過激派、極左暴力集団の資金源

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昭和46年11月17日 衆議院 法務委員会
[100]
民社党 岡沢完治
それではその前に、昨日渋谷事件でけがをされました中村巡査、昇進されて警部補になられた方が死亡なさいました。9月16日の成田騒動あるいは11月14日の渋谷闘争を頂点にいたしまして、極左暴力集団と申し上げてよろしいと思いますが、過激派の暴力行為はまさに目に余るものがございます。警察官は成田の場合3名、渋谷で1名でございますが、自衛隊員が殺されたりあるいは一般市民が全く縁もないのに物的、人的被害を重ねているわけでございますが、私は放置できない治安上の大問題ではないか。警察官、その家族に与える士気等も含めまして、あるいは損害賠償その他を考えますと、国家的な、国民の税金のたいへんなむだづかいであるということも含めまして、やはり真剣に論議をすべき対象ではないかと思うわけでございます。

この過激暴力集団、私はあえて学生とは申しません。学生の資格はないと思いますが、この極左暴力集団の実態について、公安調査庁もお見えでございますが、どういうふうに把握をしておられるか。やはり相手を知らなければそれに対する対策も立てられないはずでございます。その背後関係、思想体系あるいは資金関係等につきまして、現在把握しておられる実態を明らかにしていただきたいと思います。

[101]
政府委員(公安調査庁長官) 川口光太郎
ただいまのお尋ねにお答えいたします。

11月14日の渋谷暴動を扇動しておりましたのはいわゆる中核派といいますか、この中核派と申しますのは3つ団体がございまして、一番上部の政治的団体は革命的共産主義者同盟全国委員会、革共同というように略称しておりますが、その下に学生団体であるマルクス主義学生同盟中核派、こういうのがございます。その下にいわゆる全学連の中核派という傘下団体があるわけでございまして、現在では、最近の9月の成田事件あるいはその後の都内の爆弾もずいぶんありますが、大体最近最も過激な主張をしているのがこの中核派でございます。最近いろいろ派閥がございますので、いま岡沢委員の質問に対しまして、中核派を中心にお答えいたします。

この過激派学生集団、このほかに革マルとか反帝学評とかいろいろございますが、大体資金源といたしましては、いわゆる全学連の所属の各学校の自治会費、これが一つでございます。それからそのほかに機関紙を出しております。それからいろいろな集会のときに入場料を取りまして、これも資金になります。それからそのほかにカンパをいたします。これにあるいは中共系商社その他からの寄付、いろいろと収入源がございます。

中核派だけについて考えてみますと、現在中核派の握っている全学連の学生数が大体全国で10万でございますか、これは全学連の自治会費から学生1人につきまして40円ずつ入ってくるわけでございまして、中核派といたしましては10万人でございますから、年に400万円入ります。それからそのほかに革共同中核派で「前進」という機関紙を出しております。これは1週間に1回出るのでございますが、大体1回3万出て、これを50円で売っております。印刷費その他にも半額かかるといたしまして150万円のうちまあ半額近くが、全部売れましたら収入になるのではないか。これが1週間に60~70万、月にして200~300万というのが収入になるのではないか。それから、先ほど言いましたようにカンパとか寄付とかいろいろある、こういうのが資金源かと思っております。





昭和53年02月28日 衆議院 地方行政委員会
[217]
公明党 小川新一郎
反対派地主の不法耕作面積とその性格についてお尋ねします。耕作している地主の数、面積。

[218]
参考人(新東京国際空港公団副総裁) 町田直
不法耕作をしている場所はただいまの本体の用地とそれからアプローチ、いわゆる航空保安施設用地、それから騒音対策地域と3種類ございますけれども、全体をくるめまして一番多いときで87ヘクタールぐらいでございます。

ただいま申しましたこの3つの地域で現在まだ使っていないいわゆる2期工事区域とか、あるいは2期工事の航空保安施設用地等が大体650ヘクタールございますけれども、その中で87ヘクタールということでございます。

[219]
公明党 小川新一郎
この不法耕作を放置していることが地主の移転をおくらせ、支援する極左グループの闘争資金源になっているのではないかと思っております。そこで耕した食糧を売って、そこで耕した物を食べて、そして極左グループに支援をし、応援をしている。





昭和53年03月28日 参議院 運輸委員会
[250]
無所属 山田勇(横山ノック)
空港周辺になお過激派グループが33セクトいると、大なり小なりそういう形でいる中で、この警察当局としてはこの過激派グループの資金源というようなことをお考えになったことありますか。どこからこれだけの資金がくるのか。

あの鉄塔一つにしても、先ほど柳澤委員がおっしゃったとおり、運び込むまでにぼくは警備の体制が緩かったんじゃないか、建つまで知らなかったんでは――ちょっと事前に阻止ができなかったのかとかいろいろ思うのですが、あれだけのものを買うのには1000円や2000円で買えるものではないので、その資金源を断つというふうな物の考え方で捜査を進められたことがあるかどうかをお知らせください。

[251]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
極左暴力集団の資金源でございますが、これは機関紙を出しておりますので、それの収入といったようなものもございますが、一番大きな収入は、これはもう判断でございますけれども、現在極左暴力集団、学生の比率がもう半分以下に落ちておりまして、6割近い者が実はどこかで職を得ている労働者でございますので、したがいまして、その職を持っておる者たちから月々の月給からも吸い上げているようでございますけれども、ボーナス等はかなりの率吸い上げているようでございます。ですから、これが一番大きな資金源と、こういうふうに見ております。

もちろん三里塚につきましては援農という形で、若干のいわゆる物の形で、生活に必要な物を援農の代償として得るということでやっておる分もございますけれども、一番大きなものは、ただいま申し上げましたように、労働者部分からのカンパという名称による吸い上げと、こういうように思います。





昭和53年03月30日 衆議院 本会議
[024]
民社党 塚本三郎
質問の第3は、彼ら過激派暴力集団は、警察1万3000名の防備を突破するほどの装備と武器を用意しており、それら多数の暴徒の行動を容易にしている資金源は一体どこから出てきているかを御説明願いたい。

大学自治会が、その主導権争いのため、各セクトが残忍な死闘を繰り返しているのも、その大学が供給している自治会費という金が目当てだと論評する者もあります。彼らの糧道を断つため、その供給源及びルートを封殺する施策があるかどうか、お答え願いたい。



[030]
自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官 加藤武徳
それから、資金源を断つ方策ありゃ否や、かような御質問でございました。

極左暴力集団の活動費は、その一部は各セクトの会費でありますとか、あるいは機関紙の発売利益でありますとか、さようなことはごく一部であろうと思うのでありまして、その大部分が資金カンパではないか、かように思うのでございますが、しかし、その具体的な事実等につきましては、警察もその詳細を承知いたしておらないのでございます。

しかし、あのような団結小屋をつくり、かつまたトーチカを構築いたしますには、相当の金がかかっておるのに間違いないのでございますから、このルートに関しまして徹底的に究明をいたしてまいりたい、かように考えておるところでございます。





昭和53年04月06日 衆議院 地方行政委員会
[008]
自由民主党 与謝野馨
それでは、過激派、極左暴力集団についてお伺いしたいわけですが、われわれ国民から考えますと、あのような大闘争を展開し大構築物を建築しということは相当の資金が必要なはずでございまして、その過激派の資金源について、警察庁並びに国家公安委員長にお伺いをしたいわけです。

伝えられるところによりますと、党費であるとか、カンパであるとか、機関紙の発行販売収入であるとか、あるいは一部の過激派は保育所を経営してそれを収入源の一部に充てているとか、あるいは援農をしているから収入があるとか、あるいはこれは農民に相当大きな部分を負担さしているとか、あるいは一部の大学当局と取引をして、大学の静ひつを守るかわりに自治会費の大部分を自分らのところによこせ、こういう取引をなしているという説もあるわけでございまして、一体あの過激派の大変大きな資金源というのはどういうところから来ているのか、こういうことについて警察庁にお伺いしたいと思います。

[009]
政府委員(警察庁警備局長) 三井脩
極左暴力集団の資金源でございますが、極左暴力集団が各セクトに分かれておりまして、そのセクトの資金といたしましては、経常的には構成メンバーから党費といいますか、組織の費用としてこれを上納するということが一つございます。そのほかに、こういう問題その他をアピールいたしまして、シンパその他からいわゆる寄付金、カンパとして集めるというのはもう普通の方法でございます。

したがいまして、この極左暴力集団は、最近の構成を見ますと学生部分と、学生OBといいますか、大学生なり高校生から直ちに入っていま職を持っておる、簡単に申しますと労働者部分とから成り立っておりますが、昔と違いまして、ただいまは労働者部分が大変多くなりまして、全体として見ますと、セクトによって違いますけれども、私たちの見るところでは4対6ぐらいで、6ぐらいが労働者部分、こういうふうに考えております。したがって、これは自分で職を持ったりしておりますので、そういう収入の中から普通の党費として納める以外に特にカンパをするというようなことで、こういうものが一番多いものというように考えております。

不法耕作あるいは援農等によってある程度のものを得ておるのじゃないかという点もあるわけでございますが、これは大体現物としてのカンパをもらうということであるようでございますので、資金ではありますけれども、いわゆる現金としてもらうというものではないように思っております。

いずれにいたしましても、この資金源というのはなかなかむずかしいととろでございまして、いろいろの推測は可能でございますけれども、確たるものはいま申し上げた程度でございます。





昭和53年04月06日 参議院 運輸委員会
[014]
日本社会党(社会民主党) 瀬谷英行
恐らくあれだけの大ぜいの人間がああいう仕事をするんですから、やっぱり手弁当で出ていっているとばかりは思われない。そうすると、そういう食糧調達をするとか、そういう人たちの寝場所を用意するとか、そういうものがかなり大がかりになければできない仕事だと思うんですね。

そういう点考えてみると、たとえば資金はどのくらいどのように調達をされているのか、その寝泊りやその食事は一体どういうふうにしでいるのか、そんなことも気になるわけなんですがね。かなり組織的でないとできないという気がするんですが、その点はもうおわかりになっておりますか。

[015]
説明員(警察庁警備局参事官) 近藤恭二
極左暴力集団の資金源につきましては、その主なものはやはり彼らの党費とか機関紙の売上代あるいは資金カンパなどでございます。

このうち、組織内からの資金カンパというものがやはり相当なウエートを占めているというふうに私ども承知をいたしております。

[016]
日本社会党(社会民主党) 瀬谷英行
まあ機関紙とかなんとかいったって、これはそんなに売れるもんじゃないでしょう。機関紙なんてのは駅の売店で売っているようなもんじゃないと思うんです。そうすると、ちょっと資金がどのくらいどのようにして調達をされたのか、われわれに見当つかないんですがね。その点はまだ警察の方でもわからないんですか、率直に言って。あるいは答えられないんですか。どうなんでしょう。

[017]
説明員(警察庁警備局参事官) 近藤恭二
資金源につきましてはただいま解明中でございますけれども、いま申しましたように、組織内からのカンパというものが非常に大きいんではないかというふうに思っております。





昭和53年04月12日 衆議院 交通安全対策特別委員会
[010]
自由民主党 石橋一弥
続いてお伺いいたしますけれども、常駐学生の――学生といいますか、革命暴力集団、こう言った方がいいと思いますが、人数、多いとき少ないときがあるわけでございますけれども、平均で結構でございますが、おおよその人数、それとそれらの暴力集団の食べ物あるいは生活費、そうしたものはどこから得ているのか、この2点についてお伺いいたします。

[011]
説明員(警察庁警備局参事官) 武士孝
常駐いたしております極左暴力集団は約160名でございます。極左暴力集団の資金源の主なものとしましては、党費機関紙等の売り上げ、資金カンパなどがありますが、このうち組織内のカンパが大きなウエートを占めているようにうかがえます。これらの資金によりまして食費等の生活費が賄われているようであります。

このほか、彼らは農繁期等に反対同盟員の農家の援農等を行いまして現物給付を受け、生活の糧としているというふうに私どもは思っております。





昭和53年04月14日 衆議院 法務委員会
[113]
日本社会党(社会民主党) 西宮弘
もう一つ、45年の「よど号」のときの新聞に、警察としては「大口資金源を追及」という見出しで報道されている記事があるのでありますが、また、今度の成田事件以後も、その資金の問題についていろいろ報道されておりますけれども、わかっている実態をわかっている程度で答えてください。

[114]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
まず、よど号事件の当時の経過を申し上げます。

「よど号」事件の犯人らの一番大きな資金源は、「よど号」事件は45年の3月31日でございますけれども、46年に一連の銀行強盗等を彼らは敢行しております。3月9日には横浜銀行の相武台の出張所を襲いまして150万くらいの金を奪っておりますし、それから5月15日には、小学校のいわゆる給料の入ったものを強奪をして、300数十万円というのを奪った事件がございますが、そういうものが一番大きな資金源であったというふうに理解をしております。

それから、最近の極左の資金源でございますけれども、これは若干実態が違っておりまして、さっき申し上げましたように、大まかに見て半分以上が労働者部分でございますから、これからカンパと称して吸い上げをいたします。毎月の月給からも吸い上げますし、ボーナス等からは大変な率で吸い上げるわけでございますが、これの実態はなかなかむずかしいわけでございます。それと、あと本人に対するはね返りがございますので、詳細な説明は省かせていただきますが、ごく一例を申し上げますと、30代のごくごく普通のサラリーマン、それで100万ぐらいを大体年間に吸い上げられておったというような実態がございますが、そういうものが一番大きな資金源、こういうふうに見ております。

そのほかにも、もちろん機関紙の売り上げとか党費という形で取っている分もございますけれども、一番大きなものは、ただいま申し上げましたような組織内からの資金カンパ、こういうふうに見ております。

[115]
日本社会党(社会民主党) 西宮弘
給料の何割かをカンパにしているという話でしたが、私は何で読んだのかちょっと忘れてしまったけれども、あるセクトなどは、給料の全額をセクトの本部に出して、そして生活費はまた別にそっちの本部から受け取る、そういう仕組みになっているという話も聞いているわけです。そういうことは実態であるのかどうか。

最近は、さっき例に挙げたような銀行強盗とかそういうことはほとんど全くないですね。新聞で見る限り全然ないと思うのだけれども。

だから、そういうことになれば、そういう金の非合法的な集め方はやっていないということでしょうが、したがって、そういう組織内部からカンパで徴する、ある意味においてはそれは自由だと思うのですね。彼らとしては全く合法的なやり方だと思うのですけれども、それにしても、資金としては莫大な資金だ。

こういう新聞等を見ても、これは本当にこの辺の普通の新聞と全く変わりのない、紙の質から言っても何でもりっぱな新聞が出ているし、それから、それぞれ本部の所在する場所などはこれまたりっぱな会館を構えている、あるいはりっぱな印刷所を持っているとか、いろいろそういうことが、これは現に事実だと思うのですね。

そういうことになると、それだけを全部組織内で賄っていくということだとなかなか容易ではないのじゃないかという気がするんだが、そう思いませんか。その組織内のカンパだけで十分に間に合っているというふうにあなた方は見ておられますか。

[116]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
資金源というのは一番内容をつかみづらい部分でございますが、さっき例を一つ申し上げましたけれども、ごくごく単純に申し上げまして、たとえば100万のものを、組織の勢力が3000人としますと30億でございますから、これは大変な金額でございますが、そのほかに、たとえば三里塚に常駐をしておる連中が100数十人くらいおりますが、この連中は、援農と称して地元の反対同盟の農家の作業の手伝いをやることがございます。その際に、金銭の形で反対給付を受けることは余りないようでございますけれども、いわゆる野菜とか米とか、品物の形で反対給付を受けるという実態はずいぶんあるようでございますから、そういうものプラス、あるいはアルバイト等に出て金銭面でも若干の収入を上げる、そういうことをやって、さっき申し上げました組織内からの吸い上げを補っておる部分もある、こういうふうに見ております。





昭和59年10月05日 衆議院 地方行政委員会
[204]
民社党 藤原哲太郎
今回のように、事件の現場などを見てみますと、大体大型化してきておるといいますか大規模化してきておるわけであります。そうしますると、こういう集団の資金というのは一体どういうところから賄われておるのか。相当の金がかかっておると思うのですね。

やはり運動をやるためには資金が必要なわけでございまして、そういう資金というのは一体どういうところから調達されてきておるのか。そういうことについても把握しておられましたらこの機会に御報告願いたいと思います。

[205]
説明員(警察庁警備局長) 柴田善憲
ゲリラをやっております極左暴力集団の資金源でございますが、同盟費とか機関紙代等の収入ももちろんございますが、やはり一番大口になりますのはそれぞれの構成員が組織に拠出するカンパということになろうかと思います。

現在は極左暴力集団の中の構成が、学生部分がわずか3ぐらいに落ちまして、大部分、7が労働者ということになります。したがいまして、それぞれに相当な収入があるわけでございます。この相当にあります収入のほとんどを組織が取り上げておるような状況のようでございまして、拠出しております本人はわずか数万円だけ手元に残る、あるいはボーナス等につきましても、ボーナスの全額あるいは5割以上といったものを組織が吸い上げているというような実態もあるようでございます。

いずれにいたしましても、ここに一つの非常に大きな問題があるわけでございまして、このような極左暴力集団の資金源から考えまして、人からもらった金ではございませんで、組織の中から苦労して搾り上げてきた金でございます。したがいまして一銭一銭を非常に大切に使っていくということで、これがまた彼らのゲリラ活動に非常にいい影響を与えておる、このようなことになると思っておるわけでございます。この過激派の資金源の問題につきましては、私どもも非常に関心を持って今後とも注視をしてまいりたい、このように考えております。





昭和59年10月23日 参議院 地方行政委員会
[055]
説明員(警察庁警備局長) 柴田善憲
極右、極左の組織状況、運動目標、運動状況等の概況をかいつまんでちょっと申し上げたいと思いますが、最初に極右、右翼でございますけれども、実は右翼というのは非常に定義が困難でございますけれども、これは一般的には国家主義とかあるいは民族主義といったようなものを標榜いたしまして、現在の政治、社会、経済などの諸問題で不合理と思う点を改めよう、こういうことをする運動を総称したそういう意味で申し上げたいと思うのでございますけれども、そういう意味で右翼というものをとらえてみますと、一応そういう範疇に入るものといたしましてはおおむね840団体、12万人ぐらいかと、このように見ておるところでございます。

運動はどんなことをやっておるかという点でございますが、現在一番熱心にやっておりますのは北方領土問題、国防、靖国神社、憲法、教育、これらの諸問題、さらには左翼諸勢力あるいは共産圏諸国の動向、こういうものをとらえまして、政財界や左翼勢力等に対しまして抗議、対決活動などを行っている、これが今の右翼のごくかいつまんだ現状でございます。

そこで、極左のこれまたごくかいつまんだ現状でございますけれども、極左暴力集団は御承知のとおり非常に細かく分派をいたしております。一説には5流22派などとも申しますが、大きなものとしては御案内のとおり中核派、革マル派、革労協あるいは第四インターあるいは戦旗といったようなセクトが存在することは御承知のとおりでございます。このほかにいわゆる黒ヘル集団ですとかいろんなものもございますが、おおむね全国では3万5000ぐらいではなかろうかというふうに私どもといたしましては掌握をいたしておるところでございます。

運動の目標でございますが、暴力によりまして日本を革命しよう、こういうことで時々の政治テーマをとらえまして、目下、中でも反基地闘争あるいは反原発闘争、こういうものに熱心に取り組んでおるところでございます。中でも極左暴力集団は、成田闘争が日本革命を遂行するための絶好の場であるということで、80年代の中期階級決戦を切り開く突破口になるのだ、こういう位置づけで最大の政治闘争として取り組んでおるというのが現在の極左のごく大まかな組織勢力、運動の状況でございます。

[056]
日本社会党(社会民主党) 志苫裕
そういう団体の資金源というのは、どういうものだと見ているのですか、皆さんは。

[057]
説明員(警察庁警備局長) 柴田善憲
まず、極右関係の資金源でございますが、これは規約上は入会金あるいは会費等を徴収するということになっておりますが、実態といたしましては企業等からの寄附が相当の資金源になっておるものではないか。みずから行っております事業等の収入をそれに充てておる部分もあることはございます。

それから、極左の資金源でございますけれども、この方も規約上は党費ですとか同盟費ですとか機関紙代とかいうようなものからの収入というものが多いことになっておりますが、実態といたしましてはやはり組織構成員からのカンパと申しましょうか、寄附、これが一番多いように思われるわけでございます。

特に、極左暴力集団の場合は、最近は学生部分が非常に減りまして労働者部分がふえてきておるわけでございます。つまり、みずからの収入がある部分が非常にふえてきておるわけでございますが、この労働者部分からの吸い上げがなかなかの額になっておる、月収のほとんどを吸い上げられておる、あるいはボーナスは丸々といったようなのもあるようでございますので相当のカンパ額になるものと、資金源につきましてはこのように観測をいたしておる次第でございます。

[058]
日本社会党(社会民主党) 志苫裕
NHKだと思うのですが、報道で堂々とこう出ておるのですが、2000万とか3000万とかある企業者がやっていますよとかいうことも言っていますな。その辺で随分ぐるぐる回りますけれども、右左ともに資金源をたたくといいますか、一口で言って、そういうことは警察の方針としてはないわけですか。

[059]
説明員(警察庁警備局長) 柴田善憲
御指摘のように、お金がなくては何もできないわけでございますので、資金源を枯渇させることができれば非常に有効な対応ということになろうかと思います。

先ほど申し上げましたように、極右関係につきましては多くを企業からの寄附に頼っているという面もあるわけでございますので、警察といたしましてはその資金活動に伴いまして違法行為があります場合には厳正に取り締まってきております。年間やはり10件以上のそういう検挙をいたしておりますけれども、今後ともそういう方針で対応してまいりたいと思っておるわけでございます。

ただ、極左暴力集団につきましては、先ほどちょっと申し上げましたように、自分で稼いだ金を自発的に組織に寄附している、こういう面が非常に多いわけでございまして、したがいまして、そこらにやはり自分らの金であるということで非常に大事に使うとか、いろんな意味でも極左の活動の把握を非常に困難にいたしておる面がここらにもあろうか、このように見ておる次第でございます。



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