するために、活動は、努力は続けていると信じておるのですが、官房長官、その私の確信というものは正しいのでしょうか。それとも、橋本総理が言うように、全く調査してもわからぬのですか、我が国は。この前提からちょっとお聞きします。
[017]
内閣官房長官 村岡兼造
西村先生、外国諜報部員のいろいろな事例を挙げたり、お詳しいようでございますが、私に対する質問は、我が国に対する外国の諜報活動については必要な対応をしている旨の答弁をしているが、本当に我が国のかかる能力はきちんとしているのか、こういう趣旨であろうと思っております。
我が国の関係機関は、我が国に対する外国の諜報活動についてもちろん重大な関心を持っており、これらの活動に関連して検挙した事例もありまして、私はきちんと対応していると考えております。
[018]
新進党 西村眞悟
回答書によると、橋本総理が交際していた中国人を調査したことはない、今後も調査する必要はない、今度も調査しないんだ。ということは、この中国人の身元が中国の公安部つまりスパイであるという報道は、9月に入って、週刊文春、アエラ、夕刊フジ等々が相次いで核心的に、ドキュメントを握っているという前提で報道しておる。この報道を日本国政府は否定も肯定もできないんだ、こういうことですな。
これは、イギリス、アメリカも報道しておる。同盟国の、向こうから見れば同盟国の内閣総理大臣の信頼にかかわることで、かつ、西側諸国では、過去の事例で見れば、こういう疑惑があれば衆議院自身が徹底的に究明する、内閣の組織自体が徹底的に究明する。そして、その事実を国民に公表する。こういう事例なんです。
我が国は、西側及び我が国国内で今報道されている、橋本総理がつき合っていたのは中国の諜報部員だ、スパイだという報道を、否定も肯定もせず、このまま放置するということなのですか。放置するのですか。
[019]
内閣官房長官 村岡兼造
先生いろいろ言われましたけれども、先生は、中国の諜報部員ではないかと。しかし、私の承知しておるところでは、質問主意書の答弁で答えているとおり、現在具体的容疑がないので調査の必要がない、こういうふうに私は承知しております。
[020]
新進党 西村眞悟
官房長官、具体的な事例がないとかあるとか、回答書には調査していないからわからないと書いておるのですよ。調査して具体的な事例があるならば、調査の必要はない、それはいい、納得する。ないと書いておるじゃないですか、調査したこともないと書いておるじゃないですか。
それからもう1つ。
私は、自分の提出した質問主意書に対して、いやしくも国家の機構としてこの問題を重視しているならば、本件は公開の場で答えられない、こういう回答があってしかるべきだ。それと、翻って、わかっていることは徹底的に公表する。この2つに1つしかない。この回答書こそは虚偽の回答なんだ。内閣の閣僚が閣議で決定して、衆議院議長に虚偽の回答をしたんだ。なぜなら、先ほど言ったように、この女性は帰化しているじゃないか。帰化しているということは、徹底的に調査しているということだ。調査していない、これは虚偽だ。
だから官房長官、調査していないのに調査する必要があるかどうか決定できないでしょう。何を答弁されているのですか。昨日、この方は、北京の公安局の出身だと法廷で証言したのですよ。いまだにその答弁を繰り返されるのですか。
橋本総理は、既に、我が国の国家機関が本件問題に関しては無能力だ、調べようがないという発信をして、ワシントン・ポスト、それからイギリスの新聞社、私に取材に来るのは、なぜ日本のマスコミ、週刊誌等ではない、ニュースペーパーの方ですよ、ニュースペーパーの方はこの問題を取り上げないのか、なぜ日本の国会議員はこの問題が国益に関する重要なことだという意識がないのかと。なぜ西村1人がかっかしておるのだ、それがわからない、それがある意味では報道すべき価値ある内容のように私に取材に来ている。こういう事態なんだ。
橋本総理が、情報部員であるかどうか知らない、日本政府は調査したこともない、だから今報道されていることを否定できない。これほどの国益上の損害はありますか。
調査するのですか、しないのですか、どっちなんですか。政治の判断です。
[021]
内閣官房長官 村岡兼造
先ほど来、先生いろいろ私を責めておりますが、それぞれ担当がございます。私の答弁は先ほどのそれ以上でもございません。
[022]
新進党 西村眞悟
官房長官、違う。閣議でこの回答書をあなたは決定したのです。橋本総理大臣の名前で衆議院議長に出ているのです。だから聞いておるのだ。虚偽でしょう、これは。虚偽でしょう、この回答は。
(村岡国務大臣「あなたが言っているだけじゃないか」と呼ぶ)
発言は発言で、委員長の許可を求めてからにしてください。
これは虚偽なんだ、明らかに。調べているでしょう、帰化しているのだから。帰化している人物を調査していないという、うそを閣議で決定して、内閣総理大臣の名前で国権の最高機関たる衆議院議長に送ってもらったら、これは内閣の責任だ。だから官房長官に聞いておるんだ。何がつかさつかさですか。私が送った質問主意書に対する答弁書を前提として聞いておるのじゃないですか。
[023]
内閣官房長官 村岡兼造
答弁書のとおりであろうと思っています。
[024]
新進党 西村眞悟
答弁書のとおりであれば、虚偽であるということを認めるということですか。
[025]
内閣官房長官 村岡兼造
この答弁書が虚偽とは思っておりません。
[026]
新進党 西村眞悟
では、今手を挙げている方に聞きましょう。
我が国政府は、外国人が帰化するに際して、申請に対して、その方がどういう人物であるか調査はしないのですか、するのですか。
[027]
政府委員(警察庁警備局長) 伊達興治
帰化の前提としての調査等については、必要があれば法務省の方で行われるものと承知しております。
[028]
新進党 西村眞悟
必要はあるのですよ、帰化は。帰化というのは重要な国家の裁量行為となっておるんだ。だから、調査したのです。調査したから帰化されて、今、日本人になっておる。だからこの答弁書はうそだと言うのです、だから委員の皆さんに配付させていただいている。将来この人物を調査するか否かを私は尋ねておるけれども、もし調査しないのならその理由も回答されたいということで尋ねておる。しかし内閣は、理由も付さずに、調査しないという回答をよこした。
しかし、考えてみれば理由なんか付せるはずないのです、調査していないと認めてしまったから。今まで調査しなくて、関心を示さない。橋本総理自身が、内閣の親分だ、橋本総理自身が、調査などできるか、調査してわかるようならスパイとは言えないだろうと言っているから、理由など言えない。
理由を付せず、何ら示すことができずに、調査しないということだけで突っ張ろうとしているけれども、彼女は昨日の裁判で北京公安部の出身であるということをみずから認めたから、日本政府は調査していないけれども、彼女はスパイだということは認めたんだ。北京の公安部というのは、天安門事件以来わかるように、民主活動家を逮捕し、外国人の中国国内におけるスパイ活動を調査し、そういう部署の出身だということを認めたんだ。
[029]
委員長 谷津義男
警察庁伊達警備局長。
[030]
新進党 西村眞悟
いや、委員長、ちょっと待ってください。
[031]
委員長 谷津義男
ちょっと答弁させてやってください。
[032]
政府委員(警察庁警備局長) 伊達興治
調査等といろいろお話にありますが、捜査機関として、私どもの考え方を述べさせていただきたいと思います。
警察としましては、具体的犯罪事実があるという、その疑いがある場合には当然捜査を行うものでありますが、現時点では本件につきまして具体的犯罪事実の疑いがあると判断できず、したがって、捜査を行う必要がないものと考えます。これが基本であります。
それから、先ほど来言われております、北京市公安当局に女性が勤務するから諜報員ではないのかというお話でありますが、当該女性が北京市公安局に勤務していたかどうかは警察としては承知しておりません。なお、北京市公安局につきましては、警察組織であり、我が国のような一般警察業務よりも担当分野が広いようでありまして、消防、戸籍管理、外国人登録などの業務を含んでいるもの、このように承知しております。
[033]
新進党 西村眞悟
お務めはわかりますし、また私も質問内容を事前に言っているので、そういうふうに言われるのはわかるけれども、私が聞いておるのは、官房長官、これは内閣が内閣総理大臣の名前で衆議院議長に渡した回答書で、この女性のことは調べていないんだと。将来調べるかどうかは、予定はないんだと。今警察の方も言われたように、この女性が公安部に属していたことは承知しておりませんと。調べていなかったから内閣はわからなかっただろう、この回答を出す前には。しかし、今わかった、昨日裁判で証言した。どうなんですか。
国民は、また同盟国はこの問題を注目している。普通の民主主義国家の常識を共有する我々の国家間の関係で、決してこの問題を軽視すべきことではないのです。また、橋本総理が調べてわかるかということをおっしゃるなら、せっかく行政改革をやっているのだから、我が国が、先ほど概要としてお伝えした、スパイ天国かというふうな汚名を払拭するような方向での行政改革の問題点の指摘というのもあってしかるべきだ。どうなんですか。
この回答書で突っ張られるのですか。これは虚偽なんだ。しかし、過去のことは問わない。将来どうするのですか。
内閣官房長官、この回答書を出した責任者のスポークスマンとして、これから新たに、公安部の人間であるということを本人が認めた以上、橋本総理とどういう交際をしていたのか、どこで会っていたのか、何を話していたのか。
それと、橋本総理が、天安門事件以来援助再開に努力して初めて北京に行った西側閣僚であるということ、尖閣諸島では弱腰であるということ、靖国神社には首相になってから中国に配慮して行かなくなったこと、これらすべてがこの問題と関係あるのか否か。
因果関係まで含めて調査して、国民に公表する、同盟国に説明する、この予定はあるのですか、ないのですか。
[034]
内閣官房長官 村岡兼造
いろいろ、先生、この答弁書は虚偽だと。私は虚偽であるとは思っておりません。このとおりだと思っております。
それから、今答弁されたように、北京の市役所の公安局の複数の事務所に勤めたことがある、パスポート検査や外国人登録手続業務を行っておる、それからまた、根も葉もないうわさで迷惑していると本人も言っているようでございます。
したがって、今調査するのかしないのかと。この答弁書のとおり、虚偽だと私は思っておりません。
[035]
新進党 西村眞悟
時間が終わったから、規則どおりやめます。
平成09年12月11日 衆議院 本会議
[006]
新進党 小沢一郎
不信任の第5の理由は、総理みずから国益に反する行為を行い、全くその責任を自覚していないことであります。
我が党は、橋本総理が厚生大臣などの公職にあったとき、中国北京市の公安局に勤めていた女性と交際していた疑惑を指摘し、総理もその女性との交際を認めました。およそ政府の閣僚と深く接触する人物が、外国の諜報部員もしくはそれと関係のある人物であるかどうかは国家の機密にかかわる問題であり、国益上重大な問題であります。
それは、スパイとの接触が明らかになり、時の首相あるいは大蔵大臣が辞任に追い込まれたイギリスのプロヒューモ事件、西ドイツのブラント首相事件などから明らかであります。
しかるに橋本総理は、衆議院予算委員会やその後の記者会見において、中国の諜報部員であったか調べようがない、そんなの調べようがない、それでわかるようなら諜報部員と言えるかと述べたのであります。これは、総理みずから我が国の国家機構の調査能力のなさを世界に公言し、我が国がスパイ天国であることを認めたことであり、我が国の対外的信頼を総理みずから失墜させたのであります。
この点だけを取り上げても、橋本総理は国政の最高責任者として失格であると断言せざるを得ません。(拍手)
平成10年01月20日 衆議院 予算委員会
[136]
新進党 西村眞悟
それで、10月30日にお伺いしたときには、交際、食事、また慰労のためにいろいろ食事等したということは認められたのですが、相手がスパイかどうかということについてはわからないし、調べられないし、そして委員会が終わってから、これは記者の質問に答えて、調べてわかるようならスパイとは言えないだろうと答えられた。
その後、この相手は、真実、中国の公安局に所属していたということを日本の裁判で言いました。(発言する者あり)
区役所であるかどうか、これは総理自身が説明していただかなければならないことだと思います。
これも、私のひとりよがりではないということをお示しするために、ボイスに書かれた櫻井よしこさんと、文芸春秋2月号に書かれた中西輝政教授のことを、2人が何を訴えておられるか紹介したい。
櫻井よしこさん。橋本首相と同女性の関係は、首相が語らないだけに不明の部分が多い。だが1つ明らかなのは、首相には、国民にすべてを説明する責任があるということだ。何らかの関係があったなら、直ちに辞任すべきだということだ。国を代表する首相は、ゆめゆめ外国の諜報部員などと関係を持ってはならない、それだけ責任が重いのだ。
あ、そう、で済む問題ではない。少女買春の比ではない。私たちは激しく怒るべき場面なのだ。にもかかわらず、この静けさは何なのか。人が皆、みずからの豊かさと安寧にのみ心を砕き、社会全体の運営は人任せの甘えに浸っているからか。怒りを忘れた社会とは、おかしなことをおかしいと感ずる能力を失った社会、考える能力を失った社会だと自覚すべきであろう。
中西教授は、こう言っておられる。総理がクリアしなければならないハードルは、中国人女性との交際問題だ。
この女性が中国の情報機関に勤務していたという報道が事実ならば、クリントン大統領の不倫騒ぎなどと同じレベルのものではないんだ。日本の公安問題、安全保障の根本を揺るがしかねない話と言っていい。残念ながら日本の大マスコミでは大きく扱われていないが、ニューヨーク・タイムズやル・モンドでも報じられ、欧米でも話題になっている。野党の追及を受けるのは必至だが、首相は逃げも隠れもせず、国会で事実関係を説明してもらいたい。
私のひとりよがりではありません。総理は、櫻井よしこさんの言う、怒りを忘れた社会、おかしなことをおかしいと感ずる能力を失った社会を隠れみのにして、今までどおりこの問題について説明を回避されるのですか。
それとも、この社会を担う気骨を持ったエリートのトップとして、まず率先垂範、みずから最高責任者の地位にかけて、国民にすべてのこの人物との始まりから終わりまでの交際の事実関係を説明なさる予定は持っておられますか。ありますればいつ始められますか。ないと言うならば、はっきりここでないとお答えいただきたい。
[137]
内閣総理大臣 橋本龍太郎
昨年10月30日、衆議院予算委員会におきまして議員から御質問がありましたとき、私は、確かに中国に参りましたとき、衛生部の通訳として会議に列席をし、その出張もともに動き、会合すべてに列席をしておりまして、その議論すべてを席上で通訳をしておりますということ、また日本に中国衛生部の関係者、正確に申しますならば、中国衛生部及び日中友好病院の関係者が参りましたときもあったと存じますけれども、通訳として日本に参って、そのときに私がお礼の食事をしたことも全部申し上げております。
そして、その上で、私は何も、お尋ねがありましたことをきちんとお答えをしておると存じます。そして同時に、他家の奥様になっておられる方に、そのプライバシーに配慮はしていただきたいということもお願いを申し上げたつもりであります。
その後、議員から質問主意書をちょうだいをし、内閣としてお答えを申し上げましたので、そうした点について関係の当局に対してお尋ねがありますならば、お尋ねをいただきたいと存じます。
ただ、私から申し上げたいことは、通訳として彼女が知り得たこと、これは別といたしまして、政治家として、一衆議院議員でありましたときもございますし、そうした場合に国益を損なうような話をしてもおりませんし、またするはずもありません。
そして、おかしいと言われましたが、中国にあります日本大使館から大使館の職員がついてくれましても、一議員のときにそれほど通訳をきちんとつけてもらえるというものでもございませんでした。ですから、向こう側の通訳に頼った部分がある。それがいかぬと言われますならば、これはおしかり、これもおしかりを受ける以外にないのですが、私は本当に語学が苦手ですし、海外に出たとき、日本側で通訳がない場合には相手側の通訳に頼るということは事実そのとおりのことでございますので、そのとおり申し上げております。
[138]
新進党 西村眞悟
私は、そういうことではなくて、この女性がスパイであるという報道がなされて、これに対して弁明はすべきであろうと。
そしてもう1つ、総理が重大なことを前回言われたのは、調べてわかるか、調べてスパイとわかるならスパイと言えないだろう、そんなの調べられるかというこの発言、これは、日本は諜報機関の活動に対して無能力国家だということを公言したことになるのです。
したがって、みずからこういう御発言をなさらなければ、総理の今の御説明である意味では納得するでしょうけれども、総理としては調べねばならない、スパイであるかどうか、そこまで私は総理に責務が課せられていると思う。
今の御答弁は、要するに総理が今まで説明されたことに尽きるのであって、これ以上何ら国民に説明する必要はない、これでお聞きしておきますが、これでよろしいんでしょうか。
それともこれは、しかしこういうことでよろしいとすれば、我が国は、総理のおっしゃったように、我が国の調査をしてもわかるならスパイとは言えないという、我が国はスパイに対して調査不能の国家だということを記録として総理が明確に国会で発言したということになります。中国の、いや、中国というか我が国の切った張ったの刑事訴訟ではなくて、我が国の国家機密を守るという観点からの警察の捜査行動、その努力を侮辱すること甚だしいということになるんです。
[139]
内閣総理大臣 橋本龍太郎
先ほど私は、議員から質問主意書をちょうだいし、内閣として答弁書を用意したということも申し上げました。その上で、政府としての調査についての部分につきましては事務当局からきちんとお答えをしてもらいたいと存じます。ちょっと事務当局から答えさせてください。
[140]
政府委員(警察庁警備局長) 伊達興治
捜査の第一義的な責務に当たる警察としてお答えを申し上げたいと思います。
警察としましては、諸外国からの諜報事案については重大な関心を持っておりますので、これまでも十分な捜査をやってきたつもりでありまして、過去20年間でも約30件の検挙をしており、それなりの努力をしているつもりであります。
なお、今回の問題につきましては、警察としましては、具体的犯罪事実があるとの疑いがある場合には当然捜査を行うべきと思いますけれども、現時点では犯罪の疑いありと思料する段階にない、こう判断しておりまして、したがって、捜査を行う必要はないものと考えております。
[141]
新進党 西村眞悟
こういうことです。こういうことなんです、我が国の現状は。
結局、その女性のことじゃなくて、この女性という人物を道具にして何を中国が情報として握っておるのかと。公安の問題であり、安全保障の根幹を揺るがしかねない問題と言っていいという中西教授の発言を私は支持するものであります。
平成10年05月15日 参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会
[070]
公明党 福本潤一
私、あっという間に時間が終わりそうなので心配になりますけれども、聞いたことにお答えいただければと思います。
かなり質問を省かせていただいて、ロシア援助には過去6年間、人道援助、地震もありましたし、輸銀による援助、北方領土交流事業のロシア人の受け入れ等かなりあると思います。過去、ここ6年間と限ってもいいですけれども、援助実績の総額、これだけちょっと答えてください。
[071]
政府委員(外務省欧亜局長事務代理) 飯村豊
お答え申し上げます。
1990年の12月以降、これまでに有償、無償を合わせて総額約60億ドルの支援をコミットしております。
[072]
公明党 福本潤一
ドルですね。
[073]
政府委員(外務省欧亜局長事務代理) 飯村豊
60億ドルでございます。
[074]
公明党 福本潤一
円レートでかなり違うと思いますが、ほぼ6000億円ということになっていると思います。
外務省はODAも担当されておりますので、ロシアはODAないかもわかりませんが、インドと中国へのODA予算、同じように6年間でどれだけやっておられるか、総計だけで結構です。
[075]
政府委員(外務省経済協力局長事務代理) 堂道秀明
インドにつきましては、これは純額でございます。すなわち総額から支払い分を抜いた額でございますが、6年間で約32億ドルでございます。
中国でございますが、65億ドルぐらいになるかと思います。
[076]
公明党 福本潤一
近辺の大国というところにかなりのODA予算が日本から出ていっているということになると思います。
今回、インドには、核実験をやった代償に、制裁措置として供与を停止するということになっておるようです。私は広島生まれで、先ほどの話のように、戦後の生まれではありますがさまざまなことを聞いておりますので、インドヘのODA供与を停止するというときに、基準はどういう形で停止するということになっておるかをちょっとお伺いします。
[077]
政府委員(外務省経済協力局長事務代理) 堂道秀明
政府としては、従来よりインドに対しまして、核不拡散条約や包括的核実験禁止条約への加入あるいは核開発の停止を働きかけてきた次第であります。
今般インドは2度にわたりまして核実験を実施いたしましたが、核兵器のない世界を目指す国際社会全体の努力に対する挑戦ではないかと思っております。
さらにODA大綱でございますが、ODA大綱には、開発途上国の大量破壊兵器等の開発、製造等の動向に十分注意を払うということがございます。このため、政府としましては、官房長官より発表いたしました措置をとることにした次第であります。
[078]
公明党 福本潤一
ということで、インドには停止する形になるという、一つの国策に沿った形で対応しておられるということでございます。
この中で、中国への65億ドルというのは突出して大きいわけでございますが、今、巷間の週刊誌また日刊ゲンダイ等にも橋本総理の関係のニュースが出ております。我々もちょっと心配になります。地元日本人として、こういうことはないはずだというふうには思いますが。
例えばODA予算、書き方によりますと、中国のスパイの可能性のある女性が日本のODA予算をとりたいため、例えばベチューン医科大学に26億円の無償援助を橋本総理が大蔵大臣のときに供与されておると。しかも、供与されている女性の元御主人から、現在、東京地裁に女性夫妻は訴えられておると。しかも日刊ゲンダイによると、ODAの金額は、26億円以上の1000億円に上る見込みだという形で加藤昭という人が書いておられる。一度参考人に呼びたいぐらいの人ですが、これはまた別の、予算委員会のマターでございます。
そういう形でやっていった場合、ODA予算が、今までは、マルコス疑惑のときは受け取った側の方が不正に使っていた。今度は、与える側の方がそんなことをやっているという疑いもあると。これは早いこときちっと外務省として、ODAを担当しているところとして、適切な対応をしないと大変なことになりはしないか。尾ひれがつくんですね、こういうのは。何か中国に2人の間に7歳の女の子がおるということまで出ておるんです。ですので、万一こういうことがあった場合、ODAに対してどういう責任を外務省はとられるのか、一つの信念としても聞かせておいていただかないと。
昨年の対外経済協力小委員会で、私もODAの基本法をつくるということで対応したにもかかわらず、なかなか外務省から色よい返事をいただけなかった。それで、むしろ私の方はODAで特別委員会をつくろうというふうに思っています。
そういう意味では、ODAに対する外務省の姿勢として、万一そういうことがあったらどういう形の責任問題になるのかということをきちっとお伺いしたいと思います。
[079]
政府委員(外務省経済協力局長事務代理) 堂道秀明
委員御指摘の中国の件でございますが、私どもは、今までの中国への援助につきましては、中国政府の要求、それからその要求が果たして妥当なものであるかどうか国民の生活の向上に資するかどうかという観点から審査をした上、あるいは調査をした上決定しているつもりでおります。今度その評価につきましては別途評価を行っておりまして、会計検査院の検査もございます。
そうしたことを踏まえまして、あるいはODA大綱も踏まえて、私どもとしては、我が国の援助が本当に有効になるような形でやっていきたいと思っております。
平成10年06月10日 衆議院 本会議
[007]
自由党 青木宏之
私は、自由党を代表いたしまして、ただいま議題となっております会期を8日間延長することに対し、反対の立場から意見を表明いたします。(拍手)
(中略)
反対の第3の理由は、橋本総理のODA疑惑や自民党山崎政調会長の献金疑惑などの真相解明に対し、政府・与党が積極的に協力をしていれば、会期延長しなくても疑惑の解明ができたということであります。
これまでの国会の審議を通じ、橋本総理の中国人女性との交際問題は、その女性がスパイであったかどうかの問題にとどまらず、我が国の中国への無償援助の配分にかかわる大いなる疑惑の問題であることが判明をいたしました。