課税権の国際法上の限界-竹島の地位

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平成09年04月17日 参議院 日米安全保障条約の実施に伴う土地使用等に関する特別委員会
[067]
新進党 益田洋介
東京地方裁判所の昭和36年11月9日の判例があります。「辻富蔵V国および島根県」ということで、これは「課税権の国際法上の限界-竹島の地位」という命題で裁判が行われました。どういうことかというと、昭和29年の2月26日に原告が竹島における採掘権を許可され、登録がなされた。ところが、竹島は昭和29年5月以降韓国によって占拠された。事実上採掘が実施できなかった。したがって、原告は、課税処分は違法であり納付義務がないということの確認を求めたほか、損害をこうむったとして、内閣総理大臣の義務懈怠によるものであるから国の損害賠償を請求した。

それに対して東京地裁は、日本国の統治権は原則として日本国民及び日本国の領土内にあるものに対してあまねく及んでいるものだ、国際的二重課税防止の見地から、課税対象である鉱業権の所在地である竹島は日本国の統治下にあるものだから、日本国の統治権の一作用としての課税権が消滅する理由はない。鉱区所在地域に対する統治権が失われたわけではなく、行使が事実上不可能になったにすぎないんだ、鉱区税の賦課徴収権は消滅していないんだ、納付義務がないことの確認を求めた部分はしたがって却下されましたし、損害賠償請求は棄却された。





平成09年04月21日 参議院 国際問題に関する調査会
[033]
新進党 益田洋介
韓国の場合は、竹島に関しては条約に基づいてもいないし、占拠しているだけでございますから統治権なんかもともとあるわけがない。ですから統治権は、私は日本が持ち続けているのであるし、したがって日本の施政下にある。しかし、占拠しているので要するに行使できない。こういう状態で、集団的自衛権と似たような状況になっているんだと思いますけれども。

それから、一つおもしろいことで、局長というお立場だとやはり外務省の統一見解ということになるかもしれませんけれども、私が発見しました判例があるんです。残念ながら、これは最高裁の判例じゃなくて東京地裁の判例で、昭和36年11月9日、「課税権の国際法上の限界-竹島の地位」、こういうふうな副題がついた判決が下されました。

どういうことかといいますと、原告は、昭和29年2月26日に採掘権を許可されている、竹島において。登録もなされている。ところが、29年5月以降、竹島は韓国によって占拠されたので実質的に採掘作業を行えなくなった。しかし、課税はされておりまして、課税処分はしたがって違法であって、それによって莫大な損害をこうむったので、得べかりし利益ということですが、内閣総理大臣の義務懈怠によるものだとして、国に損害賠償を請求した。

判決はどういうことかといいますと、日本国の統治権は日本国民及び日本の領土内にあまねく及んでいるんだと。国際的二重課税防止の見地から、課税対象である鉱業権の所在地である竹島は、日本国の統治権の一作用としての課税権が消滅する理由はないんだと。鉱区所在地域に対する統治権が失われたわけではなく、その行使が事実上不可能になったにすぎないんだから、鉱区税の賦課徴収権は消滅していないんだと。したがって、納付義務がないとの確認を求めた部分は却下されましたし、損害賠償請求は棄却された。



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