八ツ場ダムと民主党 2/5 鳩山由紀夫政権

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平成21年10月28日 衆議院 本会議
[015]
内閣総理大臣 鳩山由紀夫
八ツ場ダム建設中止についてのお尋ねがございました。

私どもは、政権交代の選挙をマニフェスト選挙と位置づけて戦ってまいりました。そのマニフェストの中で、国民の皆様方との契約との思いで、政権交代をなし得た以上、その約束をいたしました一つ一つの事業に対して、4年間で着実に実現をしてまいりたい。その一つとして、今回の「コンクリートから人へ」、その象徴としての八ツ場ダムの事業がございます。

私自身、昨年の夏、八ツ場ダムを視察してまいりました。御案内のように、ダムの目的は治水、利水、さらに発電という目的があることは存じ上げておりますが、そのいずれに対しても、私が視察した結果においては、クエスチョンマークをつけざるを得ない、そんな事業でありました。そのときも、住民の皆様方の御意見をいろいろと伺ってきたことも事実でございます。

これからも、前原大臣を中心にして、この問題の解決に向けて努力を申し上げてまいりたいと思いますが、私どもは、できるだけダムによらない治水への政策転換を進めていかなければならないと思っておりまして、その強い意思のもとで今後とも行動してまいることをお約束いたします。





平成21年10月29日 参議院 本会議
[007]
内閣総理大臣 鳩山由紀夫
なお、先ほどお尋ねの中に、八ツ場ダムの中止があったということでございますが、これは、八ツ場ダムの中止に関しては、マニフェストに記述されていることであり、マニフェストは国民との間の直接の契約だと私たちは考えておりまして、国民との契約に基づいて判断をしたということであります。

なお、私は、昨年の夏、八ツ場ダムを実際に視察をしてまいったところでございますが、その八ツ場ダムを視察していく中で、治水や利水、さらには発電という意味があるのか、大きな疑問点を感じたことを地域の住民の皆様方とも議論をする中でそのような思いを持ったためにマニフェストの中に記載をさせていただいたということでございます。



[011]
国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・防災) 前原誠司
2点目でありますけれども、八ツ場ダムについてであります。

(中略)

その中で河川について申し上げますと、皆さん方御存じのとおり、大きなダムだけで2000以上今もう日本でございますし、今143の建設が計画をされているわけでありますけれども、このすべてを我々は見直していきたいというふうに考えております。

ダムを造るとどういう問題が起きてくるか。もちろん我々は、できるだけダムに頼らない治水をということで、ダムを全面的に否定しているわけではございません。しかし、ダムを造るとどういう問題が生じるか。ダムを造ると、水がせき止められて砂がたまります。砂がたまれば、それが下流に流れずに海に供給されません。そうなると、いわゆる海岸の浸食というものが起きて、海岸の護岸工事で新たな公共事業が生じるということになります。つまりは、ダムを造り続けるということは新たな公共事業をつくり続けるということにもなるわけであります。

その意味で我々は、このあらゆる観点から検証いたしまして、まずはその入口として川辺川ダム、八ツ場ダムの中止をマニフェストに入れさせていただいたところであります。

そもそも、本当に必要であるんであれば、なぜ57年間もできていないのか、なぜ必要であれば43年間もできていないのか。私は、非常にそこが不思議でございます。





平成21年10月30日 参議院 本会議
[003]
内閣総理大臣 鳩山由紀夫
私どもは、国民は新政権に対して何を望んでいるかと。言うまでもありません。例えば、民主党はマニフェストでこれを国民の契約として戦ったわけでございます。したがいまして、政権交代が行われて、当然のことながら、改革が断行されるときには従前の政策と異なる政策が取られることは十分考えられるわけでありまして、抜本的な改廃を行うことも当然だと考えております。ある意味でそれが民意だとも考えるわけでございます。

ただ同時に、それを強権的に強行するような手法を採用するつもりもありません。だからこそ、八ツ場ダムの建設中止の問題に関しまして、前原大臣を現場に赴かさせていただいて、そして、住民の声もしっかりと伺いたい、そのように考えたところでございます。これからも常に地域の皆様方と対話を続けながら、まずは国民の皆さんの声を大切にして国民の皆さんとの契約を果たしていく、まさに八ツ場ダムの建設中止もそのプロセスの中にあると考えております。

その八ツ場ダムに係る政策決定プロセスと代替案についての御質問でありますが、地元の方々が大変苦しんでおられる状況をやはり打開しなければならない、その思いで先般、前原国土交通大臣が予断を持たずに全国のダムと同様に改めて検証を行うことを提案をいたしたわけであります。その八ツ場ダムの代替案につきましては、検証を行う過程において検討して、まさに、これは前から申し上げておりますように、コンクリートから人へという基本的な方針に沿って、できるだけ代替案があるとしてもダムによらない治水がどうあるべきか、こういう方向で政策転換を求めていく、そのような所存でございます。





平成21年11月04日 衆議院 予算委員会
[205]
国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・防災) 前原誠司
斉藤委員御承知のとおり、現在、2800以上のダムができておりまして、かなりの更新時期に来て、古いダムもございますし、また、砂がたまってダムとしての役割を果たさないというような状況にもなりつつございます。ダムができますと、砂がたまって、それが下流に流れないということになれば、港に、海に砂が流れずに、海岸の侵食が起きて護岸工事もしなきゃいけないということになります。

現在、143のダムが計画をされているわけでございますけれども、我々は、政権交代で、今申し上げたようなことも含めまして、143のダム事業というのをすべて見直していこう、このように考えております。

マニフェストに川辺川ダムと八ツ場ダムについては書かせていただきましたけれども、議員御承知のとおり、八ツ場ダムにつきましては、本体工事については中止を発表いたしましたけれども、ダム事業としては継続をしております。つまり、生活関連の事業については継続をしているわけでございまして、ダム事業というものを八ツ場ダムにおいても中止をしているわけではございません。

いずれにいたしましても、今議員がおっしゃったように、地元の方々とのお話し合いは極めて大事だと思っておりますし、この八ツ場につきましても、再検証のプロセスにのせまして、予断を持たずにしっかりと、ダムによらない河川整備というものの方向性に従って検証をしてまいりたい、このように考えております。





平成21年11月06日 参議院 予算委員会
[242]
国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・防災) 前原誠司
例えば、今委員が御指摘をされている八ツ場ダムにいたしましても、委員、よろしいですか、例えば八斗島の基本地点におきまして、基本高水というのが2万2000トンですよね、毎秒。しかし、計画高水というものは1万6500毎秒トンであります。ということになると、八ツ場ダムが仮にできたとしても、今の先ほどの利根川の基本計画というものによりますと更なるダムや河川整備というものが必要で、今のような状況だとどんどんどんどんお金が掛かるというような仕組みになっている。それを全体として政権交代を契機に予算の使い方を見直させていただく中で河川整備の在り方も根本的に見直させていただく、その中での川辺のダムの中止あるいは八ツ場ダムの中止であるということを御理解いただきたいと思います。





平成21年11月09日 参議院 予算委員会
[229]
民主党 平野達男
それから、最後になりましたけど、ちょっと通告しておりませんけれども、八ツ場ダム、これを見直すということには、中止を前提とした見直しをするということは賛成です。





平成21年11月18日 衆議院 国土交通委員会
[032]
国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・防災) 前原誠司
では、なぜ、その中で川辺川ダムと八ツ場ダムというもの2つをまず中止にしたのかということでございますが、すべてこれから検証してまいりますけれども、我々は、一つのアセスメントとしてやはり時間を入れていかなくてはいけない、このように考えております。

つまりは、社会状況が変わるのに、例えば八ツ場だと57年間、そして川辺川ダムだと43年間、つまりは、社会状況とか他の状況が全く変わっているのに、57年たってもまだでき上がっていない、43年たってもまだでき上がっていないというのは、これはどう考えても異常である。そういう意味では、まず、この2つの事業を入り口として中止させていただく中ですべてのダム事業の再検証を行っていくということで、この2つを中止ということにさせていただきました。



[060]
国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・防災) 前原誠司
先ほどから何人かの委員にお答えをしておりますように、八ツ場ダムと川辺川ダムというのはマニフェストに盛り込みましたけれども、それは入り口として、その2つを含めて143の事業の見直しを行っていくということでございまして、別にこの2つだけを、違う言い方をすると、やり玉といいますか、それを象徴にしたわけではございません。

この2つを選んだ最大の理由というのは、先ほどもどなたかの委員のときにお答えをしましたけれども、八ツ場で57年間、そして川辺川ダムで43年間、しかも、八ツ場は初めは2100億円ぐらいの建設総額の見積もりでありましたけれども、現時点において4600億円に膨れ上がっております。また、川辺川ダムについては、当初350億円でございましたけれども、現在、川辺川ダムは本体工事にはかかっておりませんけれども、2200億円以上のお金がかかっている。しかも、川辺川については、利水とそれから発電というものも加わった多目的ダムであったわけでありますけれども、農業利水からは撤退をし、そして水力発電からも撤退をするということで、多目的ダムではなくなっているわけであります。

そういう意味では、この2つを一つの入り口として、我々はダム全体の事業の見直しをさせていただくということでございます。





平成21年11月18日 衆議院 財務金融委員会
[202]
内閣府副大臣 大塚耕平
そして、私たちは、ここの東京市場の国際化に向けた市場強化プランを果たすためにも金融産業にも投資をしていかなくてはいけないし、そしてその金融産業がプロフィットを上げるためには産業そのものが育たなくてはいけないんですが、もうこれでやめますけれども、例えば前原大臣が八ツ場ダムのことをやっておられますけれども、八ツ場ダム、残りの建設をするのにあと3000億ぐらいかかるというふうにも聞いておりますが、こういうダムが140数個あるというふうに聞いております。例えば、100個を3000億でつくって30兆の資金をそういう分野に投入するぐらいなら、やはりそこは少しスクラップ・アンド・ビルドをして、金融機関が融資をすべき産業を育て、そして金融機関そのものも育てるような財政支出をし、結果として日本の株価が上がっていくような、そういう行政を進めたいというふうに思っていることを、お時間をいただいて恐縮でございますが、付言させていただきました。





平成22年02月01日 衆議院 本会議
[007]
内閣総理大臣 鳩山由紀夫
八ツ場ダムの中止について、これは後で国交大臣もお答えをいたしますが、八ツ場ダムの中止は、いわゆる政策転換、できるだけダムというものによらない治水へ政策転換をしていきたいという発想に基づいたものでございまして、当然、地域との関係については、今後とも、中止の方針に至った考え方など、御理解をいただくことが必要だと思っておりまして、その努力は続けてまいりたいと思います。



[010]
国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 前原誠司
まず、八ツ場ダムと川辺川ダムの中止の理由についてお尋ねがありました。

日本が抱える少子高齢化、人口減少、莫大な借金、こういった背景で公共事業の大幅な見直しを行っておりまして、河川行政も、できるだけダムに頼らない治水への政策転換を今図っているところでございます。

この政策転換への入り口として、着手から長時間経過したにもかかわらず、多額の事業費を執行してきたにもかかわらず、いまだ完成していない八ツ場ダムと川辺川ダムについて、本体工事の中止を表明したものでございます。





平成22年02月04日 参議院 決算委員会
[165]
国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 前原誠司
それともう一つは、胆沢ダムと八ツ場ダムということでございますが、これも政務官をされていたので御存じだと思いますけれども、ダムというのはそのそれぞれによって個性があります。八ツ場ダムというのは、本体工事以前にその附帯工事あるいは生活関連事業にかなりお金の掛かるものでございまして、しかも初めは2100億円でした、総事業計画が、それがどんどんどんどん膨れ上がっていっているということです。胆沢ダムというのはロックフィルダムということでございまして、しかもそういう関連事業というのは少ないものであります。そういう意味では、胆沢ダムは本体工事がもう99.9%完成をしておりますし、残っているのはあとは洪水吐き口であります。八ツ場については本体工事は全く行っていないと。

そういう意味で、我々としては、八ツ場は再検証の対象にさしていただき、胆沢ダムは99%本体工事についてはできているということでございます。





平成22年02月08日 衆議院 予算委員会
[169]
自由民主党 町村信孝
そこで、もう一度国交大臣に伺いますが、八ツ場ダムをやめるとした一番大きな理由は何ですか。

[170]
国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 前原誠司
公共事業全般について見直しをしていくというのが我が党、我が政権の柱でございます、コンクリートから人へと。それで、そのコンクリートから人へという考え方の中で河川のあり方を見直していかなくてはいけないということで、できるだけダムに頼らない方針をということを我々はベースに置いております。

今、2890のダムがありますけれども、これの更新時期にも来ておりますし、また、今の整備計画を前提にやっていれば相当……(町村委員「なぜ八ツ場ダムかと聞いているんです」と呼ぶ)ですから、八ツ場ダムの説明をするために前振りが必要なんです。

2890のダムをつくって、それの更新時期も来ているものがある。つまりは、ダムというのを一遍つくったら、砂もたまってしゅんせつもしなきゃいけないし、砂が流れないために海岸が侵食をされて、トータルの公共事業がそれによってまた生まれてくるという問題もあります。

そういう意味で、我々は、143のダムをすべて見直す中で、特に時間のかかっている八ツ場と川辺を中止ということにさせていただいたということであります。

[171]
自由民主党 町村信孝
要は時間がかかっている、その一言だけなんですよね。それだけでいいんです、答弁は。

そして、今、有識者会議でダムの必要性を検討する物差しを検討しているという報道がありました。実際やっておられるんだろうと思います。しかし、問題は、これも非公開なんです。私は、鳩山内閣は何でも公開、透明性、説明責任と言っておられるけれども、さっきの地球温暖化の会議もそうです、これもまた非公開なんですね。基準をつくるこんな会議まで非公開にする理由は全くないと思うので、早急にこれは公開にしていただかないと、関係する地域の人、自治体等々が非常に疑心暗鬼になっているから、早急にこれは公開すると決めていただきたい。

その上で、できるであろう物差しを一つ一つに当てはめていって検証します、八ツ場ダムも検証の対象だと言っておられる。検証の対象になっている八ツ場ダムを他方ではもう中止と決めている、これは論理矛盾じゃありませんか。

[172]
国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 前原誠司
非公開にしている大きな理由は、河川のあり方でダムに頼らない場合は、どこの堤防を強化するのか、あるいははんらん原というものを設けるのかということになると、必ず個別具体の話になります。そうすると、公開にすると、それによっていろいろな意見、問題が起きてくるということで、物差しを決めるまでは非公開にし、そして、決めた上では、当然ながらその143の河川の流域の皆さん方にお話を伺うということですので、透明なプロセスで議論はさせていただきたいと思っております。

それと、八ツ場についてでございますけれども、検証はいたします。しかし、我々としては、このダムというのは中止ということをぜひ理解をいただきたいと思っております。

その大きなポイントは何かということでございますけれども、もちろん、再検証のプロセスに乗って予断を持たずにやってまいります。つまりは、八斗島という伊勢崎の基準点があるんですが、それはカスリーン台風を前提にしているんですけれども、1万6500立方メートル毎秒なんですね。だけれども、今の基本高水は2万2000立方メートル毎秒なんです。こんなものは、八ツ場をつくったって、あと幾つもダムをつくり続けなければ達成できないような基本計画でいるわけです。

そういうものを基本的に見直していく中で、どうしていけば日本全体の河川が整備できて、そしてできる限り安全な河川整備ができるかということで物事を見ていくということで御理解をいただきたいと思います。

[173]
自由民主党 町村信孝
したがって、八ツ場は検証すると言いつつ検証の対象から外しているんですよ、今のあなたの御議論は。だから、八ツ場を対象にすると言うから、地元の人たちは一体何だかわけがわからなくなっているのであって、もう全く今のは答弁になっていないし、かつ公開をしない理由にもなっていません。そのことだけ申し上げておきます。

それから、このパネルをごらんいただきますと、これは事業仕分けをすればどっちがいいかは明白ですよ。中止をすると、完成する場合と比べると税金が1365億余計にかかるんですね。いいんですか、財務大臣、こんなことで。無駄な税金がこれだけ使われるということです。このことをまず申し上げておかないと、ダムを中止すると税金が節約できると誤解をしている方々がたくさんいますから、このことも申し上げておきます。

それからもう一つ、最後に、法律的な問題があるんです。

今ダムを中止するというやり方は法令違反なんですよ。特定多目的ダム法4条4項に基づいて、知事の意見を聞かなきゃならない、知事は、意見を言う場合には、都道府県議会の意見を聞かなきゃならない、こうなっているんです。

知事は、昨年の10月、関係1都5県の知事が共同声明を出して、この中止撤回を求めるということを出しているんです。だから、今あなたが中止する中止すると言ったって、このダム法上、これは法令違反の行為を大臣みずからやっているんです。さあ、どうなさいますか。

[174]
国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 前原誠司
まず、そのグラフは誤りがあります。

まず、この525億円というのは必ずしも返すべきものではない、法律的に。それから、1460億のところは、1都5県の負担額と書いてありますが、これは事実ではありません。国の負担額も入っておりまして、国は585億円、その分は国に返ってくる話でありますので、525億円と585億円は少なくともそこから減らすことができます。

そしてまた、ダムをつくらないということになれば、生活関連の費用については、ある程度はやりますけれども、770億全部要るかどうかはわかりませんし、また、左側の4600も、もともとこれは前政権では2100億円でやると言っていて、今の段階で4600ですよ。本当にそれで終わりますか。そういうことを考えると、その表は必ずしも当たらない。

もう一つ、法令違反のことについては、これは委員御指摘のとおり、私は、本体工事は中止すると言っておりますけれども、特定多目的ダム法に基づいてのいわゆる法律的な中止は言っておりません。これはいろいろな手続を経てやらなくてはいけませんので、これは最終的には、流域の都道府県と相談をしながら、特定多目的ダム法に基づいて粛々と行っていくということであります。

[175]
自由民主党 町村信孝
時間がないから細かいことは言いませんけれども、この525億、法的には確かに負担をしなくてもいいんです。しかし、実質的に自治体がもう負担しちゃっているんですから、必ずこれは国が負担することになるということは前原大臣もわかった上で言っておられる。





平成22年02月19日 衆議院 国土交通委員会
[006]
国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 前原誠司
治水事業については、できるだけダムに頼らない治水へ政策転換するとの考え方に基づき、既に本体工事に着手しているダム事業など一定の要件を満たす事業については継続するものの、八ツ場ダムを初め、それ以外のダム事業については、すべての事業について検証を行い、これらを踏まえて今後の治水対策のあり方を検討してまいります。





平成22年02月24日 衆議院 国土交通委員会
[005]
民主党 中島正純
私がなぜ八ツ場ダムのことについて質問をさせていただくことになったかといいますと、この八ツ場ダムについては、今まで民主党の議員の方々がいろいろな不透明なことについて御質問をされてまいりました。一番最近では村井議員も、八ツ場ダム建設地の砒素問題について御質問をされました。

この八ツ場ダムについては、本当に不透明で疑惑の多い事業であります。私自身もいろいろな黒いうわさを聞くようになりました。それは何かといいますと、八ツ場ダムならぬ、群馬県の地元の議員さんの名前を入れて○○ダム、議員さんの名前を入れたダムの名前と地元の皆様はうわさをされております。実際に、そのうわさは本当に飛び交っております。ですから、私自身、何かこのダムには利権の問題などがあるのではないかということで調査をいたしました。そして、本日、いろいろわかったことについて御質問をさせていただきたいと思います。建設を中止すべきであるということを前提とした質問をさせていただきます。



[029]
民主党 中島正純
治水、利水の面から見ても、さまざまな有識者の方々も、この場所にこれだけの大きなダムは必要ないと言っておられます。そして、このようなさまざまな疑惑のある八ツ場ダム建設には、これからも莫大なる血税を投入すべきではないと思いますし、ダムの建設には強く反対をさせていただきます。





平成22年02月25日 衆議院 予算委員会第八分科会
[058]
国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 前原誠司
政権交代が起きまして、八ツ場ダムの本体工事の中止というものを発表させていただきました。



[060]
国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 前原誠司
大事なことは、先ほどおっしゃった、無限にお金はないわけです、予算は。だからこそ、八ツ場ダムの見直しとかもやらせていただいているわけでありますけれども、過大な事業であるのかないのか、あるいは、スーパー堤防にしても、例えば高さ掛ける30ぐらいの幅でやっているわけですけれども、果たしてそれだけ要るのかどうなのかとか、こういうようなことの計画の見直しをしっかりと限られた予算の中でやっていくということは大事なことだと思います。





平成22年03月01日 衆議院 予算委員会
[136]
公明党 石井啓一
今、国土交通省では、前原大臣のリーダーシップで、なるべくダムに頼らない治水を検討するということで、今後の治水対策のあり方に関する有識者会議を設置して検討を続けていらっしゃるというふうに承知をしております。ここでできるだけダムに頼らない治水のあり方を検討し、その上で個別のダムについて今後検証を行う、こういうふうに承知しておりますけれども、大臣は八ツ場ダムについて予断を持たずに検証するというふうに発言をされていますが、この予断を持たずに八ツ場ダムを検証するというのはどういう意味でおっしゃっているのか、確認をいたしたいと思います。

[137]
国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 前原誠司
八ツ場ダムの本体工事については中止ということを明らかにさせていただいているわけでございますけれども、ただ、単に中止ということではなくて、その治水、利水の代替策についてどういうものがあるのかといったことを、この有識者会議でまとめていただいた基準、物差しというものに合わせて、八ツ場ダムでもしっかりとお示しをするということでございます。

[138]
公明党 石井啓一
ちょっとわからなかったのが、単に中止ではなく、代替策がどういうものがあるのか、普通は代替策が確定してからダムの中止を考えるんじゃないですか。ですから、わからないのは、その検証した結果、代替策が余り有効なものはありませんね、やはり八ツ場ダムは必要ですねとなった場合は、ダムの本体工事は再開する可能性がある、そういう意味での予断ない検証ということでよろしいんでしょうか。

[139]
国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 前原誠司
次の御質問にかかわることかもしれませんけれども、少子高齢化、そして人口減少、莫大な借金の中で、今までの公共事業というものを本当に続けていけるのかということで、政権交代を機に公共事業を全面的に見直させていただいているところであります。

ダムにつきましても、例えば堰堤が15メートル以上ある巨大なダムというのは今までも2890以上ございますし、砂がたまり、また、これについて、老朽化し、維持管理というのも相当お金がかかり始めているということがございます。

また、今議論しておられます八ツ場ダムにつきましては、基本高水が八斗島という基準点においては毎秒2万2000トンということでございますが、計画高水は1万6500。しかし、こういったものが果たして、この考え方に基づくと仮に八ツ場ダムをつくってもあと幾つもつくっていかざるを得ないというような計画になっているわけでございまして、そういった前提条件すべてを見直していくということを今有識者会議の中で議論していただいて、その物差しをつくって、そして、住民の方々に納得していただけるような治水、利水の代替案をお示しするということでございます。

[140]
公明党 石井啓一
いや、私はダムを検証するということについては結構だと思いますよ。それはぜひやっていただきたいと思うんですけれども、ほかのダムは検証した結果中止するのか継続するのかを決めるんだけれども、八ツ場ダムの場合は中止というのが先にありきで、その後検証するというから、これはわからないんですよ。

検証した結果、中止を撤回することがあり得るのかどうか。いや、検証の結果にかかわらず中止というのは変わらないのか。イエスかノーかでちょっとお答えください。

[141]
国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 前原誠司
先ほど後半でお答えをいたしましたように、私の問題意識としては、今の基本計画あるいは整備計画、そういったものを抜本的に見直していかないと、幾らお金があっても足りない、こういう状況になっているわけであります。ただ、治山治水というのは極めて大事なテーマでございます。

そういう中で、我々としては、できるだけダムに頼らない治水を考えていくということではございますけれども、この八ツ場ダムにつきましては、中止の方向で議論をいただいておりますし、中止という前提において納得していただける治水、利水の代替案というものをお示しができると私は考えております。

[142]
公明党 石井啓一
ですから、前原大臣の説明によると、この検証というのは本当に八ツ場ダムが必要かどうかの検証ではなくて、八ツ場ダムの中止の理由を補強するための、後づけの理由をつくるための検証ということにしかなりませんよね、今の説明だと。中止という結果がありき、検証するのはその理由づけをつくるためだ、そういうことになってしまっている。これでは、私は、八ツ場ダムは中止の結論ありきで、アリバイづくりのための検証になってしまっている、こういうことを申し上げたいと思います。





平成22年03月03日 参議院 予算委員会
[308]
自由民主党 脇雅史
まず最初に、八ツ場ダムについてお聞きをしたいと思うのでありますが、現在の政府の方針、八ツ場ダムを一体どうするんだろうかということは、地元の方もひっくるめて大変な関心をお持ちだと思うんですね。なかなかはっきりしない。今現在どうしようとされているのか、内閣の方針をお聞かせいただけませんでしょうか。

[309]
国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 前原誠司
脇委員にお答えをいたします。

今、日本が抱えている大きな制約要因というのは3つあります。人口減少、少子高齢化、莫大な財政赤字。その中で、医療、介護、年金あるいは子育て支援、教育、様々な投資もやっていかなくてはいけないという中で、鳩山内閣としましては、税金の使い道を変えていくということで、公共事業の見直しというものも河川を含めてやらせていただいているところでございます。その中で、この八ツ場ダムにつきましては本体工事の中止をする考えを表明しているわけであります。

既に設置をしております今後の治水対策のあり方に関する有識者会議で本年夏ごろをめどに取りまとめられます中間取りまとめ等を踏まえて、予断を持たずに検証の対象となった他のダムと同様に検証をしていきたいと考えております。

またさらに、政策転換によりまして、長年ダム問題に苦しんでこられた地元の住民の方々に対して多大な御迷惑をお掛けをしていると認識をしておりまして、その生活再建には万全を期していきたいと考えております。

今後とも、地元住民や関係都県等の話合いを重ねることによりまして、八ツ場ダムの中止の方針を示すに至った考え方について御理解をいただく努力を粘り強く続けつつ、地元住民の方々や関係都県知事などの御意見も伺いながら適切に対応していきたいと、このように考えております。

[310]
自由民主党 脇雅史
理由やいきさつは結構なんで、八ツ場ダムについて、例えば今年そもそも本体工事を予定していましたね。それを今のところやめていられると。このまま今年はやめるのか、来年の予算ではどうなるのか、再来年はどうなるのか。要するに、やるかやらないか、どういうふうにするのかについて明快にお答えください。

[311]
国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 前原誠司
今御答弁をいたしましたように検証の対象としておりまして、治水対策のあり方に関する有識者会議で取りまとめられました考え方に基づきまして、この八ツ場ダムというものの検証としておりますので、予断を持たずにこの検証結果を待ってその後について議論を進めていきたいと、このように考えております。

[312]
自由民主党 脇雅史
ということは、やるともやらないとも決めていないということですか。

[313]
国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 前原誠司
中止の方針は打ち出させていただいておりますけれども、検証の対象としておりますので、予断なく検証の対象に加えるということで、その基準を作ってもらっております治水対策の有識者会議、この結論を待って検証をさせていただきたいと考えております。

[314]
自由民主党 脇雅史
そうなると、今年はやめますと、これは中止というけれども、実態行為としてやめるわけですね、ダムの本体工事はね、これはやめると。来年はやるかやらないかはその有識者会議だか何だかの答えを待たないと分からないと、こういうことなんですね。それが今の鳩山内閣の方針ということでいいんですね。総理、いいですか。

いや、総理に聞いているんです、内閣の方針ですから。

[315]
内閣総理大臣 鳩山由紀夫
今、前原大臣が申したとおりでございまして、まず検証をする必要があると。ただ、中止の方向は決めているということでございますので、中止の方向を決めていきながら、しかし有識者会議で検討中であるということでございまして、結果としてそれがその後大きく変更になってまたダムが再開されるということではなく、むしろできるだけダムに頼らない治水の在り方などというものを模索していく方向に日本を大きく変えていく必要があるのではないか、私はそのように考えております。

[316]
自由民主党 脇雅史
それではお尋ねしますが、その方針はいつお決めになったのでしょうか。

[317]
国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 前原誠司
就任直後に中止の方針を打ち出させていただきまして、10月の何日かはちょっと失念をいたしておりますけれども、予断を持たずにこの八ツ場ダムにつきましても検証の対象に加えるということの方針を10月の下旬だったと思いますけれども、公表をさせていただいております。

[318]
自由民主党 脇雅史
内閣の方針というのは前原大臣が一人でお決めになるんですか。

[319]
国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 前原誠司
内閣の方針というものについては、八ツ場ダムについては中止の方向で、本体工事については中止の方向でということでございますけれども、様々な細かなところまですべて了解を得ているわけではございませんけれども、検証対象に加えるということについては御理解を内閣でいただいております。

[320]
自由民主党 脇雅史
中止の方向で内閣が決めていると。それはいつ決まったか分からないんですか。

[321]
国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 前原誠司
政権交代がございまして、私が国土交通大臣を拝命をいたしまして、民主党の考え方に基づいて中止の方針を発表させていただいたところでございます。



[328]
自由民主党 脇雅史
厚労大臣にお聞きしますが、上水道の担当大臣として八ツ場ダムについてはどういうお考えをお持ちですか。

[329]
厚生労働大臣 長妻昭
八ツ場ダムの水道事業については厚生労働省の所管だということで国庫負担などでかかわっておりますけれども、今、前原大臣が申し上げたように、これはマニフェストにも書かれ、そしてこの内閣の方針と、基本的方針ということで中止ということで私は理解しております。

[330]
自由民主党 脇雅史
その方針を決める際に内閣の厚労大臣として参加されましたか。何か意見言われましたか。

[331]
厚生労働大臣 長妻昭
これは公約を作る過程で、選挙前ですけれども、私もかかわった経緯がございますし、内閣の中で私自身が意見を聞かれたということはありませんけれども、仮に異議があればそれは所管の大臣として申し上げたところでありますが、私は異議がありませんでしたのでそのまま意見は申し上げず、私はその方針ということで理解をしているところであります。

[332]
自由民主党 脇雅史
経産大臣、いかがでしょうか。

[333]
経済産業大臣 直嶋正行
八ツ場ダムについては、今も答弁ありましたように、民主党としてはかなり前からこれについて議論をしてまいりまして、マニフェスト等でも中止をするということは明確にしていたということでございまして、この間、例えば地元自治体等とも様々な形で意見交換をする中でそういう決定をしてまいりました。

[334]
自由民主党 脇雅史
全く私にとっては驚くべきずさんさですね。こんないいかげんなことでいいんだろうかと。少なくともこれだけの大問題を決定するときは、閣議なりなんなり関係大臣が集まって、どうすべきなのかしっかりした資料に基づいて、そして判断をすべきですよ。何にもしていないじゃないですか。

私は前回の国会で質問いたしました。民主党の時代にどんな検討をなされたんだと言って、資料ありますと言うから見たら、何と上田埼玉県知事に出した2、3枚の紙ですよ、手紙ですよ。この手紙が資料だと言うんですよ。その後、私は、国交委員会でもそうですけれども、何回か、2回質問主意書を出しましたが、科学的、具体的な説明を問う、治水、利水はどういう考えなんだ、何にも答え返ってきてないじゃないですか。何にもないということですよ。

ただ選挙のときに決めたから、それでそれがそのまま鳩山内閣の方針だって、これ地元の人怒りますよ。何ですか、それ。

[335]
国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 前原誠司
野党のときに様々な観点から検討をいたしました。そして、政権を取って、そしてそれを実行していくに当たりましては、もちろんそういったバックグラウンドはございますけれども、先ほど申し上げたように検証対象にも加えて、そして、野党と与党の立場は違いますので、議員よく御存じのとおり、特定多目的ダム法については関係自治体の知事さんたちとも協議をしていかなくてはいけないわけでございますので、様々な観点から検証を加えて、そして手続を進めていくということで今進めているところでございます。





平成22年03月04日 参議院 予算委員会
[002]
民主党 高嶋良充
さて、総理、歴史的な政権交代からはや半年、6か月が経過をいたしました。私は、この間の総理の改革の姿勢というのを高く評価をしているところでございます。総理は、政権交代によって何かが変わるということを国民にいち早く印象付けられた、ここが評価できるんではないかというふうに思っております。特に昨年の9月の22日、国連総会で地球温暖化対策として世界から高い評価を受けた鳩山イニシアチブを提案されたこと、さらには八ツ場ダムの中止や事業仕分、まさに前政権の大掃除とも言える改革を矢継ぎ早に断行されたこと、これらを私は評価していいというふうに思っております。





平成22年03月11日 参議院 国土交通委員会
[007]
国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 前原誠司
治水事業については、できるだけダムに頼らない治水へ政策転換するとの考え方に基づき、既に本体工事に着手しているダム事業など一定の要件を満たす事業については継続するものの、八ツ場ダムを始め、それ以外のダム事業については、すべての事業について検証を行い、これらを踏まえて今後の治水対策の在り方を検討してまいります。



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