二重国籍

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国籍法

第14条(※義務)
外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が20歳に達する以前であるときは22歳に達するまでに、その時が20歳に達した後であるときはその時から2年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。

2
日本の国籍の選択は、外国の国籍を離脱することによるほかは、戸籍法の定めるところにより、日本の国籍を選択し、かつ、外国の国籍を放棄する旨の宣言(以下「選択の宣言」という。)をすることによつてする。

第16条(※努力義務)
選択の宣言をした日本国民は、外国の国籍の離脱に努めなければならない。





平成28年09月28日 衆議院 本会議
[010]
日本維新の会 馬場伸幸
民進党の蓮舫新代表の件で国民の知るところとなった二重国籍の問題についても、政治家は、国益のため、国民のために、国籍法上の義務はもとより、しかるべき説明責任を果たすべきです。

現行法でも、二重国籍者は外交官にはなれません。日本と外国の2つの国籍を持った者が外交に携われば、我が国と当該国で利害対立があれば、国益が損なわれるおそれがあるからです。

これに対し、国会議員については、二重国籍者でも立候補できますし、外交交渉を行う閣僚や総理大臣に就任する可能性もあります。国会議員の国籍につき、外交官に係る制度と同様の趣旨で制限を設けることは、不自然ではありません。

こうした観点から、我が党は、まず、公職選挙法を改正して、被選挙権の国籍要件を明確にする、公職に係る二重国籍禁止法案を国会に提出いたしました。

そこで、安倍総理にお伺いいたします。

二重国籍者が外交官になれないのに対し、国会議員にはこの点に何の制約もない現状をいかが御認識でしょうか。二重国籍者について、国政選挙での被選挙権等に一定の制限を課すべきではないでしょうか。御認識をお伺いいたします。

[011]
内閣総理大臣 安倍晋三
二重国籍者の被選挙権についてお尋ねがありました。

二重国籍者は、御指摘のとおり、外交官になることはできません。外交交渉においては国益と国益がぶつかるからであります。

他方、現行の公職選挙法上、日本国民で年齢要件を備えている者は、法定の欠格事項に該当しなければ被選挙権を有することとされており、二重国籍者に関する規定は設けられておりません。

被選挙権の取り扱いについては、民主主義の土台である選挙制度の根幹にかかわる事柄であり、各党各会派において御議論いただくべき事柄であると考えております。





平成28年10月03日 衆議院 予算委員会
[308]
日本維新の会 下地幹郎
1つ目は、11番目の二重国籍の問題についてちょっと質問させていただきたいと思うんです。

外務大臣、外務大臣のところの外交を行う外交官は二重国籍が禁止されていますけれども、何で外交官は二重国籍が禁止されているんでしょうか。

[309]
外務大臣 岸田文雄
おっしゃるように、国家公務員の中で外務公務員、外交官は二重国籍が認められておりません。

やはり外交の現場において特に国益をかけて仕事をしなければいけない、こうした特殊性に鑑みてそういった措置が行われているものであると認識をいたします。

[310]
日本維新の会 下地幹郎
経済産業大臣、経済産業大臣の省には外交交渉というのはないんですか。

[311]
経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構) 世耕弘成
外交交渉ですか。経済産業省は、もちろん貿易交渉はあると思いますけれども、通商交渉はあると思いますが、いわゆる外交という交渉は経産省の所掌には入っていないと思います。

[312]
日本維新の会 下地幹郎
ちょっと私の表現が悪かったですけれども、通商交渉ですね。権益を持って、外国との交渉をするというのがあるわけなんです。

しかし、外務省だけなんですよね、今二重国籍が禁止されているのは。

総理は、今回で、1次、2次とかいって、もう7回内閣を改造していますけれども、この7回の中で、大臣を選ぶときには二重国籍についてチェックすることはありますか。

[313]
内閣総理大臣 安倍晋三
殊さら我々はチェックをしておりませんが、基本的に、我が党の議員は二重国籍ではないという認識に立っているわけでございます。

[314]
日本維新の会 下地幹郎
ちょっとこれを見ていただきたいんですけれども、二重国籍というのは、二重パスポートが持てるんですよね。

これは1つの例なんですけれども、この二重国籍の論議が大きくなってきたのは、民進党の代表選挙でこれは大きくなってきたんですけれども、我が党に対しても非常に多くの問い合わせがあったもので、我が党の考え方としては、二重国籍を持っている方は国会議員になれない、こういう法案を今回、11番目に出したということなんです。

日本から自分のパスポートで台湾に行きます。台湾に行った後、台湾からは日本のパスポートじゃなくて、そのまま北朝鮮に行くとか、そしてその後インドネシアに行くとか、そしてもう一回台湾に戻ってきて、台湾に戻ってきたら、そのまま日本のパスポートで日本に入るというようなことができると言われていますけれども、外務省領事局長が来ていると思いますけれども、これはできますよね。

[315]
政府参考人(外務省領事局長) 能化正樹
お答え申し上げます。

外務省といたしまして、日本旅券所持人の海外渡航履歴を逐一把握する立場にはございません。

ただ、一般論として申し上げれば、重国籍の方が日本とほかの国の旅券の2つを携行して、日本の出入国の際に日本旅券を使い、第三国との出入国に際し他国の旅券を使うという状況は想定し得るところであります。

[316]
日本維新の会 下地幹郎
きょうは法務省が来ていますけれども、法務省、2つのパスポートをつくって台湾から海外に行ったというようなことを、日本に帰ってくるとき、私が日本のパスポートだけだったらどこに行ってもわかってくるわけなんですけれども、二重パスポートを使った人は、日本に入るとき、どこを回ってきたか、別のパスポートを使ったか、全部わかりますか。

[317]
政府参考人(法務省入国管理局長) 井上宏
入管法上、日本国籍を有する二重国籍者は日本人として取り扱われますので、その出帰国に際して、入国管理局では日本旅券の有効性をチェックするなどして出国あるいは帰国の確認をしておりますが、その者が出国中にこれとは別の外国旅券を使って外国とその他の外国との間を移動したといたしましても、一般的にはそのような事実を把握することはできません。

[318]
日本維新の会 下地幹郎
総理、この二重国籍というのは、二重パスポートが持てるということで、先ほどからお話があるように、なかなか行動がチェックできないというのが大きな問題点なんですよ。

また、アメリカなんかではどうですか。アメリカの入管ではこういうことがチェックできるようになっていますか。

[319]
政府参考人(法務省入国管理局長) 井上宏
お答えいたします。

突然のお尋ねですので、アメリカの実情、つまびらかでございませんが、アメリカのパスポートを見ている限りにおいては、そう簡単に把握できないだろうと推測できます。

[320]
日本維新の会 下地幹郎
私は二重国籍でできることを今申し上げているんですけれども、2つ目にできることとなると、アメリカで二重国籍の日本の方がアメリカの選挙に出るときは、上院で9年間、下院で7年間、向こうで住まなければならないということになっているんです。カナダも市民権が必要でありますし、オーストラリアも市民権が必要なんです。

ただ、日本だけは、そういうことが全くルールがなくて、そのままできるというような、戸籍はもちろんですよ、これは二重国籍だから。これはこれだけでできるということになっていますから、そういう意味でも、私は、先ほど外務大臣が話をしたように、外交上のさまざまな情報とか、こういうふうなことを持てる方については二重国籍ではだめだというようなことをまず明確にしておきたいというふうに思っています。

もう1つ、次のパネルを見てもらいたいんです。

今、私どものところに多くの問い合わせが来るんですよ。この問い合わせの一番は、蓮舫さんに関することなんです。

選択宣言というのがありますけれども、私は日本人になりたいと選択宣言すると、戸籍にそれが、現に有する外国籍というところと、国籍の選択宣言をしましたかということがきちっと書かれるわけなんです。

書かれて、では次の、自分が持っているA国があるとしたならば、A国の外国籍は、これは努力義務なんですけれども、国籍を離脱しなさいと書いているんです。

この前の蓮舫さんの問題は、この選択宣言をしたけれども外国籍の離脱を、努力義務をやっていなかったというようなことでずっと、代表選挙の後に離脱をしたというようなことを今言っているんですよね。

しかし、今いろいろなところの問い合わせが来ると、蓮舫さんは、この選択宣言をやっていなかったんじゃないか。選択宣言をせずに、今回初めて外国籍の離脱をする。だから、外国籍の離脱を初めて今回するということは、戸籍にちゃんと国籍の選択宣言をしたというようなことが入っていないんじゃないかという疑惑が相当出てきているんです。(発言する者あり)だから、これは反論できないんですけれども。

ただ、私が申し上げたいのは、こういう問い合わせが数多く来ている以上は、このことをしっかりと証明する義務があるのではないかというふうに思っているんです。

私たちはなぜこういうことを言うかというと、オバマ大統領も、2008年の大統領選挙のときにも、出生証明書がないと言われたとき、みずからが、ハワイの保健所からこの証明書を出してちゃんと、しっかりと、自分はアメリカ国籍があるということ、出生地がアメリカであるということを証明しているわけなんです。

そういう意味でも、私どもはこの二重国籍の問題を非常に大きく考えておりまして、この法案を出すという選択肢は、やはり、二重国籍であって国会議員をやる、二重国籍であって、今回は出せませんでしたけれども、国家公務員をやるというようなものは、今回しっかりと法案を出して、できないというようなことを明確にしていくことが、この国の将来のためにも大事だというふうに思っている。

今回、蓮舫さんの件については、私が申し上げた、本人しかわかりませんから、戸籍をしっかり出して、私は選択宣言をしてきたというようなことは明確にされることが大事じゃないかなというふうに思うんです。

蓮舫さんの場合は、代表で、SPがついたり国の多くの人たちが彼女の周りで役割を果たしているわけですから、自分が言ってきたこと、選択宣言をしたけれども努力義務を怠っていたということであれば、それでよし。しかし、外国籍の離脱をしてこなかったというならば、これは大きな問題があると思っていますので、このことは党としても明確になされる方が、これから政権をとるという意味では大事なことではないかと思いますので、指摘をしておきたいというふうに思っております。



[346]
日本維新の会 足立康史
次に、これも国対からもうやるなと言われているんですが、下地政調会長がやられましたので、10秒だけ。

下地政調会長が先ほど指摘した国籍の選択、これは3階建ての建物の2階なんです。日本国籍の取得というのは3階建ての建物なんです。

1階は日本国籍の取得です。これは蓮舫代表は昭和60年の1月21日にされているようであります。

私、書類を拝見していませんが、今般、一番上の外国籍は離脱した、こうおっしゃっているんですね。まあ、ほんまかどうかわかりませんが。
それで、先ほど下地政調会長が指摘申し上げた真ん中です。実は真ん中をやっていなかったんじゃないかということです。

ポイントは、ここでお見せしたのは、黄色いところは努力義務です、赤いところは義務です。これは全然違います。

蓮舫代表のいろいろな記者会見とかを聞いて、私は努力してきたのよ、努力してきたからいいのよという感じでいつもおっしゃっているんだけれども、真ん中は義務規定ですから。

恐らく、17歳から、22歳までの選択義務を果たしていないとすれば、30年にわたって違法状態にあった。かつ、それは、先ほどもあったように、御自身の戸籍謄本を見ればわかります。あしたじゅうにわかります。ぜひ記者会見で、経緯の御説明、説明責任を果たしていただきますよう、改めてお願いをいたしておきたいと思います。

もしこの真ん中をやっていなかったらうそつきですからね、うそつき、うそつき。民進党さんは本会議場でうそつきを10回ぐらい言っていますから、3回ぐらいにとどめておきたいと思いますが。うそつきだけは、うそだけはついたらいかぬ、こう私は思っている次第であります。





平成28年10月04日 衆議院 総務委員会
[122]
日本維新の会 足立康史
きょう、自民党の小野田参議院議員が米国籍を抜き忘れていたということで報じられています。これは誤解があってはいけないので、僕はこれを結構勉強しましたので。

まず、国民一般は別にそんなに大して問題にしなくてもいいんですよ。でも、権力者はあかんだろうということで、我々は二重国籍禁止法案を出しています。

国籍というのは、日本国籍を取る、重国籍になったらその中で日本を選ぶ、それから外国籍を抜く、この3段階なんです。蓮舫代表のケースは、その2番目の、国民としての義務を30年以上にわたって果たしていなかったから僕らは批判をしているんですね。

でも、小野田参議院議員は、宣言、義務規定はちゃんとやっているんです。これは立派ですよ。参議院選出馬前に日本国内で米国籍を放棄すると宣言した。これで国籍法の義務は果たしているんです。ただ、抜いていなかったのでごめんなさいと。これは努力義務です。

蓮舫さんは義務違反。小野田参議院議員は単なる努力義務違反。全くあれが違うんです。

私は、実は、きょう時間があれば、政務三役の皆さんに、我々が提出している法案と同じように、国籍の履歴をこの場で御質問したい、こう思いましたが、時間がなくなりましたので、また次の機会にいたしたいと思います。

どうもありがとうございました。





平成28年10月05日 参議院 予算委員会
[569]
自由民主党 有村治子
私は、国籍法について質問を重ねさせていただきたいと考えます。

二重国籍は、国際結婚のお子さんではよくあることです。アメリカなど出生地主義の国で出産した日本人夫妻のお子さんにもよくあることです。その方々に対する価値観を述べるわけではないということを冒頭明確にして、これから質疑に入らせていただきます。

法務大臣に伺います。

日本は二重国籍など重国籍を認めていますか。

[570]
法務大臣 金田勝年
お答えさせていただきます。

我が国の国籍法は、重国籍の防止又は解消を図るという立場を取っております。

重国籍者については国籍の選択を義務付ける、これは国籍法第14条でございますが、義務付けるなどをしているところであります。

そして重国籍者は、重国籍となったときが20歳に達する以前であるときには22歳に達するまで、そのときが20歳に達した後であるときには2年以内にいずれかの国籍を選択する義務があります。

それにもかかわらず期限までに選択手続を行わない場合には、国籍選択義務に違反していることになります。

以上であります。

[571]
自由民主党 有村治子
では、続けて伺います。

重国籍を認めない法律の意図、その背景にある思想は何ですか。

[572]
法務大臣 金田勝年
お答えをいたします。

重国籍者は同時に2つ以上の国家に所属をすることになります。したがって、各国のその者に対する外交保護権の衝突といったようなケースによりまして国際的な摩擦が生ずるおそれがある場合、あるいはその者が所属する各国から課せられる義務が衝突するおそれがある場合、例えば兵役義務を一方の国で課すといったような場合であります。そうした場合、また、各国が重国籍者についてはそれぞれ自国民として身分関係を管理をする結果、重婚が生ずるおそれがあるといった、その身分関係に混乱が生じるおそれもあります。

そのために、我が国の国籍法は、国籍選択義務、国籍の選択の義務、これは国籍法第14条でございますが、これを始めとする重国籍の解消及び防止のための制度を設けているということであります。

[573]
自由民主党 有村治子
ありがとうございました。

この秋以降急激に関心が強まった二重国籍については、国民世論の中でも様々な意見が出ています。例えば、排外主義ではないか、排他主義ではないか、純血主義ではないか、差別ではないか、あるいは、ほかにも多くの二重国籍の人がいるんだからいいじゃないかというような意見も出ています。少し感情論ではないかなというふうに、これらのコメントには私は違和感を感じます。二重国籍、もとより二重国籍の相手国や出身地域への差別や偏見があってはならないのは当然の国際マナーであります。心ない感情的なヘイトスピーチも戒めたいものだと思います。

その上で、私が思うのですが、やはり国籍の異なる夫妻の子供が両親それぞれの言語や文化的教養を身に付けて、社会で多様性を発揮することはすばらしいことだと私自身は思っています。その存在価値に何ら水を差すそういう発言を一切しないと首尾一貫して、私はこの質問を続ける中で厳しい質問をしますが、そういう価値を明確にしながら質問を続けたいと思います。

そこで、法務省に伺います。

法務省に代表される日本政府は、重国籍の方が国籍法に抵触するか否かという法的コンプライアンスの視点で対応していると理解してよろしいですか。

[574]
法務大臣 金田勝年
お答えをいたします。

先ほど申し上げましたが、重国籍者である本人にとりましては、幾つかの例で申し上げましたが、具体的に問題が生じるというのは先ほど申し上げたとおりであります。

そういう中で私どもは、もちろん法務省としては、ただいま重国籍者を差別するものではなくという御指摘がございましたが、もちろんそういう立場に立ちまして、そして、ただいま述べた幾つかの理由によりまして、重国籍の防止又は解消を図る制度を設けております国籍法に従いまして適切に対応をしているというところであります。

[575]
自由民主党 有村治子
すなわち、重国籍に対してどう思うかというような価値観を問うものではなくて、国籍法に抵触するかどうかということが焦点になっているということを明確にしたいと思います。

続けて法務大臣に伺います。

重国籍を持っていた国民が、それゆえに困難な状況に置かれたということはあるのでしょうか。

[576]
法務大臣 金田勝年
お答えを申し上げますが、先ほど2つ目の質問でお答え申し上げたことの繰り返しにはなりますが、やはり重国籍であることによりまして困難が生じる場合があるというふうに承知をいたしております。

繰り返しになりますが、具体的に言いますと、重国籍者は同時に2つ以上の国家に所属することになりますから、例えば日本国民である重国籍者が他国の兵役の義務を負う可能性があります。その場合に、それぞれの国に対する義務が衝突するという事態が起こり得るということが考えられます。

そしてまた、重国籍者の身分関係についてでございますが、本国法として適用される法律の内容が複数あるということになりますので、例えば国際結婚等の有効性を判断する場合に、運用すべき本国法によって有効とされたり無効とされたりすることがあり得るわけであります。このため、身分関係に混乱が生じたり重国籍者本人が不安定な状況に置かれることがあるということも言えると思います。

したがって、以上のとおり、重国籍であることによって本人にとって様々な困難が生じ得るものと承知をしております。

[577]
自由民主党 有村治子
例えば、両国間で戦争が起こったとき、どっちの国家に忠誠を誓うのかということも問題になってきます。あるいは、重国籍の方からお話を聞きますと、どちらの国に行っても外国人じゃないかというようなレッテルを貼られるのはつらいという意見も聞いたことがあります。

次に、国家公務員の資格について伺います。

人事院規則は、国家公務員について、日本国籍を持つ者でなければ採用試験を受けられないとしています。数ある国家公務員の職務の中でもとりわけ外交官は、外務公務員法によって、日本国籍以外の国籍を同時に持つこと、重国籍であることが禁じられています。なぜこのような規制があるのでしょうか。外務大臣に伺います。

[578]
外務大臣 岸田文雄
外務公務員ですが、これは、勤務地が世界各地にわたるため、その際に不都合が生じないような特例が必要です。また、外務公務員の職務と責任は対外的、国際的であり、外国との関係で格段の注意を必要といたします。このような事情から、二重国籍者が外務公務員になれないことを国家公務員から切り分けて外務公務員法で特別に規定をしています。

不都合の例としましては、例えば外交官が赴任国の国籍を有する場合、赴任国において裁判権からの免除あるいは不可侵、こういったものに制約が生じる、そういった可能性もある、このように考えております。

[579]
自由民主党 有村治子
せんだっての衆議院予算委員会で岸田外務大臣は、なぜこのような措置がとられているのか、外務公務員法の重国籍禁じる措置があるのかという下地先生の質問に対して、特に国益を懸けて仕事をしなければならない特殊性に鑑み措置をしていると答弁をされています。

そのとおりだと思います。けれども、そのような特殊性に鑑み仕事をしている方々は外務省職員から大使に至るまでの方々だけだろうか。

外交官、指揮命令系統のトップに立つ外務大臣の二重国籍を禁じる法律は現在ありません。国益と国益が正面からぶつかり合い、激しい心理戦、情報・諜報戦、多数派工作が日常的に繰り広げられている外交のトップを成す外務大臣が果たして二重国籍であっても務まるのでしょうか。

また、二重国籍であっても外務大臣になれてしまう、なることができてしまうという現在の法制度についてどのようにお考えになりますか。

[580]
外務大臣 岸田文雄
御指摘のとおり、外務大臣はこの外務公務員法における外務公務員に当たりませんので、二重国籍を認めないという要件、適用されません。

今の日本の制度においては、外務大臣を含め国務大臣への就任については、まず当然に日本の国籍を必要とする、このように解されています。そして、その上で、外務大臣を始めとする国務大臣については内閣総理大臣が任命するということになっています。

よって、日本国籍を必要とするこの要件の上に、内閣総理大臣が適材適所の考え方から誰をどういった大臣に任命するのか、これを判断する、こういった制度になっていると認識をしております。

[581]
自由民主党 有村治子
お答えありがとうございます。

総理大臣が指名していれば外務大臣が二重国籍にはならないというわけには必ずしも論理的にはなりません。実際に、総理の過去の御答弁では、閣僚を選任されるとき、指名されるときに二重国籍かどうかということを特段チェックしていませんという総理のコメントがあります。

そんな中で、二重国籍の方が外務大臣にもなれてしまうというところに、国家機密を守るその特殊性に鑑みての法的な脆弱性はないのでしょうか。

[582]
委員長 山本一太
どなたに御質問ですか。

安倍総理大臣。

[583]
内閣総理大臣 安倍晋三
確かに、有村議員の御指摘は一理あると思います。

外務大臣あるいは副大臣、政務官も含めて、これは議員がなるわけであります。総理大臣もそうでございますが、外交交渉はまさに国益と国益がぶつかることになるわけでございます。そうしたことについて果たしてどうだろうかということになるわけでございますが、しかし、これは国会議員の資格でありますから、これはまさに政府で、これは大臣だからどうかということで考えるのか、言わばそれが大臣あるいは総理大臣に就任する国会議員としてどうかということもございます。国会議員ということであれば、これは院において、国会議員の身分に関わることでございますから国会において御議論をいただきたいと、こう思うわけでございます。

[584]
自由民主党 有村治子
外交は厳しいなと改めて思います。

二重国籍の日本人でなくても日本の外交官が狙われる厳しい現実がございます。今から12年前には、上海にあった日本の総領事館で中国と本国外務省との通信を担当する電信員が中国の情報機関の関係者と思われる方のターゲットになりました。恐らくは、その通信上の暗号解読の情報を狙われていたと思われます。この日本人の外交官は、国を売ることはできないと言って自らの口を封じるために自殺を図っています。

そのぐらい厳しい外交の現実で、やはり外交のトップに立つ方が二重国籍でないというのは国民に対する忠誠の誓いだと思われますが、外務大臣、いかがでしょうか。

[585]
外務大臣 岸田文雄
まず、制度につきましては先ほど説明をさせていただいた状況にある、日本の制度は先ほど説明させていただいたとおりであります。

そして、外交に関わる者の厳しさ、委員の御指摘のとおりだと思います。そのトップに立つこの外務大臣というもの、その厳しい、そして重たい責任をしっかり自覚して職務に取り組まなければならない、それは御指摘のとおりだと考えます

[586]
自由民主党 有村治子
時間になりましたので、これから残りはあしたの朝の9時からにしたいと思いますが、自衛隊・防衛省職員の二重国籍を禁じる法律も現在はないということを申し上げて、あしたの9時に残余の質問をさせていただきたいと思います。(拍手)





平成28年10月06日 参議院 予算委員会
[006]
自由民主党 有村治子
それでは、次に入っていきます。

現在、自衛隊・防衛省職員の二重国籍を禁じる法律はありません。

現在、政府が持たれる特定秘密、直近で480ありますけれども、その中で機密指定が最も多いのが防衛省でございます。暗号に関する特定秘密も防衛省が最も多い。潜水艦やあるいは航空機やレーダーの性能などについても防衛省については多くの情報機密、機密情報が集中していると考えます。

防衛大臣に伺います。国の守りを固めること、国民の生命と財産を守ることは国益の最たるものであり、民主主義国家においては国民に対する最も基本的な国の責務であると考えています。その最前線に立つ自衛隊・防衛省職員が、果たして日本以外の国籍を持っていてよろしいのでしょうか。

[007]
防衛大臣 稲田朋美
自衛隊員につきましては、外務公務員を除く他の国家公務員と同様、日本国籍を有する二重国籍者を排除する法律はありません。なお、防衛駐在官については外務公務員の身分となるため、外務公務員法に基づいて二重国籍の保有が禁止をされております。

今、有村委員がおっしゃった点、大変私も共通の認識を持っておりますが、二重国籍者については国籍法第14条第1項に基づいて一定期間内にいずれかの国籍を選択することになるというふうに認識をいたしておりますので、自衛隊員が法令に違反して二重国籍を保持し続けることがないよう周知徹底を図ってまいりたいと思っております。

なお、自衛隊員については、御指摘のように、多くの秘密を扱い得る職務に就くため、自衛隊員等の国籍の保有状況についても、外国の情報機関等による働きかけがないかを調査するための参考として調査することといたしております。

[008]
自由民主党 有村治子
現在の御説明をいただきました。自衛隊・防衛省職員の二重国籍を禁じる法律はないと私の方も明確に申し上げていますので、そのことの御説明というよりも、その現状をどうトップとしてお考えになられるのか、次にお伺いしていきたいと思います。

外交官には日本以外の国籍を持つことを禁じておきながら、大臣が御指摘のように、数々の防衛機密と向き合う自衛官は二重国籍を持っていいと、あるいは持ててしまうというのは、この質疑を視聴されている国民の皆様からも、随分偏った規制だなと感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。いみじくも防衛大臣がおっしゃったように、日本の自衛官も当然スパイ工作の対象になります。二重国籍でなくてもなります。

平成12年には、日本にあるロシア大使館の、御言及ありました駐日武官がスパイ工作をしていました。そして、その日ロの自衛官の交流の中で海上自衛官にターゲットを絞り、現金と引換えに秘密文書を持って帰ったということがあります。まさに、冷戦が終わって久しいプーチン政権になった後でもこの日本において日米の防衛機密に関して諜報が行われているという事件でございます。ボガチョンコフ事件でございます。

日本の外交官はこういうことがないというふうに思いますが、この例が示すとおり、ロシアの外交官は、表向き外交官あるいは駐在武官という顔をしながら実態は諜報部員だということがあります。そして、この諜報をしているということを日本が、警察が分かったときには、もう彼はロシアの外交官という表向きの肩書で悠々とロシアに帰っていたということがあります。

外交、防衛は表裏一体のはずであります。外交官に二重国籍を禁じる一方で自衛官には日本以外の国籍を持つことを禁止していないというこの規則の違いを教えていただきたい。この規則の合理的説明があるのであれば教えていただきたいと思います。

[009]
防衛大臣 稲田朋美
今御指摘になった海外に駐在をしている防衛の駐在官につきましては、外務公務員の身分となるので二重国籍の保有は禁止をされているところでございます。

その上で、自衛隊員に対して、二重国籍者が職員となることを禁止する外務公務員と同様、外国に駐在している人のみならず、今おっしゃるように秘密に接する機会もあるということでございますので、まず二重国籍の保有は一定期間内にいずれかの国籍を選択することになるということをしっかり認識し、さらには先ほども申し上げましたように、自衛隊員等の国籍の保有状況についてはしっかり調査をすることとはいたしております。

その上で、先生の御指摘の観点もございますので、そういった点、自衛隊員の職務の特殊性ですとか様々な観点からしっかりと判断をすべき問題であるというふうに思っております。その上で、自衛隊員に対しては、服務に関する義務を徹底をして、自衛隊の任務遂行に遺漏なきを期してまいりたいと思っております。

[010]
自由民主党 有村治子
稲田防衛大臣、ありがとうございました。

実は、平成21年の衆議院の法務委員会で、稲田代議士が法務委員として国籍法に関する質問をされたその議事録も全て読ませていただいた上でこの場に立たせていただいております。国籍法の取締りをもっとしっかり厳格にすべきじゃないか、催告をしてやるべきじゃないかと、かなり強い御主張で法務省を、政府をただしておられます。その意気の強さということを考えますと、そのような強い責任感、倫理観をお持ちの防衛大臣でございますから、本当に国家国民の安全を確保するための法制やあるいは自衛隊職務の在り方ということを真摯に向き合っていただいて検討をしていただけることを心から願います。

それでは、次に伺います。

皇宮警察官、警視庁のSPさん、また各都道府県に採用される警察官の二重国籍を禁じる法律はありません。

天皇皇后両陛下や皇族方、総理大臣などを護衛するのが二重国籍であってもよいのかどうか、本当に問題はないのかどうかをお伺いしていきたいと思います。

例えば、農林水産大臣のSPさんであれば、日本政府がTPPに関してどのような交渉姿勢で臨むのか。あるいは、防衛大臣のSPさんであれば、次期戦闘機やイージス艦に対して日本がどれだけの価格までは了承しようとしているのかという書類を目にすることがあるかもしれません。あるいは、環境大臣や外務大臣のSPさんであれば、地球温暖化防止に向けて、よっしゃ、パリ協定の閣議決定は11日になったぞということの車の中での会話を席の前にいる助手席のSPさんは聞くこともできます。警護官やSPさんは、口外してはならない情報、天皇皇后両陛下の非公式の御発言など、そういうことを把握していらっしゃいます。

この方々が外国籍を持てるという現在の法制度は適切だとお考えでしょうか。国家公安委員長にお伺いします。

[011]
国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・防災) 松本純
御指摘をいただいております重国籍者の件でございますが、都道府県の警察官に関し、日本国籍を有しない者は警察官になることができないというのは一連のこの流れのとおりでございますが、都道府県の警察官の任用について、この二重国籍者は除外されるものではないという位置付けにある中で、任命権者である警察本部長において、真に警察官としてふさわしい人材の任用を行っていただくということに尽きると、今の現段階では受け止めているところでございます。

[012]
自由民主党 有村治子
ありがとうございます。

続けて、国家公安委員長に伺います。

社会の転覆を謀ろうとする破壊組織、国際テロ組織、資金洗浄やあるいは麻薬取引などを行う国際犯罪組織などに向き合い、利害が複雑に絡み合う現場に身を置く公安警察官が日本以外の国籍も持てる現在の状況は果たして的確だとお考えでしょうか。

[013]
国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・防災) 松本純
重ねてのお答えになってしまいますが、今置かれている現状、状況の中におきまして、やはり任命権者として、警察本部長を始めとしてその立場にある方が真に警察官としてふさわしい人を任命をしていくということに今現在なっているということでございます。

[014]
自由民主党 有村治子
別の観点から伺います。

では、二重国籍の方でも警察行政のトップ、すなわち今、松本先生がいらっしゃる国家公安委員長になることができてしまうという現状は、日本の安全を守る上で果たして適切なのでしょうか。国家公安委員長の職責の重さ、職務内容に照らしてお答えいただきたいと存じます。

[015]
国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・防災) 松本純
国家公安委員会委員長につきましては国務大臣をもって充てることとされているところでございます。国務大臣につきましては法令上二重国籍者を除外する規定はありませんが、国務大臣の任命については任命権者である内閣総理大臣の適切な御判断により行われるものと考えているところでございます。

[016]
自由民主党 有村治子
総務大臣にお伺いします。

政治資金規正法は外国人からの寄附を禁止しています。なぜでしょうか。

[017]
総務大臣・内閣府特命担当大臣(マイナンバー制度) 高市早苗
政治資金規正法では、外国人、外国法人又はその主たる構成員が外国人又は外国法人である団体等から政治活動に関する寄附を受けてはならないこととされています。

その規定が設けられた趣旨は、日本の政治や選挙が外国の勢力から影響を受けるということを未然に防止する趣旨であると承知をいたしております。ただし、ここで言う外国人とは、日本国籍を有しない自然人をいいます。

[018]
自由民主党 有村治子
ありがとうございました。

まさに、外国人や外国勢力、外国の政府から日本の政治家が影響を受けることを未然に防ぐための政治資金規正法でございます。

かつて菅内閣のときに、前原外務大臣が外国人から25万円を受け取った責任を取って外務大臣を辞任されました。恐らくこの外国人というのは日本国籍を持っていなかったこと、総務大臣がおっしゃったとおりだと思います。そのときに、世論からは、25万円で外務大臣を辞めるなんてそんなにきついのかというふうな指摘もありましたけれども、厳しい法律でございます。まさに外国からの影響を受けているというのは、25万円であろうと1万円であろうとそれはいけないことであるというふうに厳格な法律が定められています。

官房長官にお伺いします。

この政治資金規正法によって、国会議員ばかりでなく地方議員、その候補者ですら外国からの影響を受けないように外国からの献金が禁じられています。閣僚の資産公開では、持家かどうか、株を1株でも持っていたらそれを申告しなければいけない、配偶者が車を持っているかどうかということを申告しなきゃいけないですけれども、国籍がどんな状況かということに関してはノーケアでございます。

恐らく、当然閣僚だから日本国籍だけだろうという、そういう前提が暗にあるのでしょうけれども、経済的な財産についてはこれだけの公表を強いられ、そして政治資金規正法で厳しく縛られているのに、国籍に関してはノーケア。

そういう中で、権力に最も近い内閣総理大臣補佐官が二重国籍を持っている人でもなれるんでしょうか。

[019]
内閣官房長官 菅義偉
委員御存じのように、内閣総理大臣補佐官というのは総理が任命をするわけであります。指名するに当たって、この二重国籍を除外する規定はございません。

[020]
自由民主党 有村治子
ありがとうございます。

そうですね。総理大臣補佐官も二重国籍を除外する規定がないというのが現在の状況でございます。

総理補佐官は、24時間厳重に警備がなされる官邸に自分の部屋を持ち、総理の執務室に自由にアクセスができます。総理が何省の誰からの情報を最も信用されているのか、総理官邸の構造がどうなっているのか、いかなるオペレーションルームがあるのか、そこにどんな設備や機能があって、何が技術的にできるのかできないのか、総理の健康状態まで機微に触れる情報に日々接することになります。外国の政府から提供された最高機密の情報など、特定秘密が集中するのも官邸だと思っています。

一国の総理を最も近くで補佐する人が外国籍を持ったままで執務できる状態である現状は、情報漏えいの懸念、国家の安全保障上問題はないのでしょうか。

かつて二重国籍の方が総理補佐官になっておられた時代がありました。重大な事案が生じたことがなかったことは日本にとって幸いなことであったと思います。でも、これはあくまで結論であって、まさに官房長官がおっしゃっていただいたように、二重国籍の人が総理大臣補佐官になってはいけないという規制はありません。

官房長官、本当に情報漏えいの懸念、国家安全保障上の問題はないのでしょうか。

[021]
内閣官房長官 菅義偉
先ほど申し上げましたけれども、内閣総理大臣補佐官は総理がこれは任命するものであります。そして、当然、御指摘のような機密の保持や国家安全保障、そうしたことにも近いというふうに思っております。ですから、その時々の内閣総理大臣が、補佐官にふさわしい、そうした者を総理大臣が適材適所でこれは任命をするということになります。

[022]
自由民主党 有村治子
総理、今までの質疑、答弁をお聞きになってどのようにお感じになられますでしょうか。すなわち、外交官は二重国籍を禁じられる一方、外務大臣は二重国籍を持ててしまう。日本の安全保障上極めて重要な自衛官や防衛大臣も二重国籍を持ててしまう。天皇陛下、皇族方、総理大臣や国務大臣を警護する警察官も二重国籍を持ててしまう。更に申し上げれば、内閣総理大臣や国務大臣、総理大臣補佐官も二重国籍を持ててしまうという現在の法体制であります。

外国の情報機関、スパイなどの諜報機関が暗躍する中、まず彼らが狙ってくる典型的なターゲットの1つが重国籍の方々という可能性があります。この状況は、日本の安全保障上万全の体制であると言えるのでしょうか。

[023]
内閣総理大臣 安倍晋三
確かに委員御指摘のように、委員が例示として挙げられた役職に就いている方々については、確かに国家の機密あるいは交渉等に関わる人々であります。

その観点から、適切な人物を選んでいくということが当然求められているわけでありますし、我々もそのように運営してきたわけでありますが、しかし、そのように運営されない可能性も排除されないわけでございますので、我々もまずしっかりとこれ研究していきたいと、このように思います。

[024]
自由民主党 有村治子
総理も閣僚を選ぶときに二重国籍かどうかを特段チェックしていないというふうにおっしゃいました。恐らくは野田政権のときもそうだったんだと思います。

そういう意味では、報道でまことしやかに言われる身体検査、身辺検査というときに、やはりその方の国籍ということを、日本国以外の国籍があるのかどうかということを、その人のプライバシーを尊重しながらもしっかりと検査をしていただくというのは、国民に対する国家公務員、特別国家公務員としての忠誠を誓う証左ではありませんか。

[025]
内閣総理大臣 安倍晋三
基本的には、国会議員になっている方々については、国籍法上の、努力義務ではありますが、その義務を果たすべくしっかりと対応していただくことが求められるわけでございます。

と同時に、この任命する上において、さらに今、有村委員が御指摘のように、大臣あるいは補佐官等に任命する際には、当該の御本人がしっかりとそれを証明していただくことも大切だろうと思います。書面をもって、国籍、戸籍等において書類をもって証明をしていただくことも必要かもしれないと、このように思います。

[026]
自由民主党 有村治子
現在の法整備が不足なかりしかという視点でなかなかに厳しい質問をさせていただきました。言葉を選んで御答弁をいただいた閣僚の皆様に敬意と感謝を申し上げます。





平成28年10月11日 参議院 予算委員会
[183]
日本のこころを大切にする党 和田政宗
次に、二重国籍についてお聞きをします。

昭和59年の国籍法改正によって、所定の要件を満たす者は法務大臣に届け出ることによって日本国籍を取得できる制度が新設されました。しかし、気を付けなくてはならないのは、この手続では日本国籍を取得しただけにすぎず、二重国籍状態が発生します。

国籍法によれば、20歳に達する以前に重国籍、すなわち二重国籍となった場合は22歳に達するまでに国籍選択を、20歳に達した後に重国籍となった場合には重国籍となったときから2年以内に国籍選択をする必要があります。

この国籍の選択をする必要があるのはどういった理由からなのか、法務大臣、御答弁願います。

[184]
法務大臣 金田勝年
お答えをいたします。

重国籍者は同時に2以上の国家に所属することから、各国のその者に対する外交保護権の衝突等によって国際的摩擦が生ずるおそれがある場合、あるいはその者が所属する各国から課せられる義務や求められる対応が衝突するおそれがある場合などがあります。極めて高度な国益に関する判断をする者についてはなおさらとも考えられます。さらに、各国が重国籍者についてはそれぞれ自国民として身分関係を管理をする結果、重婚が生ずるおそれがあるといった、その身分関係に混乱が生じるおそれもあります。

そのために、我が国の国籍法は、重国籍の解消のために国籍選択制度を設けているところであります。

[185]
日本のこころを大切にする党 和田政宗
御答弁のとおり、外交保護権が衝突することなどにより国際的摩擦が生じるおそれがある、すなわち、二重国籍であった場合にどちらの国に属しているのか定かでないということでもめる可能性があるということです。

例えば国会議員になろうとする者はこうしたことに気を付けなくてはならないわけです。二重国籍となった方の中には、うっかり手続を忘れていた、法律についてよく知らなかった、これは本来まずいわけですけれども、そういった方はいるというふうに思います。しかしながら、国会議員に立候補する場合には、外交上の問題も生じるかもしれない、日本国や国民のために働くのだから、念のため、二重国籍が解消されているのか、国籍選択をしているのか確認をするというふうに思います。

国会議員の立候補届出時には戸籍も提出するわけですけれども、日本国籍の選択を行った場合に戸籍に明記されると認識しておりますが、それでよろしいでしょうか。

[186]
政府参考人(法務省民事局長) 小川秀樹
お答えいたします。

国籍法上、日本の国籍を選択する方法といたしましては、外国の国籍を離脱する方法と、日本の国籍を選択し、かつ外国の国籍を放棄する旨の宣言をする方法がございます。

外国の国籍を離脱し、外国国籍喪失届がされた場合には、戸籍に外国国籍喪失の届出がされた旨などが記載されることになります。

また、日本の国籍を選択し、国籍選択届がされた場合には、戸籍に国籍選択の届出がされた旨などが記載されることになります。

[187]
委員長 山本一太
時間が来ていますので、簡潔にまとめてください。

[188]
政府参考人(法務省民事局長) 小川秀樹
以上でございます。

[189]
委員長 山本一太
時間ですので、簡潔にお願いします。

[190]
日本のこころを大切にする党 和田政宗
はい。

国籍選択については、戸籍の該当部分を公開すれば容易に結論が得られるわけだということが分かりました。





平成28年10月13日 参議院 予算委員会
[056]
自由民主党 三原じゅん子
次に、二重国籍について改めて取り上げたいと思います。

何が本当に問題なのか、まだ国民の皆様は御理解いただけていないのではないかと思っております。我が党の議員と民進党の蓮舫代表との間には根本的に大きな違いがあると思いますが、いかがでしょうか。今日はそのことを国民の皆様の前で分かりやすく議論をしていきたいと思います。先般、衆議院でもこの問題取り上げました。極めて分かりやすかったと思っております。

二重国籍の問題に関し、国籍法14条国籍法16条という2つの重要な条文があります。

二重国籍の場合に、国籍法第14条は1項で、外国の国籍を有する日本国民は、22歳に達するまで又は二重国籍となったときから2年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならないと規定し、2項では、日本の国籍の選択は、日本の国籍を選択し、かつ、外国の国籍を放棄する旨の宣言をすることによってすると規定しています。

そこで、法務大臣にお伺いします。国籍選択届を行うことが、外国籍を放棄し、日本の国籍を選択する手続であると理解してよろしいでしょうか。

[057]
法務大臣 金田勝年
お答えいたします。

ただいまの三原委員の御指摘のとおり、国籍選択届を行うことは、国籍法第14条第2項における外国籍を放棄をし、日本の国籍を選択する手続に当たるものであります。

[058]
自由民主党 三原じゅん子
国籍法第16条に規定する外国の国籍の離脱は努力義務であると理解しています。つまり、国籍法第14条が必ずやらなければいけないのに対して、16条は外国の国籍の離脱に努めなければならない努力義務規定にすぎず、できるだけやるように努力しなさいということなんですね。

したがって、仮に外国での手続を行っていなくても、先ほどから申し上げている第14条に基づく国籍選択届を日本の市役所や区役所で行いさえすれば、その段階で外国籍を放棄し、日本国籍を選択するという意思が明確に表明されたものと言えると思いますが、そういう理解でよろしいですね。

[059]
法務大臣 金田勝年
お答えをいたします。

ただいまの三原委員の御指摘のとおり、日本の役所に国籍選択届を出すことは、国籍法上、外国籍を放棄し、日本国籍を選択したことの意思を明確に表明したことになるということであります。

[060]
自由民主党 三原じゅん子
我が党の小野田議員は、確かに時期は遅れたんですけれども、第24回参議院通常選挙に立候補する前に、立候補する前に14条の義務手続を既に済ませておりました。このことは本人が戸籍謄本を公開して国民の皆様の前に明らかにいたしました。

一方、蓮舫代表はいまだに、国籍法第14条の義務を果たしたか、いつの時点で日本国籍を選択したのかを明らかにしておりません。安倍総理、この事実をどう思われますでしょうか。

蓮舫さんは野党第一党の党首であります。過去の手続ミスは手続ミスで仕方ない。しかし、蓮舫代表の問題は、自身の説明が二転三転したことから国民に不信感を持たれたということなのではないでしょうか。かつて蓮舫代表は閣僚や内閣総理大臣補佐官まで歴任されました。少なくとも、こうした役職に就く前に国籍法14条の国籍選択の宣言を行ったのか、明らかにされていないとしたら、私、これ大問題だと思います。

蓮舫代表は当初、台湾籍を抜いたとおっしゃっておりましたが、9月13日の朝、急遽記者団を集めて、台湾籍が残っていたと発表し、以前の発言が間違いだと認めました。ただ、その際、蓮舫代表は、違法性はないと言い切られたんです。しかし、その時点で14条の国籍選択の宣言が行われていなければ明らかに国籍法に反しています。これは政治の信頼に関わる極めて深刻な問題です。

先週、蓮舫代表は、戸籍は極めて個人的な話だと言い訳して説明を避けたそうでありますが、国民の信頼を取り戻す方法はただ一つだと思います。政治家として戸籍謄本を示し説明責任を果たすこと、これしかないと思っております。

蓮舫代表が法律を守る政治家としてのありようを問われる大きな問題であると思いますが、総理の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

[061]
内閣総理大臣 安倍晋三
三原委員が御指摘になったように、まさに我々国会議員は国民の負託を受けているわけでありまして、我々政治家は、これは内閣、与党、野党にかかわらず、自らの言動等について国民に疑念を持たれぬよう常に襟を正していかなければならないことは当然のことであろうと、こう承知をしております。

御指摘の問題についても、我が党の小野田議員は、戸籍謄本を示して選択という義務を果たしたことを証明されたわけであります。国会議員として国民にまさに自らのこの問題に対する対処を明確にされたんだろうと、こう思うわけでございますので、蓮舫議員御自身の責任においては、国民に対して小野田議員が自ら証明をされたように努力を払わなければならないものと、このように私は考えております。

[062]
自由民主党 三原じゅん子
ありがとうございます。

政治家の二重国籍問題というのは、法律の条文上の問題というのももちろんいろいろあると思いますけれども、国政を預かる国会議員として、日本に対して愛着を持っているのか、また国益というものに真摯に向き合えるのか、そこに疑念を持たれるようでは私は話にはならないと思います。日本人としてのアイデンティティーを語れる、このことはとても大切なことだと思っております。これを語れないというのは問題だということを、この際改めて指摘をさせていただきたいと思います。



[246]
日本維新の会 室井邦彦
続きましての質問でございますが、先日も、公職に係る二重国籍禁止法案、これについて我が党の、10月3日の衆議院予算委員会におきまして下地政調会長からこのような質問をさせていただきました。大臣を選ぶときには二重国籍についてチェックすることはあるのかとの質問に対し安倍総理は、殊更我々はチェックをしておりませんが、我が党の議員は二重国籍ではないという認識に立っておりますと答弁をされました。しかし、翌4日、自民党議員から二重国籍を有することが明らかとなり、5日の新聞に報道をされたということがございました。

我々は前向きに、この日本維新の会、公職選挙法を改正する公職に係る、先ほど申し上げました二重国籍禁止法案をこの9月27日に国会に提出をさせていただいているところであります。外国籍を有する日本国民は国会議員の被選挙権を有しないという要件に改めることによって二重国籍の問題を解決することができる内容であります。二重国籍かどうかチェックする必要がなくなるわけであります。

この質問につきまして、我が党のこの法案について、総理、どのように感じておられるか、御所見をお聞かせください。

[247]
内閣総理大臣 安倍晋三
午前中に三原議員との質疑もあったわけでございますが、我が党の議員につきましては、言わば義務であるこの国籍の選択については、選挙、国会議員の選挙に出る前にこの義務は果たしていたということでございました。ただ、米国との関係の手続がまだ残っていたということでございました。これは、自主的に戸籍謄本を示しながら、示しながら、しっかりと宣言をしたという証拠を示しながら説明責任が果たされたと、このように私は理解をしているところでございますが、そして、二重国籍者のこの国会議員としての立候補要件等につきましては、これは国会議員の身分に関わることでございますので、各党各会派において御議論をいただきたいと、このように思います。





平成28年10月26日 衆議院 外務委員会
[182]
日本維新の会 足立康史
まず、民進党の蓮舫代表のことでありまして、岸田大臣におかれましてはゆったりと聞いておいていただけたら。最後にちょっと伺うかもしれませんので、よく聞いておいていただきたいんですが。

蓮舫代表の話は、私、もう予算委員会で1回やりましたので、蓮舫代表の国籍の問題については、大体事実関係はほぼ、多分こうだなというところまでは来ました。それは、実は私から見れば、大分前から大体こうだろうなと思っていたとおりの展開でありまして、いろいろな、10月3日の予算委員会でも指摘をしたところでございますが、きょうは外務委員会ということですので、パスポートの件とか旅券、こうしたこともありますので、この場を少しおかりして質疑をさせていただきたいと思います。

きょうは法務省にもおいでをいただいています。

10月の18日、法務大臣に対して、記者会見で記者から、民進党の蓮舫代表についてということで、10月7日に日本国籍の選択宣言をしたということを御本人がおっしゃったことについて質問があって、個別の話はなかなか答えられないがと言いつつ、大臣から、仮に国籍の選択の宣言を10月7日にしたとしても、それまでの間の30年近く違法な状態であった、国籍法上の義務に違反していたという記者会見のあれがありました。

改めて、そういうケース、蓮舫代表のケースについて御答弁いただくことはできないと思いますが、このときに法務大臣が御答弁された内容と同じでも結構ですから、改めて法務省から御紹介をいただきたいと思います。

[183]
政府参考人(法務省大臣官房審議官) 金子修
お答えいたします。

個別具体的な事案についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

一般論で申し上げますと、台湾出身の重国籍者につきましては、法律の定める期限までに日本国籍の選択の宣言をし、従前の外国国籍の離脱に努めなければならず、期限後にこれらの義務を履行したとしても、それまでの間はこれらの国籍法上の義務に違反したことになるということになります。

[184]
日本維新の会 足立康史
本当は逆だと思うんだけれども、詳しくは10月18日の法務大臣の記者会見を改めてごらんいただければと思いますが、違法であった。

御本人は、我々国会議員、我々は国権の最高機関のメンバーでありますので、同僚各位がしっかりと、討論というか一緒に国益をめぐって議論できる、そういう同僚であることをやはり確保したいのは当然のことであると思いますが。

蓮舫代表は、10月の7日に日本国籍の選択宣言をしたとおっしゃっているそうでありますが、私、自民党の小野田参議院議員と同じように、戸籍謄本の該当部分の写しをなぜ公表されないのか、全くわからないんですよ。したらいいと思うんですね。したら、民進党の支持率が上がると思いますよ、もうちょっとは。ちょっとかもしれませんけれども。

法務省、蓮舫代表の戸籍謄本、プライベートな部分が多いのはわかっているんですけれども、僕らが、私たちがこれを拝見する方法はやはりないということだと思いますが、ないですよね、一応確認。

[185]
政府参考人(法務省大臣官房審議官) 金子修
極めて個人的なお話ですので、御本人が判断されるべきものというふうに考えております。

[186]
日本維新の会 足立康史
今の御答弁のように、今の日本の法体系のもとでは、我々、大事な同僚なんだけれども、蓮舫代表に、戸籍謄本の該当部分だけでいいんですよ、なぜ戸籍謄本の該当部分の写しを公開できないんですかと実は質問したいんですね、私は。

日本維新の会は、今、自由討議をやりましょうという議員立法をつくっているんです。要は、国会が、単に岸田大臣を初めとする外務省、政府に対して国会議員が質問する場、これが今、国会になっているわけですが、本来、国権の最高機関ですから、政府をチェックすることだけではなくて、例えば、東京一極集中をどう解消するか、国会等の移転、これは国会でやっていました。政府は関係ないんです。国会でやっていたんですよ。だから、本当に、国の形、国のあり方に係る議論は国会が、政府は関係ないんですよ、行政府はおいておいて、国権の最高機関たる国会だけでいいんですよ。政府がないと国会がないんですか。違うんです。政府がいなくても、国会議員だけで議論せなあかんのです。

だから、私はしっかりと、国権の最高機関のメンバーである蓮舫代表、それだけでも大変なことだと思うが、それに加えて野党第一党の代表ですよ。解散・総選挙で、まかり間違ったら、大体そういうことはないんだという方がどうも多いそうですが、民進党が政権交代を果たしてしまったら、総理大臣になっちゃうわけですね。

外務大臣、きょう、外務大臣に通告していないので、質問、ちょっとしたいんですけれども、余りしませんが、外務大臣はおわかりいただけると思うんです、僕らの気持ちが、私たちの気持ちが。

だって、外務省は、きょう、外務省の方がいっぱい来られていると思う、当たり前ですね、外務省に質問しているんだから。みんな、入省するときにぎりぎりやられているんですよ。

例えば、ブラジルとの二重国籍の方がいらっしゃったんですよ、入省予定者の中に。そうしたら、ブラジルというのはなかなか国籍離脱させてくれないんです。でも、国籍法14条だけじゃなくて16条も満たしたいということで、外務省の入省を取り仕切るところは、一生懸命、何とか入省日までに外してくれということで、ブラジルまで往復して、大統領のそばまで、何とか決裁をもらって、ブラジルの国籍を外して入省された方がいらっしゃるんですよ、事実として。

外務省というのはそうやってやってきている。それをつかさどっている、それをリードされているのが外務大臣。そして、内閣を指揮されているのが安倍総理です。だからこそ、我々は2つの法案を出しているんです。

1つは、二重国籍禁止法案という法案です。これは、別に、国民一般の方について何か今以上の御苦労をおかけするつもりは、全く、毛頭ありません。きょうここにおられるような、国権にかかわる仕事をされている方々については外務公務員ぐらいの形はやはりとってもらわないといけないということで、国会議員についての二重国籍禁止法案。それから、公務員についても、国家の大きな方針を決める、その国益に係る業務にかかわる方々、防衛省もそうかもしれません、外務省のみならず防衛省、あるいは、TPP交渉にかかわる経産省、農水省、自衛隊。でも、今はその法律が不備だからそれを直しましょうということで、政治家にかかわる公職選挙法改正案と国家公務員法改正案のちょっとプログラム法みたいなものを出しています。

それは、まあ通らないんでしょう、多分。余りみんな相手にされていませんからね。自民党も大人ですから、なかなか急にそういうことはやりません。

ただ、皆さんにわかっていただきたいことは、まさにこの外務委員会だからこそ、我々の気持ちを、我々日本維新の会の思いを皆さんは共有していただける、こう思ってお話をしているわけであります。

加えて、例えば蓮舫代表については、単に国会議員じゃないんです、総選挙一発で総理大臣になるかもしれないんですよ。それはいかぬだろうということで、蓮舫代表には、衆議院の予算委員会の場で、戸籍謄本をやはり開示した方がいいんじゃないですか、該当部分だけでいい、1行でいいですよ、そう促しているんですが、開示をされない。今法務省からあったように、それを開示させる方法はありません。

仕方ないから、我々がもう1本法律を出しているんです。自由討議云々法案というんです、もう忘れましたけれども、自分で出した法案ですけれども。

要すれば、国会は、政府をチェックするという仕事は国会が果たすべき仕事の3割ぐらいはそうかもしれない、でも、あとの2割は野党第一党をチェックした方がいいんですよ、いつ政権をとるかもしれないんだから。だから、私は、それぞれの委員会の委員長がお許しくださる範囲内で、いつも、こっちを向かずに、こっちを向いてやっているんですね、質問を。

反論権がないからとか言うんですけれども、だから、僕らは、反論できるように、自由討議を促進する法案というのを出しているんです。誰も相手にしてくれません。

でも、そうやってやっていかないと、日本の国益は、このまま民進党のよくわからないプラカードにひっかき回されて、外務、防衛等、あるいは社会保障もそうです、この国は立ち行かなくなるぞという危機感から今申し上げた合計3本の法律を出していますが、ぜひまた御一読をいただきたいと思います。

すぐこうやって演説をしちゃうのでよく怒られるんですが、外務委員会で特に議論すべきことは旅券です。

これは、我が党の下地政調会長が予算委員会でやりました。これは、一部在野というか一部言論人というか、ジャーナリストとかよくわからないような人たちが、蓮舫氏を早く検挙しろと言う人がいるんですね。それは何か公職選挙法違反だろうとか旅券法違反だろうとか、僕は、もうちゃんちゃらおかしい、本当にこの日本の言論人の言っていることはあほだと思うんですが……(発言する者あり)いや、言っていることですよ、言っていることはあほなことだと思うわけでありますが。

外務省、要すれば、今の旅券のハンドリング、マネジメントだと、日本を出るとき、入ってくるときは管理できますが、例えば、蓮舫代表は、何も開示されていませんから、もしかしたら、台湾のパスポートを持っているかもしれません。下地政調会長が言ったこととこれは全く同じだからもう繰り返しませんが、そういう2つのパスポートを使い回して、日本政府のあずかり知らぬところで北朝鮮に入ったり、北京と交渉したりしている可能性は排除できないと思いますが、それでいいですね。

[187]
政府参考人(外務省大臣官房審議官) 宮川学
お答えいたします。

パスポート2つを持っている場合に関しての御質問でございますが、外務省といたしましては、日本旅券所持人の海外渡航履歴を逐一把握する立場にはございません。

その上で、一般論として申し上げれば、重国籍者が日本と他国の旅券の2つを携行し、日本の出入国の際に日本旅券を使い、第三国との出入国に際し他国の旅券を使うという状況は想定し得るところでございます。

[188]
日本維新の会 足立康史
NHKのテレビ入りの予算委員会で既にこれはやっていますからもういいんですが。しかし、何かせっかくそうやって御指摘申し上げているんだけれども、政府・与党を初めとして、あるいは国会議員諸氏、同僚諸氏が、そうだなと、廊下ではそういう話をするんですが、なかなか表ではこの話が前に進まないので、まあ、いいんですが、改めてこの話を取り上げているわけであります。

それで、この話はこれで終わります。要すれば、蓮舫代表の問題というのは、今の法体系のもとでは、もう私はなすすべがありません。皆様の御協力がなかったら、これはもう一歩も前に動きません。

民進党が次の解散・総選挙でどうなろうと、それは知りませんよ。大阪では、もう民進党はほとんどなくて、自公と日本維新の会の二大政党が、今、大阪ではできつつあります。大阪府議会、大阪市議会は、民進党の議員は1人だけです。ぜひ、私は、こういう状況であれば、国政においても自公と日本維新の会の二大政党をつくっていきたい、つくっていくしかもうない、こう思っているわけであります。

1つだけ、私たちにまだツールがあることに最近気がついたんですよ。憲法55条というのがありまして、憲法55条、皆さんはすぐ出てきますから、要は、憲法55条に資格争訟という規定があります。これはまだ戦後発動されたことがありません。戦後というか、今の日本国憲法で発動されたことがありません。

今、法制局と、この憲法55条というのは何のためにあるんだと。誰も使っていないんですよ、使う局面がないんです。私は、きっと今回のような、蓮舫代表が解散・総選挙を通じて総理大臣になってしまうようなことを。私は、国会の、国権の最高機関に場をともにしている同僚としてそもそも説明責任を果たしていないと思っていますので。私の主観ですよ。蓮舫議員はやはり説明責任を果たすべきであると改めて思っていますが、それを私が幾ら言っても仕方ないんです。

ただ、私でもできることは、憲法55条に基づいて、蓮舫議員は国会議員にふさわしくないということを提起することができて、衆議院でいうと、懲罰委員会に付託をされれば、されるためには、実は国会の3分の2、憲法と一緒です、国会の3分の2がそれにアグリーしていただければ、懲罰委員会にかけることができて、国会議員の資格を争うことができるという憲法上の規定があります。

これについて、私たちはまだ党としては議論していません。私が1人でここで言っているだけですが、きょう、こうして蓮舫代表に、私は、予算委員会に続いて、やはり国会議員の同僚として、戸籍謄本の該当部分の写しを公表すべきである、こう申し上げておきますが、それが実現し得ない場合には、私個人ですよ、私個人は、党の中においても、また同僚諸氏に対して、憲法55条についてやはり議論した方がいいんじゃないかという問題提起をしていきたいな、こう思っているわけであります。

あと10分、本来の議論をさせていただきたいと思いますが、岸田大臣、20分使って、大臣の大変大事な、大臣にとってじゃないか、委員各位にとって大事なこの委員会、20分使ってしまったんですが、私は、岸田大臣は、私が今申し上げたこと、外務公務員のトップに座る外務大臣であればこそ、私が今お訴え申し上げたことに一分の御理解をいただけるんじゃないかなと思いますが、もしコメントをいただけるようでしたらお願いしたいと思います。

[189]
外務大臣 岸田文雄
国家公務員の中にあっても外務公務員は、特に法律によって二重国籍が認められない、こういった立場にあると承知をしております。外交にかかわる者、国益にかかわる大変重大な責務を担っているという観点から、こうした特別な扱いが行われていると承知をしております。

このように、国益にかかわる重大な責務を負う者、その立場についても真剣に考えていく姿勢、これは重要な姿勢ではないか、このように考えます。



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