国防動員法 ~ 中国の徴兵徴用徴発制

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平成22年10月26日 参議院 外交防衛委員会
[080]
自由民主党 浜田和幸
それと関連して、7月の1日に中国は御承知のように中国国防動員法を施行しておりますよね。これはまさに軍民結合という観点で、一朝事が起こった場合には民間人も徴用して戦争に動員するということでございます。

この中で問題なのは、国防動員委員会の総合弁公室、白自興少将、この少将いわく、有事が起こった場合には中国に進出している外資あるいは合弁企業も国防動員の対象になる、さらに日本に進出している中国人、企業も個人も問わず、一朝事があった場合には日本国内で蜂起する、そういう中身になっている。御承知でしょうか。

[081]
防衛大臣 北澤俊美
私として承知しておりますのは、この中華人民共和国国防動員法、本法律については、国家の主権、統一、領土保全及び安全が脅威にさらされた場合を念頭に民間資源の徴用等を含む国防動員制度を全面的に整備したものというふうに承知をいたしております。

[082]
自由民主党 浜田和幸
そのとおりなんですけれども、そういう場合に、例えば日本企業が中国に多数進出していますよね。今、中国政府とすれば、そういう日本企業の持っている人材や技術、それは中国の国防力増強にとって欠かせないものがたくさんあるわけです。

そういうものを意図的に中国政府はこの動員法を通じて徴用する、そういう可能性もあると思うんですけれども、そういう可能性について何らかの対策、これを考えておられますか。

[083]
防衛大臣 北澤俊美
これはあくまでも中国の国内法でありまして、これをとらえて我々が今とやかく言うのは少し干渉的に取られる可能性があると思います。

しかし一方で、今おっしゃるように、日本の企業や日本の資源が中国に没収されるということは、これは私の立場で申し上げるのがいいかどうか分かりませんが、極めて遺憾なことであります。

しかし、過去の歴史を見ますと、日本と米国の関係のときもそうでありますが、それは本当の戦争状態になったときに発動されておるわけでありまして、ちなみに日本も昭和16年に総動員法を発令して、これを、中国の今のを見ますと、全く日本の昭和16年にやったのと同じことをやっておるなとしみじみ感じた次第でありまして、私は少し年齢が多いわけでありますから幾らか承知をしておりますが、日本が昭和16年に総動員法を発令して戦後に役立ったことが1つだけある。日本は昔から終身雇用だと、こういうふうに言っていますけど、それは俗説でありまして、この16年に、日本の職人たちが様々な企業に渡り歩いて経済を支えておったのを、企業を渡り歩くことは駄目だ、今の職業に専任しろと、こう言って軍需産業で働いて、それが戦後の復興の中で終身雇用という形で日本の復興に大きく役立ったというのは1つだけありますが、あとは、人間の考えることというのは何か似ているなというふうに感じました。

[084]
自由民主党 浜田和幸
確かに似ている部分もあると思うんですけれども、中国人の発想と日本人の発想、あるいは中国の政府が考えている軍事戦略、そして日本の考え方とは大きな違いがあることも事実だと思います。

例えば、今回の尖閣の問題にいたしましても、解放軍報、中国人民解放軍の新聞ですよね、これによりますと、過去において、1000隻近くの民用船を編成し、装備を整えて上陸演習を実施する計画があった。1000隻ですからね。しかし、今、中国は、いわゆる民間の漁船、数10万隻持っているわけです。そこに最低10人ぐらいの、漁民なのか軍人なのか分かりませんけれども、そういう意図を持って日本にもし上陸しようと思えば、数100万人の規模で日本各地の離島や様々な防備の薄いところに上陸できる。場合によっては1000万人近く、中国は動員を掛ければあっという間に日本を侵攻することも可能になるわけですよね。

もし、かつてここの国会でも議論になりましたけれども、旧ソビエトが新潟に一切銃砲を持たないで上陸してきた場合に日本はどう対処するのか。そのときには何ら対処する方法がないと。鉄砲を撃ってこなければ自衛隊も反撃できない。今、中国が考えている一種の超限戦においては、今回の漁民を、言ってみればカムフラージュしたような形で日本に攻め込む、上陸しようとしたときに日本がどう反応するだろうかということを冷静に判断しているんだと思います。

そういう中国の戦略的な意図といったものを、日本と中国はある意味では総動員法に関しては同じような発想なんだから心配ないという形で無視してよろしいんでしょうか。

[085]
防衛大臣 北澤俊美
中国は、もう間もなく日本を追い越して第2位の大国になろうとしております。これは何かというと、中国で生産して中国で消費しているということではなくて、世界中のあらゆる国と貿易をする中で成り立った大きな地位であります。

そういうものを全部含めて考えれば、今おっしゃったようなことは1つの危険性としての論理は成り立ちますけれども、世界全体の流れの中で中国がそういうことを選択するのかということになれば、極めて可能性は低い話であります。

ただし、防衛省とすれば、どんな小さな可能性についても様々な観点から研究は怠らないでおるということであります。

[086]
自由民主党 浜田和幸
是非その研究を続けていただきたいと思います。

昨年の3月の南シナ海で、アメリカの調査船インペッカブルに対する中国の妨害工作、様々な形で目に見えるところで中国の動きというものは、国際社会の一員でありながら国際社会の常識の通用しない活動が強化されているという面もあります。

次に、前原大臣にお伺いしますけれども、中国の外務省が日本の国内の土地取得、新潟、万代小学校の跡地5000坪、名古屋、元国家公務員宿舎名城住宅3000坪、これの購入の動きを進めております。目的は中国の総領事館の敷地として使いたいということですが、現状、承知されておられますか。

[087]
外務大臣 前原誠司
今、浜田委員がおっしゃいましたように、名古屋につきましては、在名古屋中国総領事館が名古屋市内の国有地購入につき東海財務局と交渉中であり、今後、同じく取得を希望する愛知学院大学との取得面積、ロケーションにつき調整が必要だと報告を受けております。

新潟につきましては、新潟市の市有地、これは先ほど委員おっしゃった小学校の跡地でございますけれども、売却につき現在、在新潟中国総領事館が関心を示しているということであり、地元住民に対し説明会が行われたと承知をしております。

[088]
自由民主党 浜田和幸
先ほど北澤大臣がおっしゃったように、中国はもはや日本を抜いて世界第2の経済大国、2兆5000億ドル、2兆6000億ドルと言われる外貨を持っているわけですよね。そういうお金の力でもって日本の国有財産やそういう地域の土地をどんどん買い占める。これまでは山林資源ですとか水資源の売買についていろんな動きはありましたけれども、今はもっともっと範囲が広がり始めている。特に、総領事館の敷地としてこれだけ広大な土地を入手する。この東京にある中国大使館より広い土地ですよ。

私も新潟へ行ってきましたけれども、中国の総領事館、スタッフが、領事館員が何人いるか御存じですか。数10人ですよ。それで何で5000坪もの広大な敷地で総領事館を造る必要があるんでしょうか。それは何らかの別の意図があると勘ぐるというか推察するというのも、外務省としての必要な情報収集、分析の仕事ではないでしょうか。

[089]
外務大臣 前原誠司
一般論で申し上げますが、本邦に所在する外交団、領事団がその活動を十分に行うため必要な施設を適当な手段で確保することはこれは望ましいと考えておりますし、また、委員も御承知だと思いますけれども、領事関係に関するウィーン条約というものの第30条におきましては、接受国は、派遣国が自国の領事機関のために必要な公館を接受国の法令に定めるところにより接受国の領域内で取得することを容易にし、また、派遣国が取得以外の方法で施設を入手することを助けると、こういうものがございます。

ただ、公館というものが領事機関の事務所のみということにも限定されておりますので、その点を我々としては注目をしてまいりたいと、このように考えております。

[090]
自由民主党 浜田和幸
是非注目していただきたいんですけれども、やはり総領事館や在外の外国の公館、これは日本が警備責任を持っているわけですよね、我が国の税金でもってきちんと警備をする。

そういうことになりますと、例えば新潟の場合、今は朱鷺メッセのビルの中にロシアの、韓国の総領事館もみんな一緒に入って何ら問題ないわけですよね。そこを、なぜ5000坪の土地を領事活動のために必要なのか。

先ほどおっしゃった、必要な活動に対して支援するのは当然ですけれども、一体なぜそんな広大な土地が必要なのか。

地域住民に対する説明が行われたとおっしゃいましたけれども、地域の住民は大変な不安を持っています。反対運動も起こっています。そういう状況、現状をどういう具合に打破するお考えですか。

[091]
外務大臣 前原誠司
先ほど答弁をさせていただきましたように、この領事関係に関するウィーン条約というものは、手助けをするというのはありますが、領事機関のために必要な公館というのは領事機関の事務所のみということになっておりますし、また、そういった観点から、本当に必要以上のものについて入手をすることが妥当なのかどうなのかといったところも判断の材料に考慮されるべきであると思っております。

先ほど御答弁したとおりでございますが、この動きについてはしっかりと注目をしてまいりたいと考えております。

[092]
自由民主党 浜田和幸
是非お願いします。

さきに沖縄に中国が総領事館を申請したときにはきっぱりと、在日米軍基地との関係もあって拒否をしましたですね。そういう姿勢、必要だと思います。





平成23年02月24日 衆議院 予算委員会
[060]
自由民主党 下村博文
その上で、これは尖閣の問題ですけれども、このような、中国が昨年、2010年、海島保護法、そして2010年、やはり昨年ですが、国防動員法を制定しました。

この海島保護法の中で、尖閣は中国の領土だということを明確にしているわけですね。それから、2010年、昨年の国防動員法の中で、日本国内在住の65万人の中国人に対してもこの国防動員法は該当するということも言っている中で、我が国は、中国の対応に対してしっかりと尖閣領有の意思というのを明確にしながら、要らぬ国際紛争が今後とも生じる可能性というのはあるわけですから、その中で私有地の状態であり続けるということは、これは正しくないというふうに思います。

この状態についてどんなふうに考えていますか。

[061]
外務大臣 前原誠司
今、下村委員が御指摘をされました海島保護法でございます。これは2009年に採択をされておりますけれども、尖閣諸島への直接の言及があったわけではございませんけれども、一定の懸念がございましたので、これについては中国側にその懸念を伝えております。

それから国防動員法でありますけれども、これは中国の法律でございまして、在外の中国人への本件法律の適用に関する明示的な規定はないとは承知をしておりますけれども、他国の法律を解釈するということは我々としては差し控えさせていただきたいというふうに思っております。

ただ、問題意識については、私は下村委員と共有していることはお伝えしたいと思います。





平成23年03月08日 参議院 予算委員会
[287]
自由民主党 山谷えり子
続きまして、中国が去年の3月1日に法制定した海島保護法、また7月1日に制定しました国防動員法について説明してください。

[288]
外務副大臣 伴野豊
山谷先生にお答えさせていただきたいと思います。

まず、海島保護法につきましては、2009年に中国が採択したものでございまして、海島保護法ということでございますが、同法の主な目的といたしましては、海島の生態環境保護、国家海洋権益の維持、保護等を挙げているものでございます。

また、いま1つの中国の国防動員法でございますけれども、こちらにつきましては、これは条文をお読みする形でよろしゅうございますか。

[289]
自由民主党 山谷えり子
どうぞお好きに。

[290]
外務副大臣 伴野豊
そういうことであれば、中国の、一般論といたしまして今理解されていることといたしまして、中国におきまして何らかの有事が発生した場合に中華人民共和国の国籍を有する中華人民共和国の公民は国防役務を担当しなければならないことになっており、これを文理解釈上、この規定が在留邦人に適用されるかどうかは考えられておりません。



[295]
自由民主党 山谷えり子
国防動員法に関しましては、中国にある個人や組織の物資や施設の徴用をするという法律です。これには日系企業も含まれるのではないかというふうに言われています。先ほどの説明納得いきませんので、もう一回説明してください。

それから、中国にいる中国人あるいは日本に在住する中国人も含まれるということで、男性は18歳から60歳、女性は18歳から55歳まで徴兵できるという、これが国防動員法ですね。今の説明じゃ全然その辺分かりませんでした。

[296]
外務副大臣 伴野豊
改めまして山谷先生にお答えさせていただきたいと思います。

中国の法律でございますので、本来政府としてはその詳細についてその解釈も含めて回答を留保させていただきたいところでございますが、いずれにしましても、政府といたしましては、引き続き在留邦人の安全、日系企業の正常な活動の確保や財産の保護等のために万全を期す所存でございますし、また御指摘の国防動員法は、改めて申し上げますが、中国の法律ということでございまして、在外の中国人への本件法律の適用に関する明示的な規定はないものと承知しておりますが、同法律の個々の規定の解釈については、改めて、恐縮でございますが、政府としてお答えすることは差し控えさせていただければと思います。

[297]
自由民主党 山谷えり子
中国に進出している日本企業を守らなければなりません。であるならば、この解釈はどうなのと聞くのは日本としては当然じゃないですか。いかがですか。

[298]
外務副大臣 伴野豊
山谷委員にお答えします。

政府として照会はさせていただいております。

[299]
自由民主党 山谷えり子
その結果を教えてください。

[300]
外務副大臣 伴野豊
回答が参りましたら、しかるべき形でお答えをさせていただければと思っております。





平成23年03月30日 参議院 外交防衛委員会
[078]
自由民主党 浜田和幸
中国が今回の大震災、これは復興特需が期待できるということで、中国の労働者、これを日本に送り込む、そういう準備をすべきだと、これが中国共産党の機関紙人民日報等で報道されております。これは、ただ単に物を送り込むだけではなくて中国の人たちをどんどん日本に送り込もうという話で、前回のこの委員会でも北澤防衛大臣にお伺いしましたけれども、国家動員法との関連が大いに懸念されるところですけれども。

北澤防衛大臣、松本外務大臣にお伺いしますけれども、こういう中国から大量の震災の復興という名目で労働者、人を受け入れる、しかもノービザで受け入れる可能性、これがそのまま残るということになればこれは日本にとっても治安上様々な問題が発生すると思うんですが、このことについてはどういうお考えですか。

[079]
委員長 佐藤公治
これは委員、両大臣でよろしいんですか。

[080]
自由民主党 浜田和幸
はい。

[081]
外務大臣 松本剛明
ちょっとそこへ至るまでのかなり仮定と前提がたくさんあるので一概にはお答えできないことがたくさんあるわけであります。

まず第一に、政府としては、おっしゃったように復興についてもこれから考えていかなければいけない段階が来ているという見方もあるということは十分承知をしております。他方で、先ほど申し上げたように、引き続き避難をされている方々の対応ということにも万全を期さなければいけない中で、復興というお話をどういう形でどういうふうに皆様にお諮りをしていくかということを考えなければいけないと、こういうふうに考えております。

その上で、復興についても私どもとしては各国の支援というのは積極的に受け入れていこうと、このように考えておりますけれども、今お話がありましたように、実際にどういう形の復興で、なおかつ労働力の受入れ等につきまして、復興というフェーズで特別な扱いをしてどういうことがなされることになるのかということはまだまだ今後の課題だというふうに思っております。

ただ、様々な経済的な試算では、復興のニーズといったものも経済にプラスに寄与する部分もあるというような試算もあるということは承知をしておりますけれども、私ども政府としては、まずは日本の経済、そして日本の雇用というものを確保していくことが第一だというふうに考えておるということを申し上げたいと思います。

[082]
防衛大臣 北澤俊美
ただいま外務大臣が答弁されたとおりでありまして、私どもとすれば、今委員がおっしゃったような事態が現実に発生するのかどうかということは全く仮定のことでありまして、当面そのことについてお答えは差し控えさせていただきます。

[083]
自由民主党 浜田和幸
時間が参りましたのでこれで終わりますけれども、仮定の話といえども、現実にそういう周辺の国々の動き、あるいは今後日本にとって国益を損ないかねないようなそういう予兆、前兆も十分踏まえた上で、万が一に備えるという発想で是非この震災を乗り越えていただきたいと思いますし、一緒になって日本の国益を守るために力を合わせて進んでいきたいと思います。

以上で終わります。





平成23年05月17日 参議院 外交防衛委員会
[127]
自由民主党 浜田和幸
北澤防衛大臣に関連してお伺いしたいんですけれども、昨年の7月の1日に中国、国防動員法を施行いたしましたですね。それによりますと、有事の際には在外中国人が中国大使館の指揮下に入り、中国のために戦うということに読めるわけでございますけれども、万が一、日本と中国の間に将来有事が発生したような場合に、今回のような中国政府が手に入れた土地、これが国防動員法に基づいて、中国人が武装をしてここを拠点に様々な軍事活動、あるいは日本に対する騒乱、テロ、そういったことに関与する、そういう可能性もあるんではないかと思われますが、その中国が昨年施行した国防動員法と今回の土地取得についての関連性、そのことについて何か検討された経緯があるのかどうか、お聞かせください。

[128]
防衛大臣 北澤俊美
検討したことはありません。

[129]
自由民主党 浜田和幸
さきの外交防衛委員会でも北澤防衛大臣にお伺いしたんですけれども、中国が超限戦、あらゆる通常の戦略を超えたそういう軍事戦略を展開していることは御存じだと思いますけれども、この超限戦の一環として、こういう一般の文化施設とかあるいは外交施設を使って、まあ言ってみれば日本の国内で騒乱状況を起こす、そういう可能性、これについては何かお考えになったことはないでしょうか。

[130]
防衛大臣 北澤俊美
中国は巨大にして、また隣接した友好国でありますので、特段そのことについて中国が日本国土内で何か意図するようなことを前提に我々は考えてはおりません。

[131]
自由民主党 浜田和幸
例えば、今回のような土地取得を何らかの法令をもって制限しようと考えた場合に、ウィーン条約との関連で外交関係上の条約で認められないというような何か事情とか背景といったものはあるんでしょうか。

[132]
外務大臣 松本剛明
先ほどの繰り返しになりますけれども、北澤大臣からもお答えがありましたけれども、まず、そもそも今回の土地についてはまさに公館としての取得ということでありますから、公館として言わばそれにかなった利用が認められているというふうに私は理解をしております。

その上で、土地に対する規制というお話でございますし、先ほども中国において我が国が土地が取得できないと、こういうお話でありましたが、先ほど高橋副大臣からも回答させていただきましたように、我が国の政府のみが中国において土地が取得ができないわけではなくて、中国においてはどの国においても取得ができないわけであります。

その意味で、我が国においても、何ぴとも土地が取得できないという法制をもし我が国の法制で考えるということを先生が御検討であるとすれば、それは国内法令上ということからすれば整合性は、可能性があるのではないかというふうに思いますけれども、特定の国若しくは外国の使節団ということに限定をして何らかの規制を掛けるということが条約の趣旨に必ずしもかなっているというふうには考えにくいと思います。

[133]
自由民主党 浜田和幸
ですから、本来の目的以外にこの土地が利用される、あるいは、利用されているかどうかということを将来もし確認しようと思っても、どういう方法で確認できるんでしょうか。

治外法権の中にあって、日本政府が、あるいは警察が、この中国の新たに取得した土地あるいはそれ以外の中国政府が日本の国内で手に入れた土地の中でどういうような活動が行われているのか、それが本来の目的と違うかどうか、それをどういう形で確認できるとお考えですか。

[134]
外務副大臣 高橋千秋
先ほど治外法権というお話がございましたが、本来、東京にある土地でございますから、日本の法体系の中で規制を受けるわけでございます。実際はなかなかその中に入るということはできないということで治外法権的な感じになりますけれども、現在はいわゆる昔の治外法権とは違いまして、基本的には日本の国内法の規制を受けます。

ですから、当然外務省とすればその行動を注視をしていくということになりますけれども、本来、公館として使用するという目的で出ておりまして、事務所等に使う場合は事前の同意が要るということになっておりますので、それを我々とすればきっちりと注視をしていくということになると思います。

[135]
自由民主党 浜田和幸
是非その注視をしていただきたい。





平成23年06月06日 参議院 決算委員会
[132]
自由民主党 山谷えり子
そのほかに、昨年、中国は国防動員法というのを作りました。非常時の場合に中国政府と中国人民解放軍が民間の人的、物的資源を動員、徴用する法律でございます。範囲は、18歳から60歳までの中国人男性と18歳から55歳までの中国人女性に加えて、金融機関から交通機関、報道機関、インターネット、港湾施設、郵便、建設、医療、食糧、貿易などと幅広いわけですね。

日本にいる中国人、この国防動員法が適用される中国人男性は26万人、中国人女性で35万人いらっしゃるわけですね。この日本に住む中国人も民兵として動員、徴用の対象になるわけですし、それから中国国内で活動する日本企業や日本人も資産や技術提供の対象となると見られているということなんですね。

なるかならないかもちょっとよく分からない。ですから、私は2月に質問主意書を出しました。そうしましたら、政府はどう答えてきたか。政府として答えるのは控えたいと、これが閣議決定なんですよ。私、それ納得しませんでした。

それで、3月8日に、ちゃんと中国に照会してくださいと事前に言って、そのとき防衛副大臣が、中国に照会いたしましたが回答がありませんという答えだったんです、3月8日。もう今日6月ですね。あれから3か月たちました。その照会具合はどうなっていますでしょうか、枝野官房長官。

[133]
内閣官房長官・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 枝野幸男
外務省等にお尋ねをいただいた方がいいのかなというふうに思いますが、あえてお尋ねですからお答えを申し上げますが、いずれにしても、我が国におられる外国人の方も我が国の法律が優先されて、我が国の領土の中にある限りは適用されるのはこれは明々白々なことだというふうに考えておりまして、中国に限らず、他国の国内でその国の法律がどう適用されるのかということについては、一義的にはその国の国内問題であるというふうに思っております。

[134]
自由民主党 山谷えり子
それは枝野官房長官の希望的解釈だと思いますので、改めまして中国にきちんと解釈を求めていただきたいというふうに思っております。





平成23年06月16日 参議院 内閣委員会
[128]
自由民主党 山谷えり子
さて、中国の大使館が、東京都港区南麻布のKKR、国家公務員共済組合所有の土地、1700坪ぐらいですが、落札いたしました。

松本外務大臣は、ウィーン条約21条、公館開設のための便宜にのっとったものであると国会でも答弁をされているんですが、しかし、このウィーン条約11条では、接受国、日本は、職員数について合理的かつ正常と認める範囲内のものとすることを要求することができるというふうにされております。今の中国大使館は1万1000平米、東京に8か所、関係部署があります。今回で9か所目になります。

外務省に問い合わせましたが、中には面積不明とか、古くてよく分からないという非常にとんでもない回答が来ているんですね。ほかに、札幌総領事館、大阪総領事館、ここは教育部宿舎、別の場所に計3か所、福岡総領事館、長崎総領事館と、どこの国よりも大きくて数が多いんです。

これが合理的かつ正常な範囲なのか。ウィーン条約はそれはそれで分かりますけれども、合理的かつ正常と認めた日本政府の根拠を伺いたいと思います。

[129]
外務大臣政務官 徳永久志
今御指摘がありました外交関係に関するウィーン条約及び領事関係に関するウィーン条約による合理的かつ正常と認める範囲とは、使節団の職員数に関するものであるということでございます。そして、この際には、合理的かつ正常の規模というのはどのような形で認めていくのかということでございますけれども、現在の、例えば日中関係の重要性、さらには在日中国人の数であるとか、そういった面を総合的に勘案をして判断をされるところだというふうに思っております。

なお、現在の在京の大使館における外交官及びその他の職員の数等を比較していきますと、中国が極めて突出をしているという状況では必ずしもないというふうに認識をいたしております。

[130]
自由民主党 山谷えり子
大使館、公使館は固定資産税も掛かりません。KKRのこの土地も2000万円ぐらい固定資産税も入っていたわけですけれども、それが国はもう入らなくなるというわけですね。

それから、今、名古屋城のそばで中国が約2400坪ぐらい買いたいと言っていると。これは国家公務員宿舎の跡なので、国有地なので随意契約で決まってしまう。それから、新潟の中心市街地、小学校の跡地、ここにも4500坪ぐらい買いたいと言っていましたが、これ、人々の反対で今のところストップしておりますが、ほかに2か所また新潟の市内で土地を見付けて、これならどうだ、これならどうだというような形で言ってきております。

中国は、日本だけでなく多くの国々でこうした土地の買い方を行っているというふうにも言われておりまして、政府として、他の国はどのような方針でどう対処しているのか、お調べになっていらっしゃいますでしょうか。

[131]
外務大臣政務官 徳永久志
中国の他国における土地取得の状況につきましては、政府としてその全てを把握する立場にはございませんが、その動向については、それぞれ我が国の在外公館を通じて極めて慎重に注視をしていくというふうにしているところであります。

[132]
自由民主党 山谷えり子
アメリカなどは、相互主義を原則とする外交使節団法でそうしたことをそれぞれで判断するわけですね。日本の場合、そうした政府の判断基準というものが全く示されておりませんし、相互主義じゃありませんよね、日本は中国の土地を買えないわけですから、相互主義でもないと。

これは、一回、もう少し各国の対応を調べられて、そして、日本で今どのような土地が押さえられつつあるかということも調べられて御検討いただきたいと思いますが、いかがですか。

[133]
外務大臣政務官 徳永久志
相互主義の問題につきましては、外国政府が公館を開設することを容易にするための便宜を図る義務というものがこのウィーン条約で定められておるわけでありまして、我が国としては、それが接受国として負っている義務であるということでございます。したがいまして、相互主義を前提としたものではないというふうに理解をしているところであります。

いずれにいたしましても、この土地取得につきましては、先生の御指摘も踏まえまして、ウィーン条約の趣旨並びに我が国の国有地の処分方法の在り方を含めて総合的な検討が必要だというふうに考えております。

[134]
自由民主党 山谷えり子
もう少し真面目に検討しながら行っていただきたいと思います。中国は国防動員法というような法律も昨年作っておりまして、国民は非常に不安に思っているということを受け止めていただきたいと思います。





平成23年07月14日 衆議院 決算行政監視委員会
[013]
自由民主党 下村博文
先ほど、昨年の9月の24日の中国漁船船長の事件は偶発的ではないというふうに思っている理由として、中国が、以前の中国の政策と昨年とで明らかに大きな方向転換をしているんですね。

その中の1つとして、もともと、1992年に、中国は領海法によって、尖閣諸島を領土というふうに中国国内法によって一方的に法律で定めたわけでありますが、さらに昨年、海島保護法という法律を制定しました。

これは、無名の島を命名し、国家主権を主張する、また、海域の管轄を強化し、海洋権益を維持、保護する、そして、堅牢な海上防衛の前線を築く、この目的が海島保護法で、その中に尖閣諸島が該当している。これを法律によって、昨年3月、中国が定めました。

そして同時に、昨年の7月に、国防動員法というのもやはり中国は定めたわけですね。この中国の国防動員法は、政府が動員を決定すれば、対象者は国内だけでなく、海外に在住する中国人も対象になる。

ですから、日本国内に在住している約65万人の中国人も、この動員、徴用の対象になる。あるいは、中国国内で活動する外国企業、日本企業ですね、それから居留権を持つ外国人、日本人に対しても対象になる。

こういう法律を次から次へとつくって、そして、今中国は、ある意味では南沙諸島と同じレベルで、東シナ海に対して、あるいはその橋頭堡とも言える尖閣諸島に対して着々と準備を進めている、こういう状況なわけです。

ですから、それ以前の日本政府の対応と、それから現在における日本政府の対応というのは、当然、延長線上では済まないわけでありまして、先ほどの国家の基本要件の1つとして、やはり日本政府が、領土については明確に守るということをしていく、それは、相手の対応が変わってきているわけですから、それに合わせて日本政府はどうしていくかということが今求められているわけであります。

これは、菅政権がいつまで続くかどうかわかりませんけれども、しかし、これについてはしっかり対応してもらわないと、国家としての存在そのものが、これは国際社会から見てもなくなっているというふうに思われるようなことにならないようにしっかり対処していただきたいと思うんですね。





平成24年06月11日 衆議院 決算行政監視委員会
[013]
自由民主党 下村博文
その上で、まず山田参考人にお聞きしたいと思うんですが、先ほどから御指摘されていますように、中国の東シナ海進出、これは大きく変わってきた。特に2010年から方向転換をしたのではないかというふうに思っております。

もともと、1971年の12月に、尖閣諸島の領有権を中国は公式に表明いたしました。そしてその後、1992年に、中国は領海法によって尖閣諸島を領土というふうに、中国国内法によって一方的に法律で定めたわけでございます。

さらに、2010年、海島保護法という法律を制定しました。これは、無名の島を命名し、国家主権を主張する。また海域の管轄を強化し、海洋権益を維持、保護する。そして、堅牢な海上防衛の前線を築く。この目的が海島保護法でございまして、その中に尖閣諸島が入っているわけですね。

さらに、中国は、2010年7月に国防動員法という法律も定めたわけです。これは、中国国内だけでなく、海外に在住する中国人も、政府が動員を決定すれば対象となる。

ですから、日本国内に在住している約70万人の中国人もこの動員、徴用の対象になるし、あるいは、中国国内で活動する外国企業、日本企業、それから居留権を持つ外国人、日本人、これも対象になるということで、中国はこの2010年から大きな方向転換をしてきたということで、このときから尖閣についても核心的利益ということを表明するようになったわけです。

核心的利益というのは、その存在なしに国家の存立は成り立たないという位置づけの中で使われているわけでございますし、今までの中国の南シナ海の侵略、進出等を考えれば、当然、東シナ海についても遅かれ早かれということで、先ほど山田参考人はこの8月ぐらいという話がありました。

事実、昨年6月の17日にも、尖閣諸島周辺を中国漁船1000隻が取り囲む。そのうち何10人か何100人かが上陸をして、そして、その漁民の保護を目的として中国軍隊が上陸するのではないかということがありましたが、昨年は3・11、東日本大震災があったことによって、これは、池に落ちた犬に石を打つようなことを華人、中国人はしてはならないというみずからの表明で延びているわけでありますが、それがこの8月にも起きるかもしれない。こういう状況だというふうに先ほども言われたのではないかと思います。

この中国の海外進出というのは、東シナ海だけでなく、南シナ海等を含めて、着実な国家戦略として進められていることだというふうに思います。それに対して、我が国としてどんな対応をすべきか、今すぐ着手すべきものとしてあり得るかということについて、冒頭お聞きしたいと思います。

[072]
参考人(東海大学海洋学部教授) 山田吉彦
御指摘のように、2010年というのは、中国の海洋政策の、特に海洋進出の大きな転換期に入っていると思います。

1つには、この海島保護法の中に、これは、この執行主体は基本的には地方行政、そして必ず地方行政は地方の人民解放軍と調整の上計画をつくるということが定められております。その中で、人民解放軍は、地方行政組織を動かす形で、漁政あるいは海監という、警察機構に近い、表立っては非軍事組織をもって進出をしております。

ただし、漁政の多くは、人民解放軍からの出向組が操船をしております。海監に関しても、もともと国家海洋局は半分が軍人によって成り立ってできた組織でございます。そういう流れの中で、建前上は警察権を行使しながらやっている、動いているという中で、ただ、南シナ海においては漁政も武力を使うケースが見受けられます。そういう観点から、まずは一旦、警察権の強化、海上保安庁の強化に目を向けていただきまして、早々に海上保安庁法の改正、不審船舶の退出を求めること、そして離島を海上保安庁が守ること等、海上保安庁の強化、そしてまた、海上保安庁の能力に関しまして、離島の警備ができる体制、船の装備等あるいは航空機の装備等を検討していただきたいと思います。





平成26年02月14日 衆議院 予算委員会
[149]
日本維新の会 三宅博
次に、日本放送協会、NHKについてお伺いさせていただきたいと思います。

これは12月3日の総務委員会でも、私、NHKさんに聞いたんですね、外国人職員の国籍別人数をちょっと教えてくれと。ところがNHKは、把握していませんとふざけたような答弁をしたんです。

もう一度ここで聞きたいんですけれども、外国人職員の国籍別人数を報告していただきたい。

[150]
参考人(日本放送協会会長) 籾井勝人
お答えいたします。

外国籍の職員の全体に占める割合は0.2%程度でございます。人数的に言いますと22人でございます。

NHKでは、人物本位の採用により、公共放送を支える多様な人材を確保し、なおかつ確保しようとしております。そういう中に外国籍の職員もいるわけでございます。

国籍を理由とした差別的な取り扱いは職業安定法で禁止されておりますので、職員の募集時には国籍は不問としております。

[151]
日本維新の会 三宅博
外国人職員の数が22名というふうにおっしゃいましたけれども、それでは、もともと外国籍の人間が日本国籍を取得した、それは相当数いらっしゃるんじゃないかなというふうに思われて仕方がないんですね。その中には、ひょっとしたら中国の密命を帯びた工作員も一部いるんじゃないかなというふうに私は想像しているんですよ。

なぜ、外国人職員の国籍別人数ということをあなたにお伺いしているかというと、放送法の精神からいっているんですね。放送法の第93条、法人または団体の議決権割合とか、あるいは116条、外国人が取得した株式の取り扱い。これは、電波というのは公のものだから一部の国の影響下に入ってはならないということでこういう放送法が定められているんでしょう。外国人職員の数を聞いたのも、そういうことなんですよ。

そういった中に、一部、中国あるいはその他の国々の密命を帯びたような職員がいたらぐあいが悪いな。なぜか。中国は国防動員法というのをやっているでしょう。いざとなったら、中国国内に何かあったときに、それはもう国内外を問わず、中国人はみんな協力するんだ、中国共産党の指令に協力しなくてはならない、協力しなくては罰則があるというふうなことで、これは非常に危惧されるということで、こういうことを聞いているんですよ。

それは22名かは知らぬ、あるいは日本国籍を取得した者が何人ぐらいいらっしゃるか、これもわからないんですけれども、ごく少数の確信犯によって巨大組織というのは牛耳られていることはよくあることなんですよ。それを私自身は非常に危惧しています。でないと、あそこまで反日放送を次から次とできるかなというふうに思われて仕方がないんです。

ついこの間も、東京高裁判決、去年の秋にあったでしょう。「JAPANデビュー」という、台湾の問題をやった。あれはとんでもないということで名誉毀損が成立して、関係者に対して100万円の損害賠償請求が認められたでしょう。あのときも言ったけれども、私、過去4年間ずっと台湾を回って、特にその「JAPANデビュー」で描かれたパイワン族の方たちと会っているんですよ。彼ら、彼女らから、日本の統治に対して懐かしむ声は多くあっても、それを恨みに思うようなことを聞いたことがないんですね。

ところが、一部の反日的な思想の人間であろう、こういう確信犯の人間が、NHKの番組の制作あるいは編集の実権を握っているように思われて仕方がないんですな。このことは非常に、NHKは公共放送と言っているんですけれども、私は時々、聞いていて、これはほんまに公共放送かいな、中共放送かなと思うときもあるぐらいですよ、本当に。そんなことは絶対やっていただきたくないんですね。

この「JAPANデビュー」の第2回は御皇室のことを取り上げて、しかも、それは非常に失礼な角度からやった。あるいは、平成13年の1月に、女性国際戦犯法廷という、昭和天皇に対して極めて失礼な取り扱いをした番組を放映したり、過去、NHKのやってきた偏向報道の数々、その罪の深さは許しがたいものがあるというふうに私は思います。

[152]
総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革) 新藤義孝
まず、委員が御指摘をいただいている点でありますが、現行制度において、電波法第5条、NHKか民放かを問わず、役員に日本の国籍を有しない者が1人でもいるような法人または団体には、放送局の免許は与えません。外資規制を導入しております。

そういったことで、電波が有限希少な資源であること、そしてその利用は自国民の利益を優先する必要がある、その観点であります。また、放送は言論報道機関としての性格を有して社会的影響力が大きい、こういうことから設けられているわけであります。

一方で、役員については外国籍を排除しますが、職員については外国籍を排除する規定はありません。例えばNHKワールドTVですとか、国際放送についてはそういった外国籍の人材を活用しているものと聞いております。

そして、放送法において、これは不偏不党そして公安及び善良な風俗を害しないことと、さまざまな設定をいたしまして、その中で放送を担保しているということであります。





平成26年11月07日 衆議院 安全保障委員会
[062]
維新の党 三木圭恵
例えば、台風20号がこの間小笠原付近まで行って、漁船ですから、中国漁船であろうとも、外国漁船であろうとも、やはり人道的な問題からは、台風が来たら日本の島のどこかに寄港させたりとかということはあり得るわけですね。

今までも、例えば2012年の7月17日に、五島列島の方に、玉之浦港の方に中国の漁船が台風避難ということで100隻ほど寄港して避難をした、1週間ぐらい滞在をしたということで、106隻の中国船が五芒星旗を上げて玉之浦港にざあっとやはりなったんですね。それは自民党の方もよく御存じだと思うんですね。そのときの新聞記事を見ていると、何かの委員会のあれで自民党も視察に行かれていて、新藤委員のお名前も出ておられたので、自民党の方も問題意識というのはきっとあるんだと思うんですね。

中国というのは、御存じのように、国防動員法というものがあって、中国人というのは、いかなる場所にいようとも、中国政府が敵国とみなしたら、やはり中国として、中国人として戦わなければならないという法律もあるんですね。

ですから、今回も小笠原のところでそういった中国人の漁船が、これはどういう中身かわかりません、どういう中身かわかりませんけれども、台風を口実に避難をしてきて、その後急速に侵略をしていくというような事態というものも最悪の場合やはり考えておかなければいけないことだと思うんですね。それが切れ目のない、シームレスなグレーゾーンの対応だというふうに私は考えています。





平成27年08月26日 参議院 我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会
[027]
自由民主党 高橋克法
外務省にお伺いしますが、これまで衆議院も含んだ平和安全法制特別委員会において、我が国を取り巻く安全保障環境が目まぐるしく変化しているという観点からの質疑が数多く行われてきました。

例えば、中国による南シナ海における岩礁埋立てや東シナ海における一方的な構造物の構築が指摘されていますが、そもそも東シナ海は日中で共同開発することが取り決められていました。この合意を中国が一方的にほごにし、海洋プラットホームを急拡大しています。これが軍事転用されるとキューバ危機の再来にもなりかねないと国家基本問題研究所理事長の櫻井よしこ氏は警鐘を鳴らしています。

このような流れの中で、中国は2010年、平成22年になりますが、国防動員法という法律を制定、施行いたしました。この法律は、有事の際、国内外を問わず、中国国民の動員や戦略物資の徴用等、あらゆる分野を国の統制下に置くことを定めた法律であります。同法が発令されたとき、日本を含めた外資や合弁会社も適用対象になる可能性があることについて、国防動員委員会総合弁公室主任の白自興少将はそのことを否定しておりません。さらに、この法律の第9章、国防公務、第49条は、18歳から60歳までの男性公民及び18歳から55歳までの女性公民は国防公務を担わなければならないと明記しています。

現在、在日中国人の数は約65万人。これは平成26年12月現在でありますけれども、約65万人に上りますが、この法律の適用除外対象には含まれておらず、これらの在日中国人の方々も国防動員法は適用対象になると解釈することができます。

もちろん、いたずらにその方々に変なレッテルを貼るつもりは一切ございませんけれども、この強硬な法律は明らかに戦争を意識しているとしか私には思えないわけです。

この法律は、アジアのみならず世界にとっても非常に脅威となると考えておりますけれども、どのような狙いからこの法整備を図ったものと外務省は認識をされておりますでしょうか。

[028]
政府参考人(外務大臣官房参事官) 大菅岳史
御指摘の国防動員法でございますが、他国の法律でございますので、その個々の規定、その解釈、さらに法整備の意図について政府としてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、中国の国防政策全般の動向につきましては、この法律の具体的な運用の在り方を含め、しっかりと注視してまいりたいと考えます。

[029]
自由民主党 高橋克法
注視しているということは、この法律について我が国としてどのようにするかということはまだお決めになっていらっしゃらないということだと思いますが、注視をしている段階でも結構です、このような法律、我が国としてどのように対応していくべきだと考えておられますか。

[030]
政府参考人(外務大臣官房参事官) 大菅岳史
この法律の解釈につきましてお答えすることは差し控えさせていただきますが、その上で、御指摘のありました在日中国人への適用の可能性、御指摘ございましたが、この点について申し上げれば、委員御指摘のとおり適用除外の規定には在外中国人は含まれておりませんが、逆に、海外に居住する中国人にこの法律が適用されるという規定もないというふうに承知しております。

全くの一般論として申し上げれば、国際法上、一般に、ある国の領域において、その国の同意なく他国が公権力を行使することは許容されておりません。

我が国としては、法令に従い、我が国の法令に従い、国民の安全や財産の保護等に万全を期すということになります。

さらに、中国国内の日本を含めた外資、合弁会社への適用についても御指摘がございました。この点につきましては、政府としましては引き続き、在留邦人の安全、日本企業の正常な活動の確保、財産の保護、こういったことのために万全を期してまいる所存でございます。

[031]
自由民主党 高橋克法
このような法律が制定、施行されたということは、中国にある日本の企業、合弁会社、この企業活動の将来を考えたときに非常に危惧を抱くわけなんですけれども、具体的に、注視をしていくということでありますが、そのようなときに日本としてどのような対応を取っていくのかという具体的な御検討はされているんでしょうか。これは、質問、事前通告していないんですけれども、現時点の段階で結構です。

[032]
政府参考人(外務大臣官房参事官) 大菅岳史
お答え申し上げます。

この中国の国防動員法への対応ということに限らず、在外におります邦人の安全、日本企業の活動確保、これは重要な政府としての責務でございますので、そういった観点から可能な限りの措置をとっていくということでございます。

[033]
自由民主党 高橋克法
誤解ないように言っておきますけれども、決して、これは中国の国内法ですから、私たちがどうのこうの言えるものではないというのも分かっています。それから、国際法等もあります。

ただ、ただし、しかし、先ほど申し上げたように、この国防動員法の対象が、国外にいる中国の公民と言われている、中国公民に該当する方々にも適用されないという規定はどこにもないわけで、そういうことがある以上、これはいわゆる平和安全法制と同じですけれども、万が一のことを考えてしっかりとシミュレーションしておくということは大事だと思っているんです。決して、在日の中国人の方々に対して人権弾圧をしろとか、そういうことを申し上げているのではなくて、そういうことではないということだけは御理解をいただきたいと思っています。



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