在日抗争 ~ 在日韓国人×在日朝鮮人

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昭和24年03月31日 参議院 地方行政委員会
[001]
委員長 岡本愛祐
更に注目すべきことは南朝鮮、大韓民国側と北鮮の朝鮮人民共和国の方の対立状態や、それから中共の進出等の大陸の情勢が政治的に、又思想的に相当敏感に在留鮮人に反映しております。それでどうもトラブルを起し易い。日本の警察がその過中に捲き込まれるというようなことになって来ておるのであります。

昨年の12月姫路市に起ったいわゆる姫路事件でありますが、これは同地方における朝鮮人連盟、つまり北鮮側と南鮮の系統の側に分属している朝鮮人が集団的に抗争しまして1名が殺されたという事態が起りました。双方に数名の負傷者を出しております。これが表面に現われた一例であります。





昭和24年08月24日 衆議院 地方行政委員会
[003]
説明員(国家地方警察本部長官) 斎藤昇
いま一つ最近に目立った事件は、朝鮮人同士の乱闘事件が相当ふえつつあるということであります。その最たるものは、先般下関において起りました朝鮮人の居留民団と、朝鮮人連盟の間における乱闘事件であります。最近居留民団が所々において支部を設け、その活動の強化をはかっておるのでありますが、これに対する朝連側の妨害と見るのが大体正鵠を得たものだろうと考えております。

下関の事件はやはりこの範疇に入るのでありまして、8月の15日に小野田におきまして、民団が韓国の独立記念行事といたしまして、小野田市内を行進いたした際に、朝連側の約200名ほどがこれに暴行を加えたということに端を発するのでありますが、これが20日の早暁3時ごろ、さらに下関におきまして乱闘事件になりまして、朝連側が民団側の事務所及びその幹部の家屋等、約20軒を破壊いたしまして、数人の傷害事件を起したのであります。

警察といたしましては約1000名ほどの警察官を動員いたしまして、この乱闘事件の被疑者の逮捕にあたりますとともに、治安の確保に万全を期しておるのであります。これがこのまま終熄いたしますか、さらに派生的に事件を拡大するような事故が起りますか、ただいまわれわれの方は厳重に監視中であります。ただいまのところでは、さらに派生的の事件の起るような様子が見えないのであります。民団側にいたしましても、朝連側にいたしましても、不法者に対しては断固警察は検挙をいたすべく決意を固めておる次第であります。



[009]
日本共産党 谷口善太郎
斎藤国警長官に1、2お尋ねしようと思うのでありますが、下関における朝鮮人同志の乱闘事件について、長官は先ほど御報告になりました。それによりますと居留民団が各所に支部を設けて活動し始めたことに対して、朝連側がこれを妨害する目的で、方々に乱闘が起ることになった、こういうふうに御報告になったのでありますが、私どもの方に入っておる情報では、まったく逆なものがあるのであります。

ここに朝鮮人連盟からの国警に対する抗議書が参っておりまして、多分あとから斎藤長官に代表が手渡しすることと思いますが、それの一部分をここで申し上げますと、長官の方では、居留民団が支部をつくろうとするそういう運動に対して、朝連側が襲撃を加えておる、こういう報告であったのに対しまして、そうではなくて、まったくその逆であることがここに書かれております。

すなわち、8月15日に下関に居住する朝鮮人の8月15日解放記念日に際して、その行事を未然に妨害するために、朝連の下関支部管内大坪分会に対して民団側暴力団が積極的に先に手出しをしておる。数10名が奇襲を敢行して、同分会の設営になる慶祝用の松の門あるいは装飾物、こういうものを破壊して、病気中の同分会班長、金三竜氏に暴行を加え、3週間にわたる打撲傷を負わしておる。それだけでなく、さらに朝連の小野田支部事務所を破壊する目的で、トラック6台に石ころ30貫、棍棒数100本を満載した約200名の居留民団側が攻撃に来ておる。それで対して騒擾を未然に防ぐために、朝連側は事務所を守っておると、これに対しまして彼らは奇襲を加えて、その事務所に襲撃を加えておる。すなわち当連盟小野田支部に参集した大衆は、同日午後3時ごろに解散しておるのであるが、その解散したことを察知した居留民団側が、山岳地帯に隠してあった6台のトラックを動員して小野田市内に侵入して一斉に挑発的な暴力行為を加えた。このときに小野田炭鉱の日本人労働者数名も、通行中の日本人市民も、この暴行団のために非常な暴行を加えられている。これに対して警察はただ傍観するのみで、何ら居留民団側の暴行行為に対して、これを取締ることをやらなかった。こういうふうな報告が出ております。

その他この抗議書は長いから申しませんが、すべて向う側からやって来ている。事実襲撃されているのは朝連側の事務所でありまして、小野田にしろその他のところにしましても、すべて襲撃されている事務所は朝連側であって、朝連側が逆に向うの支部やその他を襲撃した事実はないことになっております。

これは非常に明らかなことであって、その都度下関署長に対しては抗議をし、また署長もいろいろ回答をしておられますが、こういう非常に明らかなことであるにもかかわらず、国警の方では逆に居留民団の各所につくる支部に対して、あるいはそういう組織運動に対して、朝連側が襲撃を加えて暴行をする。これを妨害するというところにこの事件の本質がある。こういう報告であったのであります。

こういう点は非常に食い違いがありまして、はたしてどちらが正しいのか、これはもちろん調査しなければわかりませんが、しかし今長官の御報告によりましては、ただ支部をつくる居留民団に対して、朝連側が襲撃を加えた。ところが朝連の抗議書によりますと、朝連の事務所が何月何日何時、どれだけの人間によって襲撃を加えられているかということがはっきりしておる。

私どもが判断しますと、事務所の襲撃を受けたのは朝連側であるというこの事実は、国警長官の報告がまったくうそであるか、あるいは間違った報告に基いてなされておるか、そのいずれかと断ぜざるを得ないのであります。この点国警の方では具体的な、どういう報告が来ておりますか。ひとつ聞かしていただきたいと思います。

[010]
説明員(国家地方警察本部長官) 斎藤昇
私が先ほど述べましたのは、全国の大体の傾向を述べたのであります。そしてまた下関事件もそういった傾向の一つの中に入るものだと申し上げたのであります。

ただ下関事件におきまして、民団側にも不法行為があります。朝連側にも不法行為があります。さようでありまするから、両方とも不法行為は断固取締ると述べたのであります。

ただ下関事件の最も大きな不法行為は、朝連側が加えたということを私は報告を受けておるのであります。事件の詳細は取調べが済みますれば明らかになるだろうと思います。それまでお待ちを願いたいと思います。

[011]
日本共産党 谷口善太郎
下関事件で朝連側が最も大きな不法行為をやったという、その具体的なことをここでお話し願えませんか。今一番問題になっていると思われますのは、小野田警察署を占拠したというような問題があるのであります。

しかしこれは先ほど申し上げました炭鉱労働者に傷をつけた居留民団側が、約150名ばかり警察に入って、そうしてこの暴行を受けた朝連側が、これに対して警察へ抗議もしくは保護を申し出て行った代表がいるのでありますが、それに対して警察の中で、この警察に行っていた150名の者が非常な暴行を加えた。結局混乱が起きまして、むしろ警察占拠という形になったようでありますが、これに対しまして翌16日の午後1時ごろ、朝連側代表が署長と交渉した際に、なぜ署長の面前で暴行を加えた居留民団側に対してこれを取締らなかったかという朝連側の代表の抗議に対して、現行犯でも暴行は相手方の告訴がなければ検挙できないのだというようなことを署長は言っております。

この8月16日の小野田警察署占拠という問題は、明らかに朝連側の代表だけが行っており、その前に居留民団側が150名も警察に行って、警察の中でこの代表に暴行を加えて、警察はそれをただ傍観しておったという内容にあるようであります。こういう点についても私どもは非常に不審をもちますので、その根本的に大きな事件を起したという点を、具体的にお漏らし願いたいと思います。

[012]
説明員(国家地方警察本部長官) 斎藤昇
まず大きな事件と申しまするのは、20日の午後3時から5時ごろまでの間に、朝連側の約300人の人たちが、民団側の事務所及び民団委員の家屋約20戸を破壊いたしまして、そうして数名に傷害を与えたという事件であります。

[013]
日本共産党 谷口善太郎
それは幾日でありますか。

[014]
説明員(国家地方警察本部長官) 斎藤昇
8月20日の午後3時であります。

[015]
日本共産党 谷口善太郎
その件につきまして、ここではこういう報告が出ておると思います。8月15日以来の警察側の無責任にして奇怪なる態度は、ついに民団側の破壊的暴力行為を助長する結果として作用し、去る8月20日の破壊的集団暴力行為となった。

すなわち20日午前0時、民団側暴力団約20数名は、白鉢まきに日本刀、手裏剣、手製手榴弾等で武装、当連盟下関支部管内大坪分会方面に大挙来襲し、当連盟員数名に、背後より日本刀でめった切りにし、当連盟下関支部管内第一分会長夫英明氏に瀕死の傷を負わせ、金國(20歳)氏の右肩に手榴弾を投げつけた。さらに花田と称する20歳の青年は、警察官の面前で背中を突き刺されたが、警察官は犯人を逮捕しなかった。

同日午後2時半頃、大坪町所在の当連盟小学校に対し、数100名の警察官は包囲網を形成、折柄当校で開催中の朝鮮人教育者同盟定期大会を急襲し、事件とまったく関係なき数10名の教師を令状なしに逮捕し、一般大衆をも不当検束した。この際、当連盟宇部小学校児童金君順(15歳)は、警察官の暴行によってコン棒で頭を割られ、ほか2名の児童も同様重傷を負わされた。暴力団民団員の累進的な破壊的暴力行為に対して、何ら適切な措置をも講ぜず、最少限度の警察執行権をも行使しない日本警察が、事件とまったく関係なき当連盟員に対する非人道的暴行を敢行している。

こういうことを書いておるのでありまして、もちろんこれも私今長官からの御報告と、この朝連側の抗議の内容にある報告との間の食い違いにつきましては、十分なる調査をしなければならないと思いますが、しかしここにおきましても集団して暴行を加え襲撃しているのは警察官といい、あるいは居留民団側といい、朝連の学校その他事務所に来ているのが彼らの方でありまして、こっちから向うへ行った事件でないのであります。

こういう点につきましてやはり私どもは長官が、今おっしゃったように、デモ的な形勢、デモ的事件の本質という中の一つのものとして、下関事件におきましても朝連側が暴行の主体になっており、あるいはその挑発者になっている、そういうことには考えられないのでありますが、この点についてどうでしょうか。もう少し伺いたい。

[016]
説明員(国家地方警察本部長官) 斎藤昇
ただいま谷口さんより報告をしろというお話ですが、その件につきましては、私の方はまだ承知しておらないような事柄が相当多いのであります。事件はただいま懸命に捜査中でありまするから、詳細判明をいたしましたる後に、また御報告を申し上げたいと思います。

[017]
日本共産党 谷口善太郎
ほかに質問のある方もあると思いますし、簡単に申し上げますが、そういうお考えでしたら、先ほどの長官の報告によりますと、あれはだれが聞いておりましても、下関事件という事件は、居留民団の方に一つの支部組織というような運動が起っておる。これに対して朝連がそれを妨害するように反響を加え、騒擾事件が起り、暴行事件が起るというような報告をなさることは、まったく軽卒であります。あの報告を聞いたすべての人が、朝連側が非常に暴力団であり、暴力行為を積極的にやっておるという結論しか出せないような御報告であります。

こういう一方的な報告――まだ調査が十分にできていないならば、そういう一方的な判断をもって御報告をなされるということは、それこそ社会不安をかもすものであり、事件の本質の認識を誤まらせるようなものであると思うのであります。ぜひひとつ今後は、いやしくも国会の委員会で、そういう軽卒な態度で御報告をなさらないようにお願いしたいと思います。

[018]
説明員(国家地方警察本部長官) 斎藤昇
私は全国に最近の傾向として申し上げたのでありまして、また下関事件につきましても、私の今まで受けました報告におきましては、私は軽卒な報告とは思っておらぬのであります。

しかしながら、谷口委員のお話の点もありますので、事件を調査の結果、さらに御報告をすることがあるのであろうと申し上げたのであります。





昭和24年09月13日 参議院 地方行政委員会
[072]
説明員(国家地方警察本部部長(警備部長)) 樺山俊夫
下関の事件を簡単に申上げます。事件が起りましたのは8月の20日の午前2時半からでございますが、その前に7月の31日に、宇部でやはり朝連と民団の対立のために傷害の沙汰がございました。

その後8月15日に朝鮮の独立記念祭が小野田で行われまして、その際やはり双方の衝突がありまして、下関からトラックに乗りまして小野田に向っておりました民団側に対しまして、朝連の方から襲撃をいたしまして、双方とも負傷者を出したという事件が8月15日に起っております。

その後8月20日までの間に、先程申しました小野田の関係の事件が多少不穏でございまして、多少ごたごたがあったようでありますが、8月20日の午前2時半になりまして、下関に在住しております朝連員約200名が、民団の支部の建物並びにその附近にありまする民団員の住宅19戸を襲いまして、次々に破壊した。尚被害の家屋より金品を奪掠いたしまして、市内の治安が一時的に全く擾乱されたのであります。

NRPといたしましては、現地よりの応援の要請を午前の5時に受けまして、急遽下関に出動いたしましたが、下関の朝鮮人の居住者は非常に沢山ありまして、軽々に検挙に着手することもどうかという状態でございましたが、警察官の態勢ができ上りましたので、午後になりまして検挙に着手いたしました。

その後数次の検挙によりまして、9月5日現在において検挙いたしました数は、156名、そのうち63名を釈放いたしまして、77名を送致いたしております。尚未逮捕になっております者が20数名ございます。これが引続き現地におきまして捜査を継続しておるわけであります。

極めて概要でありますが、大体下関におきましては、昨年の大阪事件或いは又神戸事件の際に、学校問題をめぐりましてあれ程の問題にはならなかったのでありますが、いろいろ問題がありまして、その後引続いて御承知の徳山、小野田その他におきまして、いろいろ民団、朝連双方におきまして対立がありまして、事ごとに問題を起しておったのであります。

下関に在住しておりまする朝鮮人の数は明確でありませんが、大体1万人内外の朝鮮人が居住いたしております。而もその居住しておりまする地域が、下関の北端の極めて不便な所に集団的に居住いたしております。この部落の治安問題というのは、前から下関市におきまする治安の非常に大きな部分を占めておったのであります。

従いまして今回の問題に対処いたしまするために、大体下関市の警察には300幾らの署員がおりますが、NRPに対する応援に基きまして、一番沢山出動いたしましたときにおきましては、NRPから900名、合計1200名の警察官を下関に動員いたしまして、この検挙を容易ならしめたのであります。

尚検挙いたしました者の中には、朝連の県本部の委員長、民青の支部の総務部長でありますとか、朝連の下関の学校の校長、それから下関の支部の委員長というような幹部を検挙しておるのであります。それから検挙に際しまして押収いたしました物品の中で注目されますのは、日本刀が1振と竹槍が33本、鉄棒が2本、鉈が1本、棍棒8本、ハンマー3、庖丁7、かような品物を押収しております。





昭和25年07月07日 参議院 地方行政委員会
[051]
説明員(国家地方警察本部長官) 斎藤昇
朝鮮の南北線を跨がる戦争が勃発いたしまして以来我我の一番心配をいたしておりまする点は国内におる朝鮮人の動向如何、極左分子の活動如何という点であるのであります。

日本におりまする朝鮮人の動向はすでに御承知の通りでありまして、朝鮮の南北における争いが同時に日本の国内における朝鮮人の争いとなって今まで現われておったのであります。

5月30日の韓国の総選挙を契機といたしまして一時両者の間の対立が比較的平穏に見えておりましたのが更に激化をいたして参ったのでありまして、いわゆる旧朝連系の分子と民団系の分子との間の抗争であります。





昭和27年04月21日 衆議院 行政監察特別委員会
[012]
自由党(自由民主党) 田渕光一
去る3月の27日、本会議におきまして、改進党の小川半次君より緊急質問があったのであります。すなわち2月23日、3月20日に関連いたしまして京都が無警察状態であるというような緊急質問が出たのであります。

翌28日の当委員会におきまして、この問題を調査の対象に取上げまして、治安行政の監察に京都事件の調査団が決定いたしたのであります。ちょうど本国会が4月4日から9日まで自然休会に入りましたので、この機会を利用いたしまして、調査団は4月5日東京を出発、6、7、8の3日間にわたしまして、このいわゆる京都事件を調査いたして参ったのであります。派遣委員は、自由党所属野村議員、押谷議員と本員、改進党の高倉議員、社会党の井上議員の一行5名をもって調査をいたして参りました。以上大要その御報告をいたします。

(中略)

なお本事件中発生いたしました不法事案については次の通りであります。

1、居留民団上京支部の襲撃、当日午後7時15分ごろ、北鮮系朝鮮人10数名が管理者不在中の同支部事務所内に侵入、火鉢1個、椅子4個、謄写機1台、窓ガラス4枚を破壊、同事務所の壁に北鮮旗1枚を貼付、1枚は脱落しております。そして逃走いたしましたので、この犯人は目下捜査中であります。





昭和27年04月22日 衆議院 行政監察特別委員会
[019]
委員長 内藤隆
国警の安芸、安佐両地区署の管内で、ただいまちょっと証人が触れておりましたが、3月1日に決行したいわゆる3・1事件ですが、この事件において北鮮系の朝鮮人集団はどういうことをやったか、ひとつこれを伺いたい。

[020]
証人(法務府特別審査局中国支局長) 梶川俊吉
3月1日の万才革命記念日において、大々的に闘争するということはかなり前から計画していたようでありますが、具体的には、2月の24日に民戦の中央の方から広島に指導者が参りまして、指導してから表面だって来たようであります。そうして2月の25日ごろから、前日の2月の29日まで、日本人側と朝鮮人側で再三個別に、あるいは両者合同で計画の会議を持っております。

その計画によりますと、広島で総評系の開く弾圧法規反対の大会を利用するということが骨子でありますが、それが通らなければ、広島の市民広場で独自で無許可の集会を持つ、そこを陽動作戦として広島に警察力を集中する。そして県内の尾道であるとか、呉であるとか、可部であるとか、あるいは海田市、大竹、そういうふうな県内の各所でそれぞれ朝鮮人が行動を起す。そうして警察力の分散をはかっておいて、最後に広島に集結する。

こういう方針を立てているのでありますが、その現われと申しましては、3月1日のまず、海田市地区、これが安芸地区になるわけでありますが、海田市地区では、1日の午前10時ごろから解放救援会の事務所に広島、安芸、可部方面の北鮮系の朝鮮人約130名が集合して、記念大会を開いて一応それは11時ごろに終っておりますが、大会が終ったあとで、一部の朝鮮人、60名くらいが、広島に向って出発しております。

それから11時30分ごろに、海田市町の税務署に70名くらいの者が押しかけて、朝鮮人側の代表者5名と、税務署の署長、間税課長、これらと面接しております、密造酒の取締りを撤廃しろということを交渉して、税務署側の2人の代表者をとり囲んで、約1時間交渉したのでありますが、拒絶されたために退去した。その際に催涙びんを2箇、税務署の屋内に投げて帰っております。

それから一旦税務署を引揚げた後に、約20名くらいの者が、民団の事務所を襲撃する目的でこん棒、手おの、催涙びんを持って、午後4時ごろ民団の安芸支部の事務所を襲撃して、事務所におりました団長の金龍鎬、議長の李昌煕、李初鐘、この3人のいる2階に6名の者が土足で上って、電話線を切り、民団支部の旗を倒して、畳、ふすま、机、いすなどをぶちこわして、議長2名と格闘した上、李初鐘は前額部に切傷1箇所、顔面打撲傷数箇所、李昌煕には後頭部に切傷1箇所、顔面に打撲傷を与えて、午後4時20分ごろ退散しております。国警の安芸地区署では、ただちにこれが捜査に着手して、同夜すでに李龍文という朝鮮人と、金文禎という朝鮮人と、李点俊という朝鮮人、それから矢野町の金判守という朝鮮人、合計4名の容疑者を検挙しております。

なおこの安芸地区署の闘争で注目せられるものとしましては、そういうふうな襲撃事件が終ったあとで、全部の婦女子まで朝鮮人を動員して、おのおの班をわけて、しつこく警察に釈放運動に行く、そして署長が釈放を聞き入れないと、署に子供を養えないから置いて行くというふうな態度に出る。検察庁に対しても連日班をわけて、数名あるいは数10名が押しかけて来る。検察庁にも約2週間くらい毎日来ておりました。

なお海田市方面におきましては、警察署長をたたき殺せというふうなビラを電信柱その他に張って、相当警察署長に対して脅迫を加えておるのであります。検察庁に対しましても、3月11日の勾留理由開示公判の法廷に、約300名が押しかけまして、300名の者が検察庁職員などに暴行を働いております。

なお当日はいわゆる尾道、大竹等においてもデモが行われましたが、これらはいずれも平穏でありました。安佐地区署の管内、地名で申しますと可部でありますが、可部におきましては、まず2月27日に安佐地区の民団の団長に対して、死にたくなければ民団を解散しろという脅迫文を投げ入れておりますが、さらに3月1日当日になりますと、午前8時半頃、北鮮系の朝鮮人が160名くらい可部に集りました。型通り記念式をやり、町役場に押しかけて、朝鮮人の自律教育を認めよ、生活困窮者に保護法を適用せよ、同籍選択の自由を認めろという要求をしたのでありますが、町長不在のため、比較的おとなしく約20分間で退去しております。

これらの集合者が2つの隊にわかれまして、1隊30名くらいは可部に、他の1隊は広島に行っております。可部に行った者にはさらに30名くらいが加わって、合計60名くらいが可部の税務署に押しかけ、そのうちの30名くらいが税務署の2階に行って、署長に面会を求めました。署長、課長が不在でありましたために、前のしょうちゅうの検挙事件はどうするかというふうに脅迫をした後、帰る際に、催涙ガスのびんを1個やはり税務署の中に投げて帰っております。それから可部の税務署から引上げた60名が、今度は町役場に行って町長に面会を求めたのですが、これも町長がいないために引上げております。

なお国警安佐地区署にも一部押しかけておりますが、その際は別に暴行はなかったのであります。そうしてこの安佐地区のデモ隊の100人あまりが、午後の4時半ごろ広島におもむいて、広島で行われた総評の決起大会の流れの自由労組のデモ隊の40人くらいと一緒になりまして、そこで市警本部、広島市の西警察署の前で無許可のデモをやった。そうして特審の中国支局の前に来て、先ほどお話しいたしましたような暴行を加えたわけであります。



[306]
委員長 内藤隆
この国警地区の安芸、安佐両地区管内で、3月1日に決行された北鮮糸の朝鮮人集団のいわゆる3・1闘争、この事前の警備あるいはこの大会当日の状況等を簡単に述べてください。

[307]
証人(国家警察本部警備部第二課長) 平井學
3・1記念日の事前の情報を簡単に申しますと、2月27日、当時の朝鮮人の不穏な活動を察知すべき事件として、安佐地区警察署管内の可部町に民団の安佐郡の支部長がおりますが、その宅に対して午後11時ころ何者かが催涙液の入ったびんを投げ込んだ事件があります。同じく27日の夜、催涙液を投げ込まれた民団の支部長の家並びにいま1人の民団員の宅へ、民団を解散せよ、履行せぬ場合には殺すというような脅迫的記事を記載したビラを投入しております。そういう事実から、当日民団の幹部が襲われるかもしれぬという情報がここに出て来たのであります。

続いて安芸郡の安芸地区署管内の船越町並びに安佐地区署管内の古市町、こういう方面を中心に2月下旬民戦側の朝鮮人幹部の動きが活発になって、ほとんど連日会議を催しておったような様子が出ておりますが、内容はわかっておりません。わかっておりませんが、諸般の事情から総合しまして、3・1記念日に朝鮮人が中心となって警察あるいは税務署、役場、こうしたいわゆるかれらの権力機関に対して襲撃をかけようという企図が大体察知されておりました。

それで国警広島県本部としまして、どういう対策ないしはどういう事前の警備措置をとっておったかと申しますと、事前に――2月28日に、広島市警察本部において広島警察管区本部、広島県本部、広島市警、特審局、高等検察庁並びに広島地検、この関係者が集まりましてお互いに情報を持ち寄って対策を協議いたしております。大体各機関とも私がただいま申し上げたような、朝鮮人についてどうも不穏な計画があるらしいという情報におおむね一致しております。

同じく翌29日、広島地検におきまして、ただいま申し上げましたような関係機関をさらにもう一回集まりまして、対策を協議いたしました。問題になったのは、必ず集会デモ行進があるはずであるけれども、これをいかに取締るか、事前に禁止するか、あるいは許可するかというような点でありますが、国警の管内におきましては公安条例のあるところは全然ありません。そこで国警としましては、事前禁止の措置はとらない、不法行為をやらない限りは集会もデモ行進も禁止すべき筋合いのものではないということで、一応集会並びにデモ行進をやらせる、そのかわりに不法行為をした場合には断固これを取締る、こういうふうにこの協議会で意見を申しました。

ところが市警の方でも、市警にはむろん公安条例がございましたけれども、国警がそういうふうに、不法行為を働かざる限りは、一応集会並びにデモ行進を許可する、こういう方針をとるならば、市警も公安条例はあるけれども、できるだけ許可する方針をとって行こう、こういうふうな協議がありました。

但し国警としましては事前情報のいきさつもありまして、この問題になったところの安佐地区署並びに安芸地区署に対して、県下の他の比較的事件の起りそうもない警察署から少数ずつ抜きまして、総勢200名余りの警察官を、この安芸地区署と安佐地区署に当日臨時応援警察官として派遣することにいたしたのであります。広島市警からは、一応自力で警備ができる見通しのもとに、格別の応援の要請はしておりませんでした。

大体以上が事前の情報並びに警備対策であります。



[314]
委員長 内藤隆
そこで大会というようなものが終ってデモ行進に移ったわけですね。そうして襲撃された場所は可部の税務署、海田市の税務署の税務署2箇所、役場が古市町の役場、祇園の役場、それから船越町の居留民団、約5箇所を襲撃しているのですが、この襲撃した場所について、御承知ならば簡単にその襲撃の状況をひとつ御説明願いたい。

[315]
証人(国家警察本部警備部第二課長) 平井學
わかりやすいように簡単に地理的な関係を申しますと、可部町というのは広島市から大体16キロの地点にある町であります。古市町というのは可部に行く途中でありまして、広島市から大体10キロ程度のところにある。祇園町は安佐地区警察署のある町でありますが、これが大体8キロの地点、これは大体広島市から一直線に並んでおります。

それから安芸地区署管内の海田市並びに船越の関係を申しますと、船越町というのは広島市から大体6キロの地点にある町であります。海田市というのは船越町からわずか1キロも離れておらない程度のほとんど隣接の町であります。

そこでまず可部の税務署の襲撃事件から申しますと、当日3月1日午前9時ごろ、古市町の朝鮮人の中心地である部落に、朝鮮人が大体180名くらい集合いたしまして、朝鮮語で演説をして気勢をあげております。10時ごろからプラカード60本くらいを手に手に持って古市町の役場にデモ行進をしております。役場で何をしたかと申しますと、別に不法行為を働いておりません。朝鮮人子弟のみの小学校分校を設置してくれ、朝鮮人の専任教師を雇ってもらいたい、教育費の負担をしてくれ、こういう3点を中心に要求をいたしまして、11時30分ころ引揚げております。

ところがその後約60名くらいが三々伍々、この古市町から可部町へ来る――距離が5キロくらいあると思いますが、バスまたは電車等によりまして可部町に行きまして、可部税務署に押しかけた。そこで署長がおらなかったものでありますから、署員に対して密造酒の取締りの不当をなじり、一応合法的な談判――陳情と申しましてもはげしい陳情であります。談判をやりまして、そこまではよかったのでありますが、帰りぎわに150CC程度のびんに入った催涙液、これは後ほど鑑識で分析してみますと臭素クロームとアセトンの混合液だそうでありますが、これを帰りぎわに事務室の机の上に投げつけて、さっと引揚げてしまったのであります。この液は後ほど税務署員が医師の診断によって見てもらいますと、急性眼瞼結膜炎、急性刺激性咽頭炎を起させる液体だそうであります。

そこへ私服警察官が2、3名、警戒と署に対する連絡の意味で派遣されておったそうでありますが、帰りぎわにびんをいきなりぱっと投げてそのままさっと引揚けたので、警戒員が本署へ連絡して本署から警察官が来たときには、すでにもう引揚げて逮捕できなかった、こういうのが実情であります。

次にこの可部税務署を襲撃した一隊と思われる者が、今度可部からただいま申しました4キロないし5キロばかり離れておるところの古市町に現われまして、古市町から今度はさらに約1.5キロほど離れた祇園町、ここは警察署の所在地でありますが、祇園町の役場に行きましたけれども、町長がおらなかったために事なく引揚げております。

次にこの一隊が、さらに午後1時半ごろ安佐地区警察署へ押し寄せております。これは密造酒取締りの不当について署長に談判するというので、署の前へ集まったそうでありますが、署長の方で解散を命じたので、これは何らなすところなく解散をいたしましたけれども、それから先約130名の者が、徒歩で広島市に向って出発をしております。これは午後2時50分ごろ解散したという報告でありますので、およそ距離が8キロ、約2里少々の距離でありますが、徒歩でぞろぞろと広島市に向ったのであります。しかもこの半分以上は女子並びに子供の一隊であります。それで警察の方でも、いわゆる型にはまった集団デモ行進というふうには見ずに、いささか軽く見た節があったのではなかろうかと思っております。この旨は同時に電話で広島市警の方には通報はいたしてあります。

次に安芸地区署管内の状況を申しますと、やはり午前11時半ころ、安芸地区署の朝鮮人部落の中心地である船越町、この民線の地区事務所に朝鮮人約60名が集まりまして演説を行い、気勢をあげまして、正午前ころプラカードを40本くらい立てまして、海田市税務署に参っております。この海田市税務署というのは、この部落から徒歩で約20分くらいのところであります。海田市税務署に参りましてこれは税務署長がおりまして、これに対して密造酒取締りを緩和せよ、われわれの生活を破壊するなというような要求をしたのでありますが、午後1時半ころになって、税務署の方で退去要求をいたしました。

それまでは合法的な談判に終始したのでありますが、署長が退去要求をいたしますと、この60名ばかりの朝鮮人が引上げぎわに、玄関のところと応接間のところに2本同様の催涙液入りのびんを投げつけてぱっと退散したのであります。当時警察の万でも不法行為を予期しておったのでありますが、彼らの行動は、いわゆる合法と非合法のすれすれのところを巧みに行くという戦法と思われますが、談判に終始すると見せかけておいて、帰りぎわにさっとこういうびんを投げつけて行くという、実にすばやい巧みな行動に対して、実は警察の方で逮捕するのが間に合わなかったように聞いております。

それでこの税務署を出た一隊は、午後一旦部落に帰ったような様子でありますが、それが再び午後4時ごろ、部落から30~40名程度の者が出て参りまして、広島市方面に向ったのであります。ところが広島市方面に向うと思われたその一隊のうち約30名程度が、いきなりぱっとこの同町にある民団の安芸支部の事務所に押し入りまして、そこにやはり催涙液の入ったびんを室内に投げ入れ、窓ガラス等を破壊し、民団支部長を殴打暴行を加えて引上げたのであります。

警察の方でも、支部長の宅に対して襲撃があるかもしれないというので、かねて警戒はいたしておりましたが、これまた現場で逮捕するに至らず、わずかに道を迷ったとおぼしき1名を逮捕したのみで、その当日は逮捕しておりません。これは翌日逮捕しておりますが、当日は逮捕しておりません。

この人間が、約20~30名だと思いますが、これが徒歩で広島市に向いまして、後ほど申し上げたいと思いますが、可部から参ったこの30名程度の婦女子を交えた一隊と広島市において合流しまして、市内をデモ行進した、こういうわけであります。





昭和27年04月24日 衆議院 行政監察特別委員会
[566]
委員長 内藤隆
その組織をもってどういう闘争をやっておりますか。その闘争の実情を御承知の範囲でお答えを願いたい。

[567]
証人(大韓民国居留民団広島県本部団長) 金在賢
今日本におる、特に日本人の関係は私が言及するまでもなく、朝鮮人の問題に特に重点を置きます。すなわち民戦、祖国防衛隊、彼らが主張するところについて来ない朝鮮人すなわち韓国人を迫害し、あらゆる手段をもって自分らについて来るようにするのが目的であり、それには脅迫もあるし、また暴行もあるし、またありとあらゆる行為があります。

そういうありとあらゆる行為をなすのが彼らの目的であり、それによって恐怖心にからせ、同時にわれら民団自身がなさんとするありとあらゆる行為を妨害するところにこの目的があるのであります。

[568]
委員長 内藤隆
そうするとそういう団体から生命の危険までも感じつつあるのですね。

[569]
証人(大韓民国居留民団広島県本部団長) 金在賢
あります。今私たちはありとあらゆる迫害を受けつつあります。しかし私たちは日本の政府、日本の諸機関を信頼するがゆえに、今日まで何もそれに対する対策を持っておりません。むろん私たちがその対策を持つということは、一例をあげましたならば、3月1日にこういう例があります。広島県においては、あしたは3月1日でいろいろ事件が起る。その前に支部の幹部の家に催涙弾を投げつけられた事実があります。同時に……。

[570]
委員長 内藤隆
そうするとこれを端的に申し上げると、日本の国土の内に朝鮮の皆様が韓国系と北鮮系にわかれて抗争を継続しつつあるというのは事実なんですね。

[571]
証人(大韓民国居留民団広島県本部団長) 金在賢
そうです。

[572]
委員長 内藤隆
3月1日に安芸と安佐両地区で決行された3・1闘争の実情をこれからお聞きしようと思うが、今あなたの証言中にあったが、民団支部が襲撃されたその実情から述べてください。

[573]
証人(大韓民国居留民団広島県本部団長) 金在賢
結局私たちが特に3月1日警戒したのが安芸、安佐であったのであります。なぜならばここには公安条例というものがないのです。集会ができるのです。いつでもデモなどはできるのです。

その前に特に不穏の空気があったのが脅迫状、ビラ、同時に催涙弾を投げつけたという事実にかんがみ、この2つが一番危ぶないという状況にあったが、そのとき私たちは――かれたちが今使っている戦法はゲリラ戦法を使っております。

私たちは防衛するのだ、何とかやっつけなければならぬ、私たちがじっとしておって命殺すのを待っているわけには行かぬ、それではどうすればいいか、竹やりをこしらえるとか、防衛隊をこしらえるというお話もあったのですが、それでは結局けんかになる。私たちは日本というよその国であるだけに、そういう問題を避けたい気持で、いろいろ刺激をさせる行為を避けたんであります。結局何もしない。ただ使嗾(しそう)、あおる条件があるから、何とか警備してもらいたいということを依頼した範囲で、ほかには何にもしなかったのであります。

しかるにこのときどういう状況にあるかといえば、午後4時、その前にいろいろ何があったのですが、午後4時前に、安芸警察から用件があるという電話があった。だから民団の人たちは幹部が4~5名、ごはんを食べずに待っておったが、結局警察が来れば大丈夫だというので、一応解散した。その解散してものの15分か20分以内に、向うから約50名がさっと来て事務所を取巻いた。

その中から6名が、民団の階段がありますが、その階段に上って来たんであります。上って来て、結局そのときみな解散したあとですから約5~6名民団の幹部しかおらぬときに来て、大きなプラカード――プラカードは武器なんです。その武器を持って来て、机の上に上って、たたき出して、団長を出せ、従って団長は、結局そういうことは予期したことなんだけれども、油断したときに急にぱっと来たのだから、あわてたのです。あわてて団長はどうすることもできなかったのです。

結局めちゃくちゃにやった。彼らは棒を持って来て、ガラスを破り、電話線を切り、机をこわし、ありとあらゆる器具をたたきこわして、ちょうどそれから15分から20分続いて、警察が来るという情報を聞くと、すぐさっと逃げ帰ったのです。





昭和27年05月07日 参議院 地方行政委員会
[003]
政府委員(国家地方警察本部警備部長) 柏村信雄
5月1日の第23回メーデーの状況について御説明を申上げたいと思います。

(中略)

次に民団本部の襲撃が行われたわけでありますが、午後1時30分頃でありまして、丸太町通りの民団京都府本部前に北鮮旗を掲げました朝鮮人団がジグザグ行進を始めたのであります。これを制止いたしました警察隊と押合いを始めまして学童が用意していた石を本部の建物に投げ付け、青年行動隊と思われるものを中心に約30名が事務所内に乱入して暴行を働きましたので、この際2名を検挙いたしております。こういうことのために同事務所は2階窓ガラス22枚、表入口の扉のガラス4枚、机2脚が破壊され、警察官7名がここで負傷をいたしておるわけであります。

次に鳥丸丸太町巡査派出所の襲撃でございますが、午後1時20分頃京大生約600名が突然デモの本隊から離れまして御所に向おうといたしましたので交通整理の巡査がこれを阻止しようといたしまして約15分間揉み合ったのでありますが、この混乱の際に民団襲撃事件被疑者2名を同派出所に連行して来たところ、朝鮮人約200名がこれが奪還のために襲撃をいたして参り、空びんを投げ込み又は竹槍、プラカードを以て攻撃し大乱闘と相成ったわけであります。約20分後にようやくこれを押返したわけでありますが、この際派出所窓ガラス、障子4枚を破壊されるほかサイド・カー1台が大破し、警察官10名が負傷をいたしております。





昭和27年05月28日 衆議院 外務委員会
[065]
日本共産党 林百郎
あなたの所管でないならば所管の人に聞きたいと思いますが、これは罰則がついておるので、これに基く中国、ソビエトとの書籍の交換について処罰された例を知っているかどうか、それをお聞きしておくのが一つ。

それから第3問としましては、こうして友好的な関係を阻害しておる一方、われわれの聞いておるところによりますと、最近蒋介石一派から組織的な暗殺団が日本に派遣されておる、これは現に大津で、居留民団の諸君が旧朝連の幹部の人たちを白昼刀剣をもって頭を刺し殺したという例が大津に起きておる。

それから最近は蒋介石一派から警視庁に刑務所を調査するという名目で公然と暗殺団の一派――かつて南京で日本の総領事などを毒殺した人たちの背後関係にあると思われる人が、これは名前は劉才青という名前だそうですが、これが警視庁へ公然と来ている。そしてかつてそういう暗殺団の経験を持っている諸君が、公然と日本へ入っているという話を聞いておるのでありますが、こういう事実があるかどうか。

ことに大津の事件のごとき、居留民団が白昼公然と自分と政治的な立場を異にしている朝鮮の諸君に対して、短刀をもって突き殺すというようなことが起きておるのでありますが、こういう事実があるかどうか。あるとすればこれを厳重に取締らなければならないと思いますが、その事実をあわせて聞いておきたいと思います。

[066]
政府委員(検事(検務局長)) 岡原昌男
関税定率法に基く罰則を適用した案件は、報告は参っておりませんので承知しておりません。おそらくないものと思います。

なお次に民団の幹部宅に侵入してこれを襲撃したというふうな事件は、単に大津のみならず各所においてたくさんございます。これは主として朝鮮人同士の政治的な争いのように拝見いたされます。これはほとんど全国おも立った箇所でも7~8箇所以上でございますが、紛争を重ねておるようでございます。

これらの点につきましては、実はただいま民団の方が襲撃されたというふうな例を申し上げましたが、両方で行ったり来たり、やったりやられたりというふうな、この前の川崎の市内で行われました5~6回にわたり両方が押し返したり押し寄せたりしたあの事件のような形をとっております。

なお南京で暗躍しました暗殺団が最近東京に潜入したという情報につきましては、私承知いたしておりません。





昭和27年05月28日 参議院 法務・内閣・地方行政・労働連合委員会
[003]
政府委員(法務府特別審査局調査部長) 吉橋敏雄
先ず在日朝鮮人運動の一般的動向についてでありますが、我が国に在留する朝鮮人は、最近の外国人登録令によりますれば約56万名を数えるのでありまして、このほかに相当数の未登録者或いは密入国者が算せられるのであります。

これらの朝鮮人は、故国の政治的対立の姿をそのままに現わしまして、即ち南朝鮮を支持する者と北朝鮮を支持する者とに分れておりまして、互いに対立抗争を深めておる状況でございます。即ち前者は在日本大韓民国居留民団、即ち略称民団を組織いたしておりまするし、後者は在日本朝鮮統一民主戦線、即ち略称民戦を中心に、旧在日本朝鮮人連盟、略称朝連を系統とするところの各種団体を結成しておりまして、後者の影響力が極めて優勢であるのであります。

北鮮系は民戦及びその行動隊的な役割を受持っております在日本祖国防衛委員会、略称祖防と共に全国的組織を拡大強化いたしまして、韓国に対する国連軍の軍事援助を帝国主義的な祖国侵略であるといたしまして、これに対する妨害的な宣伝に出で、或いは強制送還反対、日韓会談粉砕、民族教育の確立等を問題に捉えまして大衆闘争を繰返しておるのであります。特に最近は反権力闘争と称しまして、警察、検察庁、特審局、税務署等の治安機関に対する暴力事犯を惹起いたしておりまして、去る3月1日の朝鮮革命記念日前後には広島、大阪等全国各地に亘って40数件に上る暴力事犯を続発せしめておるのであります。

この傾向は一部共産主義者のいわゆる軍事方針に呼応いたしまして、武装闘争の戦術に出ているものと思われまして、実力行使の方法も火焔びん、催涙弾、爆薬、竹槍等が用いられている状況であります。このような最近の動向は一部在日朝鮮人の極端な破壊分子の指導に基くものと思われるのでありまして、ますます悪質化する虞れがありまして、そのために善良穏健な一部在日朝鮮人の立場を破壊し、日韓両民族の離間を来し、その親善協和に暗影を投ずるものと考えられるのであります。





昭和27年07月30日 衆議院 法務委員会
[084]
政府委員(国家地方警察本部警視長(警備部長)) 柏村信雄
去る6月25日に起りました騒擾事件につきましては、ただいま御指摘のように、確かに警察側においては私は不手際があり、遺憾の点があり、反省すべき点が多かったということを率直に申し上げなければならないと思うのであります。

あの事件につきましては、6月20日ごろ大阪府の国警本部が、朝鮮人約3000名ほどが、最初に集まりました池田市の待兼山に集合しまして、伊丹飛行場を襲撃するという情報を入手いたしておったのであります。そういうことについて十分確度を確かめ、検討をするように努めておりたわけでありますが、たまたま6月21日に、これはたしか6月7日ごろと思いましたが、泉大津市におきまする旧朝連系と民団系との間の争いから暴行事犯がありまして、これの容疑者の逮捕に参りました際に、これを裏づけますようなビラを発見をいたして、ますますこの計画が事実確度の高いものであるというふうに考えまして、これに対する警備計画についても、現地において考究中であったのであります。

ところがこれは初め6月25日に集まるという情報であったのでありますが、これが6月24日の午後8時から、反戦独立ファイヤー・ストームという名称で、朝鮮人また学生等が相当数参集して行われるということが、その開催地でありますところの大阪大学の北分校のグランドを使用したいという許可願いが提出されましたことから、はっきりいたしたわけであります。





昭和28年07月24日 衆議院 法務委員会
[056]
岡田春夫
なおもう一つ、これは大臣にぜひお聞きを願いたいと思うのですが、御調査願いたいもう一つの案件があるのであります。これはまたきわめて重大な問題でありまして、この日本の国内において暗殺の計画があって、200万円の金を渡すという約束で13名の者を暗殺するという計画が進んでおるという話を私は聞いたのであります。これまたきわめて重大であります。

事件の概要を申し上げますと、東京都内の足立区の本木町というところにゴムの工場があります。このゴムの工場で労働者の諸君がお盆の手当を3000円もらいたいというので、経営者側に交渉した。ところが経営者側の人がたまたま韓国の居留民団の人であったために、居留民団の本部の人に連絡をつけて、居留民団の本部の人が中心になって、足立区に根拠を置いて、しかもこの居留民団の団長の崔という人が直接に暴力ざたの指揮をとっておるという話を聞いております。しかもこの崔という者が、われわれの聞いおる限りでは白骨団なるテロ団に話をつけてこの白骨団の首謀者は通称松岡という男だそうであります。こういう居留民団の韓国人を中心とするこの白骨団が、朝鮮民戦のいわゆる賃金値上げを要求したところの――これはやはり朝鮮人の諸君でありますが、民戦の諸君の幹部13名を暗殺する計画を立てて、区役所からは外国人登録法に基く登録の写真を写しとって、この写真を持たして、13名を殺したならば200万円の金を渡すということまでも謀議をして約束をしておるという話でございます。

しかもそれだけならばまだ何ですが、すでにこの一端として考えられるべきものとして、7月13日午後7時ごろに韓国居留民団、足立支部のこういう暴力団の人40名が朝鮮の統一民主戦線足立委員会の事務所に来襲をして、居合せた金鉉五以下4名に対して暴行傷害を加えておる。

この事件は、事前に実はこの労働者の側でわかっておったので、防衛をしておったのであります。ところが防衛をしておったが、西新井の警察の方でやはりこの事件を聞きつけて――聞きつけてというよりも、労働者の側から西新井署の方に通知をしたわけであります。聞きつけて参りました山田という公安主任から、この事件についてはこういう暴行を振おうとした者に話をして解散をしろということを命令したので安心してくれ、君たちの方もひとつ解散して安心して帰ってったという通告があつたので安心をして労働者の側は解散をしたのだそうであります。

ところが解散をしてから5分もたたないうちに、突如民団の暴力団が押し寄せて参りまして、ただいま申し上げたような暴行事件が行われており、しかも、ただこれ1回だけならまだ問題ないのでありますが、その次にもそのような危険な状態があったので、再度労働者の側から警察の方に訴えましたところが、これに対しては、いやもうあの民団の方は解散さしたから絶対に安心してくれ、君たちの方も心配がないから、こういうことの回答があったそうであります。

ところがそういう回答があったので、安心してまた解散をしたところが、その夜中に――16日の午前3時です。今度は民団の暴力団8人が労働者の側の者である鄭石根という人の家を襲って、これに対して全治1箇月の傷害を起しておる。それからまたそれと同じ日の午前1時ごろには具永基というやはり労働者に対して、家を襲って殺すぞというわけで、これをリンチしております。

このようにきわめて重大な事態になつておりますし、その後においても、この暴力団は先ほど申し上げた13名の幹部といわれる者の自宅をひんぴんとして襲っていろいろな暴行を加えておるというような事実がある。現在までにすでに判明いたしましただけでも、7人の自宅を襲撃をいたしましてそうしていろいろなことをやっておるというような状態でありまして、その付近の住民としてもこれはきわめて重大な問題であるというので――そういう状態になっておるわけであります。

ところがふしぎにも今までのところ西新井署がこのような事件が起っておるにもかかわらず、あまり積極的でない。たとえば23日の事件のときに使われたと見られる硫酸びんが3個押収になっておりますが、この硫酸びんなども押収したまま置いてあるというような状態、しかも先ほど申し上げたように、この暴行事件で5人の者がけがをしたのでありますが、けがを加えました加害者に対しまして、その事件の最中に現行犯として捕え得る状態であったにかかわらず、なぜかそれを捕えないで、被疑者からの申出によって5人の者を逮捕して、しかも逮捕してもろくろく調べもしないで、そのうちに釈放して、在宅捜査という名目でそのままほうってあるという事情になっておりまして、きわめてこれは重大であると思ひます。

法務省としてもひとつこの点について緊急の調べを願いたいと思うのであります。いずれ参考資料はお手元に届けたいと思いますから、ぜひともこの点もお願いをいたしておきます。

[057]
法務大臣 犬養健
承りますと大分物騒な事件でありまして、もしほんとうなら相当重大なことだと思います。実は、午前中非公式にその関係書類を一部入手させていただきましたので、さっそく検察庁にまわしてございます。ちょうど田中警視総監もなかなかおられることだから、警視総監とも連絡しまして真相を明らかにいたしたいと思っております。





昭和28年07月29日 衆議院 法務委員会
[032]
岡田春夫
数日前の委員会において、東京都下の足立区に起りました事件に関連して白骨団なるものの暗殺団の13名の暗殺陰謀が企てられているという話をわれわれは耳にいたしておりまして、この問題について事が事であるだけに厳重に調査を願いたいという要求をいたしたのでございます。

これについて犬養法務大臣は、事件がお話の通りであるならばきわめて重大であるから、法務省としてもしかるべき担当において即刻調査をいたしたい、こういうような答弁がありまして、ちょうどときたまたま田中警視総監が法務委員会の傍聴として参加しておられましたので、それに関連してぜひ警視総監の管轄の西新井署の事件であるだけに即刻御調査を願いたいということを要求をいたしました。その後委員会が終りましてから口頭ではありましたが、書面等につきましても警視総監にこれを手渡しまして、その内容を警視総監にもお伝えをいたしたわけなのでございますが、その調査の結果をまず警視総監から伺いたいと思います。

それからまた法務大臣から、即刻しかるべき担当において調査をいたして報告をいたしたい、かように回答がございまして、口頭で検察庁と人権擁護局と両方において調査をしたいという意味の答弁もありましたので、これについても法務省当局からその調査の結果を伺いたい、かように考えております。まず第一に警視総監から細詳なる経過を承りたいと思います。

[033]
参考人(警視総監) 田中榮一
過日ちょうど私法務委員会を傍聴しておりましたときに、岡田委員の御発言の途中から承ったのでありますが、前段の13名の白骨団、これにつきましては私聞き漏らしておりましたので、実は後段の西新井警察署管内の民団並びに民愛青のいろいろないきさつにつきましてさっそく調査いたしました。この点だけを私から一応御回答申し上げたいと思います。なおその白骨団云々の問題につきましては私自身もひとつよく調査してみたいと考えておりますが、その際に岡田議員からいただきました資料をもとにいたしましていろいろ調査をしてみたいのであります。私がこれから申し上げますことは警察として調べた調査でありますので、あるいは多少事実に相違しておる点あるいは事が前後しておる点があるかもしれませんが、一応申し上げてみたいと思います。

今回の西新井署管内におきまする民団並びに民愛青の争議は、その紛糾の原因といたしましては足立区本木町1丁目935番地に植村ゴム会社というこれはゴム製の運動靴を製造している会社でございますが、そこに従業員が約30名ほどいますうち、北鮮系と認められる従業員が2~3名あるということであります。

社長は韓国居留民団員の植村、これは日本名であります。植村は43才でありまして、この従業員は夏季手当要求中であったのでありますが、7月10日付近在日朝鮮民主愛国青年同盟員、民愛青員と申しますが、夏季手当を支払わぬ植村ゴムの横暴云々のビラを前記植村工場の前の電柱に張ったので、植村が「関係者以外の者が干渉するのはけしからぬ」といってこれをとりはがしたところ、民愛青員4名に取囲まれ、うち1名にその場で殴打されたため植村は、足立区本木町1丁目810番地、在日朝鮮統一民主戦線足立委員事務所に抗議したところ、そのとき同所にて民愛青執行委員鄭忠權はその非をさとり民愛青名義をもって植村に対しわび状を入れたのでその場は一応治ったのでありますが、本月12日午後5時ごろ民愛青幹部朴明漢、康賞基等が植村方に押しかけ「個人名義のわび状ならさしつかえないが民愛青名義では困るから返せ」と談じ込んだが植村はとうとうそれを返さなかった。

同日午後10時ごろ民愛青4~5名が足立区本木町1丁目936番地民団事務所前で民団員と口論し殴打した上、さらに民団事務所の看板を持ち去ったと民団側が称していることが民団足立支部と民戦・民愛青足立支部との紛争の原因となったのであります。

そこで7月13日の状況を申し上げますと、民団側は午前中より約50名くらいが民団事務所に集合しており、民愛青側は民団側集合の状況を察知して北鮮系朝鮮人に呼びかける一方王子高校生約100名位を動員、足立区本木町1丁目都立第四朝鮮人小学校に待機させたのであります。

そこで午後4時30分、民愛青幹部文景南外2名が西新井警察署警備主任に面会を求め、民団側が動員しているから警戒してもらいたいと申入れ、また民団側幹部も民愛青が動員しているからと同様の申入れを双方から受けたのであります。そこでただちにその旨署長に報告し、署長は、私服員3名、制服員5名を1組として双方に派遣して、事端を起さざるよう説得に努めましたが、民団側においては全員飲酒しており、代表をやって交渉すると称しているために、事態の発生を予想し、その旨西新井橋派出所に待機中の警戒員に連絡したのであります。一方民愛青側は説得を受け、一応退散いたしました。なお警察署には事態警戒のため署員を待機せしめたのであります。

同日午後6時50分ごろ民団側は警察署員の説得を聞かず、民愛青と交渉すると称し代表らしいものを先に立て、約40名くらいが、約200~300メートル離れた近距離にある民愛青事務所に向ったので、私服員より制服警戒員に連絡したが、その間民戦事務所にいたり、留守居と残務処理のため残っていた4名に対し、「看板を返せ」と押問答のあげく附近の民愛青が出て来たため、署員の制止も及ばず、遂に民愛青員との乱闘となり、民愛青員4名の負傷者を出し、またこれを制止した私服警察官3名もまた殴打されるに至ったのであります。

民団側の暴行の報により、ただちに警察署より警戒部隊を出動させるとともに、警視庁予備隊の応援を得て事態の鎮圧に努めたのであります。事態鎮圧後暴行容疑者として民団側6名を検挙したのであります。しかして午後10時30分ごろ民戦男女30名ぐらいが西新井署に来署し、代表3名が署長に面会し、また同時刻ごろ民団代表5名も来署、署長に面会を求め、双方とも公平に措置するよう要望し引揚げたが、それぞれ各事務所に約20名ぐらいが残留し、対峙していたので、これが警戒を行ったのであります。

その後の状況といたしましては、7月14日民団系は50名くらい集合し、民戦系は80名くらい集合し、おのおのピケを張って互に警戒していたので、署長は双方に対し平穏裡に解散するよう説得する一方、事態発生に備え、視察、警邏を強化するとともに、警戒態勢を整えていたのであります。

7月15日民団系は一応事務所は解散したるようにして各所にピケを張り、民戦側は事務所に約50名くらい集合し、夕刻より朝鮮人小学校に移動、各所にピケを張って警戒していたので、署長は前日同様再び代表者を招致説得に努めつつ、警備は前日同様継続して行ったのであります。

7月16日民団側は民戦がこん棒、ラムネびん、硫酸等を用意し、大挙動員して民団襲撃という情報が入っている以上、あくまで防衛態勢は解除できなかったわけであります。

民戦側は彼等の暴力行為はわれわれは黙視できない、さもなくば自衛上動員待機もやむを得ないと双方とも譲らず、事務所周辺にピケを張り相対峙していたため、3度説得に努めたるも両者の空気は険悪化していることが察せられたので、双方の事務所周辺の警戒を厳重にしていたところ、17日午前1時40分ごろ民戦側は30名あて3隊にわかれビラ張りと称しこん棒を所持して行動に出たので、警戒中の次席の指揮する部隊はこれが民団との接触を防止し、これを解散せしめるよう阻止していたところ、民団事務所付近のピケがこれを認め、民団事務所より約20名くらいが同様こん棒をもって出て来て、双方とも投石し始めたが、次席が部隊を率い、中間に位置し、双方を鎮圧阻止解散せしめたのであります。

7月18日以降につきましては、7月18日は民団・民戦共警戒のため人員が集合していたが、19日以降民団は昼間1~2名を事務所に残していたが深夜50名くらい集合して、夜明け前に全員帰宅して民戦は昼間4~5名ないし14~15名午後11時ごろより60名乃至30名くらい集合し、民団事務所周辺へのビラ張り等を行い、その都度阻止されているのであります。

警戒態勢は7月17日以降、夜間予備隊1箇小隊を配置警戒に当らせたのであります。

以上今までの大体の情勢でございまするが、その後の情勢はどういうことになっておるかと申しますると、警察といたしましては13日の午後14時30分から署長室において双方に対して、外部の応援勢力を解散することを理由に紳士協定、和解策を講じましたところ、一応双方が納得して引揚げてもらったのであります。そこで一応口頭和解策を講じましたが、16日早朝民戦側の2~3の者が民団の事務所に侵略をした事件が発生いたしましたので、16日午後5時から夜の12時にわたり、双方に対し文書、交換和解策を講じましたが、遂に回答を得ることができず、明日に持ち越したのであります。

さらに民戦側の民団側に対する挑発事件が惹起したので、この交渉を中止せざるを得なくなったのであります。

その後最近におきまして、7月28日午後3時30分から午後6時30分まで、人権擁護委員の方と法務事務官、それから署長、民戦側の代表2名、民団側の代表2名、これらの人々が集まりまして和解工作をいろいろ協議をいたしております。

28日には両者間に意見の相違がございまして、遂に解決には至らなかったのでありまするが、さらに30日午後1時からこれらの人々が再び集まりまして、今後の和解工作について協議をする予定でございます。

現在までに検挙しておる者は何名あるかと申しますと、7月13日の事件におきまして5名、7月16日の事件におきまして2名、なお7月16日の事件につきましては、今後もさらに容疑者を逮捕すべく捜査を継続いたしております。なおその節5名の検挙者を出して、すぐに釈放したのは不当ではないかというお話でございましたが、これは事態がはっきりいたしましたし、本人らが逃亡するおそれもございませんし、一応在宅調べとしてなお捜査を継続いたしたのでありますが、大体事件は調書もできまして、これはすでに検察庁に身柄をつけずに、事件としてこれをすでに送っております。今後検察庁におきまして、さらにこれに関する捜査が続行されるものと考えておる次第であります。

それからなお本件に関しまして、警察署の態度でありますが、お話によりますと、警察署のやり方が民団側に有利に警備をして、民戦側に不利であったというような意味に私は聞いたのでありますが、警察はこうした紛争の中に介入することは当然できないのであり、警察といたしましてはこうした紛争はあくまで厳正公平の立場においてこれを解決せねばならないと考えております。また現在署長以下もさような心構えで極力誠意を持って両者の代表者を集めて和平工作といいますか、平和のうちに調停をして本事件を円満に解決するように、最善の努力をいたしております。ただこの問題につきまして、率直に申し上げますが、西新井警察署の本事件に対する情勢判断というものが、少し甘過ぎた。これは私どもは率直に認めざるを得ないのであります。こうした民戦、民国の争議というものは、これは管内各所に今までも起っております。ややともいたしますると、双方において、あるいはその問題の経過いかんによりましては、集団的に双方がなぐり込みをかけたり、あるいはなぐり込みをかけられたり、あるいは個人の住宅を襲撃したり、あるいは路上において突如襲撃をしたり、そうした事件が再三起っておるのであります。かような点から、われわれといたしましてはこうした紛争につきましては、最悪の事態を常に予想して警戒態勢を整えておったのでありますが、今次の事件につきましては、若干情勢判断が甘過ぎたのではないか。従ってその警戒の点において、少し遺憾の点があったのではないかということもわれわれは率直にこれを認めるのであります。従って西新井警察署におきましても、17日以後完全に警戒態勢をしきまして、われわれは必要があるならば、幾らでも予備隊を出すからということで今相当厳重に警戒をいたしまして、再びこうした不詳事件が発生しないように、十分に注意を重ねておる次第であります。

そこでわれわれといたしましては、警察はあくまで厳正公平な態度で事件の解決をできればあっせんもして調停いたしたい、かように考えておりますので、いろいろ今も申し上げましたごとくに、人権擁護委員の方にもお出ましを願い、法務事務官の方にもお出ましを願って、署長だけでありますと、あるいはまたどっちかにひいきしておるのではないかという誤解もあるようでありますから、人権擁護委員の方にも御立会願って、ただいま何とか一日も早くこの事件の円満に解決するように努力をいたしておりますので、また民団、北鮮両方におきましても、感情にかられずに、冷静にこの問題を解決して、一日も早く何とか円満解決するようにわれわれは念願をいたしておる次第でおります。



[037]
岡田春夫
それから昨日この問題について、弁護士側から告訴しておりますが、これについてはなぜか検察庁側ではこれを取合わないかのごとき態度をとっております。というところから判断いたしましても、何か検察庁としては独自な活動をすることによって調査をしているというのではなくて、警視庁の報告を待って、あるいは現在のところまだ検察庁としては調査をしておらないために、わからないために、そういう告訴に対してきわめて冷淡な態度をとっているのではないかと思うのであります。

しかしこの事件はあとでもっと具体的に思し上げますけれども、事人間の生命に関する問題で、13人の人が暗殺の計画を立てられてその対象になって、13人を殺したならば200万円の金を出そう、こういう話までできていると伝えられておるのであります。それだけに検察庁としては、やはりこの際厳重に、しかも早急に調べていただくことが、ぜひとも必要であると思います。従ってこの点について強く私としては要望をいたしておきます。

[038]
政府委員(法務政務次官) 三浦寅之助
ただいまの御趣旨に沿うように、十分に、至急調査することにいたします。



[045]
岡田春夫
警視総監のお見えになるのを実はお待ちしておったのですが、先ほどの報告によると、13日に民戦の事務所で暴力事件が起ったために5名の者を逮捕した、しかしそのあとにおいて一応一切の調べが済んだので釈放して、在宅捜査の形でそのままに置いてあるというお話でございます。

ところがこの事件については、私たちの調べておる限りにおいては、被害者が5名出ておるが、被害者について何ら被害の事情の調査をやっておりません。被害事情の調査をやらないで、しかもどういう観点から逮捕したのか知りませんが、5名の者を逮捕して、さらにその場合において、西新井の警察においては硫酸びんが3個押収になっておるはずである。民団側の投げた硫酸びんが3個ある。このように硫酸びんまで使った危険な事件に対して、逃亡のおそれがないというような簡単な考えで、在宅捜査というような形で釈放するということ自体が、先ほど警視総監の言われたように、西新井の署の考え方が非常に甘いということを明らかにしておると思います。



[049]
岡田春夫
それからお調べを願う関係上、一つ具体的な事実を申し上げておきますが、たしか7月18日か19日でございますが、足立区における民団の総会で、民戦の幹部13名の暗殺の謀議を行っております。そしてこの暗殺をやった場合に200万円を出そうというようなことにまで及んだという話があります。これについてはもし必要であれば、私は証人を出してもいいのであります。その謀議に参加しておりました人の証人を出してもいいのであります。というのは、その相談が出ましたときにそういうようなことをやるのはきわめてよろしくないというので、民団の中のある幹部が、そういう暴力的な方法で問題を解決しようとすることには反対だといって退場した人があるのであります。その人がはっきりその事実を知っているのであります。

こういう事実についても、先ほど警視総監は報告をされておりません。こういう事実を調査しなければ、この問題の解決が出て来ないのであります。そういう意味から、こういう点については、ぜひ厳重な御調査を願いたいと思います。前回の委員会において、この前後の関係を詳細に申し上げておりますから、委員会の速記録をとって読んでいただけば、前後の事情がわかると思います。簡単に申し上げるならば、白骨団と称する暴力団体が、これを受取つているといううわさも聞いているのであります。ですから、こういう事実をもっと確かめていただかなければならないと思うのであります。こういう前後の関係は、民団の責任者に対して調べていただくならば、当然これは出て来るはずなのであります。そういう点もひとつ厳重にお調べを願いたいと思います。

それからまた、その後においてひんぴんとして、ただいま申し上げた13名の幹部に対して、幹部の家が個人的に夜半、夜夜中襲撃をされております。現在までに襲撃をされている人は、8人であります。これは単に足立区に限らず、東京都下の全地区にわたって散在する13名の幹部に対してそういう襲撃事件が起っているのであります。こういう点なんかもぜひ調べていただかなければなりません。しかもこの襲撃の際に使っているジープの番号がわれわれの方でわかつております。これは新宿のナンバー5223であります。これは仮ナンバーです。こういう点をお調べになったら、当然わかるはずなんです。





平成01年10月20日 参議院 予算委員会
[294]
自由民主党 前島英三郎
朝鮮総連は日本国内でどういった活動を主体にしておるんですか。

[295]
政府委員(警察庁警備局長) 城内康光
朝鮮総連は、日本国内で反米活動あるいは朝鮮統一のための活動、あるいは在日朝鮮人の権益を擁護する活動などに従事しておるわけでございます。

[296]
自由民主党 前島英三郎
日本の国内法に触れることはこれまであったんですか。

[297]
政府委員(警察庁警備局長) 城内康光
お答えいたします。

朝鮮総連の前身であります在日朝鮮統一民主戦線、いわゆる民戦は、昭和27年ごろ、皇居前メーデー事件あるいは吹田騒擾事件あるいは大須騒擾事件などに参加しております。

それからまた、昭和30年から現在まで、民団との間でいろいろな問題をめぐりまして抗争事件を起こしまして、多数の検挙者を出しております。

それからまた、北朝鮮は従来から我が国に秘密工作員を密入国させておるのでありますが、朝鮮総連関係者がこれに関与をしているという幾つかの事例がございます。



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