強制送還反対の暴力闘争をして日本に住みついた在日が強制連行されたと嘘を吐いている

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昭和26年03月22日 衆議院 法務委員会
[074]
自由党(自由民主党) 押谷富三
昨日のこの付近における町の中に、強制送還反対であるとか、民主民族戦線といつたビラ、ポスターが朝鮮人の住居しておりまする朝鮮人マーケット付近に張られておつたと聞いておるのでありまするが、そういう事実はわかりませんか。

[075]
法務総裁 大橋武夫
さような事実はあつたように承つております。





昭和26年03月23日 衆議院 法務委員会
[006]
自由党(自由民主党) 押谷富三
この付近に当夜、朝鮮人本国送還反対であるとか、人民民族戦線のビラが張られておつたと聞いておるのでありまするが、そういう事実はお調べになつておりますか。

[007]
参考人(警視庁刑事部長) 古屋亨
お話の点は、当夜そういうのが特に張られておつたとは考えておりません。ただ朝鮮人の集団地域でありまして、従いまして、軍事基地反対とか、そういうようなビラが張つてあつたことは私どもも現場へ参りまして知つておりますが、当夜張られたものとは考えておりません。





昭和27年02月12日 衆議院 法務委員会
[004]
自由党(自由民主党) 鍛冶良作
先日私から要求しておきました組織的集団的暴力事犯についての一覧表をちようだいいたしまして見ましたところ、このうち特に目立つて最近大きくなつております問題は、いわゆる自由労働者の過激なる労働運動並びに朝鮮人の強制送還反対運動というものが、全国各地にわたつて起つておるのであります。

これらはおそらく組織的の事件であろうと考えまするので、取締り当局においてこれらの事件をどのようにながめておられるか、またその組織等がわかつておるならば、わかつておることだけをできるだけ詳細に御報告願いたいと思います。

[005]
政府委員(検事(法務府検務局長)) 岡原昌男
ただいま御質疑の集団的な暴力事犯につきましては、前回差上げました表並びに本日追加いたしまして差上げました一枚書きの分によつて御承知願いたいのでございます。そのうち御指摘の自由労務者の暴行事件並びに朝鮮人の暴力事犯は、特にその数の多いことと、それから1回の暴力事犯の集まりの数が多いという、この2点において特色があるようであります。

この種の暴力事犯は、昨年秋ごろから特に目立つて頻発するようになつたのでございます。その原因が那辺にあるかにつきましては、私どもいまだ確たる報告に接しておらないのでございますけれども、これを通覧いたしまするに、朝鮮人の暴行事犯につきましては、いわゆる強制送還反対運動に関連するものが一つ、他はその他の強制措置に対する反対運動、たとえば密造検挙に対する反抗といつたような形で起つておるようでございます。

他のもう一つの自由労務者の騒ぎは、これは各地に頻発しておるのでありますが、この事件を通じて見ますると、この自由労務者がてんでんばらばらに集まつたのではなくて、やはり何かの中核体を中心にいたしまして集まつて来て、職安闘争を始めるといつたような形のものが多いように考えられます。



[008]
自由党(自由民主党) 鍛冶良作
それから朝鮮人送還に関する騒擾につきましても、先ほどちよつとお述べになりましたが、これは表看板は送還反対ということになつておるが、実際の目的はそこにない。

われわれの考えから言うならば、これをきつかけにいたしまして騒擾を起し、人心を惑わしめる、かようなことが目的であろうと思うのでありますが、さような点が認められたかどうか、そうしてそういうものはどういう者が指導してかような目的を達成するように努めておると見ておられるか、それらの点を具体的に聞きたいのであります。

[009]
政府委員(検事(法務府検務局長)) 岡原昌男
朝鮮人の騒擾事件につきましては、先ほど申し上げました強制送還反対運動というふうな形をとり、あるいは平和擁護運動、あるいは先ほど申しました税務署等に対する反抗、もう一つ、さきにちよつと申し忘れましたが、いわゆる北鮮系と南鮮系の争いといつたような形で現われております。

そのうち送還反対デモは、多くいわゆる北鮮系の朝鮮人が中心となりましてやつておるように通観されるのであります。

これらの事件の特徴といたしましては、北鮮系の朝鮮人が、たとえば出入国管理令の改正の際、あるいは改正の機運が新聞紙上等で報道されました際に、強く自分たちの立場からして、当然日本から送還されるんだろうというふうな認識のもとに運動に入つておる。

また一方南鮮系の者に対しましても誘い合せまして、その運動に参加させるというふうな形をとつておるものが多いようであります。これらのいわゆる北鮮系と申しますのは、元の朝連系統でございます。その運動を指導する者の中に若干の共産党員のあることも事実でございますけれども、これまた共産党からの指令に基いてかようなことをしたかどうかという点について明確な証拠のもとにこれを起訴したというふうな事案はないように考えております。





昭和27年05月28日 参議院 法務・内閣・地方行政・労働連合委員会
[002]
自由党(自由民主党) 中川幸平
審議の参考にお聞きいたしたいのでありますが、昨日の新聞によりますると、朝鮮部落を急襲して五・一騒擾事件の主犯者を相当数捕縛したという報道がありまするが、地方におきましても密造酒の元は殆んど朝鮮人であり、これらを検挙するにも非常な騒擾をところどころで惹起いたしておるのであります。

これら朝鮮人の破壊活動状況を、当局においてもそれぞれお調べになつておることと存じますが、この機会にそれらの点を一応お調べがありましたら御報告を頂きたいと思う次第であります。

[003]
政府委員(法務府特別審査局調査部長) 吉橋敏雄
お答えいたします。最近の我が国内における暴力主義的破壞活動の概況につきましては、去る4月の24日に衆議院法務委員会において特審局長から説明申上げましたので、本日は時間の都合もありますので、これは端折りまして、これをプリントにしたものをお手許に配付いたすことにしまして、只今御質問の最近における在日朝鮮人運動の概況についてお答え申上げる次第であります。なお以下御説明申上げる内容につきましては、従来325号或いはアカハタ類の停刊等に基く刑事手続によつて捜索押収した幾多の資料その他によりまして、客観的な資料に基いて御報告申上げたいと思う次第であります。

先ず在日朝鮮人運動の一般的動向についてでありますが、我が国に在留する朝鮮人は、最近の外国人登録令によりますれば約56万名を数えるのでありまして、このほかに相当数の未登録者或いは密入国者が算せられるのであります。

これらの朝鮮人は、故国の政治的対立の姿をそのままに現わしまして、即ち南朝鮮を支持する者と北朝鮮を支持する者とに分れておりまして、互いに対立抗争を深めておる状況でございます。

即ち前者は在日本大韓民国居留民団、即ち略称民団を組織いたしておりまするし、後者は在日本朝鮮統一民主戦線、即ち略称民戦を中心に、旧在日本朝鮮人連盟、略称朝連を系統とするところの各種団体を結成しておりまして、後者の影響力が極めて優勢であるのであります。

北鮮系は民戦及びその行動隊的な役割を受持つております。在日本祖国防衛委員会、略称祖防と共に全国的組織を拡大強化いたしまして、韓国に対する国連軍の軍事援助を帝国主義的な祖国侵略であるといたしまして、これに対する妨害的な宣伝に出で、或いは強制送還反対、日韓会談粉砕、民族教育の確立等を問題に捉えまして大衆闘争を繰返しておるのであります。

特に最近は反権力闘争と称しまして、警察、検察庁、特審局、税務署等の治安機関に対する暴力事犯を惹起いたしておりまして、去る3月1日の朝鮮革命記念日前後には広島、大阪等全国各地に亘つて40数件に上る暴力事犯を続発せしめておるのであります。この傾向は一部共産主義者のいわゆる軍事方針に呼応いたしまして、武装闘争の戦術に出ているものと思われまして、実力行使の方法も火焔びん、催涙弾、爆薬、竹槍等が用いられている状況であります。このような最近の動向は一部在日朝鮮人の極端な破壞分子の指導に基くものと思われるのでありまして、ますます悪質化する虞れがありまして、そのために善良穏健な一部在日朝鮮人の立場を破壞し、日韓両民族の離間を来し、その親善協和に暗影を投ずるものと考えられるのであります。

次に在日朝鮮人運動の主流をなしております、いわゆる左翼団体の組織並びに活動について若干申述べたいと思うのであります。先ほど申上げました先づ民戦の組織活動についてでありますが、戦後結成されました旧朝連はいち早く在日共産主義者らによつてその指導権を握られましたために、しばしば占領政策違反や暴力主義的活動に出でたことによりまして、昭和24年9月8日団体等規正令によつて在日本朝鮮民主青年同盟と共に解散の指定を受けたことは御承知の通りであります。

その後朝鮮の政情緊迫を告げますや、その再建に焦慮をしておりましたところ、当時の幾多の事実によりますれば、昭和25年の6月に旧朝連全国指導者グループが秘密会議を開きまして、在日本朝鮮統一民主戦線、即ち民戦の結成を決議いたしております。併せて在日本朝鮮祖国防衛委員会、即ち祖防委とそのほかに青年行動隊、青行隊と申しますが、これらを組織することに決定いたしたのであります。その頃から順次旧朝連の地方残在勢力を基盤といたしまして各都道府県に民戦の結成が行われ、その中央委員会は同年の7月結成準備会、続いて翌年1月には結成大会、続いて同年の12月には全国大会をそれぞれ開きまして、宣言、綱領或いは当面の任務等を決定したものと伝えられているのであります。これらを通じて知ることができますことは、民戦は国際的にはソ連、中共、北鮮の主張する対日平和条約、日米安全保障条約に対する反対、北鮮による朝鮮の統一と外国軍隊を朝鮮から撤退させることを指示しておりまして、我が国におきましては強制送還反対、民族教育の確保といつたようなもの等を結局主たる目標に掲げて、在日朝鮮人の権利主張のための大衆闘争を行なつて、更にこれに加えて治安立法反対、現内閣打倒の線を強く主張する等在北鮮祖国統一民主戦線の綱領とも軌を一にするものがありまして、両者は密接な関係にあることが窺われるのであります。

最近における民戦の活動の顕著なる事例といたしましては、3月1日の革命記念日を契機といたしまして全国各地において展開されました強制送還反対闘争、反権力闘争、悪法反対闘争等におきまして、その広汎にして大規模な組織的運動は曽つて見ないところがあるような大規模なものでありまして、それによつて民戦の統制力を示し、大衆闘争のテスト・ケースとして局地的に行われたところの税務署、検察庁、警察署、市役所、民団事務所等に対する多衆襲撃暴行事件は37件を数えている状況であります。

これに引続いて行われた3月8日の強制送還反対国会陳情闘争におきましては、約1500名が東京に集合いたしまして、国会並びに関係機関に抗議陳情を行なつておりますが、その前後各地方機関に波状的に行われた陳情闘争におきましては、多衆を動員して熾烈に陳情抗議を行い、中には暴行に出たり或いは脅迫的な言辞に出たものも少なからず見受けられたのであります。この民戦の組織は中央委員会、地方委員会、都道府県委員会、県準備委員会、地区委員会といつたように分れておりまして、在日朝鮮人の多数をこの構成員で占めておるのであります。

次に在日朝鮮祖国防衛委員会、略称祖防の組織並びに活動について申上げます。祖防の組織は、一昨年6月旧朝鮮全国指導者グループの、先ほど申しました会議における決議に基きまして行動隊的任務のために結成されたものでありまして、その下に青年行動隊、青行隊が設けられておるのであります。青行隊は全国6地方に本部を置きまして、以下都道府県に本部を置き、地方に小隊、地域に分隊という編成に従いまして、逐次各地に組織の強化を見るに至つたものでありますが、祖防中央委員会は一昨年7月左翼系有力分子によつて指導部が結成されまして、同年8月には規約綱領を決定いたしまして、即ち「東洋諸民族は帝国主義侵略の危機にさらされているから、われわれはここに祖国防衛の前衛隊として行動隊を組織する」ということを宣言いたしておることによりましても、その性格、任務が表明されているものと考えられるのであります。従つて祖国防衛委員会は企画推進機関であり、青年行動隊、祖防隊は大衆組織の中核的行動隊でありまして、祖防委の企画し準備する諸闘争を実行し、将来人民軍の形成母体となるものとされておるのであります。

祖防は現実の行動闘争を通じまして民戦の勢力強化に貢献して、それによつて強化された民戦は、更に祖防の組織活動を援護するという、いわば表裏一体的な関係におかれているものと見られるのであります。祖防委及びその下部組織は、全く秘匿されたところの非公然組織であるために、その実態は明確に未だ把握しておりませんが、諸般の資料によりますると、組織といたしましては中央委員会、地方委員会、都道府県委員会、祖防隊員というものになつておりまして、祖防隊の編成は3人乃至5人という少数精鋭主義をとつております。その点から推察いたしまして、現在彼らの目標とする闘争拠点には、ほぼその組織を完了し、諸般の準備が整えられているものと考えられるのであります。

最近各地における朝鮮人の大衆闘争は著しく尖鋭さを加えて、組織的、暴力的な様相を呈しておりますが、それらの闘争はこれら民戦、祖防によつて計画指導され、実践に当つては常に群衆の指導に任じ、抵抗自衛闘争を戦術的に推進しているところの分子の行動が顕著になつて来ておりますことは、祖防勢力の拡大強化の具現と思われるのであります。

次に最近における在日朝鮮人不法事件の状況について申上げますが、最近左翼系朝鮮人諸団体が極めて悪質な暴力的行動に出で、特に反権力闘争を敢行するに至つたことは注目に価する現象と言わなければならないのであります。本年3月1日の革命記念日闘争の前後から3月1ヵ月間における全国各地に発生した在日朝鮮人によつて敢行されたと思われる暴力事件は1ヵ月に総数80件に上つているのでありまして、そのうち権力機関に対するものは47件に上つております。これらの事件のうち公務執行妨害或いは器物毀棄、暴行等の容疑によつて検挙された者は40数名を数える状況であります。

そのうち顕著な事例を挙げますと、先ず第1に今回のメーデー当日における騒擾事件において朝鮮人の参加した状況についてであります。当日の統一メーデーには東京民戦系の諸団体と朝鮮人学生生徒、女同等約5000名が参加したのであります。で撒布されましたビラの署名とかプラカード、旗、たすきなどの標識によりまして団体名の判明したものが26団体、そのうちには祖防、青行隊等実力行動を任務とするものも見受けられまして、而も多数の旗竿、竹槍、こん棒等を携え北鮮旗を翻して気勢を揚げていたのであります。

そして神宮外苑の祝賀式場においては全学連、自由労連と呼応しまして人民広場を奪還しろ、人民広場を墓場とせよと叫びながらデモに移るや、全学連に続いて先頭を切り、険悪の空気を漲らせつつ行進いたしたのであります。当日は祖防隊及び青年行動隊員約200名がデモ指導のために参加しているとの情報がありまして、これら尖鋭分子の指導によつてデモ隊が日比谷公園に到着いたしますや、警察の阻止を突破して皇居前広場に進入し、続いて南部デモ隊中にあつた主力も日比谷公園音楽堂附近でプラカードの柄、公園の柵を引抜いてこれを獲物として、石をポケツトに入れ、婦女子、年少者は日比谷公園に残留さして、約2000名が一団となつて皇居前広場に雪崩れ込んで、全労連、自由労連と一体となつて乱闘を演じ、又附近にあつた自動車数10台を破壞、炎上させる等の暴行をいたしたのであります。この間に朝鮮人の行動は組織的に行われ、指揮者によつて指導され、巧みに群衆に混在して警察隊に投石し或いは側面から奇襲戦法に出るなど、いわゆる軍事方針の実行と見られるものがありまして、あらかじめ計画的に行われたものと考えられるのであります。

そのほか3月1日の革命記念日前後全国に起きました暴力事件は37件、又3月4日、3月12日、3月30日等にも全国各地に同じような火焔びん、パンク板、その他の兇器を使用したところの暴力事犯が多数に起きておるのであります。このような暴力行為の攻撃手段にも催涙ガス弾、火焔びん、パンク板、それから人糞の投入等の襲撃が特に目立つのであります。

神戸平和大会のデモに際しましては多数の竹槍があらかじめ準備され、その他各地において拳銃や火薬の製造、隠匿等の情報とか、或いは祖防隊員によるところのパルチザン戦法の訓練のために、静岡県下において相当長期の全国的訓練が行われた等の情報を初めといたしまして、各地にこの種の訓練教育が行われた形跡がありまして、日々現われる暴力事件の相貌と対照して考えますならば、誠に看過しがたいものがあるのであります。

このような在日朝鮮人左翼分子の運動は、武装革命のコースヘのテスト・ケースであり、一面権力機関に対する神経戦の効果と取締企図を牽制し、更に人民革命への勢力結集を狙つたものと考えられるのであります。

そのほか在日朝鮮人団体は、機関紙活動を活発に全国的に打ち出して、現在において数100種類に上るこの種機関紙類が配付されている事実があります。これらの文書の内容は、特に強制送還並びに国籍強要反対闘争に関する扇動記事、或いは朝鮮戦線における各種事態に関する宣伝記事、或いは再軍備反対、反植民地闘争、宣伝記事等が紙面の大部分を占める状況であります。

以上申上げました事実から推測いたしますと、在日朝鮮人左翼分子の一連の暴力主義的破壞活動は、内乱や武装暴動の必要性を常に主張、強調し、その実現のための暴力行使を扇動するこれらの不穏文書並びに一部急進的な共産主義者らの提唱し、実践しつつあるところのいわゆる軍事方針とは深い関連性を持つておりまして、いずれも全国的に秘密に組織された団体によつて指導推進されているとの疑いを深めざるを得ないのであります。以上を以て御報告を終ります。





昭和27年07月03日 参議院 本会議
[005]
日本社会党(社会民主党) 吉田法晴
政治問題が発生する社会的原因については、それが政治的責任の問題であるだけに、飽くまで政府の責任であります。失業者の生活のための闘争、朝鮮人諸君の強制送還反対、生きんがための闘争、学生の再軍備、徴兵制反対の闘争の原因については、政府に責任があることは明らかであります。

問題はこれを解決することであつて、実力と弾圧でその声を、その動きを蹴散らすことではありません。政府は破防法によつて、これら政治問題に国家権力の暴力を以て対抗しようとするのであります。この政治問題と政治闘争に力を以て対抗しようとする態度こそ、民主主義を捨て、警察国家、専制国家を作らんとする態度でありますが、この態度は、共産主義を破壤活動だと認定するアメリカの国内安全保障法と同じ考え、同じ態度を基礎とするものであるし、国際的にソ連に対抗するに軍備の拡張を以てせんとする、いわゆる閉じ込め政策の国内版であります。(「その通り」と呼ぶ者あり)

国際的態度として武力を以て武力に対抗せんとする態度は、如何に平和の装いをしようと、窮極において戦争に導くと同様に、国内において実力を以て実力に対抗しようといたしますならば、警官と一部国民との対立は、その規模と深刻さを増し内乱に転化して行くことは明らかなことであります。(拍手)

私は曽つてこの壇上から、メーデー後の宮城前広場のような事件を繰り返して参るならばフイリツビンの現状から仏印の状態に、更に朝鮮の事態へと導き、日本を世界第三次大戦の渦中に捲き込みつつ、民族の悲劇を朝鮮に何100倍、何1000倍した規模において国内に繰り展げることを警告いたしました。硫黄島、沖縄の思い出、広島、長崎の原爆の惨禍も未だ忘れ得ず、生活と皮膚の中に戦争の生々しい被害を残し、平和を心から望む日本国民と共に、かかる民主主義を放棄し、国内に対立と内乱をもたらす破防法案外2件に対しては、飽くまで反対せざるを得ません。(拍手)





昭和28年05月27日 衆議院 法務委員会
[005]
政府委員(法務事務官(入国監理局長)) 鈴木一
ただいま提案になつておりまする外国人登録法の一部改正に関する点につきまして、昨日の提案理由につけ加えまして御説明申し上げたいと思います。

外国人登録法は講和発効後、わが国の法律として出発いたしたのでありますが、占領下におきましては外国人登録令というのがあつたわけでございます。内容をそれぞれ改訂いたしまして、新しい外国人登録法が講和条約発効とともに出発いたしました。その外国人登録法の主眼といたしますところは、日本に約60万おりまする外国人の所在をはつきりいたし、また年齢、性別、その他その本人であることを確認する。それによつてわが国のその外国人に対する保護を全うしたいという趣旨のもとに外国人に登録をさせておるわけであります。

その登録の方法は、日本人につきましては戸籍であるとか居住証明であるとかといういろいろな方法がございますが、外国人にはそれがございませんので、それを外国人登録ということで各市町村で扱わしておるわけでございます。その外国人を登録いたしまして、各人に登録証明書というものを交付いたします。ちようどパス・ポート小さくいたしたようなものでございますが、これを各人に登録をした証明に渡すわけであります。それを持つておりますれば、成規に日本に滞在しているということがはつきりいたしまして、国家の保護がこれに加えられるということになるわけでありますが、従来往々にしてこの外国人登録証明書を偽造いたしまして、不正にこういうものを行使している人たちが相当おつたのでございます。

そこで何とかこの偽造、変造を防止したいというので、それにはもちろん写真を張りまして、本人であることを確認いたす方法がございますが、そのほかの方法といたしまして、指紋をとることが一番偽造、変造を防ぐのにいいのではないかという観点で、新しい外国人登録法におきましては、指紋をとるということを規定いたしたのでございます。

しかしながらわが国におきましてはまだ指紋というものは――犯罪捜査の面においては指紋制度が採用されておりますが、住民登録というような一般の方面にはまだ指紋は実施されておりません。そこで特に東洋の外国人につきましては、指紋制度がまだ十分納得をされておらない現況におきまして、いきなり登録に際してこの指紋をとるということが穏当かどうかということを考えまして、この立法当時におきまして、1年猶予を置きまして、1年の間に啓蒙宣伝すれば、指紋をとることが可能であろうという見込みのもとに、新しい登録法におきましては、平和条約発効後1年以内に実施をするということになつておつたのでございます。

ところが昨日お手元に外国人の登録の統計表をお渡し申してございますが、これをごらんいただきますとわかりますように、これは2月末の統計でございますが、総計におきましてちようど60万と45名、これが成規の登録をいたしておる数字でございますが、この60万45名のうちで、第1ページの最後の欄に朝鮮、韓国という2つの欄がございまして、これを合せますと、54万になるのであります。いわゆる朝鮮人の本邦におきます数が54万、ちようど60万の9割に当るわけでございます。この人たちが、特にこの登録ということにつきまして、非常に切実なる関心を持つておりまして、御承知のように強制送還反対というようなことで、しよつちゆうわれわれのところに陳情いたしておるわけでありますが、この登録にあたりまして、実は昨年の10月の28日に新しい登録法に基きまして、新しい登録証明書を渡すという一斉切りかえをいたしたのであります。この際に指紋をとるということをやりますれば、事務的には一番やりいい時期であつたのでありますが、諸般の情勢、メーデー事件以後の昨年の情勢は、指紋をとるということが、特に9割に及ぶ朝鮮の人たちに対して、何か犯罪人扱いにするのではないかというような特別な疑惑を与えるというおそれもございまして、指紋をとることが、かえつてこの登録自体の一斉切りかえを行いますのに、非常な支障があるのではないかということで、またその当時におきましては、この登録の事務を扱います各市町村、それを統轄されます県知事――知事会議におきましても、問題がございまして、当時の政府当局にほとんど決議をもつて、指紋制度は、この登録切りかえのときにやつてくれるなという強い御意見もあつたのでございます。昨年の情勢から申しまして、まだ十分徹底理解をされておらない指紋制度を強行することがどうであるか、その実施の時期につきましては、慎重に考慮しようということで、一番時期としては適切であつた10月28日には、採用しないということに決定を見たのであります。

そこでかたがた、ちようどこの1年か切れますことしの4月の28日までしか延期してございませんが、さらに1年間これを延期していただいて、指紋をさせるのに時期を待ちたいということで、前国会に提案をいたしたのであります。

不幸にして衆議院が解散になりまして、この法案は衆議院におきましては、委員会の全会一致をもつて御決議が願えたのでありますが、参議院に行く前に解散になりまして、一応成立いたしません。従いましてこのままにおきますれば、4月18日まで参りますとすぐ指紋をとらなければならぬ。そして無用の摩擦をここに生じさせなければならないということで、これはちようど今年の正月には李承晩大統領が日本に訪問をされまして、日韓会談がやや停頓しておりましたのが活を入れられまして、日韓会談が早急に始まるという時期でもございます。

従いまして理解を伴わない指紋制度を強制するということによりまして、無用の摩擦、混乱が起きることが予想され、ひいては好転を期待されておりました日韓会談の出鼻をくじくというようなことがあつてはいけないというので、どうか指紋制度は延ばしてほしいというので、この緊急集会におきまして6月1日まで一応猶予していただくという法案でこれが御可決をいただいたのでございます。

この状態が現在におきましては、さらに強まつたと申しますか、現に日韓会談が交渉中でございまして、すでに数回韓国側とも会談をいたしております現状におきましては、現在におきましてこの法案が成立しないために、指紋制度を強制するという危険がございますので、どうか指紋制度を行う時期につきまして慎重なる考慮を払いたいという意味におきまして、さらに来年の4月27日まで1年間この実施を延期していただきたい。これが提案の趣旨でございます。



前略と後略は省略、旧字は新字に変換、誤字・脱字は修正、適宜改行、
漢数字は一部アラビア数字に変換、一部括弧と句点を入れ替えています。
基本的に抜粋して掲載していますので、全文は元サイトでご確認ください。