革マル派と中核派の殺し合い

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昭和50年11月19日 衆議院 法務委員会
[123]
日本共産党 諫山博
まず、警察庁に質問します。

トロツキストの内ゲバ暴力事件というのはいつごろから始まったのか、現在までに何件くらい発生しているのか、死亡者及び負傷者の数はどのくらいになっているのか、年度別の数字と現在までの総計を警察庁から御説明ください。

[124]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
お答えいたします。

内ゲバ死亡事件が発生いたしましたのは昭和44年からでございますが、ことしの10月末までに36件の死亡事件が発生しております。その結果43人の人が亡くなっておる、こういう結果でございます。

[125]
日本共産党 諫山博
私の質問は負傷者についても聞いているし、年度ごとの内訳も聞いております。

[126]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
お答えいたします。

死亡事件でございますが、44年には2件発生しております。45年が2件でございます。46年が4件、47年が2件でございます。48年は1件、49年は10件、本年が15件でございます。

負傷者でございますが……。

[127]
日本共産党 諫山博
ついでに、年度ごとの死亡者も説明してください。

[128]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
いまのが死亡者の件数でございます。

[129]
日本共産党 諫山博
件数ではなくて死んだ人の数です。これは件数と一致しないでしょう。

[130]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
お答えいたします。

44年が2人でございます。45年が2人、46年が5人、47年が2人、48年が2人、49年が11人、50年が19人でございます。

[131]
日本共産党 諫山博
ことしは19人ですか。

[132]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
さようでございます。

[133]
日本共産党 諫山博
では、いまのような要領で負傷者の説明をしてください。事件及び負傷者、これを年度別に。

[134]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
発生件数でございますが、負傷者だけでよろしゅうございますか。

[135]
日本共産党 諫山博
はい。

[136]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
44年は1143人でございます。45年は525人、46年は420人、47年338人、48年573人、49年607人、本年は517人でございます。

[137]
日本共産党 諫山博
年度別の負傷者の数はわかりましたが、発生件数はどうなりますか。

[138]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
お答えいたします。

44年は308件でございます。45年175件、46年272件、47年183件、48年238件、49年286件、50年は10月末でございますが215件でございます。

(「そんなのは整理してプリントにして提出したらどうだ」と呼ぶ者あり)

[139]
日本共産党 諫山博
いま整理してプリントで提出したらどうかという発言がありましたが、まさに私はこのことを要求したのです。これを事前に資料としていただいておれば、このとおりですかという質問で済むから、そういう進行をしようじゃないかということを求めたわけですが、どうしても資料を提供してくれずに、聞かれたら答えましょうという態度でしたから、時間が長くなるかもしれませんが、これを繰り返します。

そこで死亡事件、それから死亡には至らなかった負傷事件の数と被害者の数が明らかになりましたが、この中で被疑者と目されている人の数はわかりますか。

[140]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
残念ながら、これについてはつまびらかにしておりません。

[141]
日本共産党 諫山博
それは、つまびらかにしようと思えばできることですか、それとも不可能なことですか。何人ぐらいの被疑者がおったのかということを私は年度別に知りたいわけです。

[142]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
残念ながら、未検挙の事件もかなりございますし、被疑者側はもちろん、被害者側の協力も十分ではない状況でございますので、被疑者の数についてはつかみ得ない、これが実情でございます。

[143]
日本共産党 諫山博
これは、私が要望したけれども怠慢で調べなかったというのではなくして、現在では何名の被疑者がいるのか、つかみようにもつかみようがないという意味ですか。

[144]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
いわゆる検挙、解決に至っている事件についてはつかんでおりますし、捜査が進展しておりまして、そういう状況についてもかなりつかんでおる事件はもちろんございますが、総数ということになりますと、未検挙事件を含んでおりますので、つかみ得ないというのが実情でございます。

[145]
日本共産党 諫山博
どうも、調べようにも真相がつかみにくいという説明のようですが、それでは何名検挙されたのか、これはわかりますか。年度ごとに説明してください。

[146]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
お答えいたします。

44年度は987人を検挙しております。45年度は584人を検挙しております。46年度は216人を検挙しております。47年度は164人を検挙しております。48年度は361人を検挙しております。49年度は428人を検挙しております。50年度でございますが、10月末現在で561人を検挙しております。

[147]
日本共産党 諫山博
いまのは、死亡事件、負傷事件合計した数ですか。

[148]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
さようでございます。

[149]
日本共産党 諫山博
犯罪白書などではしばしば検挙率というのが問題になるわけですが、死亡事件、傷害事件の検挙率はどうなっているのか、年度別に説明してください。

[150]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
お答えいたします。

殺人事件の検挙率でございますが、昭和48年、49年の2年間とも96%台でございます。傷害致死事件の検挙率でございますが、48年が94%、49年が91%という状況でございます。

[151]
日本共産党 諫山博
その場合の検挙率というのは、どういう数字になっているんですか。検挙率の内容です。

[152]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
これは警察庁刑事局の調査統計を担当しておる部局でやっておることでございますが、検挙件数を認知件数で割って100を乗じたものでございます。

[153]
日本共産党 諫山博
法務省に質問します。

いま死亡事件、負傷事件の発生件数、被害者数、検挙数が説明されましたが、この中で公訴提起をされた人が何名いるのか、公訴提起をされた事件が何件あるのか、説明してください。

[154]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
先ほど来の警察御当局のお答えは、発生の件数を基準にして行われておりますが、警察と私どもとは統計のとり方が違いまして、私どもは、件数よりも、どれだけの人間を刑事訴訟法上内ゲバ死亡事件の被疑者として受理し、それをどのように処理したかということになりますので、勢い、結論は人員数によって申し上げることになりますが、その点を御理解いただきましてお答え申し上げますと……。

[155]
日本共産党 諫山博
そうしたら、警察から送致を受けて受理した人数と起訴した人数がわかりますね。それを44年から年度別に説明してください。

[156]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
昭和44年は内ゲバ死亡事件、したがって罪名は殺人、傷害致死等になりますが、昭和44年は受理人員が3名で、すべて起訴して起訴3名、それから45年は受理人員が8名で起訴8名、46年は受理1名で、所在不明ということで中止処分になっております。

47年は21名受理いたしまして、起訴19名、不起訴2名、48年は受理6名、起訴5名、それでいまだ処分留保1名、それから49年は受理38名、起訴34名、不起訴1名、少年のため家裁送致2名、処分留保1名、50年は10月末でございますが、22名の受理をいたしまして、起訴が18名、処分保留が4名、以上でございます。

[157]
日本共産党 諫山博
負傷した事件について同様のことを説明してください。

[158]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
これは内ゲバ事件全体の数を申し上げればいいかと思いますが、昭和45年から以降について申し上げますと、45年は受理人員426名、起訴152名、不起訴210名、家裁送致64名、46年は受理334名、起訴116名、不起訴185名、家裁送致30名……

(「委員長、資料として提出させろよ」と呼ぶ者あり)これは差し上げてあるのです。

――その他3名、これは中止処分等所在不明のためのものであります。それから47年は受理233名で、起訴75名、不起訴117名、家裁送致28名、その他の処分1名、48年は受理502名、起訴163名、不起訴299名、家裁送致31名、その他8名、49年は受理549名、起訴254名、不起訴255名、家裁送致18名、その他3名、今年は6月末の統計でございますが、受理137名、起訴81名、不起訴26名、家裁送致2名、その他5名、以上でございます。

[159]
日本共産党 諫山博
全般的な数字がわかりましたから、少し特定の事件について質問します。

まず、本年発生した死亡事件について質問しますが、本年の一番古い死亡者はだれですか。警察でわかりますか。

[160]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
これは3月の6日に警視庁管内で発生した事件でございますが、都内の日通航空新宿支店で荷物の発送中……。

[161]
日本共産党 諫山博
死亡者の名前だけ言ってください。

[162]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
堀内利昭でございます。

[163]
日本共産党 諫山博
これは6日ですか、7日じゃないのですか。

[164]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
6日でございます。

[165]
日本共産党 諫山博
堀内利昭が死亡した事件では、被疑者は何名いるのか、何名逮捕されたのか、何名起訴されたのか、説明してください。

[166]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
これは都内の日通航空の新宿支店で被害者が荷物の発送作業中に、これを自動車で追尾してきたと思われます中核派と見られる数人に襲撃をされて、鉄パイプで殴打されて、被害者と、ほかにもいたようでございますが、ほかの者はうまく現場から離脱したわけでございますけれども、被害者が死亡したという事件でございますけれども、現在、特別捜査本部を設けまして、関係先を捜索するなど捜査中でございます。数人の者についてしぼり込むところまできておりますが、残念ながら検挙にまでは至ってない、そういう状況でございます。

[167]
日本共産党 諫山博
これはいまの説明にもありましたように、渋谷区の路上で、衆人環視の中で起こっているはずです。私がこの事件を報道した朝日新聞の一部を読み上げます。「6日夕、東京都渋谷区の路上で革マル派幹部が、7~8人の中核派に襲われ、鉄パイプなどでめった打ちにされ、病院に収容されたが同夜9時半すぎ、頭部打撲と出血多量で死亡した。警視庁公安部は内ゲバ殺人事件として、代々木署に捜査本部を置き、捜査を始めた。」これは朝日新聞の3月7日付。大体こういう状況ですか。

[168]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
それではそのときの状況を報告いたします。

[169]
日本共産党 諫山博
詳しくはいいが、大体いま読んだような状況でしたか。

[170]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
ちょっと御説明したいと思いますが……。

[171]
日本共産党 諫山博
じゃ、簡単に説明してください、たくさんの事件を聞きますから。

[172]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
本件は、発生をいたしましたのが3月6日の17時13分ごろでございますが、発生とほとんど同時に110番が入っております。それによって警視庁としては事件の発生を認知したわけでございますが、それと間髪を入れずに、14分にはすでに緊急配備を発令をいたしまして、機動隊員2個中及び所轄署員が現場に参ったわけでございますけれども、現在までのところ、被疑者を特定するだけの、いわゆる確たる目撃をした目撃証人を得ることができない等により検挙に至ってない、こういう状況でございます。

[173]
日本共産党 諫山博
いまの事件をもう少し朝日新聞に基づいて読み上げますと、「同日午後5時10分ごろ、渋谷区本町3丁目の駐車場内で7~8人の若い男が1人の男を取り囲み、鉄パイプでめった打ちにしていると、通行人から110番があった。代々木署員がかけつけたところ、襲ったグループは全員逃げたあとで、路上に男が血まみれになって、意識不明で倒れていた。」中略「目撃者の話では、襲撃グループはいずれもサラリーマン風で、堀内さんをめった打ちにするとき「もっと打て、もっと打て」とかけ声をかけ合っていたという。襲撃後、全員が2台の車に分乗して、走り去ったが、このうち1台は目撃者がナンバーを覚えていて、同署は都内全域に手配、間もなく世田谷区松原1丁目の路上に乗り捨てられているのが見つかった。同公安部は現場に残された6本の鉄パイプの特徴などから襲ったグループは中核派とみている。」

これが事件の翌日の朝日新聞に報道されていますが、警察は、襲撃したのが中核派だと見ているのですか。

[174]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
諫山委員のただいまの御説明にもこざいましたが、確かにセクトを特定する場合に、鉄パイプの特徴というのは一つの着眼でございます。

そのほかに、本件につきましては、被疑者側は2台の自動車を使用しておるようでございますが、1台は現場から約500メートルぐらい離れたところにあった品川ナンバーの車でございます。それと、彼らがそれを使って逃走した車でございますが、これも現場に先着しました制服員が追尾をしておりまして、ナンバーだけは控えておりますので判明しておるわけでございますが、そういう点を含めてるる捜査を進めまして、襲撃したのは中核派である。

もう一つ中核派と見ておりますのは、3月7日の革マル派の会見と3月8日の中核派の会見でこの事件に触れた部分があるわけでございますけれども、そういう部分を含めまして、襲ったのは中核派というふうに見ております。

[175]
日本共産党 諫山博
内ゲバというのは、やくざのかたき討ちのように、あるセクトの幹部がやられると、それに対して復讐が宣言される。そして実際に復讐が行われる。今度は逆に相手側からそれに対する復讐をする。次から次に復讐合戦が繰り返されるわけですが、この鎖の一つの重要なかなめを占めているのがこの堀内利昭です。

堀内の所属している組織の出している「解放」という新聞にそのときの模様が次のように報道されております。「解放」のことしの3月17日ですが、公安調査庁持ってきていますか。「3月6日午後5時10分、解放社事務局員・「解放」発行名義人であり、反戦青年委指導にあたってきた同志難波力(本名、堀内利昭)は、2人の同志とともに日通航空新宿営業所において印刷物を地方諸組織へ発送する任務を遂行中、8人の襲撃者によって惨殺された。それは、ほんの一瞬の出来事であった。8人がかりで全身をメッタ打ちされた同志難波は、救急車が来た時にはすでに瞳孔が開き、呼吸困難に陥っており、」中略「9時35分、死亡したのである。」

これは、殺された堀内が所属している組織の「解放」に載っている記事です。

加害者の所属している組織の「前進」には、これを一つの戦果として次のように報道しております。法務大臣よく聞いてください。「カクマル政治局員・「解放」発行責任者難波力を完全せん滅」難波というのが、死んだ堀内のペンネームのようです。そして次のようにせん滅の模様を報道しております。「午後5時15分、わが革命的部隊は、難波が「異常なし」と奥に消えたあと、満を持して断固たる攻撃を開始した。謀略論の破産の中で、こともあろうにニセ「前進号外」を偽造するなどというCIAやナチスまがいの反革命的行為をどうして許しておくことができるというのか。わが部隊は正面玄関から同支店内作業場へ一気呵成に突入、このニセ「号外」策動の張本人難波力めがけて突撃した。2名の防衛隊残存JACは、わが部隊の姿を見ただけで戦意喪失、「ギャアー」という悲鳴をあげ、われ先にと逃げだしたのである。わが部隊は、追い求めてきた難波をどんなことがあっても逃がさないという決意も固く猛然と目にも止まらぬ速さで難波にくらいつきガッチリと捕捉した。2名の防衛隊は事務所の中に命からがら逃げこみ、「110番だ、警察を呼んでくれ」とわめく。だが、誰ひとりとしてこの醜悪な反革命分子に見向きもしない。わが部隊は、めざす難波をついに計量器の前でひっとらえた。」中略「難波はニセ「号外」発行という天人ともに許すことのできない反革命的罪状にふさわしく、みずからのドス黒い血の海に沈んだのである。わが部隊は、権力の非常戒厳体制をつき破り全員生還した。」

警察庁にもう一遍質問します。これだけの事件でだれ一人つかまえていないのですか。だれ一人検挙していないのですか。もう一遍答えてください。

[176]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
先ほどもちょっと御説明いたしましたように、いわゆる犯人をしっかと特定するだけの目撃者が得られないというむずかしい事情があるわけであります。革マルも触れておりますように、犯行が一瞬のできことであるということで、いわゆるこれが犯人であるということをはっきり指摘できるだけの参考人が得られないという事情があるわけでございますが、たださっきも申し上げましたように、遺留自動車、それから逃走しました自動車のナンバーその他、この犯人を特定するまでには至りませんが、若干でも目撃している人等からの事情聴取等を進めまして、幾人かの者についてしぼり込みを行っておる、こういう段階でございます。

[177]
日本共産党 諫山博
事件が起こったのはことしの3月6日です。そして、これを見た通行人が110番に電話しております。加害者の中核派ではおれたちがやったんだということを宣言しているわけです。これだけの事件でいまなお捜査の端緒もつかめないということは、私にはとうてい納得できません。現在何名捜査に当たっておりますか。

[178]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
本件につきましては、警視庁の公安部長を長といたしまする特別捜査本部を設けまして、42人の体制で捜査に当たっております。

[179]
日本共産党 諫山博
今度は次の事件に移ります。

その次に起こった事件は、本多延嘉殺しですか。警察どうですか。

[180]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
いわゆる殺害事件といたしましては、御指摘の3月14日に発生いたしました本多延嘉殺人事件でございます。

[181]
日本共産党 諫山博
3月6日に殺された堀内というのは革マル派の幹部で、この殺害事件に対して革マル派が復讐を宣言する、そして実際に復讐を行った。この復讐の最初の被害者が本多だったという経過だと思いますが、その点はどうですか。

[182]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
御指摘の点でございますが、3月14日の解放社での記者会見の内容ということで、私たちはまた聞きでございますけれども、そこでは、われわれが本日本多をやったのは同志である堀内らに対する階級的報復である云々ということを触れたというのを聞いております。

それから3月24付の「解放」でございますが、「同志難波を」これは堀内のことでございますけれども、「失った悲しみを越え決意も固く新たな闘いに決起した。3月14日午前3時22分、わが全学連の戦士たちは、川口市戸塚のアパートで、現代版黒百人組の殺戮の最高責任者本多延嘉をしっかと捕捉し、」云々という記述がございますので、御指摘のようなことになろうかというふうに一応判断をしております。

[183]
日本共産党 諫山博
この本多事件では、被疑者が何名で逮捕者が何名で起訴者が何名おりますか。

[184]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
本件でございますが、本件は発生した3月14日同日に108人の体制からなる所轄署長を長とする捜査本部を設けまして捜査に当たっております。関係先を捜索する等目下捜査中でございますが、場所が田んぼの中に孤立しておる住宅である。しかも深夜に襲撃する際には電話線等あらかじめ切断をいたしまして、いわゆる犯行の発見、認知がおくれる手だてを講じて襲撃しております。事実、通報を受けるまでに3時間程度たっておるわけでございますが、それと被害者の家族を含めまして被害者側からの協力がほとんど得られないという非常にむずかしい条件の中でございますが、現在鋭意捜査中、こういう段階でございます。

[185]
日本共産党 諫山博
この事件では犯人と思われる連中が警視庁の記者クラブに電話をしているはずです。その電話の内容は、「今朝3時22分、東川口のアパートで中核派の本多を撃沈した。われわれの同志難波力が撃沈されたことへの報復であり、権力とゆ着している中核へのみせしめだ」これは3月14日の朝日新聞の記事です。こういう電話が警視庁記者クラブに入っているかどうか、確かめておりますか。

[186]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
その件については承知しておりません。

[187]
日本共産党 諫山博
調べてみましたか。それとも調べようともしなかったのですか。事件の翌日の新聞です。

[188]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
その時点では一応の調査をいたしましたが、その件についてははっきり掌握できない、こういう状況でございます。

[189]
日本共産党 諫山博
犯人と思われる男から警視庁記者クラブに、自分たちの犯罪の成果を誇る電話がかかった、これを調べたけれども真相がわからない、そんなべらぼうなことがありますか。本当に調べたんですか。答えてください。

[190]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
一応の調査はやっております。

[191]
日本共産党 諫山博
調査した結果は、電話がありましたか、ありませんか。

[192]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
それについては残念ながら確たる回答が得られていない、こういう状況であります。

[193]
日本共産党 諫山博
法務大臣には後でまとめて質問しますからよく聞いておいてくださいね。

中核派の書記長であった本多が殺された。そのために中核派の機関紙「前進」では復讐を宣言します。機関紙によりますと、「本多書記長虐殺に全国で怒り爆発 反革命本隊に復讐の巨弾」これが見出しです。そして次から次に復讐と称する人殺しが行われているはずです。そういう経過になっていることを知っていますか。警察はどうですか。

[194]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
お答えいたします。

中核派が3月16日に記者会見をしておりますが、その際に北小路政治局員がいわゆる革マル派の最高幹部らに対する、一応名前を挙げまして、同セクトとしては革マルに対する党派闘争を続けるんだという趣旨のことを言ったということを聞いております。

[195]
日本共産党 諫山博
本多書記長に対する復讐と称して次々に相手方に人殺しを加えるわけですが、その最初の犠牲者になったのが岡本良治と中島章ではありませんか。

[196]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
いわゆる本多書記長殺害事件と本件との続きぐあいとなりますともう一つつまびらかでございませんが、期日的には先生御指摘のように、3月20日に岡本良治及び中島章に対する事件が発生しておるということを承知しております。

[197]
日本共産党 諫山博
岡本良治、中島章殺害事件では、被疑者は何名か、逮補者は何名か、起訴者は何名か、説明してください。

[198]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
御説明いたします。

本件は、3月20日に被害者らが、この死亡しました2人にもう1人いるわけでございますけれども、3人で荒川区内のマンションに在室しておりました際に、鉄製の三段式のはしごをかけまして中核派と見られる10数人が侵入をして、いわゆる襲撃をした。鉄パイプで殴打をされて、岡本、中島の両名が死亡して、他の1名が重傷を負ったという事件でございます。

警視庁としては同日、公安部長を長といたしまする61名の体制からなる特別捜査本部を設けまして、関係先を捜索する等捜査を続けておるところでございます。本件も非常にむずかしい条件の中で鋭意捜査を進めまして、ある程度容疑者をしぼり込む段階には来ておりますが、もう一つ被疑者と断定するまでに必要な捜査を続けておる、こういう段階でございます。

[199]
日本共産党 諫山博
事件が起こったのは3月20日ですよ。われわれの常識からいったらこれは迷宮入りじゃないですか。

この事件について新聞がどういう報道をしているか読み上げます。事件が起こったのは3月20日の午前0時過ぎです。その日の朝日新聞夕刊は次のように報道しています。「目撃者などの話から、襲撃グループは6人組らしく、ホロつきの2トントラックで乗りつけ、トラックをマンションから150メートル離れた路上に止め、高さ5メートルの鉄ばしごを外からかけて、被害者のいた207号室のベランダに登り、バールやスコップでガラス戸を割って、中にはいり込んだらしい。襲撃グループのリーダー格は、白っぽいコートを着た身長170センチぐらいの体格のいい男で「頭をねらえ」と声をかけて指揮していたという。室内には血のついたふとんやこわれた家具、割れた窓ガラスなどが散乱し、部屋の内外には電動カッターや、まさかり、バール、鉄パイプ、ヘルメットなどが残されていた。捜査本部は、鉄パイプの特徴などから、襲ったのは中核派とみている。」

これは捜査権を持たない新聞記者の調査ですよ。事件が起こったその日の夕刊ですよ。

大体の状況はこの記事と違いますか。

[200]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
さっき御説明申し上げましたが、本件につきましては、いわゆる被害者宅のごく近くに住んでおった人の通報が最初でございますけれども、同人は電話線を切断されて使用できない等の状況がございましたので、数100メートル離れた下谷署の鷲谷派出所まで参りまして、そこで警察官に通報したという状況がございます。したがいまして、認知が若干おくれたという悪条件があったわけでございますが、0時10分の発生で現場に約30分後に到着しているわけでございますけれども、鉄パイプ、バール、エンジンカッター、それから折りたたみ式の鉄製はしご、そういうものが現場に遺留されておったことは事実でございます。

[201]
日本共産党 諫山博
襲撃グループのリーダー格が白っぽいコートを着た身長170センチぐらいの体格のいい男だったという点はどうですか。

[202]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
目撃者は40人程度を確保いたしまして、そういう点を含めまして捜査を進めておりますが、いわゆるこの人物であるというふうに特定できるだけの目撃者は、この件についても得られておらない、これが実態でございます。

[203]
日本共産党 諫山博
この事件について、襲撃側である中核派の機関紙「前進」は次のように戦果を誇示しております。ことしの3月24日付の「前進」、関連の部分だけ読み上げます。

「本多書記長虐殺に復讐の巨弾 全逓カクマル東京東部アジト爆砕 岡本、中島を完全せん滅」以上が見出し。「3月20日午前0時すぎ、わが革命的部隊は、全党・全軍、全人民の先頭にたち、本多書記長虐殺にたいする復讐の第一弾を放つべく、荒川区東日暮里今村マンション2階207号室にある全逓カクマル東部アジトに攻撃を開始した。」中略「断末魔のあがきとはよく言ったものである。正しくも「完全せん滅される!」と直観した岡本は、往生際悪く部屋中を逃げまわり、しまいには隣りの6帖間にころげこみ、ぶざまにもフトンの中に頭をつっこんで何とか助かろうとしたのである。わが部隊は、このごにおよんで醜悪な岡本を有無を言わせずフトンの中からひきずりだし、その頭上に大上段にかまえたバールを渾身の力を込めてふりおろした。完全せん滅の決意も固くうちおろされたこの一撃で岡本ははやくもいっさいの抵抗をやめた。だが、わが部隊の怒りはとどまるところを知らない。こいつが、このカクマルが、本多書記長を殺したんだ!こいつが万一反革命として再生したら本多書記長に顔むけができない!完全せん滅し新しい完全赤色テロの時代をひらくんだ!わが部隊は、休むことなく、岡本の脳天にバールを連続的にうちおろし地獄の底の底までつきおとしてやったのである。あたり一帯は文字どおり岡本の血の海となった。」

こういう文章が延々と続いております。公安調査庁、この「前進」はあなたのところにあるはずですが、こういう記事が載っておりますか。

[204]
政府委員(公安調査庁次長) 渡邊次郎
そのとおり記事が載っております。

[205]
日本共産党 諫山博
法務大臣にちょっと聞きます。

あなたは、わが国の治安に責任を負う立場にあると思います。私はことし起こった内ゲバ事件の3つについて質問しました。みんな半ば公然と事件が起こり、事件が起こるとその戦果を機関紙で誇示する。中には事件直後に警視庁の記者クラブに電話して、いまやっつけたんだというようなことまで言っている。ところが、いまの説明で明らかなように、犯人の目星さえついていない。逮捕されていないどころか、だれが犯人かさえわからない、こういう状態です。しかし、その犯人がどのような組織に所属している男だということは、もう彼ら自身がちゃんと説明しております。こういう事実を見て、どう思いますか。

[206]
法務大臣 稻葉修
治安当局のこけんにかかわる重大な問題で、一網打尽にぎゅっとやっつけてやりたいという気持ちです、気持ちだけは。

[207]
日本共産党 諫山博
そう言われますけれども、たとえば3億円事件で非常に力を入れて捜査しております。もしあの捜査の10分の1の力でも入れたらこの程度のことはつかまらぬはずはないじゃないですか。3億円事件の場合は1億国民の中から犯人を捜しているわけですよ。いま私が問題にしている事件は、少数の革マル、中核の中に犯人がいる。この中に犯人がいることは彼ら自身が明言しているわけです。

そこで私は、公安調査庁の次長に質問します。いま革マルというのは何名ぐらいの組織人員がいるのですか。中核はどうですか。

[208]
政府委員(公安調査庁次長) 渡邊次郎
お答えいたします。

両派の実勢力、構成員数につきましては、目下鋭意調査中でございますが、いわゆる構成員とそれから同調勢力とがいつも混在しておりまして、なかなかはっきりした区別ができないというような状況で調査には若干難渋をしておりますものの、現在のところ構成員及び緊密な同調勢力を合すると、両派とも2000数百名と見ております。

[209]
日本共産党 諫山博
犯人がどちらかの組織に所属しているということは明らかなんですが、その場合に、こういう事件を起こしかねないというようなグループは何名ぐらいだと公安調査庁は見ていますか。

同調者とかそういうのは一応除外して、こういう復讐劇に積極的に参加しかねない連中というのはどのくらいいるのですか。

[210]
政府委員(公安調査庁次長) 渡邊次郎
お答えいたします。

その点も一応推定になりますが、両派とも実行部隊、実力部隊と言っている者は大体200~300ぐらいだと思います。

[211]
日本共産党 諫山博
警察庁に質問します。

私がいま列挙した3つの事件が、この2つの組織のいわば中心的なメンバーによって行われたということは、警察庁としてはっかんでいますか。それとも違うところに犯人はいると見ているのですか。

[212]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
お答えいたします。

実は先生事前にお見えになった際に、内ゲバ事件についてはいわゆる検挙人員という形でとらえておって検挙件数を押さえておりませんと申し上げましたことと絡まるわけでございますが、一般の殺人事件の場合には、49年、48年とってみましても、さっき御説明したとおりの数字でございますけれども、検挙人員を検挙件数で割りますと1.0とか1.1という数字でございます。要するに、1人検挙いたしますとそれで解決と申しますか、検挙率が即解決率という形でございますけれども、内ゲバの場合には、44年からの平均をとってみましても、1件について検挙した者が大体13~14人になっております。

そういうことで、最近はいわゆる遭遇戦ではなしに、細かい事前の調査をやって襲撃するという形をとっておりますので、これは中核、革マルのいわゆる実行部隊と申しますか専門的な部隊がやっておる。したがいまして、そういう者は非常に残念ではございますけれども検挙して隔離する形が最も抑止につながるということで、人員という形で押さえておる。1件について1人検挙しましても内ゲバの場合にはとうていその事件解決ということにはまいらないということで、人員でとらえている、こういうことでございます。

したがいまして、御質問のこれらのいわゆる実行部隊がやっておるのかという御指摘でございますが、非常につまびらかなものは持っておりませんけれども、判断としてはやはり実行部隊がやったであろう、こういうふうに見ております。

[213]
日本共産党 諫山博
実行部隊というのは、公安調査庁の次長の説明によればそれぞれ200~300名じゃないか。この中から犯人が捜せないというべらぼうなことがありましょうか。

そこで、私は、次の事件に移ります。

その次に起こった死亡事件というのは、西田はるみ殺害事件ですか。それはどうですか。

[214]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
御指摘の3月27日に発生いたしました西田はるみ殺害事件でございます。

[215]
日本共産党 諫山博
この事件も本多書記長が殺されたことに対する復讐として行われております。西田はるみというのは女性で、川崎市役所に働いている自治労の組合員です。

この事件では被疑者は何名か、逮捕者は何名か、起訴者は何名か、説明してください。

[216]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
本件は、諫山委員御指摘のように、3月27日に被害者が勤め先であります川崎市役所から退庁しようとしまして裏門から路上に出たところを、中核派と見られる数人に襲撃をされて、鉄パイプで殴打され死亡したという事件でございますが、その際たまたま自動車で通りかかった一般人がこれを追跡いたしまして、常人逮捕をしております。

神奈川県警としましては、同日所轄署長を長とします80人の体制から成る捜査本部を設けまして、関係先等を捜査しておる段階でございます。逮捕した犯人は全くの完黙状態でございましたが、3月29日に殺人罪で送致をしております。

以上でございます。

[217]
日本共産党 諫山博
そうすると、警察としてはこの事件で逮捕したのは1人、検察庁に送ったのは1人、こういうことになりますか。

[218]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
さようでございます。

[219]
日本共産党 諫山博
法務省に質問します。

この事件で起訴した人は何名ですか。

[220]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
ただいま御説明の送致を受けました1名をそのころ殺人罪で公判請求をいたしております。

[221]
日本共産党 諫山博
この事件は珍しく犯人の1人が逮捕され、起訴されているのです。ところが、この事件の犯人は3人いたはずです。そして、この逮捕というのは警察がつかまえたのではなくて、通りかかった人がつかまえているはずです。どうなんですか。

[222]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
さっき御説明いたしましたように、常人逮捕でございます。

[223]
日本共産党 諫山博
法律用語を使われましたが、わかりやすく言えば、警察がつかまえたんじゃなくて通行人がつかまえたんだということですか。

[224]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
そのとおりでございます。

[225]
日本共産党 諫山博
当日の朝日新聞はどういう報道をしているかというと、「襲われたのは、川崎市役所広報課職員、西田はるみさん(26)で、同日午後4時40分ごろ、川崎市川崎区宮本町の川崎市役所裏で、鉄パイプを持った3人組の男に頭をなぐられ、近くの病院に運ばれたが、頭の骨が折れていてすでに死んでいた。犯人の1人は通りがかった市職員らがつかまえて、川崎署に突き出した。」中略「西田さんは市役所駐車場内で3人の男と話し合っていたが、口論となり、西田さんが駐車場から飛び出したところを、3人組が頭をメッタ打ちにした。3人組はそのまま国鉄川崎駅方面に逃げようとし、1人がつかまった。現場には長さ60センチ前後の鉄パイプ3本が残され、鉄パイプの空洞は鉛のようなもので埋めてあった。」中略「逃げた2人のうち、1人は身長約160センチで、カーキ色のコートを着、サングラスをかけていた。残る1人は22~23歳でグレーのコートを着ていたという。」

この最後の指摘は、警察の調査に合いますか。警察、どうですか。

[226]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
本件の捜査状況でございますが……(諫山委員「結論だけでいいです、たくさん聞きますから」と呼ぶ)まず、捜査でございますから、逮捕した被疑者の取り調べについて特に力を入れるわけでございますけれども、本人は全くの完黙状態で氏名がわからずに、ビラを5万枚印刷して配付いたしまして、それを見た一般人がこのビラであれば非常に似た人がいるということで協力をしてくれまして、それが実は本人の実兄だったわけでございます。それでどうにか名前が割れたというような状況でございまして、大変苦労しておる状況でございます。

ただいま御指摘の点も含めて捜査をしておりますが、この逮捕した人物以外についてはいまのところ具体的な形で名前が浮かんでおらない、こういう状況でございます。

[227]
日本共産党 諫山博
事件直後の朝日新聞は、逃げた2人の服装、身体の特徴まで報道しているのですよ。そして、この犯人は1億国民の中にまぎれ込んだのじゃなくて、200~300人の活動家の中に潜入しているわけですよ。

この事件を報道した加害者側の「前進」という機関紙は3月31日付で次のように言っております。「反革命白色テロ分子を完全せん滅 教育大カクマル出身、白色襲撃態勢基幹部と直結する札つきの反革命 川崎市職潜入分子西田に復讐の階級的鉄槌」

これはおれたちが仕返しのために西田を殺したんだということを自慢しているんです。これだけの事実があって、日本の捜査機関というのは犯人を逮捕することができないのですか。なるほど1人はつかまりました。起訴されました。これは警察がつかまえたのじゃなくて通行人がつかまえておる。事件が起こったのは川崎市役所の裏口です。昼間です。法務大臣、どう思いますか。

[228]
法務大臣 稻葉修
どうも警察の能力というか意気込みというか、少し間が抜けているように思いますがね、私は警察を指揮する責任者でないものですから、私のことをにらみつけて文句を言われても困るわけです。

[229]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
能力、意気込みという御指摘でございましたけれども、いわゆる犯人検挙がはかばかしく進んでいない点については御指摘のとおりでございますが、実は意気込みの点では決して力を抜いているわけでございませんで、さっき御指摘の3億円事件の捜査体制は現在80数名でやっておりますが、内ゲバ殺人事件につきましては、さっき申し上げましたように、小さいものでも数10人、大きいものについては100人、200人の捜査体制で取り組んでおるわけでございます。

44年からの事件につきましても、44年、5年、6年、7年、8年までの分は、46年12月の三重大学の分を除きましてすべて解決しております。いわゆる1人、2人検挙ということでなしに、全貌を解明して解決しております。

ただ、発生から解決までの時日を、内ゲバ事件の場合、1年あるいはそれ以上を要することが多うございまして、昨年発生、ことし発生の分について遺憾ながら未解決事件を抱えておる、こういう実態であることをひとつ御理解いただきたいと思います。決して力を抜いておるわけではございません。

[230]
日本共産党 諫山博
私はとても納得できません。

その次の死亡事件というのは、被害者が船崎新という人ですか。

[231]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
4月1日に発生いたしました船崎新殺人事件でございます。

[232]
日本共産党 諫山博
この被害者は革マルの千葉県委員長ですが、この事件で被疑者は何名か、逮捕者は何名か、起訴者は何名か、説明してください。数字だけで結構です。

[233]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
これは4月1日に都内の喫茶店で……(諫山委員「数字だけで結構です、まだたくさん聞きますから」と呼ぶ)これについては瞬間的な犯行でございまして、いわゆる犯人を特定するに足る目撃者が現在のところ得られていないということで、むずかしい条件の中で捜査を続けておるところでございます。

犯人については数名と、こういうふうに見ております。

[234]
日本共産党 諫山博
犯人数名ということはわかるけれども、名前はわからない、1人も逮捕していない、もちろん1人も起訴していないということのようですが、この事件が起こったのは東京都墨田区の喫茶店です。

喫茶店の中で鉄パイプで襲撃されているのですよ。そして、この事件についても加害者側の機関紙が戦果を誇示しております。そういう記事があることを公安調査庁は知っていますか。

[235]
政府委員(公安調査庁次長) 渡邊次郎
知っております。

[236]
日本共産党 諫山博
加害者側の機関紙は次のように報道しています。「白色襲撃態勢に壊滅的打撃」「前川、清水撃沈に続く大戦果」、中身は「この日夜10時すぎ、わが革命的部隊は、東京墨田区向島の喫茶店「ナイル」で、白色襲撃のための活動を統括・指揮しているまっさい中の船崎をがっちり捕捉した。」中略「カモフラージュのためビールを飲みつつ自分で人目をはばかりながら某所に電話をしたり、その直後「イワタ」というコールネームで再三電話口に立ってヒソヒソ小声で会話をしたり、白色襲撃隊との連絡をたえずとっていたのである。わが革命的部隊は一気に突入し、本多書記長虐殺という未曽有の反革命的悪業をはたらいた下手人の一人である船崎に津身の怒りを込めた鉄槌をうちおろし、せん滅したのである。わが部隊は、権力の厳戒体制を破り、全員生還した。」

こんなふざけたことがありましょうか。午後10時ごろ喫茶店の中で起こったのですよ。数名がやったということは警察も認めております。当然、喫茶店の人はそばにいたはずなんです。そして、犯行の模様を加害者側が詳細に報道する。これは大戦果だと言っているのです。どうしてこんな事件をつかまえませんか。警察に責任がないと言われるだろうと思って、私は公安委員長の出席を要求しました。ところが、公安委員長は出てきません。法務大臣としてはどう考えますか。

[237]
法務大臣 稻葉修
こういう事件、しかも堂々とそういう機関紙を出して自分たちの行動を世間に誇示しているようなやり方に対しては、まあ法務省も治安当局者ですから、治安当局はなめられているような気がしてしようがないのです。断じてこれは放置すべきものではない。公安委員長に強くもっとしっかりやってもらわなければ困る。送検してきたら法務省としてもこれは厳正にやるんだ、そういうふうに申し上げるよりしようがありません。今度公安委員長を呼んでいまのようなことをよく聞かせてやってください。

[238]
日本共産党 諫山博
次に移ります。

その次の殺害事件というのは、4月26日に起こった服部多々夫と鈴木和弘の事件ですか。

[239]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
4月26日に発生いたしました服部多々夫と鈴木和弘に対する襲撃殺害事件でございます。

[240]
日本共産党 諫山博
この事件では被疑者は何名いるのか、逮捕者は何名なのか、起訴者は何名なのか、説明してください。

[241]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
本件も、都内の渋谷区内の喫茶店で被害者両名が飲食中に中核派と見られる数人に襲撃されて両名が死亡したという事件でございますが、これにつきましては、鋭意捜査を進めまして、現在容疑者数人についてしぼり込みを行って裏づけ捜査をやっておる段階でございます。

[242]
日本共産党 諫山博
これは2人殺されているのです。そして、やはり本多書記長に対する復讐だということになっているのです。

事件の起こった翌日の朝日新聞は次のように報道しています。「同日午後2時35分ごろ、東京都渋谷区代々木2丁目、増田ビル1階の喫茶店「ダフネ」に鉄パイプを持った7~8人の男が乱入し、店内の別々の席にいた2人の客をめった打ちにした。さらに騒ぎに驚いて表に飛び出そうとした客の日大生杉山茂さんをもなぐり、新宿駅方向に逃げた。」中略「目撃者などの話によると、襲撃グループは、入り口近くの席で1人で地図を広げていた服部さんに「この野郎」と襲いかかり、30~40回もなぐりつけた。さらに数人が奥の席にいた鈴木さんにもなぐりかかった。当時店内には、被害者のほかにアベックなど約10人の客と6人の従業員がいたが、突然の惨劇にぼう然、止める間もなかったという。」中略「最高指導者の本多延嘉書記長を革マル派によって殺された中核派による報復の内ゲバは、とどまるところを知らない。26日、また革マル派幹部1人が死亡した。本多書記長が殺されたさる3月14日以降、革マル派とみられる犠牲者は5人になった。」中略「実際、中核派による革マル派に対する攻撃は次々と発生している。もっとも、革マル派も全く手をこまねいているわけではなく、さる11日、東京都内で元中核派全学連幹部が襲撃されたように「防衛のための反撃」はするといっており、「内ゲバ戦争」は終わりそうにない。」

これが朝日新聞です。

次に、加害者側が出している「前進」はどのように報道しているかといいますと、「3・14反革命虐殺の首謀者、下手人 カクマル政治局員服部、白色テロ隊長鈴木完全殱滅」これが表題です。中身を読みますと、「4月26日昼すぎ、わが革命的部隊は、新宿駅西口前の喫茶店で、真昼間から白色襲撃の謀議をしていたカクマル政治局員、「解放社」責任者であり、なによりも憎むべき3・14虐殺首謀者の1人である服部多々夫と3・14下手人であり、JAC白色殺人テロ隊長である早大社会科学部4年鈴木和弘を捕捉し、本多書記長暗殺への煮えたぎる怒りの制裁を加え完全せん滅した。このたたかいは3・20反革命武装アジト爆砕・全逓潜入カクマル岡本、中島完全せん滅、3・27川崎市職潜入の札つき白色テロリスト西田完全せん滅、4・1虐殺下手人船崎完全せん滅につづく3・14反革命突破=4月全面大攻勢の白眉をなす決定的な大戦果である。」

人殺しを大戦果であると自慢しているのです。

さらに犯行の模様を詳細に報道しております。「2時20分、服部と鈴木が連れだって「ダフネ」に入る。服部が入口近くの席に坐り鈴木はしばらく服部と話してから奥へ、さらにもう1人の反革命分子が入ってきて服部と話して奥に行く。かわるがわる地図を広げた服部の席に訪れ、頭をつき合わせてヒソヒソと小声で白色襲撃のための謀議と指令を行う。鈴木らは、白色テロ隊長として服部から指令をうけまさに出撃せんとしていたところなのだ。その何よりのあかしとして、鈴木は、ふところに60センチのつなぎの鉄パイプをひそませていたのである。わが革命的部隊は、一気にこの「ダフネ」に突入、真一文字に狙い定めた服部と鈴木へと殺到し、怒りの鉄槌を全身の力をこめてうちおろした。本多書記長虐殺へのにえたぎる怒りをこめて、うちのめし、せん減したのである。わが部隊は、権力の非常戒厳体制をうち破り全員堂々帰還したのである。」

全く言語道断な事件じゃありませんか。白昼公然と行われているのです。たくさんのお客さんがいるのです。1回で一突きしたというんじゃなくて、何10回とめった打ちにしているのです。これで犯人がつかまらない。私は、幾ら警察が一生懸命やっていると言ってみたところで信用することができません。いつごろまでにつかまえるつもりですか、警察、答えてください。

[243]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
お答えします。

本件につきましては、犯行の翌日の27日に革マルが記者会見をやっております。その内容を伝え聞いたわけでございますけれども、革マル派としては中核派を殺人罪で告発する、被害者の家族は殺人罪で告訴をするということを言ったそうでございます。ところが、記者からの質問に対して、告訴、告発するというのは警察の捜査に協力をするということかという質問に対して、権力の態度に問題があるので協力はできないというのが革マルの記者会見の内容ということで伝わってきております。いわゆる被害者側の協力が全く得られない。

しかも犯行の状況が時間的には非常に瞬間的と申しますか、短時間に敢行をされておる状況でございまして、確かに数10名の目撃者から事情を聴取して調書化することはいたしておりますが、さればこの人物が間違いなく犯人であるということはどの目撃者からも得られないという状況でございます。そういう中で、現場の遺留品等を含めて、鋭意捜査を進めておるという段階でございます。

[244]
日本共産党 諫山博
法務省の刑事局長に質問します。

警察は、何とかかんとか弁解します。その弁解の中心になっているのは、みんなが黙否するからだ、被害者が協力しないからだと、こういう言い方をしているのです。被害者が協力しない、関係者がしゃべらない、こういうことが犯人を逮捕しない口実になりましょうか。現在の刑事訴訟ではそういうたてまえはとっていないはずです。まだこれは検察庁に送ってきてないから検察庁の分野ではないかもしれませんが、こういう問題に対してどう考えますか。

[245]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
内ゲバ事件の検挙が、先ほど来警察御当局の苦心にもかかわらず、いわゆるはかばかしくないということにつきましては、検察といたしましても重大な関心を抱いておるところでございまして、いわゆる公安労働係検事の集まり等におきまして、内ゲバ事件の検挙の困難性について検察なりに検討を重ねておるところでございます。

結局、検挙が結果的にはかばかしくない原因といたしましては、先ほど警察御当局から御説明のようなことが原因でございまして、何と申しましても、この種の問題につきましては、先ほど公安調査庁御当局の御説明のように、どうもいわゆる特別の組織、実行部隊のようなものによって行われておるようでありますが、彼らの計画がきわめて隠密であり、査察、内偵を徹底して、しかも瞬時に犯行を計画的に行うという意味において、事柄が瞬間の出来事であるがために非常に目撃証人の正確な認識を得ることができないということと、それから瞬時にして風のごとく去るということで、いわゆる警察部隊が出動する間もなく逃走するというようなことが現場検挙を非常に困難にしておる原因ではないか。つまり、犯行が隠密に計画され、きわめて緻密に、組織的に、機動的に行われることが検挙の困難性の大きな原因ではないかということが言われておるのでございます。

それから第2の問題としては、諫山先生の御指摘の、およそこういう犯罪につきましては、被害者が被害を申告してくれるということが捜査を容易にする基本の前提でございますが、先ほどの革マル派の新聞にも出ておりますように、自分らは権力の厄介になって、そして犯人を検挙してもらうのじゃなくて、法に対しては、自分みずからが反抗するのだという、権力のお世話にならないという前提でございますから、およそ被害の申告というようなこともいたしませんし、犯罪の捜査に協力をしないというのが実態でございますので、これが法律上の強制される義務ではないことはわかっておりますが、やはり犯罪捜査というものは被害者の協力を前提としてそれが円滑に行われ、法律的に行われるのが実態でございますので、これもやはり一つの非常にむずかしい問題でございます。

なお、協力をしてもらいましても、その組織同士では余り知らない、面識のない場合でございますので、犯人の特定が非常にむずかしいということもございますし、なお、科学的な捜査に対するさらにカウンターメジャーといいますか、対抗措置といたしまして、手袋をつけて指紋の検出を免れるというような意味において、鑑定上もなかなかむずかしい問題があるというようなこと、あるいは非常に組織の把握がむずかしゅうございますので、そういう事件が行われて押収捜索をやるにしても居宅が不分明であるというようなことが原因になっておるというふうに検察当局としても見ておりまして、警察当局のあながち熱意の不足というふうには私どもも考えておらない次第でございます。

[246]
日本共産党 諫山博
どうしてそんなに一生懸命弁解しなければならないのですか。瞬時にしてと言いますが、この事件は、30数回めった打ちしているんですよ。場所は喫茶店ですよ。何10人という見物人がいるんですよ。幾ら弁解してみたところで、これを犯人をつかまえないということの弁解になりますか。

たくさん事件がありますから、次の質問をします。

その次に殺されたのは竹原寿です。5月7日。

[247]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
5月7日に鹿児島県で発生いたしました内ゲバ事件でございます。

[248]
日本共産党 諫山博
この事件では、被疑者は何名、者は何名、起訴者は何名ですか。結論だけ答えてください、数字で。

[249]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
これは5月7日のまさに早朝に被害者ら4人がアパートにおりましたところを、中核派と見られる数人に襲撃をされて、その中の1人が死亡したという事件でございますが……

[250]
日本共産党 諫山博
数字だけ答えてください。

[251]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
これもいわゆる本多書記長殺害事件と非常に似ておりまして、侵入する際に電話線等を切断をして侵入をする。しかも被害者側の協力がこれも全く得られない事案でございます。そういう苦しい状況の中で鋭意捜査を続けておるという段階でございます。

[252]
日本共産党 諫山博
結局だれがやったのか見当もつかない、逮捕も、起訴もしてない、こういうことですか。

[253]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
現在のところ逮捕者を確保するには至ってない、こういう段階でございます。

[254]
日本共産党 諫山博
公安調査庁に質問します。

この事件についてことしの5月12日付の「前進」に戦果を誇示する報道がされていることを知っていますか。

[255]
政府委員(公安調査庁次長) 渡邊次郎
お答えいたします。

「前進」に記事が載っております。

[256]
日本共産党 諫山博
どういう形で戦果を誇示しているかと言いますと、「5月7日午前4時、わが革命的部隊は、鹿児島市冷水町にある鹿児島カクマル幹部の本拠アジトに突入、中にいた県委員長梯、竹原ら最高幹部4名を全員せん滅した。岩谷アパート1階2号室のアジトは、梯らが5月になってからつかいだしたばかりで、われわれに知られていないと信じて疑わず安心してぐっすりとねこんでいたというわけである。わが部隊は、一挙せん滅のチャンス到来に意気あがり、正面から堂々と突入、怒りの革命的鉄槌をうちおろしたのである。」中略「わが部隊は全員無事帰還した」

全くばかにした記事じゃないですか。これだけの事件をなぜつかまえませんか。また同じような弁解ですか。

[257]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
実はこの事件につきましては前段がございまして、この事件の被害者4人のうち3人が同じ鹿児島県下でことしの2月と4月に発生いたしました事件の被害者でございます。そこで、警察としては彼らの身辺を守ることを念頭に置きまして、3度から5度それぞれの人物について申し入れをしたわけでございますが、その都度拒否されております。

そうして、このアパートを借りる際には、全くの偽名でことしの1月に借りたわけでございますけれども、借りて、しかも1月くらいはそのまま放置して使用した。それも3日に1度ぐらいそこに来て泊まるという状況でございまして、要するにアジトを転々として隠しておったという状況でございます。そういうむずかしい状況の中で捜査を続けているわけでございますが、いまのところ残念ながら検挙者を縛るに至っていない、こういう状況でございます。

[258]
日本共産党 諫山博
次に起こった事件は、岡山大学の大沢真という人の殺害事件ですか。

[259]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
5月25日に発生いたしました大沢真殺人事件でございます。

[260]
日本共産党 諫山博
この事件では犯人が起訴されているようですから、私は次の事件を質問します。

その次は6月4日に起こった碓井規義、藤井陽一、米田真重3名を殺した事件ですか。

[261]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
6月4日に発生いたしました碓井規義、藤井陽一、米田真章殺害事件でございます。

[262]
日本共産党 諫山博
この事件では被疑者は何名か、逮捕者、起訴者は何名か、数字だけ答えてください。説明は結構です。

[263]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
本件につきましては、殺人未遂、兇準等で4人を検挙し、送致しております。これはいわゆる大阪市立大構内における集団的なゲバでございますので……。

[264]
日本共産党 諫山博
わかりました。4人を送致したわけでありますね。

[265]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
さようでございます。

[266]
日本共産党 諫山博
被疑者の数は何人ぐらいだと目しておりますか。

[267]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
数10人というふうに見ております。

[268]
日本共産党 諫山博
この4人については検察庁はどのような処分をしましたか。

[269]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
御指摘のように4名を受理いたしまして、そのうちの2名につきましては殺人罪等で公判を請求し、あとの2名につきまして、いまだ犯人であるという特定に至らないということで捜査中でございます。

[270]
日本共産党 諫山博
起訴されていない2名は釈放されていますか。

[271]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
そのとおりでございます。

[272]
日本共産党 諫山博
これは大阪市立大の非常に大規模な内ゲバ事件です。3名が死亡するという大変な事件で、被疑者の数は数10名だという見通しのようですが、結局起訴されているのは2名だけ、残りの数10名については今後どうするつもりですか。

[273]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
この事件につきましても内ゲバ事件のむずかしさが出ておるわけでございまして、今回起訴になりました人物についてもほとんど供述が得られないわけでございますが、周辺から固めてやっとこの人物については立件することができたという状況でございますけれども、この事件につきましては目撃者もあるところでございますし、さらに全貌を解明すべく捜査中でございます。

[274]
日本共産党 諫山博
この事件で逮捕したというのは、警察が一生懸命捜査をして逮捕したというのじゃないのです。犯罪現場でその場でつかまえたのです。そしてそれ以後は1人もつかまえてないのです。違いますか。

[275]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
若干私たちがつかんでおります事実を申し上げますと、いわゆる委員御指摘の犯行後、犯行の翌日に検挙したのが1人ございます。それから3カ月以上経過しました9月20日になって2人、9月22日に1人検挙しております。

[276]
日本共産党 諫山博
この事件について加害者側の「前進」はどう言っているかというと、「正規戦で関西戦闘主力全滅 大阪市大で襲撃部隊35名掃討碓井、米田ら3名完全殱滅」、3名殺したことを自慢しているのですよ。そしてそのときの犯行の模様というのはもう実に微に入り細にわたって報道されております。数10名の加害者がいることを承知しながらいまなおこれが解決していないというのはもう驚くべきことです。

この事件の起こったのは大阪市立大学の教養部正門前、時間は午前8時ごろです。たくさんの人がいたところなんです。

その次の事件というのは藤盛廣之の殺害事件ですか、6月19日。

[277]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
6月19日に品川区内で発生いたしました藤盛廣之死亡事件でございます。

[278]
日本共産党 諫山博
これは全逓の革マルの人ですが、何名被疑者がいて、何名逮捕して、何名起訴したか説明してください、数字だけでいいです。

[279]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
これは本人が自宅から出勤しようとした際に襲撃された事件でございますが、数人の中核派と見られる者に襲撃されたということでございます。捜査を進めまして、これまでに殺人、兇器準備集合で1人を検挙し送致しております。

[280]
日本共産党 諫山博
これは犯人は3名以上だったと思いますが、いかがですか。

[281]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
検挙しておる人物からもそこまでの供述は得られておりませんし、数人ということで特定するには至っておりません。

[282]
日本共産党 諫山博
事件が起こったのは19日の午後8時45分、品川区のにぎやかなところで多数の目撃者がいたはずですが、そうですが、その結論だけ。

[283]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
通勤のために駐車中の自己所有のオートバイに近づいたところをやられたわけでありまして、いわゆる出勤時間中でございますので若干の目撃者はあったようでございます。いや多数と申しますか、いわゆる若干の人が往来をしておった、こういう状況でございます。

[284]
日本共産党 諫山博
この事件についてその日の朝日新聞の夕刊は次のように報道しています。「近くの私立中延学園高校の女生徒たちは、窓から「やめて、やめて」と悲痛な叫び声を上げた。目撃者の話では、すぐわきの公園にいた子供たちは恐ろしさのあまり泣き出したという。現場を目撃した主婦(68)は「大きな叫び声がした。外に飛び出してみると、背広を着た3人の男が1人の男をなぐりつけていた。男がころんでも、まだなぐるのをやめない。人間をたたいているようではなかった」と話していた。」

これは記事の一部ですが、この事件で犯人の1人が検察庁に送られたそうですが、検察庁どうしましたか。

[285]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
去る14日に送致を受けまして目下勾留、取り調べ中でございます。

[286]
日本共産党 諫山博
いつごろ送致を受けたのですか。

[287]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
ただいま申しましたように、今月の14日でございます。

[288]
日本共産党 諫山博
とにかく見物人がいるところ、高等学校の女生徒がやめてやめてと叫び声を出している、そして奥さんたちも見ているというようなところで事件が起こって、ようやく1人逮捕したというのではもうとうてい私たちは納得できません。

そこで、時間の関係ではしょります。警察にもう少し聞きますよ。

6月24日に石井真作というのが殺されましたね。この事件で被疑者は何名か逮捕者は何名か、起訴者は何名か、数字だけ答えてください。

[289]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
本件は静岡県伊東市の……。

[290]
日本共産党 諫山博
内容は結構ですから。委員長、私、少なくともことしの事件は全部聞きたいと思うのです。ですから、結論だけ答えさせてください。

被疑者は何名で、逮捕者は何名で、起訴者は何名か。

[291]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
いわゆる被疑者は10数人と見ております。逮捕者につきましては、さっき申し上げましたような状況で、電話線を切断し……

(諫山委員「あるかないか答えてください」と呼ぶ)

逮捕者を得るには至っておりません。

[292]
日本共産党 諫山博
これもやはり本多書記長に対する復讐戦だということは彼らの機関紙を見ればよくわかります。

7月17日に甲斐栄一郎という人が殺されております。これは新聞で大変問題になった加藤登紀子さんの別荘での事件です。襲ったのは20人くらいだと報道されております。被疑者は何名か、逮捕者は何名か、起訴者は何名か答えてください。

[293]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
7月17日の事犯でございますが、これにつきましては324人を逮捕しております。

[294]
日本共産党 諫山博
それは甲斐栄一郎の事件ですか。

[295]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
はい、甲斐栄一都の事件でございます。

[296]
日本共産党 諫山博
いまの加藤登紀子さんの事件というのは間違いですから、これは訂正します。

これはいわゆる新橋事件ですね。この事件では何名起訴されましたか。

[297]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
いま警察がお話しのように、324名の送致を中核、革マル両派から受けまして、多くは革マルでございますが、求公判といたしまして36名、中核13名、革マル23名。暴力行為、傷害、威力業務妨害。あと家裁送致が7名、起訴猶予281名でございます。

[298]
日本共産党 諫山博
この事件では死亡者がいたはずですが、殺人事件では起訴していませんか。

[299]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
検挙されました犯人の中でこの殺人に加功したという者の発見には至っておりませんので、傷害致死、あるいは殺人で起訴はいたしておりません。

[300]
日本共産党 諫山博
警察はずいぶんたくさん逮捕したようですが、殺人犯人はついにわからないままですか。

[301]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
警察といたしましては、殺人、傷害等で送致をしたわけでございますが、検察段階での御処置については、刑事局長御答弁のとおりということでございます。

[302]
日本共産党 諫山博
その次に起こったのは10月27日の梅田順彦という殺人事件ですか。

[303]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
10月27日に東京大学教養学部構内で発生いたしました梅田順彦殺人事件でございます。

[304]
日本共産党 諫山博
これは被害者は東京大学の学生だったのですが、被疑者は何名か、逮捕者は何名か、起訴者は何名か、それだけ言ってください。

[305]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
本件は、被疑者は数名ないし10数名と見ておりますが、発生して、現在目撃者を確保して犯人を割り出すべく鋭意捜査中の段階でございます。

[306]
日本共産党 諫山博
結局一人もつかまえていない、一人も裁判には送っていないということですね。これもやはり復讐事件の一つですか、どうですか。警察はどう見ていますか。

[307]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
これは一つの判断でございますが、6月24日のさきの静岡県伊東市での事犯がございましたけれども、これ以降いわゆる反帝学評系が革マル系に対する党派闘争を強めておることは事実でございます。10月6日にも立正大学の構内で同大学の革マル派糸の活動家が反帝学評系と見られる者に襲撃されて死亡しておりますが、その後10月27日に本件が起こったということでございます。

それ以上のものは持っておりませんけれども、判断としては、6月24日の事件が一つの端緒となったと申しますか、それによって強められた両派の党派闘争の一環として起こった事件であろう、こういうふうに見ております。

[308]
日本共産党 諫山博
とにかくこれだけの事件がいまなお処理されていないというのは大変なことです。

その次の事件は、国学院大学の学生である田中玲彦が殺された事件ですか、どうですか。

[309]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
9月12日に埼玉県で発生いたしました田中玲彦殺害事件でございます。

[310]
日本共産党 諫山博
この事件では被疑者は何名で、逮捕者は何名で、起訴者は何名ですか。

[311]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
これは被害者が帰宅途中に中核派と見られる数人に襲われた事件でございます。警察では現在鋭意捜査中の段階でございます。

[312]
日本共産党 諫山博
「前進」ではこの事件について「断末魔のカクマルに容赦なき猛攻撃 国学院田中を完全殱滅」、こういう表題のもとに赫々たる戦果を誇っておるのです。余りいやらしい記事が続きますから私はここらあたりで打ち切りますが、そのほかにもう死亡事件はことしはないですか。

[313]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
さきに少し触れさせていただきました10月4日に立正大学の構内で起こりました事件がございます。

[314]
日本共産党 諫山博
その事件では被疑者何名、逮捕者何名、起訴者何名ですか。

[315]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
本件につきましては、革マル系の活動家と見られる被害者が反帝学評系と見られる数人に襲撃をされたという事件でございます。被疑者の点については鋭意捜査中でございます。

失礼いたしました。10月8日でございます。

[316]
日本共産党 諫山博
だれかつかまりましたか。

[317]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
現在捜査中の段階でございます。

[318]
日本共産党 諫山博
私はことし起こった殺人事件だけを拾い上げたわけですが、この中で完全解決した事件はありませんね。ありますか。

[319]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
まず申し上げますと、5月25日に岡山大学構内で起こりました事犯がございます。これは……(諫山委員「結構です、それはもう完全に解決したわけですね」と呼ぶ)これは21人を検挙いたしまして11名を手配しておりますが、これによって一応全貌を解明しておる、こういうふうに見ております。

[320]
日本共産党 諫山博
岡山大学事件以外に完全解決した事件がありますか。岡山大学事件は私も知っていましたから聞かなかったんですが。――答えがないからもう私が言いますが、完全解決の事件はないでしょう。完全解決どころかほとんど解決していない。殺人罪で起訴されている事件はあるけれども、これは警察がつかまえたんじゃなくて通行人がつかまえたんだ、こういう状態です。

私たち共産党が、トロツキスト暴力集団を政府は泳がしているという表現を使っていることは、警察も公安調査庁も法務省も法務大臣も御存じだと思います。私たちは根拠なしに、トロツキストを泳がしているというようなことを言っているんじゃありません。これだけの事件が起こった。事件が起こって、公然と自分の戦果を誇示している。しかも、機関紙を見ればわかるんですが、だれそれをやるんだと名指しでずっと名前が出てくるんです。そして、ことしの10数件の事件でどうにか完全解決したと警察が言っているのは岡山大学事件だけだ。これを私たちは泳がせ政策だと言っているわけです。

結論として、法務大臣、いまの事実に基づいてどのように対策を立てるつもりか。私はこの問題は系統的に追及しますから、最後に法務大臣の決意だけを説明してください。

[321]
法務大臣 稻葉修
法務大臣の方は直接……

[322]
日本共産党 諫山博
そんなことを言って済みますか、警察はおれが指揮するんじゃないというような言い方じゃ通りませんよ。

[323]
法務大臣 稻葉修
とにかくしゃくにさわる事件だとは思っております。それから、これは検察を通じ、警察と密接な連絡をとって徹底的に挙げてやらなければならぬ。あなたは私に質問しておいて聞かなければだめだよ。

まことに残念なんで、しかも共産党から、トロツキスト集団を泳がしているという酷評を受けるに至ってはざんきにたえない。われわれは何も、こういう者を泳がして何の利益がありますか。不名誉至極じゃないですか、治安当局としては。泳がしているというようなことは断じてありません。これから一生懸命に御期待に沿うようにやります。

[324]
日本共産党 諫山博
私たちはたくさんの証拠を持って、泳がしていると言っているんです。たとえば4・28の沖縄デーの起こったときに中曾根さんはこう言っています。佐藤内閣を支えているのは反代々木系学生だという見方もある、彼らの暴走が反射的に市民を反対に回し自民党の支持につながる作用を果たしている。中曾根さんが言っているんです。うそだと思ったら中曾根さんに聞いてみなさい。

例の東大事件が起こったときに坂田道太さんはこう言っています。三派系全学連よりも一層警戒すべきは日共系民青の動きだ、東大などでも妥協を急ぎ過ぎてはいけない。坂田さんがこういうことを言わなかったかどうか、坂田さんに聞いてきなさい。

私は、大分長くなりましたから結論だけ申し上げます。恐らく法務大臣もこれだけの事実があるんだということは御存じなかったんじゃないかと思います。委員長、知っていましたか。これだけ深刻な事態があるんだ。そして全く解決の道はいまのところ見出されていない。このことを警察も法務省も十分念頭に置きながら、また次の機会に私、質問しますから、そのときはこれだけ処分いたしましたということを堂々と言えるように捜査してください。

以上で終わります。

[325]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
諫山委員から御指摘があったわけでございますが、実は内ゲバ捜査のむずかしさということをるる申し上げたわけでございますけれども、先ほどちょっと触れましたように、44年から48年までに発生した分は、46年12月の三重大で起こりました事件を除きまして、全部解決しているわけでございます。

昨年発生した事件につきましても、昨年の1月24日に警視庁の北沢署管内で起こりました、これは革マル派の東大生2名が友人の引っ越しの手伝いをしておって、中核と見られる者に襲撃された事件でございます。これは1年かかって、ことしの1月に2名、さらに3カ月後の4月に2名検挙して解明をしております。

それから昨年の2月の8日に琉球大で起こりました、これは中核派が一般学生を革マルの幹部と誤認して襲撃して死亡させた事件でございますが、これも10カ月後の12月に解決しているわけでございます。

被害者側の協力が得られない、それから夜中の一軒家でしかも電話線を切断して瞬時にして襲うというむずかしい状況の中でございますので、捜査期間が経過するのは残念ながらやむを得ない事情でございます。未解決事件も、いま申し上げましたように去年とことしに発生の分がすべてでございますので、鋭意努力をして、今後も解決に努めてまいりたい、このように考えております。



[328]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
決して私たちも内ゲバに手をこまねいているどころか、全力を挙げているわけでございまして、去年とそれからことしの9月末までで、極左関係の取り締まりで333名の警察官が実は負傷しております。その中には、さっき御指摘の5月の7日に鹿児島で起こりました事件でございますが、これは現場にたまたま出勤途中の鹿児島県警の本部員が出会わせまして、素手で鉄パイプを持っている犯人に立ち向かって、胸を強打されて2カ月の重傷を負っております。それから7月17日の例の新橋駅での中核、革マルの遭遇戦でも、真っ先にかけつけました愛宕署員は検挙活動で6名負傷しておりますが、重い者は3週間、軽い者でも1週間の負傷をしております。これまでにもう殉職者を出したり、警察の最高幹部が家族を彼らに殺害される等の状況を経ながら全を挙げて取り組んでいるわけでございまして、その警察の取り組みぶりはひとつ御理解いただきたいと思います。





昭和50年12月11日 衆議院 決算委員会
[096]
日本共産党 諫山博
そこで、今度は少し観点を変えまして、殺人ではない傷害事件、凶器準備集合罪、こういう問題について幾つかの点を質問します。

殺人以外はほとんど一般のマスコミでも報道されていませんから、特殊な人にしか知られていないわけです。それでも「前進」だとか「解放」というような彼らの機関紙を読みますと、何名やっつけた、どういう重傷を負わせたというようなことがしばしば載っております。

そこで、その一つのタイプとして、やはりある組織の者が他の組織の者を襲撃する。そうすると、襲撃された側が今度は加害者に復讐する。今度は逆の復讐をするというようなことが繰り返されているわけですが、その一つのかなめになるのに、昨年9月10日に起こった高橋範行殺害事件というのがあります。高橋範行は東京中央郵便局に勤めていて、東京中央郵便局の中核派の活動家であります。そして、去年の9月10日未明に襲われて、その月の16日に死亡しています。襲撃の状況を襲撃側の49年9月30日付「解放」という機関紙で、次のように報道しています。

「わが戦士たちは難なくアジトに突入、高橋の身体に階級的怒りに燃えた鉄槌をたたきこんだ。恐怖に震えて声も出せないこの突撃隊員は右肩、右手首、右足にしたたかな鉄槌をくらって「撃沈」されたのである。」「この高橋なる男は、」「東大生四宮・富山両君を虐殺した下手人であり、7月25日の戦闘的自治体労働者への襲撃をはじめとして、たたかう労働者学生への反階級的な武装襲撃の数々を直接担ってきた男であり、その罪業は許すべからざるものである。」こういう記事が出ていますが、この高橋範行殺しでは被疑者が何名いるのか、逮捕者が何名いるのか、そして何名が起訴されたのか、警察の方から説明してください。

[097]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
昨年の9月10日に警視庁の尾久署の管内で起こりました事件でございますが、御説明いたします。

[098]
日本共産党 諫山博
ちょっと待ってください。委員長、私、限られた時間でたくさんのことを聞きますから、事件の内容は説明要りませんから、被疑者が何名か、逮捕者が何名か、起訴者が何名か、これに限って説明させてください。

[099]
委員長代理 森下元晴
簡明にお答え願います。

[100]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
被疑者は数人ということでございます。地取り捜査、現場鑑識活動等を通じまして、鋭意捜査を進めておりますが、現在のところ検挙者を出すに至っておりません。

[101]
日本共産党 諫山博
被疑者数名の氏名、所属は判明していますか。

[102]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
実は、先生御案内のように、革マルの場合は、43年の同派の黒田議長が出した「日本の反スターリン主義運動」の中でも、当面マル生労働は組織化しないという方針を決定したと言っています。したがいまして、労働者部分の、ことに全逓と限った形で見てまいりますと、大変把握しがたい実態でございまして、本件につきましても、被疑者の氏名等は残念ながらわかっておりません。

[103]
日本共産党 諫山博
この事件で、中核派の上部団体である革共同政治局員の北小路敏が東京で記者会見をしております。そして、高橋範行殺害について報復の宣言をしているはずです。新聞の報道では「10日未明、中核派の労働者が革マル派に襲われ重傷を負う事件があった。これまでの暗黙の境界線を向こうが先に破った以上、彼らの血であがなってもらう」こう言って「“全面戦争突入”を予告した。」新聞の報道によれば「両派の抗争が今後一層深刻化しそうだ。」こうなっております。

北小路敏が記者会見をして報復宣言をしたことがあるのかどうか、警察、どうですか。

[104]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
当時、そのような記事が報道されたことについては承知しておりますが、実際に彼らがやった場面を、こちらが入っていって直接に現認するわけにはまいりませんので、あくまでも報道等により間接的に把握している、かような状況でございます。

[105]
日本共産党 諫山博
北小路敏が報復宣言をする、しかも記者会見まで行って報復宣言をする、これはその後の一連の事件にとってきわめて重大な出来事のはずですが、そういう記者会見があったのかなかったのか。あったとすれば、どのような報復宣言が行われたのか。警察は調べましたか、調べていませんか。

[106]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
記者会見の場には、警察官が直接入ってまいることは残念ながらできない状況でございます。したがいまして、記者会見の場に臨んだ方から協力を得て内容を把握するわけでございますが、これもニュースソースの秘匿ということがございまして、ことに報道関係者の場合、いわゆるニュースソースを明らかにする形での御協力は得られないという限界があるわけでございますので、私たちの承知しておるのは、そういう範囲での御協力を得て把握しておる内容である、こういうことでございます。

[107]
日本共産党 諫山博
法務大臣、北小路が報復宣言をした、この報復宣言に基づいて次々に犯罪が行われているわけです。いまの話では、まともな捜査をしていないでしょう。

もう一つ聞きます。

9月24日に日比谷公園で、解同朝田派と中核派を中心としたトロツキストが、狭山裁判を理由として集会を開いております。ここで、中核派全学連委員長と名乗る松尾真という男が同じような発言をしております。「私たちは昨日、反革命集団の頭領、前川を撃沈した。」これは全逓中郵の戦闘的労働者、同志高橋範行の虐殺に対する報復である、こういうあいさつを公然と集会の中でしていることが報道されていますが、警察は調査しましたか。

[108]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
さような彼らの自認声明があったということを報道された内容は承知しておりますが、ただ残念なことには、いわゆる中核派がやったということを言っておるわけでございまして、何のたれべえがやったということは、言っておらないわけでございます。

従来もかような自認声明を捜査の材料にしまして、たとえば3月14日の本多前進派書記長の殺害事件に関しましては、当日革マルの方で自認声明をいたしましたので、これらを材料にいたしまして、革マルの拠点であります解放社の捜索をしております。

また6月24日の静岡県の宇佐美「緑の村」で起こりました、革マルが反帝学評を襲ったと思われる事件につきましても、7月7日に「解放」紙上で革マルが自認声明をいたしましたので、これらを材料にいたしまして、7月14日に解放社、創造社の捜索をしておりますが、残念ながら、この自認声明はあくまでもセクトとしてやったということでございますので、鋭意捜査に努めておりますが、それだけで、いきなり犯人検挙といった形での捜査活動は、残念ながらとられないという実態でございます。

[109]
日本共産党 諫山博
これだけの犯罪宣言が行われているのに、実態をつかめませんというのは、私は納得できません。

そこで、高橋範行が殺された、それに対して北小路たちが報復宣言をした、この報復宣言に基づいて起こったのが10月3日の山崎洋一殺害事件です。

朝日新聞の報道によれば、4人組が襲撃した。ヘルメットが2個犯罪の現場に落ちていた。そして、このときも北小路が記者会見をして、高橋報復のためにやったのだということを公言した。この事件で、1人は起訴されていると聞いていますが、捜査状況はどうなっていましょうか。法務省、どうですか。

[110]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
御指摘の事件につきましては、1人の犯人の検挙、送致を受けまして、殺人、兇器準備集合で起訴、公判請求済みでございます。

[111]
日本共産党 諫山博
この事件について、襲撃側の「革共同通信」という機関紙には、次のようなことが書かれております。

「虐殺主謀者・全逓カクマル幹部山崎洋一を完全せん滅」説明として「高橋同志虐殺への激しい怒りをこめて鉄パイプを炸裂させた。たちまち血まみれとなり卑劣にも助けてくれ! と懇願するこの反革命分子に渾身の力をふりしぼって一撃また一撃、憎しみの鉄槌を肉体奥深く叩きこみ反革命のドス黒い血の海に沈めたのである。」中略「目には目、歯には歯を! の復讐の原則は厳粛に貫徹されるのだ。」これだけのことが書かれ、朝日新聞などでも、4人組が襲撃した、ヘルメットが2個現場に落ちていた、こういうことが書かれているのですが、検挙は何名でしょう。

[112]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
お答えいたします。

本件につきましては、1月の13日に1名と、それから5月の15日に1名の、2名検挙いたしております。

[113]
日本共産党 諫山博
法務省では、送検を受けたのは1人で、起訴したのは1人という説明をしていますが、もう1人はどうなったのですか。

[114]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
私の手元の資料では1名の受理というようになっておりますが、警察の御説明を受けますと、たしか送致を2名受けているということになっておりますので、恐らくそれが正しいと思います。と同時に、警察当局からいま内々聞きますと、処分保留で釈放だということでございいますので、それも恐らく私は正しいことだと思います。

[115]
日本共産党 諫山博
私は事前にこの事件の処理がどうなっているかを調査していただくようにお願いしていたのですが、事件は殺人ですから、起訴猶予ということはなかろうと思います。そうすると、人違いの送検ということだったのかどうか。この点は、私が質問している間でいいからちょっと調べてください。――わからなければ、私の質問が終わるまででいいですから調べてください。

[116]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
担当の者の説明によりますと、起訴猶予ではもちろんなくて、むしろ殺人、凶器準備集合として起訴するに足る嫌疑がまだ十分でないというので、拘束期間満了のために釈放して処分が保留であり、現に捜査中であるという段階であります。

[117]
日本共産党 諫山博
これもようやく1人処理されたというだけのようですが、ところで、この事件で北小路敏についてはどのような捜査をし、どのような結論になったのか、警察が説明してください。

[118]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
委員御案内のように、機関紙で声明をしておるということになりますと、われわれのセクトがやったということで犯人が特定してないことに加えまして、もう一つ、その内容をだれかが機関紙に執筆したということで、証拠的には間接的になるわけでございます。したがいまして、そういうものを材料にしまして鋭意追及はしてまいっておりますが、残念ながら、そのことを材料にして検挙する、そういうことはできておらない、こういう段階でございます。

[119]
日本共産党 諫山博
私は法務委員会でも、たくさんの機関紙の記事を挙げて、これだけの犯罪予告が行われ、これだけ犯罪を誇示しているのに、どうしてこれが検挙できないかということを質問したわけですが、だれが執筆したのか、だれが印刷したのか、だれが取材したのか、こういうことは警察は調べていますか。調べていないのですか。それとも、調べてもわからないのですか。

[120]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
もちろん捜査の一つの材料でございますから、それをもとにしまして、そういう点についても捜査をいたしております。さっき申し上げましたように、そういうものを材料にして幾つかの件について捜索等を行っているわけでございますが、それをもとに、いきなりある人物を検挙、そういう形で捜査結果が結びつくようなことには残念ながら至っておらない、かようでございます。

[121]
日本共産党 諫山博
私は納得できませんが、山崎洋一が殺された、それに対して今度は革マル側から再び報復宣言が行われて、次々に中核派が襲撃されるということが繰り返されるわけですが、私たちの機関紙による調査によると、10月27日、渡辺正隆というのが襲撃されています。そういう事件があったのかなかったのか。あったとすれば、犯人は検挙されたかどうか、それだけを説明してください。

[122]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
これは昨年の10月27日に発生した事件でございますが、都内の杉並区のアパートに就寝中に襲撃をされて、被害者がそれを察知して窓の外に逃げ出したために被害を免れた、かような事案でございます。

[123]
日本共産党 諫山博
これは犯罪になりますか、なりませんか。

[124]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
もちろん犯罪になるわけでございまして、現場に遺留されておりました鉄パイプ等をたどりながら、現在捜査をしておる段階でございます。

[125]
日本共産党 諫山博
捜査をしている段階というのは、いまなお検挙いたしておりませんということのようですが、その次に、11月16日、大沢猛というのが襲われております。こういう事件があったかどうか、そして犯人の検挙はどうなっているか、説明してください。

[126]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
これは警視庁の蒲田署の管内で起こった事件でございますが、被害者が全逓空港支部臨時大会に参加しようとして犯行地付近を通りかかった際に不審者を認めて、その不審者を呼びとめようとした際に、逆に手拳で殴打されたという事案でございます。

これにつきましては被害者側は、事情聴取はもちろん、被害届の提出等一切の警察に対する協力を拒んでおりますけれども、警察としては捜査をしておる段階でございます。

[127]
日本共産党 諫山博
彼らの機関紙によれば、事件が起こったのは午後1時ごろです。そして被害者には2人の人が同行していたとなっております。犯罪の模様を彼らの機関紙「解放」は次のように書いています。

「この一瞬をとらえ、待機していたわが戦士たちは一挙に大沢目がけて突進した。泡をくった大沢は、うろたえながら助けを求める。だが十全の体制をとって待ち構えていたわが部隊の存在にすら気づかない防衛隊に何ができよう。大沢がタックルされ、叩き伏せられるのを眼のあたりにして「カクマルだあー、110番だ、110番だ、すぐ電話しろ!」と叫び、悲鳴をあげながらつんのめりうろたえる防衛隊を、わが戦士たちは大沢もろとも粉砕しさったのである。」公然と道路上でこれだけのことが行われ、しかも事件後犯罪を誇示しているのに、犯人のめどさえつかないのですか。どうですか。

[128]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
被害者はもちろんでございますが、関係者も、これは労働者同士の口論であるということで、警察に対する事情聴取を一切拒否している段階でございます。したがいまして認知も、たまたま通りかかった人の通報によって警察が知ったわけでございます。

そういうことで被害者側の協力が全く得られないということで捜査には苦慮しておりますが、悪条件の中で鋭意捜査しておる、かような段階でございます。

[129]
日本共産党 諫山博
通行人が見ているのですよ。午後1時ごろ人通りの多い道路上で行われた犯行で、鋭意捜査中ということでは、私は了解いたしません。

その次の日、11月17日、唐沢伸一という人が襲撃されているはずです。そういう事件があったのかどうか。そして、この処理はどうなっているか説明してください。

[130]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
これは11月17日に警視庁の亀有署の管内で起こった事件でございますが、被害者本人は、この事件につきましても、現在に至るも事情聴取は頑強に拒んでおります。もちろん被害申告も拒否しております。

それと、これも被害者なり被害者の関係者からの通報はございませんで、アパート居住者からの110番通報だったわけでございます。そういうことで事件発生から約30分後に警察が認知をしたという、いろいろな悪条件が重なっておりますけれども、これも現場に遺留されておりました鉄パイプ、懐中電灯等をたどりながら現在捜査を進めておる、かような段階でございます。

[131]
日本共産党 諫山博
通行人が110番する、現場には懐中電灯などが遺留されている、これで犯人がわかりませんというような捜査がありますか。

以上が、山崎洋一が殺されて、その報復という、革マルが全逓関係の中核を襲ったという事件です。

次に12月20日、今度は逆の復讐が行われるわけです。中核派が全逓の革マルを襲撃する。その襲撃を受けたのが金綱新二郎。彼らの機関紙「前進」によれば、「全逓高輪金綱に鉄槌」こういう見出しのもとに「わが革命派は捕捉した獲物をむざむざ逃がすほど甘くはない。よたつきながら逃げようとする金綱のえり首をつかみ、骨も砕けよとばかり鉄槌をふりおろしたのである。」「この憎むべき反革命分子の両手、両足、そして全身に、怒りをこめた鉄パイプの乱打をあびせかけ、血の海に沈めたのである。」こういうふうに犯罪の誇示がされていますが、これは犯人を検挙しましたか。

[132]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
本件は、昨年の12月20日に警視庁の三田署の管内で発生した事件でございますが、本件を目撃した通行人からの通報で認知したわけでございますけれども、通報が発生後約4分ということで比較的早かった。それから本件については、被害者も一応調書作成に応じております。目撃者と参考人調書を約20人分作成しておりますが、そういうことで鋭意犯人をしぼり込むと申しますか捜査を進めておる、かような段階でございます。

[133]
日本共産党 諫山博
これは警察にしてみれば、わりあい捜査のしやすい事件でございますということのようですが、それでも結果的には鋭意捜査中ということになっている。

この事件でもう一つ別なことを質問します。

昭和49年12月2日付の「前進」の中にマルクス主義青年労働者同盟・全逓委員会の声明らしい文書が載っております。この中で「カクマル産別組織にたいして情容赦のない鉄槌の雨をふらせるであろう。」「反革命白色テロにたいして正義の報復を完遂することを宣言する。」「荏原カクマルに一人同調して発言した高輪局の兼綱の如きは戦々恐々として逃げまわり、職場、組合運動も放棄し、底なしの腐敗を深めているのだ。」ここで高輪局の金綱という男を名指しで襲撃するぞと予告をしているわけです。それから10数日の間に実際に金綱が襲撃されたという経過があったはずですが、警察は承知していますか。

[134]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
いわゆる彼らが名指しで予告をすると申しますか、かような事案があるわけでございますが、このようなものにつきましては、もちろん内容によっては脅迫罪等が成立するものが当然考えられるわけでございますけれども、残念ながら、この予告を受けた相手が協力をしない。そういうことで、なかなか捜査が実らないわけでございます。

[135]
日本共産党 諫山博
法務大臣に質問します。

いま私が指摘した事件というのは新聞にも書かれないし、テレビにも乗らないし、ほとんどの人が知らない事件です。彼らの機関紙では、堂々と犯罪を予告し、戦果を誇示している。特に金綱の場合は金綱をやるぞということを機関紙に書いて、それから10数日のうちに本当に金綱がやられたのです。そして聞いてみると全く検挙はされていない。日本の治安に責任を負う法務大臣として、どう思いますか。

[136]
法務大臣 稻葉修
切歯扼腕にたえません。しかも私は、あなたの挙げられた事例の中で某々を襲撃するぞという宣言は、現行刑法でも脅迫罪にならないのかなというふうに思いますし、相手の名前を挙げないで報復宣言を堂々と機関紙などに載せていることについて、現行刑法の罪名にはないけれども、いずれにいたしましても、将来の立法上、治安維持上、犯罪の中に入れる、そういう新しい立法なども必要ではないかなというような感じを抱きます。現在そういうような暴力事件が頻繁に行われて、被害者の協力を得られないとはいいながら、なかなか検挙されていないこの現状に対しては、非常に責任を感じます。

[137]
日本共産党 諫山博
いまの法務大臣の発言はきわめて重大です。いま私が挙げたような事件は、いまの法律を改正しなければ検挙できないものではありません。警察がまじめにやろうとすれば、私がこの前指摘したような泳がせ政策をやらなければ、当然検挙できるはずの問題であります。何かもっと治安立法をしなければ取り締まりができないかのような考えを法務大臣が持っているとすれば、問題の本質をつかんでいない、こう言わざるを得ません。

刑事局長、いま私が指摘したような事件は、現行法で逮捕できないのですか。現行法で起訴できないのですか。

[138]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
次の機会には報復するぞというような宣言をしている者、その者が特定できますならば、当該報復事件が殺人等でございましたら、殺人の共犯ないしは教唆の疑いが出るという意味において、そういう犯人が特定できます限りにおいては、それは殺人の教唆、共謀の疑いのある事件であるということにはなろうと思いますので、現行法でできないことはございません。

しかし、いま大臣の申されましたのは、そういう教唆、共謀に至らない報復行為、リンチ行為を称揚する、ほめそやすというような行為自体が共犯、教唆にならなくとも処罰をするという立法も考えられないではないのではないかということを申されたのでございまして、現在の検挙が共犯、教唆として非常に検挙しにくい状況にかんがみて、取り締まりの徹底を期するためには、それも一つの方策であるということを申されたものと理解しております。

[139]
日本共産党 諫山博
もし法務大臣が、こうして大半の内ゲバ事件が処理されていないということを口実にして治安立法というようなことを考えておるとすれば、これはとんでもない考え違いですから、よく検討していただきたいと思います。

[140]
法務大臣 稻葉修
そんなことを申したのではありません。私の言うことを勝手に解釈して、法務大臣は治安立法を考えておるような発言をされることは迷惑至極であります。

[141]
日本共産党 諫山博
私は最後の言葉を信用したいと思います。そうでなくて、いまの法律でこれは処理しようとすればできるのだという観点を貫かなければ、いつまでたっても、こういう事件の検挙はできません。

彼らのやり口がいかに卑劣であるか、もう一つだけ私は事例を紹介しますが、ことしの6月19日に藤盛広之というのが殺されております。ところが、6月16日付の襲撃者側の機関紙「前進」には「白色襲撃の手引き者、高輪の金綱と残り少ないとりまき山本、藤盛は覚悟しておくがいい。」こう書いておるのですよ。6月16日付の新聞に「藤盛は覚悟しておくがいい。」ということが書かれ、19日には藤盛が実際に殺された。こういうことがこの日本で行われておるのだということを法務大臣ぜひ頭に入れておいてください。

そこで公安調査庁に質問します。

私がいま挙げた事件は、すべて革マルあるいは中核の全逓委員会の内ゲバ事件なんです。



[147]
日本共産党 諫山博
中核派の全逓委員会、革マル派の全逓委員会、それぞれこれから報復をするぞということを宣言するし、事件が起これば、これだけの戦果が上がったということを誇示する。お互いに文書合戦も続けているわけですが、どういう組織に属している連中が事件を起こしているのかということさえ、いまなお警察は正確につかまえていないという状況ですか。

[148]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
ただいま申し上げましたように、中核派の場合はマル青労働という同派の青年組織的なものがあるわけでございますが、恐らくこれに相当する部分は革マルの場合は政治団体の構成員とシンパ層に分かれると思いますので、その実態はつかみがたい、これが現状でございます。

[149]
日本共産党 諫山博
法務大臣に質問します。

以上、私が挙げた事件は現行法で十分処理できる。問題は、その熱意と意思がないというふうに私は見ております。法務大臣としては、これだけの事件が起こっているのに、上の方からせん滅するというようなことは考えられないのか。

たとえば暴力団がいろいろ抗争事件を起こすわけですが、こういうときには頂上作戦というような言葉で、暴力団そのものを壊滅するというような方針を警察も法務省もとっていると思います。



[153]
日本共産党 諫山博
刑事局長に質問します。

私たちは、こういう暴力集団は、やはり首脳部を問題にする必要があると思うのです。たとえば北小路という名前がしばしば新聞に出るのですが、われわれは復讐するぞということを宣言する、そして事件が起これば、われわれがやったんだということを誇示する。そのほか新聞にもいろいろ彼らの戦果誇示が出てくるわけですが、革マルとか中核とかこういう幹部、組織をどうするのかというような問題については、刑事法的にどのような検討をしているのですか。

[154]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
一番簡単な方法は、ある団体がその団体内において犯罪行為をやった場合においては、その長たる者を処罰するというような立法があれば一番簡単でございますが、そういう立法はないわけでございますので、またそういう立法が必ずしも妥当だとは思いませんから、結局ある刑法に当たる犯罪行為がありました場合には、そういう直接の下手人でない者を処罰する方法は、それが共同正犯であるか教唆犯であるか幇助犯であるかということでございます。

したがいまして、いま御指摘のような問題につきましては、検察当局は常にそういうリーダー格の者に共犯の疑いがあるかどうかということは検討しておるわけでございますが、遺憾ながら共犯、教唆犯という場合には直接の下手人ではないわけでありますから、直接の下手人を検挙するということを前提にして、その下手人とリーダーとの間がどういう関係であったかということを捜査していくというのが捜査の常道でありますので、そういう方法で、まず何よりも下手人を挙げるということに全力を挙げ、そしてでき得べくんばリーダーが共犯者であれば、それについて捜査の手を進めるというのが検察のやり方でございます。



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基本的に抜粋して掲載していますので、全文は元サイトでご確認ください。



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