昭和55年03月19日 衆議院 決算委員会
[194]
民社党 岡田正勝
さて、本論に入らせていただきますが、私はただいまから、朝鮮民主主義人民共和国、以下、北朝鮮と呼ばせていただくことにいたしますが、約6000人とも言われております北朝鮮の日本人妻の里帰りについて、与えられました36分間をこの問題一つにしぼりまして質問をいたします。
この問題は人道上の問題でありまして、いまから6年前、すなわち昭和49年5月24日、民社党の永末英一国対委員長が取り上げて以来、昨年の12月14日までの間に17名の議員が質問をし、訴え続けてきた問題であります。
御承知のとおり、昭和34年8月13日のカルカッタ協定によりまして、同年12月14日北朝鮮へ第一次帰還船が出て以来、早くも20年3カ月の時が流れ去りました。北朝鮮は地上の楽園と信じ、期待をして、新天地での新しい人生を求めて出国をした人は約9万3000人余りと聞いております。
ところが、その大半は音信不通でございまして行方不明になっております。大臣、こんなことが地球上であってよろしいのでしょうか。また、わずかに便りのある人たちも、想像を絶するところの塗炭の苦しみに追いやられている実情を、大臣あなたもお聞き及びのことだと思うのでありますが、いかがでございますか、大臣、聞いていますか、お答えを願いたいと思います。
平成14年10月21日 衆議院 本会議
[007]
自由民主党 堀内光雄
国交正常化交渉は今月29日に再開をされますが、政府は、拉致問題の真相解明と並んで、昭和33年から4年ごろ、一部政党による、北朝鮮は地上の楽園であるとの宣伝と扇動で北朝鮮に渡った日本国籍を持つ方々の消息と、これらの方々の置かれている境遇についての調査を取り上げるお考えがあるかどうかを伺いたいと思います。
[015]
公明党 太田昭宏
なお、北朝鮮と親密な関係を続け、結果として拉致の事実に重いふたをし続けてきた一部野党の対応にも言及しておきたいのであります。
社民党は、旧社会党時代から、拉致はないとして北朝鮮を擁護する姿勢をとり続け、最近まで、「新しく創作された事件」との論文をホームページに掲載し続けていました。
一方、日本共産党は、かつて北朝鮮を地上の楽園と賛美し、また、拉致問題について、疑いのある段階から出ていないとし、拉致事件解明を国交正常化交渉の前提条件とすべきでないと、政府の方針とは正反対の主張を繰り広げてきたのであります。
社民、共産両党は、拉致問題への対応について、国民に対して明確な総括を行うべきだと思います。
平成14年10月25日 参議院 予算委員会
[113]
民主党(民進党) 佐藤道夫
この問題に関連して、余り議論されていないんですけれども、1000数百名と言われておる日本人妻、彼女たちもやっぱり死ぬ前に一度ふるさとの山を見たい、墓参りもしたいと、こう思っているんだろうと思います。あれもやはり彼女たちも自由往来の対象に入れて、元々は日本人だったわけですが、向こうが地上の楽園だと宣伝に引きずり込まれ、だまされたような形で向こうに行ってしまったと、やはりふるさとに一度死ぬ前に帰ってくる権利ぐらいは人間として当然あるんじゃないかと。これも是非、日朝交渉で議論してほしいと思います。
平成14年10月30日 衆議院 法務委員会
[030]
公明党 漆原良夫
最後に、法務大臣の所見として、在日朝鮮人の帰還事業についてお尋ねしたいと思います。
昭和34年12月から在日朝鮮人等の帰還事業が開始されまして、帰還した在日朝鮮人等は9万3340名、朝鮮半島出身者である夫や父等に随伴して渡航した妻や子供らは6000人、うち日本人妻と推定される者は1800名とされております。
総理は、今回の代表質問でこう答弁されております。これらの方々の消息調査については、日朝赤十字間での取り組みとして行われるところですが、再開される国交正常化交渉においても、このような赤十字等の取り組みの促進を図っていきたい、こう答弁されておりますが、この帰還事業は、北朝鮮が地上の楽園だというふうに喧伝された事業でありますが、現代コリア研究所所長である佐藤勝巳さんはこう言っておられます。徐々にわかってきたことは、楽園とは逆な地獄があったということである、その結果、地獄を天国と他人にまで説明し、他人の人生をめちゃくちゃにした、自分にとっての北朝鮮帰還運動はそういうものであったというふうに総括せざるを得なかったというふうに述べておられます。
平成14年11月20日 衆議院 外務委員会
[020]
自由党 藤島正之
まず、きょうは本当は青山さんにおいでいただく予定だったんですけれども、来れなかったということなんですが、鈴木参考人は、向こうに行かれるときもそうですし、今もそうですけれども、いろいろな情報を集めていらっしゃっていると思うんです。青山さんは、「北朝鮮という悪魔」、こういう本を書いているんですけれども、地上の楽園だと思っておったら、とんでもない地獄だった、こういうことなんですけれども、鈴木参考人は、この青山さんについて、どんなふうに承知しておられますか。
[024]
自由党 藤島正之
といいますのは、やはり、この本にもあるように、要するに、地上の楽園どころか地獄みたいなことを平然とやっているとんでもない国である、そういう認識がないと、これは生易しいことじゃうまくいかない、こういうふうに私も思いますので、ちょっとお尋ねしたわけでございます。
平成14年12月04日 参議院 憲法調査会
[006]
公明党 高野博師
私は、これまでの人権関係の議論とは若干離れますが、北朝鮮の憲法についてちょっとお話ししたいと思うんですが。
そもそも憲法が北朝鮮にあるのかなと思いましたら、物すごい立派な憲法がありまして、朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法というのがありまして、166条ありまして、憲法改正も何回かやっておりまして、中身を見ますと、立派な社会主義ということで、人間中心の社会制度を作るとか、あるいは外国人の権利、利益を保障する、あるいは自主とか平和、親善、これは外交の基本方針だと、人民の物質文化生活を絶えず高めることをその最高原則とするとか、あるいは農村文化住宅を国家負担で建設すると、こういうことも書いてありまして、また、労働時間は憲法で8時間と、1日8時間と、こういう規定もありまして、これを読む限りはすばらしい国に違いないと、正に地上の楽園という印象を持つんではないか。もし憲法だけこれ見せられたら、これはもう大変すごい国だということになるかと思うんですが、実態はもう全然違うわけでありまして、現実と憲法がこれほど懸け離れてほとんど憲法が意味がないという状況で、人権の侵害、あるいは20万人を超す強制収容所に入っている問題、外国人の保護どころか拉致をしているという、こういう現実があるんですが。
平成15年01月30日 衆議院 憲法調査会
[059]
自由民主党 中川昭一
春名さんは、正式に当時の国家公安委員長が一部拉致である疑いが非常に強いという答弁をされたのは参議院の共産党の橋本敦議員だと。これはもうそのとおりだと思います。ただ、そのときにそのスタッフとして活躍されていた兵本さんという方が、その後共産党との間に何があったのかわかりませんが、とにかく今現実においては、この拉致問題に、我々の議員の立場の活動ではありますけれども、非常に貴重な情報をやっていただいておる。
そもそもは反対をした、拉致問題を取り上げた一番手は共産党だというその面だけを見れば否定はいたしませんけれども、1959年以降、帰還運動に関して9万4000人、その中には1800人の日本人妻も含めて、向こうに、地上の楽園に送り込んだ、その主導的役割をしたのは日本共産党であるということも事実だということを言っておかなければなりません。
それから、金子さんにつきましても、90年代に入ってからはと、今北朝鮮がいいと思っている党は、共産党も社民党さんも含めて、ないんだろうと思います。
さてそこで、では、現に今も行われている不法行為、万景峰92の問題あるいは外国人登録法違反の問題等々含めたいろいろな人権侵害、国権の侵害、あるいは過去に行われたものについてもやるべきことはたくさんあると思いますけれども、これらを、正常な法治国家、人権を守る国家として必要であるというものについては法改正をするということに対しては共産党や社民党も賛成されますか。
平成15年02月27日 衆議院 予算委員会第一分科会
[230]
自由民主党 栗原博久
このことで、金正日はまさしく国家犯罪の首謀者であります。そしてまた、かつて、スターリンが金日成を北朝鮮の支配者として指名した。それによって、我々日本が北朝鮮に社会的なインフラ、あるいは特に東海岸の工業地帯、いろいろそういうものも、当然、金日成が手に入れた。あるいはまた、朝鮮戦争、冷戦などで、それによって、中ソ、東欧から彼は莫大な支援金を受け取ってきた。要するに、取るためにあるような国であると私は思っている。
特に、人についても、韓国からは200人以上の方が拉致されておる。それは、1000名拿捕されたうち400人ほど帰ってないとか、100人ほどが拉致されたとか、いろいろ言われている。あるいはまた、朝鮮戦争のときの捕虜の方とか、ベトナム戦争において、韓国の兵隊が捕虜になって北に連れていかれたとか。
あるいはまた、我が国では、1959年、私の友達も新潟港から、地上の楽園と称して、北朝鮮に行った大事な友達もおられます。そういう方々を日本から連れていった。そして、今度は日本に金をせびってくる。そういう中で、この金帝国は、金も物もすべて取ることがさも当たり前だと思っている。そこにこの拉致という問題が起きていると私は思っております。
平成15年03月06日 参議院 予算委員会
[109]
公明党 木庭健太郎
ただ、これの問題については、かつて地上の楽園といって誤った認識を一部政党や団体が与えて、帰還事業としてやったというような経過があるわけです、これは。
平成17年03月02日 参議院 憲法調査会
[002]
自由民主党 岡田直樹
日本人が全体として、拉致という北朝鮮の国家的犯罪、これは日本の主権の侵害であり、すなわち侵略であると思いますが、これを見過ごしてきた、そしてその結果、自国民の安全も生存も守ることができなかった。また、さかのぼって言うならば、戦後の帰国事業において多くの在日朝鮮人や日本人妻たちの渡航、すなわち地上の楽園というプロパガンダを信じて多くの人が実際には自由も人権もない生き地獄のような国に渡るのを見過ごした、このことについて私たち日本人は多少なりとも自責の念を持たねばならないと思います。
今の前文にこうあります。「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」、こううたっておりますが、日本人拉致被害者が味わった恐怖、そしてその安否すら分からない身の上を思うとき、また、現にあの将軍様の圧制の下で罪もない北朝鮮人民が恐怖と欠乏にうめいていることに思いを致すとき、日本人はこの憲法の前文をほごにしてきたと言わざるを得ないと思います。
また、裏を返せば、理想的に過ぎて空想的な憲法によってはこの厳しい国際社会の中で国民の安全と生存を確保することは困難であると考えます。
平成17年07月28日 衆議院 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会
[148]
民主党(民進党) 菊田まきこ
かつて、この新潟からこの万景峰号に乗って、地上の楽園と言われた北朝鮮に多くの新潟県民が渡っていったわけでございます。しかし、本当にそこに渡った人たちが幸せに暮らすことができたかどうか、それは今を見ればすべてがわかるわけでございまして、また私たち今県民を挙げて横田めぐみさんの救出のために一生懸命活動しておりますけれども、その同じ新潟で、このような工作行為を見過ごすようなことを平然と続けていってよいのかどうか。私は、改めて政府に対して、しっかりとした経済制裁を行い、また万景峰号の入港拒否を訴えてまいりたいと思います。
平成18年01月27日 衆議院 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会
[146]
自由民主党 大前繁雄
当時、北朝鮮帰還事業で向こうに渡りました日本人妻の支援活動というものが行われておりまして、私も、兵庫県にお住まいの、お母さんが再婚されて連れ子で行った女の人、お母さんは御主人について北朝鮮へ帰った、そういう方から陳情を受けまして、いろいろ支援活動をしていたわけでございます。
ここにおられる方は、ほとんどが御年配の方が多いので、北朝鮮の帰還事業といったら、ほとんどの方がよく御存じと思いますけれども、若い人たちもおられますので簡単に説明をいたしますと、昭和34年に日本赤十字社と北朝鮮赤十字社との間で締結されました帰還協定によりまして、約9万3000人の在日韓国・朝鮮人等が北朝鮮に渡った、いわゆる帰国運動のことでございます。
この中に日本国籍を有する人たちが6697名、そのうち日本人妻が1831名おられたわけでございますけれども、彼女たちは、北朝鮮を地上の楽園と美化する朝鮮総連の虚偽宣伝と、それを無批判に報道しました日本のマスコミや一部政党の賛美の声にだまされまして、在日朝鮮人、韓国人の夫について北朝鮮に渡って、地上の楽園とは全く正反対の地獄のような生活を強いられた大変気の毒な方々でございます。
[148]
自由民主党 大前繁雄
これらの北朝鮮帰還事業で向こうへ渡った日本人妻たちに対して、彼らは自分の意思で行ったのだからといって拉致被害者と同列に取り扱うべきでないということがよく指摘されるのでございますけれども、私は、それは必ずしも正しい考え方だとは思っておりません。日本人妻など9万3000人の北朝鮮帰国者の皆さん方、ヨーロッパ・ルートで拉致された有本恵子さんなんかと同じように、ある意味では私は金日成による壮大な拉致の犠牲者ではないかと思っております。
朝鮮動乱の後、男の労働力が非常に不足したということで、金日成がその埋め合わせに在日朝鮮人に目をつけて、できたら余り女性は来てほしくなくて、男を北朝鮮に労働力として拉致したというのが実態。それともう一つは、日本に残っている親族から金を送らせるための一つの手段に拉致をしたのではないかと伝えられているわけでございます。
今申しましたとおり、有本恵子さんも、お聞きをいたしますと、すばらしい社会主義の国に一度行ってみませんかとよど号犯の妻たちに誘われて、北朝鮮へ連れ込まれたわけなんですね。これと、すばらしい地上の楽園がありますよとだまされて連れていかれた日本人妻たちにそれほど差があるとは、私は思わないわけでございます。
先ほども少し答弁がございましたけれども、今後、国交正常化交渉がどうなるかわかりませんけれども、あらゆる交渉の機会をとらえて、これらの日本人妻たちを拉致被害者に準ずる者として取り扱い、安否調査の要求はもちろんのこと、自由往来、さらには、特に脱北して日本に戻ってきた日本人妻に対する支援を手厚く行うべきだと考えるのでございますけれども、この点、どのようにお考えか、外務省にお尋ねをしたいと思います。
[149]
国務大臣(内閣官房長官) 安倍晋三
日本人妻の一時帰国また帰国については、かつて北朝鮮側が応じてきたことがあるわけであります。私も当時、自由民主党の外交部会でこのことを議論していたのですが、当時、拉致問題について我が方が北朝鮮側にいろいろと要求をしている中にあって、また、北朝鮮への米の支援も議論されていました、当時私はそれに反対をする立場にいたわけでありますが。そのときに先方から、北朝鮮側から、日本人妻の一時帰国という案を出してきたわけであります。これは、いわば一つの変化球でもあったのだろう、こう思うわけであります。
日本側は好意的にとらえ、その結果というわけではないわけでありますが、これは何となく関連づける形で、日本側は米の支援を行った、かつてそういう経緯があるわけでございます。
しかし、それで一時帰国した人たちは御承知のとおりであった。極めて一部の人であって、いわゆる主体思想を極めて強固に信奉する方々が帰ってきて、帰ってきたというか一時的に帰ってきて、それを国内でいわば宣伝するという役割を担わされていたのではないか、こう思うわけであります。
今、私たちは、まさにこの拉致問題に絞って、まずこの問題を解決しなければいけないという中において、また、確かに大変お気の毒であるというふうには思っております。全く話が違ったということであったというのも事実でありましょう。そしてまた、当時の政党の中には、それを推し進めたところもあります。また、朝日新聞を初めとして、マスコミも地上の楽園と堂々と書いていたわけであります。
ですから、それは、そういう意味においては、やはり被害者であったのだろう、私はこう思うわけでございますが、しかし、今交渉をする際には、我々はこの問題に絞っていかなければ、かえって外交において目的を達成できないのではないだろうか、このように思う次第であります。
平成18年03月08日 参議院 予算委員会
[133]
民主党(民進党) 山根隆治
脱北された方々からの情報、告白と、勇気ある告白。東京、大阪でそれらの方々の集会というものもございまして、そこからのお話等を聞かせていただきますと、やはり日本人妻は向こうに行っても差別を相当受けて、飢餓で苦しみ、そして多くの方々が亡くなっておられまして、日本人妻1800名を超える方々の多くがもう既に亡くなっているのではないかという報告もあるわけでございます。
私は、やはり自分の御意思で北朝鮮に行かれたということではあっても、やはり子供さんがおられたり家庭の事情で北朝鮮に行った。そのときは、向こうは本当に地上の楽園だということで宣伝されて行ってしまったということがあるわけでありまして、向こうに行かれても日本人妻、日本の血が脈々と流れている方々であるわけで、そうした方々のやっぱり安否の確認というものをしっかりとすべきだろうというふうには思いますけれども、これらの安否の確認についてはどのように対処されようとするか、お尋ねします。
外務大臣 麻生太郎
誠にごもっともな御指摘なんだと存じます。
政府としては、この日本人妻の安否の確認につきましては、これはいわゆる人道的観点から取り組むべきことということに思っておりまして、残念なことに北朝鮮との間に正式な国交というものがございませんので、いわゆる取り得る手段、調査の手段というものに限界がありますので、昭和52年以後、いわゆる日本人妻の家族に対するアンケート調査を実施ということで、御家族の要望に基づきまして、赤十字のルートを通じまして北朝鮮側への安否のいわゆる調査、要望というものを行ってきております。これに対して北朝鮮の方から、これまで若干名の安否についての連絡や手紙の伝達があった、若干名です。
で、今年、本年2月に、過日行われました日朝包括協議におきましても、日本人妻の安否の確認という問題について、改めて日本側から提起をしております、こちらの方から。それに対して向こうからは、調べるという程度の話なんですけれども、重要なこれは人道案件と思っておりますので、これは拉致の話以前からの話でもあろうと思いますんで、私どもとしては、引き続き努力をいたしたいと思っております。
[133]
民主党(民進党) 山根隆治
今回の日朝包括協議の中で、本当にとんでもないことを向こうの方で問題提起してきております。脱北者を支援するNPOの活動家の引渡しの要求をされたり、それから強制連行として840万人の方々、それから従軍慰安婦が20万人だったというふうなことで補償要求されたり、とんでもない話をしているわけでございますけれども、私は、もう本当にこの日本人妻の問題というものについても、やはり拉致と並行させて強くこれからも日朝協議の場で働き掛けていただきたいというふうに思います。
もう一度、外務大臣の方で決意のほど聞かせてください。
[136]
外務大臣 麻生太郎
今御指摘のありましたように、あの当時、我々の年齢だと、あの当時どれくらい喧伝されたかという記憶のある世代なんですけれども、何となくえらく地上の楽園かのごとき話で、何となくそういうものだと思って行かれたまんま、非常に今言われた差別の問題を含めて飢餓状態とか、いろいろ断片的には私どもも情報が入ってきているところではあるんですけれども。
いずれにいたしましても、こういった形で一時、3回にわたって帰国されたという、一時帰国みたいな形の例はありますけれども、何となく妙に着飾って、いろいろ当時の状況としては双方いろいろあったんだとは思いますけれども、いずれにいたしましても、本人の希望があれば私どもとしては是非という、帰国を希望されるのであれば是非という思いが私ども強くいたしておりますので、これ人道的見地からも、外務省としては今後とも積極的に継続をして言い続けなければならぬ大事な問題だと思っております。
平成20年06月11日 衆議院 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会
[083]
民主党(民進党) 渡辺周
1960年代、帰還事業で北朝鮮に帰っていった方についていった日本人妻、日本国籍者が約7000人、6800人とも言われていまして、この脱北者の女性が、今日本にいる方が、今回は朝鮮総連を訴える、提訴する。朝鮮総連の帰還事業によって、自分たちは、地上の楽園と言われてきたけれども、全く虚偽の説明をして送り出された、北朝鮮で生活をして人生をめちゃくちゃにされたということで。そのときにはもちろん朝鮮総連のみならず日本政府、日赤だとか、あるいは当然与野党も含めてですね。私もこの日本人妻の問題、随分本を読みました。
これについて今現在日本政府で、これというのは帰還事業の問題です、これについてどのように総括をしているのか、官房長官のお考えを伺いたいと思います。
あわせて、今回は総連を提訴するということでありますが、日本政府だってこれは訴えられるかもしれませんね。日本政府も一緒になって帰還事業をしたではないかと。地上の楽園と言いながら送り出された国は本当に暗黒の世界であった、そして向こうの国へ行って、北朝鮮からは、日本から来た人間だと言われて、成分が悪いと言われ、成分というのはその国でのもうある意味じゃ階級です、悪いと言われて、とにかく迫害をされ、人間的な生活ができなかった、そういう話を聞くわけです。
平成26年05月14日 衆議院 外務委員会
[102]
日本維新の会 阪口直人
当時、日本においては、在日朝鮮人の方々に対する多くの差別があったと思います。そして、一生懸命勉強してもなかなか思いどおりの職につくことができない、そういう状況がある一方で、当時、北朝鮮においては金日成首相を中心にまさに理想の国づくりを行っている、各種メディアなども、地上の楽園というような言葉を使って、北朝鮮に行けば差別のない生活ができる、高等教育を受けることもできる、また、例えば、冷蔵庫をあけると肉と野菜がこぼれ落ちてくる、そういった、社会主義が成功しているというような報道があり、多くの方々が海を渡ったわけでございます。
ところが、行ってみると、期待していた状況とは正反対であり、一切の人権、自由がない社会。そして、特に日本から来た方々は、現地の方々も嫌がる仕事、例えば、炭鉱で働く、鉱山で大変に苦しい仕事をするというような仕事につく方が大変に多くて、また、日本人ということで、敵性成分というんでしょうかね、後ろ盾になってくれる方もいなくて、現地でも大変な差別を受け、着のみ着のまま、冬にはマイナス40度にもなるような場所で生活をされた。大変に苦しい思いをされてきたわけでございます。
特に、1990年の後半からはいわゆる飢餓が生じまして、人口の約1割が亡くなったと言われていますが、同行した方の周りでははるかに高い割合で餓死をされた方がいたと。地上の楽園どころか地上の地獄であった、そういう状況であったと聞いております。