戦争における「人殺し」の心理学

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平成28年05月24日 参議院 外交防衛委員会
[065]
日本を元気にする会 アントニオ猪木
次に、戦争心理ということでお聞きいたしますけど、先日、脳外科の先生と人間の殺人心理についてという話をさせてもらいまして、人間は同類を殺すことに強烈な抵抗感を持った生き物で、人間社会の秩序を保たれているのは同類を殺したくないという人間の心理の働きであるそうです。

「戦争における「人殺し」の心理学」という本を是非読んでくださいということで、一応ネットで引いたんで、まだ読んではいませんけど、第二次大戦時、アメリカ兵の調査で、実際に敵に向けて発砲した兵は15%から20%しかいなかったそうです。人間は戦争という状況下でも深層心理が働き、人として人を殺すことができないという結果なのではないでしょうか。

私個人は、この調査結果に人間の尊さというものを感じましたが、視点を変えて見ると、どうでしょう、もし私が戦争中で参謀の立場だとすれば、自国の兵隊のうち20%しか鉄砲を撃たないわけですから、戦況に大きく影響が生じます。

戦争のない世の中になることが大前提ですが、その深層心理という部分で、私もリングの上で本当に殺し合いの試合が何回かあり、そのときにそんな余裕もありませんから、自分が勝つために、その辺がこの想定外の事態に備えることも現実的には必要なのだと思います。

防衛省にお聞きします。自衛隊員の訓練、人を殺傷するということは心理面での教育、どのようにされているのか、可能な範囲でお答えください。

[066]
政府参考人(防衛省人事教育局長) 深山延暁
ただいまの先生の御質問の趣旨は、やや間接的な受け止め方かもしれませんが、困難な任務にどうやって立ち向かうのかという御趣旨と承りました。

現在の自衛隊は志願制ですので、自衛隊にはそもそも国を守りたいという志を持った人が志願して入隊をいたすところでございます。隊員となった者は、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います。」と宣誓を行います。

また、隊員となった後においても、日々厳しい訓練を重ねて知識や技能を磨き、自衛官としての練度を向上させるだけでなく、我が国の平和と独立を守るという自衛隊の使命、そしてその使命を果たすために隊員が果たさなければならない役割、個々の隊員の責務と重要性などの教育がなされております。

自衛隊が国民の生命、財産を守り抜くために、国際法、国内法に従って各種の事態に対応できるようにしっかりと引き続き教育を行ってまいりたいと考えてございます。

[067]
日本を元気にする会 アントニオ猪木
一番本当はそこの部分というのは、人間が生きていく上で、自衛隊の議論もいろいろありました、安保法制の問題も、しかし、その辺がこれからやはり自衛隊という大きな任務、そしてその責任と同時に、先ほど申し上げた想定外、想定外がない方がいいんですが、そういうことで、また是非いろいろ、心理の部分、あるいは強い、あるいは精神力を持った、国を守る自衛隊であってほしいと思います。



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