放置座礁船 ~ 撤去費用の合計と放置国の内訳は?

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平成11年04月16日 衆議院 建設委員会
[247]
日本共産党 辻第一
今海上保安庁から御説明をいただいたように、古いものは昭和61年に沖縄浦添市沖の貨物船から最近の奄美大島での冷凍運搬船まで、7隻の放置外国船があるということでございます。

海岸法で船舶の放置等ができなくなりますし、簡易代執行ができるようになりますが、それだけで問題は解決いたしません。所有者がだれか、費用の負担をどうするのか、対外的対応など種々の問題があります。自治体が撤去のため億単位の負担をする事例さえあったと聞いています。

今回の改正により、放置座礁船、とりわけ外国船舶についてどのような対処をされることになるのか、お尋ねをいたします。

[248]
政府委員(建設省河川局長) 青山俊樹
放置座礁船につきまして、今回の海岸法で海岸管理者が対応することが可能になるわけでございます。この場合は、海岸に放置されたという条件がつくわけでございますが、海岸管理者は原則は知事でございます。市町村よりは財政力の豊かな知事でございまして、この知事であります海岸管理者が、対象となる区域内に放置されている船に対しましては、無許可占用または放置禁止違反として除却命令が可能だ、今先生御指摘のとおりでございます。

また、命令を行ってもなお除却されない場合には行政代執行できる、これも御指摘のとおりでございまして、相手が確知できない場合には簡易代執行を行い、迅速な原状回復が可能であろう。状況に応じて、放置船に対する罰則の適用、また、原因者施行や原因者負担の制度により原状回復を図ることも可能でございます。

また、非常に費用負担が大きいわけでございますが、市町村に比べればまだ県の方が、海岸管理者としての県の方が財政状況はしっかりしていると申しますか、ということでございますので、少しは市町村の負担は軽減されるというふうに御理解いただいてもいいんじゃないかと思います。

[249]
日本共産党 辻第一
今局長からの御答弁があったんですが、重ねて大臣にお尋ねをいたします。

この放置外国船に関しては、簡易代執行制度の適用が可能としても、最終的に地方自治体の負担が生じることがあるわけでございます。こういうことを含めて、国の協力や支援措置が本当に必要ではないか、このように考えるのですが、いかがでございますか。

[250]
建設大臣 関谷勝嗣
これは、いろいろ今日までマスコミなどでも報道もされたケースも多々あるわけでございますが、その原因者といいましょうか、その責任者がはっきりしております場合には、外交ルートも通してきちっとその撤去のための費用もまた請求することができるんでしょうけれども、あるいはまた保険等も受け取ることができるんでしょうけれども、放置された船というのは、どういいましょうか、なかなかそういう原因者、また所有者も、台帳で調べていっても、実際に登録されていない船会社であったりとかいうようなことがあって、大変これは本当に困っておる現状でございます。

ただ、今回から代執行ができるようになりましたので、簡易代執行で、スクラップとして売却代金とその費用を相殺するということになるわけでございますが、スクラップ代金ではその費用が賄い切れないという場合が現実でございますので、自治体に少なからぬ負担がかかるということでございます。ただ、地方財政も大変なときでございますから、関係省庁とそういう場合には協議をいたしまして、どのような援助の方策があるかというようなことは検討してまいりたいと考えております。

[251]
日本共産党 辻第一
ぜひ、その地方自治体などへの御対応を十分にやっていただきたい、重ねてお願いをいたします。

放置外国船と同じように深刻な問題は、油濁事故、油の漂着の問題でございます。

昨年でしたか、ロシアのタンカーの事故によって日本海沿岸地方に深刻な影響を生じました。この問題も事柄の性格から、その対策について、海岸管理者のみならず、海上保安庁その他関係機関を含めた対策なしに問題は解決をしないと思います。この問題についても、十分な対策、措置をとっていただきたい。時間がありませんので、これは要望をさせていただいて、次に行きます。





平成15年02月26日 衆議院 国土交通委員会
[123]
自由民主党 菅義偉
次に、放置座礁船についてお尋ねをいたします。

昨年の10月には大島で、そして12月には日立で座礁した外国船が、連日これは報道されております。この放置座礁船を処理する場合でありますけれども、基本的にはこれは自治体が費用を負担して処理をします。取り締まりは海上保安庁、そして外国船舶の関係は外務省、そういうことになっていまして、この縦割り行政の中で、地方自治体としてはまさにどのように対応していいのかわからないのが実態ではないかなというふうに思っています。

そして、日本の海域には12の放置座礁船がある。

そして、保険に入っていない船が往々にしてこういう事故を起こすわけでありますから、日本としても、保険に入っていない船を入港拒否する、私は、これもある意味では当然のことである、こう思いますけれども、これについてどのような見解をお持ちでしょうか。

[124]
国土交通副大臣 吉村剛太郎
12隻が放置されておりまして、その12番目の放置船があるのが私の地元でございまして、大変私もこの問題には関心があるし、困っております。

御存じのように、放置船については、原因者たる船主が一義的には当然責任を持つべきものでございますが、例えば福岡に放置されたのは、これは乗り捨てでございまして、もう船主もわからない、何もわからない、そのまま逃げていってしまっておるものですからどうしようもないというのが現状でございます。

これも、国土交通省としましては、昨年末に座礁・放置船等に関する検討会を設置いたしまして、放置船等による損害に船主が対応しない場合や無保険の船舶等への対策については、新しい制度をも視野に入れて検討を行っているところでございます。

[125]
自由民主党 菅義偉
検討会の結論が出る時期というのはどのぐらいですか。

[126]
国土交通副大臣 吉村剛太郎
可及的速やかに、これは私が一番急いでおる問題でございますので、可及的速やかに結論を出していきたい、このように思っております。

[127]
自由民主党 菅義偉
それと、例えばこれもアメリカの例で恐縮でありますけれども、アメリカでは、保険に未加入の外国船の入港を拒否できる、こういう法律があるようであります。日本を含む先進諸国、これは大方の船主が万一に備えて保険に入っておるようですけれども、北朝鮮やロシア、中国、こういうところが入っていない。

そして、保険に入っていない船が往々にしてこういう事故を起こすわけでありますから、日本としても、保険に入っていない船を入港拒否する、私は、これもある意味では当然のことである、こう思いますけれども、これについてどのような見解をお持ちでしょうか。

[128]
国土交通副大臣 吉村剛太郎
御存じのように、タンカーにつきましては、強制保険ということで、油濁損害賠償保障法に基づいて保険加入が義務づけられておりますが、その他の船舶については強制されておりません。したがいまして、無保険というのがありますし、保険に入っていても、金額的に非常に小さいというようなことでございますので、これも先ほど申しましたように、関連をいたしますが、座礁・放置船等に関する検討会を設置しまして、我が国に入港する船舶の保険への加入実績及び実体経済への影響等の調査を行い、検討を進めてまいることとしているところでございます。

いずれにしましても、国際的なルールとのバランスがございますから、その辺のバランスも考えながら、委員おっしゃったような方向で、ぜひとも検討を進めていきたい、このように思っております。

[129]
自由民主党 菅義偉
保険に入っていない船に依存する貿易というのはほとんど小さいと思いますから、私は、そうした船を入港禁止しても大した打撃にはならない、そう思っておりますので、沿岸の安全を優先する意味合いにおきましても、ぜひそうした船については入港を禁止する、そういう法律を早くつくっていただきたいと思います。





平成15年02月27日 衆議院 予算委員会第八分科会
[161]
公明党 石井啓一
まず、昨年12月5日に日立港で座礁いたしました北朝鮮船籍の貨物船チルソン号、これにつきまして質問を申し上げます。

事故発生後、地元の茨城県や日立市では、漁業活動や港湾の管理運営への被害を最小限にとどめるため、流出油の回収あるいはタイヤチップの撤去作業など、事故対策に懸命に取り組んできております。

私も、事故の発生直後、12月7日に現地を視察いたしまして、日立港は物流の拠点であるばかりでなく、付近がアワビ、シラス、ソイ、メバルなどの好漁場でございまして、重油流出による影響が懸念される中、地元の関係者やボランティアの方が朝から総出で吸着マットによる重油の回収に当たっていた姿を目の当たりにしてきております。

この事故を通して表面化いたしましたことは、我が国の沿岸を老朽化の船舶あるいは無保険の船舶など、危険性をはらんだ外国船舶が往来している、そして、こういった船舶が万一事故を起こした場合に、国が主体的な対策をこれまでは講じてこなかったということであるというふうに思っております。

全国にも、座礁したまま長期間放置された外国船舶が1989年以降28隻ございまして、そのうち、船主責任保険などで船主が撤去したものが8件、地元自治体が撤去を強いられたものが12件、それでも今なお10隻の外国船が座礁したまま放置されている、こういう現実がございます。

そこで、このチルソン号の座礁事故を踏まえまして、危険船舶や無保険船舶について入港規制が可能となるような法整備を含めまして、今後の事故再発防止策を図るべきであるというふうに考えますが、まず大臣の御見解を伺いたいと存じます。

[162]
国土交通大臣 扇千景
大変大きな問題になっております今の現状、それから、昨年の12月に茨城県の日立港で座礁いたしました北朝鮮船籍のチルソン号、これに対しても、石井議員もすぐに現地をごらんになったということでございます。

今おっしゃったように、日本じゅうで今、外国船の放置船は12隻ございます。

大変問題になっていますし、私は、この12隻の中、全部ではございませんけれども一部、これはテレビの報道でしたけれども、船長以下乗組員が自分の乗ってきた船を放置して、違う船でさっさと帰国する映像を見ました。余りにも無責任というか、船長という職責の重みも感じていない、本当に私は情けない思いでそれを見まして、あの帰る人を、何とか船長一人でも、この自分の乗ってきた船が片づくまで日本に置いておくわけにいかないのかという憤りさえ感じました。

なおかつ、現段階では、船籍のわからない幽霊船もあります。これはもう、もっと問題です。そして、放置しに来たのではないかと思うような無国籍船、これは私はもう許せないと思っていますけれども、そういうことも含めて、余りにもひどいですし、日本の国土の3倍の海域があるわけですから、これを監視します海上保安庁も、国土交通省の認識の中で、大変苦労しております。

今おっしゃったように、無保険船、保険に入っていない船等々は、私は、何とかできないのかということで、これはいけないということで、昨年の末、国土交通省の中に座礁・放置船等に関する検討会を設置いたしまして、今申しましたように、無保険者等々、放置しかねない船を何とか制御できないかということを今検討中でございますし、閣僚懇でもそのことを言いまして、閣議にも提案してあります。

[163]
公明党 石井啓一
大臣、どうぞよろしくお願い申し上げます。

続きまして、今回の事故に係る船舶の撤去あるいは流出油の防除、環境汚染対策について、地元の自治体で相当の経費を要しております。

ちなみに、これまで県が負担した費用、これが代執行に係る費用、油の除去その他海洋汚染の防止に係る費用等々で、既に4億8000万、経費を負担しております。あるいは、日立市、ひたちなか市では、それぞれ800万、400万、負担をしているわけでございますけれども、こういった地元自治体が負担した経費につきまして、予備費の活用や補助制度などの国の財政措置を、これはぜひ行っていただきたいと思いますが、これも扇大臣、そして財務省の答弁をいただきたいと存じます。

[164]
国土交通大臣 扇千景
これはおっしゃったとおりでございまして、私どもも、この船の、自治体が大変大きな負担をしていただいているということを伺っておりますが、本来はこれは船主に責任がある、船の持ち主、この船主の責任であるということで、本来は船主がすべきですけれども、やむを得ず自治体が負担していただいている。

撤去費用に関しては、数1000万円から数億という、今お話がございました日立が何億ですか、2億ですか……(石井(啓)分科員「4億8000万」と呼ぶ)4億8000万、御苦労さま。そういうことで、放置、座礁の措置に関しては、先ほど申しましたように12隻ありますから、それぞれの金額の差はありますけれども、漁業者に対しても大変これは大きな迷惑をしております。

現行制度上では、放置の船に関しましては、処理等に要する費用に関しては、御存じのとおり、港湾区域における所有者不明の放置船の撤去への補助、これは3分の1の補助ということになっております。

また、港湾区域外でありましても、撤去等の放置船の措置に要した費用に関しましては、特別交付税等の措置はありますけれども、これは御存じのとおり、特別交付税上の措置としましても、これも区域内、港湾区域の中でのものであれば国が3分の1、放置船の措置等に関しては都道府県が経費の5割の補てん、それから市町村にも8割の補てんというふうに、現段階では決められたとおり行っておりますけれども、それ以上の期間の漁業補償等々もあろうと思いますので、できる限りの補てんをしていきたいと思っております。

[165]
政府参考人(財務省主計局主計官) 石原一彦
お答え申し上げます。

事故に係ります船舶の撤去等につきましては、まずは原因者たる船主の責任を追及するというのが原則であろうかと存じますけれども、やむを得ず地方自治体等が負担した場合におきましては、現在の制度といたしましては特別交付税等の制度があるというふうに承知をしているところでございます。

なお、今回新たに国が何らかの財政措置を行うべきかという点につきまして検討しているわけでございますけれども、この点につきましては、現在国土交通省におきまして、今後の危険船舶等の入港規制措置ともあわせて鋭意検討しておられるというふうに承知してございまして、財務省といたしましても、今後、国土交通省の検討結果を踏まえまして、十分国土交通省と協議の上、適切に対処してまいりたいと考えておるところでございます。

[166]
公明党 石井啓一
これは、通常であれば船主の責任を追及するわけで、このケースもやっておるのですが、残念ながら北朝鮮ということで、国交がない、しかも今なかなか難しい状況にあるわけでございまして、非常に特異といいますか特殊な事例だという状況をよくお考えいただいて、よろしくお願いをいたしたいと存じます。



[240]
民主党(民進党) 大畠章宏
そこで、座礁・放置船等に関する検討会の担当の局長がおいでであるということでありますが、せっかくおいでになっているんですから、お伺いしたいんです。

当面するお話としては、撤去費用、これからあるんですが、解体して、ばらしてあげなきゃならない。これで大体1億2000万かかるというんですが、とにかく玄関先にあるものですから、目ざわりなんですよ。裏口とか横とかだったらまあいいんですが、まさに玄関の入り口のところにありまして、毎日そこの道路を通るたびに目につくし、漁業関係者も、朝、出漁するときにいつも目につくんですね。

これを何とか撤去したいんですが、何かいい知恵はないかということなんです。この点について御答弁をお願いします。

[241]
政府参考人(国土交通省政策統括官) 鷲頭誠
今のお尋ねの点でございますが、先ほど大臣からも申し上げましたとおり、船舶の座礁事故、基本的に、その経費、それを撤去する経費も船主に責任がございますが、過去の例を見ますと、やむを得ず自治体が撤去しているというのが随分ございます。その撤去費用につきましても、今、1億を超えるというお話がございましたが、数1000万から数億もかかるということが言われておりまして、そういう意味で、私ども、放置船の検討委員会というのをつくりまして、その中で検討しているところでございます。

現行制度上、放置船の撤去費など放置船の処理に要した費用につきましては、特別交付税の措置があるわけでございますが、今後の防止策、先ほどの入港規制も含めまして、それから費用負担のあり方も含めまして、どうしたらいいかということを私どもも検討いたしますし、関係省庁間で十分検討いたしました上で、適切に対処をしてまいりたいというふうに考えております。





平成15年02月28日 衆議院 予算委員会第八分科会
[119]
自由民主党 葉梨信行
私は、12月5日に茨城県の日立港で起きました北朝鮮船舶の座礁事故のことにつきまして、国土交通大臣初め関係者の皆様に御質問をし、また、御要望申し上げたいと思います。

この事故につきましては、既に昨日も同僚議員から御質問申し上げまして、大臣初め皆様よく御存じだろうと思います。県当局、日立市あるいはひたちなか市、それから周辺の市町村、それと茨城県漁業協同組合が、それぞれの立場で必要な措置を講じてまいりました。しかも、大変な、5億円を上回る膨大な費用を費やしまして、その事故の収拾に充てておるわけでございます。

そこで、これは県としましても漁業活動や港湾の管理運営上の問題がありますので、引き続きいろいろな対策をとっておるところでございますけれども、私、調べてみますと、実は、日立港だけでなくて、その直前かその後ぐらいに、鹿島港を出ました船が、これは北朝鮮船籍と伺っておりますが、出たところで、いかりがおかしくなりまして、これを切って母国へ帰ったというような話も聞いたりしております。

ということは、私も、お話を聞いたり、書いたものを読んで、報道によりまして、大変驚いたのでございますけれども、老朽化船舶や無保険船舶など危険性をはらんだ外国船舶につきまして、入港拒否をしたいというような声も茨城県当局では申し上げておりますが、そういうことはなかなかできないということで、このような船舶が座礁事故を引き起こした場合には被害の補償もなされない。船舶が放置され、港湾の管理上、運営に支障が出るおそれがあるにもかかわらず、現在何らの対応策も講じられていないという状況であるわけでございます。

そういう状況の中で、国におきまして事故対策がとられないということ。海上汚染の防止、漁民の生活や港湾活動を守るために、やむを得ず地元自治体や漁業関係団体において対応してきた次第でございますが、事故対策のための経費を県民が負担すべき理由は全くないわけでございます。

また、この船は北朝鮮船籍でございますけれども、外交関係がないために、その費用、損害賠償の請求をしておりますけれども、極めて困難な交渉となりつつあると聞いておりまして、一地方公共団体、これは県であり、市であり、その他の漁業関係団体等でありましょうが、対応に大変苦慮しているということを申し上げたいと思うわけでございます。

日本国というか、国には国民の生命と財産を守るべき責務があるわけでありまして、地方公共団体において、相手国との交渉ルートがない今回のような座礁船事故につきまして、もっと国が主体的に対応すべきものであると考えるわけでございます。

そういうことで、交通大臣いらっしゃいますときにお願いしたいことは、一茨城県の日立港並びに周辺の問題としてだけでなくて、日本の周辺においてそういう、きちっと整備されない船が出入港して、また航行をして、そして国内の各港湾におきましていろいろ障害、支障を生じさせている、このことにつきましても国としてきちっとした対応をとっていただきたいし、どのような考え方で今臨んでおられるか、そのことを一つお伺いしたいと思います。

特に、最初に申し上げましたように、財政的に、地方団体がこういう、もらい火でございますね、もらい火につきまして、茨城の場合には、とりあえずは6億円以上の費用がかかっているということでございますが、これらにつきましては、国として速やかな財政措置を行っていただきたいと思います。例えば、ナホトカ号の原油流出事故の際に、当該事故の対策のために創設しました交付金のような支援措置を行うべきであると思うのであります。

これらの措置につきましては、できるだけ早く行うために、私は、今年度の予備費を活用し交付金等の支援措置を創設し、特別地方交付税の措置とあわせて、地方公共団体の負担をできる限り生じさせないようにしていただきたい、こういうことを申し上げる次第でございます。

時間がなくて、大変簡略、簡潔に申し上げたつもりでございます。私の申し上げた意義が十分に大臣に通じたかどうか、国土交通大臣、扇大臣の御所見を伺いたいと思います。

[120]
国土交通大臣 扇千景
近年、日本じゅうで、放置された船は今全国で12隻に及んでおります。しかも、国籍の不明のもの、例えば来るまでに既に船主も国籍も不明のものもございます。いわゆる幽霊船的なものもこの12隻の中には含んでおります。

そういう意味で、私は、本来は船舶というものの座礁事故に関しましては船主が費用を払うというのは基本的に決まっておりますけれども、船主もいない、しかも、日本の12隻の中には、御存じのとおり、船長も乗組員も、船だけ置いて違う船に乗ってまた帰ってしまう、飛行機で帰ってしまうなんという、船長らしからぬ責任放棄の形も既にテレビで国民の前に放送されております。

そういう意味では、本当に私は残念だと思いますし、葉梨先生がおっしゃいましたように、保険も掛けていない船は入港させるべきではないのではないか、そういう話も出ておりまして、これは閣僚懇でも話題になりまして、鋭意検討して、関連省庁で検討してみようではないかということも今話し合っております。

それから、大事なことは、撤去した費用について、数1000万から数億に及ぶ費用を負担しておるところが過去にもございます。

今現在では、少なくとも財政措置ということで、一般には、財政上の支援措置で、港湾の区域で、自治体が撤去した放置外国船の最近の例もございますけれども、基本的には、港湾区域で所有者不明のものに関しての撤去は、沈没事故等々もございますけれども、国庫負担の補助率が3分の1、あるいは、特別地方交付税の交付で、都道府県は5割の補てん、市町村では8割の補てんというのが一応今の原則としては決まっております。

今おっしゃったように、余りの金額の大きさと、また今後もないとは言い切れない、そういうことを考えますと、費用の負担のあり方については少なくとも関係省庁間で十分に、特別交付税の措置というものはあるにはあるんですけれども、十分今後検討して、適切に対応できるように、御要望も含めて地方自治体にお返事ができるような体制をとっていきたいと思っています。



[131]
自由民主党 葉梨信行
先ほど私申し上げましたように、日立港だけじゃなくて全国でこういうケースが時々起きているわけですね。整備の不良な船が航行している、こういうことでございますので、やはり船舶の航行安全、あるいは港の保全、いろいろな面におきまして、国土交通省として真剣に対応していただきたいということをお願い申し上げておきます。

それから、先ほどちょっと触れましたけれども、これは北朝鮮船籍で、損害は、国というよりはむしろその船主に責任があるわけでございますから、そういう連絡をしたけれどもどうもはかばかしい返事が来ないという事実がございます。

これは北朝鮮だけでなくて、10何隻の座礁船につきまして国籍を聞いてみますと、韓国もありましたかね、中国もあったかな、それからアメリカかどこかあちらの方の、南米でしたかどこかの船籍の船もある。ということで、全世界的、大げさですけれども、単に一国の問題ではないわけで、こういうようなときにしっかりその損害賠償が取れるような措置をとっていかなければならない。

これは外務省の仕事だと思いますね。外務省と国土交通省、両省がよく相談をしまして、これはまた一つの外交案件と申しますか、海事関係の外交案件として取り上げていただきたいと思うのでございます。国土交通省、外務省から御答弁を願います。

[132]
政府参考人(国土交通省政策統括官) 鷲頭誠
先生御指摘のとおり、今現在ある12隻は、パナマ、ロシア、ベリーズという中南米の国、それから北朝鮮、韓国などの船がございます。これらは、先ほども申し上げましたとおり保険に入っていない、あるいは入っていても大変保険額が少ないというような船でございますので、こういう船につきましては水際で入れないようにすることができないかということで、入港規制を検討しておるところでございます。

ただ、海洋法との関係もございますので、国際条約との関係をにらみながら早急にその対応を、法制化も含めて検討していきたいというふうに考えております。





平成15年04月14日 参議院 決算委員会
[085]
政府参考人(国土交通省政策統括官) 鷲頭誠
私の方からは座礁船の撤去についてお答え申し上げたいと思います。

先生御指摘のとおり、我が国沿岸には現在12隻の放置座礁外国船がございます。

こうした船舶の座礁等により被害が発生した場合には、その賠償や船舶の撤去にかかわる費用は船主の責任により処理されるというのが原則でございますが、実際には、無責任な船主が対応を行わないというようなこともございまして、地方自治体がやむを得ず座礁船を撤去したり、あるいはそのまま放置されているという例があるのが現状でございます。

先生のそういう問題意識を、私ども同じようなものを持っておりまして、国土交通省におきましては、現在、放置・座礁船舶等に関する検討会というものを設置しておりまして、放置座礁外国船の撤去に関しまして地方公共団体が負担する費用の一部を国が支援する新たな制度を平成16年度に立ち上げるべく検討を行っているところでございます。





平成15年07月03日 参議院 国土交通委員会
[008]
国土交通大臣 扇千景
今、野上議員から過日のスーヤンサン号のことをお聞きになりましたけれども、元々この船は既に、今年の3月だったと思いますけれども、ポートステートコントロールをいたしました。そのときに14項目にわたる改善命令、これ14項目言っていると時間がなくなりますのでやめますけれども、いわゆるポートステートコントロールを掛けまして改善命令を出しました。

改善命令を出して、今度再び日本に入ろうとして来たわけでございますけれども、ポートステートコントロールを掛けたのは3月の18日でございました。4月の8日に改善命令を発しております。それから、今回は、御存じのとおり、6月の6日、伏木富山港に入港予定で参りましたけれども、これも中国を経由して荷物を載っけて日本に来たわけですけれども、見るからに14項目の改善命令に対処していないということがありありだったものですから、これは富山県が御判断で入港停止をお掛けになりました。

スーヤンサン号のみならず、これだけの海運王国でございますから、あらゆる港に入ってまいります。外国船を入れている港だけでも100数十港ございます。そして、現在も、これは国籍がばらばらではございますけれども、日本の周りに今10隻、座礁したりあるいは老朽化で放置した外国船籍がございます。

そういう意味で、大変、地方の港湾では、夏を迎えまして、利用する、近海の、港の近くの海水浴場等々のお客様も考慮して、今、日本近海で放置されております10隻、1隻はこの間処理いたしましたね。けれども、その1隻処理するだけでも2億から3億という、物によっては大変な金額が地方自治体の負担になります。半分は国費でと言っておりますけれども、船によっては荷物が満載されておりまして、いわゆる放置自転車等々が満載されていて、まずそれを撤去するだけでも費用が掛かるということで、ポートステートコントロールを、これは国際的に認知されたものですから、検査を受けて、改善命令出したにもかかわらず、それを処置しない船は日本には入港拒否をしようということで、私は、富山が決断なすったことは、今後のこういうポートステートコントロールを掛けられるという分かっている船に対しては大変な抑止力になると、そう思っておりますので、そういう意味では、今回の富山県の取られた処置、それに関して私は、今でも10隻、日本海に、日本じゅうの港でそうしたのも抱えているわけですから、そういう意味では大変な御決断であったと思いますし、これから日本に目指して、経済的にも、入港してこようという船は少なくとも保険に入っていく、ない船もたくさんございますけれども、まず国際的に認められたポートステートコントロールを遵守した船が入ってくるのは当然なことでございます。

また、我々は入った船に対してはポートステートコントロールを掛ける、海上保安庁はきちんと対処するということで103名の検査員が頑張っておりますので、そういう意味では富山県の今回取られたスーヤンサン号に対する処置があらゆる面で抑止力を働き、外国にも、入ってくる船の認識というものを、断固としてポートステートコントロールにかなう船でないと入ってこないということへのいい先鞭を着けていただいたと思って、日本としても、国としても感謝しています。





平成16年03月16日 参議院 総務委員会
[115]
自由民主党 狩野安
それから、放置外国船の、放置外国船の対策についてお伺いしたいと思いますが、今、日本に寄港した外国船が座礁して、船主が撤去費用を支払わずに自治体が撤去費用を肩代わりしているということが問題になっております。

国土交通省の資料によりますと、平成15年7月1日現在で放置座礁外国船が10隻あるとのことですが、私の地元である茨城県の話でございますが、平成14年12月に日立市の沖合で発生した北朝鮮籍の貨物船チルソン号の座礁事故では、船主が撤去費用を全く払わず茨城県が肩代わりするという事態になりました。船体撤去と重油流出対策で総額6億3800万円を要したとのことですが、今月2日に県が差し押さえた鉄くずの公売があり、わずか1690万円の落札でした。その収入は県が支払った費用に補てんされると聞いておりますけれども、県にとっては財政が厳しい時期に大きな負担となっております。





平成16年03月31日 衆議院 国土交通委員会
[030]
公明党 高木陽介
放置座礁船の対策についても、我が国に入港する船舶に対して新たに保険加入を今回義務づけるということで、本当に大切な問題であるというふうに評価しておりますけれども、その上で幾つかの質問をさせていただきたいと思います。

まず、我が国の沿岸で座礁した無保険船舶で、船主が放置した結果、自治体が船舶の撤去などの費用を負担する、こういう問題が生じてまいりました。船主による責任ある対応を確保するために、我が国に入港する船舶に対して保険加入を義務づける、こういう必要があるというふうに考えておりますし、その上で、問題は、義務づけはいいんですけれども、本当にちゃんと保険に加入しているかどうか。

そのような実態の中で、先ほど質問の、また答弁の中にもありました北朝鮮船籍、これは保険の加入率が低いということで、2.8%だということですけれども、この法案によって北朝鮮船籍の船舶はどのように扱われていくか。

また、この法案は国籍に着目して入港を直ちに禁止するものではない、いわゆる船に対してということで認識をしておりますけれども、それでよいのか、まず御答弁をいただきたいと思います。

[031]
政府参考人(国土交通省海事局長) 鷲頭誠
ただいま先生御指摘いただきましたとおり、私どもの調査によれば、北朝鮮の船は2.8%の保険加入率である、こういうことでございます。

ただ、北朝鮮船舶の保険の加入率というのは低い状況でございますが、今回の改正というのは、座礁事故等が発生した場合に、船舶の撤去、油による被害をカバーするということが円滑に行われるよう保険を義務づけようとするものでございまして、船籍なり特定の国に着目して船舶を排除するというものではございません。

したがいまして、北朝鮮籍の船も、それ以外の船籍の船につきましても、同様に、保険加入の有無の観点から我が国の港への入港の可否を判断するということになるものでございます。





平成22年05月18日 衆議院 決算行政監視委員会第四分科会
[084]
公明党 稲津久
そこで、現在、船体が撤去されないまま日本の沿岸に座礁している外国船はどの程度あるのか、この点についてお示しいただければと思います。

[085]
国土交通副大臣 辻元清美
現在は、国交省として把握しているものは7隻でございます。

[086]
公明党 稲津久
そこで、ではその7隻がなぜ残っているのかということになってくるんですけれども、今、交付税の話がございまして、特交での措置がされるにもかかわらず、実際にこれだけの外国船が座礁して残っているという現状を踏まえたときに、その理由をどう考えるか、このことについてもお示しいただければと思います

[087]
国土交通副大臣 辻元清美
まず、船主というか所有者がきちんと対応しないということで放置されたまま、自治体としては、費用対効果というか、それを置いておくこととそれからかかる費用との兼ね合いを見て、だれもそんな座礁した船を置いておきたいはずはないと思いますので、撤去したいけれども、経済的な、財政的な理由から置いておかざるを得ないということが一番大きな原因ではないかというように思います。



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