第三清徳丸事件

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昭和30年07月26日 衆議院 外務委員会
[161]
日本社会党(社会民主党) 細迫兼光
アジア局長にちょっとお願いしますが、あしたでもよいから御調査を願うような結果になりはしないかと思うので、きょうちょっと一言申しておきます。それは沖縄の漁民が的確に台湾のジャンクと思われるものの乗員に2人殺されて4人拉致せられておるのでありますが、それは第三清徳丸の問題であります。

これは事態を説明するかわりにこの琉球政府立法院が1955年3月5日に決議しておる決議がありますから、ちょっと説明がわりにこの決議を読みます。質問の要点は台湾政府なるものが日本国民の安全についてそう誠実に関心を持っておってくれればいいのだが、それにいささか疑いがありはしないかという疑問を持ちながらの質問なのです。それでは考えなければならぬではないかということに関係するわけなのです。

「第三清徳丸射殺事件の調査要望決議」

「1955年3月5日琉球政府立法院」あて先は「国際連合、国際人権連盟、日本国政府、琉球列島米国民政長官、同副長官」となっております。

「去る3月2日午後2時ごろ、琉球列島魚釣島付近東経123度13分北緯25度48分の地点で、沖縄佐敷村馬天区4班当間政庸所有の漁船第三清徳丸(15トン)が、青天白日旗(中華民国政府国旗)を掲げたジャンク船2隻に襲われて、乗組員9人のうち2人が射殺され、4人が行方不明になったという事件について、危難を冒して帰還を全うし得た3人の乗組員(氏名略)等の談話として伝えられるところを総合してみるに、本事件が単なる海賊行為であるかあるいは国府軍の所為であるのかその真相を明らかにすることは困難のようである。もちろんアメリカ民政府並びに行政当局においても、いち早くこれが究明に乗り出され、近くその真相発表もなされることと思われるのではあるが、本件が琉球の領海内で敢行された点と、琉球住民の生命、身体、財産に加えられた重大なる侵害であることにかんがみ、これを放任しておくわけにはいかない。われわれはことに行方不明になった3人の同胞がすみやかに救助されるとともに、わが領海内における航海の安全が確保され、住民の不安が取り除かれることを念願するものである。琉球政府立法院はこの事件の真相の正確なる調査と、行方不明になった第三清徳丸乗組員の救助を決議をもって要望いたします。」

これが大体事件の内容であります。言うまでもなく琉球人民は国籍日本にあり、そうしてそれに対する行政権などはアメリカに移っておりますが、琉球人民の生命安全を保護する責任なり、権利なりは当然日本政府にも私はあると思うのであります。この事件について何らか政府に報告が入っておるか、これに対して何らか処置をとられたか、いまだしでありますならば御調査の上御報告が願いたい、こう思うのです。

[162]
政府委員(外務事務官(アジア局長)) 中川融
第三清徳丸の件につきましては、実は3月5日に琉球の立法院が決議して、日本政府にもその決議を送るという趣旨のことになっておるようですが、われわれの手元にそれがつきましたのは、ごく最近でございます。約1週間前に南方連絡事務局を通じましてわれわれの手に入りました。

事件の内容は、ただいまお読みになりましたように、琉球の一番南の方の台湾に近い島、非常に小さな島のようでありますが、その島の領海内で青天白日旗を掲げた小さな軍艦のようでありますが、武装した船によって――初めはその船が難破しておるということで、こちらの船が救助に行ったところが、向うから入り込んできて、それがかえって鉄砲その他をもって2人が射殺され4人が拉致されてしまった。たしか船も連れていかれたのじゃないかと思いますが、どこかへ行ってしまった、こういう奇々怪々な事件でございます。

当時その害を受けました人たちがさっそくこれを訴えまして、米軍当局もこれは必ず調査するからという約束をしてくれたのだけれども、その後一向調査が進まぬというようなことから、今の決議のようなことになったようでございます。従ってこれにつきましてはただいま御指摘のように、琉球住民が日本国民であるというようなことにかんがみまして、さっそく事件の概要を米国大使館に知らせまして、さらに調査善処方を要望いたしております。第一次的にはアメリカ当局がこの琉球住民の保護に当るべきでありますので、アメリカ当局に対して日本側の関心を伝えまして、これがさらに徹底的な調査を要望しておいたのでございます。結果につきましてはまだ何ら報告に接しておりません。





昭和30年12月13日 参議院 予算委員会
[231]
日本社会党(社会民主党) 吉田法晴
干渉はできないとおっしゃるから、干渉というよりも、もっと日本の国民に対してアメリカの沖縄の諸君に対する関係を是正をするために、もっと強く交渉をすべきではないかと、こういうことを申し上げたのであります。

で、具体的に責任を持っておるとおっしゃいますからお尋ねをいたしますが、今年の3月2日午後2時ごろだというのでありますが、魚釣島付近で、これは漁業をやっておったかのようでございますが、沖縄の当間政庸という人の漁船第三清徳丸が航行中、青天白日旗を掲げたジャンク船2隻がやってきて、そうして遭難をしているから曳航をしてくれ、こう言う、これはまあ手まねでございますが、話があったので、魚釣鳥に入って水を補給したところが、態度が変って拿捕された。魚釣島であります。これは島は沖縄、あるいは領土主権は眠っておりましょうけれども、日本の国の一部であります。そうして人は日本の国民でありますが、2人を射殺して4名を連行したか、あるいは2人を含めて6名を連行したか、明らかでありませんけれども、そういう事件が起ったというので、何べんも日本政府にも陳情がなされておる。あるいは国会にも陳情書が出ておりますが、今日に至るまでも一向はっきりしない。日本の政府がどれだけのことをしたかということも明らかでございませんが、不信を含めて陳情されました。

この結果に基いて質問を申し上げますが、どういうように処置をされたか、あるいは交渉をされたか、そうしてそれが向うからの回答がどうであったか、こういうことを一つ御答弁願いたいと思います。

[232]
外務大臣・内閣総理大臣臨時代理 重光葵
沖縄の漁船が台湾の国府の船らしいものに拿捕された事実がございます。

これは沖縄の行政権を今預かっておる米国当局の直接の管轄になるかと思います。そこで米国は国府とこの問題について交渉をいたしました。

しかし日本もこれを黙っておるわけには参りませんから、日本政府といたしましても米国側及び国府に十分注意を喚起して、そうしてこの問題を十分解決してもらうように、こういう措置をとりました。しかしこの問題が今日わが方の希望するように解決したという報告をまだ受けておらぬことを遺憾といたします。

[233]
日本社会党(社会民主党) 吉田法晴
先ほどは、国民だし、それから日本の政府からアメリカに折衝すべき建前にある、こういう御答弁でしたから、今の具体的な問題については、日本の政府としてどういうように台湾政府――国民政府に折衝されたか、こういうことを尋ねたのでありますが、御答弁は、アメリカから折衝をしたかもしらぬけれども、日本からは折衝した云々という御答弁はなかったと思うのであります。従ってこれは先ほどの御答弁と今の御答弁とは食い違いがございます。

そこでそれらを含めて外務省として、日本と沖縄、それからアメリカとの関係について根本的に話をし直すという御決意はおありになるかどうか、それをもう一度お尋ねします。

[234]
外務大臣・内閣総理大臣臨時代理 重光葵
その根本の建前については、先ほども申します通りにこれは明らかだと思っております。

先ほどの船の問題でありますが、私の答弁申し上げたいのは、その事実を知っておる国府、すなわち台湾政府にも注意を喚起し、それからその処理を促し、それからまた米国側にもすみやかに措置をとるように申し入れた、こう申し上げたわけでございます。





昭和31年06月02日 衆議院 本会議
[040]
日本社会党(社会民主党) 門司亮
さらに、沖縄という特殊な状態の中に閉じ込められ、外交の手段を持たざる、あの80万の同胞は、たとえば第三清徳丸事件のごとき、昨年の2月27日に那覇を出港いたしまして、3月2日に青天白日旗を掲げた2隻のジャンクに襲撃されて、船長金城次郎氏以下3名が拉致された事件がある。

この事件に対して、彼らはどこに訴え、どこにこの問題の解決を求めるところがあるでございましょうか。沖縄の80万の住民は、その苦境と今日のみじめな状態を天に訴え、地に叫ぶといえども、これの取り上げられる場所は全くないのであります。従って、沖縄80万住民のたよりにするものは、本土日本の政府、さらに8000万の同胞でなければなりません。従って、われわれは、まず主権がわが国にあり、国籍を同じゅうするこの沖縄島民を、一日もすみやかに救い出すということが、日本政府並びに国会、国民全体の喫緊の問題でなければならないと考えるものでございます。(拍手)もし、このことが実現されないならば、何の面目あって沖縄80万の日本の同胞に報いることができ得るでございましょう。





昭和32年03月19日 参議院 予算委員会
[060]
日本社会党(社会民主党) 吉田法晴
インド等で船員が、インド政府との間に問題が起りました場合には、日本の領事館を通じて世話をしておるということでありますが、その点は、沖縄県民がインドその他の外国に参りましたときには、日本人としての取扱いを受けるということだと思います。

中国――これは国民政府でありますが、台湾の警備船か何かに、先般第三清徳丸というのが連行をされ、人間、船ともまだ帰って参りません。

これは重光外務大臣のときであったかと思いますけれども、質問をしておりますが、そのまま回答なしということになっております。これについて、どういうようにお考えになりますか。私は日本の政府が折衝をすべき問題だと考えるのであります。

[061]
内閣総理大臣・外務大臣 岸信介
沖縄の人たちが、外国においていろんな問題を起す場合におきましては、言うまでもなく、日本の在外公館は十分これが保護につきまして、アメリカと共同してこれに努めております。

今、御指摘の船の問題につきましては、沖縄の近海においてそういう船が国民政府につかまったということであって、これはもちろんアメリカが第一の保護の立場にあるので、アメリカのいろいろな機関を通じて、その事実を調べさせたのでありますが、その事実が明確にならないというのが、今までのお話でございます。





昭和41年03月10日 衆議院 内閣委員会
[007]
参考人(琉球政府立法院議員) 岸本利実
また、1955年に第三清徳丸事件という事件がございまして、沖縄の漁船が、南方で日本国旗が掲げられないままに沖縄独得の国際的に通用しないデルタ旗なるものをつけておったところが、銃撃を食らいまして死傷者を出しました。

この賠償につきましても、いまだ解決を見ておりません。すでに11年前の事件でございます。





昭和41年03月10日 参議院 内閣委員会
[009]
参考人(琉球政府立法院議員) 岸本利実
過去におきまして沖縄県民の人権がいかに侵され、権利が制限されてきたかにつきましては、幾らも事例があるわけでございますけれども、短い時間でございますので、2、3例を申し上げますと、沖縄県民の置かれた地位の不安定のゆえに生命が危険にさらされる一つの例は、1955年の3月に、沖縄の漁船で第三清徳丸という船が南方に出漁した際に、国際的に権威のない、認められていない沖縄独特のデルタ旗を掲揚いたしまして、日本の国旗を掲揚しないままに銃撃を食らって2人の死者を出しました。

その問題についての賠償もいまだになされておりません。11年前の事件でございます。



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