外国人の政治活動・選挙運動(※ただし敵国人は除く) 1/2

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昭和27年11月11日 参議院 地方行政委員会
[004]
参考人(警視総監) 田中榮一
全国的な選挙違反の状況につきましては只今谷口国警本部次長から御説明がございましたので、大体それと同断だろうと考えております。只今お手許に私のほうの選挙違反傾向という刷物を差上げてあると思いますが、それを御覧頂きますれば一切わかると思つておりますが、今回の選挙で従来の選挙と違つた点が非常にございます。これにつきまして若干御説明申上げたいと思うのであります。

(中略)

それから又今度の選挙で特に著しい傾向としましては、未成年者を利用いたしまして、文書図画を戸別に、又は通行人に頒布さした事例がございます。これは少年の選挙運動に対する罰則適用について相当注意を要する点があると思うのであります。殊に多数朝鮮人未成年者、年齡は7、8歳から12、3歳までの小学校の児童を狩出して、特定候補者を支持する文書図画を頒布したという事実があります。





昭和30年06月01日 衆議院 公職選挙法改正に関する調査特別委員会
[002]
説明員(総理府事務官(自治庁選挙部選挙課長)) 降矢敬義
それから、第2番目は、外国人の選挙運動を禁止することの可否。現在は御承知の通り外国人の選挙運動については禁止規定がございません。ただ外国人から選挙に関して寄付を受領してはならないという規定はございますが、そのほかはございません。そこで一応問題としてこういう問題を提起したわけでございます。





昭和39年12月02日 衆議院 予算委員会
[257]
法務大臣 高橋等
しかし、外国人の国内法上の地位は国民と同様の権利を認めなければならないことはなく、国際的な考え方の上でも、国内法で任意に定め得るものであるとされておる。生命、身体、財産の保護につきましては、国民と同様の保護を与えなければならないことは当然であります。その他の権利については、権利の性質いかんによって合理的な範囲で差別をすることが是認されております。

およそ外国人が他国の政治に干渉することは、国際慣行上厳に慎しむべきものとされておることは御承知のとおりであります。外国人の政治上の言動に関する制限は、自国民と全く異なった地位に置かれております。

これに加えますのに、外国人の入国を許可するかどうかということは一国主権の裁量に属するということが国際法上の通説であることは、前説申し上げたとおりでございます。わが憲法の解釈によりましても、最高裁判所の判例によって、憲法第22条、居住移転、移住の自由は外国人の日本国に居住することについては何ら規定していないとして、明確に判示されております。

したがって、日本共産党が合法政党であること、その政治活動が法律に違反しない限り自由であることと、その大会に参加する外国人の入国を国内において予想される言動を理由に拒否することとは、全く別の問題である。国の利益上好ましくないと認められるものにつきましては、合理的範囲内で入国を拒否することは、一国の主権の行使として当然の措置であると私は考えておる次第でございます。





昭和46年02月23日 参議院 法務委員会
[011]
政府委員(法務大臣官房長) 安原美穂
最後は、出入国管理法案でございまして、ポツダム政令であります出入国管理令を廃止いたしまして、新たにすべての人の出入国の公正な管理等に関する法律を制定しようとする内容のものであります。ポツダム政令である出入国管理令を廃止いたしまして出入国管理法を制定する。それから、その他の改正のおもな点といたしましては、第1に、出入国者の数の激増に対処いたしますため、在留期間の短い外国人等に対しまして、入国手続の簡素合理化をはかる。たとえば観光、スポーツ、会議参加、業務連絡等の入国目的を包括いたします短期滞在者という在留資格を設けるとか、査証なしでも一時的な上陸が許される者の対象の範囲を拡大するというようなものであります。

次に改正のおもな点といたしましては、外国人の在留管理の合理化をはかる。特定の者、たとえば在留資格者――教授、商用活動者、留学生、技術研修生、興行活動者、熟練特殊労働者等の在留資格のある者は、必要に応じまして在留を許され、活動の種類や場所を指定できるようにする。そして活動の指定に違反した外国人または一定の政治活動をした外国人等に対しましては、その行為の中止または同種行為の反復の禁止を命令することができるようにいたしました。

その命令に違反した場合は処罰ないし強制退去の対象とするというようなこと、あるいは重要な犯罪人につきましては、暫時出国手続を留保できることとして、その重要犯罪人の国外逃亡の防止をはかるというようなことであります。

最後にそのほかの出入国管理事務の改善をはかるために、容疑者を収容しないでも、退去強制手続を進め得ることとし、また収容できる期間を従来よりも短かくする。退去強制令書が発付された者に対しては、本人が希望すれば自費により本人の希望する国へ退去できるようにする。あるいは出国者に対する再入国許可の有効期間の廷長を認めるというようなことが内容であります。





昭和46年03月16日 参議院 予算委員会
[355]
日本社会党(社会民主党) 小柳勇
毎国会で問題になる法律でございますが、前に廃案になりました法案と、どういうふうに違ってまいりましたでしょうか。

[356]
法務大臣 植木庚子郎
提案を予定しております法案の変わっております点について、おもなる点を若干御説明申し上げますと、短期滞在者という、いわゆる在留資格につきまして、特定のものを今度はきめております。そうしてその方法によりまして、一時的な通過観光客には、これは査証も要らないようなことになりまするし、短期滞在を目的とする者の出入国管理の手続をできるだけ簡素化しようというのが一つの変わった点でございます。また、許可を受けないで本来の在留目的以外の職業活動などを行なった場合、あるいはまた、外国人として慎むべき特定の政治活動をした場合、そういう場合には中止命令によってこれを是正することができるようにすると、こういうやり方を考えております。これまた在留管理の合理化をはかろうという目的からでございます。

その次、第3には、退去強制の手続の中で、容疑者を収容しないで審理を進めるということができるようにいたすなど、事務手続の改善をはかろうと、こういうことが大きな点でございます。

[357]
日本社会党(社会民主党) 小柳勇
法案はまだ全部読んでおりませんからわかりませんが、前の法案よりももっときびしく、広範になっておるようでありますが、いかがですか。

[358]
法務大臣 植木庚子郎
私、まだ十二分に詳細な点についての知識は足りないかもしれませんが、私の見ましたところでは、よほど従来よりは簡素化されておりまするし、また、これに対しての対処すべき運用の上で十分また考え得る点もありはしないか、こういう点もあるので、したがって、やはり従来よりは非常に緩和された規定であると、従来と申しますのは、先年、第61回国会でございますか、あのときに出した法案よりは非常に緩和されておると、こう私は思っております。

[359]
日本社会党(社会民主党) 小柳勇
許可なく商売の、営業のほうの問題なり、政治活動の問題なり、この考え方によっていかようにでもとれるような方向に改悪されたように、いま受け取っておるのでありますが、これを適用される外国人というのは、一体どこの国の人が一番多いのでございますか。

[360]
法務大臣 植木庚子郎
適用がどこの出身の方に多いかどうか、実は事務的に後ほどお答えさせますが、私の読んでおりますところでは、やはり出身の国のいかんによってそれをどうこうするという考え方はなく、なるべく一律に扱ってあると、それから、たとえばいまの政治活動等の問題でございますが、従来は個々の場合にいろいろと条件をつけたり何かというようなことがあったようでございますが、今回は政治活動をはっきり、こういうような政治活動は困りますというような内容をはっきりもう定めておきまして、そうしてそれ以外の問題については、やはりそのケース、ケースによって善処すると、こういうことに相なると思います。

[361]
日本社会党(社会民主党) 小柳勇
この法案が出まして一番対象になるのは朝鮮民主主義人民共和国の諸君でありましょうし、したがって、いままでもこの法律が出ることに反対がなされてきました。

まあ5月には、日赤や朝鮮赤十字の努力で帰国船が参るような情勢です。これも中国と同じように、この国とも仲よくしていかなきゃならぬ。しかも学校もできまして、いまあまり問題もなく、前よりも問題もなく、日本の国民と一緒に平和に暮らしておるのでありますから、平地に波乱を起こすような法案は出すべきではないと思うのですけれども、どうしてきょう閣議にお出しになったか、もう一回大臣の心境を聞いておきたいと思います。

[362]
法務大臣 植木庚子郎
お答えいたします。

あらかじめ政府の方針としまして、今国会に提案する各種の法律案は本日までにぜひ決定したいという御意向でございましたから、これに従いまして、われわれ法務省でも若干――一、2と申しますか、2、3と申しますか、法律案を出したいものはございましたが、そのうちで準備が一番整っておるもの、これが一番進んでおりましたので、これだけはぜひきょうきめていただきたい、将来また追加をお願いしなければならぬ問題があるかもしれませんが、ただいまの段階におきましてはこの法律案が比較的準備が整っておりましたので、これをきょうぜひその最終日に間に合うようにきめてもらおうというのが私の心境でございました。





昭和46年12月07日 参議院 内閣委員会
[241]
日本共産党 岩間正男
まあこの前、前回の法案で問題になった点は法相も御存じだと思うんですね。その中で、戦前から日本に住む朝鮮人、台湾人などを政治活動中止命令の適用除外とせず、それから日韓地位協定による協定永住者のみを適用除外とするのは、朝鮮籍の在日朝鮮人をねらい撃ちにしたものである、こういう点から、ことに在日朝鮮人の方々は非常にこの法案に対して反対の意向を述べられた。それからまた日本の民主勢力も、こういう措置は断じてこれはとってはいかぬというので、この点が非常にこの法案の1つの焦点になったことは争えない事実だと思うんです。

したがって、この点がどうされるのかということがこの法案を出される――これをこのまま、前回のこういう方針をどこまでも貫いていくというかっこうで出されるのか、あるいはこの点について、これは現情勢とも関連して、この問題について十分に検討するという方針を持っておられるのか、ここのところが基本的にきまらなければ、この法案に対する態度というのは実際にこれは明らかにならぬじゃないか、こういうふうに思うんですが、この点重ねてお聞きしたいと思います。

[242]
法務大臣 前尾繁三郎
いまのところそういう規定をどうするかという方針をきめていないので、白紙で検討しようと、私自身におきましてはですが、検討しようと、こういう考えであります。特段にいろんな、まあいままでにもしかしずいぶんいろいろと御意見伺ったりなんかして、最初の原案より変わってきておるようでありますが、その辺のことも十分検討し、また一般に非常に誤り伝えられている点もあるということでありますので、そういう点も十分吟味をいたしまして、私としてどういうふうに取り扱うか考えてみたいと思います。

[243]
日本共産党 岩間正男
そうすると、一番基本的な問題については態度は何らこれは明確にされていないわけですね。そうしていて、実際はこれは通常国会が来るというと法案が出されるというようなことがいままで行なわれておるわけですね。この点は私はこれはやっぱりまずいんじゃないかと思うんです。まあいまの段階では、法相はこれについてはっきり態度をここで明確にされない、こういう形なんですけれども、この中でさらに突き詰めてみますというと、たとえば法案に幾ぶん緩和的な規定を設けると、たとえば戦前から日本に住む朝鮮人、台湾人などを政治活動中止命令の適用除外とするなどのかりに措置がとられたとしても、政治活動を行なった者に対する中止命令、さらに退去強制を行なうこと自体、こういうことというのはこれは非常に不当なことだと思うわけですね。これは元来、選挙権や被選挙権等の政治的権利、そういう問題と、それから意見を発表するとか集会・結社の自由等の市民的な権利、こういうものは別々の問題だと思うんです。政治的権利と市民的権利というものが混同されがちになって、そうして一緒くたにこれは処理されるというので、在日朝鮮人に対するいろいろな規制、これがまあ弾圧的なものにまでなっておったというのがいままでのやり方だと思いますが、これはどうでしょうか。

こういう点については、当然世界人権宣言の立場から見て、「すべて人は、思想、良心及び宗教の自由に対する権利を有する。」そういう問題とか、それから、「すべて人は、意見及び表現の自由に対する権利を有する。この権利は、干渉を受けることなく自己の意見をもつ自由並びにあらゆる手段により、また、国境を越えると否とにかかわりなく、情報及び思想を求め、受け、及び伝える自由を含む」。さらに第20条には、「すべて人は、平和的な集会及び結社の自由に対する権利を有する。」こういう数々の規定があるわけです。それを日本だけにおいてこういう差別待遇をしなければならない、こういうような形でこの法案が出される。そこにこの法案の反動性があり、これが非常に大きな論議を呼んできたところだと思うのです。

しかも、その結果は、これは在日朝鮮人に対する実際は政治思想の弾圧、こういう形になってきたとこれは思うのです。

この点はやはりはっきり法務大臣としてこれは明確にしてほしい。とにかく2回もあのような反対にあってつぶれた法案、それを出す、そういうためには、何かこれは必要がなければならぬわけですけれども、それは何ですか。一方では日本の軍国主義復活が非常に問題にされている、あるいは沖縄協定との関連において、日本のアメリカの核戦略体制にもっとこれは従属的なそういう体制をとる、そういう背景とこれは関係ないですか。こういうことになってくると、私はこれは非常に重大な問題になってくると思う。平和や民主主義に対する一つの挑戦になると思うのですが、この点いかがですか。

[244]
法務大臣 前尾繁三郎
ただいまいろいろお話しの点は、外国でどういう制度をとっておるか、あるいはいろいろなことを検討した上でないと、私も判断するわけにいかぬわけであります。いずれにいたしましても、まだ法案を出すときめたわけでもありませんし、さらにまた、来国会に提出すると言ったわけでもないのであります。そうしてまた、特別にただいまお話しのような点で急ぐというわけではない。ただ率直に、先ほど申しましたように、もう時代の波に合わなくなっておるという点では、これは早晩直さなければならぬ。第一、ポツダム勅令というようなものであります。これはやはり法律的な体制にしなければおかしくなってきておる、こういうことであります。ただいまお話しのような点で急いでやらなければならぬとは私は考えておりません。

[245]
日本共産党 岩間正男
それでは、そのような特定の第三国人の実際は思想弾圧をやるようなそういう政治活動、そういうものの自由を奪うというようなそういうものについてはどういう態度をとっておられますか。この法案を離れてもいいですけれども。こういう法案を出さないという、これははっきり言明されますか、この国会を通じて。いわゆる人権宣言違反ですよね。

[246]
法務大臣 前尾繁三郎
先ほど来から言っておりますように、必ず法案を提案すると言っているわけでもありませんし、また、ただいまお話しのような点をこれから検討しようということで、いま直ちにどういうことにしようということを申し上げる段階ではない。こういうことを先ほどから繰り返し申し上げておるわけです。

[247]
日本共産党 岩間正男
特にまあ私は、法務大臣は閣僚の中でもものわかりのいい方だというふうに思っておるのですね。そういう中で、世界の情勢を見ても、これはまあ非常に情勢が変わりつつある。朝鮮民主主義人民共和国をはじめ、アジア諸国民との平和な友好関係というものが進められなきゃならない、そういう方向にきている。ところが、いまのような法案が出されれば、明らかにこれを阻害する。むしろあと戻りにこれはするわけでありますね。

さらに、まあこれは中国の国連復帰等に見られる最近の国際情勢、それからわが国における日朝議連、こういうものも、国会議員の中から日朝議員連盟というものが発足しておるのですね。そういう情勢から考えますと、明らかにこのようないままでの、従来のあのようなやり方を、そういう骨子を持ったところのこの出入国管理法案というやつは、明らかに時代に逆行だというふうに考えられる。これはまあ政治的見解から特に法相はどういう立場をおとりになるか、そういう見解もお聞きしておきたいのです。

[248]
法務大臣 前尾繁三郎
最近の世界情勢が変わりつつあることについては、私も決してその認識について人後に落ちるとは思っておりません。非常な情勢の変わり方でもあるし、またその方向を誤ってはならないということは私もよくわかっております。したがって、それに即応するものをつくりたいという考えでありますが、しかし、まあ国としてやはり、実質的な権限を持っておるわけでありますから、それをどういうふうな法文によっていくかということは、これはもうそういう問題とは別個に考えていくべき問題だと、かように考えております。

[249]
日本共産党 岩間正男
まあとにかく国際法的な立場から見ても、また最近の国際情勢の立場から見ても、とにかく、特にまあ在日朝鮮人に対するそういう特定の弾圧的なねらいを持った法案というのは出すべきじゃないのじゃないか。これは日本の戦争犯罪に対する当然の反省からいったって、むしろ保護しなければならない、そういう立場ですね。

そうしてこれは外国人の民主的、民族的権利を保障する、こういう責任がある。ところが、まるで反対のこのような法案が出されているところに大きな問題があり、反撃も高まり、そうしてこの法案が通らなかったわけですね。こういう点について、時間もありませんので、もっと詳細にお聞きしたいのでありますが、これくらいにしておくわけですけれども、とにかくそのほかにも出入国管理法案にはずいぶん問題がありますね。

たとえば在日外国人の生活と人権の問題、それから社会、政治活動の自由、こういうものに対して非常に侵犯する、そういうものが出てくる。これはまあほんとうに日本のそういう反動的な軍国主義復活のそういう体制の中でそういうものが必要だというなら別でありますが、そうでない限り、こういうような法案というものは絶対に出すべきではない、こういうふうに思うわけです。これは法務大臣が御答弁されるならされてもいいですけれども、なくてもいいです。いかがでしょうか。

[250]
法務大臣 前尾繁三郎
ただいまの御意見は私も御意見として十分拝聴いたしました。あらゆる点から検討して、最も進歩した、しかも時代に適応した法案をつくりたいと、かように考えております。





昭和47年06月02日 衆議院 法務委員会
[006]
法務大臣 前尾繁三郎
出入国法案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

(中略)

第3は、商用活動者その他特定の在留資格を付与する場合などにおいて、その者の活動が日本人の職域を侵害するおそれがあるなど必要があると認められるときは、その在留資格について許される活動の範囲内で、活動の種類または場所などを指定することができるようにするとともに、在留資格によりあるいは指定により定められた活動以外の活動を、許可を受けないで行なっている外国人に対しては、まず中止等を命じてその是正をはかり、これに従わないときに初めて退去強制等の対象とすることとして、外国人の在留制度の合理化をはかり、また、日本国の機関が決定した政策の実施に反対する公開の集会等を主催するなど、外国人として当然慎むべき一定の政治活動をした者に対しても、まず中止等を命じて是正をはかることができるようにしたことでありまして、この程度の規制は、主権国として当然の措置というべきであります。

(中略)

第10は、戦前から引き続きわが国に居住する朝鮮人、台湾人及びこれらの子につきましては、長年わが国に在留してわが国社会に定着している特殊性を考慮して、精神障害者、麻薬中毒者、らい病患者または公共の負担になっている者であることを理由としてこれらの者の退去強制をしないことを明文で規定したほか、永住者と同様、中止命令の対象となる政治活動の規制条項を適用しないこととするなど種々の特例を設け、一般外国人に比し優遇措置を講じたことであります。

なお、この法律案は、第61回国会及び第65回国会に提出した法律案に関して、各界から寄せられた意見について検討した結果に基づき、修正を加えて改善し、特に第65回国会に提出した法律案に対し、退去強制手続をより慎重に行なうこと、戦前から在留する朝鮮人、台湾人及びその子に対し、中止命令の対象となる政治活動の規制をしないこととしたほか、法律の名称も出入国法に改めることとし、面目を新たにして今国会に提出したものであります。





昭和47年06月09日 衆議院 法務委員会
[125]
政府委員(法務省入国管理局長) 吉岡章
それからまた、日本に入ってまいりました外国人は、日本の政治に参与する資格はございませんので、当然慎んでもらわなければならない政治活動というものがございますが、これを規制することといたしまして、これの違反を是正するために、中止命令という制度を設けたことでございます。

以上が、今度の法案の、前の法案と比べまして、改正したおもな点でございます。



[147]
政府委員(法務省入国管理局長) 吉岡章
26条第1項第2号は、政治活動に対する中止命令でございますが、これは一般に日本に在住する外国人が、本来慎むべき政治活動をやった場合に、ある場合には処罰あるいは退去強制ということも考えられるのでございますが、あるいはことば、あるいは風俗習慣等の違いから、一挙にそこまで持っていくのは、あるいは無理ではないかという事態も想像されますので、その一歩前の段階といたしまして、26条第1項第2号に規定されますような行為を行なった場合には、あらかじめ中止命令を出すということの規定でございまして、これと在日朝鮮人の場合の関連におきましては、先ほど来申し上げましたように、法第126号2の6に該当する人たちは、この中止命令の対象からはずされておるということでございまして、在日朝鮮人の大部分の方は、この対象から除外されておる次第でございます。

[148]
自由民主党 鍛冶良作
これはやはり先ほどから言うとおり、イデオロギーが違うということを認識しておるものですから、そこで、何でもこれへ持ってきてこれにはめられてはたいへんだ、こういうことです。あなた方は、そういう意味でこの条文を入れたものでないとは私は信じまするが、相手方から見るとそういうように思うのだから、この機会に、この条文を入れたのはそういう意味であるのかどうか、そういうことでないならばないということを、ここでひとつ鮮明してもらいたいと思うから、私はこういう質問を出したわけです。

[149]
法務大臣 前尾繁三郎
およそ独立国であります場合、何ら政治参加の許されていない外国人が参りまして、それによっていろいろ政治運動がなされるということは、これは原則として許されない。これは独立国である限りにおいて、外国から、外国人からいろいろ政治的な介入を受けるということは、独立国のたてまえとしてはあり得ないこと、そういうことを明らかにしたにとどまります。

したがって、戦前からおりました朝鮮の方々というのは われわれはむしろ、いままでの沿革から考えて日本人であるという考えのもとに、例外の規定を置いておるわけであります。

それらの人が政治活動をやることについて、われわれ特例を設けてはっきりそれを許しておるのでありまするから、その限りにおいては、私は、何もそれで束縛するというような考えは、毛頭持っていないことをはっきり申し上げておきます。





昭和47年06月16日 衆議院 法務委員会
[008]
日本社会党(社会民主党) 米田東吾
まず、第1に私は大臣にお聞きしなければならぬのは、この法案は違憲性が強いという指摘がございます。これは大臣もそういう指摘があることについてお認めだと思うのであります。私どもも、十分ではございませんがこの法案について幾度か検討してまいりました。きょうはその中の最も中心点である、この法案の26条にかかわってくるかと思いますが、在日外国人の政治活動の規制の関係でございます。これは私は、あなたのほうがまかれたという自由民主党の「新しい時代の出入国制度」というパンフ、これを読ましてもらいました。それから法務省のしばしばの見解表明等についても、実は承知をいたしておるわけでありますけれども、しかし、何と説明されてもこの26条の条項、すなわち外国人の政治活動の規制の条項でありますが、これは私は、どうしても違憲性について払拭できないわけなんです。

もちろん、憲法違反の法案を政府当局が出すはずはないと御答弁されると思いますし、私もそのたてまえはわかりますけれども、しかし、この26条の関係は、これは行政当局の運用とかそういうことによって処理できる問題でありませんし、法案がこのように効力を発することになりますと、どうしてもこれは憲法上の問題が必ず出てくる。

具体的にそういう事案が出たときに、最終的には違憲裁判で争って、そうして、先般の在日朝鮮人の外国旅行による再入国について法務省が認めないで、とうとうこれは裁判になりまして、高等裁判所までこれが行きまして、結果的に国の主張は負けておるわけであります。要するにこれは違憲性があるということと、それから日本におる在日外国人についても日本の憲法上の、特にこの基本的人権や市民権に属する部分については、当然保障があるというたてまえで、法務省は敗訴しているわけであります。そういう轍を再び三たび繰り返すことになるのじゃないか。そうして、この法案というものが、言われておりますように治安立法的な、違憲立法的なものとして、日本国内だけじゃなしに、世界の笑いものになるのじゃないかという心配もするわけであります。このことについて、基本的に私は重要な問題だと思いますので、大臣の御見解をお聞きしておきたいと思います。

[009]
法務大臣 前尾繁三郎
外国人、すなわち参政権を持っていない、こういう人が日本に来て政治活動をやるということについては、これは当然慎んでいただかなければならぬのでありまして、国際慣習から考えましても、どの国でも独立国はそういうたてまえであることは当然でありますし、それは私は憲法違反というふうには全然考えておりません。また憲法も、それだけの外国人に対して制限をやることは、これは当然認めておることであると思います。

ただ問題は、先ほど来申しておりますように、終戦前は国民であり、まあそれが世界の情勢で、その個人の意思ではなしに外国人になったという人は、特別な地位にあるというふうに考えるべきものだと思います。

先ほど来引用されました再入国の問題につきましては、これは最高裁の判決までいきませんでした。はっきりしない点もありますが、いずれにいたしましても再入国はやはり入国という問題である、向こうへ出る出国と入国と2つに分離して考えるべき問題であるという点が争点であったかと思います。しかし、最終的な判断はなされずに終わったのでありまして、私は憲法のたてまえから考えましても、また事柄の実際から考えましても、あの裁判で最終的に負けるとは考えておりません。外国人に対して、参政権を持たない人が自由に政治活動をやるということは、これは私は認めるべき問題ではない、かように考えておるわけであります。

[010]
日本社会党(社会民主党) 米田東吾
大臣、私は違うと思うのです。誤解を受けると困りますから申し上げておきますが、大臣が言われる参政権に属する政治活動、そういうものがかりにあるとすれば、外国人は日本において参政権がございませんから、政治に参加することは、これは憲法上からいきましても禁止されておるところでありますから異論がありませんけれども、そのことを私は申し上げておるわけではないのであります。ただ、参政権がないからといって、ストレートに政治活動は一切できないぞ、してはいかぬぞ、国の政策の決定や機関の決定についてものを言うなという、これは一体どうかということが私の問題提起なんです。参政権がなくても、市民権的な政治活動あるいは基本的人権に属する政治の分野における活動というものは、当然私は外国人といえども権利があると思う。また、そうでなければ民主主義国家としての国の基本というものは危うくなる、私はこういうふうに実は思うわけでありますが、それを私は申し上げておるわけなんであります。

この26条の法文によりますと、これは非常にあいまいな法文になっておりますけれども、法務省の決定に批判を加えたりあるいは反対したりして、集会をやったりデモをやったりビラを配ったりしてはいかぬ、そうやればすぐ中止命令を出すぞ、それで聞かなければ国外に退去強制やるぞ、こういうおどかしなんです。私はこれは混同されるおそれが十分あるし、現にいままで皆さんやってこられたのです、日本の法務行政の中では。ですから、私はこれを指摘をしているわけなんでありまして、参政権云々で直ちに、外国人には政治活動は与えられておらないし、ないのだというこのことについては、私は大臣と見解を異にするのでありますけれども、私の申し上げていることについて、大臣はいかがにお考えでございますか。

[011]
法務大臣 前尾繁三郎
ただいまのお話を聞いておりますと、政治活動という範囲といいますか、定義の問題にも関係あると思いますが、いずれにしましても、政策の決定とか根本的な政治活動、これは私は当然参政権のない人がやるべき問題ではないと思います。いろいろ行政上の問題について、それに対して異議があるというようなことは、これは別個の問題で、必ずしも政治活動と考える必要はない。要するに、政策の決定というようなことが政治活動であります。

したがって、ただいまのお話は、具体的にどういう行為であるか、それがはたして政治活動であるかどうかという認定の問題になると思います。私は、あくまで政策の決定といわれるような政治活動は外国人としてやるべき問題ではない、これは当然慎んでもらわなければならぬ、かように考えております。

[012]
日本社会党(社会民主党) 米田東吾
私の言っていることは、大臣は御理解なさっていられると私は思うのでありますけれども、政治活動とは何ぞやというこの解明のほうも大事だと思いますけれども、私は、大臣並びに法務当局に聞きますけれども、しからば、いま大臣が説明されましたようなそういう日本の独自な主権に基づく政策の決定、実施について、在日外国人が、このような法規制をしなければならないような、そんな一体政治活動をいままでやってきたのですか。一体そんなことあったのですか。私はそういう事実があったとは全然思いませんし、そういうことはなかったと思う。

ことに在日外国人は、戦前から引き続いて日本におられる方々などについては、これはまたあとで議論をいたしますけれども、日本に上陸する際には、現行入管令によって、上陸の段階、在留の段階でそれぞれ政治活動等については大きなワクをはめられておるのであります。これは法文上はっきりしておるのであります。国益条項があるのです。いままでこの条項によって、在日外国人についての政治活動等について、十分これに対する対処の効果というものはなされてきていると思いますし、それを不足として、なおこのような抽象的な法文によって政治活動を規制する。この限りにおいては全般的な規制にならざるを得ない。そういうことをなぜ一体必要とするか、そういうことが一体具体的にいままであったのかどうか、このことが一つ私はお聞きしたい点であります。

ことに、在日外国人といえども、日本に参政権がないとしても、みずからの基本的人権や生活権に触れる問題が出てくるとすれば、これは最小限正当防衛の――正当防衛と言ってはちょっと語弊があるかもしれませんけれども、やはり私は、市民権基本的人権に属する最低の条件として、政治的な効果的な活動をするようなことは許されるべきだと思うのです。そのことについていままであったのかどうか、これは大臣いかがでございますか。

[013]
法務大臣 前尾繁三郎
それはあったかどうかということではなしに、あってはならないということだと思います。

おそらく現在までにおきましては、戦前から在留しておられる朝鮮人あるいは台湾人、こういう方々については政治活動を認めておりますから、これは問題はないわけであります。しかし、それ以外の外国人で、現在まで認めていない外国人で政治活動をやられる、もしそういうことがあってはならないので、こういう規定を設けておるわけであります。

あったかなかったかという点については、私は、なければけっこうでありますし、そういうことがあってはならないという規定だと思います。

法文の関係については、局長から答弁いたします。

[014]
政府委員(法務省入国管理局長) 吉岡章
御指摘の政治活動の中止命令につきましては、わが国の内政に干渉するような態様の政治活動は好ましくないから、これは規制しようということでございますが、国の決定いたしました政策の実施に反対するデモとか集会を主催するのは、やめていただきたいということでございますが、この集会に、単なる参加はこれは問題といたしておりませんし、それからまた政策に関する自由な批判というものも、これは規制の対象となっておりません。ですから、政治活動の中で非常に極端な、内政干渉にわたるような態様のものを規制しようということでございます。

それから、ただいま大臣から説明がございましたように、この政治活動の規制の対象からは、法律126号の該当者を除いておりますから、現在日本に在留しておる朝鮮半島の出身の方及び台湾から来られた方の大部分は、この政治活動の規制の対象からはずされておる状態でございます。

[015]
日本社会党(社会民主党) 米田東吾
入管局長、私はまだ法文の具体的なことをお聞きしておりません。基本的なものの考え方を実はお聞きしておるわけであります。26条の内容に入ればたくさん問題はありますから、私はいずれその機会があれば申し上げます。

ただ、いま大臣の御答弁でありますけれども、大臣の御答弁は、あったかなかったかということよりも、あってはたいへんだからこういう法的措置をするのだという御答弁だと私は承知いたします。そのことも私はわからないわけではありませんけれども、しかし、それであるならば、私は現行入管令のあの条項で十分じゃないかということを言いたいのです。これはもう皆さんは専門家でありますが、現行入管令の中に政治活動について2つのチェックがあるはずであります。あれで十分じゃないか。しかも、あの条項に照らして、在日外国人が退去強制されたりあるいは大きな市民権を奪われ、抑圧の生活をしなければならなかったという歴史があるわけであります。私はそれで十分じゃないかと思う。

要するに主権国家、大臣が言う独立国家、そこで必要な日本人以外の外国の方々の管理等について、何らかの法的措置はやはり必要だということであるならば、現行入管令のこの政治活動についての2つのチェックで十分じゃないか、実はこう思うのでありまして、それ以上に、何でこの26条のこのような、きわめて違憲要素の深い政治活動規制の条項を入れる必要があるか。私が言いたいのは、実はその基本的な大臣並びに法務当局のお考えについて聞いておるわけでありまして、そのことについての御答弁が入管局長からはないわけであります。どうでありますか。もちろん入管局長はその衝に当たられて、この26条の関係に入りますと、こんな法文はあなたのほうは答弁できなくなりますよ。これまでせぬでも、現行の入管令でなぜ一体足りないのか。かつてそういうようなことがあったかということは、それは私はいま答弁として、そういうようなことについての具体的な、あったという答弁はいただいておりません。おそらくなかっただろうと思うし、ないだろうと私は確信するのです。どうしてこういうものが必要なのか。

それともう1つは、諸外国ということがありますけれども、諸外国の例も大いに参考としなければなりませんが、ただ抽象的に諸外国ということで合法づけられることについては、問題があると私は思う。私どもも諸外国の例を調べておりますけれども、このような規制でやっているところは数少ない。もっと言うとすれば、諸外国に比べものにならないくらい日本は平和憲法を持っているわけであります。この平和憲法は、前文にありますように、国民の不断の努力によって、この民主主義的な平和国家というものは守っていかなければならない。これこそ世界に類例のない憲法を持っている日本でございますから、私はそれに反するような、こういう26条のような規定のしかたは、全く逆行じゃないかと思いますし、実際的にもそういう必要はないのじゃないか。

それにもかかわらず、なおかつあるとすれば、私は疑いたくないけれども、こういうあいまいな、いいかげんな条文をつけておいて、それこそまた依然として敵視政策を進められる、あるいは在日外国人の不当な弾圧等の材料として、根拠として使われる、そういう陰謀があるのじゃないかということすら疑いたくなるのであります。そのことを私は申し上げているわけでありますから、ひとつ入管局長、法文の説明でなくて、少なくとも大臣を補佐する入管局長としてのあなたの見解というものを、基本的に伺っておきたいと思う。

[016]
政府委員(法務省入国管理局長) 吉岡章
御質問の点につきましては、利益公安条項というのが現行の入管令にございますが、これは解釈のしかたによりましては、非常に広範な適用ができるということがあると存じまするが、今度の出入国法案で26条を入れましたことは、利益公安条項の解釈が恣意的に、そのときどきによって広げられるということを防いで、具体的にこういったケースは好ましくないものであるから、中止命令の対象にするということでございます。

そうなりますと、利益公安条項に該当するものは、26条の規制の対象とは違った程度の高い行為でございまして、わが国の国益に合致しないものであるということがはっきりするかと思いまして、われわれとしましては、このことは、われわれのほうからの自由裁量の幅を狭めるという意味において、前向きの姿勢ではないかと考えております。





昭和48年05月11日 衆議院 法務委員会
[063]
法務大臣 田中伊三次
出入国法案につきましては、数々の御配慮をいただきましてたいへん恐縮に存じます。

提案理由の説明を申し上げます。

(中略)

第6は、日本国の機関が決定をいたしました政策の実施に反対をする公開の集会等を主催するなど、外国人として当然慎むべき一定の政治活動をした者に対しても、まず中止を命じまして是正をはかることができるように配慮をいたしました。この程度の規制は、主権国として当然の措置というべきであると信じます。

(中略)

第11は、戦前から引き続きわが国に居住する朝鮮人、台湾人及びこれらの子につきましては、長年わが国に在留してわが国社会に定着している特殊性を考慮いたしまして、永住者と同様に、精神障害者、麻薬中毒者、らい病患者または公共の負担になっている者であることを理由としてこれらの者の退去強制をしないことを明文で規定をいたしましたほか、中止命令の対象となる政治活動の規制条項を適用しないこととするなど種々の特例を設けまして、一般外国人に比べて優遇措置を講ずることといたしたのであります。

なお、この法律案は、諸外国における立法例、内外における出入国行政の運用例等、広範囲にわたる検討の上成案を得たのでありますが、今回は、さらにこれまで3回にわたって国会に提出をいたしました法律に関し、各界から寄せられた御意見について十分検討いたしました結果に基づいて修正を加えまして種々の改善をはかりました上で、あらためてここに国会に提出いたしました次第でございます。



[065]
政府委員(法務省入国管理局長) 吉岡章
大臣の説明を補足いたしまして、出入国法案につきまして、その概要を御説明申し上げます。

(中略)

以上でございますので、法案につきましてすみやかな御審議をいただきまして、本法案の成立をお願いいたしたい次第でございます。





昭和48年06月28日 衆議院 内閣委員会
[017]
法務大臣 田中伊三次
ただいまわが国がお預かりをしております外国人の数、これは臨時の者を除きまして登録しておる者の数でございますが、世界各国から預かっております者が73万人に及んでおる。大事なことを申し上げますと、そのうち11万人を除きます62万人が朝鮮半島出身の諸君でございます。これらの諸君の中には、戦前から日本にいて、わが国の国民ないしわが国とたいへん密接な関係におられる諸君が大部分でございます。一口に申しますと、それは62万人のうち59万人内外に及ぶ。あとの3万人余りは、南北朝鮮の国が独立をして、日本も独立をいたしました以後に、純粋の外国人として日本に入ってこられた者であります。それから、密入国をいたしまして、本来は追い返すべき者でございますが、いろいろな事情から同情をいたしまして、日本国内に特別滞在を許しておったという者を合わせましてわずかに3万前後の者でございますが、この3万人前後の人々は日本国民同様の取り扱いはできぬのではなかろうか。

たとえば、日本の、わが国の国家機関が公に決定をいたしました政策に関して、これを弾劾し、これを糾弾し誹謗する、そういうことを内々おやりになることは御自由であるとしても、白昼公然デモを行なう、白昼公然演説会をする、しかもその演説会の指導者になる、デモのリーダーとなる、みずから弾劾のポスターを張って歩く、ビラを配るなどということはいささか行き過ぎではなかろうか、外国に来てそういうことをやるということは行き過ぎではなかろうか、3万人についてはしぼったところそういうふうに考えられるのでございます。

そこで、これらの人々に対しましては、政治活動をある程度において規制する。1回やったからすぐ帰れということでなしに、全世界に類例のない道でございますが、1つクッションを置きまして、そういう事態があったときに、ちょっと待った、あなたこういうことをおやりになるといけませんよ、国には法律があるのですからお帰りを願わなければならぬことになりますよと注意を与える。注意を聞いてくれればそれでよろしい、おっていただいてよい。注意を聞かず引き続いてやるという場合においては強制送還を命ずる、このくらいなことが日本の主権国でできませんと、そんなことのできない国は世界141カ国のうち1カ国もございません。それができぬというのはそれは日本だけでございます。

そういうように私は考えまして、最初は政治活動の規制、制約を62万人について全部やろうという計画が法務省にあったのでございますが、ちょうどその法案は3回出して3回おじゃんになっております。そこへ私が法務省に勤務することになりましたような事情で、私の意見といたしましては、59万人は省け、これは日本人同様に扱え、残る3万人余りについて制限をするのはよいが、1つのクッションを置いて注意を与えて、注意を聞けばよいという制度をとれ、それで聞かない場合において初めて強制送還を命ずるという処置を講ずることがよかろう、それならば4回目提出してよろしいという方針をとりまして、ただいま4回目提出をいたしまして、提案理由の説明が終わったという段階でございます。

くどいお話をいたしますこともいかがかと存じますので、急所だけ私の胸に思っておりますところだけを一言申し上げますと、そういううつもりでわが国入管行政を取り扱っていきたい、こう思っております。





昭和48年07月05日 衆議院 内閣委員会
[176]
法務大臣 田中伊三次
問題になりますのは、政治活動の制限でございます。その政治活動の制限も、今日、国際情勢がこう進んでくるという見通しを持っておるから、私がこの政治活動についても大幅な譲歩をしたわけでございます。私が預かっております外国人は73万人おります。そのうち、11万人を除きます62万人は朝鮮出身の人々でございます。その62万人のうちで59万までは全部政治活動自由、日本国生まれの日本人同様だ、思うようにやれ、そういう処置をいたしました。

たった3万人余りだけについて、しばらく一定のクッションを置いて御遠慮を願う。これは一体どんな人なのかというと、南北朝鮮両国が独立せられた後にお入りになってきた新しい人々であります。もう1つは密入国者であります。それを同情して特に残しておいてやっておるという、この密入国で滞在が許されている者でございます。これを合わせますと3万人余りになるので、この3万人の人だけは政治活動自由というわけにいかぬ。それは行き過ぎたことだけはやるな。

デモに参加することも自由、演説会に行くことも自由だが、自分で大演説をやって人を扇動したらいかぬ、自分でデモのリーダーになることは許さない、自分でビラを配ったり、自分でポスターを張ることはいけない、この4種類だけはいけないといって、そういうことをした場合においては、ちょっとお待ちなさいということを注意する。注意に応じてくれたらそれでおじゃんです。それでよろしい。その注意に応じないで引き続き同じ行為を繰り返す場合においては退去を命ずる。

こういうクッションを置いておるという制度も世界の制度の中にないのですね。よっぽどお人のいい日本だということになるのではないかと思うのです。しかし、国際情勢の大変化ですからね。もうあなた、朝鮮の人々が日本へ来て政治運動をやるぐらいのことは、どうということはない。ことに、いままで日本とは深い関係にあった人々は自由にしたらよかろうということで、59万人の解除をしたのです。

この内容を私が責任を持って説明いたしますから、この私の説明を聞いてくださりさえすれば、ああ、だいぶん変わっておるんだなということはおわかりいただくのではなかろうか。つまり新時代の入管ですね。すばらしい変え方なんです、この変え方は。ひとりよがりのようにお聞きになるかもしれぬけれども、読んでいただいたらわかることです。

そういうことでございますので、この両方の事柄は抵触しないのです、先生。おまえのしゃべっていることは進んでおる、入国の許可は進んでおるけれども、入管法はおくれておるじゃないかということにはならぬ。どうも先生は、そういうおことばをいただいたように思って 私は気にしてこのお話を申し上げるのでありますけれども、決して時代おくれになっていない、新しい時代に即応するための改正である。どうぞ野党さんもよろしくお願いをいたします。





昭和48年09月11日 衆議院 法務委員会
[052]
説明員(法務省入国管理局次長) 竹村照雄
昨年提出いたしました法案におきましては、この中止命令制度というのは政治活動だけではなくて、一定のなすべき活動をしない場合とか、あるいはなすべからざる活動をしていた場合に、これに対して中止命令制度あるいは行為命令制度をとるというたてまえになっておりました。ところが、今度の法案では政治活動だけにしぼったのでございますけれども、結局、政治活動を除くそれ以外の資格外活動という面につきましては、先ほど来御説明申しましたような在留資格制度というものを合理化するということによって、一番問題になるのは国民の職域との衝突の場合でございますけれども、これにつきましては、先ほど言いましたように、国内情勢を十分踏まえて政令でこれを定めるというふうにしておりますので、それで十分調整の役を果たす、それ以外に個々の活動について中止命令制度を設けることはやはりきびし過ぎるのではないかという批判もありますし、そういった点も十分考慮いたしまして、資格外活動についての中止命令とか行為命令というものはとらないというふうにいたしました。

政治活動につきましては、われわれのほうで、現在の国際交流に対応して非常にたくさん入ってきやすくしたといったときに、わが国の現在置かれておるいろいろな情勢のもとで問題になってくるのはやはり政治活動ではなかろうか。この政治活動では、日本の国のことはどうか日本の国民にまかしてほしい、それ以外の外国人は黙っておいてほしいということで、わが国の内政に干渉する、どこの国も規制しておるような政治活動に対してこれを規制する、しかもその規制のあり方も、いきなりつかまえるとか、いきなり規制するということではなくて、一ぺん警告を発して、それに従わない場合に初めてこの規制を行なう、いわばワンクッションを置いた親切な制度である、このように考えております。





昭和49年02月15日 衆議院 文教委員会
[122]
公明党 高橋繁
そうなりますと、学生間におけるいわゆるそうした誓約書をかわしたという事実でそういうことがなされておる。文部省が国費留学生に対して、意見はいいが批判はいけない。意見と批判とどう違うのか、これは広辞林で引けば多少の違いはありますけれども、実際そのものについてどう違うかということはなかなかむずかしい問題であろうと思うのであります。そうしたことがその留学生に対してとやかくされる。留学生の精神、気持ちに対するものとして私はたいへんな問題があろうかと思うのです。したがって、国際間の信頼、文部大臣の所信表明の中にありますように、ほかの外国でやっているからいいんだというのじゃなくて、ほんとうに日本がアジア各国の信頼を得るため、たくさんのアジア出身の留学生を持っておる日本の政府として、文部省として、あるいは今後国連大学本部ができるというたてまえからいっても、この誓約書の問題については十二分に検討する段階に来ていると思うのです。したがって、この条項について大臣、誓約書をかわすということを廃止するという方向で考えるべきではないかと思うのですが、その点いかがでありますか。

[123]
文部大臣 奥野誠亮
国際慣習から言いますと、一般に外国人は内政干渉にわたるような政治活動をしてはならない、これは常識的なことのようでございます。

また国費留学生が国内におきまして本国の政府に対する反対的な活動を行ないますと、これまた両国の国交の上に問題が起こったりすることにもなるわけでございます。そういう意味におきまして、やはり政治活動はしないのだということで、勉学に励んでもらう、これが必要ではなかろうか、こう思います。誓約書をどういうかっこうで出してもらいますのか、その辺につきまして悪い感情を抱かせないような配慮は十分していかなければならない、かように思っております。

[124]
公明党 高橋繁
私は何回も申し上げますが、この誓約書についてはまた後日事実をさらに――ほかの問題もあります。そうしたことで、国際間の信頼を得るために検討をすべき段階にきていると思う。検討というのじゃない、もう廃止をすべき段階にきていると思う。その廃止がさらにアジア間のわれわれの国際的な信頼を得る貴重な第一歩であると私は確認をいたします。





昭和49年02月28日 参議院 内閣委員会
[110]
公明党 宮崎正義
留学生の最大のガンというのは、非常に規制強化をされているということをいわれているわけなんですが、たとえば昭和40年の4月から来日してきている留学学生に対して、政府は文部大臣との間に誓約書のようなものを取りかわして、政治活動の禁止条項を加えているということなんですが、その内容は、政治団体の結成とか、政治的性格の会合への参加とか、論文の発表とか宣言、大衆示威運動などを例として示しているということなんですが、これなんかは過去4回の国会を通じて出入国管理法案が廃案になってきている点から考え合わしてみても、もしこの出入国管理法案等が法案として出ていけば、その全外国人にいま私が申し上げたようなことが適用されてくるんじゃないかというきらいもあるんだという報道もされているわけですけれども、こういう関係について文部大臣はどんなふうなお考えですか。

[111]
文部大臣 奥野誠亮
外国人が政治活動を慎むべきだというのは1つの国際慣行みたいなものではないかというふうに思っているわけでございます。

同時にまた、外国から日本へ参りました留学生が、その方の本国の政府に対して反対的な政治活動をおやりになって、両国の政府間が気まずくなるというようなこともあり得るわけでございます。そのようなこともございまして、ある事件からこういうような措置をとり出したわけでございますけれども、日本に留学してくる限りにおいては政治活動は慎んでもらいたいというような文書に署名してもらうというしきたりになってまいったわけでございます。

[112]
公明党 宮崎正義
それが非常に反発を感じているということが留学生の中にはあるわけでございます。総理がアジアの5ヵ国を訪問されたときでも、タイでもインドネシアでも、申し上げるまでもなく、もうすごい罵声を浴びせられながら、まあ早く言えば、どろまみれになって、そしてまた総理が行かれた意が達しられないで帰られたということも関連をしていくような留学生というものに対する日本政府のあり方というもの、いま大臣から御答弁がございましたけれども、この規制されていくというふうなことが、非常にこういう感情の中にもあらわれてくるようにも思えるわけなんですが、こういう点はどんなんでしょうか。

大体平和運動に参加したり、自分の意見を述べたり、思想、表現の自由を留学生としては希望するわけでございますが、そういうふうな考え方を拘束していくというような形になってくれば、いま申し上げたような総理大臣のアジアに行かれたときの実態というものも、過去から積み上がってきた姿がそのようにとれるんじゃないかというふうに私は思うわけですが、どうなんでしょうか。

[113]
文部大臣 奥野誠亮
日本政府がこういう態度をとっていることがタイその他において騒擾を起こす原因になったとは考えていないわけでございます。国費をもって外国から留学生を迎え入れます以上は、その留学生が本国政府の転覆をはかったりするというようなことで両国間の関係が気まずくなる、これはやっぱり事前に避けておいたほうがいいんじゃないだろうかと、こう考えるわけでございます。

思想、信条の自由を拘束するというようなことは一切ございません。やはり政治活動の問題でございます。同時にまた、私費留学生等につきましては何ら拘束は加えておりません。したがいまして、先ほどおっしゃいました出入国管理法が一般的に外国人について政治活動を規制するということの場合と、現在とっております場合とでは相当な開きがあるんじゃないかと、かように考えるわけでございます。国費留学生について、政治活動をしないという約束をしてもらうというだけにとどめているわけでございます。

[114]
公明党 宮崎正義
そうすると、この点はだいぶ論議を取りかわしていかなければならない問題点があると思うんです。大臣のお考え、思想、表現の自由は拘束しないと言われておりますけれども、論文の発表とか宣言とか、あるいは大衆示唆運動とか、そういうものを全部政治的なものとして結ばれていかれれば、そういうふうに拘束をされるということにとれるわけですがね。

ですから、この点、私の考え方というものは、あくまでも留学生の立場になってあげて十分に勉強をさせ、日本を知らせ、そしてまた日本に来てよかったという、すべてを持って帰れるようじゃなければ真の目的は達しない。この面から考えていきましても、国費でやれば、金を払ってやっているから、めんどう見ているからいいんじゃないかと、文句を言うな式であってはならないんだと思うわけなんですがね。そういう点で私は心配をしているわけで、お伺いをしているわけです。とにかく留学生の立場に立っての運営をすべきであろうということが私の考え方なんです。いかがでしょうか。

[115]
文部大臣 奥野誠亮
学生はおそらく研究をしたい、教育を受けたいというつもりで来ておられるんだろうと思います。同時にまた、外国人が他国に行って、その国で政治活動が自由にできるというような国は私はあまり承知いたしておりません。いわんや、国費を支出して外国人を迎え入れる、その場合、アジア諸国においては特に政権交代などかなり多いようでございますけれども、そういう場合に新旧いずれかの政権を支持して活動をやる、そうしますと、やっぱり両国間の政府にも亀裂が生じてくる場合があり得るわけでございます。そうしますと、どちらかの意味からいいましても、国費を支出して留学してもらっている学生につきましては、政治活動だけはやはり慎んでもらわなきゃならない、こう考えるわけでございます。

思想、信条の自由まで侵すこと、これはもう当然避けていかなければならないと思います。ただ、おっしゃいましたように、宣言文をつくって、そして呼びかけていくということになりますと、思想、信条の自由の範疇に属するものと、政治活動の範疇に属するものとの境が出てくると思います。まあそういう場合にできるだけ寛大に見ていくという姿勢、これは大切なことじゃないかと、かように考えるわけでございますけれども、一般的な意味における政治活動はやはり自粛していただきませんといけないんじゃないだろうかと、かように考えているわけでございます。しかし、それもいま申しますように、国費留学生に限ってとっている措置でございます。





昭和49年08月20日 参議院 決算委員会
[106]
説明員(警察庁警備局長) 山本鎮彦
在日韓国人の各種団体のいろいろな政治活動その他については、わが国の法規を順守して行なわれる限り、われわれとして問擬する気持ちは全然ございません。





昭和50年02月19日 衆議院 法務委員会
[146]
日本共産党 青柳盛雄
新聞論調や、その他比較的中立的な立場で物を見ている人たちの言動を見ましても、これが緊急に必要な、時代にマッチした簡素化、合理化という事務的な手続であるならば問題はないけれども、そこにきわめて問題を呼ぶところの治安的な条項、つまり、政治にぴんぴん響いてくる思想や言論、表現あるいは政治活動、そういったものに対する規制が、外国人ということを1つの理由にして、国内人には認められているけれども外国人にはそういう言動は許されないといったようなことで取り締まりの条項を設ける。そしてこれを禁圧するためには一定の制裁を行う。処罰もするし、排除措置もとる、こういうようなのが一番問題になるのじゃないか。

これがもし許されると、外国人について適用されたものが自国人について適用されないというのはおかしいのじゃないかということにだんだんなっていくわけですね。

かつて戦時中には、私ども日本共産党は、日本人でありながら考え方が何か外国思想にかぶれているんだ、だから戦争に反対したり天皇制に反対したり、よからぬ言動をなす、これは日本人ではあるけれども、その体の中を流れているものは外国人の血と変わらない、いわゆる非国民だ、国賊だというようなところまでエスカレートして、自国人でない外国人なら殺してしまって構わないんだ、獅子身中の虫みたいなものだと、こういう発想になるわけですね。

だから、外国人を差別するというようなことは一見合理的なようであります。参政権もないのだし、そしてまた日本の役人になる資格も持っておらぬのだから、外国人は政治活動などはやっちゃいかぬのだ、内政干渉になるのだと言えば、一見人聞きはいいんですけれども、それでまず政治活動や思想や言論活動を統制していくこれが突破口。

外国にもそういう例があるんだから構わないだろう。しかし、外国に例があって、それがいい例になっているのか悪い例になっているのか。立法例があるというだけで、それを無反省に模倣する必要はないどころか、してはいけない。日本には日本の行き方があるべきだ。

私どもはやはり平和を求め、中立的な立場で、いかなる国際紛争にも一方に加担しないというようなのが一番理想だと思っているし、また憲法の要請ではないかと思うんですね。そういう場合に特定の国の人たちを敵視するというようなことがあっていいだろうか。



[148]
日本共産党 青柳盛雄
少なくとも、私は日本人と外国人をあらゆる面において全く平等に扱えなどというふうなことは言わない。それは常識外れの議論であります。

しかしながら、世界人権宣言その他国際法が幾つもございますけれども、その精神というものはわれわれは尊重しなければいけない。日本が諸外国の流れに孤立しているというような状態があってはいけないことは、もう言うまでもないのであります。したがって、外国人の思想あるいは表現、そういうものを一々規制するというようなやり方、つまりこれを内政干渉だというふうなおどかしの文句でやってしまうということは、非常にデマ的なものになってくると思うのです。

1つの例を挙げますと、最近、48年に出された法案で廃案になったものですが、要するに最近廃案になったものを見ましても、126号あるいは146号該当者の人たちについては政治規制は除外するという。これ、外国人でないのかと言えば、外国人なんですよ。外国人は参政権がないのだから、役人になれないのだから、政治的な発言はいかぬ、内政干渉だ。それではこの126号、146号の人たちは外国人ではないのか、参政権はあるのか、役人になれるのかと言えば、そういうような外国人ではないですね。そういうような、外国人であっても参政権を持つ外国人、あるいは公務員になれる外国人というものが世界で通用するのかしないのか、これは私はちょっと詰めて考えてみませんとわかりませんが、少なくともこの人たちが外国人であることは間違いない。そういう人たちを除外すると一方では規定しながら、他方ではなぜ政治活動について規制をするのかと言えば、主な理由は、参政権もないし、公務員になる資格もない。矛盾するじゃないか、筋が通らないじゃないか。

だからこれは口実であって、私は、外国人であれ日本人であれ、明らかに法秩序を破壊する、暴力を用いるということが政治的な目的を達成する唯一無二の手段であるというような、そういうような考えのもとに行動するというようなのは、これはしかるべき規制があって構わない。またなければいけない。規制の仕方ですよ。これは思想を取り締まるというようなことではなくて、具体的なあらわれに対してこれを規制するということはあっていいと思うのです。

それを、外国人だからいかぬというようなことを言って、自国人と外国人を全く同列にしようという議論のように私どもの議論をとるとすれば、それこそ誤解であり偏見であると言わなければならないと思います。





昭和52年03月03日 衆議院 予算委員会
[215]
自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官 小川平二
お答えいたします。

公職選挙法上、選挙運動に関しましては、外国人の場合と日本人の場合とで特別異なった扱いをいたしておりません。現行法上は、在日韓国人の行いまする選挙運動につきましても、日本人の場合と同様の規制を受けるということになっておるわけでございます。したがいまして、いま御指摘のありました問題について、自治省としては特に特別の関心を持っておりませんし、したがって、詳しい事実は把握していないと存じます。



[219]
自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官 小川平二
憲法は、外国人に対しましても言論の自由、集会、結社の自由等を保障いたしておりますので、外国人といえども政治活動の自由を持つものである、このように理解をいたしております。



[242]
自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官 小川平二
外国人といえども政治活動の自由を有することは先ほど申し上げたとおりでございまして、選挙のために必要な名簿を作成する権利もまた認められておると申し上げるべきだと思います。



[276]
自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官 小川平二
先ほど来申し上げますとおり、外国人の政治活動は自由でございまするし、その手段として名簿を作製することも公職選挙法上問題があるとは存じません。

ただ、先ほどのお話の中で、政治資金として金銭が提供されたんですか、するというんですか、そういう報道がなされたというお言葉が、こざいました。これは一般的に、選挙に関すると否とを問わず、外国人から寄付を受けることは政治資金規正法の違反になるわけでございますが、重ねて申しますように、警察は現実に具体的な犯罪の容疑がありませんと捜査に着手することはできないわけでございますけれども、国会の場で先ほど来の御発言があったということは警察の当局にしかと伝えまして、注意を喚起することにいたします。





昭和52年05月19日 参議院 外務委員会
[225]
日本社会党(社会民主党) 久保亘
自治省見えておりますか。外国人の団体や外国人の国内における政治活動というのは、一般的には投票権や被選挙権はないとしても、その他は国内においては自由に認められているという立場でよいわけですか。

[226]
説明員(自治省行政局選挙課長) 大林勝臣
公職選挙法の上におきましては、仰せのように外国人には選挙権、被選挙権はございませんが、選挙運動につきましては外国人の場合と日本人の場合とで特に異なった取り扱いをいたしておりませんので、在日外国人も公職選挙法の規制に従って日本人と同じように選挙運動ができると、こういうことになろうかと思います。



前略と後略は省略、旧字は新字に変換、誤字・脱字は修正、適宜改行、
漢数字は一部アラビア数字に変換、一部括弧と句点を入れ替えています。
基本的に抜粋して掲載していますので、全文は元サイトでご確認ください。