徴兵制 15 ~ 小渕恵三内閣(616日)

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平成11年02月25日 参議院 予算委員会
[057]
公明党 益田洋介
ただ、一昨年、97年の9月に日米両国政府の間に合意に達しました新ガイドラインでは、周辺事態ばかりでなく日本有事の日米協力も盛り込まれているわけでございます。この考え方というのは、昨年の4月に当時の久間防衛庁長官が、有事の法整備に向けて検討を始めたい、このような発言をしたわけでございます。そして、政府の危機管理プロジェクトチームは、今後の検討テーマとしてゲリラ部隊の原子力発電所攻撃を想定した自衛隊の行動や有事法制の成立の必要性を挙げている。

防衛庁の重要事態対応会議というのがございますが、ここでは弾道ミサイル、これはテポドンのことを当面は想定されていると思いますが、その弾道ミサイルが発射されたときの対応をどのようにするのか、この辺の具体的な法整備が必要ではないか、こういう段階に入っているというふうに伺っておりますが、総理及び防衛庁長官の見解をお伺いしたいと思います。

[058]
国務大臣(防衛庁長官) 野呂田芳成
弾道ミサイルが撃たれた場合にどうするかということでありますれば、我が国に対する武力攻撃に至らない不法行為等への対処ということになりますから、一義的には警察機関の任務であります。自衛隊は、警察機関では対処することができないと認められる事態が発生した場合に、治安出動や海上警備行動により対処することとなるわけであります。

政府としては、橋本内閣以来、我が国に対する危機が発生した場合やそのおそれがある場合においては、我が国としてとるべき種々の対応について、必要な対応策をあらかじめ十分検討、研究することを目的として緊急事態対応の検討を実施してきたところであります。

いずれにしましても、有事法制の研究は、昭和53年に公表した「防衛庁における有事法制の研究について」というもので明らかにしているとおり、有事の際の自衛隊の任務遂行に関連する法制上の諸問題について、あくまでも憲法の範囲内で検討することとしているものであります。

そのため、本研究においては、その文書でも明らかにされているとおり、旧憲法下の戒厳令や徴兵制のいろんな制度を考えることはあり得ないし、また言論統制などのような措置も検討の対象にしないということになって、そういう前提に立って私どもは今まで勉強してきたということでございます。





平成11年09月30日 参議院 決算委員会
[067]
民主党(民進党) 小川勝也
我が国に住む人たち、日本国民が安心して暮らしていくために自衛隊というものが存在をしていると思いますし、まさかのときにも安心をということまではいきませんけれども、きちっとその役割を果たしてくれるんだというふうなそんな国になることが望ましいと思いますし、そのために必要な法整備は私は急いでやってもいいものだというふうに思います。

しかしながら、いろいろな考え方の人たちがいますし、有事法制といいますと戦争準備とイコールにとらえるような感覚の方もいらっしゃると思います。私は、憲法9条を持つ国にふさわしい専守防衛あるいは非核、そして民主主義国家であり平和国家である日本にふさわしい、そんな法制度に我が国はする必要があると思います。諸外国にもたくさんのそういった緊急事態法制があると思いますけれども、我が国にふさわしい法体系、法整備というのは必ずあると思います。

長官、この点につきまして御感想いかがでしょうか。

[068]
国務大臣(防衛庁長官) 野呂田芳成
端的に申し上げますと、仮にある国が日本に上陸してきたと仮定しまして、そうなれば防衛出動して交戦ということになりかねないわけですが、そういう場合で仮に海岸に陣地をつくろうというふうに仮定した場合でも、港湾区域なら運輸省、漁港区域なら農林水産省、その他の海岸ならば建設省の各大臣の認可が必要であります。また、指揮所が必要となった場合は都道府県知事の基準法による許可が必要だということで、実態から見ればそれぞれ3週間以上かかっておるわけですから、そういうようなことでは国がなくなってしまうという懸念もあるわけです。

そういうことは、人によっては一たん戦争になればそれは超法規でやったらいいじゃないかという議論をされる方もおりますけれども、法治国家として超法規でやるということはこれはやっぱり正しいあり方じゃありません。超法規でやらざるを得ないようなことを予想されるならば、私は日ごろきちっと法律を整備しておいた方がいい、こういうふうにまず思っております。

昭和53年に私どもが有事法制の研究として発表した「防衛庁における有事法制の研究について」、そこで明らかにしているところでありますが、有事の際の自衛隊の任務遂行に関連する法制上の諸問題については、あくまでも憲法の範囲内で行う、こういうふうに明記しておりまして、今後もこのことは大変大事なことであると思っております。

国会でも質問が出たと思いましたが、旧憲法下の戒厳令とか徴兵制度のようなものも考えられるんじゃないかという御質問もあったように記憶しますが、そのようなことは全く対象にしていないし考えていない、こういうことであります。

いずれにしましても、この有事法制に関する法制化の問題は、総理も私もたびたび申し上げてきたところでありますが、高度の政治判断にかかわる問題でありますので、有事法制の研究は憲法の範囲内で行ってきているし、これからもそうあらなければいけない、こういうふうに考えております。





平成11年11月04日 参議院 本会議
[020]
日本共産党 立木洋
日本共産党を代表して、小渕首相に質問をいたします。

自自公政権の成立で、だれもが最大の危惧を抱いたのが数の暴走を繰り広げることでした。成立から約1カ月、早くもその危惧は最悪の形であらわになりつつあります。

国会で、専守防衛の否定、徴兵制復活や自衛隊は天皇の軍隊等々、憲法などお構いなしの特異とも言える軍事強化一辺倒の主張を行ってきた西村氏を防衛政務次官に任命するなどということは、自自公三党の絶対多数という数の背景がなければでき得なかったことでしょう。そして非核三原則を公然と覆す核兵器保有発言であります。

そこで、伺いたい。

首相は、今回の組閣について、見識と経験を重視したと説明し、一昨日の衆議院本会議では、西村氏がどういう発言をしてきたかある程度承知していたと答弁をしました。承知していたということは、まさにそういう西村氏の見識と経験を重視して任命したということではありませんか。あいまいにせずに具体的に答えていただきたい。また、内閣の方針に反するというなら、なぜ辞職ではなく罷免にしなかったのですか。

[021]
内閣総理大臣 小渕恵三
立木洋議員にお答え申し上げます。

まず、西村前政務次官の更迭問題についてお尋ねがありました。

先般、西村前防衛政務次官から不適切な発言がなされたため、その辞表を受理し、直ちに更迭いたしました。この発言につきましては、たとえ個人的見解と断ったものとはいえ、政務次官という政府の要職にあることを深く自覚して適切に対応すべきであったと、まことに遺憾であります。

このたびの組閣では、国会審議活性化法の趣旨を踏まえ、政務次官人事にも意を用いたつもりでありましたが、このような事態になりましてまことに残念であり、任命権者として国民の皆様に心からおわびを申し上げております。また、議員の防衛問題についての個人的意見についてもある程度承知はいたしておりましたが、結果として国民の不信を招き、今回の事態に至りましたことはまことに申しわけなく、責任を深く痛感いたしております。





平成11年11月18日 衆議院 安全保障委員会
[075]
民主党(民進党) 桑原豊
瓦長官、次に有事法制の問題についてお伺いをしたいと思うんですが、長官は、就任に当たりまして、マスコミのインタビューに答えられて、有事法制については、昔は議論することすらなかなか難しかったけれども、今はそういったことをある意味ではちゃんと議論をしていく、そんな状況にある、こういうふうな認識をお示しになったと思いますし、さらに、ぜひ法制化という方向性を持ってこの問題には取り組んでいきたいというような趣旨で御発言をされたように伺っております。

そこで、お伺いしたいのですけれども、有事法制というのはどういう事態に対して対応するための法制なのか、いわゆる有事というのはどういうふうに認識をされているのか。

これは各般のいろいろな議論があって、いろいろな意義づけがなされておりますけれども、長官として、どういうふうな事態を有事と考えておられるのか、そして、法制化に取り組みたい、その方向性を打ち出されましたけれども、一体いつの時点からそういったことで国会論議を始めていこうとされているのか、そのことも含めてお伺いをしたいと思います。

[076]
国務大臣(防衛庁長官) 瓦力
お答えいたします。

有事という言葉は法令上の用語ではございませんで、その意味は必ずしも一義的であるわけではございませんが、有事法制研究という有事につきましては、同研究は、自衛隊法第76条によりまして防衛出動命令が下令されました時点以降における自衛隊の円滑な任務遂行に係る法制上の問題点の整理を目的としておりまして、その意味で、ここで言う有事といいますのは、防衛出動命令下令事態ということになるわけでございます。

また、この有事法制研究は憲法の範囲内で行うものでございますので、旧憲法下の戒厳令でありますとか徴兵制のような制度を考えるというようなことはあり得ないわけでございますし、加えて、言論統制のような措置も検討の対象としていないということは、これはまた繰り返し申し述べてきておるところでございます。

本研究につきましては、いわゆる国民の広くが理解していただけるように私どもは努力をしていかなければならない問題も存しておるというぐあいに考えております。

ところで、これからどういうタイムスケジュールで考えていくのかというようなことも加えての御質問でございますが、今まで、有事法制につきましては、自衛隊法等の防衛庁所管の法令、いわゆる第一分類につきましては、現行法令に基づきまして、法令の未制定の問題等や、また他省庁所管の法令、これは第二分類と言われるものでございますが、道路法、建築基準法等の幾つかの法令に係る特例措置の必要性等が指摘をされておるわけでございます。現行法制上、なお不備な事項が残されていることは事実でございまして、これらの研究を進めなきゃならぬ。また、研究にとどまることなく、その成果につきまして法制が整備されることは望ましいと考えておりますということは従来から申し上げておるところでございます。現実に法制化を図るというためには、高度の政治判断にかかわる問題でもございますし、先般の三党合意を踏まえるとともに、国会における議論や国民世論の動向などをよく見ながら、適切に対処してまいりたいと思っておるわけであります。

重ねて申し上げますが、これらの問題を整備しておくということは、私は平時において取り組む大事なことというぐあいに理解をいたしております。国民に広く理解が得られるよう、最大限の努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。



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