岡山大学北津寮襲撃事件 ~ マルクス主義青年同盟(マル青同)、民主統一同盟、「がんばろう、日本!」国民協議会

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昭和50年06月03日 参議院 地方行政委員会
[175]
日本共産党 神谷信之助
次は、先般5月25日でしたか、岡山大学の構内で大沢君という学生が殺されるという事件が起こりました。この殺人事件の概要について報告を求めたいと思います。

[176]
政府委員(警察庁警備局長) 三井脩
5月25日、日曜日午後8時15分ごろ、岡山市にあります岡山大学学生寮の寮生ら約10人が、大学教養部の前の道路上におきまして、マイクロバスを先頭にしたマル青同、つまりマルクス主義青年同盟でありますが、そのメンバー20数人との衝突事案がありました。マル青同はマイクロバスを学生の中に突っ込みまして、さらに鉄パイプなどで襲うということで、寮生側15人が加療3日から1カ月の傷害を受けました。

当日発生いたしました事案はこういうことでありましたが、その後27日になって、大学当局から警察に対しまして、寮生の大沢真、18歳がこの25日の夜以来行方不明になっているという届け出がありまして、警察において捜索をいたしましたところ、29日になりまして、大学から約5キロ離れた採石場の山林の中に死体で遺棄されておるのを発見したわけであります。死因は、解剖いたした結果、頭蓋骨複雑骨折によるということが判明いたしております。事案の概要は以上でございます。

[177]
日本共産党 神谷信之助
ひとつこの事件で、昨日、岡山県警の警備部長にお会いしたかったんですが、お会いできなかったものですから、一応問題点についての質問を出して、この委員会までに報告をするように要請をしたんですが、それはできていますか。

[178]
政府委員(警察庁警備局長) 三井脩
ただいま事案捜査中でございますので、その資料に提出については御容赦願いたい、こういうことで本日お答えを申し上げる次第でございます。

[179]
日本共産党 神谷信之助
そうすると、問題を追求することができぬじゃないですかね。たとえば、マル青同というのが岡山大学に姿をあらわしたのが、大体4月、8日という人もありますが、大体多くの人は16日と言っています。マイクロバスで岡大に来たと。

4月の中旬に岡山にあらわれて、城下マンションというところにアジトをつくりまして、これについては岡山の東署、西署はすぐつかんで、そして尾行等を行って彼らの動きをつかんでいたという話があるんですが、その事実関係は一体どうなんですか。

[180]
政府委員(警察庁警備局長) 三井脩
4月の中旬に岡山でマル青同の動きがあるということを知り、これについて警戒をいたしておりました。ただ、知るという程度の中身でございますけれども、逐一知っておったというわけではありませんが、警戒すべき対象ということで構えておったということでございます。

[181]
日本共産党 神谷信之助
それじゃ、25日の事件当日の行為そのものについてお伺いしたいんですが、25日午後4時過ぎに、2台のマイクロバスに分乗したマル青同と称する連中が、岡山大学の構内にある北津寮に侵入をして学生に危害を加えた。3週間に及ぶ重傷を加えるというような危害を加えて、そして一たん午後5時ごろ引き揚げた。

こういう事件が25日日曜日に起こりましたが、このことについては県警の方には連絡が、報告が入っていたのか、入っていなかったのか、いかがですか。

[182]
政府委員(警察庁警備局長) 三井脩
当日、マイクロバス2台と乗用車などで25~26人のマル青同と思われる者が北津寮に行き、寮に入ったということは、岡山大学の、当日日曜日でありますが、日宿の職員から西署の当直の警察官が通報を受けております。

[183]
日本共産党 神谷信之助
それで警察の方はどうしたんですか。

[184]
政府委員(警察庁警備局長) 三井脩
警察の方は、その内容といいますか、視察員を出して状況を見る努力をいたしました。

[185]
日本共産党 神谷信之助
大学の方からは警備の要請なりあるいは出動の要請はあったのですか、なかったのですか。

[186]
政府委員(警察庁警備局長) 三井脩
大学からは出動要請はございません。ございませんでした。

[187]
日本共産党 神谷信之助
警備要請は。

[188]
政府委員(警察庁警備局長) 三井脩
警備要請もございません。

[189]
日本共産党 神谷信之助
きのう岡山大学の谷口学長にお会いをしたら、17時30分、大学は警察に連絡をとって警備要請を行った、こういうように学長は言っているんですが、全くなかったんですか。

[190]
政府委員(警察庁警備局長) 三井脩
大学からは警備要請はありませんで、午後6時30分ごろ、大学学生部の次長から機動隊の待機をお願いするということはございました。これが警備要請であるかどうかということはまた言葉の問題かと思いますけれども、要するに警察来てくださいというような意味のことは全くなかった。単に警察待機しておってくださいというだけのことはございました。

[191]
日本共産党 神谷信之助
待機の要請があれば、どういうことなんですか、西署にじっと待っておるんですか、それとも大学の近くまで部隊を出すわけですか。どういう――警官を配置するわけですか。

[192]
政府委員(警察庁警備局長) 三井脩
待機要請自身は、ただ待っておれ、待っていてくれというような意味でありますから、大学がそう言っても、別にわれわれはそれに拘束されることはないわけでありますけれども、待機のもとになる事態というものをわれわれとしては考え、警戒のために視察員を出すという意味での警戒というものはやっておりました。

[193]
日本共産党 神谷信之助
これも大分大学側と違うんですね。新聞によりますと、5時半と6時半というのが2つあります、警察へ連絡したといいますか、通報した。で、大学側は最終的に昨日、それは5時半に行いましたというように、統一見解ですか、統一発表を学長がしています。そうして警備要請というか待機要請というか、いずれにしても、それをやったら警察の方が岡山大の西門のところまではすぐ来てもらえるということを期待をしておったと言っています。ところが、実際にはなかなか来てもらえなかったということが一つ問題だというように思います。

それから、事件が起こりまして、8時10分ごろ、陸上競技場付近に集結した学生の集団にマイクロバスが突っ込んで、そうして負傷者が出て、1~2回あの周辺をマイクロバスでぐるぐる構内を回って、そうして8時半ごろに2台のマイクロバスは引き揚げていったわけですが、この一連の暴力事件によって、最後には死体になって出てきた大沢君を初め10数名の学生が危害をこうむったわけですが、この時点で暴力事件が起こったんですが、警察の方は現場検証はなさったんですか、すぐ。あるいは現場検証をなさったのは、いつになったんですか。

[194]
政府委員(警察庁警備局長) 三井脩
現場検証は大学側で、検証はもう御存じのように国立大学でございますから大学側の立ち会いがなければ実施できないわけでございます。

警察といたしましては、当日直ちに現場検証をしたいと、こういうことを学校に申し入れましたけれども、大学当局におきましては、当日は困ると、こういう返事で、つまりその意味は、立ち会いも出さぬという意味も含まれておるかと思いますけれども、立ち会わなければ執行は不可能でございますけれども、当日断られた。じゃ翌日朝はどうかと言うと、朝は学生がおって困る、したがって、授業がなくなった夕方にしてくれと、こういう大学側の返事でございまして、当日の夕刻実施いたしておるという状況でございます。

[195]
日本共産党 神谷信之助
現場検証の状況はどうだったんですか。そういうような暴力事件、8時10分から8時半ごろの間に暴力事件が起こった。その現場は、翌日の夕方でしょう、警察が現場検証したのは。ちゃんと現場は保存されておったんですか。どうなっておったんですか。

[196]
政府委員(警察庁警備局長) 三井脩
現場におきまして検証を実施いたしました結果、竹ざおとか角材、パイプなど16点を押収をする、その他タオル1本などを押収をいたしました。

当日警察部隊を出してその警戒も行いましたが、学生が約80人で学内デモ、抗議の意味でデモを実施するという状況でありました。

ただいまお話しの、どういう状態で保存されておったかという詳細については存じませんけれども、検証並びに押収ということはいたしておるということでございます。

[197]
日本共産党 神谷信之助
現場へ行きましたけれども、構内の寮と学校との間の通路上ですから、別になわが張ってあるわけでなしに、その後も明くる日まる一日、学生が通行しているわけですね。

だからどうにも私は解せないんですが、なるほど大学側の立ち会いを必要とするけれども、警察の側から言えば、事件が発生すれば直ちに現場検証して、初動捜査をやらないことには大変なことになるわけでしょう、犯人をつかまえるにしても。ところが、それを大学がそう言うからということで、この事件に限りじゃないかと思うんですが、現場にも顔を出さない、見ようともしない。まあ見ようとしたけれども大学がうんと言わなかったといったことにしても、それは警察の方の立場というのをはっきりさせれば、どうしても困るということにならぬわけのものじゃないかと思うんですが、どうしてもそれだけ現場検証がおくれたことになるんですか。

[198]
政府委員(警察庁警備局長) 三井脩
普通はいろいろの犯罪がありますと、私人の家の中で起こっても、直ちに機動捜査隊を初め捜査員がその場に入る、これは検証令状なしに、強制的でなく任意に関係者の同意を得て入る、現場を見るということをやるのが通常でありますけれども、大学の中につきましては、御存じのようなことでございまして、43年の学園紛争が大変燃え盛ったころ、ああいうときも同様でありますが、大学側、大学当局者の立ち会いがないと、そのために、検証あるいは捜索――いずれも立ち会いをしますけども、これをしばしば延ばしたり、あるいは時によって全くできなかったりというようなことがあるわけでありまして、大学側の考慮は、警察側がそういう捜査活動をすることによって学内におる学生の刺激になって、これがまた次の事案を起こすことになるおそれがある、こういうのがいつも立ち会い拒否ないしは条件をつけてくるという場合の言い方ということで、捜査の立場から申しますと、大変その点は痛手、捜査そのものの能率的、効率的な遂行という観点から言いますと大きなハンディキャップになっておるということをいままで耐えしのんでやってきておるというのが、大学との関係においてはただいまの現状でございます。

こういう点については平素から大学側にも十分理解いただき、捜索について適切な時期にタイムリーにこれを行うということをやるようにいろいろ努力をいたしておりますから、現実に学園紛争とか、こういうような両派の集団的による内ゲバといったような事態のないところ、そういうところはまた別の意味でそういう検証や捜索の必要も少ないということになろうかと思いますけれども、だんだんとよくなっておるという状況ではありますけれども、時に本件のような事例もなお後を絶たないというのが現在の状況でございます。

[199]
日本共産党 神谷信之助
マイクロバスが今度は8時半ごろに大学から出て行っていますね、マイクロバス2台と白い乗用車1台が。これは結局、その時期には大体近くまで警官は来ておったように思うんですがね。これはつかまえることができなかったんですか。そして犯人は逮捕できたのかどうか、その辺の状況をちょっと聴かしてもらいたい。

[200]
政府委員(警察庁警備局長) 三井脩
マイクロバスが出たときは、警察官、警察部隊は別の機動隊の待機所の方に待機しておりましたから、そこには部隊としてはおりませんでしたけれども、私服の警察官が視察その他の活動をいたしておりましたので、出ておることは承知いたしております。ただ、行方不明になったというようなことは、その当時はわれわれは聴いておりませんので、そのマイクロバスがそれに乗せて連れて行ったとかというような状況では当時なかったという認識だったものですから、これを職務質問をしたりというようなことはしておりません。

ただし、これはマル青同のメンバーの乗っておる車ということでありますので、これは一体どこに行く車なのかということで、車の行き先は突きとめました。その結果、その行った先はわかったわけでありますが、その翌日その車も逃げていなくなったわけですけれども、この事件といいますか、翌日の手配によりまして、検問でこの車を発見いたしました。そのときに6名乗っておったわけでありますが、これが内ゲバに使われる凶器にもなるようなものを持っておると――まあそれ自身は凶器とは言えませんが。したがいまして、この6人を軽犯罪法の現行犯ということで逮捕いたしました。

これは、その前の日にその車の行き先を突きとめておった、またこれはマル青同の車であるということを番号その他によって確認しておったということの効果だと思いますが、したがいまして、現在は、この6名、軽犯罪法でありますけれども、その事態の背景というものも考慮されたことだと思いますけれども、勾留がついております。したがって、その勾留の中で6名を取り調べておるという中で、本件殺人、死体遺棄事件の手がかりも得られることを期待しておるという状況でありますが、何分大変黙秘でございまして、6名のうち身元が――本人はもちろんしゃべりませんけれども、われわれの捜査によって身元判明したのが6名のうちの半分の3名にとどまっておる、こういう状況で、今後の取り調べ、捜査を大いに強力に遂行するということが望まれる現在の段階でございます。

[201]
日本共産党 神谷信之助
殺された大沢君は、人も普通は行かないような採石場の近くで発見されました。4日間まる裸で埋められて、そして木の葉や草、土がかけられ、その上には石が並べられてあったというむごい状態で死体となって発見された。きわめて凶悪な犯罪が行われたわけであります。

そこで、文部省の方、こういう大学における暴力事件、殺人事件というのが後を絶たないんですが、まず岡山大学のこの事件について、文部省の方ではどういう報告を受け取っておられるか、お聞かせ願いたいと思います。

[202]
説明員(文部省大学局学生課長) 十文字孝夫
私ども大学の方から報告を受けておりますのは、先ほど警備局長の方からお話がありましたように、5月25日、日曜日の4時過ぎに2台のマイクロバスに分乗した、いわゆるマル青同と称する集団が岡山大学の北津寮に侵入いたしました。そのときに、寮の自治会の委員長外1名に重軽傷を負わせて逃亡をしたということでございます。

さらに、その日の6時15分ごろ、同じく2台のマイクロバスに分乗いたしましたマル青同の集団が約20人ばかり、北津寮に侵入したということでございます。

その後、8時ごろになりまして、約70人ぐらいの寮生が、付近にあります陸上競技場のところに集まりまして、寮の中にいるマル青同の集団に対して反撃を加えるというような気配がございました。

それに対しましては、大学の方といたしましても、寮の中にいるグループと寮生との間の衝突を懸念いたしまして、寮生に対しまして良識のある行動をとるように、その場から去るようにというような説得を続けていたわけでございまして、ちょうどそのときに突然、8時10分ごろでございますが、その寮生の70人ばかりの集団の中にマル青同のマイクロバス1台が突っ込みまして、双方の間で衝突になり、乱闘になったという状況であったわけでございます。

そのときに重軽傷者14人が出るというようなことでございまして、恐らくこれは推測でございますけれども、そのときに大沢真君がマイクロバスにひかれたということではなかろうか、そのように報告を受けております。

[203]
日本共産党 神谷信之助
そこで、こういう暴力問題について、文部省はどういうように大学に対して指示、指導しているのですか。

[204]
説明員(文部省大学局学生課長) 十文字孝夫
申すまでもなく、本来本当に自由で、そして秩序ある環境の中で大学の教育研究活動というものは整然と進められなければならないわけでございます。そういう大学の構内におきまして今回のような殺人事件が起こるというようなことにつきましては、私どもまことに遺憾なことだというふうに思っております。

かねがね私どもといたしましては、学園の中におきます暴力というものの排除につきましては、機会あるごとに、たとえば学長会議等でございますけれども、そういうときに、大臣を初めとしまして、私ども関係者の方から大学当局に対しまして、学内秩序の維持の責任が大変重大であるということを指摘いたしまして、ぜひ大学の全教職員を挙げてその責任を全うしていただきたいということで努力を促してきているところでございます。特に、刑事上の事件につきましては、警察当局との緊密な連絡をとりまして、学内秩序を維持していくために適切な処置をとってほしいということを、繰り返し繰り返し大学当局に対して指導してきておるところでございます。

今回の岡山大学におきましても、このたびの事件につきましては、学長初め関係者一同責任を痛感いたしておりまして、再びこのような事件が繰り返されることのないように、全学をあげて暴力排除のための方策を真剣に検討しておるところでございます。私どももさらに大学に対する指導の徹底をはかりまして、大学当局の一層の努力をお願いしてまいりたい、かように考えております。

[205]
日本共産党 神谷信之助
では、この岡山大学はこの殺人事件が起こるまでに、昨年の暮れから考えてみましても、たくさんの暴力事件が起こっておるわけですよ。

12月の18日、これは岡山大学の北津寮内におるところの赤旗の読者に赤旗を配りに行った女子の配達員、これが2時間半にわたって監禁をされる。赤旗は反革命通信だから配らせない、もしおまえが共産党員なら糾弾するから女子寮に帰さないというようなことを2時間半にわたって脅迫をするというような事件が起こった。

その翌日19日、20日には、ヘルメットをかぶった竹やり姿で学内をのし歩き出して、そして19、20日、2回にわたり、法経の学生部ボックスに襲撃をする。そして7人が1人を追いかけ回して竹やりでめった打ちにする。

それから20日には、学生会館の西で、完全武装の7人が1人の学生をつかまえて暴行をふるった。それを見ていたほかの学生が抗議したら、それに対しても暴行を行う。

これはいわゆる北津寮委員会、反戦共闘、解同、解放研、こういうものを名のる連中がこのごろはやっているわけですね。

そして今年の2月25日、それから27日、これは「橋のない川」の映画の上映に反対をして、反戦共闘の連中が同じように暴行、暴力をやる。

こういう状況が昨年の暮れからことしにかけて起こっている。すなわち、そのころの北津寮を暴力的に支配していたのは反戦共闘、解放研の連中であったわけです。

ところが4月の中旬ごろに、先ほど言いましたマイクロバスでマル青同の連中がやってきた。そしてこれが教育学部の喫茶室の横の、彼らが勝手に使った解放研の部屋、これも勝手に不法に占拠しちゃったのですが、その部屋を占拠して、そこを拠点に授業時間中に授業を妨害して演説をするとか、あるいは寮の中に入って彼らのオルグというやつをやる、あるいはスピーカーで演説をする、こういう行為が行われた。

4月23日の朝9時ごろですか、これは岡大の西門でビラまきをしておった4人が襲撃をされた。

24日の昼には、医学部の学生会の副委員長の広瀬君というのが学生会館で取り巻かれて暴力を受ける、そういう状況が起こりました。

これら暴力行為が起こっているのに対して、昨日谷口学長に、一体そういう暴力行為が学内で起こっているのをあなた、学校当局は知っているのかと聞いたら、学生部長は、学生の方から連絡がないから知りませんと、こう言うのですね。学生の方から言ってくれないからわかりませんというのです。そういう暴力行為が行われたことについて何らの手を打っていません。

それから、学校の建物である、いわゆる国有財産である部屋を勝手に彼らが占拠して使っている。これは知っているかと言ったら、それは知っておりますと。それに対してどういう措置をしたかと言ったら、別に何も措置はしていない。だから自由に暴力的に占拠して、力の強い者はそのまま、ほしいままにできるという、そういう状況が野放しにされているわけです。

ですから、これでは学園がまさに暴力によって支配をされるということで、法経の学生大会が開かれて、そうして大学あてに暴力一掃のための公開質問状を出した。これについて学長はどうだと言って聞いたら、それはそういうものが出たということは聞いている。聞いていると言うのです。聞いているというのはどういうことだと言うと、それは当該の学部長に任せてある、だから当該の学部長がしかるべく処理をしているはずだと、こういうことです。

文部省のいまのお話ですと、学長を呼んで、暴力をなくすために、そうして学園の平和と真理追求の学園をつくるために努力をするように盛んにおっしゃっているのだけれども、そういうふうに毎日のように起こる暴力に対して適切な手を打とうとしない。しかも学生の中から暴力をなくそうという運動が起こっても、それに対して見向きもしない、こういう状態が4月の段階に起こった。ですから、ますますこのマル青同の連中は大きな顔をして学園の中を暴れ回る。

そうして一たん、4月28日ごろになりますとマル青同は姿を消しますが、その後5月の8日、16日、あらわれてきております。そうして、今度はさらに一たんまた消えて、21日から以後姿をあらわして、次から次へと、これも次から次へと暴力行為をやっております。教官が、教授が授業をやっている最中に覆面をしてマル青同の連中が入ってきたものですから、その覆面を取ろうとしたら逆に殴られるという事件が起こった、授業時間中にですね。大学の方は学長じゃなしに、学長がおらないので学長代行の大饗先生というのが、そういうことが授業時間中に行われたら、つかまえて覆面を取って、氏名を確認せよという指示を出した。ですから、憲法の上野先生というのがそれを自分でやったら、逆に殴られちゃった。そういう状況が22日、23日に起こっております。そして25日にとうとう殺人事件にまでエスカレートしているわけです。

こうやって見てみますと、大学の方は一体暴力に対してどんな手を打ったか。したいほうだいやらしているじゃないか。しかも、学生の中から、暴力をなくそう、こう言って学長に要請を出しても、それについて見向きもしない。学長以下全教官、それから大学の関係者、それから学生諸君、これらが暴力をなくすために団結をして、そういう暴力分子を孤立さして初めて暴力なくすことができるわけですね。実際暴力を働いているのは、岡山大学の中のマル青同に入っているのは数人だと言っております、学長の話では。せいぜい数人ぐらいです。だから、全学の学生なり学長以下教官、事務職員まで含めて、そういうしたいほうだいの暴力を許さないということで団結するならば、彼らを追い出すこともできるわけです。学生の中からそういう声が上がっても取り上げようとしないし、そして構内で国有財産をしたいほうだい私有し占有しても、それに対して一片の通告もしない、警告もしない。

そして最後どうなったかといいますと、学長はきのうこう言っているんですよ。5時半ごろに警察に、先ほど言いました要請をした。そうしたら、一たん出たわけです。一たん出たのも、彼らは北津寮の中に4時過ぎに行って、そしてそこにおったプロ青同の、セクトが違う、ブンドですか、寮の委員長です、それをつかまえて3週間のけがをさせた。ちょうどたまたま体育関係の者が、けがをしたものですから110番で救急車を呼んだものですから、あわてて一たん寮から出たんですけれども、そうしてもう一遍6時ごろから侵入した。学長は退去命令を出そうとそのとき考えた。ところが、中に重傷になった学生もおるらしい、あるいは一部の学生がとりこになっているらしい、そこで警察に出動を求めたら岡大の学生も一緒くたになって逮捕されてしまう、それはぐあい悪いじゃないかと思ってちゅうちょしている間にこの殺人事件が起こってしまった。

殺人事件が起こった現場には学校側の責任者はだれもいません。その直前に、寮生が約70名陸上競技場付近に集結をしておるのに対して、学部長以下6名が説得に行ったわけですけれども、これも逆にヤジられて説得し切れずに帰ってしまって、そしてだれも学校の責任者がおらないところで、学生ら勝手にけんかをするならしなさいと言わぬばかりの態度ですね。そういうことでさっさと学長室に引き揚げて、そして頭を抱えて考える。その間にマイクロバスで頭をひかれて大沢君というのは殺されたわけです。やっと大学に入って50日くらいでしょう。ですから、学校にやっとなれてきて生き生きとした学生生活をやろうとした途端に殺されてしまう。しかも、先ほど言いましたように、むごいような、常人にはできないようなひどい死体の放置をやっています。





平成23年12月06日 参議院 予算委員会
[055]
自由民主党 西田昌司
「がんばろう、日本!」国民協議会という実は政治団体があるんです。これはどういう団体かといいますと、いわゆるマルクス主義青年同盟、マル青同といいますが、そこからどんどん名前が変わってきてできた団体なんですね。

時間がないので私の方から説明しますが、1973年ごろに結成されて、74年のフォード大統領が来日した際には米ソの両大使館を襲撃して火炎瓶を投擲すると。1975年5月には、岡山大学の北津寮で武装襲撃をして、当時の岡山大1年生18歳を殺害、死体を山中に遺棄した、そういう事件を引き起こしています。そして、その団体が1988年に民主統一同盟と改称して、機関紙もそうなっているんですね。(資料提示)それが認めるのがこれなんですね。こういうふうに「党旗」という機関紙から「民主統一」、そして今「日本再生」となっているんですけれども。

今私が言いましたことにつきまして、事実関係、これを事務方から、警備局長の方から事実関係を教えてください。

[056]
政府参考人(警察庁警備局長) 西村泰彦
マルクス主義青年同盟は、過去に委員御指摘のような事件を起こし、その後、民主統一同盟と改称、機関紙も「民主統一」に変更したと承知しております。

[057]
自由民主党 西田昌司
私の言ったことは、そのまま事実だということをおっしゃったわけですね。

それで、この民主統一同盟は極左暴力集団として今も公安の監視対象じゃないんですか。そのことも教えてくださいよ。

[058]
政府参考人(警察庁警備局長) 西村泰彦
警察としましては、警察法第2条に定められた公共の安全と秩序の維持という責務を果たすため、御指摘の団体を含め極左暴力集団の動向には重大な関心を有しているところであります。

[059]
自由民主党 西田昌司
そして、今見ていただいたように、要するに公安の監視対象なんです。そして、その団体が、ここに書いてありますように、民主統一同盟の機関紙が、「がんばろう、日本!」、民主統一同盟機関紙となっているでしょう。それが「日本再生」という機関紙なんですが、こういう政治団体がまた新しくつくられているんです。


そこで、私が聞きたいのは、まず、民主統一同盟もこれ政治活動している団体なんですが、この団体が政治団体としての届出をしているのか、そしてついでに、「がんばろう、日本!」国民協議会も政治団体の届出をしているのか、選挙部長、お答えください。

[060]
政府参考人(総務省自治行政局選挙部長) 田口尚文
お答え申し上げます。

お尋ねのございました民主統一同盟と「がんばろう、日本!」国民協議会につきましては、総務大臣に対して政治団体の届出は提出をされてございません。また、東京都選管に確認したところ、同様に政治団体の届出は提出されていないとのことでございました。

[061]
自由民主党 西田昌司
つまり、これははっきり言いまして非合法団体ですよ。政治活動として行動するためには、当然その政治団体の届出をしなければならないんです。ところが、それがされていないということが今話にありました。

この政治団体の届出をせずに政治活動をした場合には、これは罰則があるんじゃないですか、禁止規定があるんじゃないですか。

[062]
政府参考人(総務省自治行政局選挙部長) 田口尚文
お答え申し上げます。

総務省として個別の事案についてのお答えは差し控えさせていただきますが、その上で一般論として申し上げますと、規正法の6条で、政治団体は組織の日から7日以内に当該政治団体の目的等を届け出る必要がございますが、この規定についての直接の罰則はございませんが、同法8条によりまして、政治団体は、その政治団体の届出の後でなければ、政治活動のために寄附を受け、又は支出することができないという規定がございます。

[063]
自由民主党 西田昌司
つまり、政治活動するためには届けなければならないのに届けずに活動しているんです、機関紙を出しているんですね。

そして、先ほど言いましたように、その民主統一同盟、これが公安の監視対象、そしてそれが表裏一体であるというのは、これ見てください、このパネル。これは私がその事務所のあるビルに行って撮ってきた写真なんです。これは外堀通り沿いの一等地にありますが、この同じビルの中に、同じフロアというか、まさに同一の存在としてこういう形で銘板も上がっているということですね。

ここまでちょっと長い前振りでしたけれども、させていただきました。

そして、次のパネルを見てください。これをまとめるとこういうことなんですよ。要するに、この団体は、マル青同、そして民主統一同盟、「がんばろう、日本!」国民協議会というのは事実上同じ団体なんです。名前が変更されてきただけなんです。

そして、彼らがやってきたことは、1973年に結成されてから過激派の活動をして殺人事件まで犯している。そして、それも一切今まで総括、反省がないんですよ。

そのまま今は改革保守ということで、いわゆるこれ偽装転向というんですよ、偽装転向して、そして民主党の若手議員中心にアプローチを積極的にされています。これは、シンポジウムに呼ばれたり、そしてまた選挙の応援をしたりビラ配りをしたり、こういうことをしているんです。そして、さらには東アジア共同体構想というのをこの中で再三にわたり様々な学者から主張させてきています。

さらに、マニフェストによって政権交代をさせるんだと、こういうことも言っています。どこかで聞いたことあるでしょう。まさに、民主党政権の政権交代をさせてきた原動力といいましょうか、ある意味でシンクタンク、活動部隊、そういうような実は活動をしてきているんです。

さらに、民主党の特定議員に継続して献金をしておりまして、そして政治団体も無届け、実体が分からない、そして現在も公安の監視対象だということです。

さあそこで、これぐらい問題がある団体なんですけれども、野田総理、野田総理は過去3回、少なくとも、この団体、代表者Tさんとしておきましょう、Tさんを囲む会始めこの団体の会合に出席されていますね。今も私言いましたように、この方のこういう過去を御存じでしたか。

[064]
内閣総理大臣 野田佳彦
前身は知りませんでした。したがって、むしろ機関紙での論調は改革保守の論調だと思いましたので、呼ばれたときのシンポジウムとか結構名立たる学者の皆さんが呼ばれたり、あるいはそういう集会で御挨拶をしたことはあります。インタビューも受けたことがあったかもしれませんという記憶はあります。(発言する者あり)

[065]
自由民主党 西田昌司
それで今、こんな団体に付き合っちゃいけないという意見がありましたけどね。これ、事実なんです。今、公安の方が確認していただきました。これ事実なんです、私が言っているのは。そのことを聞かれて、これからやっぱりお付き合いされていきますか。どうされます。

[066]
内閣総理大臣 野田佳彦
私、今直接お付き合いはありません。もう数年ぐらいお付き合いはありませんので、基本的にはこちらから何かお付き合いを求めてきたということはありません。これからもそうしたいというふうに思います。

[067]
自由民主党 西田昌司
民主党としてもどうなんですか。あなたは今民主党の代表でしょう。民主党の議員の方々と非常に深いお付き合いをされているんですよ。ですから、私言っているんです。党としてこういう方々とはお付き合いすべきじゃないんじゃないですか。

[068]
内閣総理大臣 野田佳彦
前身が分かった以上は、これは党としても十分に脇を締めていかなければいけないというふうに思います。

[069]
自由民主党 西田昌司
それで、ちょっとこれを見てくださいね。驚くべきことに、T氏からの献金なんですよ。ここにありますように、あなたの内閣の主要閣僚がずっと長い間お付き合いをしてT氏から献金をもらっておられます。古川元久大臣、少なくとも私が調べた限り、平成15年から81万円、枝野さんは92万円、野田総理、あなたも1万円ですがもらっておられます。小宮山大臣も2万円。そして、あなたの側近中の側近と言われている手塚総理補佐官、この方は52万2000円。そして、一番大きいのは、今、内閣には入っておられませんが、原口さんも184万円です。

これ、すごい金額の個人で寄附をされているんですが、野田総理、野田総理、この方は一体何の、Tさんという方は何の職業をされている方なんです。

[070]
内閣総理大臣 野田佳彦
職業を知りません。

[071]
自由民主党 西田昌司
職業を知らない方とよくお付き合いしますね。いや、本当に、これが実態なんですよ。先ほど言いましたように、外国人の方であるかどうか知りません、いわゆる暴力団関係の方かどうかも知りません、お金をくれる人のところには、票をくれる人のところには何ぼでも行く。そして、現在もらっておられる方はたくさんいるんですよ。これがあなた方の、民主党の実態じゃないですか。

いや、本当にこの方は何されている方か、公安の方で教えてください。どういう方なんですか、Tさんという方は。

[072]
政府参考人(警察庁警備局長) 西村泰彦
特定の個人に関してのお答えは差し控えさせていただきます。

[073]
自由民主党 西田昌司
これは実は誰も分からないんです。私も随分調べましたけれども、この方はずっと学生時代から、革命運動といいましょうかね、こういうことをされていたんですよ。それをされていて、職業就いたことないんですね。ところが、いつの間にかお金が自由にできる。しかも、言っておきますけれども、この政治資金団体の寄附じゃないですよ、この人個人から、Tさんから寄附を皆さん方もらっておられるんですよ。それが今、総理に聞きましたら、シンポジウムとか囲む会行っているけれども、何をされている方ですかといえば、知らない。これ、とんでもない話じゃないですか。

蓮舫大臣、あなたはこの「がんばろう、日本!」に選挙応援もしていただきましたね、違うんですか。

[074]
内閣府特命担当大臣(「新しい公共」・少子化対策・男女共同参画・行政刷新) 蓮舫
選挙応援、ごめんなさい、ちょっと初めて今伺ったので、調べさせてもらえますか。──調べさせてください。

[075]
自由民主党 西田昌司
調べるまでもないでしょう。あなたの初選挙ですよ。手塚補佐官に勧められて立候補したんでしょう。手塚補佐官の秘書の方と一緒にあなたは選挙運動ずっとやっていたんですよ。

そして、手塚さんのホームページにはっきり書いてあるんです。何て書いてあるかと。非常に熱心に献身的に則天去私で応援してくれる団体があった。それが「がんばろう、日本!」だと。その当時は東大和に事務所があったんです。そこで集団生活をしながらずっと献身的に蓮舫さんの選挙応援をしてくれていたと感謝しているブログが書いてあるんですよ。

あなたはずっとそれに応援していただいて、その方々が車3台使ってあなたの選挙応援していると書いているんですよ。知らないはずがないじゃないですか。何を言っているんですか。もう一度答えなさいよ。

[076]
内閣府特命担当大臣(「新しい公共」・少子化対策・男女共同参画・行政刷新) 蓮舫
済みません、いろいろと今言われましたけれども、ここで私が実際に調査をして知っていることとしてお答えをしないと、またそれは失礼に当たりますし、ちょっと調べさせていただきたいと思います。





平成23年12月07日 参議院 決算委員会
[070]
自由民主党 中川雅治
昨日の予算委員会の集中審議で同僚の西田昌司議員が指摘したように、旧マル青同の「がんばろう、日本!」国民協議会の人たちが、これは元過激派ですよね、この人たちがマニフェスト作成に大きな役割を果たしたということも言われているわけでありまして、あのでたらめな詐欺マニフェストができた過程、原因を徹底的に究明して公表していただきたいと思うんです。そこから総理がこういうしっかりとした案を示して、今度は国民の信頼を得る、そういう案を作っていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。

[071]
内閣総理大臣 野田佳彦
一点だけ強く申し上げたいですが、特定の政治的なグループが私どものマニフェストにかかわったということは全くありません。



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