偽装結婚 偽装認知

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平成02年05月28日 参議院 予算委員会
[226]
無所属 竹村泰子
これで偽装結婚の確認が、これだけの書類がそろったら偽装結婚を確認することが可能なのですか。

[227]
政府委員(法務省入国管理局長) 股野景親
平成元年において、ある在留資格から日本人の配偶者または子への在留資格の変更を申請し、許可された数というのは1万7659件に及んでおります。非常に数が多いということでございます。これだけの数を扱っておりますので、どうしても書類審査ということによらざるを得ないわけで、実際、申請の数がもっと少ないときには入国審査官ないし資格変更の審査官はいろいろ現場へ自分で足を運んで調査することもできたんですが、現在はそれがなかなか難しい状況で、どうしても書類審査でこういうことをお願いするという事情があるという点を御了解願いたいと思います。

[228]
無所属 竹村泰子
確認できるかどうかとお聞きしているんです。

[229]
政府委員(法務省入国管理局長) 股野景親
これらの書類をもってその判断をさせていただいております。

[230]
無所属 竹村泰子
答弁していただきたいんですが、これで確認、これだけの書類を提出させて、偽装結婚は確かにこれは偽装でありこれは本当であるという確認ができたんでしょうか。

[231]
政府委員(法務省入国管理局長) 股野景親
こういうものの調査をさせていただいた結果、偽装と判定されたケースがございます。

[232]
無所属 竹村泰子
判定できたのがございますということですが、全部完璧にできないわけですよね。それなのに、少ない職員の手でこれだけの労力をかけたところでその本来の目的である偽装結婚の確認はほとんど不可能であり、ただこれは怪しいという心証を得るだけだという、しかも申請者のプライバシーの侵害という重大な損失をつくり出している。このような行政の非効率さは改めなければならないと思いますが、大臣いかがですか。





平成09年02月20日 参議院 運輸委員会
[007]
説明員(法務省入国管理局警備課長) 安田博延
それから、摘発を恐れまして、正規の在留者を装うために、先ほど申しましたが在留期間の更新の際偽造の取得をする、それから、中には偽装結婚を装って、従来短期滞在ということで入ってきた者が日本人の配偶者等と、こういう資格で滞在しようとして在留資格の変更申請をする、こういった事案がございます。これに対しましては、そういった実態があるのかどうかといったことの調査も含めまして厳重に検討していくということで、審査の厳格化ということで進めていきたいと考えております。

この摘発を私ども今推し進めておりますが、現状としましては、こういった在留の更新等の際に偽造のいろいろな文書をつくることに手をかすブローカー、あるいは日本人の配偶者を装うための偽装婚のブローカー、こういった者がおります。こういったブローカーが今暗躍しておりますので、こうしたブローカー事案につきましても特に重点を置いて摘発を進めていきたいと考えております。





平成11年04月20日 参議院 法務委員会
[040]
政府委員(警察庁警備局長) 金重凱之
これはいろんな事件事件で端緒はさまざまであろうというふうに思っておりますので、個々にちょっと申し上げかねるわけでありますけれども、例えば強制捜査の対象になったような事件について申し上げますと、暴力団の構成員でございますけれども、これの偽装結婚事件の関係者である中国人を検挙した事件というのがあります。それも外国人登録証の不携帯ということで一連の捜査の過程でこれを端緒として検挙した、こういうようなことがございます。

それからまた北朝鮮の工作員による各般の密出入国事件というようなのもありますし、それからまた北朝鮮による日本人拉致事件等々があります。





平成13年05月16日 衆議院 法務委員会
[022]
自由民主党 長勢甚遠
それから次に、先ほど、偽装結婚なりあるいは不法就労の在留資格審査もわずか3分の1しかできないということですから、簡単に言うと、本来書類審査では心配な人、先ほどの数字ですと8万人は、局長はえらい優しい言葉を言われましたが、わかりやすく言うと、書類だけで怪しいなと思いながらめくら判を押して在留を認めておるわけですから、その方々が全部悪い人ばかりじゃないでしょうけれども、仮に半分がよく調べれば出ていってもらわなきゃならない人だとすると、毎年4万人が、合法滞在者ではあるけれども実際は不法滞在者というのが累積していっておるという実情にあると思うのですね。このこともぜひひとつ皆さんで認識をしていかなきゃならぬと思うのです。

偽装結婚というのが最近はやっておって、私の地元でも何かそういうことがよく、ちょいちょい相談を受けたりするのですが、偽装結婚というのはどういう状況になっていますか。

[023]
政府参考人(法務省入国管理局長) 中尾巧
入管法上、婚姻届を出せばそれで済むという形ではございません。入管法上、婚姻ということで在留資格を認めるのは、「日本人の配偶者等」という在留資格で在留を認めております。

偽装結婚の典型的なものは、籍を入れる、戸籍上籍が入っているということで申請がございます。入管の立場から申し上げまして、実体のない婚姻、配偶関係というものは、それは偽装だということで在留資格を与えないということでございまして、年齢的にかなり離れて、30歳の男性に60歳の女性の婚姻届というようなことになりますと、形式上、こういう婚姻届、あるいは戸籍上これでいいのかという疑義があります。

そういうときに、実際にそれが夫婦として、実態的に配偶者という生活を営んでいる限り、それは「日本人の配偶者等」という在留資格を与えます。ところが、女性の方はホステスとして稼働している、別居をしている、実体がないということになりますとそういう資格を与えない、こういう形になりますので、実態調査というのはそういう意味では必要なことでございます。





平成13年06月18日 参議院 決算委員会
[055]
政府参考人(警察庁長官官房国際部長) 島田尚武
最近の状況でありますけれども、中国人犯罪グループと結託した日本人や、特に暴力団、この不法入国ビジネスで金もうけをたくらむ日本人や、暴力団が活動を活発化しておるというところに一つの特徴があります。

2、3、例を申し上げますと、暴力団幹部と中国人が結託し、虚偽の申請書をつくって旅券を不正に取得した事件、これは千葉県警で検挙しております。暴力団幹部と中国人グループが共謀し、配下の組員を運転案内役として実行した広域窃盗事件、三重、栃木、茨城、山梨、静岡共同検挙。それからさらに、暴力団が路上生活者に生活費、報酬等を与えて組織的に行った中国人女性との偽装結婚事件、警視庁検挙というようなところも発生しているところであります。

そういった中で、犯罪が多発する地区においては、来日外国人を含む住民の安全を図るためにさまざまなプロジェクトを編成するなど、限られた警察力を集中的に投入して、各種犯罪の予防及び発生時の迅速な取り締まりに努めているところでありますが、特に例えば新宿区歌舞伎町地区においては、警視庁において国際組織犯罪特別対策重点地区に指定するとともに、平成10年12月、本地区における対策を集中的に推進する国際組織犯罪特別捜査隊をプロジェクト編成し、平成12年には同隊を所属に格上げして運用するなど、総力を挙げた浄化に取り組んでいるほか、例えばロンドンにおける対策などを参考として、本年度中に頻発する街頭犯罪の予防等のため街頭防犯カメラを相当数設置する予定があるというふうに聞いているところであります。





平成14年03月19日 参議院 法務委員会
[034]
政府参考人(警察庁刑事局長) 吉村博人
先ほど来、委員お話しのとおり、暴力団の犯罪形態が少しずつ最近は変わりつつあるわけでありますが、その中で、外国人と暴力団とが連携して強窃盗をしたり、あるいは暴力団が関与する、今御指摘の密航事件が発生したり、あるいはまた外国人女性の不法入国や長期滞在を目的とする、いわゆる偽装結婚事件というような検挙も近時は見られるところであります。





平成14年10月03日 参議院 決算委員会
[106]
公明党 遠山清彦
今検討中ということですが、確かにマスコミに出たニュースでも、酒田短大に在籍して勉強しているはずの多数の留学生が新宿で働いていたとか、あるいは日本人との偽装結婚という事例もありますから、そういったことを念頭に置いての改正方針だというふうに私も一定の理解はしておりますけれども。





平成15年05月27日 参議院 内閣委員会
[035]
民主党(民進党) 長谷川清
そして、今現在のところで一番新しい状況としては、平成14年の7月に課長クラスの実務のレベルの双方の日中が、不法入国の問題や銃器対策や薬物対策ということを具体的なテーマに上げていろいろと打合せ、会合を持っているというところまでは大体把握されておりますけれども、その後の、平成14年の1月には、いわゆる偽造パスポート、旅券の問題、あるいは偽装結婚というような問題。だけど、これほど法律を作らなきゃならないほどまでいわゆる日本の犯罪が増えてきているわけですから、具体的なこの侵入犯という問題等々について、なぜ打合せなどぐらいの一回もしていないのか、これからする気があるのか。やる気がある背景はちゃんとあるんじゃないか、このように思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。





平成16年03月30日 参議院 内閣委員会
[014]
政府参考人(警察庁刑事局暴力団対策部長) 近石康宏
まず、暴力団犯罪でありますけれども、従来の暴力団組織の威力を背景としたものに限らず、外国人犯罪組織と連携した集団密航事件、不法入国を目的とする偽装結婚事件、あるいは異なる暴力団に属する者や来日外国人等、様々な人間がグループを構成して薬物密売事件を敢行するなど、自ら属する暴力団組織と直接かかわらない形態による犯罪も多数敢行しているところであります。

薬物事犯につきましては、特に覚せい剤につきまして、第三次乱用期が継続しており、高度に組織化された薬物犯罪組織が大量の薬物を密輸し密売を敢行していることがうかがわれます。また、かような薬物犯罪組織は、暴力団のみならず来日外国人、ブローカー的な存在の者等、多種多様な者で構成されておりまして、暴力団についても異なる組織に属する者が連携している状況がうかがわれます。

次に、銃器犯罪でありますけれども、銃器発砲事件数やけん銃事件、けん銃使用事件数は引き続き高水準で推移しておりまして、特に昨年は暴力団対立抗争絡みの発砲事件数が増加するとともに、相当数のけん銃武器庫事犯が摘発、検挙されております。このように、依然として暴力団が対立抗争等に備えてけん銃を隠匿している状況がうかがわれるなど、犯罪組織と銃器犯罪の関連性が強く認められるところであります。

また、来日外国人犯罪につきましては、平成15年中の検挙件数及び検挙人員が過去最高を記録するとともに、刑法犯における共犯事件の比率が約60%と、日本人の約3.5倍に上るなど、組織化の進展がうかがえる状況にあります。また、暴力団と連携した犯罪、暴力団と外国人との対立に起因する犯罪等も発生しているところであります。

これらの状況から、暴力団を始めとする犯罪組織が相互に複雑かつ緊密に連携しつつ犯罪を敢行している状況が認められるところであります。





平成16年05月21日 衆議院 法務委員会
[071]
政府参考人(法務省入国管理局長) 増田暢也
退去強制手続及び護送、収容などに要する経費といたしましては、平成15年度は約21億4000万円、平成16年度は約22億円が予算措置されております。

平成16年度予算につきまして、その内訳を申し上げますと、調査旅費や通訳の謝金など退去強制容疑者の違反調査などに必要な経費として約5億円、それから、退去強制者に支給する食事など退去強制者の収容、護送、送還に必要な経費として約17億円が予算措置されております。

[072]
自由民主党 森岡正宏
今お話を伺いまして、大変驚きました。本当に不法滞在者がいなければ要らないお金でございますから、税金がもったいないなという気がいたします。しかし、不法滞在者がいる以上、先進国ということになりますと、こういう不法滞在者対策にこれだけのお金も使わなければならないのかなという思いもするわけでございますが。

そこで、警察庁に伺いたいと思います。不法入国、不法就労、偽装結婚などをあっせんして利益を得ている、例えば蛇頭とかいうのも聞きますし、暴力団、ブローカー、こういう組織が介在していると聞いております。ここにメスを入れて厳しく取り締まるべきだと思うわけでございますが、このことにつきましてどんなふうに力を入れておられるのか、その辺を聞かせていただけませんでしょうか。

[073]
政府参考人(警察庁警備局長) 瀬川勝久
お答えいたします。

不法入国をあっせんして利益を得ているブローカーに対する取り締まりということでございます。

御指摘のとおり、集団密航あるいは偽装結婚の請負組織とか、それから入国管理局への申請書類を偽造するブローカーというようなものがございます。これは、私どもとしましては、不法入国者を我が国に呼び込み、また不法に滞在させる要因であるというふうに認識をいたしまして、これに対する積極的な取り締まりを今推進しているところでございます。

ただ、こういったブローカーという形での統計を実はとっておりませんので、数字的なことをちょっと申し上げることはできないのでありますが、最近の事例といたしましてちょっと御説明をさせていただきますと、昨年の11月の埼玉県警察の取り締まり事案でございますけれども、これは、内容が虚偽の証明書等を用いまして、1000数百人、1000人以上の中国人に不正に在留資格を取得させ、あるいは在留期間を更新させていたという東京の会社役員らを文書偽造の疑いで逮捕した事案がございます。

この事案は、実際は調理師として働かない者を、日本国内の調理店で調理師として働くという名目で技能の在留資格を取らせるというような方法で多くの中国人を我が国に不正に入国させ、膨大な報酬を受け取った、こういう事案でございます。

警察といたしましては、こういったブローカーにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、不法入国者を我が国に呼び込み、不法に滞在させる、まさにその要因そのものだというふうに認識をしておりまして、入管当局とも連携を図りながら、今後とも積極的に取り締まりを推進していく方針でございます。





平成17年05月13日 衆議院 外務委員会
[026]
公明党 丸谷佳織
それでは、警察に来ていただいておりますので、最後に一点、不法滞在に関連してお伺いをさせていただくわけでございます。

昨年の新聞に、日本人の男性に胎児を認知してもらい、生まれてきた子供に日本国籍を取って、自分も日本での長期滞在資格を取得しようとした中国人の女性が実際に検挙をされたという報道がございます。

そういった報道を見てみますと、偽りの父親に日本国籍を取るためにおなかにいる子供の認知をさせて、そして日本国籍を取らせ、その扶養の義務から日本に長く滞在するという目的の新たな手口として、この不法滞在におけるいわゆる偽装認知ということがあるのではないかという報道に触れまして、実際に、今いわゆる偽装認知が不法滞在を増長させる問題として日本政府はとらえて行動していらっしゃるのかどうか、この問題についてどのような対策をとっているのか、この点についてお伺いをいたします。

[027]
政府参考人(警察庁刑事局組織犯罪対策部長) 知念良博
不法滞在者問題に絡む偽装認知事件でございますが、不法滞在等の外国人女性が妊娠の機会に、共謀した日本人男性に内容虚偽の胎児の認知届を提出させることによりまして、出生した子供に日本国籍を取得させる、その上で、日本人の子供がいることを理由にその母親として合法的な在留資格を取得しようとする事案の摘発事例がございます。警察では、この種事件を偽装認知事件ととらえているところであります。

この種の事犯は、いわゆる偽装結婚事案と同様に身分関係を偽装するものでありまして、また、それ自体が犯罪を構成するものであります。それからまた、私どもで第一線警察からの検挙報告を受けている事件などからしますと、ブローカーなどの介在等、組織的な背景もうかがわれるところであります。

警察としましては、今後とも、入国管理局等の関係機関との連携を強化しまして、この種事犯の取り締まりの強化に努めてまいりたいと考えております。





平成20年11月14日 衆議院 法務委員会
[036]
自由民主党 赤池誠章
その中での代表的な疑念、質問を3つ、それぞれ法務当局からの見解をお伺いしたいと思います。

1つは、国籍取得届の虚偽届けについての刑罰が、今回新設をしようとしているわけでありますが、余りにも軽過ぎるのではないかという懸念であります。

2つ目が、偽装認知を防止するためにDNA鑑定の導入を、必ず入れるべきではないかという意見であります。

3つ目は、偽装結婚も横行していると言われている中で、偽装認知を防止するためにどのような形で実効ある対策を打とうと考えているのか。

この3点、法務当局の見解をお尋ねいたします。





平成20年11月18日 衆議院 法務委員会
[014]
自由民主党 稲田朋美
私自身もDNA鑑定には慎重なんですが、しかし一方で、やはり偽装認知ということを防ぐために諸外国でDNA鑑定を取り入れているところもございますので、今後の課題として、父子関係の科学的な検証ということについても課題として検討しなければならないのではないかと考えております。

では、そうしますと、一体どうやってこの偽装認知を防ぐかです。

私は、認知ということになりますと、やはり認知ビジネスといいますか、組織的に偽装認知をしていこうというような犯罪もふえていく懸念があるんですが、どういう段階で偽装認知をどうやって防ぐおつもりなのか、その点について民事局長にお伺いをいたします。

[015]
政府参考人(法務省民事局長) 倉吉敬
国籍取得届けをする場合には、必ず届け出人が窓口に参ります。法務局の窓口に来るわけであります。そこで戸籍等関係書類を出していただくということになりますが、このときに、法務局といたしましては、届け出人等から、父母が知り合った経緯や、それからお父さんが同居しているのか、あるいはお父さんが扶養しているのか、その有無、それからその程度、それから子供が生まれてから認知に至る経緯はどうだったのか、それから婚姻等の身分関係の状況はどうか、こういったことを詳細に聴取いたしまして、その子供が認知した男性の子であるかどうかということを慎重に確認することを予定しております。場合によっては、関係者がこういうところにいるということであれば、その関係者のお宅にお邪魔してでも任意の御協力をお願いしたいと思っておりますし、父親が届け出人となっていないという場合があるわけでありますけれども、その場合にも協力を求める予定でございます。

さらに、そういったことの聴取を通じて、子供を懐胎した時期に父母が同じ国に滞在していたのかどうかということについて疑義が生じる、こういうような場合がございます。それからさらに、今委員の御指摘のありました偽装認知の疑い、あるいは組織的な偽装認知ではないか、こういったことが疑われるという場合には、警察等の関係機関とも連絡を密にいたしましてさらなる確認をするなどして、不正の防止に全力を挙げていきたい、こう思っております。

[016]
自由民主党 稲田朋美
今おっしゃったような盛りだくさんなことを法務局の窓口でされるとすれば、どこの法務局に行ってもそれが徹底されるように、例えば通達ですとか省令、下位の法令などで全国にきちんと行き渡るようにしていただきたいということが一点と、それから、今おっしゃいました、認知をする日本国籍の男性については、原則やはり面談をして、そこはきちんと事情を聞いて、間違いがないかという点をやっていただきたいと思っております。

次に、警察にお伺いをいたしますが、国籍取得に関連して、胎児の偽装認知、偽装結婚など、どうやって摘発をし、また今回の国籍法の改正に伴ってどういった対策をされるのか、お伺いをいたしたいと思います。

[017]
政府参考人(警察庁刑事局組織犯罪対策部長) 宮本和夫
虚偽の届け出などによりまして不法滞在などの外国人が合法的な在留資格を取得しようとする事案、これまでは比較的偽装結婚のような事案が多いのでございますが、特にこういった偽装結婚などにつきましては、職業的に配偶者をあっせんするようなブローカーの役割を果たす犯罪組織が介在していることも多く、暴力団がこういった行為を行っていることも少なくございません。

偽装認知も含めまして、今後、警察としてこうした捜査をしていく場合、そのような暴力団を初め犯罪組織の介在の有無を視野に入れながら捜査を進め、かつ、法務局、入国管理局等関係機関との連携を密にしながら厳正に対処してまいる所存でございます。

[020]
自由民主党 稲田朋美
ぜひしっかりお願いをいたしたいと思っております。

また、ドイツでは、ことしの3月に父子関係の認知無効のための権利を補足する法律が制定をされました。これは、偽装認知によって外国人の母親が滞在資格を得ようとする事例がふえたことに対抗するために、民法を改正して、関係官庁にも父子関係の認知無効を求めることができるようにしたものです。私は、日本にはこういった法律がありませんので、こういったこともぜひ考えていただきたいと思っております。

それからもう一点、民事局長にお伺いをいたしたいのは、今回、最高裁の近藤裁判官の補足意見の中で、出生後認知の場合でも、出生地が日本であることや、日本に一定期間居住していることを国籍取得の要件とすることは諸外国の立法例にも見られる、また生物学上の父子関係が存在することが科学的に証明されることを要件として付加することも憲法の範囲内で考えられるんだというような補足意見を述べられております。

私も、こういった何らかの要件をつけ加えるということは決して今回の憲法判断に反しないと思っておりますが、こういった点についていかがお考えでしょうか。



[032]
公明党 大口善徳
さらに、稲田委員からも御指摘がありましたけれども、国内外のブローカー等、こういう犯罪者集団といいますか、そういうところの組織的な偽装認知に基づく虚偽の国籍取得の動き、こういうのをいち早く察知していただかなければいけません。

そういう点では、入国管理局や警察関係当局が連携して情報収集体制をしっかり構築し、そして、法と証拠に基づいて積極的に摘発をしていただきたい、こう思っておるわけです。

そして、刑事事件で有罪になれば、これは職権で国籍の取得、戸籍等抹消されるわけでございますので、やはりそういう点でもしっかりやっていただきたい、こう思っておるわけです。

この点について、法務省、警察庁からお話をお伺いしたいと思います。

[033]
政府参考人(法務省入国管理局長) 西川克行
お答えいたします。

委員御指摘の組織的な偽装認知あるいは偽装婚など、身分関係を偽装して我が国への入国、在留を画策する事案、これは在留資格制度の根幹を揺るがすということだけではなくて、我が国の社会秩序あるいは法秩序を乱すなど、極めて重大な問題であるというふうに認識をしております。

これまでも、入国管理局におきましては、身分関係の偽装等に関与するブローカー等につきましては、共同で取り締まりのプロジェクトを実施するなど、警察等関係機関と連携して情報収集に努め、また厳格に対処してきたところでございますが、偽装事案の根を絶つためにはブローカーの根絶が不可欠でありますので、今後とも警察等関係機関との連携を密にし、ブローカー対策を進めてまいりたいというふうに考えております。

[034]
政府参考人(警察庁刑事局組織犯罪対策部長) 宮本和夫
警察におきましては、偽装認知、偽装結婚など、こうした犯罪、外国人が犯罪を繰り返して行うことを助長する基盤を提供する犯罪、このようにしてとらえまして、積極的な取り締まりを進めているところでございます。

また、入国管理局と協力して、それぞれの調査、捜査を積極的に進めていくためのプロジェクト調整会議といったものを設置するなど、関係機関との連携を強化しているところでございます。

今後、国籍法改正後におきましても、警察としては、偽装結婚、偽装認知事件の捜査に当たり、暴力団でありますとかブローカーでありますとか、こうした犯罪組織の介在の有無を含めまして、真相解明のために強力に捜査を進めるとともに、入国管理局、法務局等関係機関との連携をさらに密接にしてお互いに情報交換を進めるなど、厳正に対処してまいる所存であります。





平成20年11月25日 参議院 法務委員会
[029]
公明党 木庭健太郎
そこで、先ほど松村委員の方から偽装認知の問題の御指摘があったものですから、今日は各党限られた時間での質問ということになっておりますので、この偽装認知というところの問題について本日は何問かちょっとお伺いしておきたいと思うんですけれども。

確かに偽装問題というのは、これ10月27日でしたか、朝日新聞を見ましたら、この場合はいわゆる偽装結婚の問題が、外国人女性が日本人男性と偽装結婚をして子供に日本国籍を得させたという問題、そういった指摘がなされておったのはそのとおりでございまして、先ほど局長からある程度細かく御説明もいただきましたが、法務局、とにかく国籍取得届を受け付けるに当たって、まずどう臨んでいく、もちろん、先ほど申されたように、届出が出たら届出人から状況を聴くとか、様々な点、御指摘もいただきましたが、具体的に例えばどんなことをお尋ねしたいかというと、関係人から事情聴取するというようなことを先ほどおっしゃっておりました、どんな状況だったかということも含めて聴くと。偽装認知の疑いがないか、組織的な偽装認知ではないかとか、そんなこともその場合に多分疑義がないか判断をなさるんだろうと思いますが、じゃ、そういうことを実際に調査担当する者というのは、知識も含めて、いろんな意味で一体どなたがこの問題を担当してやろうとなさっているのか。ある意味でいくと、官職でいうとどんな方が担当してこれをやるのか、若しくは、これぐらいの資格がない、の者じゃなければこれできないよとお考えになっていらっしゃるのか。その点を含めて、どう偽装認知を防止するために最大限の体制を組みやろうとしているのかを、御説明を改めていただきたいと思います。

[030]
政府参考人(法務省民事局長) 倉吉敬
この国籍取得届というのは、法務局、地方法務局の本局及び支局に提出することができます。したがいまして、これを担当する者は本局及び支局の法務事務官でございます。

御質問の趣旨は法務事務官で大丈夫かと、こういう御趣旨ではないかと思いますが、大丈夫でございます。是非この点は強調しておきたいと思うんですが、法務事務官は常日ごろから戸籍、国籍業務やこれに関する研修をしておりまして、こうしたことを通じて、民法の法律知識はもちろん、外国法令の知識も習得しております。各種証明書等の真偽の判断についての経験も積んでいるところでございます。これまでも帰化等の申請、これも同じ担当者が扱うわけでございますけれども、そうした帰化等の申請者からも事情を聴きながら、いろんな仕事をして、具体的に出ている書面と話していることが矛盾していないかとか、あるいは関係機関からいろいろ収集した資料と矛盾はないかというようなことを調べるということをごく当たり前の通常業務として行っております。

そのような調査業務を通じて、疑義のある事項を発見する能力というのも相応に備わっていると、このように考えております。





平成20年11月27日 参議院 法務委員会
[083]
新党日本 田中康夫
最初に私の立脚点を申し上げます。

私は、今回の国籍法、いわゆる「改正」に疑義があると考えております。そして、DNA鑑定制度を導入するべきであり、そのことを明記すべきであると考えております。実は、人権保障を尊重するならばなおのことこのDNA鑑定の導入が必要である、こうした立脚点に立って御質問いたします。

まさに法律のはざまに留め置かれた罪なき子供を救済せよと、第170回国会に提出されたはずの今回の国籍法の一部を改正する法律案は看過し得ぬ瑕疵を内包していると、このように考えます。

すなわち、新たに別の罪なき子供を奈落の底へと突き落とす蓋然性が極めて高い、当初から偽装認知奨励法にほかならぬと懸念されておりました本法案は、人身売買促進法、ないしは小児性愛、ペドフィリアと呼ばれますが、小児性愛黙認法と呼び得る危険性をはらんでいると私は思います。



[121]
政府参考人(警察庁刑事局組織犯罪対策部長) 宮本和夫
平成15年から平成19年までに都道府県警察からいわゆる偽装結婚事件の検挙として報告を受け警察庁が報告しているものは173事件でございまして、同様に、平成15年から平成19年までに偽装認知事件として把握しているものは3事件でございます。



[210]
公明党 木庭健太郎
ドイツの話が衆議院でもありましたし、また、これ一応確認の意味で、どう考えるのかというのをお尋ねしておきたいと思うんです。

ドイツの例というのは何かというのは、偽装結婚で戸籍を売ったりというようなブローカーがいるという問題にかかわる問題なんですけど、ドイツが1998年、これは親子法というんですか、親と子供の法、この改正によって、父親の認知宣言と母親の同意だけで父子関係の認知が成立することになりました。ところがドイツでは、この制度を悪用して滞在法上の資格を得ようという事例が現れてまいりました。不法就労のための問題なんだろうと思うんですけど。

例えば、滞在許可の期限が切れて出国義務のある女性がドイツ国籍を有するホームレスにお金を払って自分の息子を認知してもらう、この認知によって息子は自動的にドイツ市民となって、その母もドイツに滞在できることになる、こんな問題が現実に起きたわけでございまして、ドイツでは、こういう制度の悪用を防止するために、今年の3月、親子関係の認知無効のための権利を補足する法律といたしまして、その認知そのものを認めないといったわけじゃないんです、何を変えたかというと、民法を変えられまして、民法改正によって、父と子供の間に社会的、家族的関係が存在しないのに認知によって子や親の入国、滞在が認められる条件が整うケースに限って父子関係の認知無効を求める権利が所轄官庁にも与えられるというような、こういう制度をつくられたと伺っております。

こういった事例を、まあある意味じゃドイツではこういう方策をその後お取りになられたということですが、こういった問題について法務省としてどう認識をするかという見解を伺っておきたいと思います。





平成21年03月11日 衆議院 法務委員会
[018]
自由民主党 赤池誠章
2カ月で申請が110件を超えて、その半数が今回の改正国籍法に伴う結婚のない認知だということでありまして、大変多いということには驚いたわけであります。

毎月公開されるということには、法務当局の御努力には大変敬意を表しますけれども、昨年にも中国人ブローカーによる偽装認知も起きております。不正認知防止のために、窓口となる法務局での審査の厳格化、警察や入管との連携強化が実施されているということではありますが、偽装認知を一件たりとも見過ごさない、見過ごすことがあるようであれば、改めてもう一度、国籍法の再改正も含めて考えていくべきだというふうに思っておりますし、DNA型鑑定の導入の検討も附帯決議に盛られているわけでありますから、その施行状況を見ながらしっかり検討をお願いしたいというふうに思っております。

そして、重国籍者が現在53万人もいるという状況の中で、この重国籍者に対する対応ということも喫緊の課題ではないかというふうに思っております。重国籍者に対して、これは法務当局として、自主的な啓発のみならず、個別のアプローチ、手紙を出すとか、改めて催告という制度の中で選択を求める、つまり違法状態をそのまま法務省が放置しているということがないように、ぜひ引き続き強い措置をお願いしたいというふうに思います。





平成26年11月07日 衆議院 安全保障委員会
[083]
次世代の党(日本のこころを大切にする党) 中丸啓
在来外国人犯罪、なぜ安全保障の中で言うかというと、これは当然、中にテロリストのような工作員、いろいろなものが入ってくる可能性があるわけで、その犯罪の温床となっているものがどんなものがあるか、一つ、ちょっときょうは事例を挙げながら御説明をさせていただきます。

これは華風新聞といいまして、新宿で配られています、あのかいわいで。ほぼ中国語で書かれたもので、一応250円という値段は入っているんですけれども、ほぼフリーペーパーのように配られています。大体広告が中心になっているものなんですが。

これが何が問題かというと、これに載っている広告の例を一つ挙げさせていただきますと、これはすごいんです。本当、配るのが嫌で資料配付はしなかったんですが。保証人、携帯の番号。広告です。保証人になりますよ広告です。

ほかに、誰かの言葉をかりれば、口に出すのも汚らわしいというのもあるかもしれませんが、出張何とか、月収100万から150万とか180万とか。明らかに売春ですよね、これは。堂々とそういうのが、中国語であるのをいいことにじゃんじゃん広告で新宿で配られています。

それから、もっとおもしろいのが、真厨師募集。要は調理師募集なんですけれども、調理師を普通に中国語、北京語にすると、厨師だけだそうです。これは何で真とつくかというと、にせものが多いんです。野菜も切れない、洗えないような者が、要は、調理人として入ってくると非常に、入国、ビザ、さまざまな点でやりやすくて入ってくる。だからわざわざ、中華料理を経営している中国人の経営者の人は、まことの料理人を募集しますよと。

こういうことを真面目に出しているこういうペーパーがありまして、これは非常に問題だと思うんですが、これぐらいのことじゃないんです。

売春はもちろん、もっとすごいのが、行政書士、日中国際法務事務所。中国語で書いてあるので全くわからないので、わかる人に翻訳してもらいました。ちょっとどういうことが書いてあるかというと、不法滞在、密入国、成り済ましの方と日本人や定住、永住資格者の結婚手続をします、特別在留許可申請で黒を白にします、留学、就学、投資経営ビザや日本人配偶者ビザを定住、永住ビザに、帰化申請をします、就学生や留学生の出席率や単位の不足、代行でビザしますと。これはすごいですよね。法務大臣認定と書いてあります。認定申請取次行政書士。これはとんでもないんです。ちなみに、ここに名前が入っている人なんかは多分帰化しているんですよね。名前が、中国人、林何とかという人がやっているものもあるんですけれども。

こういうことを、要は、ビザが切れていようが、もっと言えば、これはもっとすごいのがあります。こういうのを率先してやっている団体もありまして、これも中国語なので、最近少しずつ覚えてきました。パスポートがなくて入った人の特別在留許可も申請できますと。このパスポート自体も、実はこれ、外務副大臣、よく聞いておいてください。これは上海の電柱です。(写真を示す)これは何が書いてあるかというと、偽造パスポートをつくりますよという広告なんですよ。すごいでしょう、中国という国は。

こういうことが平気で行われているわけなんですけれども、こういうことに対して、外務副大臣、どういうふうに受け取られますか。

[084]
外務副大臣 中山泰秀
まず冒頭、非常に問題のある広告、そしてまた、そういった法律に触れるような行為というものがもし行われているのであれば、非常に問題だというふうに思います。

それと同時に、この間も歯科用のドリルのにせものをつくっている報道をあるテレビで見ましたけれども、あれも人体に、命にかかわるようなにせものまでつくっているという可能性があるのであれば、そういったものの水際対策、一元的には法務省がしっかりとやるべき、そして外務省も連携作業でやるべきだというふうに考えます。

日本国内における外国人による、特に今御指摘の偽造旅券、また在留資格の不正取得等の違法行為への対策は極めて重要と特に考えています。

我が省といたしましても、日中領事当局間協議等の場におきまして、中国側の当局に、来日した中国人による違法行為等の問題についても問題提起を行っているということです。

また、同時に、外国人の不正な入国等を未然に阻止するため、関係省庁と連携をしていっております。水際対策の一環として、在外公館におけるビザ審査の厳格化も図ってきている。

さらに、我が国は中国と日中領事協定を締結しており、同協定に基づき、我が国当局が中国人を逮捕した場合、必ず駐日中国公使公館に逮捕事実の通報が行われております。これによりまして、中国側の関係機関が、我が国における中国人による犯罪の状況等をより詳細に把握することが可能となっており、中国側が関連の措置をとる一助となっていると考えております。

[085]
次世代の党(日本のこころを大切にする党) 中丸啓
ありがとうございます。

本当に、これも、もちろん政府間もあるんですが、実態として、今、平成25年の在日外国人の犯罪検挙率でいくと、中国が断トツですよ、もうどの部門も。検挙数、刑法犯、売春、風営違反、入管。薬事犯ぐらいですね。銃刀法も含めて、もう断トツです。こことまともな国交というのは僕はもう無理じゃないかと思います。

先ほどの、日本人配偶者後援会の電話番号、住所があるところ、行ってポストの写真も撮ってまいりました。(写真を示す)ここの住所がどういうものになっているかというと、民主中国陣線、知っている人は知っているだろうと思うんですが、そういう活動をしている団体なんですね。ここと全く同じ住所なんですよ。だから、そういう活動をしているところがこういう商売をしているわけです。これは気をつけないといけない。後でちょっと警察庁の方からコメントをもらいますけれども。

この民主中国陣線の場所にある日本人配偶者後援会の登記をちょっと調べてみました。きょうはあえて名前を伏せますが、ここの役員の一人は、元国会議員の夫だという報道もあったそうです。どの党の誰とは言いませんが、今現職にはいないということだけお伝えをしておきます。

こういったことも含めて、これは徹底的にオリンピックまでに取り締まらないといけないと思いますが、警察庁、いかがですか。

[086]
政府参考人(警察庁刑事局組織犯罪対策部長) 樹下尚
お答えいたします。

御指摘のように、外国人向けのフリーペーパーに犯罪を助長するかのような広告が載せられ、繁華街や歓楽街等で配布されているという状況があるということにつきましては、警察としても把握をしているところでございます。

警察といたしましては、御指摘のようなフリーペーパーの広告を含めて幅広く情報収集に努めておりまして、実際に来日外国人がこういったフリーペーパーの広告をきっかけとして入管法違反でありますとか偽装結婚等の犯罪を敢行した事案も検挙しているところでございます。

いずれにせよ、引き続き幅広く情報収集を行いまして、違法行為に対しましては厳正に対処してまいりたいと考えております。



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