尖閣諸島中国漁船衝突事件 4/7 ~ ひと目でわかる決定的な証拠ビデオを見ない見せない菅総理

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平成22年10月06日 衆議院 本会議
[004]
自由民主党 谷垣禎一
まず、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件についてお伺いいたします。

那覇地検は、去る9月24日、海上保安庁の巡視船に衝突したとして公務執行妨害で逮捕、勾留していた中国人船長を、処分保留のまま釈放を決定いたしました。

那覇地検次席検事は、国民への影響や今後の日中関係を考慮したとその理由を説明しておりますが、こうした日中関係への配慮については那覇地検が判断できる能力も判断すべき権限もないことは明らかであり、この発言は、むしろ地検として、政治判断が背景にあったことを暗に示唆したものと受けとめる方が自然であります。

しかし、政府は、釈放の際に行われた今後の日中関係への考慮という判断は、あくまで那覇地検なり上級庁である最高検の責任において行われたものであり、そこに政治介入は一切なかったとの欺瞞的説明をされています。

これが事実であるとすれば、検察官僚が、重大な外交関係を含む総合的な国益の判断を、政治を排除して独自に行ったということになります。

菅政権から透けて見える態度は、検察への責任転嫁という無責任きわまりない姿勢です。我々は、政治介入があったら、それ自体が直ちに問題だと言うつもりはありません。むしろ、政治判断を行わなかったという説明それ自体が、責任回避そのものではありませんか。

もう一度申し上げますが、検察当局に判断、責任を本当に丸投げしたということであれば、今回、日中関係の危機回避に向けて、泥をかぶってまでぎりぎりの思案をめぐらせたのは那覇地検や最高検であるということになります。政治主導をふだんはあれほど呼号する菅内閣において、国益全体にかかわる本件について検察当局に判断、責任を丸投げしたこと、あるいは丸投げしたという説明をすること自体、全くもって無責任と考えますが、御見解を求めます。

菅総理は、所信表明演説において、内閣として取り組む重要政策課題の1つとして主体的な外交を掲げておりますが、我が国としての外交の主体性を論ずる以前に、政府部内で政治家が主体性なく外交を検察に丸投げしているのではお話になりません。

そもそも菅政権には、先ほどの消費税率10%発言にとどまらず、定見なく相手に抱きついて責任を押しつけてくる悪癖があります。今回は、郵便不正事件で大阪地検特捜部の主任検事が証拠隠滅容疑で逮捕され、検察当局の威信が失墜したことを奇貨として、検察当局に抱きついて責任を押しつけたのだという見方も成り立ちます。税制や外交という重要案件において、このような責任転嫁や保身的な取り繕いが存在するところがこの政権の限界であり、信をおけぬゆえんであります。

いずれにせよ、真相を明らかにすることが重要であり、那覇地検次席検事及び検事総長の証人喚問を求めます。もちろん、一般論としての検察捜査の独立性に十分配慮した上で、外交案件が密接に絡んだゆえの特例扱いとしてこれを要求いたします。総理の前向きなお答えを求めます。

また、漁船衝突時の海上保安庁のビデオについて、なぜ最初の段階で公開しなかったのでしょうか。国際世論を喚起し、中国における反日感情のヒートアップの歯どめとするために、初期の段階で公開するという必要があったはずです。公開がおくれた結果、国際社会に対して中国の不当性を明確に訴えることができていません。

もちろん、刑事訴訟手続上、公開には公益上の必要性が求められるわけですが、政府として、みずからの責任をもって公益性を判断し、捜査当局に公開を要請する道はあったはずであります。そのような政治的な判断をひたすら先送りし、時宜を逸してきたとすれば、それもまた問題であります。

そうした不作為を含めて、これまでの非公開という対応について政府部内でどなたが責任を持っておられるのか、明らかにしていただきたく存じます。

なお、遅きに失した感はありますが、今からでも公開すべきと考えますので、早急なる対応を求めます。

ついでながら、総理はこれをごらんになっていないとのことですが、これほどの重大事件の証憑をまだ吟味しておられないとは、驚くほかはないと申し添えておきます。

[005]
内閣総理大臣 菅直人
次に、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件に関連をして、検察当局に判断、責任を丸投げしたのではないかという御質問についてお答えを申し上げます。

本件については、検察当局が、事件の性質等を総合的に考慮した上で、国内法に基づき粛々と判断を行われた結果だと承知をいたしております。

検察当局の判断は適切であったというふうに認識をいたしております。(発言する者あり)

[006]
議長 横路孝弘
静粛に願います。

[007]
内閣総理大臣 菅直人
次に、那覇地検次席検事及び検事総長の証人喚問に関する御質問にお答えします。

証人喚問は、国会において検討されるべき問題であると承知をいたしております。

なお、検察は、御指摘のように検察捜査の独立性の保障が要請されており、検察官の証人喚問はその独立性に悪影響を及ぼすおそれがあるというふうにも認識をいたしております。

次に、衝突時のビデオの公開についてお答えを申し上げます。

尖閣諸島が歴史的にも国際法上も我が国固有の領土であることは全く疑いのないところであり、現に我が国が有効に支配をいたしております。

今回の事案についても、必要な場面において、国際社会に対ししっかりと我が国の立場を説明してきたところであり、今後もその方針に変わりはありません。ビデオの扱いを含め、今回の事案については、捜査当局において適切に対応してきたところと承知をいたしております。

今後のビデオの公開については、現在の捜査の状況及び国会等からの要望を踏まえて、捜査当局において適切な判断がなされるものと考えております。



[009]
自由民主党 稲田朋美
この問題は、先月の7日、民主党が、総理になる資格のない小沢さんと総理を続ける能力のない菅さんが、国民生活も国益も犠牲にして、14日間もの間、コップの中の醜い権力闘争を繰り広げていた、その政治空白期に起きました。

領海侵犯した中国漁船が日本の巡視船に2度も体当たりしてくるという悪質な事案だったので、船長の起訴は当然だとだれもが思ったときに、突如、処分保留で釈放したのです。国民は、あきれ、怒りました。

残念なことに、この国では、国民の怒りを共有することができない政治家が、総理をし、官房長官をし、外務大臣をしているのです。今回の釈放は、中国の不当な圧力に屈して国内法の適用をねじ曲げた、主権国家の名に値しない恥ずべき政治判断でした。

総理は衝突時のビデオを見ていないとおっしゃっていますが、信じられません。総理は、一国の宰相として国家国民を守る責務、そして行政府の長として、命がけで任務に当たった海上保安庁の職員の安全を守る責務を負っています。ビデオを見ないで何を判断できたというのでしょうか。

総理は、一部新聞報道があったように、とにもかくにも早く処理して、なかったことにしてほしい、それが本音だったのではありませんか。なぜビデオを見なかったのか、国民が納得するお答えをお願いいたします。

総理及び菅内閣の閣僚は、釈放は那覇地検の独自の判断であったと言い、検察当局も同じことを言っています。だれも信じない、ひきょうな責任逃れです。

そもそも、外交問題を理由に釈放を決めることは検察の越権行為になると考えますが、その点の総理の御見解を伺います。

また、本件のように極めて高度な政治判断を必要とする外交問題について検察当局にゆだねたとすれば、菅総理及びその内閣には、重大な外交上の局面において、政治判断をする意思も能力もないことをみずからが認めたことになります。

総理にお伺いいたします。今回の釈放において、日中関係、国民への影響という、まさしく国益そのものであり、外交の目的そのものの判断を検察当局にゆだねたことは、あなたが理想とし、政権交代の大義である政治主導の自殺行為ではありませんか。

さらに総理にお伺いいたします。行政機関に属する検察の判断が間違っていたときに、最終責任をとるのは、言うまでもなく内閣です。今回の釈放は、準司法的判断としても外交判断としても間違っています。準司法的判断としては、国内法に日中関係という外交問題を持ち込んだことが間違っている。検察当局は、刑訴法248条の起訴便宜主義の「犯罪後の情況により訴追を必要としないとき」に該当すると苦しい解釈をいたしていますが、ここに外交判断は入りません。

さらに、外交判断、政治判断としても、中国の不当な圧力とおどしに屈し、日本の主権を放棄するかのようにして中国に治外法権を認めたこと、日本がやすやすと外国の圧力に屈して国内法をゆがめて処理をする国であると世界に示したこと、さらに、日中間に尖閣をめぐる領有問題が存在するかのような誤ったメッセージを中国及び世界に向けて発信したことなど、多くの禍根を残す結果を招いたことで、間違った政治判断です。この責任を内閣としてとらなければなりません。あなたの内閣は、この責任をどのようにしてとられるのですか。

政治は、結果です。もちろん、事実関係を明らかにすることは重要です。菅内閣が、腰砕け、ぶれたという国民の批判を恐れ、検察に政治責任と説明責任を押しつけるひきょう者内閣であること、国益を守るという政治意思を示すことのできない意思のない内閣であることを国民に知ってもらうために、逮捕、勾留、釈放に至る事実関係は明らかにしなければなりません。

しかし、事実関係を明らかにすることとは別に、今回の釈放という判断が検察独自のものであれ、政府の判断であれ、それにより国益を著しく侵害したことの責任をとるのは、菅総理、あなたとあなたの内閣以外にはありません。そのことについて、覚悟を総理にお伺いいたします。

総理は、かつて「救国的自立外交私案」を出され、その中で、「まずは議論の前提となる外交や安全保障の根幹の情報を国民にガラス張りにして、日本の国益に関する国民の共通認識を醸成し、いざという時に自国の安全を守るための覚悟を国民の側に作り上げる」と提言しておられます。そうであるなら、早く衝突時のビデオと捜査資料をすべて公開し、国民の共通認識にすべきではありませんか。なぜ公開しないのですか。総理にお伺いをいたします。

そもそも、この問題は、民主党政権の外交姿勢そのものの甘さにあるのです。

鳩山前総理は、全国知事会で、石原都知事から尖閣諸島に日米安全保障条約が発動されるかと聞かれ、確かめる必要がある、帰属問題に関しては日本と中国の当事者同士でしっかりと議論して結論を見出してもらいたいということだと理解していると、信じがたい不見識な発言をし、物議を醸しました。そんな甘い認識だから、友愛の海などと寝とぼけたことを言っていたのです。

総理にお伺いしますが、我が国にとって今世紀最大の外交課題である対中問題について、どのような認識ですか。中国を脅威と認識するのか、それとも、総理も東シナ海を友愛の海と認識しているのか、お伺いいたします。

次に、この問題がもたらした影響について。

中国は、船長逮捕の後、東シナ海のガス田に関しての国際交渉を一方的に延期し、白樺にドリルを持ち込み、掘削を始めたと見られます。政府としてどのような対抗手段をとるつもりなのか、総理にお伺いをいたします。

次に、尖閣の領有関係についてお伺いいたします。

総理は、所信で、尖閣諸島は歴史的にも国際法的にも我が国固有の領土であり、領土問題は存在しませんと言われました。そのとおりですよ。しかし、一方で中国は、尖閣諸島は中国固有の領土であり、主権と領土を断固防衛すると主張し、今回の逮捕について謝罪と賠償を求めています。

たとえ大うそでも、国の主権の及ぶ固有の領土という原則から出発して、最後まで妥協せず、釈放後も謝罪と賠償を求めている中国は一貫しており、反対に、正しいにもかかわらず、最後になって中国の不当な圧力に屈し、ぶれたのは我が国です。

総理にお伺いします。中国が一貫した態度を貫き、我が国がぶれたことで、日中間に領土問題が存在するかのような誤解を世界に発信したことになりますが、総理にその自覚があるのか、お答えください。

中国の温家宝首相は、国連で演説し、国家主権と領土保全については一切妥協しないと述べましたが、総理は国連で何を主張してきたのですか。報道によりますと、国連演説で、国のリーダーがまず果たすべき役目は不幸の原因をできる限り小さくすることだと訴えたそうですが、国家主権と領土が侵害されようとしているときに、そんな演説で中国の主張にとても対抗できるはずはありません。

また、今回、尖閣の日本の立場を国際社会に訴えるという理由で国会日程を変更して出席したASEMで温家宝首相と立ち話の会談をされたといいますが、日本側には中国語通訳はいなかったとお聞きしています。本当でしょうか。通訳がいなくて、あなたが言うように、尖閣は日本固有の領土だと主張してきたことになるのですか。

また、日本の総理大臣として真っ先に主張すべき我が同胞のフジタの社員の解放について、あなたは温家宝首相に要求をしたのですか。また、今回の中国人船長の公務執行妨害罪について抗議したのですか。抗議も要求もしなくて、一体、25分間、何を話していたのですか。具体的にお伺いをしたいと思います。

結局、あなたが総理である限り、国際舞台において、日本は不当なことをされても黙っている国という発信しかできていないということではありませんか。

総理は、日中関係全般について、大局的観点から戦略的互恵関係を深める日中双方の努力とおっしゃっているのですが、領土は主権の問題であり、お互い一歩も引けない問題ですから、他の問題では戦略的互恵ということはあり得ても、事領土に関してはあり得ません。領土にかかわる問題について、中国が努力するとか譲歩するということはあり得ません。なぜなら、中国は、尖閣諸島を、間違って自国の領土と思ってしまったのではなく、日本の領土と知りながら実効支配しようとしているからです。

政府は、我が国固有の領土である尖閣諸島を守るために、どのような戦略を考えているのですか。具体的な策をお答えください。

(中略)

最後に、今回の尖閣問題は、日本国民と政治家にさまざまな教訓を残しました。政治の究極の目的は国家国民の安全保障にあるということ、そして、領土を守るためには国民の覚悟が必要ということです。

その意味で、総理が、6月の所信表明演説で、相手国に受動的に対応するだけでは外交は築かれない、時には自国のために代償を払う覚悟ができるか、国民一人一人がこうした責任を自覚し、それを背景に行われるのが外交であると言われたのは、まさしく言葉としては正しいと思います。しかし、総理は行動が伴っていません。有言不実行なのです。

我が国の尖閣諸島の領有権を守るためには国民が自国のために代償を払わなきゃならないこともある、その覚悟なくして領土は守れません。たとえ尖閣は日米安保の対象でも、自主防衛の気概なくして日米安保は意味がないということです。

ことしの8月15日、菅総理及び菅内閣の閣僚は、ただ一人も靖国神社参拝をしませんでしたが、いかなる歴史観に立とうとも、国のために命をささげた人々に感謝と敬意を表することができない国に、モラルも安全保障もありません。

要は、言葉ではなく、守る意思と覚悟の問題です。その意思も覚悟もない菅内閣にこの国の主権も領土も国民の生活も国家の名誉も守ることができないことが明らかになった今、総理がなすべきことは、内閣を総辞職するか、一刻も早く衆議院を解散し、国民に信を問うことであることを申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)

[010]
内閣総理大臣 菅直人
中国のいわゆる漁船の船長釈放の件について、衝突時の映像を見なかったことについての御質問をいただきました。

私は、この衝突事案については、海上保安庁からのビデオ等により説明を受けていた国土交通大臣また官房長官などから随時報告を受けておりまして、必要な出来事については私として把握をいたしておりました。

外交問題を理由として釈放したことの適否についての御質問をいただきました。

本件の被疑者の釈放については、検察当局が、被害が軽微であること、犯行の計画性がないこと、初犯であることなどの事件の性質に加え、我が国国民への影響、今後の日中関係など、その他の諸般の事情等を総合的に考慮した上で、国内法に基づき粛々と判断を行った結果と承知をいたしております。

稲田議員も弁護士でありますので、そうした刑事訴訟法は私よりは詳しいと思いますが、総合的に判断することもその中で認められていることは、御承知のとおりであります。

外交問題を検察当局にゆだねたことの適否についてという御質問がありました。

今も申し上げましたように、中国人船長の釈放については、検察当局が国内法に基づき事件の性質等を総合的に考慮して最終的な判断を行ったところであり、その判断は適切なものであったと認識をいたしております。

なお、外交の目的そのものの判断、つまり、日本外交の目的そのものの判断を検察当局にゆだねたという認識は全くありません。

外交判断の誤りの責任についての御質問をいただきました。

中国人船長の釈放につきましては、検察当局が国内法に基づき事件の性質等を総合的に考慮して最終的な判断を行ったところであり、その判断は適切なるものであったと認識をいたしております。

また、尖閣諸島が我が国固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いないところであり、現に我が国は、これを有効に支配しております。尖閣諸島をめぐって解決すべき領有権の問題は、そもそも存在をいたしておりません。

我が国のかかる立場については、国内外で正しい理解が得られるよう今後とも努力をしてまいりたいと考えております。

この件について、本件の処理によって国益を著しく侵害したという御主張がありました。

外交に関する最終責任についてのお尋ねもありましたが、当然でありますけれども、最終責任は、内閣の責任者である私にあるものと認識をいたしております。

中国人船長の釈放については、先ほど来申し上げておりますように、検察当局が国内法に基づき事件の性質等を総合的に考慮して最終的な判断を行ったところであり、その判断は適切なものであったと認識をいたしております。

衝突時の映像の公開についての質問について、ビデオの公開については、現在の捜査の状況及び国会などからの要望を踏まえて、捜査当局において適切な判断がなされるものと考えております。

対中外交の基本的姿勢についての御質問がありました。

所信表明でも申し上げたとおり、日中両国は一衣帯水のお互いに重要な隣国であり、両国の関係は、アジア太平洋地域、ひいては世界にとっても重要な関係だと認識をいたしております。

近年の中国の台頭については著しいものがあるが、その国防力の強化、海洋活動などの活発化については、透明性を欠いた部分もあり、懸念を所信表明でも表明いたしたところであります。

中国には、国際社会の責任ある一員として、適切な役割と言動を期待いたしております。日中両国間にさまざまな問題が生じたとしても、隣国同士として冷静に対処することが重要だと考えております。

日中関係全般につきましては、アジア太平洋地域の平和と繁栄、経済分野での協力関係の進展を含め、大局的観点から戦略的互恵関係を深める日中双方の努力が不可欠だと考えております。東シナ海を平和・協力・友好の海にしていくことが肝要だと考えております。

東シナ海油田について御質問をいただきました。

国際約束締結交渉の一方的な延期の発表は遺憾であります。我が国としては、2008年6月の日中合意を実施すべく、交渉の早期再開を働きかけてまいります。

白樺については、引き続き、一方的な活動を控えるよう求めていくとともに、事実関係の確認を要求してまいる所存であります。

尖閣諸島に関する誤解の有無についての御質問についてお答えします。

今般の事件は、検察が事件の性質等を総合的に考慮した上で、国内法に基づいて適切に対応、処理した結果だと認識をしております。

いずれにせよ、尖閣諸島が我が国固有の領土であることは、先ほど来繰り返して申し上げているように、歴史的にも国際法上も疑いないところであり、現に我が国は、これを有効に支配しております。尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題は、そもそも存在しておりません。

我が国のかかる立場は一貫しておりまして、国内外で正しい理解が得られるよう、今後とも努力をいたしてまいりたいと思います。

ASEMの際の温家宝首相との懇談についての御質問をいただきました。

先ほど申し上げましたように、ASEMにおきまして、温家宝首相との間で、まず、私を含め、日本の基本的な立場、先ほど来申し上げておりますように、尖閣諸島が我が国固有の領土であって、それは歴史的にも国際的にも認められたところで、領土問題は存在しないということを申し上げ、また、温家宝首相の方からも、首相としての立場が表明された後に、現在の状況について、好ましい状況ではないという認識、さらには、6月に私が総理に就任した折に主席ともお会いをしたときに、戦略的互恵関係について進展させるというその原点に戻ってこれからの両国関係をさらに進めていこうという点、また、ハイレベルの政治的な政治家の交渉あるいは民間の交流についても、そうしたことについて意見の一致を見たということは、既に申し上げたとおりであります。

また、フジタの社員の問題については、私と温家宝総理との話と並行して、我が国として、この1名の身柄の安全確保と早急な釈放を求めて現在も交渉を進めているところであることを申し上げておきます。

次に、尖閣諸島に関する戦略についての御質問をいただきました。

尖閣諸島が日本固有の領土であることについては、もう既に繰り返し申し上げたとおりであります。政府としては、尖閣諸島に関する我が国の一貫した態度に基づき、従来から尖閣諸島付近海域において厳正かつ適切な警備を実施しており、引き続き万全の体制で警備に当たる考えであります。





平成22年10月07日 衆議院 本会議
[003]
公明党 井上義久
目下の外交課題の最大の懸案の1つは、言うまでもなく日中関係です。

尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件をめぐる民主党政権の場当たり的な対応によって、日中関係は大きく損なわれたばかりでなく、結果的に、日本は圧力を加えたら屈する国という誤ったメッセージを内外に与えてしまいました。総理はこの点についてどのように認識されているのか、伺います。

また、尖閣諸島は日本固有の領土であるという日本の立場のアピールも極めて弱かった。民主党政権には、外交に不可欠な、事態を打開する交渉力、外交力が欠如していると言わざるを得ません。

もっと早い段階からあらゆる外交チャンネルを使って問題解決に全力を挙げていれば、今回のような外交的敗北とも評される結果を招くことにはならなかったとの指摘もあります。

この政治責任は重大であると思いますが、総理はどのように受けとめているか、お答えいただきたい。

中国人船長の釈放について、那覇地検の次席検事は、中国との関係や日本国民の利益を考えて釈放を判断したと、その理由を述べています。

そもそも検察は法と秩序に基づいて判断すべきであって、なぜ検察の権限でこうした判断ができるのか、極めて疑問です。政治的な介入があったとすれば、事実上の指揮権発動であり、内閣の責任は極めて重い。

他方、これだけ日中間の外交問題になっていたにもかかわらず、検察の判断を了としたとの政府の説明では、余りにも無責任であり、きちんと国民に対して説明すべきです。

他方、これだけ日中間の外交問題になっていたにもかかわらず、検察の判断を了としたとの政府の説明では、余りにも無責任であり、きちんと国民に対して説明すべきです。

また、いまだ勾留されているフジタ社員の残る1名の早期釈放を政府として強力に働きかけるべきです。具体的な取り組みを伺います。

[004]
内閣総理大臣 菅直人
尖閣諸島周辺領海内での衝突事故及び中国河北省での邦人拘束についての御質問にお答えいたします。

尖閣諸島が我が国固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いないところであり、領有権をめぐる問題は、そもそも存在をいたしておりません。

今回の事件は、国内法に基づいて適切に対応、処理したものであります。したがって、日本は圧力を加えたら屈する国と内外で受けとめられるとの指摘は当たらないと考えております。

また、尖閣諸島に関する我が国の立場については、国内外で正しい理解が得られるよう今後とも努力をしてまいります。

中国河北省で拘束されている1名の方については、身柄の安全確保とともに、人道的観点からの迅速な解放を中国側に求めており、これを引き続き求めていく所存であります。



[006]
日本共産党 志位和夫
次に、尖閣諸島問題について質問します。

私は、この間の中国漁船衝突事件のような事態を繰り返させないために何よりも重要なことは、日本政府が尖閣諸島の領有の大義を理を尽くして主張することにあると考えます。

日本共産党は、1972年に見解を発表し、日本の領有には歴史的にも国際法上も明確な根拠があることを明らかにしています。さらに、10月4日、より踏み込んだ見解を発表し、日本政府並びに各国政府に我が党の見解を伝えています。

尖閣諸島の存在は、古くから日本にも中国にも知られていましたが、近代に至るまで、いずれの国の領有にも属さない、国際法で言う無主の地、持ち主のない土地でした。日本政府は、1895年1月14日の閣議決定によって尖閣諸島を日本領に編入しましたが、これが歴史的には最初の領有行為となりました。これは、無主の地を領有の意思を持って占有する、国際法で言う先占に当たります。そして、それ以降、今日に至るまで、尖閣列島は、戦後の一時期、米国の施政下に置かれたことがありましたが、日本による実効支配が続いています。

以上の歴史的事実に照らして、日本による領有は国際法上明確な根拠があることは明らかですが、まず、総理に確認しておきたい。

中国側は尖閣諸島の領有権を主張していますが、その最大の問題点は、中国が、1895年から1970年までの75年間、一度も日本の領有に対して異議も抗議も行っていないという事実にあります。

中国は、1970年代に入ってから、にわかに尖閣諸島の領有権を主張し、その主張の中心点は、日清戦争に乗じて日本が不当に奪ったものだというものです。しかし、日清戦争の講和を取り決めた下関条約と、それに関するすべての交渉記録に照らしても、日本が中国から侵略によって奪ったのは台湾と澎湖列島であり、尖閣諸島がそこに含まれていないことは明らかです。

日本共産党は、過去の日本による侵略戦争や植民地支配に最も厳しく反対してきた政党ですが、日本による尖閣諸島の領有は日清戦争による侵略とは全く性格が異なる正当な行為であり、中国側の主張が成り立たないことは明瞭だと考えます。総理の見解を示していただきたい。

日本側の問題点はどこにあるか。それは、歴代政府が、1972年の日中国交正常化以来、本腰を入れて日本の領有の正当性を主張してきたとは言えない点にあります。

1978年の日中平和友好条約締結の際に、中国のトウショウヘイ副首相が尖閣諸島の領有問題の一時棚上げを唱えたのに対し、日本側は領有権を明確な形では主張しませんでした。1992年に中国が領海法を決め、尖閣諸島を自国領と明記した際にも、外務省が口頭で抗議しただけで、政府としての本腰を入れた政治的、外交的対応が何らなされなかったことは極めて重大であります。

そして、今回の事件でも、民主党政権は、国内法で粛々と対処すると言うだけで、領有の大義を、根拠を示し、理を尽くして主張するという外交活動を行っているとは言えません。総理、ここにこそ一番の問題があると考えませんか。

我が党は、日本政府に、こうした態度を改め、歴史的事実、国際法の道理に即して尖閣諸島の領有の正当性を中国政府と国際社会に堂々と主張する外交努力を強めることを求めるものです。

同時に、中国政府に対しても、今回のような事件が起こった場合、事態をエスカレートさせたり、緊張を高める対応を避け、冷静な言動や対応を行うことを求めます。

以上の諸点に対して総理の見解を伺いたい。

[007]
内閣総理大臣 菅直人
次に、尖閣諸島の領有権に関する問題についてお答えを申し上げます。

尖閣諸島については、1885年以降、政府が再三にわたり現地調査を行い、単にこれが無人島であるのみならず、清国の支配が及んでいる痕跡がないことを慎重に確認した上で、1895年1月14日に閣議決定を行って、正式に我が国の領土に編入することにいたしたわけであります。

尖閣諸島は、自来、歴史的に一貫して我が国の領土たる南西諸島の一部を構成しており、1895年5月発効の下関条約第2条に基づき、我が国が清国から割譲を受けた台湾及び澎湖諸島には含まれておりません。

なお、尖閣諸島の領有権については、中国及び台湾が独自の主張を開始したのは、1970年代以降であります。

このように、尖閣諸島が歴史的にも国際法上も我が国固有の領土であることは疑いのないところであり、現に我が国が有効に支配しております。尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題は、そもそも存在をいたしておりません。

さらに、尖閣諸島の領有権の正当性を主張する外交努力についての御質問をいただきました。

さきにお答えしたとおり、尖閣諸島が我が国固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いないところであり、領有権をめぐる問題は、そもそも存在しておりません。

かかる我が国の立場は、78年の日中平和友好条約締結の際や1992年に中国が領海法を制定した際も含め、累次の機会に我が方から中国に明確に伝えてきているところであります。また、ASEMの際の温家宝総理との懇談においても、私から、我が国の先ほど述べた原則的な立場をきちんと申し上げたところであります。

我が国の立場について国内外で正しい理解が得られるよう今後とも努力する考えであることを申し添えておきます。

中国に対して冷静な対応を求めることについての御質問をいただきました。

所信表明でも述べましたように、日中両国は一衣帯水のお互いに重要な隣国であり、両国の関係は、アジア太平洋地域、ひいては世界にとっても重要な関係だと認識しております。中国には、国際社会の責任ある一員として、適切な役割と言動を期待するところであります。日中両国の間にさまざまな問題が生じたとしても、隣国同士として冷静に対処することが重要と考えております。





平成22年10月07日 参議院 本会議
[002]
自由民主党 小坂憲次
さて、総理はまた、いわゆる政治主導と全く異なる考え方を所信表明において示しておられます。例えば、その冒頭において、我が国が取り組むべき課題の1つに国民全体で取り組む主体的な外交の展開を挙げ、世界の平和と安定を国民一人一人が自分の問題としてとらえるべきだと主張されました。

本来、外交こそ専門家の経験と知恵を総動員し、最後は総理が責任を負わなければならない問題であります。これを国民全体でというのは、決して民主主義の本旨に沿ったものではなく、責任を国民に丸投げしたものとしか思われません。沖縄県民の理解が得られないから米軍普天間基地の移設は進まない、検察が判断したから我が国領海で不法操業し公務執行妨害で逮捕した中国漁船の船長を釈放した、あなたはこうおっしゃりたいのでしょうか。

外交に関するある政治家の発言を御紹介しましょう。

日本外交はよく戦略がないと批判されますが、私の見るところ、今の外交はかわし外交と呼ぶべきです。かわし外交とは、この国をいかに導くか、相手国といかに付き合うかという外交戦略を欠き、相手国の圧力をかわすことにエネルギーの大半を費やす外交のことです。しかし、外交戦略を欠くゆえに、かわし外交はその場しのぎ外交となり、結局相手にずるずる押されて終わる宿命にあります。

これは、1998年の第144国会において、ほかならぬあなたが当時の小渕恵三総理に対して行った質問であります。

日本外交がまさに八方ふさがりの様相を呈している今日、まさにこのことを菅総理にただしたいと思います。

今回の尖閣諸島にかかわる中国漁船の我が国領海侵犯と逮捕、釈放に至る一連の経緯は、まさに総理の言うかわし外交であり、その場しのぎ外交にほかならないと思うのですが、総理は領土問題に関していかなる戦略を持ち、対中外交においてどんな戦略をお持ちなのか、お答えください。

この問題で、菅総理に代わり主導的な役割を果たしたと言われる仙谷官房長官にもお聞きいたします。

あなたはこの事件で、14人と船がお帰りになれば違った状況が開かれるのではないかと思っていた、司法過程についての理解が異なるということをもっと我々は習熟すべきだったと率直に御自身の判断違いを認めておられます。

しかし、我が国の領海を侵犯し、海上保安庁の正当な公務の執行を妨害しながら、なお自らの非は認めず、さらに我が国の譲歩を迫る中国に対し日本政府の見込み違いを告白するのは、誤ったメッセージを与えることになるのではないですか。今後、彼我の制度の違いを習熟すれば、尖閣諸島でいかなる違法行為があっても、逮捕とか、我が国の法の執行はないと相手側が判断してしまう危険はないでしょうか。

中国漁船の船長の釈放に際し那覇地検の次席検事は、我が国国民への影響や今後の日中関係を考慮すると、これ以上身柄を拘束して捜査を続けることは相当ではないと判断したとその理由を説明しました。

法と証拠にのみ基づいて事案を判断すべき検察が日中関係を考慮するのは、検察の独善かあるいは政府による事実上の指揮権発動だと思いますが、総理、法務大臣及び官房長官の見解をお尋ねします。

この問題に関し、菅総理は、我が国海上保安庁の巡視船に体当たりする模様をとらえたビデオは見ていないと衆議院予算委員会で答弁されておられます。危機対応の責任者としては無責任極まりない発言であり、杞憂とは存じますが、よもや、まだ見ていないとおっしゃることはないことを確認させていただきたいと思います。

政府・与党は今次国会の開会を10月1日に決め、所信表明演説と対する代表質問の日程を与野党で合意したにもかかわらず、総理のアジア欧州会議、ASEM首脳会議への出席を理由に代表質問の日程を先送りしました。

この会議への出席は、菅総理が中国漁船衝突事件について中国首脳と協議すること、また、日本の立場を各国首脳に説明することと理解し、我々野党も納得して日程変更を受け入れたのであります。

立ち話であったようですが、成果はありましたか。温首相とは会場廊下のいすに座って会談したと伝えられています。突如の立ち話に、日本側の中国語通訳がいなかったため、英語を介しての通訳だったと聞きます。それで25分の立ち話ということは、実質的には10分以下の短時間の会談ということになります。それで十分な日本の国益の主張ができたんでしょうか。また、立ち話の際に温家宝首相に対し、いまだに拘束されたままのフジタの社員1名の解放を直接要求されたでしょうか。昨日の我が党総裁、同僚の質問にははぐらかし答弁に終始されましたが、直接要求したのか、イエスかノーかで明確にお答えください。御本人の不安や御家族の御心配を考えるとき、国民の生命を守るべき首相としての役割をどのように認識されているのか、率直にお答えください。

[003]
内閣総理大臣 菅直人
領土問題に関する戦略と対中外交に関する御質問をいただきました。

私が国民全体で取り組む主体的な外交を展開すべきと所信表明で述べたことについて、何かそのこと自体が無責任だというような趣旨の質問をいただきましたけれども、私は、外交も含めて国民主権の下では国民が全体として取り組むということは全く間違っていないと思います。そういった意味で、その外交を進めていく上で、もちろん専門家の皆さんの力を借りることは当然でありますけれども、何か国民全体で取り組む主体的な外交の展開そのものがおかしいという、私は小坂議員の意見には残念ながら同意はできません。

尖閣諸島について申し上げますと、尖閣諸島が我が国固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いのないところであり、領有権をめぐる問題はそもそも存在をいたしておりません。今回の事件は国内法に基づいて適切に対応、処理したものであります。政府としては、尖閣諸島に関する我が国の一貫した立場に基づき、従来から尖閣諸島付近海域において厳正かつ適切な警備を実施しており、引き続き万全の体制で警備に当たる考えであります。また、このような我が国の立場に対する正しい理解が国内外で得られるよう、引き続き適切に取り組んでいく考えであります。

いずれにせよ、日中関係全般については、アジア太平洋地域の平和と繁栄、経済分野での協力関係の進展を含め、大局的観点から戦略的互恵関係を深める日中双方の努力が不可欠と考えております。先日のASEMの際の温家宝総理との懇談でも、戦略的互恵関係を推進していくということで意見が一致しました。かわし外交とかその場しのぎ外交という指摘は全く当たらないと考えております。

被疑者釈放の方針決定の適否についての御質問をいただきました。

本件の被疑者の釈放については、検察当局が、被害が軽微であること、犯行の計画性がないこと、初犯であることなどの事件の性質に加え、我が国国民への影響、今後の日中関係などその他の諸般の事情等を総合的に考慮した上で、国内法に基づいて粛々と判断を行われた結果だと承知をいたしております。

衝突時のビデオを見なかったことについての御質問をいただきました。

衝突事件については、海上保安庁からビデオ等により説明を受けた官房長官及び国土交通大臣から随時報告を受けており、必要なことについては把握しておりまして、衆議院でも申し上げましたように、私自身はビデオは見ておりません。

温家宝総理との懇談と邦人拘束事案についての質問をいただきました。

温家宝総理との懇談においては、まず第1に尖閣諸島は我が国固有の領土であって領土問題は存在していないという原則的な立場を述べた上で、日中関係の現状は望ましいものではなく、また6月に私が総理に就任した後、胡錦濤国家主席との会談で一致した戦略的互恵関係を進展させるという原点に戻ること、そしてハイレベル交流及び民間交流を行っていくこと、こういったことをお話をいたしまして、この戦略的互恵関係を進展させるという原点に戻ることやハイレベルの交流及び民間交流を行っていくことについて意見が一致したところであります。外交上のやり取りの細かい部分については、これは外交という面で差し控えたいと思っております。

いずれにせよ、引き続き中国側に対し、いまだ釈放されていない1名の方の身柄の安全確保とともに人道的観点からの迅速な処理を求めているところであります。

[004]
内閣官房長官 仙谷由人
小坂憲次議員の質問にお答えをいたしたいと存じます。

尖閣諸島周辺領海内での衝突事件についての御質問でございました。

今回の決定は、検察が事件の性質等を総合的に考慮した上で、国内法に基づき、粛々と捜査をし、判断をしたものと承知をいたしております。

また、今後、仮に今回と同様の事件が発生した場合には、その具体的な状況を踏まえた上で、国内法に基づいて適切に対応していく考えでございます。

今回、中国側が一方的に事態をエスカレートをさせたわけでありますが、このことは誠に残念だったというふうに考えております。こうした我が国の対応が国際社会に、あるいは中国に対して誤ったメッセージを与えるとの御指摘は全く当たらないと考えております。

失礼しました。もう1点、被疑者釈放の方針決定の適否についての御質問をいただきました。

本件につきましては、検察当局が事件の性質等を総合的に考慮した上で、国内法に基づいて粛々と判断を行った結果と、先ほど申し上げたとおり、そういうふうに承知しております。検察当局の判断は適切であると認識をしております。

以上であります。(拍手)





平成22年10月08日 参議院 本会議
[002]
公明党 山口那津男
まずは、喫緊の課題である尖閣諸島周辺領海内の中国漁船衝突事件をめぐる日中関係についてであります。

中国の温家宝首相が国連総会で主権や領土などで一切妥協しないと強く演説している一方、菅首相は2度の演説でこの問題に触れず、いつまでも国際世論に積極的に訴える姿勢を見せませんでした。また、衝突時のビデオを見ていないことについて、国土交通大臣また官房長官などから報告を受けていると答弁されましたが、ビデオは我が国の領海内で起きた事件であるとの主張を裏付ける根拠となるものであります。それをいまだ見ようとしない、そういう姿勢だから、総理の外交には説得力を感じさせないのだと指摘しておきたい。なぜ政府を代表して重要な主張をするのにその根拠を自ら確かめないのですか。お答えください。

ASEMにおいては温家宝首相との懇談が廊下で実現しましたが、その際直接、フジタの邦人社員1名の解放を要求しようともしない態度に驚きを禁じ得ません。総理は一国の外交の最高責任者であるとの自覚をお持ちか、答弁を求めます。

ようやく日中の関係改善の兆しが見えてきましたが、今後このようなことを繰り返してはなりません。

尖閣諸島の問題については引き続き日本の立場を国際社会に発信し続けることが重要ですが、また、日中関係が最も重要な二国間関係の1つであるとの認識に立ち、問題の解決には戦略的互恵関係を具体的に進展させることが重要です。そのために、両国は互いに大局観に立ち、冷静に対話を通した外交努力を重ね、良好な両国の信頼関係を築きながら、今後このような事態が生じることのないよう適切な対応策について協議すべきです。答弁を求めます。

[003]
内閣総理大臣 菅直人
ビデオの公開について御質問をいただきました。

ビデオの公開については、現在の捜査の状況及び国会等からの要望を踏まえて、捜査当局において適切な判断がなされると考えております。海上保安庁からビデオ等により説明を受けた官房長官及び国土交通大臣からは随時報告を受けており、必要なことについては十分把握をいたしております。

外交の最高責任者としての自覚と対中外交についての御質問にお答えを申し上げます。

当然のことながら、このフジタの邦人社員1名の釈放については、中国側に一刻も早い解放を従来から求めているところであります。

所信表明でも述べましたように、私の内閣では、重要政策課題の1つとして主体的な外交の展開を掲げております。このような考え方の下、日本国の外交の最高責任者として主体的な外交を進めていく考えであります。

日中関係については、これは山口代表も言われておりましたけれども、アジア太平洋地域の平和と安定、そして経済分野での協力関係の進展を含め、大局的観点から戦略的互恵関係を深める日中双方の努力が不可欠である、これは山口代表もおっしゃったとおりだと思っております。今般の衝突事件については、今後、中国側に対し、類似の事件の再発防止に向けた協議を行うことを求めていきたいと思います。



[005]
みんなの党 水野賢一
まず、尖閣諸島の問題を取り上げます。

言うまでもなく、尖閣諸島は日本固有の領土です。私たちみんなの党は、国民や国土はとことん守るとアジェンダにも明記していますし、領土、領海内で行われた犯罪行為、公務執行妨害という犯罪行為については国内法を厳正粛々と適用するのが当然だと考えています。その上で、まず中国とどう向き合うかという点についてお伺いをします。

今回、中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突してきた、これは逃走を図ろうとする中での出来事で、ここだけを見れば計画的なものではなかったのかもしれません。しかし、近年の東シナ海油ガス田での中国の姿勢、南シナ海への進出、海軍力の増強などを併せて考えれば、事件の背景には中国の拡張主義、大国主義的な動きがあるように思いますが、総理はどのように考えますか。

時あたかも、民主党の枝野幹事長代理が中国はあしき隣人と発言をしました。飽くなき拡張主義やチベット、ウイグルなどでの弾圧、法治よりも人治を優先する点、知的財産権の侵害等々を見れば、そうした批判にもうなずける面があるのではないでしょうか。仙谷官房長官は不適切な発言との認識を示したようですが、総理はどうお考えですか。少なくとも良き隣人とは程遠いと思いますが、いかがでしょうか。

私たちは、中国に対して居丈高になる必要はありません。しかし、民主党政権のように位負けする必要もこれまたないのです。道理の通った主張はしっかりとしていかなければなりません。

(中略)

総理は、先日ASEMの会議に出席しました。国際社会に尖閣は日本固有の領土であるとの認識を深めてもらう働きかけをしたのでしょう。それ自体は結構です。

ところで、現在、尖閣は日本領だと明確に支持してくれている国は世界にどれくらいあるのでしょうか。ASEMなどでの働きかけで増やすことができたのでしょうか。総理にお伺いをいたします。

いわゆる政治介入について伺いたいというふうに思います。

今回は、衝突から船長の逮捕、送検、勾留延長と続き、当初は一見毅然とした対応をしているようにも見えました。野党のある総裁は逮捕が間違っていたかのような事なかれ主義的な発言をされましたけれども、それよりはましだと感じる人も多かったでしょう。しかし、それだけに、突然、処分保留、釈放となったその落差の大きさに衝撃が走ったのも事実です。ですから、この過程を検証してみる必要があると思います。

外務大臣にお伺いをしますけれども、報道によれば、当時国土交通大臣だった前原大臣はおれが逮捕を決めたと豪語したとのことですが、それは事実でしょうか。

問題の処分保留、釈放について伺います。

政府は再三にわたって捜査への介入はなかったと言っておりますけれども、多くの人がそれを信じていません。確かに、検察庁法14条のただし書に規定をしているような明示的な指揮権の発動はなかったのかもしれません。しかし、少なくとも検察に対し、官邸の意向をそんたくさせるような言動、働きかけはあったのではないですか。

また、気になるのは、官房長官が会見で、釈放という那覇地検の決定を了としたと言っている点です。了とするというのは、普通、了解する、了承するという意味だと考えられます。官房長官はそもそもそんな権限を持っているんですか。それでは、時には検察の判断を了解しないということもあり得るのですか。官房長官、お答えください。

那覇地検は、釈放を発表したときの会見で、理由の1つに外交配慮も挙げています。検察がそこまで踏み込むのならば、検察官も国会に呼んで見解をただすべきだと考えます。

昭和30年代ごろから、検察官を国会に呼ぶのではなく、代わって法務省幹部に答弁してもらう慣習が確立しました。その理由として、政府はこれまで、検察は司法権と密接に関係しているからと言っていたはずです。しかし、外交権とも密接に関係をしているならば、検察官にも国会で答弁してもらう必要があると思いますが、総理の見解を伺います。

なお、衝突のビデオ公開は当然のこととして要求します。

[006]
内閣総理大臣 菅直人
尖閣諸島が我が国固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いのないところであり、領有権をめぐる問題はそもそも存在をいたしておりません。我が国のかかる立場は一貫しており、諸外国もこれを十分承知をしているものと考えます。

ASEMの際の二国間会談では、日中関係はアジア太平洋地域、ひいては世界にとって非常に重要な関係である、我が国としては大局的な観点から冷静に対処している旨を申し上げ、各国から理解を得ました。二国間会談の詳しい内容というのは、これは外交上の議論でありますので、こうした場で申し上げることは控えておきたいと思います。我が国の立場に関し、国内外で正しい理解が得られるよう今後とも努力をしてまいる所存であります。

検察当局に対する働きかけの有無について質問をいただきました。

本件については、検察当局が事件の性質等を総合的に考慮した上で、国内法に基づき、粛々と判断を行った結果と承知をしております。その過程において、検察当局に対して官邸から働きかけが行われた事実はないと承知をしております。

検察官の国会への出頭についての質問をいただきました。

中国人船長の釈放については、検察当局が国内法に基づき、事件の性質等を総合的に考慮した上で、粛々と刑事手続上の処理について判断をしたものであります。外交権一般と密接に検察が関係しているという認識は持っておりません。

また、検察は、検察捜査の独立性の保障が要請されており、検察官に国会で答弁させることはその独立性に悪影響を及ぼすおそれがあると考えております。



[015]
自由民主党 岸信夫
中国漁船問題について伺います。

総理、あなたは、総理就任以来の4か月、一体我が国のために何をしてきたんですか。参議院選挙の間も世界は動いている。日本のリーダーとして国際社会に何かを発信しましたか。疲弊した地方経済が進行する円高に悲鳴を上げていたにもかかわらず、民主党代表選挙にうつつを抜かし、対策が後手後手に回ってしまった。そして、代表選挙のさなかに尖閣諸島周辺の我が国の領海で起こった中国漁船による海上保安庁巡視船への衝突事件では、中国が反応してくることが容易に想像できたにもかかわらず、すべてを地検に押し付けた形にして、自ら前向きに対処しようという気構えが全く見られない。むしろ早く厄介払いしたかったようにしか思えません。国難に際し、国民の先頭に立って乗り切っていこうという強い意思が感じられないんです。

最近、マスコミの全国調査で、内閣支持率は急落し、その理由として、中国漁船衝突事件の船長釈放など、菅内閣の一連の対応が適切ではなかったとの回答が7割から9割近くを占めています。

総理、政府の最も重要な役割は、国民の生命、財産を守ることです。中でも、領土、領海を守ることは基本中の基本であります。国土を持たない民がどれほど悲惨な運命を歩んできたか、知らない人はいません。ゆえに、政権を持とうとする者は外交・安全保障政策について確固たる意思と戦略を示さなければいけないのです。

以前、友愛の海などと言った方がおられましたが、実際には一触即発の火種を抱えたこの海域で、我が国の領土、領海を命懸けで守っている海上保安庁、そして自衛隊の皆さんの心情を思うとやりきれない気持ちです。この度の釈然としない船長釈放によって、最前線で体を張っている海上保安庁の皆さんの士気がどれだけくじかれたか、総理にはお分かりになりますか。答えてください。

総理は、8月19日、自衛隊のトップを官邸に呼んだ際に、改めて法律を調べてみたら総理大臣は自衛隊に対する最高の指揮監督権を有することが分かったとおっしゃったそうです。6月15日の本会議では、同僚の佐藤議員の質問に対して、自衛隊の最高指揮官として日本という国を守り抜く覚悟がなければ総理に就任することはできないと御自身で述べておられます。その2か月後にこのようなことをおっしゃるということは、そもそもあなたは最高指揮官として先頭に立って我が国を守ろうという気構えがないということではないですか。総理、お答えください。

鳩山前総理も日本の安全保障について何の知識もビジョンもありませんでした。理想だけで現実に対処しようとし、米軍基地移設を迷走させました。その結果、地元住民の信頼を失っただけではなく、日米同盟をも危うくさせたのであります。この度の尖閣諸島での漁船衝突は、その間隙をついて中国が仕掛けてきた海洋進出の結果じゃないですか。総理の御見解を示してください。

(中略)

漁船衝突問題では、更に政府の無責任ぶり、うそつき体質が明らかになりました。船長を釈放する際、会見で那覇地検は、今後の日中関係を考慮すると、拘束は相当でないと述べました。こんなコメントがかつてあったでしょうか。仙谷官房長官は、那覇地検の判断なのでそれを了としたいとおっしゃられましたが、いつから一地検が日本の外交問題をそんたくするようになったのでしょうか。

外交問題が複雑に絡む船長釈放の判断を一地検に任せる、だれがそのようなことを信じますか。国民のだれもが信じておりません。菅内閣はうそつき内閣だ、こうだれもが思ったから支持率が急落したのではないでしょうか。

菅総理は、船長逮捕から釈放に至るまで、きちんと事態を把握していたんですか。もちろん、国内法にのっとって粛々と対応すべきですが、相手は中国の漁船であります。中国が外交問題化してこようことは、当然ながら最初の段階から予想されたことであります。一国の総理が知らぬ存ぜぬでは、危機管理が全くなっていません。

仙谷官房長官は、9月13日、船長以外の船員14名を返すに当たっての記者会見で、ガス田交渉などの見通しについてこのように答えておられます。多分、私、すなわち長官の予測では、14名と船がお帰りになれば、また違った状況が開けてくるのではないか。中国も理解してくれるという一方的な希望的思い込みで事態を悪化させたのではないですか。本当はだれが船長を釈放する判断を下したのでしょうか。

菅総理、今日はテレビ中継がなされております。何が真実なのか、正直にお話しください。うそをつけば、総理、あなたの顔に出ます。賢明な国民にはすべてが分かってしまいます。私の質問と思わず、国民の疑問に答えるつもりで正直に御答弁をお願いします。

今やGDPが日本を抜くと言われる中国は覇権主義の国であります。国防費は過去5年で2倍以上、過去21年では22倍となっています。中国の海洋進出は建国以来の大戦略と言われており、実際、フィリピン・スービック基地からの米軍撤退後、軍事力を背景に西沙諸島や南沙諸島に進出してきています。日本は、明確な国家戦略を持ってこの隣人に向かい合っていかねばなりません。決して譲ってはならないのです。

民主党の掲げる政治主導は一体どこに行ったのでしょうか。船長釈放は本当に那覇地検の判断でなされたのか。我が党は、真相解明のため那覇地検、検察庁関係者の国会招致を求めたいと思いますが、総理、その前にあなたの言葉で真実をお話しください。

総理が国連総会やASEMに出席し、日本の立場を主張しようというときに、その証拠である衝突事件のビデオを全く見ていないということは到底信じられません。蓮舫大臣は、尖閣諸島に領土問題が存在するかのような発言をされていましたが、尖閣は日本固有の領土であり、そこに領土問題が存在しないことは明らかであります。しかし、中国が外交問題に仕立て上げてくることは容易に想像できたのでありますから、総理が積極的に事件を把握し、内閣一体となって注意深く対処していかなければならなかったにもかかわらず、ビデオも見ず公開もしなかったというのは外交問題に鈍感で無関心な菅内閣の象徴的な行為であります。

前原大臣は、先日、私が参議院外交防衛委員会で質問した際に、ビデオを見て体当たりをしてきたのが明白であるので最終的には逮捕に至ったと明言されておられます。相手の瑕疵が一見見て分かる、日本が逮捕した正当性を国際社会にアピールできる、そのようなビデオをなぜ公開しなかったのか。公開が遅れたことによって毎日毎日国益を失っているんではないですか。

仙谷官房長官もこのビデオを見て悪質だとは思われませんでしたでしょうか。官邸の官房長官室で御覧になったのに、なぜ身近にいらっしゃる総理にお見せにならなかったのでしょうか。菅総理は代表選で票集めにお忙しく、邪魔してはいけないと、女房役の官房長官は気を遣われたのでしょうか。前原大臣もそれに倣ったのでしょうか。明快に御答弁ください。

かつて、大韓航空機爆破事件では、当時、中曽根内閣の後藤田官房長官の決断によって、米国と協調し、国連安保理事会で、自衛隊が傍受したソ連戦闘機の交信記録の公表に踏み切りました。その結果、ソ連に撃墜を正式に認めさせたのです。傍受技術の水準が判明してしまうのを嫌がる防衛庁の抵抗を押し切っての、まさに政治主導です。

菅総理と前原大臣は、中国が態度を硬化させる中、米国での国連総会に出席されており、日本の主張をアピールする絶好のチャンスでありました。総理が自らの口で真実を訴えようとしないのなら、全世界にビデオを公開するのが一番説得力があったのではないですか。

ビデオの公開については、これも検察の判断として逃げている。いつも引用する刑事訴訟法47条には、公益上の必要がある場合の例外を認めているではないですか。早期にビデオを公開し、同盟国、米国としっかりスクラムを組んで、国際社会に日本の正当性を訴えるのがまさに国益に資するやり方であって、国益以上の公益上の必要はないと考えますが、総理は国益を失したとはお考えにならないのでしょうか。

このところ、総理への質問に対し、仙谷官房長官が答弁するのが大変目立ちます。陰の総理と呼ばれるまさに仙谷時代ではないですか。もし、衆議院の合意に基づいてビデオが国会に提出されないのであれば、我が党としては、参議院においても国政調査権に基づき、正式な手続を取りたいと思います。総理、何を恐れているのですか。公開を検察の判断に任せるのではなく、あなたの決断をお聞きしたいのです。お答えください。

菅総理は、当初欠席の予定だったASEMに、国会日程を先延ばしにしてまで出席されました。さぞや大変な成果を持ち帰ってくれるのだろうと大変期待をしておりました。

尖閣諸島は歴史的に見て日本の領土であることに疑いの余地がないこと、今回の事件は明らかに中国側に非があり中国の謝罪と賠償を要求する権利を有すること、拘束中のフジタの日本人社員を一刻も早く解放すること、中国側の対応に国民は非常に憤っていることなど、温首相との立ち話で総理はきちんと主張されたのでしょうか。

この立ち話で、温家宝首相とは偶然遭遇した形を装っていますが、中国側は日本語の通訳を周到に準備していたのに、日本側は英語通訳しかいなかったというではないですか。総理は、温家宝首相に会えるだけでよいと考えていたのではないですか。そんな甘い考えで準備もせずに国会を抜けてのこのこ出かけたとすれば、国民に対する裏切り行為です。

特に、拘束されているフジタ社員については、一国のリーダーである総理が日本国民の人権を守るために一刻も早い解放を要求するのは当然です。御家族はいかに心配しているでしょうか。

昨日、小坂幹事長には外交という面で差し控えたいとの答弁がありましたけれども、日本人の人権が懸かっている大問題であります。答弁を差し控える理由にはなりません。直接、温家宝首相に解放を要求したのか、逃げずに明確に答弁してください。

二国間の首脳会談においても、この衝突事件についての我が国の立場を積極的に主張されたのですか。中国との間で領土問題を抱えているベトナムのズン首相との会談はどうだったのでしょうか。時間が短かったでは済まされません。しっかり我が国の立場を説明して、我が国を支持してもらったのでしょうね。隠さずはっきりとお答えください。

(中略)

尖閣諸島沖の漁船衝突事件の菅内閣の対応は、所信表明演説のとおり、まさに日本外交の分水嶺であります。後々、中国の圧力に屈し我が国の領土、領海について日本が譲歩したことが日本外交最大の敗北の日として歴史に残るかもしれません。この責任を菅内閣はどうお取りになるつもりでしょうか。普天間問題といい、尖閣問題といい、民主政権は国を守る気概に全く欠けています。政府の無策ぶりは明らかであります。

昨年、浜田防衛大臣の下で、我々は与那国島への陸上自衛隊部隊の配備を決めました。しかしながら、その後の政権交代で北澤大臣は、隣国をいたずらに刺激することは得策ではないとしてこれを取り消したのです。今となれば、あのときにちゃんと進めておけばよかったと思いませんでしょうか。島嶼部での自衛隊部隊の配備について、総理のお考えをお聞かせください。

平成16年策定の防衛計画の大綱以来、我が国を取り巻く状況は一変いたしました。

北朝鮮は我が国の領土上空に向け弾道ミサイルを発射し、国際的な非難にもかかわらず核実験を行いました。中国海軍は艦艇部隊を沖縄近海に進出させています。

早期の防衛体制の見直しが必須であったにもかかわらず、昨年策定される予定だった新大綱は、現状を全く理解していない民主党政権によって政権交代を理由に先送りされたのです。その結果、旧大綱に基づき古い情勢認識に立って22年度防衛予算は編成されました。あきれ返るばかりではないですか。

本年8月発表された新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会報告書では、中国海軍が進出している南西諸島を念頭に、離島への部隊配備をするなど意欲的なものであります。

さらには、集団的自衛権の解釈や武器輸出の三原則の見直し、非核三原則についての将来的な見直しについても求めております。総理、いかに外交防衛に興味のない総理であっても、この報告書には当然目を通し、内容を新大綱に反映されるのでしょうね。明確にお答えください。

[016]
内閣総理大臣 菅直人
船長釈放による海上保安庁の士気の影響についての御質問をいただきました。

海上保安庁の職員の皆さんが日々高い士気を持って活動に当たっておられることに対して、私も大変評価をし、そういう皆さんの御苦労に心から感謝を申し上げるところであります。

今回の事案においても、海上保安庁が我が国領海内における犯罪行為に対して毅然と対応したものと承知をいたしております。

海上保安庁職員においては、今後とも、関係省庁と連携しつつ、国内法秩序や海洋秩序の維持のため誇りを持って業務に邁進していただきたい、また、そうしていただけるものと確信をいたしております。

最高指揮官としての気構えに関する御質問をいただきました。

自衛隊法第7条において、内閣総理大臣が内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有するとされていることは当然承知をいたしており、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つという自衛隊の任務を内閣総理大臣の立場でしっかりと果たしていく覚悟があることを、改めてこの場ではっきり申し上げます。

なお、御指摘の8月19日の自衛隊各幕僚長等との意見交換においては、内閣総理大臣は内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有するという自覚を持って意見交換会に臨む旨を申し上げたものであります。

日米同盟と尖閣諸島周辺領海での衝突事件についての御質問をいただきました。

私の内閣が発足して以来、6月末のカナダのG8、G20、また、9月にニューヨークにおいて日米首脳会談を行い、そうした会談を通して、オバマ大統領との間で、普天間問題で若干いろいろ御心配を掛けたかもしれませんが、私の内閣になってそういう2度の会談、加えて1度の電話会談を加えますと、そういう中で信頼関係がだんだん積み上がってきていると、このように私は認識をいたしております。また、外相同士においても緊密な連携が保たれております。日米同盟が危うくなっているという御指摘は全く当たらないと思います。

こういった首脳同士、外相同士の強固な信頼関係の下、日米関係は、普天間の問題を含め、二国間、地域及びグローバルな課題につき十分な信頼関係に基づく緊密な対話、協力を行っております。なお、所信表明演説でも述べたように、中国の動向については、透明性を欠いた国防力の強化や海洋活動の活発化などを懸念しており、注視をいたしております。

いずれにしても、日米同盟を21世紀にふさわしい形で更に深化、発展させていく考えであります。

(中略)

検察当局が釈放の判断を行ったことの真偽と検察当局の国会招致についての御質問をいただきました。

中国漁船船長の釈放については、検察当局が、被害が軽微であること、犯行の計画性がないこと、初犯であることなどの事件の性質に加え、我が国国民への影響、今後の日中関係など、その他の諸般の事情等を総合的に考慮した上で、国内法に基づき粛々と判断を行った結果と承知をいたしております。

なお、検察は、検察捜査の独立性の保障が要請されており、検察官を国会に招致することはその独立性に悪影響を及ぼすおそれがあると考えております。

衝突時のビデオの公開について御質問をいただきました。

尖閣諸島が歴史的にも国際的にも我が国固有の領土であることは全く疑いのないところであり、現に我が国が有効に支配をいたしております。今回の事案については、必要な場面において国際社会に対し、しっかりと我が国の立場を説明してきたところであり、今後もこの方針に変わりはありません。

ビデオの公開については、現在の捜査の状況及び国会等の要望を踏まえて、捜査当局において適切な判断がなされると思っております。

なお、他の議員にも申し上げましたけど、質問に対しても申し上げましたが、ビデオについて、それを見た国交大臣や官房長官からその状況について報告は受けておりまして、しっかりとその状況を把握していたことも申し添えておきたいと思います。

温家宝総理との懇談について御質問をいただきました。

温家宝総理との懇談においては、尖閣諸島は我が国固有の領土であり、領土問題は存在しないという原則的な立場を申し述べた上で、第1に、日中関係の現状は望ましいものではない、第2に、6月の私と胡錦濤国家主席との会談で一致したように、戦略的互恵関係を推進させるという原点に戻ること、第3に、ハイレベルの交流及び民間交流を行っていくこと、この3点を確認をいたしました。

外交上のやり取りの詳細について申し上げることは差し控えたいと思いますが、いずれにせよ、従来よりもそうですが、引き続き中国側に対して、いまだ釈放されていない1名の方の身柄の安全確保とともに、人道的観点からの迅速な解放を求めているところであります。

ASEMでの二国間の首脳会談について御質問がありました。

外交のやり取りの詳細について申し上げることは控えた方がいいと思いますが、ベトナムを含む二国間会談では、日中関係はアジア太平洋地域、ひいては世界にとって非常に重要な関係である、我が国としては大局的な観点から冷静に対処している旨申し上げ、各国から理解を得ることができました。

尖閣諸島が我が国固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いのないところであり、領有権をめぐる問題はそもそも存在いたしておりません。我が国のかかる立場は一貫しており、国内外で正しい理解が得られるよう今後とも努力する考えであります。

(中略)

島嶼部への自衛隊配備及び新安防懇報告書の防衛大綱見直しへの反映についての御質問をいただきました。

自公政権の当時に与那国島への陸上自衛隊の配備を決定したとの事実はないものと承知をいたしております。

自衛隊部隊の配備については、配備先の地理的特性を始めとする様々な要素も踏まえつつ、我が国全体の防衛体制整備の観点から議論されるべきものであると考えております。いずれにせよ、与那国島を含む南西諸島の防衛に万全を期してまいりたいと思います。

防衛計画の大綱の見直しについては、政府の責任において検討し結果を出すこととしておりますが、去る8月に提出していただいた新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会の報告書については、その際の検討材料の1つとさせていただきたいと思っているところであります。



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