尖閣諸島中国漁船衝突事件 7/7 ~ 前内閣官房参与・松本健一氏の証言

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平成23年09月26日 衆議院 予算委員会
[338]
自由民主党 稲田朋美
総理、きょうの産経新聞の1面で、内閣官房参与であった松本健一氏が、昨年9月の尖閣事件における中国人船長釈放が那覇地検の判断ではなく、菅総理、仙谷官房長官の政治判断であり、刑事訴訟法を適用して釈放したと説明して答弁したことが虚偽だという証言をされております。

もし松本氏の証言が真実なら、重大な外交問題について虚偽答弁、国民を欺き続けたことになります。

総理、どちらが正しいんでしょうか。

[339]
内閣総理大臣 野田佳彦
まず前提として、産経新聞、見出しは見ましたけれども中身を読んでいないので、そこは逐次コメントはできないと思いますけれども、中国漁船長の釈放は、これは検察の判断でした、それを踏まえたその後の外交課題については政治主導で行ってきたというのがこれまでの経緯だというふうに理解をしています。

[340]
自由民主党 稲田朋美
菅政権下の内閣官房参与であった松本健一氏が証言をされております。真実を明らかにするために、菅前総理、仙谷官房長官、そして松本内閣官房参与の証人喚問を求めます。

[341]
委員長 中井洽
求めますとおっしゃられても、僕に聞くとかなんとか、ちゃんと言ってくれたらお答えできますが、僕にお尋ねですか。(稲田委員「はい」と呼ぶ)はい。

それでは、理事会で後刻協議をいたします。





平成23年10月27日 参議院 法務委員会
[200]
自由民主党 丸山和也
今日は新しい大臣の下での初めての法務委員会ということでいろいろ質問させていただきたいと思うんですけれども、その前に、今回質問に当たって政府参考人として、検事総長、それから最高検察庁公判部長兼裁判員公判部長、かつての前福岡高等検察庁次席検事、それから最高検察庁検事・前那覇地方検察庁検事正、それから東京地方検察庁検事・前那覇地方検察庁次席検事、検事総長は笠間氏、今、次はずっと岩橋氏、上野氏、鈴木氏と、こういう方々を政府参考人として何としても呼んでいただきたいと。

これはなぜかというと、やっぱり三権分立とも密接に絡む検察庁法第14条、指揮権発動という国家の大事、法の中枢にかかわる問題に関して、昨年、尖閣諸島中国人漁船船長釈放ということが不可思議な形で行われ、もう国じゅうの世論が沸騰し、非常にこの法的な処理という面で国家の根幹を揺るがすような疑惑が沸騰したにもかかわらず、何ら解明されないまま1年がたってしまったということの解明を、是非この法務委員会というところにおいてきちっとすべきだという1年間思い続けた思いから、是非これらの方々は、当時、その船長釈放に当たって、検察庁の判断で、那覇地検ですね、具体的に、処分保留のまま釈放したと。こういう判断にかかわった検察庁側の当事者なんですよ。

しかし、問題は、これは本当に検察庁の判断なのかと、あり得ないだろうと。法務大臣が所信で言われている国民の常識という、書かれていますけれども、3行か4行に、国民の常識から見たって、これ誰一人、当時、これは検察庁が独自に官邸とか内閣と関係なくやったと、日中関係の外交関係を配慮してやったなんて誰一人として思っている人はいなかったと思う。こういう国民の常識から来る強烈な疑問がある中で、1年たっても何ら解明、説明されないまま隠蔽されて、蓋をされて今日に来ているという中から、どうしてもお聞きしなきゃならないと。

また、その動機になったのがお手元に配付しています資料なんですけれども、これは今年の9月26日、産経新聞、トップページですね。ここにすごいことが書いてある。私はこれを見て驚愕しましたよ。普通なら、これが出たら健全な時代だったら内閣吹っ飛びますよ。吹っ飛ぶかどうかの大変な騒ぎになっているはずなんです。みんな感覚が麻痺しているのかなと思うんですけれども。

そこで、まず、この新聞記事ですね。大臣、今日じゃないですよ、当時、9月26日発売の新聞ですけれども、これはそのとき御覧になったんでしょうか。なったとすれば、なかったら仕方ないですけれども、なったとすれば、これを見て率直な印象として、まあそのときは大臣じゃありませんけれども、どう思われましたですか。一言お伺いしたい。

[201]
法務大臣 平岡秀夫
これは、その当日に新聞記事としては拝見をいたしました。私自身はこれを見て、これはどういうことなんだろうかというふうに、ちょっと真実のほどについては疑問を持ったというのが率直な印象です。

[202]
自由民主党 丸山和也
その程度の疑問じゃ困るんですよ。真実のほどはどうかなという、それは誰でも思いますよ、百人が百人。問題は、ちょうど尖閣衝突から1年たって、当時の、内閣官房参与になる直前のことですけれども、松本健一氏の詳細な証言ですけれども、証言内容の衝撃度なんですよ。

これは、要するに、この2枚目というか若干引用させてもらいますけれども、その釈放に関して、赤線で囲んでいますけれども、釈放は菅氏と仙谷氏の2人で決めたのかという質問に対して、少なくとも官房副長官ぐらいはいるかもしれないが、政治家が決めたと断言しているんですね。官邸側の誰が法務省、地検側に釈放しろと命令をしたのかと。回答、少なくとも菅氏はしていないでしょう、仙谷氏の可能性が高い、こういうこともはっきり言っている。質問が、官邸側の指示で検察が動いたと言えるか、それはそうですねと、明快に答えている。

この松本健一氏というのは著名な、何というか歴史学者というか評論家というのかね、若干経歴が書いてありますけれども、非常に見識のあるたくさんの本を書かれている人です。仙谷氏とも40年来の友人だとか知人だとかいうことでもあるようですけれども。その方が、当時はっきりしなかったことについて1年たってここまで断言、明言をされたということは、要するに、歴史の真実を知っていた証人として、沈黙を守って歴史に対してうそをつくのか、それとも松本健一個人としての、自分が積み重ねてきた人間を、そこにむしろ筋を通そうとするのかと。彼はここの人生の決断をしたと思うんです。じゃなきゃ、こんなこと書けませんよ。まさに、これはいわゆる当時からあらゆるマスコミで疑念を持たれたいわゆるやみ指揮権発動という問題なんですよ。

そこで法務大臣にお聞きしたいんですけれども、法務大臣は日本国憲法並びに検察庁法というのはいつ施行されたか御存じですか。まあこれはあれですから、昭和22年の5月3日なんですよ。憲法記念日になっていますね、同じ日なんですよ、検察庁法。具体的には、指揮権発動は検察庁法の第14条なんです。法務大臣も法律の専門家ですから御存じだと思うんですけれども、第14条、2段目ですね、「但し、個々の事件の取調又は処分については、検事総長のみを指揮することができる。」と。

この指揮権というのが何のためにあるのかという解釈についてはいろいろあると思うんですけれども、いわゆる三権分立の中で、いわゆる検察、司法に対する一種の民主主義的な関与といいますかそういうチェック機能、そういうこともあるんだと思われます。

ところが、これが今まで発動されたのは昭和29年でしたかね、いわゆる造船疑獄事件、あのときの吉田内閣ですけれども、犬養健法相が、当時の佐藤栄作自由党幹事長、2000数百万円の賄賂を受け取ったという疑惑で逮捕寸前に逮捕を阻止するという、指揮権発動によって逮捕を阻止したんですね。これは昭和29年だと思います。これはもうもちろん大事件になりまして、即日法務大臣は、たしか午後、辞任いたしました。多くの検察庁の幹部も責任を取ったと思います。もう国家を揺るがす大事件でありました。これが、歴史的には初めて行使された。それ以後、幸か不幸か指揮権発動というのはタブー視されまして、今日まで一度も発動されたことはなかった。

ところが、昨年の尖閣諸島沖事件においては、故意に、明らかに故意に公務執行妨害やったにもかかわらず、また勾留延長もして、完全に相手は否認をしていると、容疑事実を。そういう中で、勾留延長をして起訴態勢に着々と進めていたところ、突然、那覇地検が記者会見をして、日中関係を考えると、あるいは日本国民への影響を考えると捜査を継続できないということで、未明でしたかね、9月24日、釈放決定をし、9月25日、中国側の用意したチャーター機でさっさと帰ってしまいました。

こういうことは誰が見たっておかしい。法に従って粛々とやると言っていた内閣、政府、当時の法務大臣、外務大臣、全て内閣一体として、捜査当局も法に従って粛々とやると言っていた。あっけに取られた。

この事件を、当時のことを、生々しいですから、法務大臣、回想されると思うんですけれども、これと、今回の新聞記事を見ましてどのように思われましたですか。やっぱりあれは官邸側が政治的な圧力を加えたんだなという疑念をお持ちになりませんか。

[203]
法務大臣 平岡秀夫
この件については、実は質問主意書等でも政府の見解を求めるのが行われておりまして、私もその作成にかかわったわけでございますけれども、この松本前参与が言っておられるような事実関係というのはなかったというふうに承知をしております。





平成23年11月22日 参議院 法務委員会
[049]
自由民主党 丸山和也
時間が余りありませんので、次にいわゆる指揮権発動という問題についてお聞きしたいと思うんですけれども、なぜこれを私が取り上げるかというと、前の委員会でも若干言ったんですけれども、いわゆる昨年の中国漁船船長釈放事件というのがございました。それで、あれについて、いわゆるマスコミ、それから識者、いろんな法律家も含めて、あるいは実際に、官邸側が政治介入、いわゆる裏指揮権発動によって那覇地検をして釈放せしめたんだと、もうそれ以外あり得ないという世論が沸騰していたわけでありますけれども、もちろん政府なりはそういうことはないと。検察庁の独自の判断であって、それを聞いて当時の官房長官はそれを了としたと、こういうことをおっしゃっているんですけど、まあどう見たってあれはうまく取り繕ったというか、下手に取り繕っておるんですけど、格好を付けたとしか思えないと思うんですね。

しかし、そういう当時の熱い政治的沸騰、熱は一応別にしても、やっぱり指揮権の発動というのは大きな法治国家の根幹にかかわる問題であって、そういうことが疑われたということ自体が既に大きな問題を提起していると思うんですね、在り方として。だから、こういう点については、前にも申しましたけど、是非やっぱり我が委員会というのは根本的に重大な問題だという意識を持って取り組む必要があると思って私は孤軍奮闘しているんでありますけれども。

大臣、指揮権発動というのは、昭和何年でしたかね、1954年ですか、造船疑獄事件、もちろんよく御存じだと思うんですけれども、このときに戦後初めて、現在まで初めてですけれども公式に指揮権が発動されまして、当時の自由党佐藤栄作幹事長の逮捕をストップさせたと。犬養健法相でしたかね、法務大臣が検事総長を指揮して逮捕を止めたと。それで、当日、大臣は辞任したと。その1か月後でしたかね、吉田内閣もこれも1つの理由になって総辞職をしたという、こういう経過があるんですけれども。

やっぱり司法とですね、政治の介入というものは、この事件だけじゃなくてもっと大きな、我々は歴史で勉強したんですけれども、大津事件というのがございましたね。これは戦前の事件ですけれども、1891年、明治24年ですよ。当時のロシア帝国の皇太子ニコライ2世が大津の方に来たときに、津田三蔵という、警察官でしたかね、これが刃物で切り付けたという事件がありまして、これはもう御存じで言うことないんですけど、このときにやっぱり当時の政治は、あれはいわゆる日本の皇室に対する犯罪として旧刑法116条で死刑にすべきだという、盛んに、裁判官の中でもそういう意見を述べていた人がいたようですけれども、すごい圧力が掛かったんですけれども、児島大審院判事ですか、大審院長は、いわゆるこれは、この規定というのは日本の皇族に対する罪を定めたものであって、外国の皇族、皇族と言うかどうかは別にして、外国の皇太子とかそういうのは含まれないんだ、あくまで日本の皇族に対するものであって、一般刑法でしかこれは処罰できないと、幾ら政治が死刑にしろと言っても、やっぱり一般刑法だということで無期懲役にしたんですよね。

これはやはり当時も、ロシアの皇太子に傷つけたような、そういうことをした以上はロシアが何するかも分からないと。外交上の問題なんですよ、まさに。どんな、戦争になるかも分からないと。国益を配慮した場合は津田三蔵は死刑にすべきだというすごい圧力があった。伊藤博文なんかもそう言っていますよ。すごいそういう政治的介入があったんですよ。もう公然とあった。でも、当時の大審院長は、やっぱり法律は法律だと、政治の介入は排除したということで、これは司法の独立を守ったということで、いまだに語り継がれている。我々も司法試験を勉強するときにもこういうことも背景として勉強しましたけれども、そういう事件御存じだと思うんですけれども。

それに比べ、昨年の尖閣諸島の事件、まさに国益が絡んだ、1つの国益、中国がどんなに、例えば日本人を拘束した、あるいはレアアースメタルは、レアアースですか、ストップしたとか、あるいは暴発するかも分からないと、こういう一触即発の似たような状況が起こりました。そのときに、事もあろうに、法律に従って粛々とやるべき立場の検察官がですよ、起訴独占主義を持っている、国際情勢を判断して釈放するなんてことはあり得ないことですよ。検察官も頭が狂ったとしか思われない、もしそうだとしたらですよ。

したがって、あの苦渋の会見を見ていても、これはもうマスコミ全てが、99.9%のマスコミがこれはおかしいと。やっぱり政治的介入を疑わせる、もう断定しているような新聞もございましたけれども、まさに政治の介入によって司法が、司法の一環ですよね、検察というのは。司法が自ら、どれほど強い圧力だったかは分かりませんけれども、当時に比べればはるかに弱い圧力だと思いますよ。司法が自ら自分の尊厳をかなぐり捨てて、政治判断というか政治に妥協して釈放してしまったと、こういうことは歴史的に見るとほっとけないことだと僕は思うんですよ。

それは、あの船長の釈放が良かった悪かった、これは政治的判断で、僕はいろいろあっていいと思うんですよ。釈放するなら釈放する。ただ、手続としては、骨格をやっぱり踏み違えてはいけないと。こういうことをやり出すと国の本当の営々と築いてきた三権、法治国家、この骨格がいいかげんになるというか、やっぱりゆがんでくると思うんですよね。そこが僕一番気にしている点ですよ。

指揮権がどうだと、発動するのはこういう理由で発動すると、日中関係、アジアの安全考えたら、こういう戦争、幾ら相手が不法であっても戦争は避けなきゃならぬという判断で指揮権を発動したというなら、あとは政治的評価の問題ですから、国会なり世論でその当否を判断すればいいと思うんですけれども、ややこそくに、非常にこそくにそういう政治的なプレッシャーの中で司法自らが政治に歩み寄って妥協したと思わざるを得ないんです。

この点について、私は前回も取り上げたんですけれども、当時の内閣官房参与、そのときは参与じゃなかったんだけれども、直後に参与になられた松本健一さんが今年の9月26日の産経新聞で克明にそのやり取りをインタビューに答えられている。これを見たら、もうほとんど当時の内閣官房長官含めて言い逃れできないと思いますよ。

若干1か所だけ引用させてもらいますけれども、釈放は菅氏と仙谷氏の2人で決めたのかと。それに対して、少なくとも官房副長官くらいはいるかもしれないが、政治家が決めたと。官邸側の誰が法務省、地検側に釈放しろと命令したのか。少なくとも菅氏はしていないでしょう、仙谷氏の可能性が高い、こう言っているんですね。官邸側の指示で検察が動いたと言えるのかと。それはそうですねと。

こんな、爆弾というより、これは歴史に対して彼が誠実であろうとした、自分の人生を懸けたこれインタビューですよ。これは彼の内閣官房参与という、官邸の中にいた一員でありますけれども、やっぱり自分は歴史に対してどう証言しておこうかというところから出た僕は証言だと思いますよ。

だから、この彼は、僕から見るとやっぱり、僕から見るとと言うと失礼なんですけれども、はるかに第一級の見識を持った人物だと私は評価しているんで、会ったことは一度もございませんけれども、その後国会図書館から彼の図書を20冊ぐらい借りて、今ずっと全部いろんなあれを読ませていただいておるんですけれども、何度も読んでいるんですけれども、やっぱりなかなか見識の深い方だと私は思いました。

彼は、やっぱり、釈放したのはいけないと言っていない、必ずしもね。こういうやり方でやったということについての大きな問題提起をしていると私は見ているんですよ。

大臣、ちょっと私がるる述べてしまいましたけれども、どう思われますか。こういう事実が、指揮権発動という問題の重大性と、それからそれをかなり裏付けるような証言がなされている。この時点に立って指揮権発動という問題についてどのように考えられるか、一言、前回よりは少し進歩したお答えをお聞きしたいと思っています。

[050]
法務大臣 平岡秀夫
指揮権発動の重大性ということは、今るる委員がお話しになられたことについては、私もまさにそのとおりだというふうに思います。

検察権というものが、一方で行政権に属しながらも、他方で司法権の独立を確保するために司法権とある意味では密接不可分な関係であるために、やはりそこの独立性ということについて言われていると。その中の調和を取るということの中でこの指揮権の問題があると。確かに、指揮権の発動については法律にのっとってやって、それについての評価というのは、政治的な評価というのはしっかりと受けるべきだと、私もまさに委員の御指摘についてはそのように思っております。

他方で、今回の今委員が御指摘になった事件の問題について言えば、我々も、委員が、松本参与がインタビューの中で言われているようなことについては、お尋ねのような事実はないというふうに承知しているところでございますので、それ以上のことは私から申し上げれるような状況にはないということで御理解をいただきたいというふうに思います。

[051]
自由民主党 丸山和也
じゃ一言。前より大して進んでないけど、進みそうで余り進まなかったんですけど、大臣としては、そうだとすると、那覇地検が判断をしたということに、政治的状況を見て判断したということなんですけれども、こういうことについて、やや遺憾だなと、踏み込み過ぎているなというふうに思われませんか。それとも、そういう政治判断は、もうこれから前例になるわけですからね、それがそうとすれば。その点についてはどのようにお考えですか、検事が政治的判断をするということについて。

[052]
法務大臣 平岡秀夫
今委員の方から那覇地検の判断についてということでありましたけれども、私が承知している限りにおいては、那覇地検が判断するに当たっては、最高検も含めて検察全体として考えた、判断をしていったというふうに承知をしているところでございます。

そういう状況の中で、個別の事案について、私がこれについてどうであったかこうであったかということについてコメントすることは差し控えさせていただきたい、このように思います。





平成24年01月31日 衆議院 予算委員会
[034]
自由民主党 町村信孝
もう1つの大きな失敗は、あの尖閣沖における中国漁船と言われるものと海保の船との衝突、この問題であります。

私は、これが大失敗でなかったと思う人がいたら顔が見たいんですけれども、驚くべきことに、当時の仙谷官房長官、今は党の幹部でいらっしゃいましょう、この方もまた、今月に入って、極めて正しく対処したと講演をしておられると新聞で見ました。あきれて物が言えませんね、あれだけの間違いを犯しておいて。

野田総理、当時財務大臣で閣内におられたはずです。あの対応が正しかったと思いますか。

[035]
内閣総理大臣 野田佳彦
当時、検察当局が法と証拠に基づいて適切に対応したものというふうに承知をしています。





平成24年03月15日 参議院 予算委員会
[092]
自由民主党 丸山和也
あの当時、マスコミも含め9割方は政府の介入だと。外交関係を配慮してと検事は言っていますが、政府が、官邸が、つまり菅総理と当時の仙谷官房長官がこれは事実上指示をして釈放されたと。これはマスコミも全部言っているし、国民だってあの当時世論調査すれば、世論調査すればよかったのに、9割の人はそう思ったと思いますよ。

今でも世論調査すれば8割方はそう思っていますよ。こういうことについて堂々たる疑念も晴らさないで、一検事がやったんですということで済ましていくということが形骸化なんですよ。それについて官房長官、当時の官房長官じゃありませんけど、恥ずかしいと思いませんか。

[093]
内閣官房長官 藤村修
現官房長官でございますので、政府の立場ということで私も見直してみたところ、冒頭申しましたように、これはやっぱり検察当局が国内法と証拠に基づいて判断したと、そういうことでは政治判断ではないということは、しっかりと勉強させていただいたところです。

[094]
自由民主党 丸山和也
昨年の9月24日の産経新聞の1面でも、前内閣官房参与の松本健一さんが、菅、仙谷氏が政治判断したということをはっきり断言しておられる。仙谷氏の友人ですよ、これは、大学時代からのね。もう明らかなんですよ。こういうことをごまかしてやる政治ということに対して国民は怒りを持っておる。どうですか、官房長官、恥ずかしいと思いませんか。

[095]
内閣官房長官 藤村修
そのときの判断ということで、これは、漁船が巡視船「みずき」に故意に衝突させたことは証拠上明らかだと、それから「みずき」の損傷は直ちに執行に支障が生じる程度のものではないと、それから「みずき」乗組員が負傷するなどの被害の発生はないと、計画性等は認められない、被疑者には我が国における前科等なしと、我が国国民への影響や今後の日中関係などを考慮したと、こういうことを検察で判断されたということだと思うので、政治判断が加わったとは思っておりません。

[096]
自由民主党 丸山和也
そういう説明をすることについて、良心の呵責とか恥ずかしいとは思いませんかということを聞いているんです。

[097]
内閣官房長官 藤村修
官房長官の立場でこれが正しいと思っております。





平成24年03月22日 参議院 法務委員会
[086]
自由民主党 丸山和也
中国政府は、尖閣諸島、あの領域、尖閣諸島は中国の領土だと、固有の領土だと言っているわけですよね。だから、日本が違法な活動をしているんだと、日本の方がむしろ違法行為をやったんだと。今はどうか知りませんけど、日本にも損害賠償を請求すると、こうまで言っていたぐらいですから、全くあり得ないわけですよね。そうすると、国民の怒りも強制起訴になったところで終わりということになってしまうわけですよね。

これは、形だけは法が生かされて強制起訴まで行ったんだけれども、全く実態がないということになるわけで、非常にむなしい結果になってしまった。日本は、尖閣諸島は固有の領土だと言い続けながらも、その刑事司法手続においては全く手を出せない、あるいはむしろ手を出せない状況を自らが作り出してしまっていると。こういうことで主権国家の司法というのは成り立たないと思うんですね。最近における、いわゆる国益というか、国益、プライドをも含めて侵害された最も顕著な事件だと思う。

しかし、もう1つ大事なことは、これについての政府の釈明が一貫して虚偽であると思われることですよ。国際関係を、日中関係を考慮して釈放したと検事に言わせ、しかも全くそれが政治的に無関係の介入もない判断であったかのように言わせ、そして不起訴にし、強制起訴になっても、はいそれまでよと繕うわけですよね。

こういうことで事を済ませていくと、形的にはそのとおりであれば誰も文句も言えない。これ、強制起訴になっても恐らく公訴棄却でしょう、裁判はできません、出頭もないしと、それで終わりと。事なく終わらせたということになるかもしれませんけど。僕は、ある意味じゃこれは民主主義にとって非常に、こういうことはやっぱり一番ゆゆしきことだと思うんですね。事実を明らかにしない、形を整えてよしとすると。

要するに、民主主義の手続というのは形骸化しているということなんですよ、これ、中国人船長の。民主主義が形だけになり形骸化してきて、本当の実態を暴こうとしない、時の権力もそれを蓋して、形だけで形骸化を是とするということになってくると、やっぱり僕は、政治思想的には独裁への期待とか、あるいはそういう形骸化した民主主義の執行者に対するテロとか、こういうことを僕は正当化していく、誘発する環境が生まれると思うんですよ。だから、僕は、こういうことが繰り返していくなら、テロなり独裁願望というのは非常に大きくなってくると、そういうことが本当のやっぱり危機だと思うんですよね。単に船長を釈放したかどうかというだけの問題じゃなくて、不信感ですよ、だから。

時代はちょっと遡って、前に言いましたけれども、明治政府の大隈重信があの列強との条約、不平等条約の改正にいろいろやっていたんですけれども、やっぱりこれがなお不平等というか日本の国益を害するということで、来島恒喜に外務省の前で爆弾を投げ付けられて足が吹っ飛んでしまったと、こういう事件がありましたけれども、当人はその場で自害しましたけれども。あのころ、それがいいと言っているんじゃないんですよ、ただ、大隈重信が、それで彼の行為に対して、彼の行為は真に愛国の志から出たものであって自分はたたえるなんて言っているんですよね。それだけの度量がある政治家が今いるかどうか分かりませんけれども。また、最近はそういうテロも少ないですから、これはそれでいいんでしょうけれども、やっぱりいいかげんなことをとりわけ外交関係でやっていくと、怒りがどこかにマグマに達したときには、そういうことを是とする、それにしか訴えられないんだという空気を生むと思うんですよ、僕は。

だから、この中国人船長の釈放事件なんというのはやっぱり、何度も言いますけれども、当時の松本健一さんが産経新聞に9月26日に克明に書いていますよ、これ。官邸側の指示で検察が動いたと言えるか、それはそうですと。誰が関与したかということでは、少なくとも菅氏は関与していないでしょう、仙谷氏の可能性が高いと。彼は仙谷さんと親友ですよ、数10年の。彼がここまで言うということは、それはそれとしてきちっと認めた方がいいという判断が僕はあると思うんですよ。こういうこそくなことをやるんじゃなくて、官邸が1つの判断をしてやったんだと、そういうことで受けて立たないとやっぱり政治というものが死んでしまうよと。

彼は、この松本健一さんというのは日本の、決して右翼じゃないけれども、頭山満の研究なんか北一輝とか相当されていて、日本の右翼の研究を随分されている、純粋に思想的に。今はもうそれで自分はもう終わったと書いていますけれども。やっぱり歴史の証言ということはきちっとすべきだという覚悟をされたんだと思うんですよ。一見、仙谷氏なんかを裏切ったように見えますけど、決してそうじゃないと思う、僕は。こういう、ごまかしてはいけんと、特に権力は余りごまかしてはいかぬと、これだけの大きな国民的批判を受けたことに対してきちっとやっぱりやるべきだという1つの僕は正論だと思うんですね。

だから、僕は機会あるごとにいろいろなことを聞いているんですけれども、大臣も当時の大臣並びに政府の見解を踏襲されているばかりで、それ以上のことは今日も出ないと思いますけれども、やはりこの事件はそんなに風化させられるものではない、中国人船長の強制起訴をして、それで公訴棄却で終わって、ああよかったで終わる問題ではないということを是非肝に銘じていただきたい。答えは要りませんけれども。

それともう1つ、日本は中国に対して損害賠償を請求すると言っていたんですが、これはやったんですか、やっていないんですか。御存じだったらお答えいただきたい。

[087]
法務大臣 小川敏夫
中国政府ということではなくて、行為者に対して海上保安庁が船の損害の賠償請求はしたと聞いております。

[088]
自由民主党 丸山和也
結果はどうなりましたか。

[089]
法務大臣 小川敏夫
それは実現していないと聞いています。

[090]
自由民主党 丸山和也
やる気はあるんですかね。

[091]
法務大臣 小川敏夫
やはりこれも相手方が我が国の主権が及ばない国におりますので、なかなかその実現は難しい面があるとは思いますが。





平成24年06月13日 参議院 予算委員会
[164]
自由民主党 山本一太
羽田大臣、尖閣諸島での中国漁船衝突事件の際、ビデオ公開に反対されましたよね。

国益を損なってはならず、慎重に取り扱う必要があるとおっしゃっていましたが、何で公開しないことが国益なんでしょうか。

[165]
国土交通大臣 羽田雄一郎
やはり、海上保安庁の警備体制、これが表に出るということについて慎重にあるべきだというふうにその当時判断したものでございます。

[166]
自由民主党 山本一太
これは正しい判断だったと、大臣、思われますか。

[167]
国土交通大臣 羽田雄一郎
当時においては適切な判断だった、こういうふうに考えております。





平成24年06月15日 衆議院 法務委員会
[379]
自由民主党 稲田朋美
この強制起訴手続に関連をして、もう1件、強制起訴された、尖閣沖の衝突、中国人船長問題があります。これは、一昨年の9月7日、尖閣沖で、中国漁船が我が国の海上保安庁の巡視船に体当たりをして、そして8日に公務執行妨害罪の疑いで中国人船長を逮捕、勾留したにもかかわらず、25日に中国人船長を処分保留のまま釈放をいたしました。

これ自体大変な問題なんですけれども、翌年の1月に、この中国人船長はまず不起訴処分、起訴猶予になったわけであります。なぜ起訴猶予になったんですか。

[380]
法務大臣 滝実
起訴猶予にした理由は、当時の沖縄の地検がそういう決定をしたというふうに理解をしているわけでございますけれども、その詳しい内容については私もまだ勉強をいたしておりません。

[381]
自由民主党 稲田朋美
これも本当に、このときにまず、処分保留のまま釈放するときに、検察が会議を開いて、そこに指揮権も発動されたんじゃないかという疑いを強く持っております。

そして、なぜ起訴猶予にしたかわからないという今の大臣の御答弁ですけれども、私も、なぜ起訴猶予にしたかわからないんです。起訴猶予にするような事案じゃありませんから。



[417]
自由民主党 稲田朋美
私たちは、この問題はずっと事件が起きたときから当委員会で取り上げておりまして、当国会ではありませんが、この尖閣衝突に係るビデオの公開を委員会で要求をいたしております。

これを改めて要求をいたしたいと思います。

[418]
委員長 小林興起
後ほど理事会で取り上げます。





平成25年04月23日 参議院 予算委員会
[036]
自由民主党 丸山和也
次に、今日の言わば本題なんですけれども、約2年半ほど前に尖閣諸島の漁船衝突事件が起こりました。(資料提示)

この点について、ちょうどあれが起こったときに、釈放が決定したときに、私は当時の官房長官仙谷由人氏に電話をしました。そして、これは法に従って裁判もしないで処分保留で釈放してしまうというのはどういうことだと、こんなことをしていたら日本は中国の属国になってしまうんじゃないかという会話をした記憶がございます。そのときに、いや、そんなことをしたらAPECが吹っ飛んじゃうよと、それに今更もう属国もないだろう、もう属国だよというような趣旨の発言をされた。

それで私は非常に立腹して、今もその問題を追及しているんですけれども、これに対する当時の、菅内閣ですけれども、その扱いについては総理はどのようにお考えになっていますか。

[037]
内閣総理大臣 安倍晋三
今、個別の出来事については余りコメントをするべきではないとは思いますが、当時の言わば中国のそうした漁船等々の領海侵犯あるいはまた領空侵犯等に対する行為に対して、日本側の態勢の基本的な方針は私は極めて不十分というか間違っていたと、このように考えます。安倍政権においてその対処方針を基本的に改めたということは、もう既に衆議院の予算委員会でお話をさせていただいたとおりでございます。

基本的には、それぞれ司法の役割もありますが、日本の領土、領海を守る、この責任を最終的に負っているのは内閣総理大臣でありますから、内閣総理大臣が確固たる決意を示すのは当然のことであろうと私は思います。

[038]
自由民主党 丸山和也
これは2つの問題があったと思うんですね。

1つは、中国からの恫喝におびえて法を無視して釈放してしまった、こういう外交政治上の問題。もう1つは、やっぱり官邸主導で釈放したと、地検に命令を出して釈放したと、実質的にはですね。これは、ある意味じゃ政治が司法に介入したと、裏司法指揮権の発動とも取れるんですけれども、この点について、指揮権の発動とはどういうものか、法務大臣、ちょっと説明していただきたいと思うんですが。

[039]
法務大臣 谷垣禎一
今、指揮権発動何かということでございますが、これは検察庁法の14条に規定がございまして、法務大臣は検察官の事務に関して検察官を一般に指揮監督することができると、ただし、個々の事件の取調べ又は処分については検事総長のみを指揮することができると、こういう規定になっております。

それで、検察権の行使に関して法務大臣に一般的な指揮監督権があるということにしつつ、具体的な事件に関しては検事総長のみを指揮することができるというのは一体どういう意味なのかということでありますけれども、検察権は行政権に属しております。ですから、最終的には内閣のコントロール、内閣の責任というものがあるはずでございまして、それを法務大臣の指揮権という形で表現している。しかし、他方、この司法権と、検察権というのは司法権と密接不可分な関係にございますので、独立性確保、余り政治のコントロールに全部従うというようなことでは、検察、司法の独立性というものも達成できなくなると。その調和がこういう形で表現されているというふうに理解しております。

[040]
自由民主党 丸山和也
過去に指揮権が発動された例はございますか。

[041]
法務大臣 谷垣禎一
今、紙はございませんが、犬養健法務大臣のときに指揮権の発動、当時の検事総長、佐藤総長とおっしゃったと思いますが、指揮をした例がございます。

[042]
自由民主党 丸山和也
過去に1回だけだったと思うんですけれども、今回、平成23年の9月26日の産経新聞によりますと、松本前内閣参与が、菅、仙谷氏が政治判断によってこれ釈放したんだろうと、こういう、間違いない、ほぼ間違いないと。官邸側の誰が法務省、地検に釈放しろと命令をしたのかと。少なくとも菅氏はしていないでしょう、仙谷氏の可能性が高いと。まあこれはっきりと、ほぼ断言に近いことをやっているんですけれども、そうだとすると、これ、法務大臣、これはやみ指揮権発動ということになるんじゃないですか。

[043]
法務大臣 谷垣禎一
やみ指揮権という今御主張ですが、これ、私受けております報告は、これは検察当局において決定したものであると。そして、その決定に当たっては那覇地方検察庁が上級庁である福岡高等検察庁、それから最高検察庁と協議して決定したものであるという報告を受けております。

[044]
自由民主党 丸山和也
この事件は、ある意味じゃもう戦後最大の事件だと思うんですね。領土問題も国の主権も問われた、覚醒させたというか、大きな事件だと思うんですね。そして、司法と政治の問題も絡んだ本当に根幹的な事件だと思いますので、この当時の菅元総理、それから仙谷元官房長官、この2人を参考人として呼んで、当委員会で集中的に審議してもらいたいと思うんですけれども、委員長、いかがですか。

[045]
委員長 石井一
後刻理事会で協議いたします。





平成25年11月29日 参議院 国家安全保障に関する特別委員会
[298]
日本維新の会 室井邦彦
次の質問に参りますが、今回のこの特定秘密保護法案の策定は、平成22年9月の尖閣諸島沖中国漁船衝突事件におけるビデオ流出が1つの契機になったとも言われております。そのことにも関連し、同事件においては、那覇地検による中国人船長釈放の判断に政治介入があったのかどうかも、この点は大きな問題になっていました。最近の安倍内閣の見解に疑問を感じることがあるので、ここでただしておきたいと思うことがございます。

政府は、11月の12日付けの質問主意書に対する答弁書において、容疑者の中国人船長を釈放した那覇地検の判断についてこのように言われております。「御指摘の事件の被疑者を釈放するとの方針は、検察当局において、法と証拠に基づいて決定されたものであり、当該方針の決定に関して、関係省庁との折衝及び協議が行われたことはないと承知している。」との見解を示しておられます。しかし、これは、当時野党だった自民党が民主党政権の対応を批判し、検察の判断に政治介入があったとしていたことと異なるのではないでしょうか。

特に森大臣は、平成22年11月26日に参議院本会議で、仙谷官房長官に対する問責決議案の趣旨説明を行われました。その中で、この事件における仙谷官房長官の対応が極めて不適切であったことを問責の1つの理由として、中国人船長の釈放について、このような重大な外交上の判断が一地方検察庁でなされたと信じる者はおりません、総理や外務大臣が不在の間に仙谷官房長官主導で釈放の判断、政治判断が行われたと考えざるを得ませんと発言をしています。

また、最近、仙谷官房長官自身も、当時、法務事務次官に政治的判断での要望を伝えたことを明らかにしたと報じられております。

政治介入があった可能性は高いと思われるので、なぜ検察が法と証拠に基づき判断したとの答弁書になってしまったのでしょうか。

答弁書は閣議決定されたものであり、森大臣も署名したということであれば、野党時代の発言は間違っていたということになるのか、森大臣にお聞きをいたします。

[299]
内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・少子化対策・男女共同参画) 森まさこ
私が平成22年11月26日の参議院本会議においてそのような発言をしたのは事実でございます。また、本件についての政府としての見解は、本年11月12日付け質問主意書に対する答弁書でお答えしたとおりと承知をしております。

当時、私は自民党における独自調査に基づいて参議院本会議における発言をいたしましたけれども、安倍内閣になり、法務省において事実関係を確認した結果を踏まえ、答弁書が作成されたというふうに承知をしております。

[300]
日本維新の会 室井邦彦
ということは、野党時代におけるその森大臣の発言は、閣僚になってからの行動とは異なり、自己矛盾であるということがはっきり示されたのではないか。このことを証明された、このように言わざるを得ません。一言森大臣に苦言を申し上げておかなくちゃいけない、このように申し上げておきます。

官房長官は現在官邸におられ、当時の事実関係を詳細に知り得る立場であります。那覇地検による中国人船長釈放の判断に政治介入はあったのかどうか、明確に答えていただきたいと思います。これは稲田法務省刑事局長ですか。

[301]
政府参考人(法務省刑事局長) 稲田伸夫
お答え申し上げます。

お尋ねの中国人船長の釈放は、あくまでも検察当局におきまして決定したものでございまして、その決定に当たりまして那覇地方検察庁が上級庁でございます福岡高等検察庁及び最高検察庁と協議したものと承知しているところでございます。

[302]
日本維新の会 室井邦彦
これから、そういう優秀な官僚の皆さん方は、意思を持って毅然とした姿勢でこれから対応していただかないといけない。また、そのような人格のある官僚の皆さん方であります。しっかりと、これ以上深いことは申し上げませんが、私が何を言わんとしていることか、御理解をいただけると思います。どうかよろしくお願いを、対応していただきたい、このように思います。

森大臣、那覇地検による中国人船長釈放の判断に政治介入があったのかどうか、こういう政府の内部の意思決定過程は特定秘密に当たらないのかどうか、当たらないということでよいのか、念のために森大臣に確認をしておきたいと思います。

[303]
内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・少子化対策・男女共同参画) 森まさこ
政治介入があったのかどうかというような情報は特定秘密に当たりません。

[304]
日本維新の会 室井邦彦
はい、分かりました。よく理解をしておきます。





平成25年12月04日 両院 国家基本政策委員会合同審査会
[012]
日本維新の会 石原慎太郎
この議論の中で、秘密の領域を余り広げずに、国家の安危にかかわる防衛問題に限るという意見もあるようでありますが、それを妥当とするなら、国家の安危にかかわる情報こそ、私はむしろ公開すべき場合があると思います。

例えば先ほどもおっしゃいましたけれども、かつての、尖閣地域における中国の公船と称する怪しげな船の保安庁の監視船への衝突事件に関する嫌がらせと衝突の10数時間に及ぶビデオの映像、これは一色保安官の決断によって初めて開示されました。国民はその実態に触れました。これについては、腰抜けの民主党内閣が中国におもねって、これを秘密として隠蔽を命じましたね。そして一色保安官は、これを開示したことで国家公務員法違反として書類送検されて、辞職をしました。一色君の決断が国民の防衛に関する意識を呼び起こして、これを高めましたね。

私は、この事例を見ますと、愚かな大将は敵よりむしろ恐ろしいというパラドックス、これはもう実証されたと思います。これによって、行われるべき国家的な討論や審議が著しく阻害されたと思います。これは後に述べますけれども、私たちが保持している防衛力を有効に駆使する、守るための交戦規定の設立がこれによって阻害されたと思います。

これは、実は以前にもこれに似た事情が自民党内閣にもありました。

かつて、昭和51年の三木内閣というどうしようもない内閣のときに、ロシアのミグ25戦闘機が函館に亡命、不時着しまして、これに対してソビエトのコマンドが襲来するかもしらぬという通報がありました。これは政府はろうばいしましたけれども、当時の三好陸幕長の初判断で、敵の襲来に備えて、戦車が飛行場に入り、高射砲も配備して臨戦態勢をとりました。

そして政府は、この事件の処理の書類の焼却というのを後々命令をしました。そして、これについて行うべき討論なり情報というのは隠蔽されたわけですけれども、これに対して、三好陸幕長は辞任をして抗議をしましたね。その後、統幕の議長であった栗栖さんは、現行法では緊急事態に対する自衛隊は作戦行動ができないと政府を批判しました。当時の金丸防衛庁長官によって罷免をされました。

その後の平成11年、能登半島沖での不審船事件で、海上警備行動の発令ができずに、恐らく拉致した被害者を乗せたままであろうその不審船を取り逃がしてしまったわけです。





平成28年03月31日 参議院 農林水産委員会
[118]
おおさか維新の会 儀間光男
例えば、記憶に新しいところですが、平成11年3月でしたか、北朝鮮の工作船が領海侵犯して、これを米軍が発見するんですよ。そして防衛省あるいは海上保安庁へ通報して、保安庁が対応して、射撃して、船沈没しましたね。その船を確保して揚げて調べてみたら、武装した工作船だったということが判明したわけですね。

それと同様なのが、いわゆる漁船に紛れて武装された船が、ひょっとすると領海にあるいはEEZ内、皆さんの監視、視野の中にあるかも分かりませんね

例えば尖閣で、3、4年前ですか、中国船が海上保安庁の船に衝突をしてきた。あれは、船も確保し、船員も船長以下逮捕したけれど、何の裁きもしないで帰したわけですよ、船も船長も。あの中に何があったか不明なんですよ。

大変な失態だと思うんですね。そのおかげで、その周辺を漁場とする漁民が恐れおののいて、今その海域へ行かないんですよ。漁獲量が下がりましたね。そういうのがあるんですよ。



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